JPH11102530A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JPH11102530A
JPH11102530A JP26576397A JP26576397A JPH11102530A JP H11102530 A JPH11102530 A JP H11102530A JP 26576397 A JP26576397 A JP 26576397A JP 26576397 A JP26576397 A JP 26576397A JP H11102530 A JPH11102530 A JP H11102530A
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JP
Japan
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light source
light
optical
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source mounting
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Application number
JP26576397A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Kono
治彦 河野
Hiroshi Tanigawa
浩 谷川
Taiichi Mori
泰一 森
Masaharu Fukakusa
雅春 深草
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力光源からの熱を効率よく放熱すること
ができる光ピックアップを実現することを目的とする。 【解決手段】 光源2を載置する光源載置部1fを光源
9を載置する光源載置部8fよりも大きく構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの情報
の記録や再生を行う光ピックアップに係り、特に、CD
やCD−ROM等の従来型光ディスクやデジタルビデオ
ディスク(DVD、DVD−ROM、DVD−RAM)
等の高密度光ディスクのようにディスク基板の厚みや記
録密度等の規格の異なる光ディスクの記録や再生が可能
な光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来型光ディスクとして、音楽ソフトや
コンピュータ用ソフトの媒体としてコンパクトディスク
(CD、CD−ROM)が幅広く普及しているが、近
年、映像ソフトや大容量コンピュータソフトの媒体とし
て、高密度光ディスク(DVD、DVD−ROM)が提
案され実用化されようとしている。高密度光ディスクで
は、光ピックアップの集光手段の開口数を従来型光ディ
スクの0.45から0.60に高めるとともに、半導体
レーザの波長を従来型光ディスクの780nmから65
0nmあるいは635nmに短波長化することにより、
光ディスクの記録面に結像されるスポット径をさらに微
小化し、記録密度を従来型光ディスクの4.2倍程度に
まで高めている。一方、ディスクの傾きにより生じる波
面収差は開口数の3乗とディスク基板の厚みに比例する
ため、高密度光ディスクではディスクの傾きによる波面
収差が増大することを抑制するために、ディスク基板の
厚みを従来型光ディスクの1.2mmに対して半分の
0.6mmに設定している。
【0003】このような背景にあって、高密度光ディス
ク用の光ピックアップ装置は、現在までに出版されたソ
フトの資産を有効に活用できるようにするために、高密
度光ディスクだけでなく従来型光ディスクの再生が可能
であることが要求されている。しかしながら、高密度光
ディスク用に設計された光学系をそのまま従来型光ディ
スクに用いると、ディスク基板の厚みの違いにより大き
な球面収差が発生して、結像スポットがボケて情報の再
生ができないという問題が生じる。
【0004】さらに加えて第3の記録媒体としてCD−
Rと呼ばれている一回だけ書き換え可能な追記型光ディ
スクが存在している。このCD−Rの反射膜は波長依存
性が非常に高いので、規格で定められている780nm
近傍の発振波長を有する光源しか用いることができな
い。
【0005】この問題を解決するための従来の技術につ
いて以下詳細に説明する。図14は従来の光ピックアッ
プの光学系を示す断面図である。図14において、20
0および300は光源で、光源200は高密度光ディス
クを再生するために用いられる波長が635〜650n
mの半導体レーザであり、光源300は低密度光ディス
クおよび追記型低密度光ディスク(以下まとめて低密度
光ディスクと称す)を再生するために用いられる波長が
780nmの半導体レーザである。201はプリズム
で、プリズム201にはハーフミラー201aが設けら
れている。202はコリメータレンズで、コリメータレ
ンズ202は拡散光を平行光に変換する働きを有してい
る。203は対物レンズ保持部で、対物レンズ保持部2
03には低密度光ディスク用レンズ204と高密度光デ
ィスク用レンズ205が保持されている。対物レンズ保
持部203は光ディスクの種類に応じてレンズを切り替
えられるような構成を有している。206は高密度光デ
ィスク、207は低密度光ディスクである。
【0006】以下図14に示す光ピックアップの動作に
ついて説明する。まず最初に低密度光ディスクに対する
動作について説明する。図14において、光源載置部2
12に載置された光源200から照射された光は所定の
拡散角を有した状態でプリズム201に入射し、ハーフ
ミラー201aで反射された光束208のみがコリメー
タレンズ202に入射する。そしてコリメータレンズ2
02で拡散光から平行光に変換された光束209は対物
レンズに入射する。ここで対物レンズは予め対物レンズ
保持部203を切り替えて、低密度光ディスク用レンズ
204が配置されているようにしておく。低密度光ディ
スク用レンズ204に入射した光束209は集光されて
低密度光ディスク207に収束される。そして低密度光
ディスク207で反射された光は、所定の経路を介して
受光素子(図示せず)に導かれる。
【0007】次に高密度光ディスクに対する動作につい
て説明する。図14において、光源載置部213に載置
された光源300から照射された光は所定の拡散角を有
した状態でプリズム201に入射し、ハーフミラー20
1aを透過した光束210のみがコリメータレンズ20
2に入射する。そしてコリメータレンズ202で拡散光
から平行光に変換された光束211は対物レンズに入射
する。ここで対物レンズは予め対物レンズ保持部203
を切り替えて、高密度光ディスク用レンズ205が配置
されているようにしておく。低密度光ディスク用の対物
レンズ205に入射した光束211は集光されて高密度
光ディスク206に収束される。そして高密度光ディス
ク206で反射された光は、所定の経路を介して受光素
子(図示せず)に導かれる。
【0008】そしてこのときどちらの光源を用いるか、
及び、どちらの対物レンズを用いるかは、ユーザによっ
てセットされたディスクが高密度であるか低密度である
かを判断して切り替える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の光ピックアップでは、光源200を載置する光源載置
部212と、光源300を載置する光源載置部213と
の形状も材質も全く同一であったため、特により高出力
の光源300からの放熱が非常に難しいという問題点が
あった。
【0010】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、高出力光源300からの熱を効率よく放熱すること
ができる光ピックアップを実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の光源を載置する第1の光源載置部と、第2の
光源を載置する第2の光源載置部の大きさを異ならせ、
また第1の光源載置部と第2の光源載置部とを接触させ
て設けた。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、第1の
光源と、第2の光源と、前記第1の光源を載置する第1
の光源載置部と、前記第2の光源を載置する第2の光源
載置部とを備え、前記第1の光源の出力が前記第2の光
源の出力よりも大きい場合、前記第1の光源載置部の熱
容量を、前記第2の光源載置部の熱容量よりも大きくし
たことにより、第1の光源で発生した熱を第2の光源で
発生した熱に比べてより効率よく光源載置部に伝導させ
ることができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、第1の光源と、
第2の光源と、前記第1の光源を載置する第1の光源載
置部と、前記第2の光源を載置する第2の光源載置部と
を備え、前記第1の光源の出力が前記第2の光源の出力
よりも大きい場合、前記第1の光源載置部の大きさを、
前記第2の光源載置部の大きさよりも大きく形成したこ
とにより、第1の光源載置部の熱容量を大きくすること
ができ、第1の光源からの熱を効率よく伝導することが
できる。
【0014】請求項3に記載の発明は、第1の光源載置
部の体積を第2の光源載置部の体積よりも大きくしたこ
とにより、第1の光源載置部の熱容量を大きくすること
ができ、第1の光源からの熱を効率よく伝導することが
できる。
【0015】請求項4に記載の発明は、第1の光源載置
部の表面積を第2の光源載置部の表面積よりも大きくし
たことにより、第1の光源載置部からの輻射熱の量を大
きくすることができるので、効率よく第1の光源で発生
する熱を放出することができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、第1の光源載置
部の熱伝導量を第2の光源載置部の熱伝導量よりも大き
くしたことにより、第1の光源で発生した熱を伝導によ
り効率よく外部に放出することができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、第1の光源載置
部からの単位時間当たりの輻射熱量を第2の光源載置部
からの単位時間当たりの輻射熱量よりも大きくしたこと
により、より大きな出力を有する第1の光源で発生する
熱を輻射を利用してより効率よく放出することができ
る。
【0018】請求項7に記載の発明は、第1の光源と、
第2の光源と、前記第1の光源を載置する第1の光源載
置部と、前記第2の光源を載置する第2の光源載置部
と、前記第1の光源と、前記第2の光源と、前記第1の
光源載置部と、前記第2の光源載置部とを収納する収納
部材とを備え、前記第1の光源の出力が前記第2の光源
の出力よりも大きい場合、前記第1の光源載置部の熱容
量を、前記第2の光源載置部の熱容量よりも大きくした
ことにより、第1の光源で発生した熱を第2の光源で発
生した熱に比べてより効率よく光源載置部に伝導させる
ことができ、同一光ピックアップ内に収納された複数の
光源からより効率よく放熱させることができる。
【0019】請求項8に記載の発明は、第1の光源と、
第2の光源と、前記第1の光源を載置する第1の光源載
置部と、前記第2の光源を載置する第2の光源載置部
と、前記第1の光源と、前記第2の光源と、前記第1の
光源載置部と、前記第2の光源載置部とを収納する収納
部材とを備え、前記第1の光源の出力が前記第2の光源
の出力よりも大きい場合、前記第1の光源載置部の大き
さを前記第2の光源載置部の大きさよりも大きく形成し
たことにより、第1の光源載置部の熱容量を大きくする
ことができ、第1の光源からの熱を効率よく伝導するこ
とができ、同一光ピックアップ内部に設けられた複数の
光源からの熱をそれぞれの光源の出力に応じて放出する
ことができる。
【0020】請求項9に記載の発明は、第1の光源と、
第2の光源と、前記第1の光源を載置する第1の光源載
置部と、前記第2の光源を載置する第2の光源載置部
と、前記第1の光源と、前記第2の光源と、前記第1の
光源載置部と、前記第2の光源載置部とを収納する収納
部材とを備え、前記第1の光源載置部と前記第2の光源
載置部とを接触させて設けたことにより、第1の光源が
動作中に発生する熱を第1の光源載置部だけでなく、第
1の光源載置部に熱的に接触した第2の光源載置部を介
しても熱を伝導することができる。
【0021】(実施の形態1)まず最初に本発明の実施
の形態1について図を参照しながら説明する。
【0022】図1は、本発明の実施の形態1における光
ピックアップの構成と光路を示す図である。なお図1中
で、点線は従来型光ディスクを再生する場合の光路を示
し、実線は、高密度光ディスクを再生する場合の光路を
示している。図1において、1は第1のパッケージであ
り、第1のパッケージ1は、高密度光ディスク用の光を
出射する光源2や高密度光ディスクで反射された光を受
光する受光素子3等が載置される基板部1a及びそれら
の部材を包含するように設けられている側壁部1b等に
より形成されている。これらの基板部1aと側壁部1b
等は一体で形成しても別体で形成しても良い。なお一体
で形成した場合には、組立工程の簡素化を図ることがで
き、生産性の向上が可能になる。第1のパッケージ1を
形成する材料としては金属、セラミック等の材料を用い
ることが、光源2で発生する熱を良好に放出できるので
好ましい。
【0023】そして金属材料の中でも、熱伝導性が高い
Cu,Al,Fe等の金属材料やFeNi合金やFeN
iCo合金等の合金材料を用いることが好ましい。なぜ
ならばこれらの材料は安価で放熱性が高く、かつ、高周
波重畳回路等からの電磁波等のノイズを遮断する電磁シ
ールドとしての効果も有するからである。これらの中で
も特にFe,FeNi合金,FeNiCo合金は熱抵抗
が小さく、放熱性が良好なので、光源2で発生する熱を
効率的に外部に放出することができる。またこれらの材
料は、低コストであるので、光ピックアップ装置を低価
格で提供することが可能になる。
【0024】また第1のパッケージ1はその基板部1a
及び必要に応じて側壁部1bを大きな熱容量を有するキ
ャリッジ(図示せず)に当接させることにより、光源2
で発生する熱を外部に逃がしている。従ってキャリッジ
に接触している基板部1aの面積が大きければ大きいほ
ど放熱性が良好になる。
【0025】なお本実施の形態においてはパッケージ1
を基板部1aと側壁部1bとで構成したが、基板部1a
と蓋等のキャップで覆って構成しても良い。
【0026】さらに基板部1aには光源2に電力を供給
したり、受光素子3からの電気信号を演算回路(図示せ
ず)に伝達する端子1cが設けてある。この端子1cは
ピンタイプのものであっても良いし、プリントタイプの
ものであっても良い。ここで特にピンタイプで端子1c
を形成した場合について説明する。端子1cは、金属材
料から構成されている基板部1aに電気的に接触しない
ようにしながら、基板部1aに設けられている複数の孔
(図示せず)に挿入されている。この端子1cの材質と
してはFeNiCo合金,FeNi合金,FeCr合金
等を用いることが好ましい。基板部1aと端子1cの間
の電気的な接触を断つ手段としては、孔において端子1
cと基板部1aと接する部分については絶縁性の皮膜等
が設けることが好ましく、更にこの部分から外気が混入
してこないように密閉しておくことが好ましい。このよ
うな要求を満たすものとしてハーメチックシール等の絶
縁及び密閉の双方を同時に行えるものを用いることが好
ましい。ここでは特に整合封止型若しくは圧縮封止型の
ハーメチックシールを用いることが好ましい。なぜなら
ばこれらの部材は極めて容易に絶縁と密閉の双方を行う
ことができ、さらに極めて安価であるので、端子1cの
基板部1aへの取付工程を簡略化でき、さらには光ピッ
クアップの製造コストを削減できるからである。また同
時に広い温度範囲にわたって高い気密性及び絶縁性を保
つことができるので、光ピックアップの信頼性を高くす
ることができ、かつ端子形状も比較的自由に変形するこ
とができるので、設計の自由度も大きくすることができ
る。
【0027】光源2としては単色で、干渉性、指向性お
よび集光性が良好なものを用いることが、適当な形状の
ビームスポットを比較的容易に形成でき、ノイズ等の発
生を抑制できるので好ましい。このような条件を満たす
ものとして、固体、ガス及び半導体等の各種レーザ光を
用いることが好ましい。特に半導体レーザはその大きさ
が非常に小さく、光ピックアップの小型化を容易に実現
することができるので、光源2としては最適である。
【0028】そしてこのときの光源2の発振波長は80
0nm以下であることが、光源から出射された光が記録
媒体上に収束する際のビームスポットを容易に記録媒体
に形成されているトラックのピッチ程度の大きさにする
ことができるので好ましい。更に光源2の発振波長が6
50nm以下であれば、非常に高密度で情報が記録され
ている記録媒体をも再生することができる程度に小さな
ビームスポットを形成できるので、大容量の記憶手段を
容易に実現することができ、特に高密度光ディスクの対
する記録再生に供される光源2としては好ましい。
【0029】光源2を半導体レーザで構成した場合、8
00nm程度以下の発振波長を実現できる材料として
は、AlGaInP,AlGaAs,ZnSe,GaN
等があり、これらの中でも特にAlGaAsは、化合物
材料の中でも結晶成長が容易であり、従って半導体レー
ザの製造が容易であるので、歩留まりが高く、高い生産
性を実現することができるので好ましい材料である。ま
た650nm以下の発振波長を実現できる材料として
は、AlGaInP,ZnSe,GaN等がある。これ
らの材料を用いた半導体レーザを光源2として用いるこ
とにより、記録媒体上に形成されるビームスポット径を
より小さくすることができるので、さらなる記録密度の
向上が可能になり、従って高密度光ディスクの再生が可
能になる。
【0030】これらの中でも特にAlGaAsPは長期
間にわたり安定した性能を有しているので、光源2の信
頼性を向上させることができるので好ましい材料であ
る。
【0031】また光源2の出力は、再生専用である場合
には3〜10(mW)程度であることが、再生に必要な
光量を十分に確保しつつエネルギーの消費を最小限に抑
制でき、更には光源2から放出される熱量も抑制できる
ので好ましい。記録再生兼用である場合には、記録の際
に記録層の状態を変化させるために大きなエネルギーを
必要とするので、少なくとも20(mW)以上の出力が
必要となる。但し出力が60mWを超えると光源2から
放出される熱を外部に逃がすことが難しくなり、光源2
及びその周辺部が高温になってしまい、光源の寿命が著
しく低下し、最悪の場合には光源が破壊される危険性が
ある。このため電気回路が誤動作を起こしたり、光源2
自体が波長変動を起こして発振波長がシフトしたり、信
号にノイズが混入したりして、光ピックアップの信頼性
が大きく低下してしまうので好ましくない。
【0032】次に光源2を載置する光源載置部1fにつ
いて説明する。光源載置部1fはその形状が直方体状若
しくは板形状で、その上面若しくは側面にはには光源2
が取り付けられている。この光源載置部1fは、基板部
1a若しくは側壁部1b等に設けられており、光源2を
載置するとともに、光源2で発生した熱を逃がす働きを
有している。光源載置部1fと光源2との接合には熱伝
導等を考慮すると、光源載置部1fの上面に予めAu−
Snなどの半田を鍍金しておき、高温で半田付けする方
法やAu−Sn,Sn−Ag,Sn−Sb,Sn−Pb
−In等の箔(厚さ数μm〜数十μm)を高温で圧着す
る方法を用いることが好ましい。また光源2は光源載置
部1fの載置面に対して略平行に取り付けなければ光学
系の収差や結合効率の低下等の原因になる。従って接合
の際には光源2は光源載置部1fに所定の位置に所定の
高さで載置面に対して略平行にマウントされることが好
