JPH11114085A - スプリンクラー消火設備 - Google Patents

スプリンクラー消火設備

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JPH11114085A
JPH11114085A JP9280085A JP28008597A JPH11114085A JP H11114085 A JPH11114085 A JP H11114085A JP 9280085 A JP9280085 A JP 9280085A JP 28008597 A JP28008597 A JP 28008597A JP H11114085 A JPH11114085 A JP H11114085A
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JP
Japan
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pipe
sprinkler
fire extinguishing
box
head
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JP9280085A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kobayashi
健 小林
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Hochiki Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天井側での配管スペースを不要にし、配管作業
も容易にする。 【解決手段】消火配管を配置したダクト3側から防護区
画のヘッド取付位置に至るコンクリート天井スラブ1内
に鞘管2を埋設設置する。この鞘管2の末端又は途中の
ヘッド取付位置となる天井スラブ1内に下部を開口して
ヘッド取付ボックス5を埋設設置する。鞘管2には、ダ
クト3側の消火配管に一端を接続し内部を貫通してヘッ
ド取付ボッスク5に他端を取り出すように可撓性樹脂配
管(架橋ポリエチレン管)3を配置する。ヘッド取付ボ
ックス5の開口部には着脱自在なボックスカバー6が設
けられ、ボックスカバー6にはボックス内の可撓性樹脂
配管3に接続されたスプリンクラーヘッド8が装着され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高層の共同住宅等
の建物のコンクリート天井スラブ内に埋め込み設置され
た配管にスプリンクラーヘッドを接続した構造のスプリ
ンクラー消火設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高層住宅のスプリンクラー設備に
あっては、図6のように、天井ボード101とコンクリ
ート製の天井スラブ100との間の空間に、吊りボルト
103を天井スラブ100内に埋め込まれたインサート
102にねじ込んで金属製の配管108を吊りバンド1
04により吊り下げ配置し、配管108の先端から絞り
管105を天井ボード101のヘッド配置穴107の位
置に立ち下げ、この部分にスプリンクラーヘッド106
を装着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の配管構造にあっては、天井ボードと天井スラ
ブとの間に配管スペースを必要とする。このため建物を
階別に仕切る天井スラブの間隔は、室内高さに配管スペ
ース分の高さを加えた寸法を確保しなければならず、階
数が増加すると、建物全体としての高さに加え、建築コ
ストに大きく影響する問題があった。
【0004】このため天井裏の配管スペースを低くする
種々の工夫が試みられているが、20〜30センチメー
トル程度が限界であり、特にスプリンクラー消火設備の
設置が義務付けられている高層の共同住宅にあっては、
天井裏の高さが不必要に高くなることを抑えるため、天
井裏の高さをできるだけ低く設定することが強く望まれ
ているが、従来の配管構造ではそれ以上減らすことはで
きない。
【0005】また、このような配管構造における天井内
