JPH11110786A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JPH11110786A
JPH11110786A JP9268497A JP26849797A JPH11110786A JP H11110786 A JPH11110786 A JP H11110786A JP 9268497 A JP9268497 A JP 9268497A JP 26849797 A JP26849797 A JP 26849797A JP H11110786 A JPH11110786 A JP H11110786A
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JP
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light
optical
light source
diffusion angle
optical member
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JP9268497A
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English (en)
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Masaharu Fukakusa
雅春 深草
Haruhiko Kono
治彦 河野
Hiroshi Tanigawa
浩 谷川
Taiichi Mori
泰一 森
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のレーザを搭載しつつ小型・薄型の光ピ
ックアップを提供することを目的とする。 【解決手段】 複数の光源2、9,受光手段91、92
を収納するとともに、光が通過する開口部70dを備え
たパッケージ70と、複数の斜面を有し、光源2,9そ
れぞれから出射された光を複数回反射して所定の光路に
導く光学部材72,86とを備え、光学部材86には光
源9からの光の光路中に光源9から導かれてきた光の拡
散角を変換する拡散角変換手段87が形成されており、
拡散角変換手段87が、光学部材86を構成する部材の
有する屈折率よりも小さな屈折率を有する物質と接触し
ているという構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの情報
の記録や再生を行う光ピックアップ装置に係り、特に、
CDやCD−ROM等の従来型光ディスクやデジタルビ
デオディスク(DVD、DVD−ROM、DVD−RA
M)等の高密度光ディスクのようにディスク基板の厚み
や記録密度等の規格の異なる光ディスクの記録や再生が
可能な光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】以下従来の光ピックアップについて説明
する。
【0003】図6は従来の光ピックアップの光学系を示
す図で、図6において、200は光源及び受光素子を搭
載した光学ヘッドで、光学ヘッド200には波長650
nmの光源が搭載されている。また201は同じく光源
及び受光素子を搭載した光学ヘッドで、光学ヘッド20
1には波長780nmの光源が搭載されている。光学ヘ
ッド200から出射された光(実線)は光路分離手段2
02を通過してコリメータレンズ203に入射する。コ
リメータレンズ203で略平行光にされ、集光レンズ2
04で高密度光ディスク18に集光される。そしてそこ
で反射された光は集光レンズ204,コリメータレンズ
203,光路分離手段202を通過して光学ヘッド20
0の受光手段に集光される。
【0004】また光学ヘッド201から出射された光
(点線)は光路分離手段202で反射され、コリメータ
レンズ203に入射する。コリメータレンズ203で略
平行光にされ、集光レンズ205で高密度光ディスク1
9に集光される。このとき集光レンズ204と集光レン
ズ205とは動作する光学ヘッドに応じて、集光レンズ
切換手段206により切り替えられる。そしてそこで反
射された光は集光レンズ204,コリメータレンズ20
3を通過し、光路分離手段202で反射されて光学ヘッ
ド201の受光手段に集光される。
【0005】これにより課題となっていた再生時の光源
の波長依存性の高い記録媒体であるCD−Rの再生が可
能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な光ピックアップでは、光学ヘッドが複数存在し、か
つ、集光レンズも複数必要であり、加えて集光レンズ切
換手段も必要であり、光ピックアップが大型化してしま
うという問題点があった。
【0007】このため複数の光源を搭載した光学ヘッド
の実現が望まれており、その中の課題の一つとして、複
数の光源からの光を1つの集光レンズで種類の異なる記
録媒体に集光させるというものがある。
【0008】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、複数のレーザを搭載しつつ小型・薄型の光ピックア
ップを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、複数の光源,受光手段を収納するとともに、光が通
過する開口部を備えたパッケージと、複数の斜面を有
し、第1,2の光源それぞれから出射された光を複数回
反射して所定の光路に導く光学部材とを備え、光学部材
の一方の光源からの光の光路中にその光源から導かれて
きた光の拡散角を変換する拡散角変換手段が形成されて
おり、拡散角変換手段が、光学部材を構成する部材の有
する屈折率よりも小さな屈折率を有する物質と接触して
いるという構成を有している。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、第1の
光源と、第2の光源と、前記第1,2の光源それぞれか
ら出射され記録媒体で反射されてきた光を受光する受光
手段と、前記第1の光源,前記第2の光源,前記受光手
段を収納するとともに、光が通過する開口部を備えたパ
ッケージと、複数の斜面を有し、前記第1の光源から出
射された光を複数回反射して所定の光路に導くと共に前
記第2の光源から出射された光を複数回反射して所定の
光路に導く光学部材とを備え、前記光学部材の第1の光
源からの光の光路中に第1の光源から導かれてきた光の
拡散角を変換する拡散角変換手段が形成されており、前
記拡散角変換手段が、前記光学部材を構成する部材の有
する屈折率よりも小さな屈折率を有する物質と接触して
いることにより、拡散角変換手段における拡散角の大き
さをより大きくすることができ、拡散角変換手段の構成
をより簡単にすることができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、拡散角変換手段
が形成されている光学部材の屈折率と前記拡散角変換手
段が接触している物質の屈折率の差が0.35以上、好
ましくは0.5以上としたことにより、より簡単な構成
で大きな拡散角を得ることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、拡散角変換手段
が接している物質が気体であることにより、大きな屈折
率の差を得ることができるとともに、拡散角変換手段の
細かいピッチに満遍なく分布させることができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、気体が不活性ガ
スであることにより、接触する光学部材に設けられてい
る各種光学素子の劣化を防止することができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、拡散角変換手段
は拡散光を収束光に変換することにより、発光点とは別
の位置で一旦収束させることができるので、発光点位置
を記録媒体の近くに移動させることができる。
【0015】請求項6に記載の発明は、拡散角変換手段
は入射してくる光の光軸に対して略垂直に配置されてお
り、拡散角が変換される前の光の光軸と変換された後の
光の光軸とがほぼ同一であることにより、入射光軸に対
する拡散角変換手段の中心軸のずれに対する許容度を向
上させることができる。
【0016】請求項7に記載の発明は、拡散角変換手段
が形成されている光学部材の面がパッケージ内部に面し
ていることにより、光学部材の面における経年変化量を
内部に設けられている光学部材のそれと同じにできるの
で、光ピックアップの寿命を伸ばすことができる。
【0017】(実施の形態1)以下本発明の実施の形態
1について図面を参照しながら説明する。
【0018】図1は本発明の一実施の形態における集積
化された光学ヘッドの断面図であり、図2は本発明の一
実施の形態における光学部分の詳細な断面図である。こ
こで図2における正断面図は光路を直線状に描いてい
る。
