JPH11113918A - 鉗 子 - Google Patents

鉗 子

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Publication number
JPH11113918A
JPH11113918A JP9282097A JP28209797A JPH11113918A JP H11113918 A JPH11113918 A JP H11113918A JP 9282097 A JP9282097 A JP 9282097A JP 28209797 A JP28209797 A JP 28209797A JP H11113918 A JPH11113918 A JP H11113918A
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JP
Japan
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forceps
unit
knife
handle
pipe
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9282097A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Kikuchi
康彦 菊地
Koji Iida
浩司 飯田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11113918A publication Critical patent/JPH11113918A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、体内に挿入される挿入部を細径化し
ても把持部材の支持アームの断面係数を大きく取ること
ができ、十分な把持力を得ることができる鉗子を提供す
ることを最も主要な特徴とする。 【解決手段】一対のジョー42a,42bの開閉動作時
に支持アーム43a,43bの移動軌道上から外れた位
置にナイフ62をオフセット状態で並列に配置したもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は体内に挿入される挿
入部の先端部に開閉する一対の把持部材および生体組織
を切開する切開手段がそれぞれ配設された鉗子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、体内に挿入される挿入部の先端
部に開閉する一対の把持部材および生体組織を切開する
ナイフ等の切開手段がそれぞれ配設された鉗子が知られ
ている。この鉗子の一例として例えば、USP5,45
8,598(先行例1)には次のような構成が示されて
いる。
【0003】すなわち、先行例1の鉗子には基端部が手
元側の操作部に連結された細長いパイプと、このパイプ
の先端から突没可能に設けられ、互いが絶縁された関係
にある一対の把持部材と、生体組織を切開するためのナ
イフブレードとが設けられている。ここで、一対の把持
部材の基端部は円形断面の弾性部材からなる支持アーム
にそれぞれ接続されている。そして、各把持部材間はこ
れらの支持アームによって開方向に付勢されている。
【0004】また、一対の把持部材および支持アームは
それぞれパイプの中心軸に対して対称位置に配置されて
いる。さらに、パイプの中心軸上にはナイフのブレード
が中心軸方向に前後動可能に配置されている。そして、
把持部材はパイプの先端より突出した状態で支持アーム
によって開き、パイプの先端と支持アームが係合した状
態で閉じるようになっている。
【0005】また、USP5,573,535(先行例
2)には先行例1と同様に基端部が手元側の操作部に連
結された細長いパイプと、このパイプの先端から突没可
能に設けられ、互いが絶縁された関係にある一対の把持
部材と、生体組織を切開するためのナイフブレードとを
有する鉗子が示されている。そして、この先行例2の鉗
子では把持部材は板状の支持アームに開方向に付勢され
た状態で接続されている。
【0006】さらに、一対の把持部材および支持アーム
はそれぞれパイプの中心軸に対して対称位置に配置され
ている。さらに、パイプの中心軸上にはナイフのブレー
ドが中心軸方向に前後動可能に配置されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鉗子の使用
時に、把持部材間で把持した生体組織をナイフブレード
によって確実に切開するためには生体組織を十分な把持
力で把持することが必要となる。このとき、把持部材に
接続されている支持アームが軟らかすぎると把持部材間
で生体組織を抑え込む力が弱くなるので、十分な把持力
を得ることができない。
【0008】よって、把持部材間で生体組織を把持する
際に、十分な把持力を得るためには支持アームはなるべ
く大きい断面係数が必要となる。ここで、断面係数が大
きい程、固いバネになる。
【0009】しかしながら、上記両先行例に示したよう
な従来構成の鉗子では一対の支持アーム間にナイフブレ
ードのナイフロッドが配置されているので、一対の支持
アームとナイフロッドとがパイプの中心軸と直交する方
向に並べて配置されることになる。そのため、各支持ア
ームの断面係数を大きくした場合には切開手術用のナイ
フロッドとの干渉を考慮しなければならないため、一対
の支持アームとナイフロッドとの並設方向には大きな設
置スペースが必要になり、パイプ径が比較的大きくなる
問題がある。
【0010】このようにパイプ径が大きい場合にはこの
鉗子を患者の体内に挿入する際に患者の体壁にこの鉗子
を挿通するために大きな穴を開ける必要があるので、患
者への侵襲が大きくなる問題がある。そのため、特に鉗
子の細径化を考えた場合には従来構成の鉗子ではパイプ
の中に断面係数が大きい支持アームを配設することが難
しいので、断面係数が比較的小さい支持アームが使用さ
れることが多く、結果的に把持力の弱い鉗子になり易い
問題がある。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、体内に挿入される挿入部を細径化して
も把持部材の支持アームの断面係数を大きく取ることが
でき、十分な把持力を得ることができる鉗子を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、体内に挿入さ
れる挿入部の先端部に開閉する一対の把持部材が配設さ
れるとともに、前記挿入部の先端部側に進退動作可能に
延出され、前記把持部材とは独立して動作する切開手段
を備えた鉗子において、前記一対の把持部材間の開閉動
作時の前記各把持部材の支持要素の移動軌道上から外れ
た位置に前記切開手段をオフセット状態で並列に配置し
たことを特徴とする鉗子である。そして、挿入部の先端
部に配置された一対の把持部材の開閉動作時の各把持部
材の支持要素の移動軌道と切開手段とが干渉することを
防止することにより、挿入部を細径化しても把持部材の
各支持アームの断面係数を大きく取れるようにして一対
の把持部材間で十分な把持力を得るようにしたものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1(A),(B)乃至図10を参照して説明する。
図1(A)は本実施の形態の切開機能付きバイポーラ鉗
子1全体の概略構成を示すものである。
【0014】本実施の形態の切開機能付きバイポーラ鉗
子1には図1(A)に示すように患者の体腔内に挿入さ
れる細長い略軸状の挿入部2と、この挿入部2の先端部
に配置され、体腔内で生体組織を把持、凝固するための
高周波通電可能な処置部3と、挿入部2の基端部に連結
された手元側の操作部4とが設けられている。
【0015】さらに、本実施の形態のバイポーラ鉗子1
には次の3つの構成要素、すなわち図2(A)に示すハ
ンドルユニット5と、図2(B)に示す鉗子ユニット6
と、図2(C)に示すナイフユニット7とが設けられて
いる。そして、これらのハンドルユニット5、鉗子ユニ
ット6およびナイフユニット7がそれぞれ着脱可能に組
み付けられ、この組み付け状態で図1(A)に示すバイ
ポーラ鉗子1が構成されている。
【0016】また、ハンドルユニット5にはグリップ部
11と、操作パイプ12とが設けられている。ここで、
グリップ部11には図2(A)中で上端部に先端部側に
延出された先端側延出部13が設けられている。この先
端側延出部13の先端部にはリング状のパイプホルダー
14が設けられている。そして、このパイプホルダー1
4内に操作パイプ12が挿通されている。さらに、この
操作パイプ12内には鉗子ユニット6が挿通されるよう
になっている。
【0017】また、グリップ部11の上部には先端側延
出部13の後方に鉗子ユニット6の後端部と電気的、機
械的に接続するための鉗子ユニット接続部15、この鉗
子ユニット接続部15の後方にナイフユニット接続部1
6がそれぞれ配設されている。そして、鉗子ユニット接
続部15には鉗子ユニット6の後端の後述するソケット
部49を収納する内腔と、この内腔に収納された鉗子ユ
ニット6のソケット部49を接続する接続手段とが設け
られている。
【0018】さらに、操作パイプ12には固定パイプ1
2aと、この固定パイプ12aに対して挿入部2の中心
軸方向に沿ってスライド移動可能な可動パイプ12bと
が設けられている。ここで、固定パイプ12aの基端部
は図8(A)に示すようにパイプホルダー14内に挿入
された状態で固定されている。なお、可動パイプ12b
の後端部は後述する回転ノブ86側に延出され、この回
転ノブ86を保持する回転部材87に固定されている。
【0019】また、グリップ部11には左右一対の鉗子
操作用のトリガー17と、ナイフ操作用のナイフレバー
18と、後述するラチェットレバー19とが設けられて
いる。ここで、鉗子操作用のトリガー17は回転ノブ8
6の回転部材87に、またナイフ操作用のナイフレバー
18はナイフユニット接続部16にそれぞれ配設されて
いる。
【0020】また、トリガー17はグリップ部11の上
端部に回動ピン20を中心に回動自在に連結されてい
る。さらに、このトリガー17には回動ピン20による
回動支点の上方部位に上方延出部17aが延設されてい
る。この上方延出部17aには挿入部2の中心軸方向に
対して略直交する延設された長孔21が形成されてい
る。この長孔21には外側から係合ピン22が挿入され
ている。この係合ピン22の先端部には図8(A)に示
すように軸受用のガイド部材22aが固定されている。
【0021】また、回転ノブ86の回転部材87の外周
面にはリング状溝87aが形成されている。このリング
状溝87a内には係合ピン22のガイド部材22aが挿
入されている。そして、回転部材87のリング状溝87
aに沿って各係合ピン22のガイド部材22aがガイド
される状態で、回転ノブ86の回転部材87が鉗子ユニ
ット6の軸回り方向に回転可能に支持されている。
【0022】なお、グリップ部11内にはこのトリガー
17をグリップ部11から離れる方向(図2(A)中で
