JPH11113554A - 薬草酒製造方法 - Google Patents
薬草酒製造方法Info
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- JPH11113554A JPH11113554A JP28084197A JP28084197A JPH11113554A JP H11113554 A JPH11113554 A JP H11113554A JP 28084197 A JP28084197 A JP 28084197A JP 28084197 A JP28084197 A JP 28084197A JP H11113554 A JPH11113554 A JP H11113554A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】薬草類の有効成分を簡易な方法で短期間に且つ
高濃度で蒸留酒中に抽出する薬草酒製造方法を提供す
る。 【解決手段】サラカチャを42.14g、タラ木を1
0.37g、クービを35.84g、ユーカリスターを
1.88g、甘草(カンゾウ)を10.28g、レイシ
を12.52g、クチナシの実を11.74g、クコの
実を16.47g、ローズヒップを10.37g、オウ
セイ21.25g、ウコン千切りを5.69g、サルノ
コシカケを8.07g、及びニッキを13.74g、全
種合計で200.72gを一括して、アルコール分45
%の泡盛1.8リットル中に、摂氏およそ30度で少な
くとも2週間浸漬し、この後、残渣を除去して、しかる
べく整える。
高濃度で蒸留酒中に抽出する薬草酒製造方法を提供す
る。 【解決手段】サラカチャを42.14g、タラ木を1
0.37g、クービを35.84g、ユーカリスターを
1.88g、甘草(カンゾウ)を10.28g、レイシ
を12.52g、クチナシの実を11.74g、クコの
実を16.47g、ローズヒップを10.37g、オウ
セイ21.25g、ウコン千切りを5.69g、サルノ
コシカケを8.07g、及びニッキを13.74g、全
種合計で200.72gを一括して、アルコール分45
%の泡盛1.8リットル中に、摂氏およそ30度で少な
くとも2週間浸漬し、この後、残渣を除去して、しかる
べく整える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬草類を蒸留酒に
浸漬することにより薬草類の有効成分を酒中に抽出して
薬草酒を得る薬草酒製造方法に関する。
浸漬することにより薬草類の有効成分を酒中に抽出して
薬草酒を得る薬草酒製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の動物性及び植物性の食
材を用いた薬用酒、果実酒、健康飲料等がある。例えば
動物性のものでは、まむし酒、植物性の食材を用いた薬
用酒では著名な商標名を有するものがあり、また、朝鮮
ニンジン酒、その他の果実酒又は健康飲料では昔から家
庭で作られてきた梅酒等がある。
材を用いた薬用酒、果実酒、健康飲料等がある。例えば
動物性のものでは、まむし酒、植物性の食材を用いた薬
用酒では著名な商標名を有するものがあり、また、朝鮮
ニンジン酒、その他の果実酒又は健康飲料では昔から家
庭で作られてきた梅酒等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、健康
志向が強まり、植物性の食材が動物性の食材よりも身体
によいとして見直されている。したがって、薬用酒や健
康飲料等も植物性のエキスを用いたものが良いと考えら
れる。
志向が強まり、植物性の食材が動物性の食材よりも身体
によいとして見直されている。したがって、薬用酒や健
康飲料等も植物性のエキスを用いたものが良いと考えら
れる。
【0004】ところが、例えば上記の著名な商標名を有
する薬用酒では、生薬を原酒と共にに醸造(合醸)し、
さらに、低温で涼やかな環境(中央アルプス山麓の高
原)で熟成するという手数をかけなければならない。ま
た、朝鮮ニンジン酒は1種類の生薬のみを用いているた
め、用法としての対象が限定され、全てに利くという訳
のものではない。また、果実酒では特に身体に良いとさ
れているものとして上記の梅酒があり、手軽に作ること
ができるという利点がある。しかし、これとても、爽快