【0019】図1及び図2において、70はパッケージ
で、パッケージ70は、高密度光ディスク18用の光を
出射する光源2,低密度光ディスク19用の光を出射す
る光源9や高密度光ディスク18及び低密度光ディスク
19で反射された光を受光する受光手段91,92等が
載置される基板部70a及びそれらの部材を包含するよ
うに設けられている側壁部70b等により形成されてい
る。
【0020】これらの基板部70aと側壁部70b等は
一体で形成しても別体で形成しても良い。なお一体で形
成した場合には、組立工程の簡素化を図ることができ、
生産性の向上が可能になる。
【0021】パッケージ70を形成する材料としては金
属、セラミック等の材料を用いることが、光源2及び光
源9で発生する熱を良好に放出できるので好ましい。
【0022】そして金属材料の中でも、熱伝導性が高い
Cu,Al,Fe等の金属材料やFeNi合金やFeN
iCo合金等の合金材料を用いることが好ましい。なぜ
ならばこれらの材料は安価で放熱性が高く、かつ、高周
波重畳回路等からの電磁波等のノイズを遮断する電磁シ
ールドとしての効果も有するからである。これらの中で
も特にFe,FeNi合金,FeNiCo合金は熱抵抗
が小さく、放熱性が良好なので、光源2及び光源9で発
生する熱を効率的に外部に放出することができる。また
これらの材料は、低コストであるので、光ピックアップ
装置を低価格で提供することが可能になる。
【0023】またパッケージ70はその基板部70a及
び必要に応じて側壁部70bを大きな熱容量を有するキ
ャリッジ(図示せず)に当接させることにより、光源
2,9で発生する熱を外部に逃がしている。従ってキャ
リッジに接触している基板部70aの面積が大きければ
大きいほど放熱性が良好になる。
【0024】さらに基板部70aには光源2,9に電力
を供給したり、受光素子91,92からの電気信号を演
算回路(図示せず)に伝達する端子70cが設けてあ
る。この端子70cはピンタイプのものであっても良い
し、プリントタイプのものであっても良い。ここで特に
ピンタイプで端子70cを形成した場合について説明す
る。
【0025】端子70cは、金属材料から構成されてい
る基板部70aに電気的に接触しないようにしながら、
基板部70aに設けられている複数の孔(図示せず)に
挿入されている。この端子70cの材質としてはFeN
iCo合金,FeNi合金,FeCr合金等を用いるこ
とが好ましい。基板部70aと端子70cの間の電気的
な接触を断つ手段としては、孔において端子70cと基
板部70aと接する部分については絶縁性の皮膜等が設
けることが好ましく、更にこの部分から外気が混入して
こないように密閉しておくことが好ましい。このような
要求を満たすものとしてハーメチックシール等の絶縁及
び密閉の双方を同時に行えるものを用いることが好まし
い。ここでは特に整合封止型若しくは圧縮封止型のハー
メチックシールを用いることが好ましい。なぜならばこ
れらの部材は極めて容易に絶縁と密閉の双方を行うこと
ができ、さらに極めて安価であるので、端子70cの基
板部70aへの取付工程を簡略化でき、さらには光ピッ
クアップの製造コストを削減できるからである。また同
時に広い温度範囲にわたって高い気密性及び絶縁性を保
つことができるので、光ピックアップの信頼性を高くす
ることができ、かつ端子形状も比較的自由に変形するこ
とができるので、設計の自由度も大きくすることができ
る。
【0026】光源2及び光源9としては単色で、干渉
性、指向性および集光性が良好なものを用いることが、
適当な形状のビームスポットを比較的容易に形成でき、
ノイズ等の発生を抑制できるので好ましい。このような
条件を満たすものとして、固体、ガス及び半導体等の各
種レーザ光を用いることが好ましい。特に半導体レーザ
はその大きさが非常に小さく、光ピックアップの小型化
を容易に実現することができるので、最適である。
【0027】そしてこのときの光源2の発振波長は80
0nm以下であることが、光源から出射された光が記録
媒体上に収束する際のビームスポットを容易に記録媒体
に形成されているトラックのピッチ程度の大きさにする
ことができるので好ましい。更に光源2の発振波長が6
50nm以下であれば、非常に高密度で情報が記録され
ている記録媒体をも再生することができる程度に小さな
ビームスポットを形成できるので、大容量の記憶手段を
容易に実現することができ、特に高密度光ディスクの対
する記録再生に供される光源2としては好ましい。
【0028】光源2を半導体レーザで構成した場合、8
00nm程度以下の発振波長を実現できる材料として
は、AlGaInP,AlGaAs,ZnSe,GaN
等があり、これらの中でも特にAlGaAsは、化合物
材料の中でも結晶成長が容易であり、従って半導体レー
ザの製造が容易であるので、歩留まりが高く、高い生産
性を実現することができるので好ましい材料である。ま
た650nm以下の発振波長を実現できる材料として
は、AlGaInP,ZnSe,GaN等がある。これ
らの材料を用いた半導体レーザを光源2として用いるこ
とにより、記録媒体上に形成されるビームスポット径を
より小さくすることができるので、さらなる記録密度の
向上が可能になり、従って高密度光ディスクの再生が可
能になる。
【0029】これらの中でも特にAlGaAsPは長期
間にわたり安定した性能を有しているので、光源2の信
頼性を向上させることができるので好ましい材料であ
る。
【0030】また光源2の出力は、再生専用である場合
には3〜10(mW)程度であることが、再生に必要な
光量を十分に確保しつつエネルギーの消費を最小限に抑
制でき、更には光源2から放出される熱量も抑制できる
ので好ましい。記録再生兼用である場合には、記録の際
に記録層の状態を変化させるために大きなエネルギーを
必要とするので、少なくとも20(mW)以上の出力が
必要となる。但し出力が60mWを超えると光源2から
放出される熱を外部に逃がすことが難しくなり、光源2
及びその周辺部が高温になってしまい、光源の寿命が著
しく低下し、最悪の場合には光源が破壊される危険性が
ある。このため電気回路が誤動作を起こしたり、光源2
自体が波長変動を起こして発振波長がシフトしたり、信
号にノイズが混入したりして、光ピックアップの信頼性
が大きく低下してしまうので好ましくない。
【0031】光源9の発振波長は800nm以下である
ことが、光源から出射された光が記録媒体上に収束する
際のビームスポットを容易に記録媒体に形成されている
トラックのピッチ程度の大きさにすることができるので
好ましい。特に光源9としては光源2よりも発振波長が
長いものを用いることができ、例えばCDを再生する場
合には780nm程度で十分な大きさのビームスポット
を低密度光ディスク上に形成することができる。
【0032】次に光源2及び光源9(以下合わせて各光
源と称す)を載置する光源載置部71について説明す
る。光源載置部71はその形状が直方体状若しくは板形
状で、その上面若しくは側面には各光源が取り付けられ
ている。この光源載置部71は、基板部70a若しくは
側壁部70bに別部材若しくは基板部70a,側壁部7
0bの一部として設けられており、各光源を載置すると
ともに、各光源で発生した熱を逃がす働きを有してい
る。
【0033】更に光源載置部71を構成する材料は、線
膨張係数が各光源のそれ(約6.5×10-6/℃)に近
い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が3〜10×
10 -6/℃で、熱伝導率が100W/mK以上である物
質、例えばAlN,SiC,T−cBN,Cu/W,C
u/Mo,Si等を、特に高出力の光源を用いる場合で
熱伝導率を非常に大きくしなければならないときにはダ
イアモンド等を用いることが好ましい。
【0034】光源2及び光源9と、光源載置部71の線
膨張係数が同じか近い数値となるようにした場合、各光
源と光源載置部71の間の歪みの発生を抑制することが
できるので、各光源と光源載置部71との取付部分が外
れたり、各光源にクラックが入る等の不都合を防止する
ことができる。
【0035】また光源載置部71の熱伝導率をできるだ
け大きく取ることにより、各光源で発生する熱を効率よ
く外部に逃がすことができるので、各光源の温度が上昇
し、各光源から出射される光の波長がシフトしてしま
い、記録媒体での光の収束位置が微妙に異なってしま
い、再生信号に多くのノイズ成分が混入してしまった
り、各光源の出力が低下してしまい、記録媒体に対する
記録再生動作が正常に行えなくなったり、更には各光源
の寿命が短くなったり、最悪の場合には各光源が破壊さ
れてしまう等の不都合の発生を防止することができる。
【0036】本実施の形態においては、この様な光源載
置部71の側面部71aに光源2と光源9とを光源載置
部71の底面から略同一の高さに配置している。
【0037】72は第1光学部材で、第1光学部材72
