JPH11115955A - 押圧開封構造を有した包装用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂シートからの製法を殆ど変更するこ
とがなく製造することができて、嵌合時の係止状態を十
分に維持することができることは勿論、蓋の開封操作を
極めて簡単に行え、しかも蓋体の容器本体からの取り外
しを簡単かつ確実に行うことのできる包装用容器を提供
すること。 【構成】 収納部を有する容器本体１０と、この容器本
体１０のスカート部１５と係止する係止部２１を形成し
た蓋体２０とからなる包装用容器１００であって、蓋体
２０を、容器本体１０に対する嵌合時に上縁フランジ１
１上に位置することになる蓋フランジ２２と、この蓋フ
ランジ２２の内方に延在してその下方に押下空間を形成
する押下部２３と、この押下部２３の内端に位置する境
界線部２４を介して蓋上面２６に向けて立ち上がる傾斜
側壁２５とを備えたものとしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、容器本体とこれに嵌合
される蓋体とからなる包装用容器に関し、特に、蓋体の
開封を簡単に行えるようにした包装用容器に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】容器本体と、これに嵌合される蓋体とか
らなる包装用容器は、その各部を、合成樹脂シートを型
成形することにより製造されるものであり、両者の嵌合
は、例えば蓋体側に形成したアンダーカット部である係
止部を、容器本体側の上縁フランジの外縁のスカート部
に係止させて行うようにしている。このスカート部と係
止部との係合によって、容器本体に対して蓋体を強固に
嵌合させることができるため、非常に便利なものではあ
る。

【０００３】このような容器本体に嵌合された蓋体は、
容器本体内の収納物を取り出す場合には、開封、つまり
取り外しを行わなければならないが、その開封を行い易
くするために、一般的には図１にも示すような指掛部
が、容器本体側か蓋体側かのいずれかに形成してある。
ところが、これらの容器本体及び蓋体は、前述したよう
に、合成樹脂シートによって形成したものであることが
多いため、その指掛部やフランジ部が非常に薄く、指掛
部に指を掛けることはできても、容器本体と蓋体との境
は分かりにくいままとなっている。つまり、仮に指掛部
に指を掛けることができても、容器本体と蓋体との分離
をさせることが困難だったのである。

【０００４】以上の困難性は、特に視力の衰えた老人に
とって顕著であり、容器本体も蓋体も透明な合成樹脂シ
ートで形成してあれば、指掛部があっても全く開封その
ものができない場合もあり得ることになる。

【０００５】そこで、本発明者は、この種の合成樹脂シ
ートによって製造される包装用容器の利便性はそのまま
にして、蓋の開封を簡単に行えるようにするにはどうし
たらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発
明を完成したのである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の経緯
に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題
は、蓋の開封をより簡単に行えるようにすることであ
る。

【０００７】すなわち、本発明の目的とするところは、
合成樹脂シートからの製法を殆ど変更することがなく製
造することができて、嵌合時の係止状態を十分に維持す
ることができることは勿論、蓋の開封操作を極めて簡単
に行え、しかも蓋体の容器本体からの取り外しを簡単か
つ確実に行うことのできる包装用容器を提供することに
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の採った手段は、後述する実施の形態中に
おいて使用する符号を付して説明すると、「収納部を有
する容器本体１０と、この容器本体１０のスカート部１
５と係止する係止部２１を形成した蓋体２０とからなる
包装用容器１００であって、蓋体２０を、容器本体１０
に対する嵌合時に上縁フランジ１１上に位置することに
なる蓋フランジ２２と、この蓋フランジ２２の内方に延
在してその下方に押下空間１２を形成する押下部２３
と、この押下部２３の内端に位置する境界線部２４を介
して蓋上面２６に向けて立ち上がる傾斜側壁２５とを備
えたものとして蓋上面２６を押圧したとき、その押圧力
が傾斜側壁２５及び境界線部２４を介して押下部２３に
伝えられ、この押下部２３の押下によって蓋フランジ２
２を上縁フランジ１１から浮き上がらせ、これにより、
係止部２１による係止を解除して蓋開封を行えるように
したことを特徴とする押圧開封構造を有した包装用容器
１００」である。

【０００９】すなわち、本発明に係る包装用容器１００
においては、図１に示すように、蓋体２０における蓋上
面２６の一部を押圧することにより、図４中の点線にて
示すように、蓋フランジ２２の内側に位置している押下
部２３を押し下げ得るようにして、これにより、蓋体２
０側の蓋フランジ２２の外縁に形成してある係止部２１
が、容器本体１０側のスカート部１５から外れるように
したものである。

【００１０】以上の開封操作を、図４を参照して更に詳
細に説明すると、次の通りである。まず、蓋上面２６の
押圧によって図示左上から傾斜側壁２５に押圧力が加え
られると、この力は境界線部２４及び押下部２３を介し
て蓋フランジ２２に伝えられようとする。このとき、押
下部２３の内端側には境界線部２４が形成してあり、か
つこの押下部２３の下には押下空間１２が形成してある
から、図４中の点線にて示したように、この押下部２３
は、境界線部２４にて少し折曲されながら、押下空間１
２内に押し下げられることになる。境界線部２４には、
下方向きの押圧力が一番加わるところである。