回動ピン20を中心に時計回り方向)に付勢してこのト
リガー17を図2(A)に示すようにグリップ部11か
ら最も離れた待機位置(定位置)で常時保持する図示し
ないばね部材が配設されている。そして、トリガー17
をこのばね部材のばね力に抗してグリップ部11側に引
き込み操作することにより、図1(A)に示すようにト
リガー17全体が回動ピン20を中心に反時計回り方向
に回動し、このときトリガー17の上方延出部17aが
図1(A)中で左方向に動く動作にともない可動パイプ
12bを前方向に動かすようになっている。さらに、こ
の状態で、トリガー17が解放されるとグリップ部11
内のばね部材のばね力によってこのトリガー17が図2
(B)に示す定位置に戻り、可動パイプ12bを元の後
方の待機位置に戻すようになっている。
【0023】また、鉗子ユニット接続部15の後端部に
は後方に向けてスライドガイド23が突設されている。
そして、このスライドガイド23の後端部にケーブル接
続部24が設けられている。
【0024】また、ナイフ操作用のナイフレバー18は
グリップ部11の両側に配置され、トリガー17と同様
にグリップ部11に回動ピン25を中心に回動自在に連
結されている。さらに、ナイフレバー18には回動ピン
25による回動支点の上方に略V字状に延出された前後
2つの上方延出部26,27が形成されている。そし
て、前側の上方延出部26にはグリップ部11の側方に
向けて屈曲された手掛け用の屈曲部28、後側の上方延
出部27には長孔29がそれぞれ形成されている。な
お、ナイフレバー18は常時は図示しないばね部材によ
って図1(A)に示す待機位置で保持されている。
【0025】また、ナイフユニット接続部16には鉗子
ユニット接続部15のスライドガイド23に対して摺動
可能に配設されたスライダ30が設けられている。この
スライダ30には鉗子ユニット6のチャンネル内を通っ
て延出されたナイフユニット7の後端部の後述するユニ
ット接続部64が図示しないナイフユニット係止手段に
よって係脱可能に係合されるようになっている。さら
に、このナイフユニット接続部16のスライダ30の側
面にはナイフレバー18の長孔29に挿入される係合ピ
ン31が突設されている。
【0026】また、鉗子ユニット6には図2(B)に示
すように細長いロッド部41が設けられている。このロ
ッド部41の先端部には開閉する一対のジョー(把持部
材)42a,42bと、これらのジョー42a,42b
を拡開させる方向に付勢する弾性部材からなる支持アー
ム(支持要素)43a,43bとが設けられている。
【0027】ここで、ジョー42a,42bは例えば導
電性の金属材料(具体的にはSUS304−WPB等の
ばね用ステンレス鋼線、ピアノ線、チタン合金等の特殊
ばね用合金)によって形成されている。そして、一方の
ジョー42aは支持アーム43aの先端部に、他方のジ
ョー42bは支持アーム43bの先端部にそれぞれ固定
されている。
【0028】また、本実施の形態のジョー42a,42
b間の各対向面には図3に示すように挿入部2の中心軸
方向に沿って複数の歯44a,44bが連続的に並設さ
れた略鋸刃状の組織把持面45a,45bが形成されて
いる。ここで、ジョー42a,42bの各歯44a,4
4bの凹凸形状は一様ではなく、次のように形成されて
いる。すなわち、各ジョー42a,42bの先端部には
歯の凹凸が小さい第1の歯44a1 ,44b1 が複数並
設され、各ジョー42a,42bの後端部には第1の歯
44a1 ,44b1 よりも歯の凹凸が大きい第2の歯4
4a2 ,44b2 が複数並設されている。そのため、本
実施の形態の各ジョー42a,42bの組織把持面45
a,45bの歯44a,44bの歯の凹凸形状は先端部
の方が後端部に比べて小さくなっている。なお、各ジョ
ー42a,42bの先端部側から後端部側に向かうにし
たがって歯44a,44bの形状が徐々に大きくなる構
成にしてもよい。さらに各歯44a,44bの頂部は組
織を傷つけないよう図3に示すように鋭利でなく平坦に
なっているか丸みを帯びている。
【0029】また、本実施の形態の各支持アーム43
a,43bの先端部側は図3(B)に示すように断面形
状が円形状の円形軸部43a1 ,43b1 によって形成
されている。さらに、各支持アーム43a,43bの円
形軸部43a1 ,43b1 の後端側には図3(C)に示
すように外周面の一部を平面状に切り欠いた切欠部43
2 ,43b2 がそれぞれ形成されている。ここで、各
切欠部43a2 ,43b2 は各支持アーム43a,43
b間の対向面側にそれぞれ配置されている。これによ
り、各支持アーム43a,43bの円形軸部43a1
43b1 はその軸心方向に沿って後端側から先端部側ま
で断面形状が変化するように設定されている。なお、各
支持アーム43a,43bの円形軸部43a1 ,43b
1 における各切欠部43a2 ,43b2 の長さは必要に
応じて適宜設定されている。
【0030】また、ロッド部41の本体は図4(A),
(B)に示すように複数、本実施の形態では3つの挿通
孔44a,44b,44cを備えたマルチルーメンチュ
ーブ44によって形成されている。このマルチルーメン
チューブ44は絶縁性の合成樹脂材料(例えばポリサル
フォン、PEEK、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
エーテルイミド等)によって形成されている。
【0031】さらに、マルチルーメンチューブ44の2
つの挿通孔44a,44bには支持アーム43a,43
bに連結された棒部材45a,45bが挿通され、汚物
等の進入がないよう接着剤または充填材によって隙間を
埋めた状態で装着されている。ここで、各棒部材45
a,45bは芯金46と、この芯金46の外周面を被覆
する絶縁チューブ47とによって形成されている。ただ
し、マルチルーメンチューブ44の絶縁が十分であれば
各棒部材45a,45bは必ずしも絶縁チューブ47に
被覆されている必要はない。なお、マルチルーメンチュ
ーブ44の残りの挿通孔44cにはナイフユニット7が
挿通されるようになっている。
【0032】また、マルチルーメンチューブ44の外周
面には外管48が装着されている。さらに、このマルチ
ルーメンチューブ44の後端部には絶縁材料である合成
樹脂材料からなるソケット部49が配設されている。
【0033】このソケット部49には図4(C)に示す
ように2つの凹陥部49a,49bと、1つの挿通孔4
9cとが形成されている。ここで、このソケット部49
の2つの凹陥部49a,49bはマルチルーメンチュー
ブ44の2つの挿通孔44a,44bにそれぞれ連通さ
れている。さらに、ソケット部49の挿通孔49cはマ
ルチルーメンチューブ44の挿通孔44cに連通され、
ナイフユニット7が挿通されるようになっている。
【0034】また、各凹陥部49a,49bには棒部材
45a,45bの後端部がそれぞれ挿通されている。こ
こで、棒部材45a,45bの後端部には図4(A)に
示すように絶縁チューブ47が被覆されていない芯金4
6の露出部が形成されており、この芯金46の露出部に
金属等の導電材料によって形成された管状電極50が固
定されている。
【0035】さらに、ソケット部49の2つの凹陥部4
9a,49bの各開口部には棒部材45a,45bの後
端部の管状電極50の一部が外部側に露出状態で配設さ
れている。そして、この2か所の管状電極50の露出部
分によってハンドルユニット5の鉗子ユニット接続部1
5と電気的接続を行う高周波通電用の電気接続部51が
形成されている。この電気接続部51の2か所の電気接
点(管状電極50の露出部分)は各棒部材45a,45
bの芯金46および支持アーム43a,43bを介して
処置部3のジョー42a,42bにそれぞれ接続されて
いる。
【0036】また、ハンドルユニット5の鉗子ユニット
接続部15には図5(A),(B)に示すように鉗子ユ
ニット6の後端のソケット部49を収納する収納凹部5
3aを備えた絶縁材料である合成樹脂材料からなる受け
部材53が設けられている。この受け部材53の収納凹
部53aには鉗子ユニット6のソケット部49の管状電
極50に電気的に接続可能な一対の板ばね状の接続電極
54が設けられている。これらの接続電極54は図5
(A)に示すように鉗子ユニット6のロッド部41の軸
方向と直交する方向に離間対向配置されている。
【0037】そして、受け部材53の収納凹部53a内
に鉗子ユニット6の後端のソケット部49が挿入された
状態で、図5(B)に示すようにソケット部49の2つ
の管状電極50にこれらの接続電極54が両側からそれ
ぞれ圧接されてソケット部49の2つの管状電極50と
接続電極54との間が電気的に接続されるようになって
いる。
【0038】なお、鉗子ユニット6の管状電極50及び
鉗子ユニット接続部15の接続電極54は両者の接続時
の電気抵抗を下げるとともに、着脱時の削れによる電気
抵抗上昇を防止するため、表面に金メッキ、ニッケルク
ロームメッキ等の表面処理が施されている。
【0039】さらに、ハンドルユニット5の鉗子ユニッ
ト接続部15には受け部材53の収納凹部53aを覆う
絶縁材料である合成樹脂材料からなるカバー部材55が
装着されている。そして、このカバー部材55と受け部
材53との間で受け部材53の収納凹部53aが密閉状
態で閉塞されている。
【0040】また、本実施の形態ではハンドルユニット
5と鉗子ユニット6との組み付け時には鉗子ユニット6
がハンドルユニット5の操作パイプ12内に挿通され、
鉗子ユニット6の電気接続部51がハンドルユニット5
の鉗子ユニット接続部15に係脱可能に連結されるよう
になっている。
【0041】ここで、トリガー17がグリップ部11内
のばね部材のばね力によって図2(A)に示す待機位置
で保持され、可動パイプ12bが後方の待機位置で保持
されている場合には鉗子ユニット6のジョー42a,4
2bは支持アーム43a,43bのばね力によって図1
(B)に示すように拡開された状態で保持されるように
なっている。
【0042】さらに、この待機状態で、トリガー17を
グリップ部11内のばね部材のばね力に抗して図1
(A)に示すように待機位置から回動ピン20を中心に
反時計回り方向に回動させる回動操作にともない操作パ
イプ12の可動パイプ12bが操作パイプ12の中心軸
に沿って前方向に移動された場合には、この可動パイプ
12bの前進動作にともない鉗子ユニット6のジョー4
2a,42bが支持アーム43a,43bのばね力に抗
して図1(A)に示すように閉じられるようになってい
る。そのため、トリガー17を操作して操作パイプ12
の可動パイプ12bを操作パイプ12の中心軸方向に移
動させることにより、鉗子ユニット6のジョー42a,
42bを開閉操作することができるようになっている。
【0043】また、ナイフユニット7には図2(C)に
示すように細長いナイフロッド61が設けられている。
このナイフロッド61の先端部にはナイフ(切開手段)
62が設けられている。
【0044】このナイフ62の先端部には生体組織を切