の配管作業にあっては、インサートを天井スラブに埋め
込み、インサートに吊りボルトを装着し、バンドにより
配管を支持固定するという作業が必要であり、天井側の
高い位置での配管作業となることから、作業負担が大き
いという問題があった。本発明は、このような従来の問
題点に鑑みてなされたもので、天井裏側での配管スペー
スを不要にし、また配管作業も容易にできるようにした
スプリンクラー消火設備を提供することを目的とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この目的を達成するた
め本発明は次のように構成する。まず本発明のスプリン
クラー消火設備にあっては、消火配管を配置したパイプ
シャフトやダクト側から防護区画のヘッド取付位置に至
るコンクリート天井スラブ内に枝管を埋め込み設置す
る。また鞘管の末端又は途中のヘッド取付位置となるコ
ンクリート天井スラブ内に下部を開口してヘッド取付ボ
ックスを埋め込み設置する。
【0007】鞘管に対しては、パイプシャフトやダクト
側の消火配管に一端を接続し鞘間内を貫通してヘッド取
付ボッスク内に他端を取り出すように例えば架橋ポリエ
チレン管を用いた可撓性樹脂配管を配置する。ヘッド取
付ボックスの開口部に着脱自在なボックスカバーが設け
られ、このボックスカバーにはボックス内の可撓性樹脂
配管に接続されたスプリンクラーヘッドが装着される。
【0008】このような本発明のスプリンクラー消火設
備によれば、建物を階別に仕切るコンクリート製天井ス
ラブに埋め込んだ鞘管の中に可撓性樹脂配管が配置され
ているため、天井スラブの下に天井ボードを配置して確
保する配管スペースは一切不要となり、建物の全体とし
ての高さを抑えることができ、空間利用効率の向上と建
築コストの低減を図ることができる。
【0009】また配管作業は、スラブ天井のコンクリー
ト打ちの際に鞘管を配置して埋設しており、この鞘管に
対しダクト側から可撓性樹脂管、具体的には架橋ポリエ
チレン管を挿入することで、特別な支持を必要とするこ
となく簡単に配管できる。またスプリンクラーヘッドの
取付位置にはヘッド取付ボックスを埋設しており、ボッ
クスカバーにスプリンクラーヘッドを装着してボックス
内の可撓性樹脂配管に接続し、この状態でボックスカバ
ーを取り付けるだけでよく、スプリンクラーヘッドの取
付け作業も容易である。
【0010】ここで、天井スラブ内の鞘管の途中にヘッ
ド取付ボックス内を設けた場合には、ヘッド取付ボック
ス内で分岐継手(T継手)を介して鞘管を貫通させ、こ
の分岐継手の分岐口にボックスカバーに装着されたスプ
リンクラーヘッドを接続するようになる。ボックスカバ
ーに装着されたスプリンクラーヘッドとボックス内の可
撓性樹脂配管との間は、上下方向に伸縮自在なコイル状
に成型された巻出し継手により接続される。この場合、
ボックスカバー側にスプリンクラーヘッドとコイル状巻
出し継手を予め組み付けておき、コイル状巻出し継手を
伸展させてボックスカバーを吊り下げた状態で、ボッス
ク開口部とボックスカバーとの隙間から可撓性樹脂管に
巻出し継手を入れて接続でき、スプリンクラーヘッドの
組付け作業が容易にできる。
【0011】一方、本発明のスプリンクラー設備は、可
撓性樹脂管を接続した消火配管の一次側を、自動警報弁
を介して消火ポンプから立ち上げられた給水本管に分岐
接続しており、また給水本管の圧力が規定値以下に低下
したとき消火ポンプを運転して加圧消火用水を供給する
ようにしている。更に、本発明にあっては、分岐側に設
けた自動警報弁の二次側に電動弁を配置し、この電動弁
を定常監視状態で閉鎖し防護区画の火災発生時に開放さ
せる電動弁制御部を設けたことを特徴とする。
【0012】この自動警報弁の二次側に設けた電動弁
は、スプリンクラーヘッドの配管に使用した可撓性樹脂
管の膨脹収縮に起因した給水本管の圧力変動を阻止し、
管内圧力を回復するための消火ポンプが頻繁に起動停止
されることを防止する。即ち、従来のスプリンクラー消
火設備にあっては、全て金属製の配管であったことか
ら、温度に依存した膨脹収縮に伴う管内圧力の変動は極
く僅かで問題にはならない。
【0013】しかし、可撓性樹脂管を使用した本発明の
場合には、温度変化や内圧変化に伴う膨脹収縮が大き