ましい。
【0033】さらに光源載置部1fの上面には光源2の
下面と電気的に接触するように電極面が設けられてい
る。この電極面は光源2の電源供給用のもので、電極面
を構成する金属膜としては導電性や耐食性を考慮してA
uの薄膜を用いることが好ましい。
【0034】また光源載置部1fは、光源2で発生する
熱や光源2との取付等の問題から、熱伝導性が高く、か
つ、線膨張係数が光源2のそれ(約6.5×10-6
℃)に近い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が3
〜10×10-6/℃で、熱伝導率が100W/mK以上
である物質、例えばAlN,SiC,T−cBN,Cu
/W,Cu/Mo,Si等を、特に高出力の光源2を用
いる場合で熱伝導率を非常に大きくしなければならない
ときにはダイアモンド等を用いることが好ましい。光源
2と光源載置部1fの線膨張係数が同じか近い数値とな
るようにした場合、光源2と光源載置部1fの間の歪み
の発生を抑制することができるので、光源2と光源載置
部1fとの取付部分が外れたり、光源2にクラックが入
る等の不都合を防止することができる。しかしながら本
範囲を外れた場合には、光源2と光源載置部1fの間に
大きな歪みが生じてしまい、光源2と光源載置部1fと
の取付部分が外れたり、光源2にクラック等を生じる可
能性が高くなる。また光源載置部1fの熱伝導率をでき
るだけ大きく取ることにより、光源2で発生する熱を効
率よく外部に逃がすことができる。しかしながら熱伝導
率が本限定以下の場合には、光源2で発生した熱が外部
に逃げ難くなるため、光源2の温度が上昇し、光源2か
ら出射される光の波長がシフトしてしまい、記録媒体で
の光の収束位置が微妙に異なってしまい、再生信号に多
くのノイズ成分が混入してしまったり、光源2の出力が
低下してしまい、記録媒体に対する記録再生動作が正常
に行えなくなったり、更には光源2の寿命が短くなった
り、最悪の場合には光源2が破壊されてしまう等の不都
合が発生しやすくなる。本実施の形態では、これらの2
つの特性のどちらにも非常に優れたAlNを用いた。更
に光源載置部1fの上面には光源2との接合性を良くす
るために、光源載置部1fから光源2に向かってTi,
Pt,Auの順に薄膜を形成することが好ましい。な
お、光源載置部1fの材質としてSiを用いた場合には
Ti層の前にAl23膜や部材表面の表面酸化膜等の絶
縁層を形成しておくことが好ましい。
【0035】第1のパッケージ1の出射部1dには第1
光学部材5が接合されている。この第1光学部材5は、
光源2から出射され記録媒体で反射されてきた光を受光
素子3の所定の位置に導く働きを有している。ここでは
第1光学部材5が複数の斜面を有しており、それぞれの
斜面に形成された光学素子を用いて戻り光を誘導する場
合の構成について説明する。
【0036】第1光学部材5は、その内部に第1の斜面
5aと第2の斜面5bとが形成されている。さらに第1
の斜面5aにはハーフミラーや偏光分離膜等で構成され
ている光路分割手段6が形成してあり、第2の斜面5b
には入射してきた光を受光素子3に導く反射手段7が形
成されている。また特に高密度光ディスクの書き換え可
能な場合には、非常に高いエネルギーを光ディスクに照
射する必要があるので、光源2から出射された光をでき
るだけ効率よく光ディスク上に導く必要がある。このこ
とを考慮して光路分割手段6を偏光分離膜で形成して1
/4波長板4と組み合わせて用いることが、光の利用効
率を向上させ、複数種類の光ディスクを用いて記録もし
くは再生を行えるので好ましい。また光源2からの出射
光量を抑制することができるので、光源2の長寿命化を
図ることができ、引いては光ディスク装置の信頼性を向
上させることができるので好ましい。
【0037】ここで1/4波長板4は、直線偏光で入射
してきた光を楕円偏光に変換する働きを有しており、記
録媒体で反射されて回転方向が反対になった楕円偏光は
前述した入射の偏光方向と直交する直線偏光に変換す
る。
【0038】なお反射手段7の位置には、目的(例えば
非点収差を用いたフォーカスエラー信号の形成等)に応
じた光学素子を配置することが好ましい。例を挙げると
ナイフエッジ法によりフォーカスエラー信号を形成する
際には、反射手段7の位置にはナイフエッジを形成でき
る光学素子を形成し、非点収差法を用いてフォーカスエ
ラー信号を得る場合には、反射手段7の位置には非点収
差を形成できる光学素子を形成する。そしてこれらの光
学素子は第1光学部材5中に形成されることを考慮する
と、ホログラム等で形成することが、例えばレンズ等で
構成している場合に比べて薄く形成することができるの
で、空間をより有効に利用することが可能になり、第1
光学部材5の小型化、薄型化を容易に行うことができる
ので好ましい構成である。
【0039】また第1光学部材5は全体として平行平面
板状に形成されていることが収差の発生等を防止でき、
従って良好な再生信号形成若しくはファーカス・トラッ
キング信号形成を行うことができるので好ましい。さら
に第1光学部材5はその上面及び下面が透過する光の光
軸に対して正確にほぼ垂直となるように取り付けられて
いることが、非点収差の発生を防止でき、スポットのぼ
けによる再生信号の劣化を防止することができる。
【0040】また第1光学部材5を形成する材料として
は、ガラスや樹脂などの高い光透過性を有する材料を用
いることが、光量の減少を防止できるとともに第1光学
部材5を透過した光の光学特性を劣化させないので好ま
しい。特にガラスは複屈折が起こらず、従って透過した
光の特性を良好に保持できるので、第1光学部材5の材
料として好ましい。更にガラスの中でもBK−7等の波
長分散の小さなすなわちアッベ数の大きな光学ガラスを
用いることが、特に波長変動による球面収差の発生を抑
制できるので好ましい。
【0041】そして、第1光学部材5の形成方法として
は、予め中に光学素子が形成されている複数のサイコロ
状のプリズムを直線状に接合して形成するか、もしく
は、板状の構成材料の所定の位置に光学素子を形成した
後にそれぞれの板状材料を張り合わせて所定の形状に切
り出す等の方法を用いることが、良好な生産性を得られ
るので好ましい。特に後者の方法では高い生産性と歩留
まりを両立させることができるので好ましい方法であ
る。
【0042】なお本実施の形態においては第1のパッケ
ージ1の側壁部1bに設けられた出射部1dに直接第1
光学部材5を接合していたが、第1のパッケージ1と第
1光学部材5とは離間して設けても良い。離間して設け
ることにより、パッケージ1の高さのばらつきが存在す
る場合に問題となる光源2と第1光学部材5との距離を
より正確に調整することが可能になるので、第1光学部
材5によって受光素子3に導かれた光の光学特性をより
良好に保つことができ、正確な信号の検出が可能にな
る。
【0043】次に図1において、8は第2のパッケージ
であり、第2のパッケージ8は、低密度光ディスク用の
光を出射する光源9や低密度光ディスクで反射された光
を受光する受光素子10等が載置される基板部8a及び
それらの部材を包含するように設けられている側壁部8
b等により形成されている。なお以下第2のパッケージ
8については特に第1のパッケージ1と異なる部分につ
いて説明する。
【0044】まず第2のパッケージ8を形成する材料と
しては金属、セラミック等の材料を用いることが、光源
9で発生する熱を良好に放出できるので好ましい。
【0045】そして金属材料の中でも、熱伝導性が高い
Cu,Al,Fe等の金属材料やFeNi合金やFeN
iCo合金等の合金材料を用いることが好ましい。なぜ
ならばこれらの材料は安価で放熱性が高く、かつ、高周
波重畳回路等からの電磁波等のノイズを遮断する電磁シ
ールドとしての効果も有するからである。これらの中で
も特にFe,FeNi合金,FeNiCo合金は熱抵抗
が小さく、放熱性が良好なので、光源9で発生する熱を
効率的に外部に放出することができる。またこれらの材
料は、低コストであるので、光ピックアップ装置を低価
格で提供することが可能になる。
【0046】ただし第2のパッケージ8を形成する材料
の熱伝導率は第1のパッケージ1を構成する材料の熱伝
導率に比べて同等であるか、より小さい方が好ましい。
なぜならば高密度光ディスク用の光源2は低密度光ディ
スク用の光源9よりも出力が同じか大きいことが多く、
従って光源2から放出される熱量も光源9から放出され
る熱量に比べて同じか大きくなっている。光源2及び光
源9間の放熱量が異なる場合に光源を保持し熱を放出す
る部分の熱伝導量が同様になるように構成すると、光源
2の方が光源9に比べて高温になってしまい、発振波長
がシフトして高密度光ディスクへの記録再生が正確に行
えなくなったり、電気回路系が誤動作を起こしたり、色
々な不都合が発生してしまう可能性があるからである。
【0047】第2のパッケージ8を形成する材料の熱伝
導率は第1のパッケージ1を構成する材料の熱伝導率に
比べて同等とするか、より小さくすることにより、光源
2の方が光源9に比べて高温になる可能性を低減するす
ることができるので、光源2の発振波長がシフトして高
密度光ディスクへの記録再生が正確に行えなくなった
り、電気回路系が誤動作を起こしたり、色々な不都合が
発生することを防止することができる。
【0048】また第1のパッケージ1と第2のパッケー
ジ8とのキャリッジ(図示せず)との接触面積は異なら
せることが好ましい。接触面積を異ならせることによ
り、面積の大きい方が単位時間当たりにより多くの熱を
放出することができるので、それぞれのパッケージの熱
伝導率の差では吸収できない発生熱量の差をうまく解消
することができる。ここではとくに第1のパッケージ1
のキャリッジへの接触面積を大きくしている。
【0049】光源9の発振波長は800nm以下である
ことが、光源から出射された光が記録媒体上に収束する
際のビームスポットを容易に記録媒体に形成されている
トラックのピッチ程度の大きさにすることができるので
好ましい。特に光源9としては光源2よりも発振波長が
長いものを用いることができ、例えばCDを再生する場
合には780nm程度で十分な大きさのビームスポット
を低密度光ディスク上に形成することができる。
【0050】次に光源9を載置する光源載置部8fにつ
いて説明する。光源載置部8fはその形状が直方体状若
しくは板形状で、その上面若しくは側面には光源9が取
り付けられている。この光源載置部8fは基板部8a若
しくは側壁部8bに設けられており、光源9を載置する
とともに、光源9で発生した熱を逃がす働きを有してい
る。光源載置部8fと光源9との接合には熱伝導等を考
慮すると、光源載置部8fと同様に、光源9で発生する
熱や基板部8aとの取付等の問題から、熱伝導性が高
く、かつ、線膨張係数が光源9及び基板部8aに近い材
質を用いることが好ましい。しかしながら光源9から発
生する熱量は光源2からのそれに比べてそれほど大きく
はないので、これらの特性値の要求は光源載置部1fに
比べるとそれほど厳しくはない。従って光源載置部8f
は、線膨張係数が光源9のそれ(約6.5×10-6
℃)に近く、かつ熱伝導率が、光源2と光源9の出力比
を考慮すると、光源載置部1fのそれに比べて1/5以
上である材質を用いることが好ましい。具体的には線膨
張係数が3〜10×10-6/℃で、熱伝導率が20W/
mK以上である物質を用いることが好ましい。例えばこ
のような材料としては、光源載置部1fの材質例で示し
たもの以外にMo,Cu,Fe,FeNiCo合金,F
eNi合金等があり、ここでは光源載置部1fを形成し
たAlNに比べて非常に安価で、これらの特性に比較的
優れたCu,Mo等の材料で光源載置部8fを形成し
た。
【0051】また光源載置部1fの基板部1a若しくは
側壁部1bに接する面積は、光源載置部8fよりも大き
くして、基板との接触面積を光源載置部8fのそれと比
較して小さくすることが望ましい。このような構成とす
ることにより、光源9よりも一般的に発熱量の大きい光
源2に発生する熱を特に良好に基板に伝導させることが
できる。従って高温に対して耐性の低い半導体レーザを
用いた場合においても、光源2の使用中の温度が光源9
のそれよりも大幅に高くなることを防止できるので、結
果として光源2の寿命が光源9の寿命よりも明らかに短
くなることがなくなり、光ピックアップの寿命を相対的
に長くすることがでるとともに信頼性を向上させること
ができる。
【0052】更に光源載置部8fは、第1のパッケージ
1の光源載置部1fに比べて小さく形成されているの
で、これについて説明する。
【0053】光源載置部1fに載置される光源2は高密
度光ディスクの記録若しくは再生に供されるものであ
り、光源載置部8fに載置される光源9は低密度光ディ
スクの再生に供されるものである。
【0054】光ディスクにおける記録には、非常に出力
の大きな光源(通常出力20w以上)を用いることが一
般的であるのに対し、光ディスクにおける再生には、あ
まり大きな出力の光源は必要とされず、通常は数mwク
ラスの光源を用いることが一般的である。
【0055】従って記録にも用いられる可能性のある光
源2を載置する光源載置部1fと再生に用いられる光源
9を載置する光源載置部8fとでは、要求される放熱性
のレベルに違いがあり、この違いに対応する1つの方法
として、その形状自体を異ならせることが効果的であ
る。
【0056】即ち光源載置部1fの大きさを光源載置部
8fの大きさに比べて大きく構成して、光源載置部1f
の熱容量を大きくし、光源2で発生する熱が効率よく光
源載置部1fに伝わるように構成した。
【0057】このような構成としたことにより、光源2
から発生する熱を伝導により光源載置部1fに放出で
き、さらに光源載置部1fから基板部1a若しくは側壁
部1bへの伝導による放熱と共に光源載置部8fの表面
からの輻射による放熱をより大きな割合で用いることが
できるようになるので、発熱量の多い光源2からの熱を
非常に効率的に放出することができるようになる。
【0058】さらにこの時、光源載置部1fの伝導熱量
は光源載置部8fの熱伝導量よりも大きいことが好まし
い。この様な構成とすることにより、より出力の大きな
光源2からの熱を光源載置部1fを介してより効率的に
外部に放出することができるようになる。
【0059】これにより光源2の周囲に熱が蓄積され
て、光源2が高温になることにより発生する光源2から
出射される光の波長のシフトを抑制することができる。
さらに光源2の温度上昇を効率よく抑制することができ
るので、光源2が熱により劣化したり、破壊されたりす
ることを抑制することができ、従って光ピックアップの
信頼性を向上させることができる。
【0060】なお本実施の形態においては光源載置部の
形状を異ならせることで光源載置部を差別化していた
が、光源載置部の体積を異ならせることが、蓄積される
熱量に最も効果的に作用するのでこのましい。
【0061】また光源載置部1fの表面積を光源載置部
8fの表面積よりも大きくすることにより、光源載置部
1f表面からの輻射熱量をより大きくすることができ
る。そして光源載置部1fからの単位時間当たりの輻射
熱量を光源載置部8fからの単位時間当たりの輻射熱量
に比べて多くすることにより、輻射によっても光源載置
部1fから効率よく外部に熱を放出することができ、光
源2の熱的負荷を低減することができる。
【0062】なお本実施の形態においては2つの光源パ
ッケージを用いていたが、2以上であれば何個用いても
良い。この場合それぞれの光源パッケージに搭載される
光源の出力に応じて光源載置部の物理的性質を異ならせ
ることが好ましい。
【0063】以上示してきたように、光源2を載置する
光源載置部1fの物理的な性質(例えば熱容量、大き
さ、体積、表面積等)を光源9を載置する光源載置部8
fの物理的な性質と異ならせたことにより、高出力でよ
り高温になる可能性の高い光源2から発生する熱を効率
よく放出することができるようになるので、光源2が高
温になり、発振波長がシフトしてしまったり、光源2が
熱のため破壊されてしまうのを防止することができる。
【0064】また光源2と光源9の動作時の温度をほぼ
同一とすることができるようになる、即ちいずれか片方
のみが大幅に高い温度で動作することがないので、光源
2及び光源9の寿命が大幅に異なることがなくなり、従
って光ピックアップの寿命が極端に違うと言うことのな
い信頼性の高い光ピックアップとすることができる。
【0065】第2光学部材11は、その構成はほぼ第1
光学部材5と同様であるが、斜面に形成された光学素子
に違いがある場合があるので、それについて説明する。
第1の斜面11aにはハーフミラーや偏光分離膜等で構
成されている光路分割手段12が形成してあり、第2の
斜面11bには入射してきた光を受光素子10に導く反
射手段13が形成されている。
【0066】ここで高密度光ディスクと低密度光ディス
クとでは信号検出方法が異なる場合が多い。従って受光
素子10における受光部の配置は、受光素子3の受光部
の配置とは異なっている場合が多い。従って受光素子1
0に光ディスクからの光を導く際に反射手段13でフォ
ーカスエラー信号等を形成している場合には、反射手段
13の形状は反射手段7の構成とは異ならせて、それぞ
れの光ディスクに最適な信号形成を行うことが、より正
確な信号形成及び動作制御を行うことができ、より信頼
性の高い、誤動作の少ない光ピックアップを実現するこ
とができるので好ましい構成である。
【0067】次に第1のパッケージ1と第1光学部材5
とにより囲まれた空間の内部、即ち光源2及び受光素子
3等が配置されている空間は密閉されることが好まし
い。このような構成にすることにより、ゴミや水分等の
不純物のパッケージ内部への進入を防止することができ
るので、光源9や受光素子10の性能を維持することが
できるとともに出射される光の光学特性の劣化も防止す
ることができる。さらに第1のパッケージ1と第1光学
部材5とで密閉された空間にはN2ガス、乾燥空気若し
くはArガス等の不活性ガスを封入しておくことが、第
1のパッケージ1の内部に接している第1光学部材5等
の表面に結露が生じて光学特性が悪化してしまったり、
光源2や受光素子3の酸化などによる特性の劣化を防止
することができるのでさらに好ましい。なお、第2のパ
ッケージ8についても同様であることが好ましい。
【0068】次に15は光路分割手段で、光路分割手段
15は、光源2及び光源9からの光の双方を光ディスク
方向に導く働きを有するものである。光路分割手段15
としてはハーフミラーや偏光分離膜等を用いることが一
般的であるが、さらに好ましくは光源2からの光を高い
割合で透過するとともに光源9からの光を高い割合で反
射する様な性質を有していることが望ましい。このよう
な場合には光路分割手段15での光の損失を最小限に抑
制することができ、従って光の利用効率を向上させるこ
とができる。光の利用効率の向上は、光源2または光源
9からの出射光量を抑制することを可能にするので、光
源2及び光源9の長寿命化を図ることができ、引いては
この光ピックアップを搭載した光ディスク装置の信頼性
を向上させることができるので好ましい。
【0069】上記したような性質を有する光路分割手段
15として、波長選択機能を有する反射手段を用いるこ
とが好ましい。この波長選択機能を持つ反射手段は、あ
る波長を有する光を透過するとともに別の波長の光は反
射する働きを有しており、特に本実施の形態においては
光源2からの光をほぼ透過し、光源9からの光をほぼ反
射するように光路分割手段15を構成することが、光源
2及び光源9の光の利用効率を最も効率的に設定でき
る。従って光源2若しくは光源9のどちらかに大きな負
荷がかかることがほとんどなくなるので、光源2及び光
源9の寿命を平均化でき、ひいては光ピックアップの長
寿命化を実現できるので好ましい構成である。
【0070】なお本実施の形態においては1/4波長板
4及び1/4波長板14をそれぞれの第1光学部材5及