は光源2および光源9から出射された光を所定の光路に
導くとともに光ディスクで反射されて戻ってきた光を所
定の光路に導く働きを有している。
【0038】第1光学部材72は、第1の斜面72a,
第2の斜面72b及び第3の斜面72cを有しており、
特に光が入射する面と出射される面とは略平行で、か
つ、入射若しくは出射される光はこれらの面に略垂直に
入射するような構成を有しているが好ましい。この様に
形成することにより、入射する光に対する非点収差等の
発生を抑制することができるので、透過する光の光学特
性の劣化を防止することができる。
【0039】さらに第1の斜面72a,第2の斜面72
b及び72cには各種の光学素子が形成されている。
【0040】以下第1光学部材72中に存在する各種光
学素子について説明する。まず第1の斜面72aには、
反射膜73及び反射膜74が形成されている。反射膜7
3は、光源2から出射されてきた光を所定の方向に反射
する働きを有しており、反射膜74は光源9から出射さ
れてきた光を所定の方向に反射する働きを有している。
そして反射膜73及び反射膜74を構成する材料として
は、Ag,Au,Cu等の高反射を有する金属材料若し
くは屈折率の異なる複数の誘電体材料を交互に複数層設
けることにより形成されていることが好ましい。
【0041】なお本実施の形態においては反射膜73及
び反射膜74とは別々に設けられていたが、1つの大き
な反射膜として第1の斜面72aのほぼ全体に形成して
も良い。この場合マスクを用いて反射膜を形成するプロ
セスを省略することができるとともに反射膜を形成する
ためのマスクも減らすことができるので、生産性を向上
させることができるとともに製造コストも低減すること
ができる。
【0042】そして第2の斜面72bには、偏光分離膜
75,76が形成されている。偏光分離膜75には、光
源2から出射され、反射膜73で反射されてきた光が入
射し、偏光分離膜76には光源9から出射され、反射膜
74で反射されてきた光が入射する。これらの偏光分離
膜75,76は、特定の偏光方向を有する光を透過し、
それ以外の偏光方向を有する光を反射する働きを有して
いる。
【0043】この様な偏光分離膜75,76は屈折率の
異なる複数の誘電体材料を交互に複数層設けることによ
り形成されていることがより正確なPS分離が行えるの
で好ましい。特にここでは、光源2および光源9から出
射されるS偏光成分を透過し、P偏光成分を反射するよ
うに形成されている。
【0044】偏光分離膜75,76の膜厚は、入射して
くる光の波長に応じて設定されることが好ましい。この
様にすることにより、入射してくる光の波長の差による
偏光分離の不完全さを減少させることができ、より正確
なPS分離を行うことができる。
【0045】これらの偏光分離膜75,76により、通
過する光の量をほとんど減少させることなく記録媒体へ
導くことができるので、光の利用効率を向上させること
ができ、ひいては光源2および光源9を小さい出力で所
定の盤面光量を得ることができるので、各光源の長寿命
化を実現できるので好ましい。
【0046】なお本実施の形態においては偏光分離膜7
5,76をそれぞれ別々に設けられていたが、入射して
くる光の波長の差が小さい場合には、1つの大きな偏光
分離膜として第2の斜面72bの上部ほぼ全体に形成し
ても良い。この場合マスク用を用いて偏光分離膜を形成
するプロセスを省略することができるとともに偏光分離
膜を形成するためのマスクも減らすことができるので、
生産性を向上させることができるとともに製造コストも
低減することができる。
【0047】また本実施の形態においては、出射光と戻
り光の分離手段として偏光分離膜を用いていたが、これ
らは必要とされる盤面光量に応じて、ハーフミラー等の
分離手段を用いても良い。
【0048】次に第2の斜面72bに設けられている他
の光学部材について説明する。77及び78はモニター
光用のホログラムで、ホログラム77は光源2から出射
され、反射膜73で反射された光のうちの一部を所定の
方向へ反射回折する働きを有している。このホログラム
77で反射回折された光は、第1光学部材72の上面に
設けられている反射部79に導かれ、その後受光手段上
に設けられたモニタ光受光部に入射する。そしてモニタ
光受光部からの電気信号を元に光源2に加える電力を調
整して、光源2から出射される光の光量が常に最適値と
なるように制御を行う。
【0049】またホログラム78は光源9から出射さ
れ、反射膜74で反射された光のうちの一部を所定の方
向へ反射回折する働きを有している。このホログラム7
8で反射回折された光は、第1光学部材72の上面に設
けられている反射部80に導かれ、その後受光手段上に
設けられたモニタ光受光部に入射する。そしてモニタ光
受光部からの電気信号を元に光源9に加える電力を調整
して、光源9から出射される光の光量が常に最適値とな
るように制御を行う。
【0050】さらに第2の斜面72bの最も光源寄りの
部分には反射膜81,82が設けられている。
【0051】反射膜81は、光路分割手段83で反射さ
れて入射してきた光を反射して所定の位置に導く働きを
有しており、反射膜82は光路分割手段84で反射され
て入射してきた光を反射して所定の位置に導く働きを有
している。反射膜81,82はともにAg,Au,Cu
等の高反射を有する金属材料若しくは屈折率の異なる複
数の誘電体材料で形成されていることが好ましい。
【0052】最後に第3の斜面72cには光路分割手段
83,84が形成されている。光路分割手段83は、光
源2から出射されて高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光を透過するか、若しくは、反射する働きを
有しており、光路分割手段84は、光源9から出射され
て低密度光ディスク19で反射されて戻ってきた光を透
過するか、若しくは、反射する働きを有している。ここ
では光路分割手段83及び光路分割手段84の双方とも
透過する光量と反射する光量とが略同量となるようにハ
ーフミラーを用いることが好ましい。
【0053】次に第2光学部材86について説明する。
第2光学部材86はパッケージ70の側壁部70bに設
けられている開口部70dを塞ぐように設けられてお
り、パッケージ70の側壁部70bとは、紫外線硬化樹
脂,エポキシ樹脂及び接着ガラス等で接合されている。
第2光学部材86は、第1基板86a、第2基板86b
を有している。以下これらの基板について順次説明す
る。
【0054】まず第1基板86aは平行平面形状を有す
るガラスや樹脂等の良好な透光性を有する材料から形成
されており、そのシールド部材85側の端面の光源9か
らの光が通る領域には拡散角変換手段87が形成されて
いる。拡散角変換手段87は第1基板86aの光源9側
の端面に、光源9から出射される光の光軸に合わせて設
けられており、光源9から入射してきた光の拡散角を負
にする働き、すなわち光源9の発光点9aから出射され
た光を見た目上より低密度光ディスク19の近くから出
射されたように光路を変換する働きを有しているもの
で、実質的に低密度光ディスク19に近づく方向に発光
点をずらしている。これにより光源9の発光点は真の発
光点9aから見かけ上の発光点9bに移動し、従って光
源9から記録媒体までの光路長を見かけ上短くする働き
を有している。
【0055】この拡散角変換手段87は光源9から出射
された光の光軸に対してほぼ垂直に形成されていること
が好ましい。一般に、入射してくる光の光軸と拡散角変
換手段87の中心軸とは正確に一致していることが好ま
しいが、実際には多少のずれ存在する場合が多い。これ
に対して拡散角変換手段87が光源9から出射された光
の光軸に対してほぼ垂直に形成されていることにより、
入射してくる光の光軸と拡散角変換手段87の中心軸と
の許容される、即ち光学特性の劣化を許容範囲に抑制で
きるずれ量を最大にすることができる。従って入射して
くる光の光軸と拡散角変換手段87の中心軸の間で要求
される位置あわせの精度を低くすることができるので、
位置あわせを簡単に行うことができ、位置あわせにかか
る時間も低減することができる。また逆に光の光軸と拡
散角変換手段87の中心軸との間にずれが発生した場合
の光学特性の劣化をより小さなものにすることができ
る。このことは当初正確に位置あわせされていたものが
接合に用いられる樹脂等の経年変化等によりずれてしま
った場合の光学特性の劣化を防止することとなるので、
長期間に亘って光学特性の劣化が少ない、信頼性の高い
光ピックアップとすることができる。
【0056】また、拡散角変換手段87を第2光学部材
86の光源9よりの端面に形成したことにより、第2光
学部材86の表面に露出する拡散角変換手段87をパッ
ケージ70の内部に収納することができるので、拡散角
変換手段87を構成する誘電体やガラス,樹脂等の材料
が水分を吸着したり、酸化したりして起こる拡散角変換
手段87の劣化を抑制することができる。従って正確な