な酸味とやや期待される健胃整腸作用が人気を博する点
であって、それ以上のものではない。したがって、手軽
で且つ安価な汎用的な健康飲料としては他にこれを求め
なければならなかった。
する薬用酒では、生薬を原酒と共にに醸造(合醸)し、
さらに、低温で涼やかな環境(中央アルプス山麓の高
原)で熟成するという手数をかけなければならない。ま
た、朝鮮ニンジン酒は1種類の生薬のみを用いているた
め、用法としての対象が限定され、全てに利くという訳
のものではない。また、果実酒では特に身体に良いとさ
れているものとして上記の梅酒があり、手軽に作ること
ができるという利点がある。しかし、これとても、爽快
な酸味とやや期待される健胃整腸作用が人気を博する点
であって、それ以上のものではない。したがって、手軽
で且つ安価な汎用的な健康飲料としては他にこれを求め
なければならなかった。
【0005】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
薬草類の有効成分を簡易な方法で短期間に且つ高濃度で
蒸留酒中に抽出することである。
薬草類の有効成分を簡易な方法で短期間に且つ高濃度で
蒸留酒中に抽出することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1記載の発
明の薬草酒製造方法は、複数の薬草類を一括して蒸留酒
に浸漬したのち残渣を除去して整えるようにして薬草酒
を製造する。
明の薬草酒製造方法は、複数の薬草類を一括して蒸留酒
に浸漬したのち残渣を除去して整えるようにして薬草酒
を製造する。
【0007】次に、請求項2記載の発明の薬草酒製造方
法は、複数の薬草類を一括してアルコール分およそ45
%の蒸留酒に摂氏およそ30度で少なくとも2週間浸漬
したのち残渣を除去して整えるようにして薬草酒を製造
する。
法は、複数の薬草類を一括してアルコール分およそ45
%の蒸留酒に摂氏およそ30度で少なくとも2週間浸漬
したのち残渣を除去して整えるようにして薬草酒を製造
する。
【0008】上記蒸留酒は、例えば請求項3記載のよう
に、泡盛からなる。また、上記薬草類は、例えば請求項
4記載のように、サラカチャ、タラ木、クービ、ユーカ
リスター、カンゾウ、レイシ、クチナシの実、クコの
実、ローズヒップ、オウセイ、ウコン、サルノコシカ
ケ、又はニッキ等である。
に、泡盛からなる。また、上記薬草類は、例えば請求項
4記載のように、サラカチャ、タラ木、クービ、ユーカ
リスター、カンゾウ、レイシ、クチナシの実、クコの
実、ローズヒップ、オウセイ、ウコン、サルノコシカ
ケ、又はニッキ等である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。先ず、薬草類として、サラカ
チャ、タラ木、クービ、ユーカリスター、カンゾウ、レ
イシ、クチナシの実、クコの実、ローズヒップ、オウセ
イ、ウコン、サルノコシカケ及びニッキを用意する。
を参照しながら説明する。先ず、薬草類として、サラカ
チャ、タラ木、クービ、ユーカリスター、カンゾウ、レ
イシ、クチナシの実、クコの実、ローズヒップ、オウセ
イ、ウコン、サルノコシカケ及びニッキを用意する。
【0010】図1は、上記13種類の薬草類を1セット
にして一括して蒸留酒に浸漬する場合の各薬草類の量を
グラム(g)で示す図表である。同図に示すように、サ
ラカチャを42.14g、タラ木を10.37g、クー
ビを35.84g、ユーカリスターを1.88g、甘草
(カンゾウ)を10.28g、レイシを12.52g、
クチナシの実を11.74g、クコの実を16.47
g、ローズヒップを10.37g、オウセイ21.25
g、ウコン千切りを5.69g、サルノコシカケを8.
07g、及びニッキを13.74g、全種合計で20
0.72gを用意する。
にして一括して蒸留酒に浸漬する場合の各薬草類の量を
グラム(g)で示す図表である。同図に示すように、サ
ラカチャを42.14g、タラ木を10.37g、クー
ビを35.84g、ユーカリスターを1.88g、甘草
(カンゾウ)を10.28g、レイシを12.52g、
クチナシの実を11.74g、クコの実を16.47
g、ローズヒップを10.37g、オウセイ21.25
g、ウコン千切りを5.69g、サルノコシカケを8.