び第2光学部材11に設けていたが、このようにする代
わりに光路分割手段15のコリメータレンズ16側の端
面と光ディスクの間であれば何れの位置に設けてもよ
い。このような構成とすることにより2つ必要であった
1/4波長板を1つ減らすことができるので、生産性を
向上させることができると共により安価な光ピックアッ
プとすることができる。特に光路分割手段15のコリメ
ータレンズ16側の端面に予め形成しておくことが、工
数を削減でき、より生産性を向上させることができるの
で好ましい構成である。
【0071】16はコリメータレンズで、コリメータレ
ンズ16は光源2,9から出射された光の拡散角を変換
して、入射前は拡散光だった光をほぼ平行光に変換する
働きを有している。17は集光レンズで、集光レンズ1
7は入射してきた光を集光して光ディスク上にビームス
ポットを形成するもので、レンズ駆動手段(図示せず)
によって、フォーカス方向およびトラッキング方向に移
動できるように支持されている。コリメータレンズ16
により集光レンズ17に入射する光の光量を増加させる
ことができるので、光の利用効率が向上する。従って光
源9を最大出力よりも大幅に低い出力で使用することが
でき、光源9の寿命を長くすることができ、引いては光
ピックアップ装置の信頼性を向上させることができる。
【0072】なおコリメートレンズ16を用いる代わり
に例えば第1光学部材5及び第2光学部材11等に光の
拡散角を変換するような機能を設けても良い。この場合
にはコリメートレンズ16を設けなくても良くなるの
で、正確な位置あわせが不要になるとともに部品点数の
削減により、生産性の向上を図ることができる。
【0073】次にこのような構成を有する光ピックアッ
プ装置の動作について図を参照しながら説明する。
【0074】18はスピンドルモータ(図示せず)に取
り付けられた高密度光ディスクであり、高密度光ディス
ク18はディスク基板の厚みが0.6mm程度のものを
2枚張り合わせて成形されていることが多い。光源2の
発光点2aから出射された光束2bは、第1光学部材5
の第1の斜面5aに形成してある光路分割手段6を透過
して、1/4波長板4で直線偏光から円偏光に偏光方向
を変えて、光路分割手段15に入射する。そして光路分
割手段15をほぼ透過した後、コリメータレンズ16で
光束2cに変換され、集光レンズ17により光束2dの
ように集光される。集光レンズ17は高密度光ディスク
18のデータが再生できる程度にまで微小スポットに絞
れるように開口数が0.6程度に設計されている。
【0075】次に、図1を用いて、低密度光ディスク1
9を再生する往路光の光路について説明する。なおここ
では低密度光ディスク19の厚みは1.2mm程度であ
る。光源9の発光点9aから出射された出射光9bは第
2光学部材11の第1の斜面11aに設けられている光
路分割手段12を透過して、1/4波長板14で直線偏
光から円偏光に偏光方向を変えて、光路分割手段15に
入射する。そして光路分割手段15でほぼ反射された
後、コリメータレンズ16で光束9cに変換され、集光
レンズ17で低密度光ディスク19に光束2dのように
集光される。
【0076】このとき低密度光ディスク19を再生する
時の集光レンズ17の焦点距離L2は、高密度光ディス
ク18を再生する時の集光レンズ17の焦点距離L1よ
りも長くなるように設定されている。この焦点距離の差
は1.0mm以下、好ましくは0.6mm以下とするこ
とが、種類の異なる複数のディスクをそれぞれ再生する
際に、集光レンズ17を保持するアクチュエータを大き
く駆動する必要がほとんどなくなる。従って焦点位置の
調整を容易に行うことができ、従って基板の厚さの違い
に非常に良好に対応することができるので好ましい。
【0077】このように複数の光源からの光が記録媒体
上の異なる位置に焦点を結ぶようにしたことにより、異
なる基板厚さを有する記録媒体を同一の光ピックアップ
装置によって再生することが可能になる。即ち厚さが
1.2mmのCD−ROM等の低密度光ディスク19と
厚さが0.6mmの単板もしくはこの単板の両面張り合
わせで形成されたDVD等の高密度光ディスク18とを
同じ光ピックアップ装置で記録再生することが可能にな
るのである。
【0078】なおこの焦点距離L1及び焦点距離L2
は、集光レンズ17等の光学部材の可動範囲を大きく取
ることにより、ある程度変更することが可能であるの
で、例えば高密度光ディスク18を張り合わせ光ディス
クや複数の記録層を有する光ディスクの再生も可能にな
る。
【0079】次に、高密度光ディスク18および低密度
光ディスク19からの反射光を検出するまでの光路すな
わち復路について説明する。
【0080】まず、高密度光ディスク18を再生する場
合について説明する。高密度光ディスク18からの反射
光は、往路とほぼ同じ光路をたどって光路分割手段15
を透過し、1/4波長板4で円偏光から最初の偏光方向
に直交する直線偏光に変換され、第1光学部材5の第1
の斜面5aに形成された光路分割手段6に入射する。光
路分割手段6はここでは偏光分離膜で形成されているの
で、入射した光はほぼ反射されて、反射手段7に導かれ
る。反射手段7は目的に応じた光学素子で形成されてい
るが、ここではフォーカスエラー信号を形成する素子が
設けられている。従って反射手段7で反射された光はフ
ォーカスエラー信号を形成しつつ受光素子3に集光され
て高密度光ディスク18に記録されたデータに応じた信
号及びトラックエラー信号及びフォーカスエラー信号を
検出する。
【0081】次に、低密度光ディスク19を再生する場
合について説明する。低密度光ディスク19からの反射
光は、往路とほぼ同じ光路をたどって、光路分割手段1
5で反射され、1/4波長板14で円偏光から最初の偏
光方向に直交する直線偏光に変換され、第2光学部材1
1の第1の斜面11aに形成された光路分割手段12に
入射する。光路分割手段12はここでは偏光分離膜で形
成されているので、入射した光はほぼ反射されて、反射
手段13に導かれる。反射手段13は目的に応じた光学
素子で形成されているが、ここではフォーカスエラー信
号を形成する素子が設けられている。従って反射手段1
3で反射された光はフォーカスエラー信号を形成しつつ
受光素子10に集光されて低密度光ディスク19に記録
されたデータに応じた信号及びトラックエラー信号及び
フォーカスエラー信号を検出する。
【0082】このように複数の光源を別々の位置に配置
した場合には、それぞれの光源から出射された光に発生
する波面収差が大きく異なる場合が多く、この波面収差
を補正することのできる収差補正機能を備えたレンズを
集光レンズとして用いる必要があり、結果としてそれぞ
れの光束に応じた複数の集光レンズを用いる必要が生じ
ることが一般的に多い。本実施の形態ではそれぞれ光源
2,9の発光点2a,9aとコリメートレンズの間の距
離を最適化することによりこの問題を回避しているので
以下この点について説明する。
【0083】図2は本発明の実施の形態1における無限
光学系での発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
である。図2において、L3はコリメータレンズ16か
ら発光点2aまでの距離を示しており、L4はコリメー
タレンズ16から発光点9aまでの距離を示している。
更に図3は本発明の実施の形態1における波面収差量と
L3,L4との関係を示している。すなわちL3とL4
の比を変化させたときに集光レンズ入射時に発生してい
る波面収差量を集光レンズ17がトラッキング方向に5
00μmシフトしている場合(太線)とトラッキング方
向のシフトが無い場合(細線)とで比較しているもので
ある。一般に光ディスクを再生中の集光レンズはトラッ
キング方向に最大500μm程度シフトする可能性があ
り、また集光レンズに入射する光を有効に光ディスク上
に収束させるために許容される波面収差量はRMS値で
0.07λ(たたしλは光の波長を示す)以下程度とさ
れていることを考慮すると、比較的収差の発生量が多
く、集光レンズ17への光の入射条件がきつくなる発光
点9aからの光に対して集光レンズ17のシフト量が最
大(500μm)のときの波面収差量が0.07λ以下
であれば、どちらの発光点からの光も集光レンズ17に
入射した光は集光レンズ17のシフト量に拘わらず光デ
ィスク上に収束されることになると考えられる。この条
件を満たす範囲としては、図3から明らかなように、L
3とL4との比(L4÷L3=H、以下Hで表記する)
が0.55<H<0.75であることが好ましいことが
わかる。
【0084】またこの範囲を満足していれば、記録媒体
で反射されて戻っていく光に発生する波面収差量も抑制
することができるので、反射光を受光する受光素子に対
して良好に入射し、優れた信号特性を得ることができ
る。
【0085】更に同じ条件において波面収差量がRMS
値で0.04λ以下であれば、どちらの発光点からの光
も集光レンズ17に入射した光は集光レンズ17のシフ
ト量に拘わらず光ディスク上に非常に正確に収束される
ことになると考えられる。この条件を満たす範囲として
は、図3から明らかなように、L3とL4との比(H)
が0.58<H<0.70であることが、さらに信号特
性を向上させることができるので、好ましいことがわか
る。
【0086】Hの値が上記した範囲に存在するように光
学系の配置を行うことにより、同一光学系中に複数の光
束を有する光ピックアップにおいて、すべての光束にお
ける波面収差を理論限界値以下とすることができるの
で、一つの集光レンズ17を用いることにより、いずれ
の光束も光ディスク上に集光させることができる。
【0087】従って対物レンズ17の数が一つで良いの
で、集光レンズを削減することができるとともに集光レ
ンズの切替手段も設けなくて良くなり、光ピックアップ
の小型化や部品点数の削減による生産性の向上、複雑な
機構を廃することによる光ピックアップの信頼性の向
上、動作スピードの向上等を実現することができる。
【0088】なお本実施の形態はコリメータレンズ16
を用いた無限系の光学系を用いていたが、図4に示すよ
うな有限系の光学系を用いることも考えられる。図4は
本発明の実施の形態1における有限光学系での発光点と
集光レンズとの関係を示す図である。図4において、L
3は集光レンズ17から発光点2aまでの距離を示して
おり、L4は集光レンズ17から発光点9aまでの距離
を示している他は無限光学系と同様である。更に一方が
無限光学系で、一方が有限光学系で構成されている光ピ
ックアップにおいても同様に定義することができる。
【0089】(実施の形態2)以下本発明の実施の形態
2について図面を参照しながら説明する。
【0090】図5は本発明の実施の形態2における集積
化した光ピックアップの断面図である。なお図5におい
ては、実施の形態1と同様の構成を有する部材について
は同一の番号を付加している。
【0091】図5において、20はパッケージで、パッ
ケージ20は、高密度光ディスク18用の光を出射する
光源2,低密度光ディスク19用の光を出射する光源
9、光源2および光源9を載置する光源載置部20f,
20gや高密度光ディスク18及び低密度光ディスク1
9で反射された光を受光する受光素子21等が載置され
る基板部20a及びそれらの部材を包含するように設け
られている側壁部20b等により形成されている。パッ
ケージ20を構成する基板部20a,側壁部20bおよ
び端子20cについては大きさを除いてほぼ第1のパッ
ケージ1の基板部1a,側壁部1bおよび端子1cと同
様の構成を有している。
【0092】次に光源2を載置する光源載置部20fに
ついて説明する。光源載置部20fはその形状が直方体
状若しくは板形状で、その上面若しくは側面には光源2
が取り付けられている。この光源載置部20fは、基板
部20a若しくは側壁部20bに設けられており、光源
2を載置するとともに、光源2で発生した熱を逃がす働
きを有している。光源載置部20fと光源2との接合に
は熱伝導等を考慮すると、光源載置部20fの上面に予
めAu−Snなどの半田を鍍金しておき、高温で半田付
けする方法やAu−Sn,Sn−Ag,Sn−Sb,S
n−Pb−In等の箔(厚さ数μm〜数十μm)を高温
で圧着する方法を用いることが好ましい。
【0093】また光源2は光源載置部20fの載置面に
対して略平行に取り付けなければ光学系の収差や結合効
率の低下等の原因になる。従って接合の際には光源2は
光源載置部20fに所定の位置に所定の高さで載置面に
対して略平行にマウントされることが好ましい。
【0094】次に光源載置部20fの上面には光源2の
下面と電気的に接触するように電極面が設けられてい
る。この電極面は光源2の電源供給用のもので、電極面
を構成する金属膜としては導電性や耐食性を考慮してA
uの薄膜を用いることが好ましい。
【0095】更に光源載置部20fは、光源2で発生す
る熱や光源2との取付等の問題から、熱伝導性が高く、
かつ、線膨張係数が光源2のそれ(約6.5×10-6
℃)に近い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が3
〜10×10-6/℃で、熱伝導率が100W/mK以上
である物質、例えばAlN,SiC,T−cBN,Cu
/W,Cu/Mo,Si等を、特に高出力の光源2を用
いる場合で熱伝導率を非常に大きくしなければならない
ときにはダイアモンド等を用いることが好ましい。
【0096】光源2と光源載置部20fの線膨張係数が
同じか近い数値となるようにした場合、光源2と光源載
置部20fの間の歪みの発生を抑制することができるの
で、光源2と光源載置部20fとの取付部分が外れた
り、光源2にクラックが入る等の不都合を防止すること
ができる。しかしながら本範囲を外れた場合には、光源
2と光源載置部20fの間に大きな歪みが生じてしま
い、光源2と光源載置部20fとの取付部分が外れた
り、光源2にクラック等を生じる可能性が高くなる。
【0097】また光源載置部20fの熱伝導率をできる
だけ大きく取ることにより、光源2で発生する熱を効率
よく外部に逃がすことができる。しかしながら熱伝導率
が本限定以下の場合には、光源2で発生した熱が外部に
逃げ難くなるため、光源2の温度が上昇し、光源2から
出射される光の波長がシフトしてしまい、記録媒体での
光の収束位置が微妙に異なってしまい、再生信号に多く
のノイズ成分が混入してしまったり、光源2の出力が低
下してしまい、記録媒体に対する記録再生動作が正常に
行えなくなったり、更には光源2の寿命が短くなった
り、最悪の場合には光源2が破壊されてしまう等の不都
合が発生しやすくなる。本実施の形態では、これらの2
つの特性のどちらにも非常に優れたAlNを用いた。
【0098】更に光源載置部20fの光源載置面には光
源2との接合性を良くするために、光源載置部20fか
ら光源2に向かってTi,Pt,Auの順に薄膜を形成
することが好ましい。なお、光源載置部20fの材質と
してSiを用いた場合にはTi層の前にAl23膜や部
材表面の表面酸化膜等の絶縁層を形成しておくことが好
ましい。
【0099】次に光源9を載置する光源載置部20gに
ついて説明する。光源載置部20gはその形状が直方体
状若しくは板形状で、その上面若しくは側面には光源9
が取り付けられている。この光源載置部20gは基板部
20a若しくは側壁部20bに設けられており、光源9
を載置するとともに、光源9で発生した熱を逃がす働き
を有している。光源載置部20gと光源9との接合には
熱伝導等を考慮すると、光源載置部20fと同様に、光
源9で発生する熱や基板部20aとの取付等の問題か
ら、熱伝導性が高く、かつ、線膨張係数が光源9及び基
板部20aに近い材質を用いることが好ましい。
【0100】しかしながら光源9から発生する熱量は光
源2からのそれに比べてそれほど大きくはないので、こ
れらの特性値の要求は光源載置部20fに比べるとそれ
ほど厳しくはない。従って光源載置部20gは、線膨張
係数が光源9のそれ(約6.5×10-6/℃)に近く、
かつ熱伝導率が、光源2と光源9の出力比を考慮する
と、光源載置部20fのそれに比べて1/5以上である
材質を用いることが好ましい。
【0101】具体的には線膨張係数が3〜10×10-6
/℃で、熱伝導率が20W/mK以上である物質を用い
ることが好ましい。例えばこのような材料としては、光
源載置部20fの材質例で示したもの以外にMo,C
u,Fe,FeNiCo合金,FeNi合金等があり、
ここでは光源載置部20fを形成したAlNに比べて非
常に安価で、これらの特性に比較的優れたCu,Mo等
の材料で光源載置部20gを形成した。
【0102】また光源載置部20fの基板部20a若し
くは側壁部20bに接する面積は、光源載置部20gよ
りも大きくして、基板部20a若しくは側壁部20bと
の接触面積を大きく取ることが望ましい。このような構
成とすることにより、光源9よりも一般的に発熱量の多
い光源2に発生する熱を特に良好に基板部20a若しく
は側壁部20bに伝導させることができる。従って高温
に対して耐性の低い半導体レーザを用いた場合において
も、光源2の使用中の温度が光源9のそれよりも大幅に
高くなることを防止できるので、結果として光源2の寿
命が光源9の寿命よりも明らかに短くなることがなくな
り、光ピックアップの寿命を相対的に長くすることがで
きるとともに信頼性を向上させることができる。
【0103】以上示してきたように、発振波長の異なる
複数の光源からの光を複数の光学素子が形成された1つ
の光学部材で所定の光路に導くピックアップにおいて、
複数の光源のそれぞれの光源載置部の熱伝導量を異なら
せる、例えば出力の大きな光源を載置する光源載置部の
熱伝導量は大きくして、出力の小さな光源を載置する光
源載置部の熱伝導量は小さくするように構成したことに
より、複数の光源のいずれにおいても光源に対する熱の
影響を最小限に抑制することができるので、出力の大き
な光源と出力の小さな光源との寿命のばらつきを抑制で
き、結果として光ピックアップの寿命を長くすることが
できるとともに光ピックアップの信頼性を向上させるこ
とができる。
【0104】更に光源9を載置する光源載置部20g
は、光源2を載置する光源載置部20fに比べて小さく
形成されているので、これについて説明する。
【0105】光源載置部20fに載置される光源2は高
密度光ディスクの記録若しくは再生に供されるものであ
り、光源載置部20gに載置される光源9は低密度光デ
ィスクの再生に供されるものである。
【0106】光ディスクにおける記録には、非常に出力
の大きな光源(通常出力20w以上)を用いることが一
般的であるのに対し、光ディスクにおける再生には、あ
まり大きな出力の光源は必要とされず、通常は数mwク
ラスの光源を用いることが一般的である。
【0107】従って記録にも用いられる可能性のある光
源2を載置する光源載置部20fと再生に用いられる光
源9を載置する光源載置部20gとでは、要求される放
熱性のレベルに違いがあり、この違いに対応する1つの
方法として、その形状自体を異ならせることが効果的で
ある。
【0108】即ち光源載置部20fの大きさを光源載置
部20gの大きさに比べて大きく構成して光源載置部2
0fの熱容量を大きくし、光源2で発生する熱が効率よ
く光源載置部20fに伝わるように構成した。
【0109】このような構成としたことにより、光源2
から発生する熱を伝導により光源載置部20fに放出で
き、さらに光源載置部20fから基板部20a若しくは
側面部20bへの伝導による放熱されることになるの
で、発熱量の多い光源2からの熱を非常に効率的に放出
することができるようになる。
【0110】これにより光源2の周囲に熱が蓄積され
て、光源2が高温になることにより発生する光源2から
出射される光の波長のシフトを抑制することができる。
さらに光源2の温度上昇を効率よく抑制することができ
るので、光源2が熱により劣化したり、破壊されたりす