く、可撓性樹脂管の全体としての配管長は相当になるた
め、温度変化に依存して給水本管の管内圧力が大きく変
動し、消火ポンプの起動停止が行われる可能性がある。
そこで、可撓性樹脂管の接続される部分に電動弁を設
け、電動弁を定常監視状態で閉じておくことで、可撓性
樹脂管の膨脹収縮に起因した給水本管の圧力変動を阻止
する。また電動弁は火災時には開放させる必要があり、
このため電動弁制御部は、スプリンクラーヘッドの作動
による二次側圧力の低下を検出した時、あるいは防護区
画に設置された火災感知器の発報を受信した時などに開
放作動させる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明のスプリンクラー消
火設備における天井スラブに対する配管構造の説明図で
ある。図1において、建物を階別に仕切るコンクリート
製の天井スラブ1の内部には、消火配管が建物の垂直方
向に配置されるパイプシャフトやダクト30側から防護
区画となる室内の天井側のスプリンクラーヘッド8の設
置位置に向けて鞘管2が埋設されている。この鞘管2
は、樹脂で成形された蛇腹構造の可撓性をもった管部材
である。
【0015】鞘管2は天井スラブ1の施工作業で鉄筋を
組み立てた際に、予めダクト30側から防護区画となる
室内の天井面のスプリンクラーヘッド8の設置位置を通
る配管系統を決めて配置し、この状態でコンクリートを
流し込んで天井スラブ1内に図示のように埋設されてい
る。またスプリンクラーヘッド8を取り付ける天井スラ
ブ1の天井側には、ヘッド取付ボックス5を埋設するた
めのくり抜き部が天井スラブ1のコンクリート打ちの際
に予め型枠等により仕切ることで形成され、この部分に
耐熱性材料で作られたヘッド取付ボックス5を組み込ん
でいる。ヘッド取付ボックス5は取付状態で下側に開口
しており、開口の取付アングル5aにはビス9によって
ボックスカバー6を装着することができる。またヘッド
取付ボックス5の側面の開口穴5bからは天井スラブ1
に埋設した鞘管2の端部が取り出されている。
【0016】天井スラブ1に埋設した鞘管2の中には、
可撓性樹脂管として例えば架橋ポリエンチレン管3が通
入配置される。架橋ポリエチレン管は、ポリエチレンの
分子間に特定の手段を用いて三次元の化学結合(架橋)
を起こさせ分子量を増大させた架橋ポリエチレンによっ
て構成された管であり、管全体が架橋ポリエチレンによ
って構成されているものを単層管といい、内側が架橋ポ
リエチレン層、外側が架橋していないポリエチレン層に
よって構成されているものを2層管と呼んでいる。
【0017】この架橋ポリエチレン管3は従来の金属管
に比べると十分な可撓性をもっており、天井スラブ1内
に埋設した鞘管2の中に例えばダクト30側から容易に
挿入して管端をヘッド取付ボックス5の中に取り出すこ
とができる。この実施形態にあっては、鞘管2の中に挿
入された架橋ポリエチレン管3の一端はダクト30に設
けているスプリンクラー消火設備の分岐管が接続される
分岐ヘッダ4に接続されている。
【0018】ヘッド取付ボックス5内に取り出された架
橋ポリエチレン管3に対しては、コイル状巻出し継手7
を介してボックスカバー6に取付固定しているスプリン
クラーヘッド8が接続される。コイル状巻出し継手7は
水平回りに1乃至2ターン程度巻き回したコイル形状を
もち、上下方向に伸縮自在な構造であり、材料としては
架橋ポリエチレンを使用すればよい。
【0019】コイル状巻出し継手7は、コイル形状をも
ち、且つ上下方向に伸縮自在な構造であることから、薄
くでき、その結果、ヘッド取付ボックスも薄くすること
ができることから、十分天井スラブ1内に埋設できる。
コイル状巻出し継手7は上部側に電気融着継手部7aを
備えており、電気融着継手部7aを鞘管2からボックス
内に取り出した架橋ポリエチレン管3の管端に融着固定
している。
【0020】電気融着継手部7aの構造は、架橋ポリエ
チレンで構成された継ぎ口の内部に電熱線を一体に組み
込んでおり、外部に取り出した電熱線の端子ピンにコネ
クタを接続して通電することで加熱することにより溶け
て架橋ポリエチレン管3側に融着する。具体的には、架
橋ポリエチレン層は高い耐熱性があることから、架橋ポ