07g、及びニッキを13.74g、全種合計で20
0.72gを用意する。
【0011】他方、蒸留酒としては、アルコール分およ
そ45%の泡盛を、1.8リットル用意する。そして、
この1.8リットルの泡盛に、上記13種類の薬草類2
00.72gを一括して、摂氏およそ30度で少なくと
も2週間浸漬する。この後、残渣を除去して、しかるべ
く整える。
そ45%の泡盛を、1.8リットル用意する。そして、
この1.8リットルの泡盛に、上記13種類の薬草類2
00.72gを一括して、摂氏およそ30度で少なくと
も2週間浸漬する。この後、残渣を除去して、しかるべ
く整える。
【0012】これにより、上記13種類の薬草類の有効
成分を簡易な方法で短期間に且つ高濃度で蒸留酒(この
場合は泡盛)中に抽出することができる。すなわち、薬
草酒が完成する。
成分を簡易な方法で短期間に且つ高濃度で蒸留酒(この
場合は泡盛)中に抽出することができる。すなわち、薬
草酒が完成する。
【0013】以下に、上記アルコール分が45%の泡盛
を使用する理由、摂氏およそ30度で少なくとも2週間
浸漬する理由、及び13種類の薬草類を、各薬草類ごと
ではなく、全種類一括して浸漬する理由を説明する。
を使用する理由、摂氏およそ30度で少なくとも2週間
浸漬する理由、及び13種類の薬草類を、各薬草類ごと
ではなく、全種類一括して浸漬する理由を説明する。
【0014】図2は、上記の薬草類を夫々単独で浸漬す
る方法と全種類を一括して浸漬する方法とを比較検討す
るために、浸漬・ブレンド試験を行うに際して泡盛中に
浸漬すべく仕分けされた各薬草類の一括投入量と単独投
入量を示す図表である。
る方法と全種類を一括して浸漬する方法とを比較検討す
るために、浸漬・ブレンド試験を行うに際して泡盛中に
浸漬すべく仕分けされた各薬草類の一括投入量と単独投
入量を示す図表である。
【0015】同図は左端の縦列に上記の薬草名「サラカ
チャ、タラ木、・・・、サルノコシカケ及びニッキ」を
示し、その横に、500ml(ミリリットル)の泡盛中
への一括投入量と単独投入量とを並べて示している。同
図に示すように、サラカチャ、タラ木、・・・、サルノ
コシカケ及びニッキに対して、一括投入量としては夫々
11.7、2.9、・・・、2.2及び3.8g(グラ
ム)であり、単独投入量としては夫々152、37.
4、・・・、29.1及び49.6である。一括投入と
単独投入いずれの場合も、各薬草類間の投入量の比率は
同じである。
チャ、タラ木、・・・、サルノコシカケ及びニッキ」を
示し、その横に、500ml(ミリリットル)の泡盛中
への一括投入量と単独投入量とを並べて示している。同
図に示すように、サラカチャ、タラ木、・・・、サルノ
コシカケ及びニッキに対して、一括投入量としては夫々
11.7、2.9、・・・、2.2及び3.8g(グラ
ム)であり、単独投入量としては夫々152、37.