ることを防止することができ、従って光ピックアップの
信頼性を向上させることができる。
【0111】さらにこの時、光源載置部20fの熱伝導
量は光源載置部20gの熱伝導量よりも大きいことが好
ましい。この様な構成とすることにより、より出力の大
きな光源2からの熱を光源載置部20fを介してより効
率的に外部に放出することができるようになる。
【0112】さらに本実施の形態においては、光源載置
部20fと光源載置部20gとを接触させている。この
様な構成としたことにより、光源2で発生した熱を光源
載置部20fからの輻射や基板部20aへの伝導に加え
て、動作していない光源9を載置する光源載置部20g
への伝導によって逃がすことができるようになるので、
さらに放熱効率を向上させることができる。
【0113】また光源載置部20fと光源載置部20g
とを接触させることで、光源2と光源9との間の相対的
な位置あわせを容易に行えるようになる。即ち光源2を
光源載置部20fの所定の位置に予め接合しておき、さ
らに光源9を光源載置部20gの所定の位置に予め接合
している場合、両者を接触させないと相対的な位置を手
探りで合わせる必要があるが、両者を接触させた場合に
は、両者間の距離が大まかには合っているので、その近
傍で微妙な位置あわせのみを行えば良く、位置あわせに
かかる時間を大幅に短縮することができる。
【0114】なお本実施の形態においては光源載置部の
形状を異ならせることで光源載置部を差別化していた
が、光源載置部の体積を異ならせることが、蓄積される
熱量に最も効果的に作用するのでこのましい。
【0115】また光源載置部20fの表面積を光源載置
部20gの表面積よりも大きくすることにより、光源載
置部20f表面からの輻射熱量をより大きくすることが
できる。そして光源載置部20fからの単位時間当たり
の輻射熱量を光源載置部20gからの単位時間当たりの
輻射熱量に比べて多くすることにより、輻射によっても
光源載置部20fから効率よく外部に熱を放出すること
ができ、光源2の熱的負荷を低減することができる。
【0116】以上示してきたように、光源2を載置する
光源載置部20fの物理的な性質(例えば熱容量、大き
さ、体積、表面積等)を光源9を載置する光源載置部2
0gの物理的な性質と異ならせたことにより、高出力で
より高温になる可能性の高い光源2から発生する熱を効
率よく放出することができるようになるので、光源2が
高温になり、発振波長がシフトしてしまったり、光源2
が熱のため破壊されてしまうのを防止することができ
る。
【0117】また光源2と光源9の動作時の温度をほぼ
同一とすることができるようになる、即ちいずれか片方
のみが大幅に高い温度で動作することがないので、光源
2及び光源9の寿命が大幅に異なることがなくなり、従
って光ピックアップの寿命が極端に違うと言うことのな
い信頼性の高い光ピックアップとすることができる。
【0118】なお本実施の形態では光源を2つしか設け
ていなかったが、3つ以上設けても良い。その場合光源
載置部は光源毎に設けても良いし、出力の大きいものを
分離して光源毎に設け、出力の小さいものは1つの載置
部にまとめて設けても良い。
【0119】22は光学部材で、光学部材22は光源2
および光源9から出射された光を所定の光路に導くとと
もに光ディスクで反射されて戻ってきた光を受光素子2
1に導く働きを有している。光学部材22は、第1の斜
面22a,第2の斜面22bおよび第3の斜面22cを
有する第1基板22dと、第1基板22dの光源側の端
面に接合された第2基板22eから構成されている。
【0120】以下光学部材22中に存在する各種光学素
子について説明する。23は拡散角変換手段で、拡散角
変換手段23は第2基板22eの光源側の端面に光源2
から出射される光の光軸に合わせて設けられており、光
源2から入射してきた光の拡散角を小さくする働き、す
なわち光源2の発光点2aから出射された光を見た目上
より遠くから出射されたように光路を変換するもので、
実質的に記録媒体と反対方向に発光点をずらし、光源か
ら記録媒体までの光路長を長くする働きを有している。
拡散角変換手段23としては回折格子特にホログラムで
形成されていることが、光を高効率で透過させることが
できるので好ましい。特にホログラムとしては、4段以
上の階段状断面や鋸歯状断面を有するものを用いること
が、特に高効率に光を利用でき、光量の減少を防止でき
るので好ましい。
【0121】24は波長選択性のあるフィルタで、フィ
ルタ24は光源2から導かれてきた光をほぼ透過し、光
源9から導かれてきた光をほぼ反射する働きを有してい
る。
【0122】このフィルタ24を第1の斜面22aに形
成したことにより、光源2から出射された光をほとんど
妨げること無しに光源9から導かれてきた光を反射する
ことができるので、光源2および光源9から出射された
光を高い割合で記録媒体まで導くことができる。従って
光源2および光源9から出射される光の量を増加させな
くとも記録媒体への記録もしくは再生が可能になるの
で、光源2および光源9を高出力状態で動作させること
による光源2および光源9の短寿命化を防止できる。更
には光源2および光源9を低出力状態で用いることがで
きるので、光源2および光源9の温度上昇がほとんど起
こらず、従って温度変化に伴う光源2および光源9の発
振波長のシフトがほとんど起こらない。従ってより正確
に焦点形成が行える高性能な光ピックアップを提供する
ことができる。
【0123】25は偏光分離膜で、偏光分離膜25は特
定の偏光方向を有する光を透過し、それ以外の偏光方向
を有する光を反射する働きを有している。ここでは、偏
光分離膜25は、光源2および光源9から出射されるS
偏光成分を透過し、P偏光成分を反射するように形成さ
れている。この偏光分離膜25により、通過する光の量
をほとんど減少させることなく記録媒体へ導くことがで
きるので、光の利用効率を向上させることができ、引い
ては光源2および光源9の長寿命化を実現できるので好
ましい。
【0124】26は1/4波長板で、1/4波長板26
はその構成・働きともに実施の形態1に示した1/4波
長板4および1/4波長板14とほぼ同様であるので説
明を省略する。
【0125】27は拡散角変換手段で、拡散角変換手段
27は第2基板22eの光源側の端面に光源9から出射
される光の光軸に合わせて設けられており、光源9から
入射してきた光の拡散角を負にする働き、すなわち光源
9の発光点9aから出射された光を見た目上より近くか
ら出射されたように光路を変換するもので、実質的に記
録媒体に近づく方向に発光点をずらす。これにより光源
9の発光点は発光点9aから発光点9bに見かけ上移動
し、従って光源9から記録媒体までの光路長を短くする
働きを有している。拡散角変換手段27としては回折格
子特にホログラムで形成されていることが、光を高効率
で透過させることができるので好ましい。特にホログラ
ムとしては、4段以上の階段状断面や鋸歯状断面を有す
るものを用いることが、特に高効率に光を利用でき、光
量の減少を防止できるので好ましい。
【0126】28は複数ビーム形成手段で、複数ビーム
形成手段28は入射してきた光を複数の光束に分離して
反射する働きを有しており、ここでは拡散角変換手段2
7を通過してきた光を3つの光束に分離してフィルタ2
4に向けて反射している。複数ビーム形成手段28は、
回折格子で形成することが、効率よく複数の光束を形成
することができるので好ましい。ここでは回折格子で発
生する0次光および±1次光の3つの光束を主に形成す
るような構成を有している。ここで形成された複数の光
束は低密度光ディスク19のトラックの所定の位置に照
射され、戻ってきた光の光量を比較することにより、低
密度光ディスク19のトラッキングを行う通称3ビーム
法と呼ばれるトラッキング方法に供される。
【0127】29及び30は反射手段で、反射手段29
は偏光分離膜25で反射されてきた光を、反射手段30
は反射手段29で反射されてきた光を所定の方向に反射
する働きを有しており、Ag,Au,Cu等の高反射を
有する金属材料若しくは屈折率の異なる複数の誘電体材
料で形成されていることが好ましい。
【0128】31は拡散角変換手段で、拡散角変換手段
31は第1基板の22dの第3の斜面22cに形成され
ており、反射手段30から反射されてきた光束のうち、
拡散方向にある光の拡散角を収束方向に変化させると共
に、収束方向にある光束はそのまま反射する働きを有し
ている。
【0129】拡散角変換手段31としては回折格子特に
反射型ホログラムで形成されていることが、光を高効率
で透過させることができるので好ましい。特に反射型ホ
ログラムとしては、4段以上の階段状断面や鋸歯状断面
を有するものを用いることが、特に高効率に光を利用で
き、光量の減少を防止できるので好ましい。
【0130】本実施の形態においては、拡散角変換手段
31は、光源2から出射された光が形成する光束の大部
分を0次光として反射すると共に、光源9から出射され
た光が形成する光束の大部分を+1次光に回折するよう
に形成されている。これにより光源9から出射された光
の発光点位置が前方(記録媒体より)に移動したことに
より、受光素子21上で光源9からの光束が発散してし
まい、RF信号の検出やフォーカシング及びトラッキン
グ信号の形成が困難になることを防止できるので、正確
な信号形成を確実に行える高性能な光ピックアップを実
現することができる。
【0131】32は信号形成手段で、信号形成手段32
は第2基板22eの光源側の端面に設けられており、拡
散角変換手段31から導かれてきた光を受光素子21の
所定の位置に導くと共に入射してきた光束に所定の特性
を付与し、フォーカシング及びトラッキング用の信号を
形成することができる様な構成を有している。
【0132】33は受光素子で、受光素子33は、光源
2から出射された光のうちフィルタ24を透過せずに反
射してきた光及び光源9から出射された光のうちフィル
タ24で反射されずに透過した光を受光し、その信号を
光源2及び光源9の電源制御回路フィードバックするこ
とにより、光源2及び光源9の出力を制御している。
【0133】次に光学部材22を第1基板22d及び第
2基板22eに分けて形成した理由について説明する。
第1基板22dは複数の斜面を有しており、それらの斜
面に平行な位置に各種光学素子が配置されている。従っ
て第1基板に設けられている各種光学素子は入射してく
る光の光軸に対して傾斜して配置されていることにな
る。従って角度依存性の高い、例えばホログラムの様な
光学素子を第1基板22d中に形成すると、相当高い精
度で位置合わせを行わない限り、角度による公差が大き
くなり、記録媒体に向かう光の特性が劣化してしまう可
能性が非常に大きい。このことは信号特性の劣化につな
がり、結果として光ピックアップ装置の性能を低下させ
る要因となるので好ましくない。そこで本実施の形態に
おいては、特に角度依存性が高いと思われる拡散角変換
手段23,27を第1基板22dとは別体に設けられて
いる第2基板22eに形成して、光源2及び光源9から
出射される光の光軸に対して拡散角変換手段23,27
が略垂直になるように配置している。
【0134】このような配置としたことにより、記録媒
体へ導かれる光の特性が劣化してしまうことをほとんど
防止することができ、信号特性の劣化が少ない、高性能
な光ピックアップ装置を提供することができるので好ま
しい。
【0135】また第2基板22eに設けられている各種
光学素子は、第2基板22eの片面にのみ形成されてい
ることが好ましい。
【0136】なぜならばこれらの光学素子は所定の形状
のマスクを介してエッチング等の物理的若しくは化学的
方法により形成されるものであり、片面のみに形成した
方がマスクの枚数を減らすことができ、さらにエッチン
グの回数も減らせるので、工程数の削減も可能である。
加えて第2基板22eの原盤をひっくり返す必要もない
ので、複数回の位置合わせを省略することができる。従
って生産性を大幅に向上させることができると共に、製
造コストも低減することができるからである。
【0137】本実施の形態においては拡散角変換手段2
3,27及び信号形成手段32が第2基板22eの光源
側の端面に形成されている。
【0138】さらにパッケージ20と光学部材22とで
囲まれている空間は実施の形態1と同様に密閉してある
ことが好ましい。
【0139】以上示してきたように、複数の発振波長の
異なる光源からの光を複数の光学素子が形成された光学
部材に入射させて所定の光路に導くような構成としたこ
とにより、従来それぞれの光源に対して複数設けられて
いた光学素子等を1つに集約できるので、分散配置され
た光ピックアップに比べて、光ピックアップ全体の大き
さを大幅に小型化することができるとともにそれぞれの
光源に対する各光学素子間の位置あわせ等も不要になる
ので生産性が大幅に向上し、さらには各光学素子の取り
付け誤差も最小限度に抑制することができるので良好な
光学特性を実現でき、加えて各光学素子の取り付け誤差
に起因する光の損失を最小限に抑止できるので光の利用
効率の良好な光ピックアップを実現することができる。
【0140】さらに光源2から出射された光と光源9か
ら出射された光の少なくとも一方を光学部材22で複数
回反射して所定の光路に導くことにより、光学部材22
の大きさを小さくすることができるとともに反射なしで
導く場合に比べて光学部材22を出てからの光路長を短
くできるので、光ピックアップの小型化・薄型化を図る
ことができる。
【0141】また光源2および光源9からの光を複数の
光学素子が形成された光学部材22に入射させて所定の
光路に導くことにより、高密度光ディスク18に対する
光も低密度光ディスク19に対する光も、ともに正確に
それぞれの記録媒体に導くことができるとともに、複数
の光源それぞれに対応した複数の光学系を異なる光学部
材を用いて形成する必要がなくなり、部品点数の削減に
よる生産性の向上及びそれぞれの構成部材の位置あわせ
の簡略化を行うことができる。
【0142】更に本実施の形態では、光源2および光源
9を第2基板22eに対向するように設けられている。
即ち光源2および光源9から出射された光は、第2基板
22eの同一面に入射し、光学部材22に形成されてい
る各種光学素子により所定の性質を有する光束に変換さ
れて記録媒体に導かれる構成を有している。
【0143】このような構成としたことにより、光源2
および光源9は、第2基板22eの光源側の面22fを
基準面として、位置あわせを行うことができる。即ち複
数形成されている光源を1つの面22fを基準として位
置あわせを行うことができるので、光学部材22に形成
されている各種光学素子に対してより高精度で位置あわ
せを行うことが可能になり、光学部材22に設けられて
いる各種光学素子に対する位置ずれが原因で発生する光
学特性の劣化を防止することができる。また光源2と光
源9との相互の位置調整も基準となる面が1つであるの
でより容易に行うことができる。
【0144】従って光源間の位置ずれおよび光源と光学
素子との間の位置ずれがほとんど存在せず、光学特性の
良好な信頼性の高い光ピックアップを実現することがで
きる。
【0145】また本実施の形態では、第2基板22eの
光源に対向する面22fから光源2および光源9までの
距離を等しくしている。このような関係に光源2および
光源9を配置することによって、光源2および光源9を
例えば同一の平行平面部材に当て決めして固定すること
ができるので、光源2および光源9の高さ精度を容易に
確保することができる。そしてこれにより、高さ精度が
でていないことが原因で発生する光学特性の劣化を抑制
することができるので、良好な記録若しくは再生特性を
有した光ピックアップを実現することができる。
【0146】以上のような構成を有する光ピックアップ
の動作について説明する。記録媒体が高密度光ディスク
18である場合には、光源2から出射された光を用いて
記録若しくは再生を行う。この場合、光源2から出射さ
れた光は、拡散角変換手段23でその拡散角を小さくさ
れる、即ち光の広がりを小さくされる。
【0147】この拡散角変換手段23により、光源2か
ら出射された光のほとんどを高密度光ディスク18に向
けて輸送することができるので、特に記録の際に多く必
要とされる高密度光ディスク18上での板面光量を十分
に得ることができるようになる。従って記録再生共に良
好に行うことができる光ピックアップを提供することが
できるようになる。
【0148】また、光学部材22の所定の光路以外の部
分に混入してしまう光を減少させることができるので、
光学部材22中の迷光成分が減少し、従って迷光が受光
素子21等に入射して信号成分が劣化してしまうことを
防止することもできる。
【0149】拡散角変換手段23で光の広がりを小さく
された光は、フィルタ24をほとんど透過して、その後
に設けられいる偏光分離膜25もほとんど透過して1/
4波長板26に入射する。
【0150】1/4波長板26を通過する際に、それま
で直線偏光だった光は円偏光に変換されて、コリメータ
レンズ16がある場合にはコリメータレンズ16を通過
して平行光に変換されてから、無い場合には直接集光レ
ンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束され
る。
【0151】そして高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板26に入射し、それを
通過する際に円偏光から光源2を出射された時の偏光方
向と直交する直線偏光に変換されて偏光分離膜25に入
射する。ここで行きとは違い、今度は偏光方向が異なっ
ているので、偏光分離膜25で反射され、反射手段2
9,30を介して拡散角変換手段31に入射する。この
拡散角変換手段31で入射してきた光はほとんど回折さ
れることなく反射され、信号形成手段32で受光素子2
1上の所定の位置に所定の形状の光束を形成され、この
受光素子21上に入射する光に基づいてRF信号及びフ
ォーカス・トラッキングの両信号が形成され、情報の再
生を行うと共に光ピックアップの最適な制御を行ってい
る。
【0152】記録媒体が低密度光ディスク19である場
合には、光源9から出射された光を用いて記録若しくは
再生を行う。この場合、光源9から出射された光は、拡
散角変換手段27で光の広がりが拡散方向から収束方向
に、即ち拡散光から収束光に変換される。
【0153】拡散角変換手段27で収束光に変換された
光は、複数ビーム形成手段28で3ビームを発生させつ
つ反射されフィルタ24に入射する。そしてフィルタ2
4でほとんど反射され、その後に設けられいる偏光分離
膜25をほとんど透過して1/4波長板26に入射す
る。
【0154】1/4波長板26を通過する際に、それま
で直線偏光だった光は円偏光に変換されて、コリメータ
レンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過して
平行光に変換されてから、無い場合には直接集光レンズ
17に入射し、低密度光ディスク19へ収束される。
【0155】そして低密度光ディスク19で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板26に入射し、それを
通過する際に円偏光から光源9を出射された時の偏光方
向と直交する直線偏光に変換されて偏光分離膜25に入
射する。ここで行きとは違い、今度は偏光方向が異なっ
ているので、偏光分離膜25で反射され、反射手段2
9,30を介して拡散角変換手段31に入射する。この
拡散角変換手段31で入射してきた光はほとんど+一次
光に回折されて反射され、入射前に拡散光であった光は
収束光に変換された状態で。信号形成手段32に入射す
る。
【0156】信号形成手段32で受光素子21上の所定
の位置に所定の形状の光束を形成され、この受光素子2
1上に入射する光に基づいてRF信号及びフォーカス・
トラッキングの両信号が形成され、情報の再生を行うと