リエチレン管3としては内側が耐熱性の高い架橋ポリエ
チレン層、外側が架橋していない耐熱性の低いポリエチ
レン層とした2層管を使用する。一方、コイル状巻出し
継手7の電気融着継手部7aについては、耐熱性の高い
架橋ポリエチレン層の内側に架橋していないポリエチレ
ン層を形成し、このポリエチレン層を内蔵した電熱線の
通電による加熱で溶かして架橋ポリエチレン管3側の2
層管における外側の架橋していないポリエチレン層と融
着する。
【0021】このような電熱線を内蔵した融着構造を有
する継手としては、例えばJISK6770−1991
の電気融着継手(EF継手)を使用することができる。
ヘッド取付ボックス5内で電気融着により架橋ポリエチ
レン管3の管端に接続されたコイル状巻出し継手7の他
端は、ボックスカバー6にスプリンクラーヘッド8と共
に取付固定されたエルボ7bに接続される。このエルボ
7bとしても電気融着継手部7aと同様、電気融着可能
な電気融着継手を使用し、内蔵した電熱線の通電による
融着固定とすることが望ましい。また、ボックスカバー
6を耐熱樹脂で形成した場合には、エルボ7bをカバー
と一体成形することが望ましい。
【0022】図2は図1の実施形態において、ヘッド取
付ボックス5内におけるスプリンクラーヘッド8側の取
付作業の説明図である。まずヘッド取付ボックス5に対
するスプリンクラーヘッド8側の組付けに先立ち、ボッ
クスカバー6に対しスプリンクラーヘッド8及びコイル
状巻出し継手7を組付固定しておく。このようなスプリ
ンクラーヘッド8側の組立て状態でコイル状巻出し継手
7の電気融着継手部7aをヘッド取付ボックス5内に取
り出された架橋ポリエチレン管3に嵌め入れ、電気融着
継手部7aに設けている2本のターミナルピンに対し融
着用の通電装置のコネクタを接続して通電加熱すること
で融着固定する。
【0023】このときスプリンクラーヘッド8を装着し
たボックスカバー6側は、コイル状巻出し継手7の伸展
により下方に垂れ下がってヘッド取付ボックス5の開口
部を開いており、このボックスカバー6とボックス開口
部との間の隙間から手を入れることで、架橋ポリエチレ
ン管3に対するコイル状巻出し継手7の電気融着継手部
7aの嵌込みと電気融着のためのコネクタ接続作業を容
易に行うことができる。
【0024】ヘッド取付ボックス5内に取り出された架
橋ポリエチレン管3に対するコイル状巻出し継手7側の
電気融着継手部7aの電気融着による接続が完了したな
らば、ボックスカバー6を押し上げてヘッド取付ボック
ス5の開口部の内側に張り出した取付フレーム5aに押
し付け、下側よりビス9をねじ込むことで図1のように
ヘッド取付ボックス5に組付け固定できる。
【0025】また天井スラブ1の表面には最終的には、
破線のように天井クロス10が貼り付けられ、天井クロ
ス10は同時にボックスカバー6の表面にも貼り付けら
れるが、ヘッド取付ボックス5内の点検を可能とするた
め、ボックスカバー6の部分で天井クロス10を切り取
って、図2のように施工後にボックスカバー6を着脱自
在としてもよい。
【0026】ここでヘッド取付ボックス5は耐火構造が
必要であり、したがってヘッド取付ボックス5及びボッ
クスカバー6は板金で作ってもよい。もちろん、耐熱性
をもった樹脂材料であってもよいことはもちろんであ
る。またボックスカバー6が耐火材料であれば内部のヘ
ッド取付ボックス5はその必要がなく、例えばボックス
カバー6を板金、ヘッド取付ボックス5は樹脂材料とし
てもよい。
【0027】図3は本発明のスプリンクラー消火設備に
おける他の配管構造であり、この実施形態にあっては、
取付ボックスを貫通して配管した場合のスプリンクラー
ヘッドの取付構造を示している。即ち、天井スラブ1に
埋設した鞘管2の途中にヘッド取付ボックス5を埋設状
態で組み込んでおり、鞘管2の左側から挿入した架橋ポ
リエチレン管3aはヘッド取付ボックス5内に取り出さ
れた後、右側の鞘管2の中に架橋ポリエチレン管3bと
して挿入配置されている。
【0028】このようにヘッド取付ボックス5内を架橋
ポリエチレン管3a,3bを貫通している場合には、ボ
ックス内にT継手11を設けて両側の架橋ポリエチレン