拡散角の制御をより長期間に亘って行うことができるの
で、光ピックアップの信頼性を向上させ、長期間に亘っ
て優れた光学特性を持続できる光ピックアップを実現す
ることができる。
【0057】拡散角変換手段87としては回折格子特に
ホログラムで形成されていることが、光を高効率で透過
させることができるので好ましい。特にホログラムとし
ては、4段以上の階段状断面や鋸歯状断面を有するもの
を用いることが、特に高効率に光を利用でき、光量の減
少を防止できるので好ましい。
【0058】さらに拡散角変換手段87は、それが形成
されている第2光学部材86よりも屈折率の低い物質に
接触していることが好ましい。特に拡散角変換手段87
をホログラムで形成した場合には、拡散角変換手段87
における拡散角の変換の大きさはホログラムを構成する
溝のピッチを小さくすればするほど大きくなり、同じピ
ッチであれば、拡散角変換手段87が形成されている光
学部材の屈折率と、拡散角変換手段87が接している物
質の屈折率の差が大きければ大きいほど拡散角の変換の
大きさは大きくなる。
【0059】しかしながらピッチの大きさは加工限界に
より小さくできる限界が存在し、現在では、採算性が取
れるラインとして1μm程度が限界であると考えられ
る。また、ピッチを大きくすると、拡散角変換手段87
の製造がより容易に行えるようになるので、生産性を向
上させることができるとともに、製造に用いられる製造
装置も簡素化することができ、作業時間を短縮すること
ができるとともに製造コストも低減されることになる。
更にはより精度良く作製することができるので、光学特
性も良好にすることができるので好ましい。
【0060】この点を鑑みると、前述の屈折率の差が大
きければ大きいほど好ましいことがわかる。特に本実施
の形態に示すように光源9から出射された光を一旦収束
させて、その後拡散していく光を集光レンズ17に入射
させるような構成とし、かつ拡散角変換手段87を構成
するホログラムのピッチが1μm以上になるには、光学
部材を構成する材料の屈折率と拡散角変換手段87に接
する物質の屈折率との差が0.35以上であれば良く、
さらに後述するように光源2からコリメータレンズ16
間での距離と光源9からコリメータレンズ16までの距
離の比が所定の値以下に収まるようにし、かつ、ホログ
ラムのピッチを1μm以上とするには、第2光学部材8
6を構成する材料の屈折率と拡散角変換手段87に接す
る物質の屈折率との差が0.5以上であればよい。この
様な条件を満たす物質として本実施の形態では、空気を
用いている。空気は、樹脂などの液体とは異なり、拡散
角変換手段87の細かいピッチ中に満遍なく分布させる
ことができ、かつ、屈折率も大体1程度と非常に小さい
ので、分布の偏りに起因する光学特性の劣化を防止しつ
つ、条件を満たすことができる。空気の中でも特に不活
性ガスとすることが光学部材に設けられている各種光学
素子の酸化等による劣化を防止することができるので好
ましい。拡散角変換手段87が設けられている光学部材
86における経年変化量をパッケージ70内部に設けら
れている光学部材72のそれと同じにできるので、光ピ
ックアップの寿命を伸ばすことができる。
【0061】次に拡散角変換手段の構成について図面を
参照しながら説明する。図5は本発明の実施の形態1に
おける拡散角変換手段の断面図である。
【0062】拡散角変換手段87には、同心円で断面が
凹凸であり、周辺部ほどピッチが小さいパターンが形成
されている。パターンの形成は、ドライエッチング等に
よって行われる。ホログラムパターンに光Rが入射する
と、回折せずに透過する0次光93と、ピッチに応じた
+1次回折94、−1次光95などが発生する。本実施
の形態においては、0次光93及び−1次光95を抑制
し、+1次光94をより強めるために、断面形状を回折
方向に合わせて多段化している。この多段化は、複数の
マスクパターンを用意し、レジスト露光とドライエッチ
ングを繰り返し行えば形成できる。このようなパターン
にすることにより、0次光93及び−1次光95の発生
を抑制できるので、盤面光量や信号検出に必要な光量を
稼ぐことができ、光源9を低出力で使用することができ
る。
【0063】またこのとき拡散角変換手段87は、光源
9から導かれ、低密度光ディスク19に照射される光束
が拡散角変換手段87で形成する口径よりも大きなパタ
ーンで形成されている。拡散角変換手段87には往きの
光も帰りの光も入射することになる。特に帰りの光につ
いては、集光レンズ17がシフトしてしまったときには
往きの光と異なった光路を通過することになる。このと
き拡散角変換手段87が往きの光の口径に合わせて設計
されていると、けられが発生して受光手段92に入射す
る光量が減少してしまい、信号の再生が行えなくなった
り、正確なサーボ信号の形成ができなくなってしまう可
能性がある。この不都合を回避するために、帰りの光が
入射する可能性のある領域まで口径大きくして、けられ
の発生を予防している。
【0064】次に第2基板86bは、第1の斜面86d
及び第2の斜面86eを有し、更に第1の斜面86dに
は偏光分離膜88aとビーム分離部88bを備えた複数
ビーム形成手段88が形成されており、第2の面86e
にはフィルタ89が形成されている。
【0065】第2基板86bは、第1基板86aの上面
に設けられており、第1基板86aとは紫外線硬化樹
脂,エポキシ樹脂及び接合ガラス等の接合材により接合
されている。
【0066】そして第2基板86bは、光源2および光
源9から出射され、第1光学部材72及び第2光学部材
86の第1基板86aを介して導かれてきた光を所定の
光路に導くとともに光ディスクで反射されて戻ってきた
光を所定の光路に導く働きを有している。
【0067】さらに、第2基板86bにおいて、特に光
が入射する面と出射される面とは、光の光軸に対して略
垂直で、かつ、それぞれの面が略平行となるように構成
されているが好ましい。この様に形成することにより、
入射する光に対する非点収差等の発生を抑制することが
できるので、透過する光の光学特性の劣化を防止するこ
とができる。
【0068】また第1の斜面86dと第2の斜面86e
は互いに略平行で、かつ、第1光学部材72に形成され
ている斜面とは異なる方向に傾斜を有するように形成さ
れている。
【0069】さらに第1の斜面86d及び第2の斜面8
6eには各種の光学素子が形成されている。
【0070】先ず第1の斜面86dには、複数ビーム形
成手段88が設けられている。複数ビーム形成手段88
は偏光方向に合わせて光を反射するかもしくは透過する
偏光分離膜88aと入射してきた光を複数の光束に分離
して反射するビーム分離部88bを有しており、光源9
から出射され、拡散角変換手段87を通過してきた光は
偏光分離膜88aをほとんど透過して、ビーム分離部8
8bに入射する。そして入射してきた光をビーム分離部
88bで複数の光束に分離・反射している。なお、低密
度光ディスク19で反射された帰りの光は、1/4波長
板の働きで偏光方向が変えられるので、ビーム分離部8
8bには入射せず偏光分離膜88aで反射される構成と
なっている。
【0071】ここでビーム分離部88bは、回折格子で
形成することが、効率よく複数の光束を形成することが
できるので好ましい。ここでは回折格子で発生する0次
光および±1次光の3つの光束を主に形成するような構
成を有している。
【0072】ここで形成された複数の光束は低密度光デ
ィスク19のトラックの所定の位置に照射され、戻って
きた光の光量を比較することにより、低密度光ディスク
19のトラッキングを行う通称3ビーム法と呼ばれるト
ラッキング方法に供される。
【0073】なおトラッキング方法として3ビーム法を
用いない場合には、複数ビーム形成手段は設けなくて良
い。
【0074】そして第2の斜面86eには波長選択性の
あるフィルタ89が形成されている。フィルタ89は光
源2から導かれてきた光をほぼ80%以上透過し、光源
9から導かれてきた光をほぼ80%以上反射する働きを
有している。
【0075】このフィルタ89を第2の斜面86eに形
成したことにより、光源2から出射された光をほとんど
妨げることなく光源9から導かれてきた光を反射するこ
とができるので、光源2および光源9から出射された光
を高い割合で記録媒体まで導くことができる。従って光
源2および光源9から出射される光の量を増加させなく
とも記録媒体への記録もしくは再生が可能になるので、
光源2および光源9を高出力状態で動作させることによ
る光源2および光源9の短寿命化を防止できる。更には
光源2および光源9を低出力状態で用いることができる
ので、光源2および光源9の温度上昇がほとんど起こら
ず、従って温度変化に伴う光源2および光源9の発振波
長のシフトがほとんど起こらない。従ってより正確に焦
点形成が行える高性能な光ピックアップを提供すること
ができる。
【0076】この第2基板86bにより、光源2からの
光と光源9からの光が略同一の光軸に導かれることにな