【００１１】押下部２３の外側は蓋フランジ２２に連続
しているから、この押下部２３または蓋フランジ２２の
下面が、当該押下部２３の押下に伴って容器本体１０側
の支点部１３に当接し、蓋フランジ２２の外側は、テコ
の作用点のように、支点部１３を中心にして図示上方に
浮き上がり、係止部２１も上方に持ち上がることにな
る。この結果、蓋体２０側の係止部２１の、スカート部
１５に対する係合は、自動的に外されることになるので
ある。

【００１２】以上のことにより、図４中の点線にて示し
たように、容器本体１０側のスカート部１５と蓋体２０
側の蓋フランジ２２との間には両者を大きく分ける空間
が形成されることになるから、使用者はこの空間内に指
を入れるか、指掛部２８に指を掛けて蓋体２０の開封を
行うのである。この開封は、図１に示した蓋上面２６の
一部を押圧するという簡単な操作によって行えるのであ
るから、老人や幼児のような力の弱い人や、あるいは視
力の衰えた人でも容易かつ確実に行うことができるので
ある。

【００１３】ここで、図５に示した実施形態において
は、蓋フランジ２２の外端側に面取り２７が形成してあ
るため、押下部２３の押下時にこの面取り２７が上縁フ
ランジ１１とスカート部１５の間の隅角部にて案内され
ることになる。従って、この図５の包装用容器１００で
は、上記開封がより簡単に行われることになる。

【００１４】また、図６に示した実施形態においては、
押下部２３と傾斜側壁２５とを下方に折り曲げることに
より、境界線部２４がより一層下方に位置するようにし
てある。これにより、蓋上面２６を押圧したときの力に
よって押下部２３の内端側を押下空間１２内に引きずり
込みし易くなっており、蓋体２０の開封をより確実に行
えるようにしているものである。

【００１５】さらに、図７に示した実施形態において
は、容器本体１０側における上縁フランジ１１の内側部
に内方に傾斜する傾斜面１４が形成してあり、これによ
り、押下部２３が下がる押下空間１２を形成したもので
ある。これにより、押下部２３が押下されたとき、この
傾斜面１４上にて押下部２３の下方への案内がされるこ
とになり、蓋体２０の開封がより簡単かつ確実になされ
ることになるのである。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、本発明を、図面に示した実
施の形態である包装用容器１００について説明すると、
図１〜図４には、本発明の第１実施例に係る包装用容器
１００が示してあり、図５〜図７には、他の実施例に係
る包装用容器１００が示してある。

【００１７】図１には、合成樹脂シートを使用して真空
または圧空成形した容器本体１０及び蓋体２０からなる
包装用容器１００の平面図が示してあり、この包装用容
器１００は全体を略長方形状のものとしたものである。
勿論、本発明は、このような長方形状のものに限らず、
例えば円形等の、この種の包装用容器に適用されている
形状であれば、他の形状のものについても適用できるこ
とは言うまでもない。

【００１８】さて、このような包装用容器１００を構成
している容器本体１０及び蓋体２０は、図２に示したよ
うに、容器本体１０のスカート部１５に、蓋体２０の蓋
フランジ２２の外縁側にアンダーカット部として形成し
た係止部２１を係止させることにより一体化されるもの
であり、容器本体１０が収納空間を有することは当然と
して、蓋体２０に後述の傾斜側壁２５を形成することに
より、当該蓋体２０内にも収納空間を形成したものであ
る。本実施形態においては、容器本体１０側の上縁フラ
ンジ１１、蓋体２０側の蓋フランジ２２がそれぞれ全周
にわたって形成してあり、容器本体１０側の上縁フラン
ジ１１の一部には、図１にも示したように、指掛部２８
が形成してあるが、この指掛部２８はなくてもよい。

【００１９】以上のような蓋体２０を容器本体１０に嵌
合させると、図３に示したようになるのであるが、この
場合には、蓋体２０側の係止部２１が、容器本体１０側
のスカート部１５に係止されている。この係止は、容器
本体１０と蓋体２０の一部または全周でなされるもので
あり、この容器本体１０の、蓋体２０側の係止部２１と
の係止がなされている部分の上縁フランジ１１の内側に
は、後述する押下部２３のための押下空間１２が形成し
てある。この押下空間１２の高さは、係止部２１の長さ
と同一、もしくは長くなっている。

【００２０】一方、蓋体２０についてみてみると、図３
及び図４に示したように、その少なくとも係止部２１に
近接する部分に、容器本体１０に対する嵌合時に上縁フ
ランジ１１上に位置することになる蓋フランジ２２と、
この蓋フランジ２２の内方に延在してその下方に押下空
間１２を形成する押下部２３と、この押下部２３の内端
に位置する境界線部２４を介して蓋上面２６に向けて立
ち上がる傾斜側壁２５とが形成してある。そして、押下
部２３は、前述したように、容器本体１０側の押下空間
１２上に位置することになるものである。

