JPH11113607A - 新規な靴底 - Google Patents

新規な靴底

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JPH11113607A
JPH11113607A JP9284070A JP28407097A JPH11113607A JP H11113607 A JPH11113607 A JP H11113607A JP 9284070 A JP9284070 A JP 9284070A JP 28407097 A JP28407097 A JP 28407097A JP H11113607 A JPH11113607 A JP H11113607A
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JP
Japan
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adhesive
sole
shoe
adhesive layer
shoe sole
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JP9284070A
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Keiun Kodo
慶雲 黄堂
Yasumasa Kodo
泰昌 黄堂
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TECHNO STAR KK
Original Assignee
TECHNO STAR KK
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Publication date
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/28Soles; Sole-and-heel integral units characterised by their attachment, also attachment of combined soles and heels
    • A43B13/32Soles; Sole-and-heel integral units characterised by their attachment, also attachment of combined soles and heels by adhesives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B1/00Footwear characterised by the material
    • A43B1/0063Footwear characterised by the material made at least partially of material that can be recycled
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
    • Y02P70/62Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product related technologies for production or treatment of textile or flexible materials or products thereof, including footwear

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、各種シューズ類は、溶剤系の接着剤を
用いて手作業で製作されているが、作業環境の溶剤汚染
とそれに伴う中毒などの健康障害や雰囲気加熱に伴う溶
剤への引火による火災事故など多くの問題を抱えてい
る。本発明では、無溶剤系の接着剤を用い、高周波電磁
加熱により接着剤層を選択的に加熱することによって、
作業環境汚染がなく、きわめて短い時間で靴の製造を可
能にし、機械化と自動化による連続プロセスによって大
量生産を可能にする新規な靴を提案する。 【解決手段】 中底と外底で構成される靴底において、
高周波磁場において励起されて発熱する発熱材と接着剤
とを組み合わせた接着剤層を介在させることによって、