共に光ピックアップの最適な制御を行っている。
【0157】このように複数の光源を同一のパッケージ
内に配置した場合においても実施の形態1と同様に、そ
れぞれの光源から出射された光に発生する波面収差が大
きく異なる場合が多く、このためそれぞれ光源2,9の
発光点2a(2e),9a(9e)とコリメートレンズ
16の間の距離を最適化しているので以下この点につい
て説明する。なお実施の形態1とほぼ同様の構成を有す
る部分については同一の番号を付加している。
【0158】図6は本発明の実施の形態2における無限
光学系での発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
である。図6において、L5はコリメータレンズ16か
ら仮想発光点2eまでの距離を示しており、L6はコリ
メータレンズ16から仮想発光点9eまでの距離を示し
ている。更に図7は本発明の実施の形態2における対物
レンズのシフトの有無による仮想発光点からの光に発生
する波面収差量とL5,L6との関係を示している。す
なわちL5とL6の比を変化させたときに集光レンズ入
射時に発生している波面収差量を集光レンズ17がトラ
ッキング方向に500μmシフトしている場合(太線)
とトラッキング方向のシフトが無い場合(細線)とで比
較しているものである。一般に光ディスクを再生中の集
光レンズはトラッキング方向に最大500μm程度シフ
トする可能性があり、また集光レンズに入射する光を有
効に光ディスク上に収束させるために許容される波面収
差量はRMS値で0.07λ(たたしλは光の波長を示
す)以下程度とされていることを考慮すると、比較的収
差の発生量が多く、集光レンズ17への光の入射条件が
きつくなる発光点9aからの光に対して集光レンズ17
のシフト量が最大(500μm)のときの波面収差量が
0.07λ以下であれば、どちらの発光点からの光も集
光レンズ17に入射した光は集光レンズ17のシフト量
に拘わらず光ディスク上に収束されることになると考え
られる。この条件を満たす範囲としては、図7から明ら
かなように、L5とL6との比(L6÷L5=H、以下
Hで表記する)が0.50<H<0.75であることが
好ましいことがわかる。
【0159】またこの範囲を満足していれば、記録媒体
で反射されて戻っていく光に発生する波面収差量も抑制
することができるので、反射光を受光する受光素子に対
して良好に入射し、優れた信号特性を得ることができ
る。
【0160】更に同じ条件において波面収差量がRMS
値で0.04λ以下であれば、どちらの発光点からの光
も集光レンズ17に入射した光は集光レンズ17のシフ
ト量に拘わらず光ディスク上に非常に正確に収束される
ことになると考えられる。この条件を満たす範囲として
は、図3から明らかなように、L3とL4との比(H)
が0.53<H<0.70であることが、さらに信号特
性を向上させることができるので、好ましいことがわか
る。
【0161】Hの値が上記した範囲に存在するように光
学系の配置を行うことにより、同一光学系中に複数の光
束を有する光ピックアップにおいて、すべての光束にお
ける波面収差を理論限界値以下とすることができるの
で、一つの集光レンズ17を用いることにより、いずれ
の光束も光ディスク上に集光させることができる。
【0162】従って集光レンズの数が一つで良いので、
集光レンズを削減することができるとともに集光レンズ
の切替手段も設けなくて良くなり、光ピックアップの小
型化や部品点数の削減による生産性の向上、複雑な機構
を廃することによる光ピックアップの信頼性の向上、動
作スピードの向上等を実現することができる。
【0163】なお本実施の形態はコリメータレンズ16
を用いた無限系の光学系を用いていたが、有限系の光学
系を用いることも考えられる。この場合、無限系に比べ
てコリメータレンズを配置するスペースが不要になるの
で、光ピックアップ全体の大きさを小さくすることがで
きる。
【0164】(実施の形態3)以下本発明の実施の形態
3について図面を参照しながら説明する。図8は本発明
の実施の形態3における集積化された光ピックアップの
断面図であり、図9は本発明の実施の形態3における光
学部分の詳細な断面図である。ここで図9においる正断
面図は光路を直線状に描いている。また図8及び図9に
おいては、実施の形態1及び実施の形態2と同様の構成
を有する部材については同一の番号を付加している。
【0165】図8及び図9において、40はパッケージ
で、パッケージ40は、高密度光ディスク18用の光を
出射する光源2,低密度光ディスク19用の光を出射す
る光源9や高密度光ディスク18及び低密度光ディスク
19で反射された光を受光する受光手段58,59等が
載置される基板部40a及びそれらの部材を包含するよ
うに設けられている側壁部40b等により形成されてい
る。パッケージ40を構成する基板部40a,側壁部4
0bおよび端子40cについては大きさを除いてほぼ第
1のパッケージ1の基板部1a,側壁部1bおよび端子
1cと同様の構成を有している。
【0166】次に光源載置部42について説明する。光
源載置部42は、光源2を載置する光源載置部42bお
よび光源9を載置する光源載置部42cを有しており、
光源載置部42bおよび42cは、その形状がそれぞれ
直方体状若しくは板形状で、その上面若しくは側面には
光源2および光源9が取り付けられている。この光源載
置部42は、基板部40a若しくは側壁部40bに別部
材若しくは基板部40a,側壁部40bの一部として設
けられており、光源2及び光源9を載置するとともに、
光源2及び光源9で発生した熱を逃がす働きを有してい
る。
【0167】更に光源載置部42を構成する材料は、線
膨張係数が光源2及び光源9のそれ(約6.5×10-6
/℃)に近い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が
3〜10×10-6/℃で、熱伝導率が100W/mK以
上である物質、例えばAlN,SiC,T−cBN,C
u/W,Cu/Mo,Si等を、特に高出力の光源を用
いる場合で熱伝導率を非常に大きくしなければならない
ときにはダイアモンド等を用いることが好ましい。
【0168】光源2と光源載置部42b及び光源9と光
源載置部42cとの線膨張係数が同じか近い数値となる
ようにした場合、光源2及び光源9と光源載置部42の
間の歪みの発生を抑制することができるので、光源2及
び光源9と光源載置部42との取付部分が外れたり、光
源2及び光源9にクラックが入る等の不都合を防止する
ことができる。
【0169】また光源載置部42の熱伝導率をできるだ
け大きく取ることにより、光源2及び光源9で発生する
熱を効率よく外部に逃がすことができる。特に光源2と
光源9との間でその出力に差がある場合には、熱伝導率
等を異ならせて、単位時間当たりに伝導される熱量を光
源載置部42bと光源載置部42cとで異ならせる構成
とすることが好ましい。
【0170】このような構成としたことにより、光源2
及び光源9の温度が上昇し、光源2及び光源9から出射
される光の波長がシフトしてしまい、記録媒体での光の
収束位置が微妙に異なってしまい、再生信号に多くのノ
イズ成分が混入してしまったり、光源2及び光源9の出
力が低下してしまい、記録媒体に対する記録再生動作が
正常に行えなくなったり、更には光源2及び光源9の寿
命が短くなったり、最悪の場合には光源2及び光源9が
破壊されてしまう等の不都合の発生を防止することがで
きる。
【0171】以上示してきたように、発振波長の異なる
複数の光源からの光を複数の光学素子が形成された1つ
の光学部材で所定の光路に導くピックアップにおいて、
複数の光源のそれぞれの光源載置部の熱伝導率を異なら
せる、例えば出力の大きな光源を載置する光源載置部の
熱伝導率は大きくして、出力の小さな光源を載置する光
源載置部の熱伝導率は小さくするように構成したことに
より、複数の光源のいずれにおいても光源に対する熱の
影響を最小限に抑制することができるので、出力の大き
な光源と出力の小さな光源との寿命のばらつきを抑制で
き、結果として光ピックアップの寿命を長くすることが
できるとともに光ピックアップの信頼性を向上させるこ
とができる。
【0172】更に光源2を載置する光源載置部42b
は、光源9を載置する光源載置部42cに比べて小さく
形成されているので、これについて説明する。
【0173】光源載置部42bに載置される光源2は高
密度光ディスクの記録若しくは再生に供されるものであ
り、光源載置部42cに載置される光源9は低密度光デ
ィスクの再生に供されるものである。
【0174】光ディスクにおける記録には、非常に出力
の大きな光源(通常出力20w以上)を用いることが一
般的であるのに対し、光ディスクにおける再生には、あ
まり大きな出力の光源は必要とされず、通常は数mwク
ラスの光源を用いることが一般的である。
【0175】従って記録にも用いられる可能性のある光
源2を載置する光源載置部42bと再生に用いられる光
源9を載置する光源載置部42cとでは、要求される放
熱性のレベルに違いがあり、この違いに対応する1つの
方法として、その形状自体を異ならせることが効果的で
ある。
【0176】即ち光源載置部42bの大きさを光源載置
部42cの大きさに比べて大きく構成して光源載置部4
2bの熱容量を大きくし、光源2で発生する熱が効率よ
く光源載置部42bに伝わるように構成した。
【0177】このような構成としたことにより、光源2
から発生する熱を伝導により光源載置部42bに放出で
き、さらに光源載置部42bから基板部40a若しくは
側面部40bへの伝導により、光源2からの熱を放熱さ
せるできるようになるので、発熱量の多い光源2からの
熱を非常に効率的に放出することができるようになる。
【0178】これにより光源2の周囲に熱が蓄積され
て、光源2が高温になることにより発生する光源2から
出射される光の波長のシフトを抑制することができる。
さらに光源2の温度上昇を効率よく抑制することができ
るので、光源2が熱により劣化したり、破壊されたりす
ることを防止することができ、従って光ピックアップの
信頼性を向上させることができる。
【0179】さらに本実施の形態においては、光源載置
部42bと光源載置部42cとを接触させている。この
様な構成としたことにより、光源2で発生した熱を光源
載置部42bから基板部40aへの伝導に加えて、光源
載置部42cへの伝導によって逃がすことができるよう
になるので、さらに放熱効率を向上させることができ
る。
【0180】また光源載置部42bと光源載置部42c
とを接触させることで、光源2と光源9との間の相対的
な位置あわせを容易に行えるようになる。即ち光源2を
光源載置部42bの所定の位置に予め接合しておき、さ
らに光源9を光源載置部42cの所定の位置に予め接合
している場合、両者を接触させないと相対的な位置を手
探りで合わせる必要があるが、両者を接触させた場合に
は、両者間の距離が大まかには合っているので、その近
傍で微妙な位置あわせを行えば良く、位置あわせにかか
る時間を大幅に短縮することができる。
【0181】なお本実施の形態においては光源載置部の
形状を異ならせることで光源載置部を差別化していた
が、光源載置部の体積を異ならせることが、蓄積される
熱量に最も効果的に作用するのでこのましい。
【0182】また光源載置部42bの表面積を光源載置
部42cの表面積よりも大きくすることにより、光源載
置部42b表面からの輻射熱量をより大きくすることが
できる。そして光源載置部42bからの単位時間当たり
の輻射熱量を光源載置部42cからの単位時間当たりの
輻射熱量に比べて多くすることにより、輻射によっても
光源載置部42bから効率よく外部に熱を放出すること
ができ、光源2の熱的負荷を低減することができる。
【0183】なお本実施の形態においては2つの光源パ
ッケージを用いていたが、2以上であれば何個用いても
良い。この場合それぞれの光源パッケージに搭載される
光源の出力に応じて光源載置部の物理的性質を異ならせ
ることが好ましい。
【0184】以上示してきたように、光源2を載置する
光源載置部42bの物理的な性質(例えば熱容量、大き
さ、体積、表面積等)を光源9を載置する光源載置部4
2cの物理的な性質と異ならせたことにより、高出力で
より高温になる可能性の高い光源2から発生する熱を効
率よく放出することができるようになるので、光源2が
高温になり、発振波長がシフトしてしまったり、光源2
が熱のため破壊されてしまうのを防止することができ
る。
【0185】また光源2と光源9の動作時の温度をほぼ
同一とすることができるようになる、即ちいずれか片方
のみが大幅に高い温度で動作することがないので、光源
2及び光源9の寿命が大幅に異なることがなくなり、従
って光ピックアップの寿命が極端に違うと言うことのな
い信頼性の高い光ピックアップとすることができる。
【0186】なお本実施の形態では光源を2つしか設け
ていなかったが、3つ以上設けても良い。その場合光源
載置部は光源毎に設けても良いし、出力の大きいものを
分離して光源毎に設け、出力の小さいものは1つの載置
部にまとめて設けても良い。
【0187】41は第1光学部材で、第1光学部材41
は光源2および光源9から出射された光を所定の光路に
導くとともに光ディスクで反射されて戻ってきた光を所
定の光路に導く働きを有している。第1光学部材41
は、第1の斜面41a,第2の斜面41bを有してお
り、特に光が入射する面と出射される面とは略平行とな
る構成を有しているが好ましい。この様に形成すること
により、入射する光に対する非点収差等の発生を抑制す
ることができるので、透過する光の光学特性の劣化を防
止することができる。さらに第1の斜面41a及び第2
の斜面41bには各種の光学素子が形成されている。
【0188】以下第1光学部材41中に存在する各種光
学素子について説明する。まず第1の斜面41aには、
反射膜43及び反射膜44が形成されている。反射膜4
3は、光源2から出射されてきた光を所定の方向に反射
する働きを有しており、反射膜44は光源9から出射さ
れてきた光を所定の方向に反射する働きを有している。
そして反射膜43及び反射膜44を構成する材料として
は、Ag,Au,Cu等の高反射を有する金属材料若し
くは屈折率の異なる複数の誘電体材料を用いて、それぞ
れの材料を交互に複数層設けることにより形成されてい
ることが好ましい。
【0189】なお本実施の形態においては反射膜43及
び反射膜44とは別々に設けられていたが、1つの大き
な反射膜として第1の斜面41aのほぼ全体に形成して
も良い。この場合マスク用を用いて反射膜を形成するプ
ロセスを省略することができるとともに反射膜を形成す
るためのマスクもなくすことができるので、生産性を向
上させることができるとともに製造コストも低減するこ
とができる。
【0190】そして第2の斜面41bには、偏光分離膜
45,46が形成されている。偏光分離膜46には、光
源9から出射され、反射膜44で反射されてきた光が入
射し、偏光分離膜45には光源2から出射され、反射膜
43で反射されてきた光が入射する。これらの偏光分離
膜45,46は、特定の偏光方向を有する光を透過し、
それ以外の偏光方向を有する光を反射する働きを有して
いる。この様な偏光分離膜45,46は屈折率の異なる
複数の誘電体材料を用い、それぞれの材料を交互に複数
層設けることにより形成されていることがより正確なP
S分離が行えるので好ましい。特にここでは、光源2及
び光源9から出射されるS偏光成分を透過し、P偏光成
分を反射するように形成されている。
【0191】これらの偏光分離膜45,46により、通
過する光の量をほとんど減少させることなく記録媒体へ
導くことができるので、光の利用効率を向上させること
ができ、ひいては光源2および光源9を小さい出力で所
定の盤面光量を得ることができるので、光源2及び光源
9の長寿命化を実現できるので好ましい。
【0192】なお本実施の形態においては偏光分離膜4
5,46をそれぞれ別々に設けられていたが、1つの大
きな反射膜として第2の斜面41bのほぼ全体に形成し
ても良い。この場合マスク用を用いて偏光分離膜を形成
するプロセスを省略することができるとともに偏光分離
膜を形成するためのマスクもなくすことができるので、
生産性を向上させることができるとともに製造コストも
低減することができる。
【0193】また本実施の形態においては、出射光と戻
り光の分離手段として偏光分離膜45,46を用いてい
たが、これらは必要とされる盤面光量に応じて、ハーフ
ミラー等の分離手段を用いても良い。
【0194】次に第2光学部材47について説明する。
第2光学部材47は第1光学部材41の上面に設けられ
ているもので、第1光学部材41とは、光硬化樹脂やエ
ポキシ樹脂若しくは接合ガラス等で接合されている。第
2光学部材は、それぞれの対向する面が略平行な透光性
のある略平行平板で形成されており、その光源9からの
光が透過する1端面には拡散角変換手段48が形成され
ている。
【0195】拡散角変換手段48は第2光学部材47の
光源9と反対側の側の端面に、光源9から出射される光
の光軸に合わせて設けられており、光源9から入射して
きた光の拡散角を負にする働き、すなわち光源9の発光
点9aから出射された光を見た目上より近くから出射さ
れたように光路を変換する働きを有しているもので、実
質的に記録媒体に近づく方向に発光点をずらしている。
これにより光源9の発光点は真の発光点9aから見かけ
上の発光点9eに移動し、従って光源9から記録媒体ま
での光路長を見かけ上短くする働きを有している。拡散
角変換手段48としては回折格子特にホログラムで形成
されていることが、光を高効率で透過させることができ
るので好ましい。特にホログラムとしては、4段以上の
階段状断面や鋸歯状断面を有するものを用いることが、
特に高効率に光を利用でき、光量の減少を防止できるの
で好ましい。
【0196】次に第3光学部材49について説明する。
第3光学部材49は、第2光学部材47の上面に設けら
れており、第2光学部材47と第3光学部材49とは光
硬化樹脂やエポキシ樹脂若しくは接合ガラス等の接合材
により接合されている。
【0197】そして第3光学部材49は、光源2および
光源9から出射され、第1光学部材41及び第2光学部
材47を介して導かれてきた光を所定の光路に導くとと
もに光ディスクで反射されて戻ってきた光を所定の光路
に導く働きを有している。
【0198】さらに第3光学部材49は、第1の斜面4
9a,第2の斜面49bを有しており、特に光が入射す
る面と出射される面とは、光の光軸に対して略垂直で、
かつ、それぞれの面が略平行となるように構成されてい
るが好ましい。この様に形成することにより、入射する
光に対する非点収差等の発生を抑制することができるの
で、透過する光の光学特性の劣化を防止することができ
る。
【0199】また第1の斜面49aと第2の斜面49b
は互いに略平行で、かつ、第1光学部材41及び第2光
学部材47を通過する光の光軸に対して略垂直な方向に
傾斜を有するように形成されている。
【0200】さらに第1の斜面49a及び第2の斜面4
9bには各種の光学素子が形成されている。
【0201】第1の斜面49aには、複数ビーム形成手
段50が設けられている。複数ビーム形成手段50は偏
光方向に合わせて光を反射するかもしくは透過する偏光
分離膜50aと入射してきた光を複数の光束に分離して
反射するビーム分離部50bを有しており、光源9から
出射され、拡散角変換手段48を通過してきた光は偏光
分離膜50aをほとんど透過して、ビーム分離部50b
に入射する。そして入射してきた光をビーム分離部50
bで複数の光束に分離・反射している。
【0202】ここでビーム分離部50bは、回折格子で
形成することが、効率よく複数の光束を形成することが
できるので好ましい。ここでは回折格子で発生する0次
光おび±1次光の3つの光束を主に形成するような構成
を有している。
【0203】ここで形成された複数の光束は低密度光デ