開するための切り刃部63が配設されている。この切り
刃部63はナイフロッド61の中心線方向に対して斜め
に傾斜された状態で形成されている。
【0045】さらに、ナイフ62の後端部にはナイフロ
ッド61の先端部が接合固定されている。このナイフロ
ッド61の後端部にはハンドルユニット5のナイフユニ
ット接続部16に接続されるユニット接続部64が設け
られている。
【0046】また、本実施の形態のナイフユニット7は
ハンドルユニット5と鉗子ユニット6との組み付け体に
組み付けられるようになっている。このナイフユニット
7の組み付け作業時には鉗子ユニット6におけるロッド
部41の挿通孔44cにナイフユニット7が挿通された
のち、ソケット部49の挿通孔44cからこのナイフユ
ニット7の後端部が後方に引き出され、グリップ部11
のナイフユニット接続部16に係脱可能に連結されるよ
うになっている。そして、このナイフユニット7はナイ
フ操作用のナイフレバー18の操作にともない鉗子ユニ
ット6のジョー42a,42bとは独立して動作するよ
うになっている。
【0047】ここで、ナイフレバー18の操作時にはナ
イフレバー18は図1(A)中で、回動ピン25を中心
に反時計回り方向に回動され、このナイフレバー18の
回動動作にともないスライダ30が前方向に移動されて
ナイフユニット7が前方に押出し操作されるようになっ
ている。
【0048】また、本実施の形態では図6に示すように
ナイフユニット7のナイフ62は一対のジョー42a,
42bの開閉時の支持アーム43a,43b間の移動軌
道上から外れた位置にオフセット状態で並列に配置され
ている。この場合、操作パイプ12の可動パイプ12b
にはジョー42a,42bの開閉時に鉗子ユニット6の
各支持アーム43a,43bの移動を案内する切り欠き
状の案内部65が設けられている。
【0049】さらに、鉗子ユニット6の各ジョー42
a,42bの内部には図7(A),(B)に示すように
ナイフユニット7の操作時にナイフ62の進退動作をガ
イドするスリット(ガイド手段)52が設けられてい
る。そして、ナイフユニット7の操作時には鉗子ユニッ
ト6の各ジョー42a,42bのスリット52に沿って
ナイフ62がナイフユニット7の中心軸方向に進退動作
されるようになっている。
【0050】また、このときジョー42a,42bの先
端側はスリット52を中心に均等な幅となっており、全
体としては左右非対称の形状を成している。これはスリ
ット52の両側を止血するのに必要最小限な幅とするこ
とで全体の組織接触面積を減少させ、電流密度を高め、
効率よく組織を凝固することを目的としている。
【0051】また、ナイフ62の先端部には切り刃部6
3を保護する突き当て部(切り刃部保護手段)66が形
成されている。この突き当て部66はジョー42a,4
2bのスリット52に沿ってナイフ62が前進した際
に、各ジョー42a,42bのスリット52の前端部に
この突き当て部66を当接させることにより、このナイ
フ62の切り刃部63の刃付け部が各ジョー42a,4
2bのスリット52の前端部に直接当接することを防止
して切り刃部63を保護するものである。
【0052】また、本実施の形態のバイポーラ鉗子1に
は可動パイプ12bの中心軸を回転中心として鉗子ユニ
ット6をロッド部41の軸回り方向に回転駆動する図8
(A)に示す回転駆動機構56が設けられている。この
回転駆動機構56は次のように構成されている。
【0053】すなわち、ハンドルユニット5のグリップ
部11の上部には前後方向の略中央位置に左右一対の支
持アーム57が上向きに突設されている。各支持アーム
57には内方向に向けて軸受用のガイド部材58が突設
されている。
【0054】さらに、鉗子ユニット接続部15の前端部
外周面にはリング状溝59が形成されている。このリン
グ状溝59内には各支持アーム57のガイド部材58が
挿入されている。そして、鉗子ユニット接続部15のリ
ング状溝59に沿って各支持アーム57のガイド部材5
8がガイドされる状態で、鉗子ユニット接続部15が鉗
子ユニット6のロッド部41の軸回り方向に回転可能に
支持されている。
【0055】さらに、鉗子ユニット接続部15の前端面
には2つのガイド棒固定穴15aが形成されている。こ
れらのガイド棒固定穴15aは鉗子ユニット接続部15
の軸心部に形成された鉗子ユニット6の挿通孔の両側に
配置されている。
【0056】また、パイプホルダー14には図8(B)
に示すようにハンドルユニット5の先端側延出部13の
先端部に固定された固定部材14aが設けられている。
この固定部材14aの後端面には円形穴14bが形成さ
れている。
【0057】さらに、パイプホルダー14の円形穴14
bの軸心部には円筒状の軸受部材14cが固定されてい
る。このパイプホルダー14の円形穴14bと軸受部材
14cとの間にはリング状のガイド支持部材88が挿入
されている。そして、このガイド支持部材88は鉗子ユ
ニット6のロッド部41の軸回り方向に回転可能に支持
されている。
【0058】また、ガイド支持部材88の後端面には2
つのガイド棒固定穴88aが形成されている。これらの
ガイド棒固定穴88aはガイド支持部材88の軸心部に
形成された鉗子ユニット6の挿通孔の両側に配置されて
いる。さらに、このガイド支持部材88の外周面には溝
88bが複数設けられ、洗浄しやすくなつている。
【0059】また、パイプホルダー14と鉗子ユニット
接続部15との間には平行に配置された2本のガイド棒
89が架設されている。ここで、2本のガイド棒89の
先端部はパイプホルダー14のガイド支持部材88の2
つのガイド棒固定穴88a内に挿入された状態で固定さ
れている。さらに、2本のガイド棒89の後端部は鉗子
ユニット接続部15の2つのガイド棒固定穴15a内に
挿入された状態で固定されている。
【0060】また、回転駆動機構56の操作用の回転ノ
ブ86は前方のパイプホルダー14と後方の鉗子ユニッ
ト接続部15との間で、かつトリガー17のほぼ真上に
配設されている。そして、ハンドルユニット5を使用者
が握った時にトリガー17を操作する手の指と同じ指
(人差し指)が届く位置に回転ノブ86が配置されてい
る。
【0061】さらに、回転ノブ86は回転部材87の前
端部に固定されている。この回転部材87には2つのガ
イド棒挿通孔87bが形成されている。そして、これら
のガイド棒挿通孔87b内には2本のガイド棒89がそ
れぞれスライド自在に貫通されている。
【0062】そして、回転ノブ86の回転操作時にはこ
の回転ノブ86と一体に回転する回転部材87を介して
2本のガイド棒89が可動パイプ12bの中心軸を回転
中心として鉗子ユニット6のロッド部41の軸回り方向
に回転駆動される。さらに、2本のガイド棒89によっ
て鉗子ユニット接続部15が鉗子ユニット6のロッド部
41の軸回り方向に回転駆動される。これにより、鉗子
ユニット接続部15とともに鉗子ユニット6全体が鉗子
ユニット6のロッド部41の軸回り方向に回転駆動され
るようになっている。
【0063】また、パイプホルダー14の固定部材14
aおよび軸受部材14cには送水孔90が設けられてい
る。この送水孔90の内端部は固定パイプ12aと可動
パイプ12bとの間に形成される送水路に連通されてい
る。そして、この送水孔90から固定パイプ12aと可
動パイプ12bとの間の送水路に送水して洗浄可能であ
る。
【0064】なお、鉗子ユニット接続部15には鉗子ユ
ニット6を固定するためのストッパー部材131が設け
られている。このストッパー部材131には鉗子ユニッ
ト6のロッド部41の外周面に形成された切欠き部41
aと係合する係合部131aが形成されている。そし
て、このストッパー部材131は板ばね部材132によ
って係合部131aがロッド部41の切欠き部41aと
係合する方向に付勢されている。
【0065】鉗子ユニット6の円周方向の位置決めは、
ストッパー部材131との係合により行ってもよいが、
ストッパー部材131とは別に、鉗子ユニット接続部1
5に図示しない係合ピンを設け、この係合ピンを鉗子ユ
ニット6に設けた溝部(図示せず)に係合するようにし
てもよい。
【0066】また、グリップ部11の内部にはトリガー
17を回転させて処置部3の各ジョー42a,42bの
開閉操作を行う際に、このグリップ部11に対してトリ
ガー17を閉じるハンドル閉方向(図2(A)中で回動
ピン20を中心にトリガー17を反時計回り方向に回動
させる方向)への動きのみを許し、グリップ部11に対
してトリガー17を開くハンドル開き方向(図2(A)
中で回動ピン20を中心にトリガー17を時計回り方向
に回動させる方向)へのトリガー17の動きを無段階に
固定する図9に示すような無段階式のラチェット機構7
1が設けられている。この無段階式のラチェット機構7
1は次のように構成されている。
【0067】すなわち、トリガー17の下縁部には図9
に示すように略円弧形状の下縁円弧部17aが形成され
ている。この下縁円弧部17aの円弧はトリガー17の
回動軌道に沿って略同心円状に形成されている。
【0068】また、グリップ部11の上部には回動ピン
20の下側にトリガー17の装着穴72が形成されてい
る。さらに、このトリガー装着穴72の下縁部にはトリ
ガー17の下縁円弧部17aと離間対向配置される傾斜
面73が形成されている。この傾斜面73はトリガー1
7の下縁円弧部17aとの間の離間距離が前方に向かう
にしたがって徐々に小さくなるように設定されている。
なお、トリガー17の下縁円弧部17aとグリップ部1
1の傾斜面73との間の拡開角度αは鋭角な適宜の角度
に設定されている。
【0069】さらに、グリップ部11の内部には略L字
状のロックアーム74が設けられている。このロックア
ーム74の一端部はグリップ部11の背面板に回動支点
75を介して回動可能に取付けられている。
【0070】また、ロックアーム74の他端部の自由端
側には前側延出部74aと、後ろ側延出部74bと、後
方に向けて突出されたばね受け部74cとが設けられて
いる。ここで、前側延出部74aにはトリガー17の下
縁円弧部17aとトリガー装着穴72の傾斜面73との
間に挿脱可能に介挿されるくさび部材76が設けられて
いる。このくさび部材76にはロックアーム74の前側
延出部74aに固定された支軸77に回転自在に軸支さ
れたくさびパイプ78が設けられている。さらに、ロッ
クアーム74の後ろ側延出部74bにはロック用の係合
溝79aと、係合ガイド用凸部79bとが形成されてい
る。
【0071】また、グリップ部11の背面板には略U字
状の板ばね部材80の一端部が取付けられている。この
板ばね部材80の自由端部はロックアーム74のばね受
け部74cに当接されている。そして、この板ばね部材
80によってロックアーム74の自由端側を前方向に押
圧する方向に付勢するようになっている。
【0072】また、トリガー17を回転させて処置部3
の各ジョー42a,42bの開閉操作を行う際に、無段
階式のラチェット機構71は次のように動作する。すな
わち、常時は板ばね部材80のばね力によってロックア
ーム74の自由端側が前方向に押圧され、くさび部材7