4、・・・、29.1及び49.6である。一括投入と
単独投入いずれの場合も、各薬草類間の投入量の比率は
同じである。
【0016】この浸漬による薬草類中の成分の泡盛への
移行状況(抽出の進行状況)の評価指標としては、浸漬
による泡盛の吸光度の変化(OD500及びOD400
で表示)を調べることとし、ただし、測定試料は、分光
光度計の測定許容範囲に入るように泡盛を用いて希釈す
る。また、浸漬終了後の最終サンプルについては、国税
庁所定分析法注解に準じてアルコール及びエキス分を測
定するものとする。
移行状況(抽出の進行状況)の評価指標としては、浸漬
による泡盛の吸光度の変化(OD500及びOD400
で表示)を調べることとし、ただし、測定試料は、分光
光度計の測定許容範囲に入るように泡盛を用いて希釈す
る。また、浸漬終了後の最終サンプルについては、国税
庁所定分析法注解に準じてアルコール及びエキス分を測
定するものとする。
【0017】先ず、「試験1」として、泡盛のアルコー
ル度数を変えた薬草類の浸漬試験を行う。この場合の条
件は、泡盛のアルコール度数として、15%、30%、
及び45%のものを用い、浸漬時間を24時間(ただ
し、サラカチャ及びクービについては、7日間)とし、
浸漬温度を30度に設定する。また、吸光度については
最高値を「100」%として相対表示するものとする。
ル度数を変えた薬草類の浸漬試験を行う。この場合の条
件は、泡盛のアルコール度数として、15%、30%、
及び45%のものを用い、浸漬時間を24時間(ただ
し、サラカチャ及びクービについては、7日間)とし、
浸漬温度を30度に設定する。また、吸光度については
最高値を「100」%として相対表示するものとする。
【0018】図3(a),(b),(c),(d) は、上記薬草類の浸
漬に適した泡盛のアルコール度数を検討するための浸漬
試験の結果を示す図表である。これらの図は、いずれも
縦軸に、吸光度をその最高値に対する比率(%)で示
し、横軸にDC500による表示及びDC400による
表示の吸光度を示している。
漬に適した泡盛のアルコール度数を検討するための浸漬
試験の結果を示す図表である。これらの図は、いずれも
縦軸に、吸光度をその最高値に対する比率(%)で示
し、横軸にDC500による表示及びDC400による
表示の吸光度を示している。
【0019】そして、同図(a) は、一括仕込みの場合の
アルコール度数毎の吸光度を示しており、アルコール度
数45度に対する吸光度が最も高くなっている。また、
同図(b),(c),(d) は、は単独仕込みの場合の中のサカラ
チャ、クービ、及びクコの実のアルコール度数毎の吸光
度を示している。他の10種類の薬草類の単独仕込みの
結果も、ここには図示を省略しているが、同図(b) のサ
カラチャの場合と同様に、アルコール度数に対応する吸
光度特性を示している。すなわち、アルコール度数45
度に対する吸光度が最も高くなっている。そして、13
種類の薬草類中で同図(c),(d) に示すクービ及びクコの
実のみが、アルコール度数に対応しない特異な吸光度特
性を示している。
アルコール度数毎の吸光度を示しており、アルコール度
数45度に対する吸光度が最も高くなっている。また、
同図(b),(c),(d) は、は単独仕込みの場合の中のサカラ
チャ、クービ、及びクコの実のアルコール度数毎の吸光
度を示している。他の10種類の薬草類の単独仕込みの
結果も、ここには図示を省略しているが、同図(b) のサ
カラチャの場合と同様に、アルコール度数に対応する吸
光度特性を示している。すなわち、アルコール度数45
度に対する吸光度が最も高くなっている。そして、13
種類の薬草類中で同図(c),(d) に示すクービ及びクコの
実のみが、アルコール度数に対応しない特異な吸光度特
性を示している。
【0020】これらの結果を総合すると、薬草類に含ま
れる有色成分は泡盛のアルコール度数が高い程多く抽出
されることが判明する。現在、泡盛の広く普及している
ものの中で最も高いアルコール度数は45度のものであ
るから、アルコール度数が45度の泡盛が薬草類の浸漬
に極めて適していることになる。
れる有色成分は泡盛のアルコール度数が高い程多く抽出
されることが判明する。現在、泡盛の広く普及している
ものの中で最も高いアルコール度数は45度のものであ
るから、アルコール度数が45度の泡盛が薬草類の浸漬