選択的な加熱を実現し、短い時間での靴の製作を可能に
した。この方法は、靴底交換による靴の修復をも可能に
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な構成の靴底
に関し、具体的には、無溶剤系の接着剤を用いることに
よって溶剤による作業環境の汚染がなく、かつ極めて短
時間で靴を製造することを可能にする靴底に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、スポーツ・シューズ類はもとよ
り、タウン・シューズやビジネス・シューズとしての紳
士靴や婦人靴、さらには工業用の作業靴も、その大部分
は甲被、中底および外底からなる靴の構成材料を接着剤
によって接合して造られており、その製造作業環境が接
着剤のための溶剤によって汚染されることが最大の問題
点となっている。加えて、接着のために加熱を要するこ
とから、溶剤雰囲気の中で熱源を必要とし、火災の危険
とも背中合わせという極めて悪い環境での作業を強いら
れているのが実情である。勿論、これらの作業環境の劣
悪化を防止するべく種々の対策は取られているが、相応
の出費を伴うことは避けられない。
【0003】溶剤による作業環境の悪化に加えて、加熱
や乾燥という一連の工程に時間を要し、エネルギー効率
が悪く、工程時間を短縮することも重要な課題となって
いる。
【0004】また、従来のシューズ類では外底が擦り減
った場合、甲被に損傷がなくても靴底のみの修復が難し
く、結局、そのまま廃棄されるのが通例である。地球環
境保護のために資源のリサイクルが盛んに要請されてい
る昨今の事情を考慮すると、従来廃棄されていた靴の構
成材料の再利用もひとつの課題である。
【0005】さらに、従来の靴では、靴の軽量化のため
に外底も発泡させる方法が取られ、底の消耗を早めてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極め
て簡単な操作で靴を成形できる新規な構成の靴底を提案
することにある。
【0007】本発明の他の目的は、靴底のみの着脱を容
易に行い、靴底を交換することによって靴の再生を可能
にする新規な構成の靴底を提案することにある。
【0008】さらに、本発明の他の目的は、溶剤を使用
することなく靴を成形することを可能にする作業環境に
優れた靴の製造法を提供する新規な靴底を提案すること
にある。
【0009】後に詳述するごとく、本発明の靴底は、中
底と外底との間に介在させた新規な接着剤層を有すると
ころに特徴がある。この接着剤層は、接着剤と組み合わ
されている発熱材を発熱させることによって、靴を成形
する場合には中底および/または外底との接着を可能に
し、また成形されている靴から外底を剥ぎ取る場合には
靴本体と中底および/または外底との剥離を可能にす
る。接着または剥離に当たっては、中底と外底との間の
接着剤層のみが選択的に加熱されることになり、靴を構
成する他の部分の材質を劣化させることがない。剥離の
場合には従来材質破壊を起こしていた剥離を層間剥離に
変えることができ、部材を損傷することはない。この場
合、エネルギー効率が極めて高いことはもとより、従来
行われてきた雰囲気加熱の方法と異なって、本来加熱を
必要としない部材は熱履歴を受けず、その部材が熱劣化
する心配がなく、部材の耐久性が損なわれることがな
い。
【0010】本発明の靴底において、加熱時間、すなわ
ち発熱材を発熱させるために高周波磁場の中において発
熱材を励起させる時間は、数秒から精々数十秒という極
めて短い時間である。従って、本発明の靴底を用いた場
合には、靴を製造する工程時間は従来の方法に比べて著
しく短縮される。
【0011】このようにエネルギー効率の良い局部加熱
で極めて短い工程時間での靴の製造を可能にすること
は、靴の製造工程の画期的な合理化を実現できることを
意味し、従来手作業で行われている靴の製造を機械化に
よる自動化へと転換させる道を開く。
【0012】さらに、本発明の靴底を用いて成形された
靴では、接着剤層を高周波磁場におくことによって接着
剤層のみが選択的に加熱溶融され、外底が容易に剥離で
きる。従って、擦り減った靴底の修復が外底を交換する
という手段によって可能になり、軽量化のために消耗が
激しい外底も容易に交換でき、その結果靴本体の寿命を
画期的に延ばすことができる。靴底の剥離を容易に行え