6のくさびパイプ78がトリガー17の下縁円弧部17
aとトリガー装着穴72の傾斜面73との間に挿入され
た状態で保持される。そして、グリップ部11に対して
トリガー17を図2(A)に示すようにグリップ部11
から最も離れた待機位置からハンドル閉方向に動かす動
作中はトリガー17からくさび部材76のくさびパイプ
78に図8中で右方向に押出す方向の押圧力が加えられ
る。そのため、この状態ではくさび部材76のくさびパ
イプ78と、トリガー17の下縁円弧部17aと、トリ
ガー装着穴72の傾斜面73との各接合面間は摩擦係合
の解除状態で保持され、トリガー17は自由にハンドル
閉方向に動かすことができる。
【0073】ここで、トリガー17が逆にハンドル開方
向に回動する場合にはトリガー17からくさび部材76
のくさびパイプ78に図9中で、左方向に引き込む方向
の力が加えられる。そのため、この状態ではくさび部材
76のくさびパイプ78がトリガー17の下縁円弧部1
7aと、トリガー装着穴72の傾斜面73との各接合面
間に摩擦係合されるので、トリガー17がハンドル開方
向に回動することが防止され、このときのトリガー17
の動きが固定される。なお、トリガー17がハンドル開
方向に回動する方向への動きの固定は無段階に行なわれ
る。
【0074】また、本実施の形態のバイポーラ鉗子1に
はラチェット機構71の機能が有効な状態で保持するオ
ン状態と、ラチェット機構71の機能を無効にするオフ
状態とに切換え操作するラチェットレバー19が設けら
れている。このラチェットレバー19の基端部はグリッ
プ部11の側板の外面に支軸81を介して回動可能に取
付けられている。ここで、ラチェットレバー19は図1
(A)中に実線で示すオン位置と、同図中に仮想線で示
すオフ位置との間で回動されるようになっている。
【0075】さらに、支軸81の内端部にはロック解除
用の操作板82の一端部が固定されている。この操作板
82の他端部にはロックアーム74の係合溝79aに係
脱可能に係合される係合ピン83が固定されている。
【0076】そして、ラチェットレバー19が図1
(A)中に実線で示すオン位置で保持されている場合に
は図9に示すように操作板82の係合ピン83はロック
アーム74の係合溝79aから外れた係合解除位置で保
持される。この場合には板ばね部材80のばね力によっ
てくさび部材76のくさびパイプ78がトリガー17の
下縁円弧部17aとトリガー装着穴72の傾斜面73と
の間に挿入された状態で保持され、ラチェット機構71
の機能が有効なオン状態で保持されるようになってい
る。
【0077】また、ラチェットレバー19が図1(A)
中に仮想線で示すオフ位置に回動された場合には図10
に示すように操作板82の係合ピン83が係合ガイド用
凸部79bにガイドされてロックアーム74の係合溝7
9aに係合される。このとき、ロックアーム74が板ば
ね部材80のばね力に逆らって図10中で時計回り方向
に回動され、くさび部材76のくさびパイプ78がトリ
ガー17の下縁円弧部17aとトリガー装着穴72の傾
斜面73との間から引き抜かれてラチェット機構71の
機能を無効にするオフ状態に切換えられるようになって
いる。
【0078】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態のバイポーラ鉗子1はハンドルユニット5
と、鉗子ユニット6と、ナイフユニット7とを図1
(A)に示すように一体的に組み付けた状態で使用され
る。
【0079】そして、初期状態では操作部4のトリガー
17は図2(A)に示すようにグリップ部11から最も
離れた待機位置で保持され、操作パイプ12の可動パイ
プ12bは挿入部2の中心軸方向の移動範囲の最後端位
置で保持される。さらに、ラチェットレバー19は図1
(A)中に実線で示すオン位置で保持され、操作板82
の係合ピン83は図9に示すようにロックアーム74の
係合溝79aから外れた係合解除位置で保持される。
【0080】この状態では図2(B)に示すように処置
部3の一対の支持アーム43a,43b全体が操作パイ
プ12の可動パイプ12bの外部に突出され、2つのジ
ョー42a,42b間は開状態で保持される。さらに、
無段階式のラチェット機構71は図9に示すように操作
板82の係合ピン83がロックアーム74の係合溝79
aから外れた係合解除位置で保持され、板ばね部材80
のばね力によってくさび部材76のくさびパイプ78が
トリガー17の下縁円弧部17aとトリガー装着穴72
の傾斜面73との間に挿入されてラチェット機構71の
機能が有効なオン状態で保持される。
【0081】また、バイポーラ鉗子1の使用時にはトリ
ガー17をグリップ部11側に引き込み操作することに
より、処置部3のジョー42a,42bが次のように閉
操作される。すなわち、トリガー17を図1(A)中で
回動ピン20を中心に反時計回り方向(ハンドル閉方
向)に回動させる動作にともない操作パイプ12の可動
パイプ12bは軸方向前方へ移動する。この可動パイプ
12bの前進動作にともない鉗子ユニット6の支持アー
ム43a,43bは後端側から可動パイプ12bの内部
に徐々に引き込まれる。そして、可動パイプ12bが挿
入部2の中心軸方向の移動範囲の最先端位置まで前進す
ると鉗子ユニット6の支持アーム43a,43b全体が
可動パイプ12bの内部に引き込まれるので、図1
(A)に示すように鉗子ユニット6のジョー42a,4
2b間は閉じられる。
【0082】また、トリガー17をグリップ部11側に
引き込み操作する方向(ハンドル閉方向)の操作力がト
リガー17に作用した場合にはトリガー17からくさび
部材76のくさびパイプ78に図9中で右方向に押出す
方向の押圧力が加えられる。そのため、この状態ではく
さび部材76のくさびパイプ78と、トリガー17の下
縁円弧部17aと、トリガー装着穴72の傾斜面73と
の各接合面間は摩擦係合の解除状態で保持され、トリガ
ー17は自由にハンドル閉方向に動かすことができる。
【0083】ここで、トリガー17が逆にハンドル開方
向に回動する場合にはトリガー17からくさび部材76
のくさびパイプ78に図9中で、左方向に引き込む方向
の力が加えられる。そのため、この状態ではくさび部材
76のくさびパイプ78がトリガー17の下縁円弧部1
7aと、トリガー装着穴72の傾斜面73との各接合面
間に摩擦係合されるので、トリガー17がハンドル開方
向に回動することが防止され、このときのトリガー17
の動きが固定される。
【0084】したがって、トリガー17をグリップ部1
1側に引き込み操作する操作中は、ラチェット機構71
によってこのトリガー17が反対方向には動かない状態
で保持されるので、図1(A)に示すように鉗子ユニッ
ト6のジョー42a,42b間が閉じられた場合にはこ
のジョー42a,42b間の閉状態が維持される。
【0085】また、鉗子ユニット6のジョー42a,4
2b間が閉じられ、ラチェット機構71によってジョー
42a,42b間の閉状態が維持されている状態で、ラ
チェットレバー19を図1(A)中に仮想線で示すオフ
位置に回動させた場合には図10に示すように操作板8
2の係合ピン83が係合ガイド用凸部79bにガイドさ
れてロックアーム74の係合溝79aに係合される。こ
のとき、ロックアーム74が板ばね部材80のばね力に
逆らって図9中で時計回り方向に回動され、くさび部材
76のくさびパイプ78がトリガー17の下縁円弧部1
7aとトリガー装着穴72の傾斜面73との間から強制
的に引き抜かれてラチェット機構71の機能を無効にす
るオフ状態に切換えられる。
【0086】そのため、この状態ではトリガー17はラ
チェットレバー19による解除動作をすることなく、ト
リガー17をジョー42a,42bの閉操作方向と反対
方向に動かしてジョー42a,42b間を開くことがで
き、ジョー42a,42b間を自由に開閉動作させるこ
とができる。
【0087】さらに、本実施の形態では上述したように
トリガー17を操作して可動パイプ12bを進退させた
際に、ハンドルに対してジョー42a,42bは定位置
のまま開閉する。この時、回転ノブ86に対して上下方
向にも力がかかるが、ガイド棒89があるため回転ノブ
86は上下には動くことなく水平に移動する。
【0088】また、回転ノブ86を回転させると、回転
力がガイド棒89、鉗子ユニット接続部15、鉗子ユニ
ット6、ジョー42a,42bの順で伝達される。そし
て、この回転ノブ86と一体に回転する回転部材87を
介して2本のガイド棒89が可動パイプ12bの中心軸
を回転中心として鉗子ユニット6のロッド部41の軸回
り方向に回転駆動される。さらに、2本のガイド棒89
によって鉗子ユニット接続部15が鉗子ユニット6のロ
ッド部41の軸回り方向に回転駆動される。これによ
り、鉗子ユニット接続部15とともに鉗子ユニット6全
体が鉗子ユニット6のロッド部41の軸回り方向に回転
駆動される。このとき、鉗子ユニット6と可動パイプ1
2bとは同時に回転する。
【0089】また、本実施の形態ではジョー42a,4
2b間で生体組織を把持した状態で、ジョー42a,4
2b間に高周波電力を供給することにより、ジョー42
a,42b間の生体組織の凝固処置が行われる。
【0090】さらに、ジョー42a,42b間の生体組
織を凝固した後に、ナイフレバー18の操作によってナ
イフユニット7が駆動される。このレバー18の操作時
にはレバー18は回動ピン25を中心に図1中で反時計
回り方向に回動操作される。このとき、レバー18が回
動される動作にともないナイフユニット接続部16のス
ライダ30が挿入部2の軸方向前方へ進み、このスライ
ダ30と一緒にナイフユニット7全体が前方へ移動す
る。これにより、ナイフユニット7のナイフ62が各ジ
ョー42a,42bのスリット52に沿って前進し、こ
のナイフ62の切り刃部63によって生体組織の凝固部
分が切開される。
【0091】さらに、このナイフユニット7の前進動作
中、ナイフユニット7が最前端位置まで移動するとナイ
フ62の突き当て部66が各ジョー42a,42bのス
リット52の前端部に当接される。これにより、ナイフ
62の切り刃部63の刃付け部が各ジョー42a,42
bのスリット52の前端部に直接当接することが防止さ
れるので、切り刃部63が保護される。
【0092】また、生体組織の切開後、ナイフレバー1
8が解放される。このとき、レバー18は図示しないば
ね部材のばね力によって初期位置の方向に回動し、ナイ
フユニット接続部16と一緒にナイフユニット7全体が
手元側へ移動される。そのため、ナイフユニット7のナ
イフ62が操作パイプ12の内部に引き込まれ、収納さ
れる。
【0093】また、本実施の形態では各ジョー42a,
42bの先端部には歯の凹凸が小さい第1の歯44a
1 ,44b1 が複数並設され、各ジョー42a,42b
の後端部には第1の歯44a1 ,44b1 よりも歯の凹
凸が大きい第2の歯44a2 ,44b2 が複数並設され
ている。この場合、歯の凹凸が大きい第2の歯44
2,44b2 の部分では各ジョー42a,42b間で