管3a,3bを貫通方向に接続すると共に、分岐口側に
スプリンクラーヘッド8を接続したコイル状巻出し継手
7を接続する。このT継手11についても図1の電気融
着継手部7aと同様に電気融着継手構造を備えており、
内蔵した電熱線に対する通電により融着して両側の架橋
ポリエチレン管3a,3bと融着固定できる。またT継
手11によって分岐接続したコイル状巻出し継手7は、
ボックスカバー6に取付固定されたスプリンクラーヘッ
ド8に接続固定されている。
【0029】この図3の実施形態にあっても、ヘッド取
付ボックス5に対しスプリンクラーヘッド8側を取り付
ける際には、図4のようにボックスカバー6側に予めス
プリンクラーヘッド8及びコイル状巻出し継手7を組付
け固定し、更にヘッド取付ボックス5内を通過する架橋
ポリエチレン管3a,3bをT継手11に接続して電気
融着により固着する。続いて図4のように、T継手11
の分岐部にコイル状巻出し継手7の電気融着継手部7a
を嵌め込み、コネクタ接続による通電で融着固定する。
【0030】このようなスプリンクラーヘッド8側の組
付け時にあっても、コイル状巻出し継手7の軸方向の伸
展によりボックスカバー6はヘッド取付ボックス5の開
口部の下側に位置して作業のための隙間が形成でき、ヘ
ッド取付ボックス5内におけるT継手11及びコイル状
巻出し継手7の融着継手構造を利用した接続作業が容易
にできる。
【0031】尚、T継手11の分岐部にコイル状巻出し
継手7を予め一体に成形または融着固定しておくこと
で、更に接続作業が容易にできるようになる。図5は図
1及び図3に示した天井スラブに対する配管構造を備え
た本発明のスプリンクラー設備の配管系統及び電気系統
の説明図である。図5において、建物の地下等には消火
ポンプ12が設置されており、消火ポンプ12に対して
はモータ13及びポンプ制御盤14が設けられている。
消火ポンプ12の吸込み側は水源水槽15に下ろされて
おり、吐出側は建物の垂直方向に配置した給水本管16
に接続されている。給水本管16に対しては例えば階別
ごとに分岐管20が引き出されている。
【0032】分岐管20には自動警報弁21が設けら
れ、自動警報弁21の二次側に設けた分岐ヘッダ4に対
し複数本の架橋ポリエチレン管3を接続し、架橋ポリエ
チレン管3の先端に、図1に示したコイル状巻出し継手
7を用いたヘッド取付ボックス5の組込み構造によりス
プリンクラーヘッド8を装着している。また架橋ポリエ
チレン管3の途中にスプリンクラーヘッド8を設ける場
合には、図3の構造をもつヘッド取付ボックス5により
T継手11及びコイル状巻出し継手7を介してスプリン
クラーヘッド8を設置している。
【0033】この分岐管20からスプリンクラーヘッド
8までの配管系統において、分岐管20の分岐ヘッダ4
までは金属配管であり、分岐ヘッダ4から先が架橋ポリ
エチレン管3を用いた可撓性樹脂管による配管系統とな
る。樹脂管の配管系統にあっては、温度変化や内圧変化
による膨脹・収縮が金属管に比べてかなり大きく、これ
によって定常監視状態における給水本管16の管内圧力
が変動する。
【0034】ポンプ制御盤14によるモータ13の起動
による消火ポンプ12の運転は、給水本管16に分岐接
続している空気タンク18に設けた圧力スイッチ19の
検出信号により行われる。空気タンク18は、給水本管
16からの加圧消火用水を導入して内部の空気を圧縮し
ており、この圧縮空気の圧力を圧力スイッチ19で検出
している。圧力スイッチ19は、給水本管16の管内圧
力が規定圧力以下に低下すると圧力低下検出信号をポン
プ制御盤14に出力し、これに基づきポンプ制御盤14
は火災によるスプリンクラーヘッド8の作動と判断して
モータ13を起動して消火ポンプ12の運転を開始す
る。
【0035】このため、分岐ヘッダ4より先に設けてい
る架橋ポリエチレン管3が温度変化等により膨脹・収縮
すると給水本管16の管内圧力が変動し、膨脹により管
内圧力が低下して規定圧力以下に下がると、圧力スイッ
チ19が圧力低下を検出して消火ポンプ12の運転を開
始する。このため、例えば日中と夜間のように温度変化
があった場合には、その都度、消火ポンプ12の運転が
行われてしまう可能性がある。