ィスク19のトラックの所定の位置に照射され、戻って
きた光の光量を比較することにより、低密度光ディスク
19のトラッキングを行う通称3ビーム法と呼ばれるト
ラッキング方法に供される。
【0204】なおトラッキング方法として3ビーム法を
用いない場合には、複数ビーム形成手段50は設けなく
て良い。
【0205】そして第2の斜面49bには波長選択性の
あるフィルタ51が形成されている。フィルタ51は光
源2から導かれてきた光をほぼ80%以上透過し、光源
9から導かれてきた光をほぼ80%以上反射する働きを
有している。
【0206】このフィルタ51を第1の斜面49aに形
成したことにより、光源2から出射された光をほとんど
妨げることなく光源9から導かれてきた光を反射するこ
とができるので、光源2および光源9から出射された光
を高い割合で記録媒体まで導くことができる。従って光
源2および光源9から出射される光の量を増加させなく
とも記録媒体への記録もしくは再生が可能になるので、
光源2および光源9を高出力状態で動作させることによ
る光源2および光源9の短寿命化を防止できる。更には
光源2および光源9を低出力状態で用いることができる
ので、光源2および光源9の温度上昇がほとんど起こら
ず、従って温度変化に伴う光源2および光源9の発振波
長のシフトがほとんど起こらない。従ってより正確に焦
点形成が行える高性能な光ピックアップを提供すること
ができる。
【0207】この第3光学部材49により、光源2から
の光と光源9からの光が略同一の光軸に導かれることに
なる。
【0208】光源9からの光が第3光学部材49に入射
してきて複数ビーム形成手段50で反射された後にフィ
ルタ51に入射するまでの光路は第1光学部材41中を
進む光を含む平面に対して略垂直方向に進むように形成
されている。
【0209】52は1/4波長板で、1/4波長板52
は、フィルタ51を透過してきた光源2からの光と、フ
ィルタ51で反射されてきた光源9からの光の双方の偏
光方向を直線偏光から楕円偏光に変換する働きを有して
いる。
【0210】なお1/4波長板52としては、本実施の
形態に示すような所定の厚さを有する板状のものを用い
ても良いし、薄膜で形成しても良い。
【0211】次に第4光学部材53について説明する。
第4光学部材53は、第1光学部材41の底面に光硬化
性樹脂やエポキシ系樹脂若しくは接合ガラス等により接
合されており、記録媒体で反射されてきた戻り光を所定
の位置に導く働きを有している。第4光学部材53は、
第1の斜面53aと第2の斜面53bを有しており、そ
れぞれの斜面には目的に応じた光学素子が形成されてい
る。
【0212】本実施の形態においては、第1の斜面53
aには光路分割手段54,55が形成されている。この
光路分割手段54は、光源2から出射されて高密度光デ
ィスク18で反射されて戻ってきた光を透過するか、若
しくは、反射する働きを有しており、光路分割手段55
は、光源9から出射されて低密度光ディスク19で反射
されて戻ってきた光を透過するか、若しくは、反射する
働きを有している。ここでは光路分割手段54及び光路
分割手段55の双方とも透過する光量と反射する光量と
が略同量となるようにハーフミラーを用いることが好ま
しい。
【0213】第2の斜面53bには反射膜56,57が
形成されている。反射膜56は、光路分割手段54で反
射されて入射してきた光を反射して所定の位置に導く働
きを有しており、反射膜57は光路分割手段55で反射
されて入射してきた光を反射して所定の位置に導く働き
を有している。反射膜56,57はともにAg,Au,
Cu等の高反射を有する金属材料若しくは屈折率の異な
る複数の誘電体材料で形成されていることが好ましい。
【0214】58,59はともに受光手段で、受光手段
58は、光路分割手段54を透過してきた光及び光路分
割手段54で反射された後反射膜56で反射されてきた
光を受光し、受光手段59は、光路分割手段55を透過
してきた光及び光路分割手段55で反射された後反射膜
57で反射されてきた光を受光するもので、ともにRF
信号、トラッキング信号及びフォーカシング信号を形成
するのに必要な位置に必要な形状で必要な個数の各種受
光部が形成されている。
【0215】さらに光源2,9や受光手段58,59及
び光学部材41,47,49等は密閉された空間に存在
していることが好ましい。
【0216】以上示してきたように、複数の発振波長の
異なる光源からの光を複数の光学素子が形成された光学
部材に入射させて所定の光路に導くような構成としたこ
とにより、従来それぞれの光源に対して複数設けられて
いた光学素子等を1つに集約できるので、分散配置され
た光ピックアップに比べて、光ピックアップ全体の大き
さを大幅に小型化することができる。
【0217】またそれぞれの光源に対する各光学素子間
の位置あわせ等も不要になるので生産性が大幅に向上
し、さらには各光学素子の取り付け誤差も最小限度に抑
制することができるので良好な光学特性を実現できる。
【0218】更に各光学素子の取り付け誤差に起因する
光の損失を最小限に抑止できるので光の利用効率の良好
な光ピックアップを実現することができる。
【0219】また光源2から出射された光と光源9から
出射された光の少なくとも一方を光学部材41,49で
複数回反射して所定の光路に導くことにより、光学部材
22の大きさを小さくすることができるとともに反射な
しで導く場合に比べて光学部材41,49を出てからの
光路長を短くできるので、光ピックアップの小型化・薄
型化を図ることができる。
【0220】更に光源2および光源9からの光を複数の
光学素子が形成された光学部材41,47,49に入射
させて所定の光路に導くことにより、高密度光ディスク
18に対する光も低密度光ディスク19に対する光も、
ともに正確にそれぞれの記録媒体に導くことができると
ともに、複数の光源それぞれに対応した複数の光学系を
異なる光学部材を用いて形成する必要がなくなり、部品
点数の削減による生産性の向上及びそれぞれの構成部材
の位置あわせの簡略化を行うことができる。
【0221】なお本実施の形態においては光源2及び光
源9から出射された光は同一の光学部材に入射するよう
な構成を有していたが、同一パッケージ中に別々に設け
られている光学部材に入射するような構成としてもよ
い。この様な構成とすることにより、光源2から出射さ
れた光に対する光学部材と光源9から出射された光に対
する光学部材とに分離することができるので、それぞれ
の光に所定の光学特性を与える光学素子のみをそれぞれ
の光学部材に形成すればよいので、同一斜面上に種類の
異なる光学素子を別々に形成する必要がなくなり、形成
された光学素子の性能を劣化させる要因を除去すること
ができる。更に、例えば光源2から出射された光が光源
9から出射された光用の光学素子に入射した後、再び光
源2から出射された光の光路に混入して迷光成分となる
可能性を減少させることができるので、光学特性の劣化
の少ない優れた光ピックアップを提供することができ
る。
【0222】更に本実施の形態では、光源2および光源
9を第1光学部材41の面41cに対向するように設け
られている。即ち光源2および光源9から出射された光
は、第1光学部材41の面41cに入射し、第1光学部
材41,第2光学部材47,第3光学部材49等に形成
されている各種光学素子により所定の性質を有する光束
に変換されて記録媒体に導かれる構成を有している。
【0223】このような構成としたことにより、光源2
および光源9は、第1光学部材41の光源側の面41c
を基準面として、位置あわせを行うことができる。即ち
複数形成されている光源を1つの面41cを基準として
位置あわせを行うことができるので、各光学部材に形成
されている各種光学素子に対してより高精度で位置あわ
せを行うことが可能になり、各光学部材に設けられてい
る各種光学素子に対する位置ずれが原因で発生する光学
特性の劣化を防止することができる。また光源2と光源
9との相互の位置調整も基準となる面が1つであるので
より容易に行うことができる。
【0224】また第1光学部材41のように、それぞれ
の光源からの光が入射してくる部位に光学素子が形成さ
れていない場合には、入射面となる面41cには、入射
してくる光が散乱されたりしないように面粗度をできる
限り小さくする等の非常に精密な加工を施す必要があ
る。
【0225】本実施の形態のように複数の光源からの光
を光学部材の同一面に入射させるようにしたことによ
り、このような精密加工を施さなければならない面の数
を減らすことができるので、精密加工に伴う製造工程を
簡略化でき、光ピックアップの生産性が向上する。また
精密加工に係る生産コストも低減することができるの
で、安価な光ピックアップとすることができる。
【0226】従って光源間の位置ずれおよび光源と光学
素子との間の位置ずれがほとんど存在せず、光学特性の
良好な信頼性の高い光ピックアップを実現することがで
きる。
【0227】また本実施の形態では、第1光学部材41
の光源に対向する面41cから光源2および光源9まで
の距離を等しくしている。このような関係に光源2およ
び光源9を配置することによって、光源2および光源9
を例えば同一の平行平面部材に当て決めして固定するこ
とができるので、光源2および光源9の高さ精度を容易
に確保することができる。そしてこれにより、高さ精度
がでていないことが原因で発生する光学特性の劣化を抑
制することができるので、良好な記録若しくは再生特性
を有した光ピックアップを実現することができる。
【0228】以上のような構成を有する光ピックアップ
の動作について説明する。記録媒体が高密度光ディスク
18である場合には、光源2から出射された光を用いて
記録若しくは再生を行う。この場合、光源2から出射さ
れた光は、まず第1光学部材41の第1の斜面41aに
形成された反射膜43で反射されて、第2の斜面41b
に形成されている偏光分離膜45に入射する。この偏光
分離膜45は光源2から出射された直線偏光を反射し、
それと直交する偏光方向の光を透過する働きを有してい
るので、光源2から入射してきた光は反射される。
【0229】その後第1光学部材41から出射された光
は、第2光学部材47を透過して第3光学部材49に入
射する。そして第3光学部材49の第2の斜面49bに
形成されたフィルタ51を透過して第3光学部材49か
ら出射され、1/4波長板52に入射する。この1/4
波長板52に入射した光は、その偏光方向を直線偏光か
ら楕円偏光に変換されて1/4波長板52から出射され
る。
【0230】その後光源2から出射された光は、コリメ
ータレンズ16がある場合にはコリメータレンズ16を
通過して略平行光に変換されてから、無い場合には直接
集光レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束
する。
【0231】そして高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板52に入射する。この
光は、高密度光ディスク18で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板52を通過する際には楕円偏光から光
源2を出射された時の偏光方向と略直交する直線偏光に
変換されることとなる。即ち仮に光源2から出射される
際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部材に入射
することとなる。
【0232】1/4波長板52を通過した光は、第3光
学部材49に入射し、その第2の斜面49bに形成して
あるフィルタ51をほとんど透過して、第3光学部材4
9から出射され、第2光学部材47を透過して、第1光
学部材41に入射する。
【0233】そして第1光学部材41の第2の斜面41
bに形成されている偏光分離膜45に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると直
交する向きになっているので、光は偏光分離膜45をほ
とんど透過して、第1光学部材41から出射されて、第
4光学部材53に入射する。
【0234】第4光学部材53に入射してきた光は、第
4光学部材53の第1の斜面53aに形成されている光
路分割手段54に入射する。この光路分割手段54によ
り、入射してきた光は、その略半分が透過され、略半分
が反射されることになる。
【0235】そして光路分割手段54を透過した光は、
そのまま第4光学部材53の下面に設けられている受光
手段58の所定の位置に形成されている受光部に所定の
形状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供する
ことになる。
【0236】また光路分割手段54で反射された光は、
第4光学部材53の第2の斜面53bに設けられている
反射膜56で反射されて受光手段58にも受けられてい
る所定の受光部に所定の形状の光束が形成され、目的に
応じた信号形成に供することとなる。
【0237】記録媒体が低密度光ディスク19である場
合には、光源9から出射された光を用いて記録若しくは
再生を行う。この場合、光源9から出射された光は、ま
ず第1光学部材41の第1の斜面41aに形成された反
射膜44で反射されて、第2の斜面41bに形成されて
いる偏光分離膜46に入射する。この偏光分離膜46は
光源9から出射された直線偏光を反射し、それと直交す
る偏光方向の光を透過する働きを有しているので、光源
9から入射してきた光は反射される。
【0238】その後第1光学部材41から出射された光
は、第2光学部材47の端面に形成された拡散角変換手
段48に入射する。この拡散角変換手段48により、光
源9から出射された光は拡散角を変換されて、拡散光だ
った光は収束光となって第2光学部材47から出射さ
れ、第3光学部材49に入射する。
【0239】第3光学部材49に入射した光は、第1の
斜面49aに形成された複数ビーム形成手段50に入射
し、偏光分離膜50aを透過して、ビーム分離部50b
で反射される際に1本のメインビームと2本のサイドビ
ームとに分離されたのち、第2の斜面49bに形成され
ているフィルタ51に入射する。このフィルタ51は光
源9から出射された光を反射し、光源2から出射された
光を透過するように形成されているので、複数ビーム形
成手段からフィルタ51に入射した光はほとんど反射さ
れて第3光学部材49から出射される。
【0240】その後光源9から出射された光は、1/4
波長板52に入射する。この1/4波長板52に入射し
た光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換さ
れて1/4波長板52から出射される。
【0241】その後光源9から出射された光は、コリメ
ータレンズ16がある場合にはコリメータレンズ16を
通過して略平行光に変換されてから、無い場合には直接
集光レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束
する。
【0242】そして低密度光ディスク19で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板52に入射する。この
光は、低密度光ディスク19で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板52を通過する際には楕円偏光から光
源9を出射された時の偏光方向と略直交する直線偏光に
変換されることとなる。即ち仮に光源9から出射される
際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部材に入射
することとなる。
【0243】1/4波長板52を通過した光は、第3光
学部材49に入射し、その第2の斜面49bに形成して
あるフィルタ51でほとんど反射されて、第1の斜面4
9aにも受けられている複数ビーム形成手段に入射す
る。この場合は、入射する光の偏光方向が往きの光とは
略直交する方向となっているので、入射してきた光はビ
ーム分離部50bにほとんど入射することなく偏光分離
膜50aで反射されて、第3光学部材49から出射さ
れ、第2光学部材47に形成されている拡散角変換手段
48に入射する。
【0244】この拡散角変換手段48で拡散光として入
射してきた光は、その拡散角を変換されて収束光となっ
て第2光学部材47を透過して、第1光学部材41に入
射する。
【0245】そして第1光学部材41の第2の斜面41
bに形成されている偏光分離膜46に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると略
直交する向きになっているので、光は偏光分離膜46を
ほとんど透過して、第1光学部材41から出射されて、
第4光学部材53に入射する。
【0246】第4光学部材53に入射してきた光は、第
4光学部材53の第1の斜面53aに形成されている光
路分割手段55に入射する。この光路分割手段55によ
り、入射してきた光は、その略半分が透過され、略半分
が反射されることになる。
【0247】そして光路分割手段55を透過した光は、
そのまま第4光学部材53の下面に設けられている受光
手段59の所定の位置に形成されている受光部に所定の
形状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供する
ことになる。
【0248】また光路分割手段55で反射された光は、
第4光学部材53の第2の斜面53bに設けられている
反射膜57で反射されて受光手段59に設けられている
所定の受光部に所定の形状の光束が形成され、目的に応
じた信号形成に供することとなる。
【0249】このように複数の光源を同一のパッケージ
内に配置した場合においても実施の形態2と同様に、そ
れぞれの光源から出射された光に発生する波面収差が大
きく異なる場合が多く、このためそれぞれ光源2,9の
発光点2a,9a(9e)とコリメートレンズの間の距
離を最適化しているが、考え方は実施の形態2と同様な
ので、ここではその説明を省略する。
【0250】先程も説明したように本実施の形態におい
ては、この様な光源載置部42の面42aに光源2と光
源9とを光源載置部42の底面から略同一の高さに配置
している。即ち光源2の発光点2aと光源9の発光点9
aとを結んだ直線は、記録媒体の表面に対して略垂直と
なっている。
【0251】この様な配置にすることにより、光源2か
ら出射された光が第1光学部材41及び第4光学部材5
3を通過する際に形成する光軸を含む第1の平面と、光
源9から出射された光が第1光学部材41及び第4光学
部材53を通過する際に形成する光軸を含む第2の平面
及び光源9から出射された光が第3光学部材49を通過
する際に形成する光軸を含む第3の平面を光の伝搬面と
して利用することができる。即ち記録媒体の表面に対し
て垂直な面若しくは平行な面のいずれかの面のみを伝搬
面とするのではなく、そのいずれの面も伝搬面として利
用することができる。
【0252】またこの時第1の平面と第2の平面とを略
平行な関係とすることにより、本来第1の平面を構成す
る光軸に係る光の一部が、第2の平面を構成する光軸に
係る光が入射すべき光学素子に入射して迷光成分となる
こと、若しくは逆に本来第2の平面を構成する光軸に係
る光の一部が、第1の平面を構成する光軸に係る光が入
射すべき光学素子に入射して迷光成分となることを防止
できるので、この様な構成を有する光ピックアップの光
学特性を良好なものとすることができ、高性能な光ピッ
クアップを提供することができる。
【0253】このような立体的な伝搬面の形成を行うこ
とにより、各光学部材の空間利用効率を向上させること
ができる。これにより各光学部材の小型化が可能とな
り、これらの光学部材を搭載した光ピックアップの小型
化にも寄与することになる。
【0254】更にこのような空間の立体的な利用を行う
際に、記録媒体に平行な面内方向の利用頻度を記憶媒体
に非平行な面内方向の利用頻度に比べて高くすることに