ることから、靴のリサイクルに当たっては甲被を主とす
る靴本体と底との分別が容易であり、資源愛護に資する
ところも大きい。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の靴底は、中底と
外底とで構成される靴底において高周波磁場内で励起さ
れることによってそれ自体渦電流およびヒステリシス損
失に基づいて発熱する物質からなる発熱材と接着剤とを
組み合わせた接着剤層を中底と外底との間に介在させた
構造を有する靴底である。当該発熱材の発熱は、前記渦
電流とヒステリシス損失に基づくジュール熱によるもの
であり、短時間で発熱するところに特徴があり、この発
熱を接着に利用する。高周波磁場におかれた靴底は、治
具などで軽く圧締されているのが望ましく、接着剤層の
内部発熱により瞬間的に接着剤が溶融し、構造接着が行
われる。
【0014】本発明の靴底を装着した靴を成形する場
合、あるいは本発明の靴底を装着した靴から外底を剥離
する場合には、前記接着剤層に配合されている発熱材を
発熱させる。
【0015】ここで用いる発熱材は、高周波磁場内で励
起されることによってそれ自体渦電流およびヒステリシ
ス損失に基づいて発熱する物質である。かかる物質とし
ては、磁性体、金属あるいはカーボンを挙げることがで
きる。これらは、単独で用いても二種以上を併用しても
よい。ここに言う磁性体とは、通常定義されている磁場
において磁化する性質を持つ化合物を指し、強磁性体が
特に好ましく、常磁性体であっても反磁性体であっても
よい。磁性体を具体的に例示すれば、各種フェライト化
合物;鉄・ニッケル、鉄・マンガン、鉄・コバルトなど
で例示される鉄合金および鉄系化合物;マンガン系化合
物;ニッケル系化合物;チタン系化合物;バリウム系化
合物;パラジウム系化合物などを挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。金属としては、
鉄、コバルト、ニッケル、各種ステンレス鋼などを挙げ
ることができる。カーボンとしては、誘電率が高く、結
晶性の高いカーボンが望ましく、例えば、市販されてい
る導電性カーボンや炭素繊維などが好適に使用できる。
【0016】上記物質のほかに、ゴムに大量のカーボン
を配合した成形材料として市販されている導電性を持つ
多硫化ゴムやサブも、用いることができる。
【0017】発熱材は、効率良く渦電流を発生する形状
であることが望ましく、粉体、ウイスカー、フレーク、
繊維、織布、不織布、網あるいは多孔シートという形状
が好ましい。
【0018】発熱材の配合量は、使用する接着剤の溶融
温度を勘案して所望の温度が得られるだけの量を選定さ
れねばならず、さらには、後述する高周波発振器の周波
数や出力も勘案して決定される。
【0019】発熱材と接着剤との混和性を高めるために
発熱材を予めプライマーで被覆する処理は、好ましい態
様である。
【0020】この発熱材を発熱させる方法は、いわゆる
高周波電磁加熱と呼ばれる方法であって、誘電加熱と誘
導加熱という二つの方法があり、いずれの方法も適用で
きる。
【0021】通常は、誘導加熱の方法を使用するのが好
ましい。誘導加熱は、原理的には、高周波発振器によっ
て発生した高周波電流を誘導コイルに流し、そこで誘起
された磁場におい発熱材が励起されて生ずる渦電流およ
びヒステリシス損失に基づいて発生する熱を活用する方
法である。他方、誘電加熱は、原理的には、高周波発振
器によって発生した高周波電流を二つの電極に流し、電
極間に誘起された磁場において発熱材が励起されて生ず
る渦電流およびヒステリシス損失に基づいて発生する熱
を活用する方法である。
【0022】磁場を誘起するために高周波発振器によっ
て発生させる高周波電流の周波数は、誘導加熱では0.
1〜50MHzの範囲から選択され、誘電加熱では電波
法の制約から通常20.3または40.6MHzのいず
れかが選択される。出力は、前述のごとく、使用する接
着剤の溶融温度と配合する発熱材を勘案して決定され
る。高周波発振器から発振される高周波電流の印可時
間、即ち誘導加熱または誘電加熱の時間は、通常極めて
短いことが特徴であり、接着剤の溶融温度に至るまでに
必要な熱量に合わせて加熱時間は決定されるが、数秒か
ら精々数十秒という短い時間である。
【0023】この発熱材と組み合わされる接着剤は、い
わゆるホットメルト接着剤であり、目的に応じて適宜選