生体組織を把持した際に生体組織を噛み込む量も大きい
ため、強い把持力が得られる。また、歯の凹凸が小さい
第1の歯44a1 ,44b1 の部分では細いもの、特に
壁面の病巣を摘むことができ、繊細な処置ができる。そ
のため、各ジョー42a,42bの組織把持面45a,
45bの先端部の歯の凹凸が小さい第1の歯44a1
44b1 で繊細な処置を行い、また、切開を必要とする
場合は第1の歯44a1 ,44b1 よりも歯の凹凸の大
きさが大きい第2の歯44a2 ,44b2 の部分で十分
に強く生体組織を把持することができる。
【0094】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では図5に示すよ
うにナイフユニット7のナイフ62は一対のジョー42
a,42bの開閉時の支持アーム43a,43b間の移
動軌道上から外れた位置にオフセット状態で並列に配置
されているので、ジョー42a,42bの開閉動作時に
各ジョー42a,42bの支持アーム43a,43bの
移動軌道とナイフユニット7のナイフ62とが干渉する
ことを防止することができる。そのため、挿入部2を細
径化しても各ジョー42a,42bの支持アーム43
a,43bの断面係数を従来に比べて大きく取ることが
できるので、各ジョー42a,42bの支持アーム43
a,43bの剛性を高め、一対のジョー42a,42b
間で十分な把持力を得ることができる。同様に、ナイフ
ロッド61のロッド径が小さくなることを防止してナイ
フロッド61の剛性を高めることもできる。
【0095】さらに、本実施の形態では操作パイプ12
の可動パイプ12bに切り欠き状の案内部65を設け、
ジョー42a,42bの開閉時に可動パイプ12bの前
進動作にともない鉗子ユニット6の支持アーム43a,
43bが後端側から可動パイプ12bの内部に徐々に引
き込まれる動作中、鉗子ユニット6の各支持アーム43
a,43bの移動を可動パイプ12bの案内部65で案
内するようにしている。そのため、可動パイプ12bの
前進動作にともない鉗子ユニット6の支持アーム43
a,43bが可動パイプ12bの内部に徐々に引き込ま
れる動作中、鉗子ユニット6の支持アーム43a,43
bが可動パイプ12bの案内部65で規制される方向か
ら外れる方向に移動することを防止することができるの
で、鉗子ユニット6の各支持アーム43a,43bが可
動パイプ12bの中心軸方向に寄ってくることを防止し
て各ジョー42a,42bの支持アーム43a,43b
の移動軌道とナイフユニット7のナイフ62とが干渉す
ることを確実に防止することができる。
【0096】また、本実施の形態では鉗子ユニット6の
ロッド部41の本体を絶縁性のマルチルーメンチューブ
44によって形成し、支持アーム43a,43bに連結
された棒部材45a,45bをマルチルーメンチューブ
44の2つの挿通孔44a,44bに挿通状態で装着す
るとともに、残りの挿通孔44cにナイフユニット7を
挿通させるようにしたので、鉗子ユニット6のロッド部
41内の電気的な絶縁構造を簡略化することができる。
そのため、鉗子ユニット6のロッド部41の内部構造を
簡素化して鉗子ユニット6のロッド部41の外径寸法を
比較的小さくして鉗子ユニット6のロッド部41を細径
化することができる。その結果、バイポーラ鉗子1の使
用時に患者の体壁に形成されるこのバイポーラ鉗子1の
挿入孔の大きさを小さくすることができ、患者の体壁へ
の侵襲を少なくすることができる効果がある。
【0097】また、本実施の形態では各支持アーム43
a,43bの円形軸部43a1 ,43b1 の後端側に外
周面の一部を平面状に切り欠いた切欠部43a2 ,43
2を形成したので、各支持アーム43a,43bの円
形軸部43a1 ,43b1 の軸心方向に沿って後端側か
ら先端部側まで断面形状を変化させ、各支持アーム43
a,43bの先端部側と後端側との間で各支持アーム4
3a,43bのばね特性を変化させることができる。そ
して、本実施の形態では各支持アーム43a,43bの
後端側の断面係数は小さく、先端部側の断面係数は大き
くなるようにしている。
【0098】そのため、各支持アーム43a,43bの
手元側では各支持アーム43a,43bの断面係数が小
さく、ばねが柔らかいので、鉗子ユニット6の各支持ア
ーム43a,43bの開閉動作をスムーズに行うことが
できる。さらに、各支持アーム43a,43bの先端側
の断面係数は大きいので、ジョー42a,42b間で生
体組織を把持したときに強い把持力が得られる。その結
果、本実施の形態では鉗子ユニット6の各支持アーム4
3a,43bの開閉動作をスムーズに行なうことができ
るとともに、ジョー42a,42b間で生体組織を把持
したときに強い把持力が得られる効果がある。
【0099】また、本実施の形態ではハンドルユニット
5の鉗子ユニット接続部15に2つの接続電極54を鉗
子ユニット6のロッド部41の軸方向と直交する方向に
離間対向配置させた状態で並列に設けたので、2つの接
続電極を軸方向に直列に配置した場合のように絶縁部材
を直列に配置することが不要となる。そのため、ハンド
ルユニット5と鉗子ユニット6との間の電気接続部51
の構造が簡略化できるので、鉗子ユニット6を細径化で
きるとともに、ハンドルユニット5と鉗子ユニット6と
の間の電気接続部51を短くできる。すなわち、ハンド
ル全体を小さくできる効果がある。
【0100】また、本実施の形態では旋回式のトリガー
17により、ジョー42a,42bが定位置のまま開閉
するので、操作しやすい。さらに、トリガー17の操作
時には回転ノブ86に対して上下方向にも力がかかる
が、ガイド棒89があるため回転ノブ86は上下には動
くことなく水平に移動させることができる。そのため、
操作パイプ12の可動パイプ12bに曲げの力がかから
ず変形を防止でき、鉗子ユニット6の外径を小さくでき
る。
【0101】また、ガイド棒89はハンドルの外に露出
されているため、洗浄しやすい。さらに、回転ノブ86
はトリガー17のほぼ真上にあるため、ハンドルユニッ
ト5のグリップ部11を使用者が握った時にトリガー1
7を操作する手の指と同じ指(人差し指)が回転ノブ8
6に届く。そのため、片手でハンドルのグリップ部11
を握ったままの状態で回転ノブ86を操作して鉗子ユニ
ット6を回転できるため、操作性がよい。
【0102】また、回転ノブ86の操作時には鉗子ユニ
ット6と可動パイプ12bとが同時に回転するため、鉗
子ユニット6の回転操作時の摩擦低減が可能である。さ
らに、鉗子ユニット6には突起等の手段が不要であり、
構造が簡略化できるとともに細径化できる効果がある。
【0103】また、図11は本発明の第2の実施の形態
を示すものである。本実施の形態は図11に示すように
操作パイプ12の可動パイプ12bに第1の実施の形態
の切り欠き状の案内部65に代えて凹陥状のガイド溝8
5を設け、ジョー42a,42bの開閉時に鉗子ユニッ
ト6の各支持アーム43a,43bの移動をこのガイド
溝85で案内する構成にしたものである。
【0104】そこで、上記構成のものにあってはジョー
42a,42bの開閉時に可動パイプ12bの前進動作
にともない鉗子ユニット6の支持アーム43a,43b
が後端側から可動パイプ12bの内部に徐々に引き込ま
れる動作中、鉗子ユニット6の各支持アーム43a,4
3bの移動を可動パイプ12bのガイド溝85で案内す
ることができる。そのため、可動パイプ12bの前進動
作にともない鉗子ユニット6の支持アーム43a,43
bが可動パイプ12bの内部に徐々に引き込まれる動作
中、鉗子ユニット6の支持アーム43a,43bが可動
パイプ12bのガイド溝85で規制される方向から外れ
る方向に移動することを防止することができるので、第
1の実施の形態と同様に鉗子ユニット6の各支持アーム
43a,43bが可動パイプ12bの中心軸方向に寄っ
てくることを防止して各ジョー42a,42bの支持ア
ーム43a,43bの移動軌道とナイフユニット7のナ
イフ62とが干渉することを確実に防止することができ
る。
【0105】なお、第1の実施の形態の切り欠き状の案
内部65(図5参照)や、第2の実施の形態のガイド溝
85(図5参照)に代えて操作パイプ12の可動パイプ
12bにガイド用の凸部を設け、ジョー42a,42b
の開閉時に鉗子ユニット6の各支持アーム43a,43
bの移動をこのガイド用の凸部で案内する構成にしても
よい。
【0106】また、図12(A),(B)は第1の実施
の形態のバイポーラ鉗子1の第1の変形例を示すもので
ある。本変形例は、ナイフユニット7の動作時にジョー
42a,42bのスリット52に沿ってナイフ62が前
進した際に、ナイフ62の先端の切り刃部63が各ジョ
ー42a,42bのスリット52の前端部に突き当たる
前に各ジョー42a,42bに突き当たる突き当て部6
6をナイフユニット7のナイフ62先端の切り刃部63
の刃付け部以外の場所に設けたものである。
【0107】すなわち、本変形例では図12(B)に示
すように各ジョー42a,42bのスリット52におけ
るナイフ62の入口の開口幅より大径のナイフロッド9
1を設け、ナイフ62の後端にこのナイフロッド91の
先端部を連結し、このナイフロッド91の先端部によっ
て突き当て部66を形成したものである。
【0108】そこで、上記構成のものにあってはナイフ
ユニット7の動作時にはジョー42a,42bのスリッ
ト52に沿ってナイフ62が前進した際に、ナイフ62
の先端の切り刃部63が各ジョー42a,42bのスリ
ット52の前端部に突き当たる前にナイフロッド91の
先端部を各ジョー42a,42bのスリット52におけ
るナイフ62の入口の開口部の周縁部位に突き当てるこ
とができる。そして、ナイフロッド91の先端部が各ジ
ョー42a,42bのスリット52におけるナイフ62
の入口の開口部の周縁部位に突き当たった後はナイフ6
2はそれ以上前進することはできなくなる。
【0109】そのため、本変形例であっても第1の実施
の形態と同様にナイフユニット7の前進動作中、ナイフ
62の切り刃部63の刃付け部が各ジョー42a,42
bのスリット52の前端部に直接当接することを防止し
て切り刃部63を保護することができるので、ナイフ6
2の切り刃部63の刃付け部の変形や、刃こぼれによっ
てナイフ62の切れ味が劣化することを確実に防止する
ことができる効果がある。
【0110】さらに、本変形例では簡単な構造でナイフ
62の切り刃部63の刃付け部が各ジョー42a,42
bのスリット52の前端部に直接当接することを防止で
きるので、原価も安くすむ。
【0111】また、ナイフユニット7におけるナイフ6
2と、ナイフロッド61との間に接続部材を介設し、こ
の接続部材を各ジョー42a,42bのスリット52に
おけるナイフ62の入口の開口幅より大きくすることに
より、ジョー42a,42bのスリット52に沿ってナ
イフ62が前進した際に、ナイフ62の先端の切り刃部
63が各ジョー42a,42bのスリット52の前端部
に突き当たる前にこの接続部材を各ジョー42a,42
bのスリット52におけるナイフ62の入口の開口部の