【0036】そこで本発明にあっては、自動警報弁21
の二次側に電動弁22を設け、制御盤26によって、定
常監視状態にあっては電動弁22を閉鎖状態とし、電動
弁22の二次側に設けている架橋ポリエチレン管3の膨
脹・収縮による圧力変動の影響が給水本管16に現われ
ないようにしている。一方、定常監視状態で閉鎖状態と
している電動弁22は、火災検出時には開放させなけれ
ばならない。このため、制御盤26に対しては圧力スイ
ッチ23からの圧力低下検出信号、火災感知器24から
の発報信号、更には手動起動用のスイッチ25からの信
号が与えられている。圧力スイッチ23は電動弁22の
閉鎖状態で二次側となる架橋ポリエチレン管3内の管内
圧力を監視しており、火災による熱気流を受けてスプリ
ンクラーヘッド8のいずれかの作動による放水で管内圧
力が規定圧力以下に低下したときに圧力低下検出信号を
制御盤26に出力し、これを受けて制御盤26は電動弁
22を開放作動させる。
【0037】電動弁22が開放作動すると、自動警報弁
21が火災による熱気流を受けて作動したスプリンクラ
ーヘッド8からの放水による流水を検知して作動し、更
に分岐管20を経由して給水本管16の管内圧力も低下
し、空気タンク18に設けている圧力スイッチ19によ
る圧力低下検出信号に基づき、ポンプ制御盤14による
モータ13の起動に伴う消火ポンプ12の運転が行われ
ることになる。
【0038】また火災感知器24から火災検出信号を受
信した場合あるいはスイッチ25から火災確定に伴うス
イッチ信号を受信した場合についても、制御盤26は同
様に電動弁22を開放作動し、火災に伴う熱気流を受け
ていずれかのスプリンクラーヘッド8が作動すれば、そ
の放水による圧力低下が給水本管16側に反映されて消
火ポンプ12の運転ができるようにしている。
【0039】尚、上記の実施形態は、コンクリート製の
天井スラブに埋設した鞘管に貫通する可撓性樹脂管とし
て架橋ポリエチレン管3を例にとるものであったが、こ
れ以外に可撓性を有する樹脂管であれば適宜の樹脂材料
の樹脂管を利用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、建物を階別に仕切る天井スラブに埋設した鞘管の中
に架橋ポリエチレン管等の可撓性樹脂管を挿入して配管
しているため、天井側の配管スペースは一切不要とな
り、その結果、建物全体としての高さを抑えることがで
き、空間の利用効率の向上と建築コストの低減を図るこ
とができる。
【0041】また配管作業は天井スラブのコンクリート
打ちの際に埋設した鞘管に可撓性樹脂管を挿入すること
で、特別な支持構造を必要とすることなく簡単に配管で
きる。またスプリンクラーヘッドの取付位置にはヘッド
取付ボックスを埋設しており、ボックス下端側にスプリ
ンクラーヘッド及びコイル状巻出し継手を組み付けた状
態でボックス内の可撓性樹脂管に接続固定することか
ら、スプリンクラーヘッド側の取付作業も極めて容易に
できる。
【0042】特にボックスカバー側にスプリンクラーヘ
ッドと共にコイル状巻出し継手を取り付け、コイル状巻
出し継手の伸展状態でボックス開口部に作業用の隙間を
形成してボックス内での作業ができ、取付後はボックス
カバーをボックス開口部に締め付け固定するだけで組付
けができ、作業効率が極めて高く、容易に施工できる。
【0043】更にスプリンクラーヘッド側の配管を可撓
性樹脂配管としたことで、温度変化等に伴う膨脹・収縮
による管内圧力の変動が大きいが、可撓性樹脂管を接続
する分岐管に設けた自動警報弁の二次側に電動弁を設
け、この電動弁を定常監視状態で閉鎖状態としておくこ
とで、可撓性樹脂配管を設けたことによる管内圧力の変
動が給水本管側に波及するのを阻止し、この変動に伴う
消火ポンプの運転を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスプリンクラー消火設備における天井
スラブに対する配管構造の説明図
【図2】図1のヘッド取付ボックスでの施工作業の説明
【図3】本発明のスプリンクラー消火設備における天井
スラブに対する他の配管構造の説明図
【図4】図3のヘッド取付ボックスでの施工作業の説明
【図5】本発明によるスプリンクラー消火設備の配管系