択される。接着剤は、靴底材料と同質の樹脂を選ぶのが
望ましく、加熱によって変質し難い材質が好ましい。通
常、熱可塑性エラストマーから選ばれる。例えば、着脱
が自在な外底を持つ靴を成形する場合には、熱可塑性の
合成樹脂かエラストマーからなる接着剤を用いる。ま
た、外底の剥離を必要としない靴を成形する場合には、
熱硬化性の合成樹脂やエラストマーからなる接着剤が用
いられてもよい。
【0024】接着剤層は被着体よりも軟化点が低いほう
が望ましく、接着剤の選定に当たっては、素材の軟化点
を考慮する。被着体と接着剤とが同質の樹脂を用いる場
合には、接着剤としては分子量の小さい材料を選ぶか接
着剤に可塑剤を配合して目的を達成する。
【0025】接着剤の選定に当たっての別の要件は、発
熱材の選択に関与しており、接着剤として用いる樹脂の
熱変形温度が発熱材のキューリー温度より20〜30℃
低いことが望ましい。
【0026】被着体、例えば中底の材質と接着剤のソリ
ュビリティ・パラメーターを合わせることによってより
強い接着力を得る目安とすることが可能である。さらに
は、被着体同志の材質が著しく異なっていて一種類の接
着剤で接合することが困難な場合には、被着体のソリュ
ビリティ・パラメーターを考慮して表面改質処理を行っ
たり、プライマー処理を行ったり、あるいは二種以上の
接着剤を組み合わせて用いることが好ましい。通常、ソ
リュビリティ・パラメーターを合わせた場合には剥離に
際しては材質破壊を起こすが、本発明の靴底における剥
離の場合には、接着剤層のみが選択的に加熱されるので
層間剥離となり、破壊による靴の構成材料の損失を全く
伴わない。
【0027】接着剤として用いる熱可塑性の合成樹脂
は、例えば、熱可塑性ポリウレタン;エチレン・酢酸ビ
ニール共重合体(EVA);スチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体(SBS)やスチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体(SIS);ポリブタ
ンジオールテレフタレート(PBT);テレフタリック
ポリエステルエラストマー(TPEE);ポリエステル
エラストマー(PEE);ポリアミドエラストマー(P
AE)等を挙げることができる。中でも、耐熱性と低温
脆弱性に優れている点で熱可塑性ポリウレタンが良く使
われる。靴底としてよく使用される点でEVAも接着剤
に適している。耐熱性が高く、ガラス転移点以上の温度
で流動性を示すブロック共重合体は、射出成形ができる
ので外底に良く使われており、接着剤としても適してい
る。中底素材として使用されるPBTも、好適な接着剤
である。
【0028】本発明の靴底の接着剤層を構成する発熱材
と接着剤との組み合わせの態様としては、例えば、1)
接着剤中に粉粒体の発熱材を分散させる態様、2)発熱
材を接着剤層の支持体の表面あるいは内部に分散させて
その支持体と接着剤とを組み合わせる態様、3)網や多
孔シートのようにそれ自体がシート様の形状を持つ発熱
材と接着剤とを組み合わせる態様などを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。すなわち、
発熱材を靴の中底あるいは外底の接着するべき表面部分
に配置し、底の表面に接着剤を塗布して接着剤層を形成
させる態様は、本発明の靴底の一つの変形として応用が
可能である。さらには、この変形の態様において中底ま
たは外底の素材そのものの表面部分のみを接着剤層とし
て機能させることも可能である。
【0029】また、靴底を多層で構成する場合には、そ
れぞれの層間の接着剤および/または発熱材の種類の組
み合わせを変えることによって層間の剥離温度を変化さ
せ、所望の層のみを選択的に剥離することも可能であ
る。例えば、甲被と内底との接着に本発明の接着剤層を
応用することが可能である。通常、中底は消耗しないの
で中底の交換は行われないが、本発明の接着剤層を使用
すれば中底のはくり、交換も可能となる。
【0030】中底と外底との間に接着剤層を介在させる
態様としては、1)接着剤中に発熱材を均一に混合、分
散させ、それを中底または外底に塗布する態様、2)織
布、不織布などの支持体を用いて支持体の表面に発熱材
と接着剤との混合物からなる接着剤層を積層する態様、
3)発熱材を均一に分散させた支持体の表面に接着剤を
塗布する態様、4)シート様形状の発熱材に接着剤を塗