周縁部位に突き当てる構成にしてもよい。
【0112】また、図13(A),(B)は第1の実施
の形態のバイポーラ鉗子1の第2の変形例を示すもので
ある。本変形例は図13(B)に示すように鉗子ユニッ
ト6のジョー42a,42b間の各組織把持面45a,
45bにおける内部側に凹陥状に陥没させた凹陥部10
1a,101bを設け、各組織把持面45a,45bの
凹陥部101a,101bによって生体組織と接触しな
い組織非接触部を形成したものである。ここで、各組織
把持面45a,45bにおける凹陥部101a,101
b以外の生体組織との接触部分によって形成される組織
把持部102a,102bはジョー42a,42bの外
周面に沿った一定幅に設けられている。
【0113】次に、上記構成の作用について説明する。
本変形例では図13(B)に示すように鉗子ユニット6
のジョー42a,42b間で生体組織Hを把持した際に
各組織把持面45a,45bの組織把持部102a,1
02bで生体組織Hが圧縮される。このとき、各組織把
持面45a,45bの凹陥部101a,101bの内壁
面には生体組織Hが非接触の状態で保持される。
【0114】そして、鉗子ユニット6のジョー42a,
42b間で上述したように生体組織Hを把持した状態で
鉗子ユニット6に高周波電流を流した場合、組織把持部
102a,102bで圧縮された部分H1 は他の非圧縮
部分H2 に比べて抵抗が低いため、この部分に高周波電
流が集中して流れる。そのため、各組織把持面45a,
45bが全面に亙り生体組織Hに接触し、凝固時の電流
密度が低くなる場合に比べて生体組織Hとの接触面積を
小さくすることができるので、本変形例では組織把持部
102a,102bで圧縮された部分H1 に効率良く、
高周波電流を集中して流すことができる。したがって、
ジョー42a,42bの外形寸法を大きくして、ナイフ
62の切開長を長くした場合でも組織把持部102a,
102bで圧縮された部分H1 の周辺を効率良く凝固さ
せることができる。
【0115】なお、鉗子ユニット6のジョー42a,4
2b間の各組織把持面45a,45bにおける内部側の
スリット52に沿って組織把持部102a,102bを
形成し、各組織把持部102a,102bの外周部位に
凹陥部101a,101bを配置する構成にしてもよ
い。この場合には組織把持部102a,102bで圧縮
された部分H1 に高周波電流を集中して流した際に、生
体組織Hの凝固が進むと凝固範囲がジョー42a,42
bの外側に広がるため、内視鏡で生体組織Hの凝固の様
子を観察し易い効果がある。
【0116】また、図14(A),(B)は第1の実施
の形態のバイポーラ鉗子1の第3の変形例を示すもので
ある。本変形例は第1の実施の形態のバイポーラ鉗子1
の手元側の操作部4の構成を次の通り変更したものであ
る。
【0117】すなわち、本変形例ではバイポーラ鉗子1
の手元側の操作部4に固定ハンドル111と、この固定
ハンドル111に対して開閉可能な可動ハンドル112
とが設けられている。さらに、各ハンドル111,11
2の基端部には手指を挿入する指入れリング111a,
112aがそれぞれ設けられている。
【0118】また、固定ハンドル111の先端部には略
U字状に分岐されている。そして、前側の分岐部には挿
入部2の基端部に連結される連結部113が形成され、
後ろ側の分岐部には可動ハンドル112との連結部11
4が形成されている。
【0119】さらに、可動ハンドル112の先端部には
鉗子ユニット6との連結部115と、固定ハンドル11
1との連結部116とが設けられている。ここで、固定
ハンドル111の連結部114と可動ハンドル112の
連結部116との間はピン117を介して回動可能に連
結されている。
【0120】また、本変形例の操作部4には第1の実施
の形態の無段階式のラチェット機構71(図9および図
10参照)とは異なる構成の無段階式のラチェット機構
121が設けられている。このラチェット機構121は
次のように構成されている。
【0121】すなわち、可動ハンドル112における指
入れリング112a側の端部には固定ハンドル111の
指入れリング111aの下方に延出される略円弧状の可
動ハンドルアーム122が形成されている。
【0122】さらに、固定ハンドル111の指入れリン
グ111aの下縁部には図14(B)に示すように可動
ハンドルアーム122と離間対向配置される傾斜面12
3が形成されている。この傾斜面123は可動ハンドル
アーム122の上縁円弧部122aとの間の離間距離が
前方に向かうにしたがって徐々に大きくなるように設定
されている。なお、可動ハンドルアーム122の上縁円
弧部122aと固定ハンドル111の傾斜面123との
間の拡開角度βは鋭角な適宜の角度に設定されている。
【0123】さらに、固定ハンドル111には指入れリ
ング111aとの連結部にロックレバー124の基端部
が支軸125を中心に回動可能に連結されている。ま
た、ロックレバー124の中途部には略半円形状の板ば
ね状のロックアーム126の一端部が固定されている。
このロックアーム126の他端部には可動ハンドルアー
ム122の上縁円弧部122aと固定ハンドル111の
傾斜面123との間に挿脱可能に介挿されるくさび部材
127が設けられている。このくさび部材127にはロ
ックアーム126の他端部に固定された支軸128と、
この支軸128に回転自在に軸支されたくさびパイプ1
29とが設けられている。
【0124】また、本変形例では操作部4の固定ハンド
ル111に対して可動ハンドル112が最も離れた開位
置で待機されている場合にはバイポーラ鉗子1における
鉗子ユニット6のジョー42a,42bが図1(B)に
示すように拡開された状態で保持されるようになってい
る。
【0125】そして、この待機状態で、操作部4の固定
ハンドル111に対して可動ハンドル112が図14
(A)中で時計回り方向に回動された場合にはこの可動
ハンドル112の回動動作にともない鉗子ユニット6が
手元側に引っ張り操作され、鉗子ユニット6のジョー4
2a,42bの支持アーム43a,43bが操作パイプ
12内に引き込まれて鉗子ユニット6のジョー42a,
42bが支持アーム43a,43bのばね力に抗して図
1(A)に示すように閉じられるようになっている。
【0126】また、操作部4の固定ハンドル111に対
して可動ハンドル112を回転させて処置部3の各ジョ
ー42a,42bの開閉操作を行う際に、本変形例の無
段階式のラチェット機構121は次のように動作する。
すなわち、常時はくさび部材127のくさびパイプ12
9が可動ハンドルアーム122の上縁円弧部122aと
固定ハンドル111の傾斜面123との間に挿入された
状態で保持される。そして、操作部4の固定ハンドル1
11に対して可動ハンドル112を最も離れた待機位置
からハンドル閉方向に動かす動作中は可動ハンドルアー
ム122からくさび部材127のくさびパイプ129に
図14(A)中で、左方向に押出す方向の押圧力が加え
られる。そのため、この状態ではくさび部材127のく
さびパイプ129と、可動ハンドルアーム122の上縁
円弧部122aと、固定ハンドル111の傾斜面123
との各接合面間は摩擦係合の解除状態で保持され、固定
ハンドル111に対して可動ハンドル112を自由にハ
ンドル閉方向に動かすことができる。
【0127】ここで、操作部4の固定ハンドル111に
対して可動ハンドル112を逆にハンドル開方向に回動
する場合には可動ハンドルアーム122からくさび部材
127のくさびパイプ129に図14(A)中で、右方
向に引き込む方向の力が加えられる。そのため、この状
態ではくさび部材127のくさびパイプ129が可動ハ
ンドルアーム122の上縁円弧部122aと、固定ハン
ドル111の傾斜面123との各接合面間に摩擦係合さ
れるので、固定ハンドル111に対して可動ハンドル1
12がハンドル開方向に回動することが防止され、この
ときの可動ハンドル112の動きが固定される。なお、
可動ハンドル112がハンドル開方向に回動する方向へ
の動きの固定は無段階に行なわれる。
【0128】また、本変形例ではロックレバー124の
回動操作によって図14(A)中に実線で示すようにラ
チェット機構121の機能が有効な状態で保持するオン
状態と、同図中に仮想線で示すようにラチェット機構1
21の機能を無効にするオフ状態とに切換え操作するよ
うになっている。
【0129】そして、ロックレバー124が図14
(A)中に実線で示すオン位置で保持されている場合に
はくさび部材127のくさびパイプ129が可動ハンド
ルアーム122の上縁円弧部122aと、固定ハンドル
111の傾斜面123との間に挿入された状態で保持さ
れ、ラチェット機構121の機能が有効なオン状態で保
持されるようになっている。
【0130】また、ロックレバー124が図14(A)
中に仮想線で示すオフ位置に回動された場合にはくさび
部材127のくさびパイプ129が可動ハンドルアーム
122の上縁円弧部122aと、固定ハンドル111の
傾斜面123との間から引き抜かれてラチェット機構1
21の機能を無効にするオフ状態に切換えられるように
なっている。
【0131】また、図15および図16は第1の実施の
形態のバイポーラ鉗子1の第4の変形例を示すものであ
る。本変形例は第1の実施の形態のバイポーラ鉗子1に
おける鉗子ユニット6の後端のソケット部49の構成を
次の通り変更したものである。
【0132】すなわち、本変形例の鉗子ユニット6には
図15に示した電気接続部141が設けられている。こ
の電気接続部141には第1の実施の形態のマルチルー
メンチューブ44の後端面から外部側に突出された2本
の棒部材142a,142bが設けられている。これら
の棒部材142a,142bは第1の実施の形態のマル
チルーメンチューブ44の2つの挿通孔44a,44b
に挿入された状態で固定されている。
【0133】また、棒部材142a,142bは芯金1
43と、この芯金143の外周面を被覆する絶縁チュー
ブ144とによって形成されている。そして、各棒部材
142a,142bの先端部はジョー42a,42bの
支持アーム43a,43bにそれぞれ連結されている。
【0134】さらに、各棒部材142a,142bにお
けるマルチルーメンチューブ44の後端面から外部側に
突出された部分の後端部には図15に示すように絶縁チ
ューブ144が被覆されていない芯金143の露出部が
形成されており、この芯金143の露出部に金属等の導
電材料によって形成された管状電極145が固定されて
いる。これにより、管状電極145全体がマルチルーメ
ンチューブ44の外部側に露出して設けられている。
【0135】また、この電気接続部141に対応して鉗
子ユニット接続部15の内部には図16に示すようにソ
ケット受け146が設けられている。このソケット受け
146には管状電極145を位置決めして受け入れる受
け溝部147が設けられている。
【0136】そして、本変形例の鉗子ユニット6の電気
接続部141が鉗子ユニット接続部15に挿入された場
合には受け部材53の収納凹部53a内の2つの接続電