る。
【0077】光源9からの光が第2光学部材に入射して
きて複数ビーム形成手段88で反射された後にフィルタ
89に入射するまでの光路は第1光学部材72中を進む
光を含む平面に対して略垂直方向に進むように形成され
ている。
【0078】90は1/4波長板で、1/4波長板90
は、フィルタ89を透過してきた光源2からの光と、フ
ィルタ89で反射されてきた光源9からの光の双方の偏
光方向を直線偏光から楕円偏光に変換する働きを有して
いる。
【0079】なお1/4波長板90としては、本実施の
形態に示すような所定の厚さを有する板状のものを用い
ても良いし、薄膜で形成しても良い。
【0080】91,92はともに受光手段で、受光手段
91は、光路分割手段83を透過してきた光及び光路分
割手段83で反射された後反射膜81で反射されてきた
光を受光し、受光手段92は、光路分割手段84を透過
してきた光及び光路分割手段84で反射された後反射膜
82で反射されてきた光を受光するもので、ともにRF
信号、モニタ信号、トラッキング信号及びフォーカシン
グ信号を形成するのに必要な位置に必要な形状で必要な
個数の各種受光部が形成されている。
【0081】以上示してきたように、複数の発振波長の
異なる光源からの光を複数の光学素子が形成された光学
部材に入射させて所定の光路に導くような構成としたこ
とにより、従来それぞれの光源に対して複数設けられて
いた光学素子等を1つに集約できるので、分散配置され
た光ピックアップに比べて、光ピックアップ全体の大き
さを大幅に小型化することができるとともにそれぞれの
光源に対する各光学素子間の位置あわせ等も不要になる
ので生産性が大幅に向上し、さらには各光学素子の取り
付け誤差も最小限度に抑制することができるので良好な
光学特性を実現でき、加えて各光学素子の取り付け誤差
に起因する光の損失を最小限に抑止できるので光の利用
効率の良好な光ピックアップを実現することができる。
【0082】さらに光源2から出射された光と光源9か
ら出射された光の少なくとも一方を光学部材72,86
で複数回反射して所定の光路に導くことにより、パッケ
ージ70全体の大きさを小さくすることができるととも
に反射なしで導く場合に比べて光学部材86を出てから
の光路長を短くできるので、光ピックアップの小型化・
薄型化を図ることができる。
【0083】また光源2および光源9からの光を複数の
光学素子が形成された光学部材72,86に入射させて
所定の光路に導くことにより、高密度光ディスク18に
対する光も低密度光ディスク19に対する光も、ともに
正確にそれぞれの記録媒体に導くことができるととも
に、複数の光源それぞれに対応した複数の光学系を異な
る光学部材を用いて形成する必要がなくなり、部品点数
の削減による生産性の向上及びそれぞれの構成部材の位
置あわせの簡略化を行うことができる。
【0084】なお本実施の形態においては光源2及び光
源9から出射された光は同一の光学部材に入射するよう
な構成を有していたが、同一パッケージ中に別々に設け
られている光学部材に入射するような構成としてもよ
い。この様な構成とすることにより、光源2から出射さ
れた光に対する光学部材と光源9から出射された光に対
する光学部材とに分離することができるので、それぞれ
の光に所定の光学特性を与える光学素子のみをそれぞれ
の光学部材に形成すればよいので、同一斜面上に種類の
異なる光学素子を別々に形成する必要がなくなり、形成
された光学素子の性能を劣化させる要因を除去すること
ができる。更に、例えば光源2から出射された光が光源
9から出射された光用の光学素子に入射した後、再び光
源2から出射された光の光路に混入して迷光成分となる
可能性を減少させることができるので、光学特性の劣化
の少ない優れた光ピックアップを提供することができ
る。
【0085】更に本実施の形態では、光源2および光源
9を第1光学部材72の面72dに対向するように設け
られている。即ち光源2および光源9から出射された光
は、第1光学部材72の面72dに入射し、第1光学部
材72および第2光学部材86等に形成されている各種
光学素子により所定の性質を有する光束に変換されて記
録媒体に導かれる構成を有している。
【0086】このような構成としたことにより、光源2
および光源9は、第1光学部材72の光源側の面72d
を基準面として、位置あわせを行うことができる。即ち
複数形成されている光源を1つの面72cを基準として
位置あわせを行うことができるので、各光学部材に形成
されている各種光学素子に対してより高精度で位置あわ
せを行うことが可能になり、各光学部材に設けられてい
る各種光学素子に対する位置ずれが原因で発生する光学
特性の劣化を防止することができる。また光源2と光源
9との相互の位置調整も基準となる面が1つであるので
より容易に行うことができる。
【0087】また第1光学部材72のように、それぞれ
の光源からの光が入射してくる部位に光学素子が形成さ
れていない場合には、入射面となる面72dには、入射
してくる光が散乱されたりしないように面粗度をできる
限り小さくする等の非常に精密な加工を施す必要があ
る。
【0088】本実施の形態のように複数の光源からの光
を光学部材の同一面に入射させるようにしたことによ
り、このような精密加工を施さなければならない面の数
を減らすことができるので、精密加工に伴う製造工程を
簡略化でき、光学ヘッドの生産性が向上する。また精密
加工に係る生産コストも低減することができるので、安
価な光学ヘッドとすることができる。
【0089】従って光源間の位置ずれおよび光源と光学
素子との間の位置ずれがほとんど存在せず、光学特性の
良好な信頼性の高い光ピックアップを実現することがで
きる。
【0090】また本実施の形態では、第1光学部材72
の光源に対向する面72dから光源2および光源9まで
の距離を等しくしている。このような関係に光源2およ
び光源9を配置することによって、光源2および光源9
を例えば同一の平行平面部材に当て決めして固定するこ
とができるので、光源2および光源9の高さ精度を容易
に確保することができる。そしてこれにより、高さ精度
がでていないことが原因で発生する光学特性の劣化を抑
制することができるので、良好な記録若しくは再生特性
を有した光ピックアップを実現することができる。
【0091】更に本実施の形態においては、光源2およ
び光源9とを光源載置部71に配置している。このよう
に複数の光源を同一の光源載置部に設ける構成をしたこ
とにより、予め光源載置部71に対して決められた位置
関係に光源2および光源9を固定しておくことができる
ので、光学ヘッドの組立を行う際に、第1光学部材72
と光源2および光源9との間の位置決めを簡単にしかも
精度良く行うことができるようになり、光学ヘッドの生
産性を向上させることができる。また光源2および光源
9と第1光学部材72との間の位置ずれも発生しにくく
なるので、優れた光学特性を有する光ピックアップとす
ることができる。
【0092】更に光源載置部71の同一面71aに光源
2および光源9を設けることにより、光源2および光源
9の光源載置部71への取付をより容易に行え、更に異
なる面に設けた場合に比べて、光源2および光源9と光
源に電力を供給する電極やアースとの接続に用いられる
ワイヤの光源2および光源9との接続を容易に行えるよ
うになる。また光源2および光源9との相対的な位置決
めもより簡単かつ正確に行えるようになる。
【0093】また光源を載置する光源載置部の面は非常
に高い精度で面出しを行う必要があるが、複数の光源を
同一面に設けることにより、面出しを行う面がい面で良
くなるので、製造工程の削減でき、これにより生産性を
向上させることができるとともに生産コストも低減でき
る。
【0094】このように複数の光源を同一のパッケージ
内に配置した場合、それぞれの光源から出射された光に
発生する波面収差が大きく異なる場合が多く、このため
それぞれ光源2,9の発光点2a,9aとコリメータレ
ンズの間の距離を最適化しているので以下この点につい
て説明する。
【0095】図3は本発明の実施の形態1における無限
光学系での発光点とコリメータレンズとの関係を示す図
である。図3において、L5はコリメータレンズ16か
ら発光点2aまでの距離を示しており、L6はコリメー
タレンズ16から仮想発光点9bまでの距離を示してい
る。更に図4は本発明の実施の形態1における波面収差
量とL5,L6との関係を示している。すなわちL5と
L6の比を変化させたときに集光レンズ入射時に発生し
ている波面収差量を集光レンズ17がトラッキング方向
に500μmシフトしている場合(実線)とトラッキン
グ方向のシフトが無い場合とで比較しているものであ
る。一般に光ディスクを再生中の集光レンズはトラッキ
ング方向に最大500μm程度シフトする可能性があ
り、また集光レンズに入射する光を有効に光ディスク上
に収束させるために許容される波面収差量はRMS値で
0.07λ(たたしλは光の波長を示す)以下程度とさ