に極めて適していることになる。
【0021】次に、「試験2」として、上記適したアル
コール度数の泡盛に対する期間毎に分けた薬草類の浸漬
試験を行う。この場合の条件は、泡盛のアルコール度数
として45%のものを用い、浸漬時間を1〜8週間とす
る。
コール度数の泡盛に対する期間毎に分けた薬草類の浸漬
試験を行う。この場合の条件は、泡盛のアルコール度数
として45%のものを用い、浸漬時間を1〜8週間とす
る。
【0022】図4(a),(b),(c),(d) は、上記薬草類に適
した浸漬期間を検討するための浸漬試験の結果を示す図
表である。これらの図はいずれも縦軸にDC500及び
DC400で示す吸光度を示し、横軸に浸漬時間(週)
を示している。
した浸漬期間を検討するための浸漬試験の結果を示す図
表である。これらの図はいずれも縦軸にDC500及び
DC400で示す吸光度を示し、横軸に浸漬時間(週)
を示している。
【0023】同図(a) は、一括仕込みの場合の吸光度を
示しており、浸漬時間が2週間で殆ど最高値まで上昇す
ることを示している。また、同図(b),(c),(d)は、は単独
仕込みの場合のユーカリスター、サカラチャ、及びクー
ビの吸光度を示している。ここには図示を省略している
が、他の10種類の薬草類のうち8種類は、同図(b)の
ユーカリスター又はサカラチャの場合と同様の吸光度特
性を示している。すなわち、浸漬期間が略2週間までの
間で吸光度が急速に最高値近くまで上昇する。他の2種
類のうち、ニッキは同図(d) のクービに殆ど同じ吸光度
特性を示し、8週間後まで徐々に吸光度が上昇する。そ
して、他の2種類のうち、ウコンのみが浸漬期間1週間
で最高値を示し以降は徐々に吸光度が低下するという特
異な特性を示している。
示しており、浸漬時間が2週間で殆ど最高値まで上昇す
ることを示している。また、同図(b),(c),(d)は、は単独
仕込みの場合のユーカリスター、サカラチャ、及びクー
ビの吸光度を示している。ここには図示を省略している
が、他の10種類の薬草類のうち8種類は、同図(b)の
ユーカリスター又はサカラチャの場合と同様の吸光度特
性を示している。すなわち、浸漬期間が略2週間までの
間で吸光度が急速に最高値近くまで上昇する。他の2種
類のうち、ニッキは同図(d) のクービに殆ど同じ吸光度
特性を示し、8週間後まで徐々に吸光度が上昇する。そ
して、他の2種類のうち、ウコンのみが浸漬期間1週間
で最高値を示し以降は徐々に吸光度が低下するという特
異な特性を示している。
【0024】これらの結果を総合すると、薬草酒の製造
において原料から有効成分を多く抽出するためには、原
料浸漬時間は長い程良いといえるが、13種類のうち8
種類の薬草類については2週間で抽出度がほぼ平衡する
ところまで上昇するので、このことから、少なくとも2
週間以上の浸漬期間が必要である、つまり最低2週間の
浸漬期間があれば良い結果が得られるということが判明
する。
において原料から有効成分を多く抽出するためには、原
料浸漬時間は長い程良いといえるが、13種類のうち8
種類の薬草類については2週間で抽出度がほぼ平衡する
ところまで上昇するので、このことから、少なくとも2
週間以上の浸漬期間が必要である、つまり最低2週間の
浸漬期間があれば良い結果が得られるということが判明
する。
【0025】最後に、「試験3」として、薬草類のそれ
ぞれを単独で浸漬する方法と薬草類全種を一括して浸漬
する方法とを比較検討するための浸漬・ブレンド試験を
行う。この試験では、上記の一括浸漬して得られた薬草
酒と、単独浸漬により得られた原酒を同体積ずつブレン
ドして得られた薬草酒とを調べるものとする。
ぞれを単独で浸漬する方法と薬草類全種を一括して浸漬
する方法とを比較検討するための浸漬・ブレンド試験を
行う。この試験では、上記の一括浸漬して得られた薬草
酒と、単独浸漬により得られた原酒を同体積ずつブレン
ドして得られた薬草酒とを調べるものとする。
【0026】図5は、上記の方法により得られた薬草酒
の品質を示す図表である。同図は縦列に原酒への浸漬方
法が一括か単独かの仕込み方法を示し、横行に、吸光
度、エキス分、及びアルコール度を示している。この表
によれば、一括浸漬による薬用酒のエキス分は1.5、
単独仕込みをブレンドした薬用酒のエキス分は1.2で
ある。すなわち、単独仕込みで得られた原酒をブレンド