極54が2つの管状電極145に両側からそれぞれ圧接
されて管状電極145と接続電極54とが電気的に接続
されるようになっている。
【0137】そこで、本変形例ではマルチルーメンチュ
ーブ44から管状電極145を直接延長すればよく、第
1の実施の形態における鉗子ユニット6のソケット部4
9が不要となる。そのため、第1の実施の形態に比べて
安価にでき、使用者にとって消耗品である鉗子ユニット
6の買い替えが比較的容易であるという効果がある。
【0138】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他の
特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 通電可能な把持部材を弾性部材の弾性力
を利用して開閉するバイポーラ鉗子で、把持部材とは独
立して動作する切開手段を有する鉗子において、把持部
材を付勢する弾性部材と切開手段を並列に配置した鉗
子。
【0139】(付記項2) 前記弾性部材、切開手段を
挿入部中心軸からオフセットされた位置に配置した付記
項1の鉗子。 (付記項3) 前記弾性部材と係合するシースの先端に
弾性部材のオフセット位置を維持するための案内手段を
設けた付記項2の鉗子。
【0140】(付記項4) 前記案内手段はシース内壁
に弾性部材と係合するよう設けられた凹部である付記項
3の鉗子。 (付記項5) 前記案内手段はシースに設けたスリット
である付記項3の鉗子。
【0141】(付記項1〜5の従来技術) USP5,
458,598(先行例1)ではFIG.4に示される
ように互いが絶縁された関係にある一対の把持部材(2
2,24)と組織を切開するためのナイフブレード(6
2)を有する鉗子でこの把持部材は把持部材を開く方向
に付勢する円形断面の弾性部材に接続されている。ここ
で弾性部材は中心軸に対して対称に配置され、ナイフブ
レードは中心軸上に配置されている。ナイフブレードは
中心軸方向に前後動が可能であり、把持部材はパイプ
(14)の先端より突出した状態で弾性部材によって開
き、パイプの先端と弾性部材が係合したときFIG.2
に示されるように閉じる。
【0142】また、USP5,573,535(先行例
2)では先行例1同様互いが絶縁された関係にある一対
の把持部材(44,45)と組織を切開するためのブレ
ード(52)を有する鉗子でこの把持部材は板状の接続
部材(38)に開方向に付勢された状態で接続されてい
る。このとき接続部材は板状で中心軸に対して対称に配
置され、ブレードも中心軸上に配置されている。構造的
に先行例1と若干異なるが動作方法は先行例1と同じで
ある。
【0143】(付記項1〜5が解決しようとする課題)
これらの鉗子では把持した組織を確実に切開するため
には十分な把持力が必要となる。このとき把持部材に接
続される部材は軟らかすぎると組織を抑え込む力が弱く
なり十分な把持力を得ることができない。よって十分な
把持力を得るためには接続部材はなるべく大きい断面係
数(断面係数が大きい程固いバネになる)が必要とな
る。これら先行例に示したような接続部材の配置では
(特に鉗子の細径化を考えた場合)切開手術との干渉を
考慮しなければならないため断面係数の大きい接続部材
を配置することは困難になり、結果的に把持力の弱い鉗
子になってしまう。
【0144】(付記項1、2の課題を解決するための手
段) 接続部材(弾性部材)と切開手段を中心軸対称で
はなく並列に配置することによって互いの干渉を考慮す
る必要が無くなるため接続部材の断面係数を大きくする
ことが可能となる。
【0145】(付記項3〜5の課題を解決するための手
段) 把持部材を中心軸に対して非対称に配置した場合
その閉動作において接続部材が中心方向によってしまい
全体の軸がずれてしまう。このずれを防ぐために接続部
材の位置を案内する案内手段を設けた。
【0146】(付記項1〜5の効果) 鉗子を細径化し
ても接続部材の断面係数が大きく取れるため十分な把持
力を有する鉗子を提供することができる。 (付記項6) 前記弾性部材の少なくとも一部は丸形を
部分的に切り欠いた半円形の断面形状である付記項1の
鉗子。
【0147】(付記項6が解決しようとする課題) し
かし、先行例に示されているようなバネの力に逆らって
把持部材を閉じるタイプの鉗子では弾性部材が一定の断
面形状であると把持力を得るために断面係数を大きくす
ればバネが固く反力が大きくなるため開閉がスムーズに
できなくなる。開閉をスムーズに行うために一様に断面
係数を小さくすれば前述のように把持力が小さくなり組
織の切開が確実に行えなくなる可能性がある。
【0148】(付記項6の課題を解決するための手段)
把持部材を付勢するバネの開閉に関わる手元側付近の
断面係数は小さく、組織を把持した状態で関わる先端側
付近の断面係数は大きくなるよう断面係数が一様でなく
位置によって異なる形状とした。
【0149】(付記項6の効果) 手元側の断面係数が
小さいので開閉はスムーズに行われる。先端側の断面係
数は大きいので組織を把持したときはバネが固く強い把
持力が得られる。つまり、スムーズな開閉で強い把持力
が得られる。
【0150】(付記項7) 第1のハンドルと第2のハ
ンドルを相対的に回転させて、処置部の開閉操作を行う
とともに第1のハンドルに対して第2のハンドルを少な
くとも一方向に動かないように固定する手段を有する手
術用鉗子において、ハンドルの固定手段が次の構成から
なるもの。第1のハンドルに設けられた、略平面または
略円周面を有する第1固定部材と、第2のハンドルに設
けられた略平面または略円周面を有する第2固定部材
と、第1固定部材と第2固定部材の間にあるくさび部材
と、くさび部材を第1の方向に押す押圧手段と、押圧手
段に逆らってくさび部材を第2の方向に移動する移動手
段からなるもの。
【0151】(付記項8) 付記項7において、くさび
部材が第1、第2固定部材の両者と摩擦係合する第1の
位置と、移動手段によって第2の方向に移動して少なく
とも第1、第2固定部材の一方との摩擦係合が解除され
た第2の位置の間を移動するもの。
【0152】(付記項9) 付記項8において、前記摩
擦係合が、第1、第2固定部材が互いに反対方向に移動
する時に起こるもの。 (付記項10) 付記項7〜9において、第1固定部材
の略円周面は第1のハンドルと略同心なもの。
【0153】(付記項11) 付記項7〜10におい
て、くさび部材は第1、第2のハンドルの一方に軸支さ
れたアーム部材によって支持され、前記移動手段はアー
ム部材を押すピン部材を有し、前記アーム部材は斜面と
溝を有し、ピン部材が斜面を押すことでくさび部材を前
記第2の位置に移動し、更に選択的にピン部材と溝が一
時的に結合状態を保つことで、くさび部材を前記第2の
位置に保持するもの。
【0154】(付記項12) 付記項7〜11におい
て、くさび部材は前記アーム部材に対して回転可能であ
るもの。 (付記項13) 付記項12において、くさび部材は軸
支された円筒状の部材であるもの。
【0155】(付記項14) 付記項7〜13におい
て、前記移動手段が前記ピン部材の位置を移動させるロ
ック解除レバーを有するもの。 (付記項15) 付記項7〜14において、第1と第2
の固定部材間の距離が第1の方向にいくほど近いもの。
【0156】(付記項7〜15の効果) 使用者の好む
最適な位置でハンドルの固定が可能で、また従来のラチ
ェットに比べ耐久性がある。 (付記項16) 略円形断面部分を有する管状部材と、
管状部材の先端に設けられた少なくとも2つのジョー
と、管状部材の手元端に設けられた少なくとも2つの接
続電極と、接続電極と2つのジョーを電気的に接続する
手段とを有する鉗子ユニットと、鉗子ユニットに着脱可
能に接続してジョーの開閉を行うとともに、鉗子ユニッ
トの接続電極と電気的に接続可能な電極を有するハンド
ルユニットと、からなるバイポーラ鉗子において、接続
電極は管状部材の略円形断面に対して並列に設けられ、
少なくともその一部が管状部材から露出していることを
特徴とするバイポーラ鉗子。
【0157】(付記項17) 付記項16において、接
続電極は二つのジョーに異なる電位を通電するため、互
いに絶縁されているバイポーラ鉗子。 (付記項18) 付記項16、17において、接続電極
は管状部材から全周が露出した細長い部材でできている
バイポーラ鉗子。
【0158】(付記項19) 付記項16、17におい
て、接続電極は外部に露出している全長にわたって、そ
の断面の一部が樹脂からなる絶縁部材に埋没されて設け
られているバイポーラ鉗子。
【0159】(付記項20) 付記項17〜19におい
て、接続電極の絶縁は樹脂のマルチルーメンチューブに
よって行われるバイポーラ鉗子。 (付記項21) 付記項16〜20において、接続電極
及びハンドルユニットの電極には抵抗を下げる表面処理
がなされたバイポーラ鉗子。
【0160】(付記項22) 付記項21において、表
面処理は金メッキであるバイポーラ鉗子。 (付記項23) 付記項22において、表面処理はニッ
ケルクロームメッキであるバイポーラ鉗子。
【0161】(付記項24) 付記項16〜23におい
て、鉗子ユニットには遠位端から手元端まで貫通したチ
ャンネルが設けられているバイポーラ鉗子。 (付記項25) 付記項24において、チャンネルには
先端にナイフブレードを有するナイフロッドを挿通可能
なバイポーラ鉗子。
【0162】(付記項16〜25の従来技術) 内視鏡
下手術用鉗子に関する。独特DE2734847C2、
特願平7−241674号は、バイポ−ラ凝固鉗子であ
りジョーを有する管状部分(鉗子ユニット)がハンドル
から着脱可能であり、管状部分の末端部に管状部分とハ
ンドルとの電気的接続を行う2つの互いに絶縁された電
極が直列に設けられている。
【0163】(付記項16〜25が解決しようとする課
題) 先行例では2つの電極を直列に配置するとともに
互いに絶縁するため、電極の間に円筒状の絶縁材を設け
ている。そのため、直列方向に電気接続部が長くなり、
その結果ハンドル全体が大きくなってしまうという問題
があった。さらに絶縁材と電極を接続する時に強度を保
つ必要があるため、管状部材の外径を小さくできないと
いう問題があった。管状部材の外径を小さくすることは
鉗子の多機能化を考えて、例えば鉗子の外径を維持した
まま貫通したチャンネルを設ける場合等に切実な問題と
なっている。
【0164】(付記項16〜25の目的) 付記項16
〜25は以上の問題を解決することを目的とする。 (付記項16〜25の課題を解決する手段及び作用)
略円形断面部分をもつ鉗子ユニットがハンドルユニット
から着脱可能なバイポーラ鉗子において、鉗子ユニット
の少なくとも2つの接続電極を略円形断面に対して並列
に設けた。接続電極がハンドルユニットの電極と電気的
に接続される。
【0165】(付記項16〜25の効果) 2つの接続
電極を設ける時に、並列に設けることで構造が簡略化で
き、絶縁部材を直列に配置することが不要であり、鉗子
ユニットを細径化できるとともにハンドルユニットと鉗
子ユニットの電気接続部を短くできる。すなわち、ハン
ドルを小さくできる。