れていることを考慮すると、比較的収差の発生量が多
く、集光レンズ17への光の入射条件がきつくなる発光
点9aからの光に対して集光レンズ17のシフト量が最
大(500μm)のときの波面収差量が0.07λ以下
であれば、どちらの発光点からの光も集光レンズ17に
入射した光は集光レンズ17のシフト量に拘わらず光デ
ィスク上に収束されることになると考えられる。この条
件を満たす範囲としては、図4から明らかなように、L
5とL6との比(L6÷L5=H、以下Hで表記する)
が0.50<H<0.75であることが好ましいことが
わかる。
【0096】またこの範囲を満足していれば、記録媒体
で反射されて戻っていく光に発生する波面収差量も抑制
することができるので、反射光を受光する受光素子に対
して良好に入射し、優れた信号特性を得ることができ
る。
【0097】更に同じ条件において波面収差量がRMS
値で0.04λ以下であれば、どちらの発光点からの光
も集光レンズ17に入射した光は集光レンズ17のシフ
ト量に拘わらず光ディスク上に非常に正確に収束される
ことになると考えられる。この条件を満たす範囲として
は、図4から明らかなように、L5とL6との比(H)
が0.53<H<0.70であることが、さらに信号特
性を向上させることができるので、好ましいことがわか
る。
【0098】Hの値が上記した範囲に存在するように光
学系の配置を行うことにより、同一光学系中に複数の光
束を有する光ピックアップにおいて、すべての光束にお
ける波面収差を理論限界値以下とすることができるの
で、一つの集光レンズ17を用いることにより、いずれ
の光束も光ディスク上に集光させることができる。
【0099】従って対物レンズ17の数が一つで良いの
で、集光レンズを削減することができるとともに集光レ
ンズの切替手段も設けなくて良くなり、光ピックアップ
の小型化や部品点数の削減による生産性の向上、複雑な
機構を廃することによる光ピックアップの信頼性の向
上、動作スピードの向上等を実現することができる。
【0100】なお本実施の形態はコリメータレンズ16
を用いた無限系の光学系を用いていたが、有限系の光学
系を用いることも考えられる。この場合、無限系に比べ
てコリメータレンズを配置するスペースが不要になるの
で、光ピックアップ全体の大きさを小さくすることがで
きる。
【0101】次にパッケージ70により囲まれた空間の
内部、即ち光源2,9及び受光手段等が配置されている
空間は密閉されることが好ましい。このような構成にす
ることにより、ゴミや水分等の不純物のパッケージ内部
への進入を防止することができるので、光源2,9や受
光手段の性能を維持することができるとともに出射され
る光の光学特性の劣化も防止することができる。
【0102】本実施の形態においては、第2光学部材8
6によりパッケージ70を密閉している。即ち第2光学
部材86の第1基板86aの底面とパッケージ70の側
壁部70bの外側の面とは、パッケージ70に設けられ
ている開口部70dを塞ぐように、接合材により接合さ
れている。ここで用いられる接合材としては、光硬化樹
脂,エポキシ樹脂,接合ガラス等が用いられることが多
い。
【0103】そして密閉された空間にはN2ガス、乾燥
空気若しくはArガス等の不活性ガスを封入しておくこ
とが、パッケージ70の内部に存在する第1光学部材7
2等の表面に結露が生じて光学特性が悪化してしまった
り、光源2,9や受光手段の酸化などによる特性の劣化
を防止することができるのでさらに好ましい。
【0104】この様に第2光学部材とパッケージ70の
側壁部70bとを接合材を用いて接合し、パッケージ7
0を密閉する構成としたことにより、従来必要であった
この部分の封止にのみ設けられていたカバーガラスをな
くすことができるので、光ピックアップの構成を簡略化
でき、部品点数を削減することができる。また従来の光
学部材の位置合わせして接合する工程とパッケージを封
止するカバー部材を接合する工程の合計2工程必要であ
った光ピックアップの製造工程を前者の1工程に減らす
ことができるので、光ピックアップの製造工程を簡略化
することができ、光ピックアップの生産性を向上させる
ことができる。
【0105】また第2光学部材86がパッケージ70の
外側に露出しているので、パッケージ内部に収納する場
合と比較して、パッケージの大きさを小さくすることが
できるとともに、必要な光学素子を1つの光学部材に形
成する場合に比べると、いつの光学部材中に存在する斜
面の数を大幅に減らすことができるので、特に光ピック
アップの幅方向の大きさを大幅に小さくすることができ
るので、光ピックアップの大きさをより小さくすること
ができ、ピックアップの空間利用効率をより高めること
ができる。
【0106】更に光学部材を2つに分離しつつも必要な
光学系のほぼ全てを1つのヘッドに搭載した光ピックア
ップとすることができるので、ピックアップの組立工程
を大幅に簡略化することができるユーザフレンドリーな
光ピックアップとなっている。
【0107】また第2光学部材86において、外側に露
出している部分には光学素子を設けていないので、光学
素子が周囲に存在する外気にふれ、水分等を吸着して所
定の性能を出せなくなったり、光学素子に埃等が付着し
て特性が劣化してしまう等の不都合が発生することを抑
制することができる。
【0108】なお、このときパッケージ70内部の圧力
は負圧になっていることが好ましい。この様にすること
により、パッケージ70の外側からパッケージ70の側
壁部70bに接合される第2光学部材86をパッケージ
70の内側に向かって引き寄せる方向に力が加わるの
で、第2光学部材86とパッケージ70との接合性を良
好にすることができる。
【0109】次にさらに好ましい構成を有する実施の形
態を示す。この場合、パッケージ70を外側から第2光
学部材86のみで密閉するのではなく、シールド部材8
5と第2光学部材86とにより、パッケージ70の開口
部70dを塞ぐように構成されている。即ちシールド部
材85は、パッケージ70の側壁部70bに設けられた
開口部70dをパッケージ70の内側から塞ぐように設
けられており、第2光学部材86は、パッケージ70の
側壁部70bに設けられた開口部70dをパッケージ7
0の外側から塞ぐように設けられており、この2つによ
り、パッケージ70の内部は密閉されている。
【0110】この様な構成にする利点について説明す
る。内側から接合されているシールド部材85は、パッ
ケージ70の内部が正圧である場合には接合材ごと側壁
部70bに押し付けられることになるので、リークが発
生する可能性を低減することができるが、パッケージ7
0の内部が負圧の場合には側壁部70bから離れていく
方向に力が加わることになるので、接合不良を生じてリ
ークが発生してしまう可能性が大きくなってしまう。
【0111】これに対してと外側から接合されている第
2光学部材86は、シールド部材85とは逆に、パッケ
ージ70の内部が負圧である場合には接合材ごと側壁部
70bに押し付けられることになるので、リークが発生
する可能性を低減することができるが、パッケージ70
の内部が正圧の場合には側壁部70bから離れていく方
向に力が加わることになるので、接合不良を生じてリー
クが発生してしまう可能性が大きくなってしまう。
【0112】即ちパッケージ70の側壁部70bを挟み
込むようにシールド部材85と第2光学部材85とを配
置したことにより、パッケージ70の内部が正圧であっ
ても負圧であっても、シールド部材85もしくは第2光
学部材86の少なくとも一方には側壁部70bに押し付
けられる方向に力が働くことになるので、気圧差や接合
不良に起因したリークの発生を減少させることができ
る。
【0113】これにより、パッケージ70内部の気密性
を向上させることができ、パッケージ70内部に配置さ
れる光源,受光素子,光学部材等が空気に触れたり、水
分を含んだりすることに起因する不都合の発生を抑制す
ることができるので、非常に信頼性の高い光ピックアッ
プとすることができる。
【0114】ここでシールド部材85を構成する材料と
しては、樹脂やガラス等の透光性が良好で、光の利用効
率を低下させない材料を用いることが好ましい。またそ
の厚みは強度の問題が発生しない範囲でより薄く構成す
ることが、光の径が拡大されるのを最小限に抑制するこ
とができるので好ましい。
【0115】またシールド部材85の側壁部70bへの
接合力と第2光学部材86の側壁部70bへの接合力と
は、異ならせるせることが好ましい。特にパッケージ7
0内部に直接面しているシールド部材85の側壁部への
接合力を第2光学部材86の接合力よりも大きくして、
仮に第2光学部材86と側壁部70bの間にリークが発
生したとしてもパッケージ70の内部までにはそのリー
クが届かないようにする。この様にすることにより、パ
ッケージ70内部へのリークの発生する可能性を大幅に
低減することが可能になる。この構成を実現する手段と
して、シールド部材85と側壁部70bとの接合に用い