より、各光学部材の薄型化が可能となるので、光ピック
アップの薄型化を可能にすることができる。このことに
より特に携帯型のパソコン等の情報端末に搭載される光
ディスクドライブに最適な光ピックアップを提供するこ
とができる。
【0255】なお本実施の形態においては光源2と光源
9を記録媒体の表面に対して略垂直に配置していたが、
これらの光源の配置は記録媒体の表面に対して非平行、
即ち記録媒体の表面に垂直な高さ方向に分布を有するよ
うな配置とすることにより、上記した目的を達成するこ
とができる。
【0256】(実施の形態4)以下本発明の実施の形態
4について図面を参照しながら説明する。
【0257】図10は本発明の実施の形態4における集
積化された光ピックアップの断面図であり、図11は本
発明の実施の形態4における光学部分の詳細な断面図で
ある。ここで図11における正断面図は光路を直線状に
描いている。また図10及び図11においては、実施の
形態3と同様の構成を有する部材については同一の番号
を付加している。
【0258】図10及び図11において、パッケージ7
0については、その構成要素である基板部70a,側壁
部70b及び端子70cのいずれについても、大きさや
形状等に若干の差があるものの、パッケージ40の基板
部40a,側壁部40bおよび端子40cとほぼ同様の
構成を有しているので、説明を省略する。
【0259】次に光源載置部71について図13を用い
て説明する。図13は、本発明の実施の形態4における
光源載置部を示す斜視図である。光源載置部71は、実
施の形態3に示した光源載置部42とほぼ同様の構成を
有し、ほぼ同様の材料を用い、ほぼ同様の働きを有して
いるので、実質的に光源載置部42と異なる部分につい
てのみ説明する。
【0260】光源2を載置する光源載置部71aと光源
9を載置する光源載置部72bとはそれぞれの上面が同
一平面上に存在しない。即ち光源載置部71aと光源載
置部71bとが同一基板の同一平面上に存在するとすれ
ば、光源載置部71aと光源載置部71bの高さが異な
っていることになる。そして後述する第1光学部材72
を高さが高い方の光源載置部の上面に設けるような構成
としている。
【0261】本実施の形態においては、光源載置部71
aおよび光源載置部71bとを同一の基板部70aに載
置し、光源載置部71bの高さを光源載置部71aの高
さよりも高く形成し、光源載置部71bの上面に第1光
学部材72が載置され、接合されている。
【0262】このような構成としたことにより、まず第
1光学部材72を接合するために仕上げを要求される面
が光源載置部71bの上面のみで済むので、光源載置部
71aの上面の面研削の工程をなくすことができ、生産
性を向上させることができる。
【0263】また光源載置部71aおよび光源載置部7
1bのそれぞれの上面にわたって第1光学部材72を載
置する場合に比べて、光学特性の劣化する可能性を低減
することができる。
【0264】即ち、第1光学部材72を光源載置部71
a,71bの双方の上面に載置する場合には、光源載置
部71aと光源載置部71bとの高さが正確に同一であ
る必要がある。仮に光源載置部71aと光源載置部71
bとの高さが微妙に異なっている場合には、第1光学部
材72がその高さの差に応じた角度で傾くという現象が
発生してしまう。このような第1光学部材72の傾斜
は、光源2若しくは光源9から入射してきた光に収差を
発生させる、更に第1光学部材72を通過する際に本来
与えられるべき光学特性が正確に与えられなる、また第
1光学部材72から出射される光が所定の位置に導けな
くなる等の不都合を生み出すことになる。
【0265】これに対して本実施の形態の構成によれ
ば、第1光学部材72の載置面を複数存在する光源載置
部のいずれか一方の上面としているので、各光源載置部
間の高さのずれによる第1光学部材の傾斜は発生せず、
いずれかの光源載置部の上面だけを正確に面出しするこ
とにより、第1光学部材72の所定の働きを実現するこ
とができる。従って光学特性の劣化のない、優れた性能
を有する光ピックアップを簡単な構成で実現することが
できるので好ましい。
【0266】更に、本実施の形態においては、光源載置
部71bの高さを光源載置部71aの高さよりも高く形
成し、光源載置部71bの上面に第1光学部材72を載
置・接合している。
【0267】本実施の形態においては、光源載置部71
bに載置される光源2は高密度光ディスクの記録若しく
は再生に供されるものであり、光源載置部71cに載置
される光源9は低密度光ディスクの再生に供されるもの
である。
【0268】光ディスクにおける記録には、非常に出力
の大きな光源(通常出力20w以上)を用いることが一
般的であるのに対し、光ディスクにおける再生には、あ
まり大きな出力の光源は必要とされず、通常は数mwク
ラスの光源を用いることが一般的である。また光源から
放出される熱は出力が大きくなるにつれて増大していく
のが一般的である。
【0269】本実施の形態の様に、光源載置部の上面に
光学部材を載置する様な構成では、この光源から放出さ
れ、光源載置部を介して伝わってくる熱は問題となりや
すく、特により出力の大きな光源2からの放出される熱
量はかなり大きいので、光源2の動作時の第1光学部材
72の温度と、光源2が動作していないときの第1光学
部材72の温度とは大きな温度差が生じ、この温度差に
より、光学ガラス等で形成された第1光学部材72に歪
みが生じて、所定の光学特性が得られなくなったり、複
数のプリズムを張り合わせて形成されている第1光学部
材72の各プリズム間の接合面に歪みが生じて、接合部
分にクラックが入って、第1光学部材72が壊れてしま
うといった不都合が発生する可能性がある。
【0270】そこで本実施の形態では、光源9が載置さ
れる光源載置部71bの高さを光源2が載置される光源
載置部71aの高さよりも高く形成し、高く形成された
光源載置部71bの上面に第1光学部材72を載置し
て、光源2で発生した熱が光源載置部71aを介して第
1光学部材72に伝導するのを防止することで上述した
不都合の発生を抑制している。
【0271】そしてこれにより、出力の大きな光源を光
ピックアップ内部に設けた場合にも、光源から発生する
熱の影響による不都合を最小限に抑制でき、光学特性が
安定しており、信頼性の高い優れた性能を有する光ピッ
クアップを実現することができる。
【0272】第1光学部材72は光源2および光源9か
ら出射された光を所定の光路に導くとともに光ディスク
で反射されて戻ってきた光を所定の光路に導く働きを有
している。
【0273】第1光学部材72は、第1の斜面72a,
第2の斜面72b及び第3の斜面72cを有しており、
特に光が入射する面と出射される面とは略平行で、か
つ、入射若しくは出射される光はこれらの面に略垂直に
入射するような構成を有しているが好ましい。この様に
形成することにより、入射する光に対する非点収差等の
発生を抑制することができるので、透過する光の光学特
性の劣化を防止することができる。
【0274】さらに第1の斜面72a,第2の斜面72
b及び第3の斜面72cには各種の光学素子が形成され
ている。
【0275】以下第1光学部材72中に存在する各種光
学素子について説明する。まず第1の斜面72aには、
反射膜73及び反射膜74が形成されている。反射膜7
3は、光源2から出射されてきた光を所定の方向に反射
する働きを有しており、反射膜74は光源9から出射さ
れてきた光を所定の方向に反射する働きを有している。
そして反射膜73及び反射膜74を構成する材料として
は、Ag,Au,Cu等の高反射を有する金属材料若し
くは屈折率の異なる複数の誘電体材料を交互に複数層設
けることにより形成されていることが好ましい。
【0276】なお本実施の形態においては反射膜73及
び反射膜74とは別々に設けられていたが、1つの大き
な反射膜として第1の斜面72aのほぼ全体に形成して
も良い。この場合マスクを用いて反射膜を形成するプロ
セスを省略することができるとともに反射膜を形成する
ためのマスクも減らすことができるので、生産性を向上
させることができるとともに製造コストも低減すること
ができる。
【0277】そして第2の斜面72bには、偏光分離膜
75,76が形成されている。偏光分離膜75には、光
源2から出射され、反射膜73で反射されてきた光が入
射し、偏光分離膜76には光源9から出射され、反射膜
74で反射されてきた光が入射する。これらの偏光分離
膜75,76は、特定の偏光方向を有する光を透過し、
それ以外の偏光方向を有する光を反射する働きを有して
いる。
【0278】この様な偏光分離膜75,76は屈折率の
異なる複数の誘電体材料を交互に複数層設けることによ
り形成されていることがより正確なPS分離が行えるの
で好ましい。特にここでは、光源2および光源9から出
射されるS偏光成分を透過し、P偏光成分を反射するよ
うに形成されている。
【0279】これらの偏光分離膜75,76により、通
過する光の量をほとんど減少させることなく記録媒体へ
導くことができるので、光の利用効率を向上させること
ができ、ひいては光源2および光源9を小さい出力で所
定の盤面光量を得ることができるので、光源2及び光源
9の長寿命化を実現できるので好ましい。
【0280】なお本実施の形態においては偏光分離膜7
5,76をそれぞれ別々に設けられていたが、1つの大
きな反射膜として第2の斜面72bの上部ほぼ全体に形
成しても良い。この場合マスク用を用いて偏光分離膜を
形成するプロセスを省略することができるとともに偏光
分離膜を形成するためのマスクも減らすことができるの
で、生産性を向上させることができるとともに製造コス
トも低減することができる。
【0281】また本実施の形態においては、出射光と戻
り光の分離手段として偏光分離膜を用いていたが、これ
らは必要とされる盤面光量に応じて、ハーフミラー等の
分離手段を用いても良い。
【0282】次に第2の斜面72bに設けられている他
の光学部材について説明する。77及び78はモニター
光用のホログラムで、ホログラム77は光源2から出射
され、反射膜73で反射された光のうちの一部を所定の
方向へ反射回折する働きを有している。このホログラム
77で反射回折された光は、第1光学部材72の上面に
設けられている反射部79に導かれ、その後受光手段上
に設けられたモニタ光受光部に入射する。そしてモニタ
光受光部からの電気信号を元に光源2に加える電力を調
整して、光源2から出射される光の光量が常に最適値と
なるように制御を行う。
【0283】またホログラム78は光源9から出射さ
れ、反射膜74で反射された光のうちの一部を所定の方
向へ反射回折する働きを有している。このホログラム7
8で反射回折された光は、第1光学部材72の上面に設
けられている反射部80に導かれ、その後受光手段上に
設けられたモニタ光受光部に入射する。そしてモニタ光
受光部からの電気信号を元に光源9に加える電力を調整
して、光源9から出射される光の光量が常に最適値とな
るように制御を行う。
【0284】さらに第2の斜面72bの最も光源寄りの
部分には反射膜81,82が設けられている。
【0285】この反射膜81,82は、実施の形態3に
示す第4光学部材53の第2の斜面53bに形成されて
いる反射膜56,57とほぼ同様の構成を有しているの
で、ここでは説明を省略する。
【0286】最後に第3の斜面72cには光路分割手段
83,84が形成されている。この光路分割手段83,
84については、実施の形態3に示した第4光学部材5
3の第1の斜面53aに形成されている光路分割手段5
4,55とほぼ同様の構成及び働きを有しているので、
ここでは説明を省略する。
【0287】次にパッケージ70により囲まれた空間の
内部、即ち光源2,9及び受光手段91,92等が配置
されている空間は密閉されることが好ましい。このよう
な構成にすることにより、ゴミや水分等の不純物のパッ
ケージ内部への進入を防止することができるので、光源
2,9や受光手段91,92の性能を維持することがで
きるとともに出射される光の光学特性の劣化も防止する
ことができる。
【0288】このためシールド部材85が設けられてい
る。シールド部材85は、パッケージ70の側壁部70
bに設けられた開口部70dを塞ぐように設けられてい
るもので、パッケージ70の内部を密閉する働きを有し
ている。そして密閉された空間にはN2ガス、乾燥空気
若しくはArガス等の不活性ガスを封入しておくこと
が、パッケージ70の内部に存在する第1光学部材72
等の表面に結露が生じて光学特性が悪化してしまった
り、光源2,9や受光手段91,92の酸化などによる
特性の劣化を防止することができるのでさらに好まし
い。
【0289】ここでシールド部材85を構成する材料と
しては、樹脂やガラス等の透光性が良好で、光の利用効
率を低下させない材料を用いることが好ましい。
【0290】次に第2光学部材86について説明する。
第2光学部材86はパッケージ70の側壁部70bに設
けられている開口部70dを塞ぐように設けられてお
り、パッケージ70の側壁部70bとは、紫外線硬化樹
脂,エポキシ樹脂及び接着ガラス等で接合されている。
第2光学部材86は、第1基板86a、第2基板86b
を有している。以下これらの基板について順次説明す
る。
【0291】まず第1基板86aは平行平面形状を有す
るガラスや樹脂等の良好な透光性を有する材料から形成
されており、そのシールド部材85側の端面の光源9か
らの光が通る領域には拡散角変換手段87が形成されて
いる。この拡散角変換手段87については、実施の形態
3で示した拡散角変換手段48とほぼ同様の構成を有し
ているので、ここでは説明を省略する。
【0292】次に第2基板86bは、第1の斜面86d
及び第2の斜面86eを有し、更に第1の斜面86dに
は偏光分離膜88aとビーム分離部88bを備えた複数
ビーム形成手段88が形成されており、第2の斜面86
eにはフィルタ89が形成されている。
【0293】第2基板86bの構成は、基本的に実施の
形態3に示す第3光学部材49と同様のものであり、第
2基板86bの第1の斜面86d,第2の斜面86e,
偏光分離膜88a,ビーム分離部88b,複数ビーム形
成手段88,フィルタ89はそれぞれ、実施の形態3の
第3光学部材49の第1の斜面49a,第2の斜面49
b,偏光分離膜50a,ビーム分離部50b,複数ビー
ム形成手段50,フィルタ51に相当し、ほぼ同様の構
成を有しているので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0294】第1基板86aと第2基板86bとの接合
及び第2光学部材86と側壁部70bとの接合は光硬化
樹脂,エポキシ樹脂,接合ガラス等の接合材により行わ
れている。
【0295】そしてこの第2光学部材86により、光源
2からの光と光源9からの光が略同一の光軸に導かれる
ことになる。
【0296】そして光源9からの光が第2光学部材86
に入射してきて複数ビーム形成手段88で反射された後
にフィルタ89に入射するまでの光路は第1光学部材7
2中を進む光を含む平面に対して略垂直方向に進むよう
に形成されている。
【0297】90は1/4波長板で、1/4波長板90
は、フィルタ89を透過してきた光源2からの光と、フ
ィルタ89で反射されてきた光源9からの光の双方の偏
光方向を直線偏光から楕円偏光に変換する働きを有して
いる。
【0298】なお1/4波長板90としては、本実施の
形態に示すような所定の厚さを有する板状のものを用い
ても良いし、薄膜で形成しても良い。
【0299】91,92はともに受光手段で、受光手段
91は、光路分割手段83を透過してきた光及び光路分
割手段83で反射された後反射膜81で反射されてきた
光を受光し、受光手段92は、光路分割手段84を透過
してきた光及び光路分割手段84で反射された後反射膜
82で反射されてきた光を受光するもので、ともにRF
信号、モニタ信号、トラッキング信号及びフォーカシン
グ信号を形成するのに必要な位置に必要な形状で必要な
個数の各種受光部が形成されている。
【0300】以上示してきたように、複数の発振波長の
異なる光源からの光を複数の光学素子が形成された光学
部材に入射させて所定の光路に導くような構成としたこ
とにより、従来それぞれの光源に対して複数設けられて
いた光学素子等を1つに集約できるので、分散配置され
た光ピックアップに比べて、光ピックアップ全体の大き
さを大幅に小型化することができるとともにそれぞれの
光源に対する各光学素子間の位置あわせ等も不要になる
ので生産性が大幅に向上し、さらには各光学素子の取り
付け誤差も最小限度に抑制することができるので良好な
光学特性を実現でき、加えて各光学素子の取り付け誤差
に起因する光の損失を最小限に抑止できるので光の利用
効率の良好な光ピックアップを実現することができる。
【0301】さらに光源2から出射された光と光源9か
ら出射された光の少なくとも一方を光学部材72,86
で複数回反射して所定の光路に導くことにより、パッケ
ージ70全体の大きさを小さくすることができるととも
に反射なしで導く場合に比べて第2光学部材86を出て
からの光路長を短くできるので、光ピックアップの小型
化・薄型化を図ることができる。
【0302】また光源2および光源9からの光を複数の
光学素子が形成された光学部材72,86に入射させて
所定の光路に導くことにより、高密度光ディスク18に
対する光も低密度光ディスク19に対する光も、ともに
正確にそれぞれの記録媒体に導くことができるととも
に、複数の光源それぞれに対応した複数の光学系を異な
る光学部材を用いて形成する必要がなくなり、部品点数
の削減による生産性の向上及びそれぞれの構成部材の位
置あわせの簡略化を行うことができる。
【0303】なお本実施の形態においては光源2及び光
源9から出射された光は同一の光学部材に入射するよう
な構成を有していたが、同一パッケージ中に別々に設け
られている光学部材に入射するような構成としてもよ
い。この様な構成とすることにより、光源2から出射さ
れた光に対する光学部材と光源9から出射された光に対
する光学部材とに分離することができるので、それぞれ
の光に所定の光学特性を与える光学素子のみをそれぞれ
の光学部材に形成すればよいので、同一斜面上に種類の
異なる光学素子を別々に形成する必要がなくなり、形成
された光学素子の性能を劣化させる要因を除去すること
ができる。更に、例えば光源2から出射された光が光源
9から出射された光用の光学素子に入射した後、再び光
源2から出射された光の光路に混入して迷光成分となる
可能性を減少させることができるので、光学特性の劣化
の少ない優れた光ピックアップを提供することができ
る。
【0304】更に本実施の形態では、光源2および光源
9を第1光学部材72の面72dに対向するように設け
られている。即ち光源2および光源9から出射された光
は、第1光学部材72の面72dに入射し、第1光学部
材72および第2光学部材86等に形成されている各種
光学素子により所定の性質を有する光束に変換されて記
録媒体に導かれる構成を有している。
【0305】このような構成としたことにより、光源2
および光源9は、第1光学部材72の光源側の面72d
を基準面として、位置あわせを行うことができる。即ち
複数形成されている光源を1つの面72cを基準として
位置あわせを行うことができるので、各光学部材に形成
されている各種光学素子に対してより高精度で位置あわ
せを行うことが可能になり、各光学部材に設けられてい
る各種光学素子に対する位置ずれが原因で発生する光学
特性の劣化を防止することができる。また光源2と光源
9との相互の位置調整も基準となる面が1つであるので
より容易に行うことができる。
【0306】また第1光学部材72のように、それぞれ
の光源からの光が入射してくる部位に光学素子が形成さ
れていない場合には、入射面となる面72dには、入射
してくる光が散乱されたりしないように面粗度をできる
限り小さくする等の非常に精密な加工を施す必要があ