【0166】(付記項26) 相対移動する第1と第2
のシャフトと、第1のシャフトに接続された第1のシャ
フト接続手段と、第1のシャフト接続手段に連結され、
第1のシャフト接続手段を進退させる第1のハンドル
と、第2のシャフトに接続された第2のシャフト接続手
段と、第2のシャフト接続手段と第1のハンドルを支持
する第2のハンドルと、を有する内視鏡下手術用鉗子に
おいて、第1のシャフト接続手段が前後に移動した時、
第1のシャフト接続手段を第1のシャフトに平行に保持
する案内手段を有し、案内手段は第1及び第2のハンド
ルの外部に露出して設けられていることを特徴とする内
視鏡下手術用鉗子。
【0167】(付記項27) 付記項26において、第
2のシャフトの遠位端に接続された一対のジョーを有
し、第1のシャフトと第2のシャフトが相対的に移動す
る時、第1のシャフトがジョーの上を覆うことでジョー
が開閉する内視鏡下手術用鉗子。
【0168】(付記項28) 付記項26、27におい
て、第1のシャフト接続手段は第1のハンドルに対して
第1のシャフトの中心軸を基準に第1のシャフトととも
に回転可能に支持され、第1のシャフト接続手段には回
転操作手段が設けられた内視鏡下手術用鉗子。
【0169】(付記項29) 付記項28において、第
2のシャフト接続手段は第2のハンドルに対して第1の
シャフトの中心軸を基準に回転可能に支持され、前記回
転操作手段の回転操作は前記案内手段を介して第2のシ
ャフト接続手段及び第2のシャフトに伝達される内視鏡
下手術用鉗子。
【0170】(付記項30) 付記項26乃至29にお
いて、前記案内手段は第2のハンドルに設けられた少な
くとも一つの棒部材からなり、棒部材は第1のシャフト
接続手段を貫通している内視鏡下手術用鉗子。
【0171】(付記項31) 付記項30において、棒
部材の一端は第2のシャフト接続手段に固定されている
内視鏡下手術用鉗子。 (付記項32) 付記項31において、棒部材の他端は
棒部材の位置決めを行う略円筒部材に固定されている内
視鏡下手術用鉗子。
【0172】(付記項33) 付記項26〜32におい
て、第1、第2のハンドルは使用者の片手で操作可能
で、回転操作手段は第1のハンドルの略上にあり、操作
者の第1のハンドルを操作する指と同一の指で操作可能
な内視鏡下手術用鉗子。
【0173】(付記項34) 付記項27〜33におい
て、ジョーにバイポーラ電位を通電できる内視鏡下手術
用鉗子。 (付記項26〜34の従来技術) 内視鏡下手術用鉗子
に関する。USP4393872、独特DE19512
640C2のように、パイプとジョーを相対的にスライ
ドしてジョーを開閉させるものがあった。USP465
5219のようにスライダーに接続されたパイプを前後
にスライドしてジョーを開閉させるものがあつた。スラ
イダーはハンドル本体の案内手段によって案内されてい
る。USP5611813も同様だが、パイプの手元側
はハンドル内のシリンダで保持されている。この先行例
では、パイプは旋回するハンドルに接続されている。ま
た先端ジョーを挿入部の中心軸の周りに回転させる回転
機構はない。USP5611808はジョーを前後にス
ライドして開閉させる。また、先端ジョーの回転機構を
有する。特開平9−84808号公報はパイプを前後に
スライドしてジョーを開閉させる。また、鉗子ユニット
とハンドルユニットに分解可能である。また、可動ハン
ドルの上に回転操作手段があり、挿入部を片手で回転操
作可能であった。パイプと鉗子ユニットは突起44aで
周方向は結合されており、回転操作手段の回転力はパイ
プに伝達された後、突起を介して鉗子ユニットに伝達さ
れていた。
【0174】(付記項26〜34が解決しようとする課
題) USP4393872、独特DE1951264
0C2の構造ではパイプをスライドさせる時にパイプに
対して斜めの力が加わると、パイプが曲がるという問題
があった。この問題はパイプの外径や肉厚が小さい時、
特に顕著に発生し、鉗子を細径化する時の妨げとなって
いた。その防止のため、USP4655219ではスラ
イダを支持する案内手段を設けていた。またUSP56
11813ではパイプをハンドル内のシリンダで支持し
ていた。しかし、両者にはジョーの回転機構が無く、操
作性が悪かった。また、個別に見れば、USP4655
219はスライダ方式のハンドルであり、ジョーの開閉
に強い操作力が要求され、一般的に内視鏡下手術用鉗子
では用いられていないものである。USP561181
3は、閉鎖されたシリンダ内でパイプが支持されるた
め、使用後の洗浄が面倒であった。USP561180
8は、回転操作可能だがこの構成ではジョーがハンドル
に対して移動してしまい、操作性がよくなかった。独特
DE19512640C2は回転操作の手段(プラグ継
ぎ手)が鉗子の手元端にあり、ハンドル操作時に回転操
作手段に手が届かず、両手を使わないと回転操作が不可
能であった。特開平9−84805号公報は、片手で回
転可能な位置に回転操作手段があったが、鉗子ユニット
に突起が必要であり、鉗子ユニットを細径化する場合に
は同様な構造が採用できず問題となっていた。
【0175】(付記項26〜34の目的) 付記項26
〜34は以上の問題を解決することを目的とする。 (付記項26〜34の課題を解決する手段及び作用)
旋回する可動ハンドルを有するとともに、ジョーがハン
ドルに対して定位置を維持したまま、可動パイプにより
開閉する。また、可動パイプに平行に可動パイプを保持
する案内手段を設けた。さらに、可動ハンドルの略上に
可動パイプ接続手段と回転操作手段を設けた。可動ハン
ドルを操作して可動パイプを進退させると、ハンドルに
対してジョーは定位置のまま開閉する。この時、可動ハ
ンドルに接続された可動パイプ接続手段に対しては上下
に力がかかるが、案内手段があるため可動パイプ接続手
段は上下には動くことなく水平に移動する。さらに、可
動パイプ接続手段に設けられた回転操作手段を回転させ
ると、回転力が案内手段を介して、先端ジョーに伝達さ
れ、ジョーが回転する。また、回転操作手段は可動ハン
ドルの略上にあるため、可動ハンドルを操作する指と同
一の指で操作でき、すなわち片手操作できる。
【0176】(付記項26〜34の効果) 可動パイプ
に曲げの力がかからず変形を防止でき、鉗子ユニットの
外径を小さくできる。また、旋回式のトリガーにより、
ジョーが定位置のまま開閉し、操作しやすい。さらに、
ガイド棒はハンドルの外に露出されているため、洗浄し
やすい。また、トリガーのほぼ真上にあるため、人差し
指で届く回転ノブによって、片手でハンドルを握ったま
ま鉗子ユニットを回転できるため操作性がよい。また、
鉗子ユニットと可動パイプが同時に回転するため、回転
時の摩擦低減が可能である。また、鉗子ユニットには突
起等の手段が不要であり、構造が簡略化できるとともに
細径化できる。
【0177】
【発明の効果】本発明によれば一対の把持部材の開閉動
作時の把持部材の支持要素の移動軌道上から外れた位置
に切開手段をオフセット状態で並列に配置したので、体
内に挿入される挿入部を細径化しても把持部材の支持要
素の断面係数を大きく取ることができ、十分な把持力を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すもので、
(A)はバイポーラ鉗子全体の概略構成を示す側面図、
(B)はバイポーラ鉗子の先端部のジョーが開いている
状態を示す側面図。
【図2】 第1の実施の形態のバイポーラ鉗子をユニッ
ト毎に分解した状態を示す側面図。
【図3】 (A)は第1の実施の形態のバイポーラ鉗子
の先端部のジョーを示す側面図、(B)は(A)のB−
B線断面図、(C)は(A)のC−C線断面図。
【図4】 (A)は第1の実施の形態のバイポーラ鉗子
の鉗子ユニット後端部の横断面図、(B)は(A)のB
−B線断面図、(C)は(A)のC−C線断面図。
【図5】 (A)は第1の実施の形態のバイポーラ鉗子
におけるハンドルユニットの鉗子ユニット接続部の内部
構成を示す縦断面図、(B)は(A)のB−B線断面
図。
【図6】 第1の実施の形態のジョーの弾性部材とナイ
フユニットとの配置状態を示す要部の横断面図。
【図7】 (A)は第1の実施の形態のバイポーラ鉗子
の先端部におけるナイフの装着状態を示す縦断面図、
(B)は同平面図。
【図8】 (A)は第1の実施の形態のバイポーラ鉗子
における回転ノブの取付け構造を示す縦断面図、(B)
は(A)のB−B線断面図。
【図9】 第1の実施の形態のバイポーラ鉗子のラチェ
ット機構の機能を有効にするオン状態を示す要部の縦断
面図。
【図10】 第1の実施の形態のバイポーラ鉗子のラチ
ェット機構の機能を無効にするオフ状態に切換えた状態
を示す要部の縦断面図。
【図11】 本発明の第2の実施の形態のバイポーラ鉗
子を示す要部の横断面図。
【図12】 第1の実施の形態のバイポーラ鉗子の第1
の変形例を示すもので、(A)はバイポーラ鉗子の先端
部におけるナイフの装着状態を示す縦断面図、(B)は
同平面図。
【図13】 第1の実施の形態のバイポーラ鉗子の第2
の変形例を示すもので、(A)はバイポーラ鉗子の先端
部におけ生体組織の把持状態を示す平面図、(B)は
(A)のB−B線断面図。
【図14】 第1の実施の形態のバイポーラ鉗子の第3
の変形例を示すもので、(A)はバイポーラ鉗子の手元
側の操作部全体の概略構成を示す側面図、(B)は無段
階式のラチェット機構の要部の側面図。
【図15】 第1の実施の形態のバイポーラ鉗子の第4
の変形例を示す要部の縦断面図。
【図16】 第4の変形例の鉗子ユニット接続部の内部
構成を示す縦断面図。
【符号の説明】
2 挿入部 42a,42b ジョー(把持部材) 43a,43b 支持アーム(支持要素) 62 ナイフ(切開手段) H 生体組織

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体内に挿入される挿入部の先端部に開閉
    する一対の把持部材が配設されるとともに、前記挿入部
    の先端部側に進退動作可能に延出され、前記把持部材と
    は独立して動作する切開手段を備えた鉗子において、 前記一対の把持部材間の開閉動作時の前記各把持部材の
    支持要素の移動軌道上から外れた位置に前記切開手段を
    オフセット状態で並列に配置したことを特徴とする鉗
    子。
JP9282097A 1997-10-15 1997-10-15 鉗 子 Withdrawn JPH11113918A (ja)

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JP9282097A JPH11113918A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 鉗 子

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ID=17648092

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