布する態様などを挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。前記1)の態様において、接着剤
中に発熱材を分散させた接着剤層を例えば外底に塗布す
るためにリバースロールを使用することが好ましく、発
熱材が沈降して接着剤と分離することを防ぐことができ
る。同様にエマルジョン系の接着剤を用いる場合にもリ
バースロールを用いて塗布するのが好ましい。前記
2)、3)および4)の態様では、予めシート状の接着
剤層を用意し、そのシートを所望の形状に切断し、中底
または外底にあてがうことによって靴の成形が行える点
で実用的な態様である。
【0031】
【実施例】本発明の靴底を用いた実用例を説明する。図
1は、本発明の靴底を適用して成形された靴の一例であ
る運動靴の概略説明図である。
【0032】実施例1 甲被部と中底部が既に装着されており、外底を装着する
ことによって靴の成形が完了する例について説明する。
併せて、装着された靴底が容易に剥離できる例も説明す
る。
【0033】図2は、甲被部2と中底4が既に装着され
ている未完成の靴に接着剤層5と外底6とを接着した部
分の一部断面図である。外底6にはSBR系ホット・ メ
ルト接着剤8とフェライト(粒径1μ、対接着剤容積比
5%)7とを均一に混練した接着剤層5が塗布されてい
る。この外底6を中底4にあてがった。別途、高周波発
振装置(出力5Kw)により発生した周波数3MHzの
高周波電流を渦巻型の平らな誘導加熱コイルに流して磁
場を発生させる高周波発振器(図示せず)を用意した。
外底6に高周波発振器を強くあてがい、約20秒間高周
波電流を流した。フェライトが発熱し、接着剤が溶融
し、中底4と外底6が接着剤層5を介して接合した。外
底6を圧接したまま被着体が接着剤層の熱を吸収して冷
却するまで放置し、接着剤を固化させ、靴の成形が完了
した。
【0034】前記靴の完成品の靴底に前記高周波発振器
をあてがい、約25秒間高周波電流を流した後、靴を高
周波発振器から取り出し、靴底6を剥がしたところ、靴
底6の材質破壊を伴うことなく接着剤層5の凝集破壊に
より容易に剥がすことができた。
【0035】実施例2 実施例1において接着剤層5を塗布する代わりに、図3
に示すごとく、厚さ10μ、1平方センチメートル当た
り平均6個の孔を有する多孔アルミシート9の両面にシ
ート状のホットメルト接着剤8を重ね合わせて構成され
た接着剤層5を中底4と外底6の間に介在させ、実施例
1を繰り返した。実施例1と同様に容易に靴の成形が完
了した。
【0036】実施例3 実施例1において接着剤層5を塗布する代わりに、図4
に示すごとく48メッシュのステンレス網10にSBR
系ホットメルト接着剤8を塗布、乾燥させ、予めシート
に成形した接着剤層5を中底4と外底6の間に介在さ
せ、実施例1を繰り返した。高周波電流は約10秒間流
したが、外底6は中底6と接合し、靴の成形が完了し
た。
【0037】
【発明の効果】本発明の新規な靴底は、これを用いるこ
とによって以下に述べる諸々の効果が奏せられる。
【0038】本発明の靴底は、高周波磁場で励起される
ことによって発熱する発熱材と接着剤とを組み合わせた
接着剤層を持っており、その発熱材が発する熱のみを活
用することによって靴の成形ができる。加熱が所望の部
分のみに選択的に行われ、三次元的な構造部分の加熱も
可能であるので、靴全体を外部から加熱する従来の方
法、すなわち雰囲気加熱に比べてエネルギー効率は極め
て優れていて省エネルギーができ、良い作業環境も提供
する。用いる接着剤は、ホット・メルト性を持つサーモ
エラストマーを中心とした接着剤であって溶剤を必要と
せず、この面でも良い作業環境を提供する。溶剤を使用
しないことと雰囲気加熱を必要としないことから、火災
の心配もない。
【0039】発熱材を発熱させる手段が、高周波電磁加
熱と呼ばれる方法であるので、極めて短い時間で目的の
作業を完遂でき、局部加熱であるので、加熱完了後製品
を直ちに次の工程へ送ることができる。従って、本発明
の靴底を用いれば、靴の成形工程時間を著しく短縮する
だけでなく、機械化による工程の自動化によって省力化
と生産性の向上を実現できる。ここで必要とされる作業
には熟練を要しないことも利点である。
【0040】靴底の接着剤層を高周波磁場の中に置くだ
けで選択的に発熱して接着剤層が溶融するので、本発明