統及び電気系統の説明図
【図6】従来の配管構造の説明図
【符号の説明】
1:天井スラブ 2:鞘管 3,3a,3b:架橋ポリエチレン管(可撓性樹脂管) 4:分岐ヘッダ 5:ヘッド取付ボックス 6:ボックスカバー 7:コイル状巻出し継手 7a:電気融着継手部 7b:エルボ 8:スプリンクラーヘッド 9:ビス 10:天井クロス 11:T継手(分岐継手) 12:消火ポンプ 13:モータ 14:ポンプ制御盤 15:水源水槽 16:給水本管 17:高架水槽 18:空気タンク 19,23:圧力スイッチ 20:分岐管 21:自動警報弁 22:電動弁 24:火災感知器 25:スイッチ 26:制御盤 30:ダクト
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。まず本発明のスプリンク
ラー消火設備にあっては、消火配管を配置したパイプシ
ャフトやダクト側から防護区画のヘッド取付位置に至る
コンクリート天井スラブ内に枝管を埋め込み設置する。
また鞘管の末端又は途中のヘッド取付位置となるコンク
リート天井スラブ内に下部を開口してヘッド取付ボック
スを埋め込み設置する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消火配管を配置したパイプシャフトやダク
    ト側から防護区画のヘッド取付位置に至るコンクリート
    天井スラブ内に埋め込み設置された鞘管と、 前記鞘管の末端又は途中のヘッド取付位置となるコンク
    リート天井スラブ内に下部を開口して埋め込み設置され
    たヘッド取付ボックスと、 前記パイプシャフトやダクト側の消火配管に一端を接続
    し前記鞘間内を貫通して前記ヘッド取付ボッスク内に他
    端を取り出すように配置された可撓性樹脂配管と、 前記ヘッド取付ボックスの開口部に着脱自在なボックス
    カバーと、 前記ボックスカバーに装着されボックス内の前記可撓性
    樹脂配管に接続されたスプリンクラーヘッドと、を備え
    たことを特徴とするスプリンクラー消火設備。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスプリンクラー消火設備に
    於いて、前記鞘管の途中に前記ヘッド取付ボックス内を
    設けた場合、前記ヘッド取付ボックス内で分岐継手を介
    して前記鞘管を貫通させ、前記分岐継手の分岐口に前記
    ボックスカバーに装着したスプリンクラーヘッドを接続
    したことを特徴とするスプリンクラー消火設備。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のスプリンクラー消火
    設備に於いて、カバーに装着されたスプリンクラーヘッ
    ドとボックス内の可撓性樹脂配管との間を、上下方向に
    伸縮自在なコイル状に成型された巻出し継手により接続
    したことを特徴とするスプリンクラー消火設備。
  4. 【請求項4】請求項1記載のスプリンクラー設備に於い
    て、 前記可撓性樹脂管を接続した前記消火配管の一次側は、
    自動警報弁を介して消火ポンプに接続された給水本管に
    分岐接続されており、前記給水本管の圧力が規定値以下
    に低下したとき前記消火ポンプを運転して加圧消火用水
    を供給する制御部を備え、 前記自動警報弁の二次側に電動弁を配置し、該電動弁を
    定常監視状態で閉鎖し防護区画の火災発生時に開放させ
    る電動弁制御部を設けたことを特徴とするスプリンクラ
    ー消火設備。
  5. 【請求項5】請求項4記載のスプリンクラー設備に於い
    て、前記電動弁制御部は、前記スプリンクラーヘッドの
    作動による二次側圧力の低下を検出して開放作動させる
    ことを特徴とするスプリンクラー消火設備。
  6. 【請求項6】請求項4記載のスプリンクラー設備に於い
    て、前記電動弁制御部は、防護区画に設置された火災感
    知器の発報受信に基づき開放作動させることを特徴とす
    るスプリンクラー消火設備。
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