られる接合材を第2光学部材86と側壁部70bとの接
合に用いられる接合材よりも大きな接合力を有するもの
にすること等が考えられる。
【0116】更にパッケージ70とシールド部材85と
で囲まれた空間Aと、側壁部70b,シールド部材85
及び第2光学部材86とで囲まれた空間Bとの間の圧力
の差はできるだけ小さい方が好ましい。空間Aと空間B
との間に存在するシールド部材85には常に空間Aと空
間Bとの間の圧力差による力が加わった状態にある。こ
の状態で、携帯や車載その他に起因する振動等がシール
ド部材85に入力されると、シールド部材85が大きく
振動したり、撓んでしまい、入射してきた光とシールド
部材85との入射角が微妙に変化してしまう可能性があ
り、これに起因した光学特性の劣化が考えられる。この
ことを鑑み、空間Aと空間Bとの間の圧力差(P)はで
きるだけ小さくすることが好ましい。具体的にはPが
0.3(atm)以下であることが好ましい。
【0117】以上のような構成を有する光ピックアップ
の動作について説明する。記録媒体が高密度光ディスク
18である場合には、光源2から出射された光を用いて
記録若しくは再生を行う。この場合、光源2から出射さ
れた光は、まず第1光学部材72の第1の斜面72aに
形成された反射膜73で反射されて、第2の斜面72b
に形成されている偏光分離膜75に入射する。この偏光
分離膜75は光源2から出射された直線偏光を反射し、
それと直交する偏光方向の光を透過する働きを有してい
るので、光源2から入射してきた光は反射される。
【0118】その後第1光学部材72から出射された光
は、シールド部材85を透過して、第2光学部材86の
第1基板86aを透過した後、第2光学部材86の第2
基板86bの第2の斜面86eに形成されたフィルタ8
9を透過して第2光学部材86から出射され、1/4波
長板90に入射する。この1/4波長板90に入射した
光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換され
て1/4波長板90から出射される。
【0119】その後光源2から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束す
る。
【0120】そして高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板90に入射する。この
光は、高密度光ディスク18で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板90を通過する際には楕円偏光から光
源2から出射された往きの光の偏光方向と略直交する直
線偏光に変換されることとなる。即ち仮に光源2から出
射される際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部
材に入射することとなる。
【0121】1/4波長板90を通過した光は、第2光
学部材86に入射し、第2基板86bの第2の斜面86
eに形成してあるフィルタ89をほとんど透過して、第
2光学部材86から出射され、シールド部材85を透過
して、第1光学部材72に入射する。
【0122】そして第1光学部材72の第2の斜面72
bに形成されている偏光分離膜75に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると直
交する向きになっているので、光は偏光分離膜75をほ
とんど透過して、第1光学部材72の第3の斜面72c
に形成されている光路分割手段83に入射する。この光
路分割手段83により、入射してきた光は、その略半分
が透過され、略半分が反射されることになる。
【0123】そして光路分割手段83を透過した光は、
そのまま第1光学部材72の下に設けられている受光手
段91の所定の位置に形成されている受光部に所定の形
状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供するこ
とになる。
【0124】また光路分割手段83で反射された光は、
第1光学部材72の第2の斜面72bに設けられている
反射膜81で反射されて受光手段91にも受けられてい
る所定の受光部に所定の形状の光束が形成され、目的に
応じた信号形成に供することとなる。
【0125】記録媒体が低密度光ディスク19である場
合には、光源9から出射された光を用いて記録若しくは
再生を行う。この場合、光源9から出射された光は、ま
ず第1光学部材72の第1の斜面72aに形成された反
射膜74で反射されて、第2の斜面72bに形成されて
いる偏光分離膜76に入射する。この偏光分離膜76は
光源9から出射された直線偏光を反射し、それと直交す
る偏光方向の光を透過する働きを有しているので、光源
9から入射してきた光は反射される。
【0126】その後第1光学部材72から出射された光
は、第2光学部材86の第1基板86aの下端面に形成
された拡散角変換手段87に入射する。この拡散角変換
手段87により、光源9から出射された光は拡散角を変
換されて、拡散光だった光は収束光となって第2基板8
6bから出射され、第2光学部材86の第2基板86b
の第1の斜面86dに形成された複数ビーム形成手段8
8に入射し、偏光分離膜88aを透過して、ビーム分離
部88bで反射される際に1本のメインビームと2本の
サイドビームとに分離されたのち、第2の斜面86eに
形成されているフィルタ89に入射する。このフィルタ
89は光源9から出射された光を反射し、光源2から出
射された光を透過するように形成されているので、複数
ビーム形成手段88からフィルタ89に入射した光はほ
とんど反射されて第2光学部材86から出射される。
【0127】その後光源9から出射された光は、1/4
波長板90に入射する。この1/4波長板90に入射し
た光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換さ
れて1/4波長板90から出射される。
【0128】その後光源9から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束す
る。
【0129】そして低密度光ディスク19で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板90に入射する。この
光は、低密度光ディスク19で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板90を通過する際には楕円偏光から光
源9を出射された往きの光の偏光方向と略直交する直線
偏光に変換されることとなる。即ち仮に光源9から出射
される際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部材
に入射することとなる。
【0130】1/4波長板90を通過した光は、第2光
学部材86に入射し、その第2基板86bの第2の斜面
86eに形成してあるフィルタ89でほとんど反射され
て、第1の斜面86dに設けられている複数ビーム形成
手段88に入射する。この場合は、入射する光の偏光方
向が往きの光とは略直交する方向となっているので、入
射してきた光はビーム分離部88bにほとんど入射する
ことなく偏光分離膜88aで反射されて、第2基板86
bから出射され、第1基板86aに形成されている拡散
角変換手段87に入射する。
【0131】この拡散角変換手段87で拡散光として入
射してきた光は、その拡散角を変換されて収束光となっ
て第2光学部材86から出射され、シールド部材85を
透過して、第1光学部材72に入射する。
【0132】そして第1光学部材72の第2の斜面72
bに形成されている偏光分離膜76に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると略
直交する向きになっているので、光は偏光分離膜76を
ほとんど透過して、第3の斜面72cに形成されている
光路分割手段84に入射する。この光路分割手段84に
より、入射してきた光は、その略半分が透過され、略半
分が反射されることになる。
【0133】そして光路分割手段84を透過した光は、
そのまま第4光学部材の下部に設けられている受光手段
92の所定の位置に形成されている受光部に所定の形状
の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供すること
になる。
【0134】また光路分割手段84で反射された光は、
第2の斜面72bに設けられている反射膜82で反射さ
れて受光手段92に設けられている所定の受光部に所定
の形状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供す
ることとなる。
【0135】先程も説明したように本実施の形態におい
ては、この様な光源載置部71の側面部71aに光源2
と光源9とを光源載置部71の底面から略同一の高さに