した薬用酒よりも、初めから一括仕込みで得られた薬用
酒の方が、エキス分が20%も多いことが判明する。
の品質を示す図表である。同図は縦列に原酒への浸漬方
法が一括か単独かの仕込み方法を示し、横行に、吸光
度、エキス分、及びアルコール度を示している。この表
によれば、一括浸漬による薬用酒のエキス分は1.5、
単独仕込みをブレンドした薬用酒のエキス分は1.2で
ある。すなわち、単独仕込みで得られた原酒をブレンド
した薬用酒よりも、初めから一括仕込みで得られた薬用
酒の方が、エキス分が20%も多いことが判明する。
【0027】以上が、アルコール分45%の泡盛を使用
し、13種類の薬草類を全種類一括して、摂氏およそ3
0度で少なくとも2週間浸漬する理由である。尚、一括
して浸漬する薬草類は13種類と限る必要はなく、顧客
の要望に合わせた複数種類の薬草類であってもよい。ま
た、薬草の種類によっては2週間以上浸漬しないとエキ
スの抽出が充分でないものもあるから、全種類一括と限
ることなく、適宜に分割して又は単独で各薬草毎に応じ
た充分な浸漬期間を設けてエキスを抽出して、これらを
適宜に混合するようにしてもよい。このように各薬草毎
に応じた充分な浸漬期間を経て抽出度が平衡度に達した
ものは、上述した浸漬期間を限定した場合と異なり仮え
単独で抽出したものであってもエキス分の濃度は高いか
ら全種類一括浸漬の場合と同様の効果が期待できる。
し、13種類の薬草類を全種類一括して、摂氏およそ3
0度で少なくとも2週間浸漬する理由である。尚、一括
して浸漬する薬草類は13種類と限る必要はなく、顧客
の要望に合わせた複数種類の薬草類であってもよい。ま
た、薬草の種類によっては2週間以上浸漬しないとエキ
スの抽出が充分でないものもあるから、全種類一括と限
ることなく、適宜に分割して又は単独で各薬草毎に応じ
た充分な浸漬期間を設けてエキスを抽出して、これらを
適宜に混合するようにしてもよい。このように各薬草毎
に応じた充分な浸漬期間を経て抽出度が平衡度に達した
ものは、上述した浸漬期間を限定した場合と異なり仮え
単独で抽出したものであってもエキス分の濃度は高いか
ら全種類一括浸漬の場合と同様の効果が期待できる。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、複数種類の薬草類を全種類一括して摂氏およそ3
0度で少なくとも2週間浸漬するだけで薬草類の有効成
分を単独浸漬の場合よりもより多く抽出するので、本州
地域であれば夏期の相当期間の常温を利用して或は沖縄
地域のように亜熱帯地域であれば年の半分以上の期間の
常温を利用して薬草酒を通常の環境内で生成することが
でき、したがって、特殊な環境も特殊な手順も特に必要
とせずに多種の有効成分を含んだ有用な薬用酒を安価か
つ多量に提供することが可能となる。
れば、複数種類の薬草類を全種類一括して摂氏およそ3
0度で少なくとも2週間浸漬するだけで薬草類の有効成
分を単独浸漬の場合よりもより多く抽出するので、本州
地域であれば夏期の相当期間の常温を利用して或は沖縄
地域のように亜熱帯地域であれば年の半分以上の期間の
常温を利用して薬草酒を通常の環境内で生成することが
でき、したがって、特殊な環境も特殊な手順も特に必要
とせずに多種の有効成分を含んだ有用な薬用酒を安価か
つ多量に提供することが可能となる。
【図1】一実施の形態における13種類の薬草類を1セ
ットにして一括して蒸留酒に浸漬する場合の各薬草類の
量をグラム(g)で示す図表である。
ットにして一括して蒸留酒に浸漬する場合の各薬草類の
量をグラム(g)で示す図表である。
【図2】薬草類の単独浸漬と全種類一括浸漬とを比較検
討するために仕分けされた各薬草類の一括投入量と単独
投入量を示す図表である。
討するために仕分けされた各薬草類の一括投入量と単独
投入量を示す図表である。
【図3】(a),(b),(c),(d) は薬草類の浸漬に適した泡盛
のアルコール度数を検討するための浸漬試験の結果を示
す図表である。
のアルコール度数を検討するための浸漬試験の結果を示
す図表である。
【図4】(a),(b),(c),(d) は薬草類に適した浸漬期間を
検討するための浸漬試験の結果を示す図表である。
検討するための浸漬試験の結果を示す図表である。
【図5】薬草類の単独浸漬と全種類一括浸漬により得ら
れた2通りの薬草酒の品質を示す図表である。