により完成した靴から外底を剥がすことが極めて容易に
なることも本発明の靴底のひとつの効果である。例え
ば、マラソン競技の記録の更新はマラソン・ シューズの
進化と密接に関連していることは、周知のことであり、
シューズの軽量化はもとより素材の機能性の向上が常に
追求されている。甲被部の軽量化や通気性、あるいは中
底部の衝撃吸収性の改善は、素材の選択で相応の解決が
見られるものの、外底については軽量化の限界とも言わ
れており、極端に言えば、競技終了毎にシューズを廃棄
し、新しいシューズに換えるのを余儀なくされている。
しかるに、本発明の靴底は、前述のごとく着脱が容易で
簡単に交換ができるので、一回のレースに耐える範囲の
極限まで軽量化された底を装着し、競技終了後その底を
剥がして新しい底と取り替えることを可能にする。これ
によって、ランナーの足に馴染んだ甲被部がそのまま使
用できるのである。著名なマラソン・ランナーの場合に
は、左右の足の微妙な差をも考慮したシューズが製作さ
れており、甲被部が続けてそのまま使用できることは、
足への装着安定性がそのまま維持され、疲労感を招か
ず、靴擦れが避けられるなどランナーにとって大きな福
音となる。
【0041】本発明の靴底は、マラソン・ シューズに限
らず、他の種類の運動のシューズやタウンシューズにつ
いても擦り減った外底の再生を容易にする。外底が摩耗
したために、甲被部に損傷がなくとも廃棄せざるを得な
かった靴が、本発明の靴底を採用することによって爽快
な履き心地を維持でき、資源の再利用を可能にする。さ
らには、本発明の靴底を用いた靴は、廃棄処分の際に甲
被部と外底部との分別が容易であり、リサイクルによる
素材の再利用を容易にするばかりでなく、廃棄物処理の
環境負荷を軽減するなど環境保護と資源愛護の両面に資
するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の靴底を適用して成形された靴
の一例である運動靴の概略説明図である。
【図2】図2は、本発明の靴底の接着剤層を例示するた
めの一部断面図である。
【図3】図3は、本発明の靴底の接着剤層を例示するた
めの一部断面図である。
【図4】図4は、本発明の靴底の接着剤層を例示するた
めの一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・靴、2・・・甲被部、3・・・靴底、4・・・
中底、5・・・接着剤層、6・・・外底、7・・・発熱
材(フェライト粉末)、8・・・接着剤、9・・・発熱
材(多孔アルミシート)、10・・・発熱材(ステンレ
ス金網)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中底と外底とで構成される靴底におい
    て、高周波磁場内で励起されることによってそれ自体渦
    電流およびヒステリシス損失に基づいて発熱する物質か
    らなる発熱材と接着剤とを組み合わせた接着剤層を中底
    と外底との間に介在させた構造を有する靴底。
  2. 【請求項2】 発熱材が、磁性体物質、金属およびカー
    ボンよりなる群から選ばれる少なくとも一種である前記
    請求項1に記載の靴底。
  3. 【請求項3】 発熱材が、粉体、ウイスカー、フレー
    ク、繊維、織布、網および多孔シートよりなる群から選
    ばれるすくなくとも一種である前記請求項2に記載の靴
    底。
  4. 【請求項4】 発熱材が、接着剤との混和性を高めるた
    めに予めプライマーで被覆されている前記請求項1に記
    載の靴底。
  5. 【請求項5】 プライマーが、熱可塑性の合成樹脂また
    はエラストマーである前記請求項4に記載の靴底。
  6. 【請求項6】 プライマーが、熱硬化性の合成樹脂また
    はエラストマーである前記請求項4に記載の靴底。
  7. 【請求項7】 接着剤が、熱可塑性の合成樹脂またはエ
    ラストマーである前記請求項1に記載の靴底。
  8. 【請求項8】 接着剤が、熱硬化性の合成樹脂またはエ
    ラストマーである前記請求項1に記載の靴底。
JP9284070A 1997-10-16 1997-10-16 新規な靴底 Withdrawn JPH11113607A (ja)

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