配置している。即ち光源2の発光点2aと光源9の発光
点9aとを結んだ直線は、記録媒体の表面に対して略垂
直となっている。
【0136】この様な配置にすることにより、光源2か
ら出射された光が第1光学部材72を通過する際に形成
する光軸を含む第1の平面と、光源9から出射された光
が第1光学部材72を通過する際に形成する光軸を含む
第2の平面及び光源9から出射された光が第2光学部材
86を通過する際に形成する光軸を含む第3の平面を光
の伝搬面として利用することができる。即ち記録媒体の
表面に対して垂直な面若しくは平行な面のいずれかの面
のみを伝搬面とするのではなく、そのいずれの面も伝搬
面として利用することができる。
【0137】またこの時第1の平面と第2の平面とを略
平行な関係とすることにより、本来第1の平面を構成す
る光軸に係る光の一部が、第2の平面を構成する光軸に
係る光が入射すべき光学素子に入射して迷光成分となる
こと、若しくは逆に本来第2の平面を構成する光軸に係
る光の一部が、第1の平面を構成する光軸に係る光が入
射すべき光学素子に入射して迷光成分となることを防止
できるので、この様な構成を有する光ピックアップの光
学特性を良好なものとすることができ、高性能な光ピッ
クアップを提供することができる。
【0138】このような立体的な伝搬面の形成を行うこ
とにより、各光学部材の空間利用効率を向上させること
ができる。これにより各光学部材の小型化が可能とな
り、これらの光学部材を搭載した光ピックアップの小型
化にも寄与することになる。
【0139】更にこのような空間の立体的な利用を行う
際に、記録媒体に平行な面内方向の利用頻度を記憶媒体
に非平行な面内方向の利用頻度に比べて高くすることに
より、各光学部材の薄型化が可能となるので、光ピック
アップの薄型化を可能にすることができる。このことに
より特に携帯型のパソコン等の情報端末に搭載される光
ディスクドライブに最適な光ピックアップを提供するこ
とができる。
【0140】なお本実施の形態においては光源2と光源
9を記録媒体の表面に対して略垂直に配置していたが、
これらの光源の配置は記録媒体の表面に対して非平行、
即ち記録媒体の表面に垂直な高さ方向に分布を有するよ
うな配置とすることにより、上記した目的を達成するこ
とができる。
【0141】
【発明の効果】以上示してきたように、本願発明は、第
1の光源,第2の光源,受光手段を収納するとともに、
光が通過する開口部を備えたパッケージと、複数の斜面
を有し、第1の光源から出射された光を複数回反射して
所定の光路に導くと共に第2の光源から出射された光を
複数回反射して所定の光路に導く光学部材とを備え、光
学部材の第1の光源からの光の光路中に第1の光源から
導かれてきた光の拡散角を変換する拡散角変換手段が形
成されており、前記拡散角変換手段が、前記光学部材を
構成する部材の有する屈折率よりも小さな屈折率を有す
る物質と接触していることにより、拡散角変換手段にお
ける拡散角の大きさをより大きくすることができ、拡散
角変換手段の構成をより簡単にすることができる。従っ
て拡散角変換手段の生産性引いては光ピックアップの生
産性を向上させることができる。
【0142】また拡散角変換手段が形成されている光学
部材の屈折率と前記拡散角変換手段が接触している物質
の屈折率の差が0.35以上、好ましくは0.5以上と
したことにより、より簡単な構成で大きな拡散角を得る
ことができるので、拡散角変換手段の製造を容易にし、
また拡散角変換手段製造時の不良の発生を削減すること
ができるので、光ピックアップの信頼性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における集積化された光
学ヘッドの断面図
【図2】本発明の実施の形態1における光学部分の詳細
な断面図
【図3】本発明の実施の形態1における無限光学系での
発光点とコリメータレンズとの関係を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における対物レンズのシ
フトの有無による波面収差量とL5,L6との関係を示
した図
【図5】本発明の実施の形態1における拡散角変換手段
の断面図
【図6】従来の光ピックアップの光学系を示す図
【符号の説明】
70 パッケージ 70a 基板部 70b 側壁部 70c 端子 70d 開口部 71 光源載置部 71a 面 72 第1光学部材 72a 第1の斜面 72b 第2の斜面 72c 第3の斜面 72d 面 73,74 反射膜 75,76 偏光分離膜 77,78 ホログラム 79,80 反射部 81,82 反射膜 83,84 光路分割手段 85 シールド部材 86 第2光学部材 86a 第1基板 86b 第2基板 86d 第1の斜面 86e 第2の斜面 87 拡散角変換手段 88 複数ビーム形成手段 88a 偏光分離膜 88b ビーム分離部 89 フィルタ 90 1/4波長板 91 受光手段 92 受光手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 泰一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の光源と、第2の光源と、前記第1,
    2の光源それぞれから出射され記録媒体で反射されてき
    た光を受光する受光手段と、前記第1の光源,前記第2
    の光源,前記受光手段を収納するとともに、光が通過す
    る開口部を備えたパッケージと、複数の斜面を有し、前
    記第1の光源から出射された光を複数回反射して所定の
    光路に導くと共に前記第2の光源から出射された光を複
    数回反射して所定の光路に導く光学部材とを備え、前記
    光学部材の第1の光源からの光の光路中に第1の光源か
    ら導かれてきた光の拡散角を変換する拡散角変換手段が
    形成されており、前記拡散角変換手段が、前記光学部材
    を構成する部材の有する屈折率よりも小さな屈折率を有
    する物質と接触していることを特徴とする光ピックアッ
    プ。
  2. 【請求項2】拡散角変換手段が形成されている光学部材
    の屈折率と前記拡散角変換手段が接触している物質の屈
    折率の差が0.35以上、好ましくは0.5以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  3. 【請求項3】拡散角変換手段が接している物質が気体で
    あることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ
  4. 【請求項4】気体が不活性ガスであることを特徴とする
    請求項3記載の光ピックアップ。
  5. 【請求項5】拡散角変換手段は拡散光を収束光に変換す
    ることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載の光ピ
    ックアップ。
  6. 【請求項6】拡散角変換手段は入射してくる光の光軸に
    対して略垂直に配置されており、拡散角が変換される前
    の光の光軸と変換された後の光の光軸とがほぼ同一であ
    ることを特徴とする請求項1〜5いずれか1記載の光ピ
    ックアップ。
  7. 【請求項7】拡散角変換手段が形成されている光学部材
    の面がパッケージ内部に面していることを特徴とする請
    求項1〜6いずれか1記載の光ピックアップ。
JP9268497A 1997-10-01 1997-10-01 光ピックアップ Pending JPH11110786A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100481735B1 (ko) * 2000-09-29 2005-04-08 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 집적 광학 부재 및 광 픽업 장치
US7106681B1 (en) 1999-10-25 2006-09-12 Hitachi, Ltd. Optical head arrangements with single substrate lasers

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7106681B1 (en) 1999-10-25 2006-09-12 Hitachi, Ltd. Optical head arrangements with single substrate lasers
KR100481735B1 (ko) * 2000-09-29 2005-04-08 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 집적 광학 부재 및 광 픽업 장치

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