れた2通りの薬草酒の品質を示す図表である。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の薬草類を一括して蒸留酒に浸漬し
たのち残渣を除去して整えるようにしたことを特徴とす
る薬草酒製造方法。 - 【請求項2】 複数の薬草類を一括してアルコール分お
よそ45%の蒸留酒に摂氏およそ30度で少なくとも2
週間浸漬したのち残渣を除去して整えるようにしたこと
を特徴とする薬草酒製造方法。 - 【請求項3】 前記蒸留酒は、泡盛からなることを特徴
とする請求項1又は2記載の薬草酒の製造方法。 - 【請求項4】 前記薬草類は、サラカチャ、タラ木、ク
ービ、ユーカリスター、カンゾウ、レイシ、クチナシの
実、クコの実、ローズヒップ、オウセイ、ウコン、サル
ノコシカケ又はニッキを含むことを特徴とする請求項1
又は2記載の薬草酒製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28084197A JPH11113554A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 薬草酒製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP28084197A JPH11113554A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 薬草酒製造方法 |
Publications (1)
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JPH11113554A true JPH11113554A (ja) | 1999-04-27 |
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ID=17630739
Family Applications (1)
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JP28084197A Pending JPH11113554A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 薬草酒製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11113554A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MD1926C2 (ro) * | 2000-06-19 | 2002-11-30 | Научно-техническое предприятие "ПЛАНТА-ВИН" с ограниченной ответственностью | Procedeu de fabricare a vinului natural sec aromatizat |
CN105062772A (zh) * | 2015-08-09 | 2015-11-18 | 石家庄学院 | 一种发酵黄精保健酒的制作方法 |
CN105176732A (zh) * | 2015-08-31 | 2015-12-23 | 广西运亨酒业有限公司 | 一种果香型荔枝酒 |
CN105199914A (zh) * | 2015-11-13 | 2015-12-30 | 周金全 | 一种荔枝酒的制备方法 |
CN105349360A (zh) * | 2015-11-20 | 2016-02-24 | 张恩胜 | 板栗花玫瑰酒 |
CN105861237A (zh) * | 2015-08-27 | 2016-08-17 | 泸州老窖集团养生酒业有限责任公司 | 一种荔枝混合发酵米酒及其制作方法 |
CN108841536A (zh) * | 2018-08-09 | 2018-11-20 | 重庆市银蜂四云创圆农业开发有限公司 | 一种含有黄精提取物的黄精酒制备工艺 |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP28084197A patent/JPH11113554A/ja active Pending
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