【００２１】以上のような、係止部２１、蓋フランジ２
２、押下部２３、境界線部２４及び傾斜側壁２５を有す
る蓋体２０、そして上記上縁フランジ１１を有する容器
本体１０は、前述したように、真空成形等の手段によっ
て合成樹脂シートから一体的に形成されるものである
が、図５〜図７に示したような態様のものに変更して実
施されることもある。

【００２２】図５には、他の実施例に係る包装用容器１
００が示してある。この包装用容器１００においては、
その蓋体２０についての蓋フランジ２２の外端側に面取
り２７が形成してあり、この面取り２７にて、押下部２
３の押下時に、上縁フランジ１１の外端に対する案内が
なされるようにしてある。従って、この図５の包装用容
器１００では、上縁フランジ１１の外端に対する面取り
２７の案内がなされるため、蓋体２０の開封がより簡単
に行われることになる。

【００２３】また、図６には、さらに他の実施例に係る
包装用容器１００が示してある。この包装用容器１００
においては、蓋体２０側の押下部２３と傾斜側壁２５と
を下方に折り曲げたものであり、これにより、境界線部
２４がより一層下方に位置するようにしてある。従っ
て、蓋上面２６を押圧したときの力によって、押下部２
３の内端側を押下空間１２内に引きずり込みし易くなっ
ており、蓋体２０の開封をより確実に行えるようにした
ものである。

【００２４】さらに、図７には、別の実施例に係る包装
用容器１００が示してある。この包装用容器１００は、
容器本体１０側における上縁フランジ１１の内側部に内
方に傾斜する傾斜面１４が形成してあり、これにより、
押下部２３が下がる押下空間１２を形成したものであ
る。これにより、押下部２３が押下されたとき、この傾
斜面１４上にて押下部２３の下方への案内がされること
になり、蓋体２０の開封がより簡単かつ確実になされる
ものである。

【００２５】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
上記各実施例にて例示した如く、蓋体２０を、係止部２
１と、容器本体１０に対する嵌合時に上縁フランジ１１
上に位置することになる蓋フランジ２２と、この蓋フラ
ンジ２２の内方に延在してその下方に押下空間１２を形
成する押下部２３と、この押下部２３の内端に位置する
境界線部２４を介して蓋上面２６に向けて立ち上がる傾
斜側壁２５とを備えたものとしたことにその構成上の特
徴があり、これにより、合成樹脂シートからの製法を殆
ど変更することがなく製造することができて、嵌合時の
係止状態を十分に維持することができることは勿論、蓋
の開封操作を極めて簡単に行え、容器本体１０を動かす
ことなく蓋体２０に対する操作によってのみ、蓋体の容
器本体からの取り外しを簡単かつ確実に行うことのでき
る包装用容器を提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る包装用容器を、蓋体を容器本体
から外した状態で示した平面図である。

【図２】 同包装用容器の蓋体を容器本体に嵌合しよう
とする状態を示した部分破断正面図である。

【図３】 同包装用容器の蓋体を容器本体に嵌合したと
きの部分拡大断面図である。

【図４】 図３の要部を拡大して示した部分拡大断面図
である。

【図５】 本発明の他の実施例に係る包装用容器の、容
器本体と蓋体との嵌合状態を示した部分拡大断面図であ
る。

【図６】 本発明の別の実施例を示す図５に対応した部
分拡大断面図である。

【図７】 本発明のさらに他の実施例を示す図５に対応
した部分拡大断面図である。

【符号の説明】

１００ 包装用容器 １０ 容器本体 １１ 上縁フランジ １２ 押下空間 １３ 支点部 １４ 傾斜面 １５ スカート部 ２０ 蓋体 ２１ 係止部 ２２ 押下部 ２３ 蓋フランジ ２４ 境界線部 ２５ 傾斜側壁 ２６ 蓋上面 ２７ 面取り ２８ 指掛部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納部を有する容器本体と、この容器本
   体のスカート部と係止する係止部を形成した蓋体とから
   なる包装用容器であって、 前記蓋体を、前記容器本体に対する嵌合時に前記上縁フ
   ランジ上に位置することになる蓋フランジと、この蓋フ
   ランジの内方に延在してその下方に押下空間を形成する
   押下部と、この押下部の内端に位置する境界線部を介し
   て蓋上面に向けて立ち上がる傾斜側壁とを備えたものと
   して、 前記蓋上面を押圧したとき、その押圧力が前記傾斜側壁
   及び境界線部を介して前記押下部に伝えられ、この押下
   部の押下によって前記蓋フランジを上縁フランジから浮
   き上がらせ、これにより、前記係止部による係止を解除
   して蓋開封を行えるようにしたことを特徴とする押圧開
   封構造を有した包装用容器。