る。
【0307】本実施の形態のように複数の光源からの光
を光学部材の同一面に入射させるようにしたことによ
り、このような精密加工を施さなければならない面の数
を減らすことができるので、精密加工に伴う製造工程を
簡略化でき、光ピックアップの生産性が向上する。また
精密加工に係る生産コストも低減することができるの
で、安価な光ピックアップとすることができる。
【0308】従って光源間の位置ずれおよび光源と光学
素子との間の位置ずれがほとんど存在せず、光学特性の
良好な信頼性の高い光ピックアップを実現することがで
きる。
【0309】また本実施の形態では、第1光学部材72
の光源に対向する面72dから光源2および光源9まで
の距離を等しくしている。このような関係に光源2およ
び光源9を配置することによって、光源2および光源9
を例えば同一の平行平面部材に当て決めして固定するこ
とができるので、光源2および光源9の高さ精度を容易
に確保することができる。そしてこれにより、高さ精度
がでていないことが原因で発生する光学特性の劣化を抑
制することができるので、良好な記録若しくは再生特性
を有した光ピックアップを実現することができる。
【0310】以上のような構成を有する光ピックアップ
の動作について説明する。記録媒体が高密度光ディスク
18である場合には、光源2から出射された光を用いて
記録若しくは再生を行う。この場合、光源2から出射さ
れた光は、まず第1光学部材72の第1の斜面72aに
形成された反射膜73で反射されて、第2の斜面72b
に形成されている偏光分離膜75に入射する。この偏光
分離膜75は光源2から出射された直線偏光を反射し、
それと直交する偏光方向の光を透過する働きを有してい
るので、光源2から入射してきた光は反射される。
【0311】その後第1光学部材72から出射された光
は、シールド部材85を透過して、第2光学部材86の
第1基板86aを透過した後、第2光学部材86の第2
基板86bの第2の斜面86eに形成されたフィルタ8
9を透過して第2光学部材86から出射され、1/4波
長板90に入射する。この1/4波長板90に入射した
光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換され
て1/4波長板90から出射される。
【0312】その後光源2から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束す
る。
【0313】そして高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板90に入射する。この
光は、高密度光ディスク18で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板90を通過する際には楕円偏光から光
源2から出射された往きの光の偏光方向と略直交する直
線偏光に変換されることとなる。即ち仮に光源2から出
射される際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部
材に入射することとなる。
【0314】1/4波長板90を通過した光は、第2光
学部材86に入射し、第2基板86bの第2の斜面86
eに形成してあるフィルタ89をほとんど透過して、第
2光学部材86から出射され、シールド部材85を透過
して、第1光学部材72に入射する。
【0315】そして第1光学部材72の第2の斜面72
bに形成されている偏光分離膜75に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると直
交する向きになっているので、光は偏光分離膜75をほ
とんど透過して、第1光学部材72の第3の斜面72c
に形成されている光路分割手段83に入射する。この光
路分割手段83により、入射してきた光は、その略半分
が透過され、略半分が反射されることになる。
【0316】そして光路分割手段83を透過した光は、
そのまま第1光学部材72の下に設けられている受光手
段91の所定の位置に形成されている受光部に所定の形
状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供するこ
とになる。
【0317】また光路分割手段83で反射された光は、
第1光学部材72の第2の斜面72bに設けられている
反射膜81で反射されて受光手段91にも受けられてい
る所定の受光部に所定の形状の光束が形成され、目的に
応じた信号形成に供することとなる。
【0318】記録媒体が低密度光ディスク19である場
合には、光源9から出射された光を用いて記録若しくは
再生を行う。この場合、光源9から出射された光は、ま
ず第1光学部材72の第1の斜面72aに形成された反
射膜74で反射されて、第2の斜面72bに形成されて
いる偏光分離膜76に入射する。この偏光分離膜76は
光源9から出射された直線偏光を反射し、それと直交す
る偏光方向の光を透過する働きを有しているので、光源
9から入射してきた光は反射される。
【0319】その後第1光学部材72から出射された光
は、第2光学部材86の第1基板86aの下端面に形成
された拡散角変換手段87に入射する。この拡散角変換
手段87により、光源9から出射された光は拡散角を変
換されて、拡散光だった光は収束光となって第2基板8
6bから出射され、第2光学部材86の第2基板86b
の第1の斜面86dに形成された複数ビーム形成手段8
8に入射し、偏光分離膜88aを透過して、ビーム分離
部88bで反射される際に1本のメインビームと2本の
サイドビームとに分離されたのち、第2の斜面86eに
形成されているフィルタ89に入射する。このフィルタ
89は光源9から出射された光を反射し、光源2から出
射された光を透過するように形成されているので、複数
ビーム形成手段88からフィルタ89に入射した光はほ
とんど反射されて第2光学部材86から出射される。
【0320】その後光源9から出射された光は、1/4
波長板90に入射する。この1/4波長板90に入射し
た光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換さ
れて1/4波長板90から出射される。
【0321】その後光源9から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束す
る。
【0322】そして低密度光ディスク19で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板90に入射する。この
光は、低密度光ディスク19で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板90を通過する際には楕円偏光から光
源9を出射された往きの光の偏光方向と略直交する直線
偏光に変換されることとなる。即ち仮に光源9から出射
される際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部材
に入射することとなる。
【0323】1/4波長板90を通過した光は、第2光
学部材86に入射し、その第2基板86bの第2の斜面
86eに形成してあるフィルタ89でほとんど反射され
て、第1の斜面86dに設けられている複数ビーム形成
手段88に入射する。この場合は、入射する光の偏光方
向が往きの光とは略直交する方向となっているので、入
射してきた光はビーム分離部88bにほとんど入射する
ことなく偏光分離膜88aで反射されて、第2基板86
bから出射され、第1基板86aに形成されている拡散
角変換手段87に入射する。
【0324】この拡散角変換手段87で拡散光として入
射してきた光は、その拡散角を変換されて収束光となっ
て第2光学部材86から出射され、シールド部材85を
透過して、第1光学部材72に入射する。
【0325】そして第1光学部材72の第2の斜面72
bに形成されている偏光分離膜76に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると略
直交する向きになっているので、光は偏光分離膜76を
ほとんど透過して、第3の斜面72cに形成されている
光路分割手段84に入射する。この光路分割手段84に
より、入射してきた光は、その略半分が透過され、略半
分が反射されることになる。
【0326】そして光路分割手段84を透過した光は、
そのまま第4光学部材の下部に設けられている受光手段
92の所定の位置に形成されている受光部に所定の形状
の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供すること
になる。
【0327】また光路分割手段84で反射された光は、
第2の斜面72bに設けられている反射膜82で反射さ
れて受光手段92に設けられている所定の受光部に所定
の形状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供す
ることとなる。
【0328】このように複数の光源を同一のパッケージ
内に配置した場合においても実施の形態2と同様に、そ
れぞれの光源から出射された光に発生する波面収差が大
きく異なる場合が多く、このためそれぞれ光源2,9の
発光点2a,9a(9e)とコリメートレンズの間の距
離を最適化しているが、考え方は実施の形態1及び実施
の形態2と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0329】先程も説明したように本実施の形態におい
ては、この様な光源載置部71の側面部71aに光源2
と光源9とを光源載置部71の底面から略同一の高さに
配置している。即ち光源2の発光点2aと光源9の発光
点9aとを結んだ直線は、記録媒体の表面に対して略垂
直となっている。
【0330】この様な配置にすることにより、光源2か
ら出射された光が第1光学部材72を通過する際に形成
する光軸を含む第1の平面と、光源9から出射された光
が第1光学部材72を通過する際に形成する光軸を含む
第2の平面及び光源9から出射された光が第2光学部材
86を通過する際に形成する光軸を含む第3の平面を光
の伝搬面として利用することができる。即ち記録媒体の
表面に対して垂直な面若しくは平行な面のいずれかの面
のみを伝搬面とするのではなく、そのいずれの面も伝搬
面として利用することができる。
【0331】またこの時第1の平面と第2の平面とを略
平行な関係とすることにより、本来第1の平面を構成す
る光軸に係る光の一部が、第2の平面を構成する光軸に
係る光が入射すべき光学素子に入射して迷光成分となる
こと、若しくは逆に本来第2の平面を構成する光軸に係
る光の一部が、第1の平面を構成する光軸に係る光が入
射すべき光学素子に入射して迷光成分となることを防止
できるので、この様な構成を有する光ピックアップの光
学特性を良好なものとすることができ、高性能な光ピッ
クアップを提供することができる。
【0332】このような立体的な伝搬面の形成を行うこ
とにより、各光学部材の空間利用効率を向上させること
ができる。これにより各光学部材の小型化が可能とな
り、これらの光学部材を搭載した光ピックアップの小型
化にも寄与することになる。
【0333】更にこのような空間の立体的な利用を行う
際に、記録媒体に平行な面内方向の利用頻度を記憶媒体
に非平行な面内方向の利用頻度に比べて高くすることに
より、各光学部材の薄型化が可能となるので、光ピック
アップの薄型化を可能にすることができる。このことに
より特に携帯型のパソコン等の情報端末に搭載される光
ディスクドライブに最適な光ピックアップを提供するこ
とができる。
【0334】なお本実施の形態においては光源2と光源
9を記録媒体の表面に対して略垂直に配置していたが、
これらの光源の配置は記録媒体の表面に対して非平行、
即ち記録媒体の表面に垂直な高さ方向に分布を有するよ
うな配置とすることにより、上記した目的を達成するこ
とができる。
【0335】なお実施の形態1〜4においては、いずれ
も高密度光ディスクと低密度光ディスクの記録若しくは
再生を例にあげて、波長の異なる複数の光源を有する光
ピックアップの説明をしてきたが、この光ピックアップ
は、これ以外にも、例えば波長により透過率が異なる記
録層を複数重ねて形成したような記録媒体に対しても使
用可能である。
【0336】なお実施の形態1〜4においては、いずれ
も高密度光ディスクと低密度光ディスクの記録若しくは
再生を例にあげて、波長の異なる複数の光源を有する光
ピックアップの説明をしてきたが、この光ピックアップ
は、これ以外にも、例えば波長により透過率が異なる記
録層を複数重ねて形成したような記録媒体に対しても使
用可能である。
【0337】(実施の形態5)図12は本発明の実施の
形態5における光ピックアップモジュールの正面図であ
る。図12において、101はディスクで、本実施の形
態においてはディスク101として、デジタルビデオデ
ィスク(以下DVDと略す)等の高密度ディスク18ま
たはコンパクトディスク(以下CDと略す)等の低密度
ディスク19を用いている。ここで高密度ディスク18
としては例えば、記録層を有する基板を2つ用意し、そ
の2つの基板を張り合わせた構成のディスク等である。
【0338】102はディスク101を回転させるスピ
ンドルモータ部で、ディスク101をクランプする機構
も有している。スピンドルモータ部102は、ディスク
101を回転させるスピンドルモータ及びディスク10
1を精度良く位置決めするターンテーブル等から形成さ
れている。
【0339】103はディスク101に対して記録若し
くは再生を行う光ピックアップ部で、その光学部分は実
施の形態1に示すような構成を有しているとともに集光
レンズ17をディスク101に対して動作させるアクチ
ュエータ108を備えている。
【0340】なお光ピックアップ部103としては、実
施の形態2〜4に示すものを用いることも可能である。
【0341】104は光ピックアップ部103をディス
ク101を内周及び外周に移させるフィード部である。
【0342】105はスピンドルモータ部102,光ピ
ックアップ部103及びフィード部104を搭載するモ
ジュールベースである。
【0343】106、107はスピンドルモータ部10
2及び光ピックアップ部103に電力を供給するフレキ
シブル基板である。
【0344】以上の様な構成を有する光ピックアップモ
ジュールの動作について説明する。スピンドルモータ部
102により回転しているディスク101の所定の位置
に存在するデータを再生するような命令がCPUから送
られてきた場合、まずアクチュエータ108により集光
レンズ17を引き込んだ状態でフィード部104を駆動
し、光源2若しくは9から光をディスク101に照射し
てその位置確認しつつ光ピックアップ部103を所定の
データが存在するトラックまで移動させる。
【0345】所定の位置まで移動してきた後は、光ピッ
クアップ部103に設けられているアクチュエータ10
8を駆動させて、フォーカシング信号及びトラッキング
信号を検出し、微少な位置調整を行った後、所定のトラ
ックの再生信号を光ピックアップ部103に設けられた
受光手段により検知して、信号再生を行う。
【0346】なお光ピックアップ部103への動力の供
給や信号の送受信及びスピンドルモータ部102への動
力の供給にはフレキシブル基板106,107を用いて
いる。
【0347】この様な構成を有する光ピックアップモジ
ュールにおいては、実施の形態1〜4に示した構成を有
する光ピックアップ部を用いているので、光ピックアッ
プモジュールの小型化・薄型化を実現することができ
る。
【0348】
【発明の効果】以上示してきたように、本発明は、より
発熱量の大きい光源を載置する第1の光源載置部の大き
さをより大きくして、第1の光源載置部全体の熱容量を
大きくすることにより、発熱量の多い光源からの熱を第
1の光源載置部に効率よく伝導することができるように
なる。
【0349】そしてこれにより、出力の大きな光源を光
ピックアップ内部に設けた場合にも、光源から発生する
熱の影響による不都合を最小限に抑制でき、光学特性が
安定しており、信頼性の高い優れた性能を有する光ピッ
クアップを実現することができる。
【0350】また第1の光源載置部と第2の光源載置部
とを接触させて設け、第1の光源載置部に載置された第
1の光源からの熱を放出する際に第1の光源載置部のみ
ならず、第2の光源載置部へも放熱可能になり、より効
率よく光源で発生した熱を外部に放出させることができ
る。
【0351】さらにこの様な構成により、第1の光源載
置部と第2の光源載置部との間の位置あわせも容易に行
うことができるので光ピックアップの生産性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による光ピックアップ装
置の構成と光路を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における無限光学系での
発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における波面収差量とL
3,L4との関係を示した図
【図4】本発明の実施の形態1における有限光学系での
発光点と集光レンズとの関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態2における集積化した光ピ
ックアップの断面図
【図6】本発明の実施の形態2における無限光学系での
発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
【図7】本発明の実施の形態2における対物レンズのシ
フトの有無による波面収差量とL5,L6との関係を示
した図
【図8】本発明の実施の形態3における集積化された光
ピックアップの断面図
【図9】本発明の実施の形態3における光学部分の詳細
な断面図
【図10】本発明の実施の形態4における集積化された
光ピックアップの断面図
【図11】本発明の実施の形態4における光学部分の詳
細な断面図
【図12】本発明の実施の形態5における光ピックアッ
プモジュールの正面図
【図13】本発明の実施の形態4における光源載置部を
示す斜視図
【図14】従来の光ピックアップの光学系を示す図
【符号の説明】
1 第1のパッケージ 1a 基板部 1b 側壁部 1c 端子 1d 出射部 1f 光源載置部 2 光源 2a,2e 発光点 3 受光素子 5 第1光学部材 5a 第1の斜面 5b 第2の斜面 6 光路分割手段 7 反射手段 8 第2のパッケージ 8a 基板部 8b 側壁部 8c 端子 8d 出射部 8f 光源載置部 9 光源 10 受光素子 11 第2光学部材 11a 第1の斜面 11b 第2の斜面 12 光路分割手段 13 反射手段 14 1/4波長板 15 光路分割手段 16 コリメータレンズ 17 集光レンズ 18 高密度光ディスク 19 低密度光ディスク 20 パッケージ 20a 基板部 20b 側壁部 20c 端子 21 受光素子 22 光学部材 22a 第1の斜面 22b 第2の斜面 22c 第3の斜面 22d 第1基板 22e 第2基板 23 拡散角変換手段 24 フィルタ 25 偏光分離膜 26 1/4波長板 27 拡散角変換手段 28 複数ビーム形成手段 29 反射手段 30 反射手段 31 拡散角変換手段 32 信号形成手段 33 受光素子 34 光源載置部 34a 面 40 パッケージ 40a 基板部 40b 側壁部 40c 端子 40d 開口部 41 第1光学部材 41a 第1の斜面 41b 第2の斜面 41c 面 42 光源載置部 42a 面 42b 光源載置部 42c 光源載置部 43,44 反射膜 45,46 偏光分離膜 47 第2光学部材 48 拡散角変換手段 49 第3光学部材 49a 第1の斜面 49b 第2の斜面 50 複数ビーム形成手段 50a 偏光分離膜 50b ビーム分離部 51 フィルタ 52 1/4波長板 53 第4光学部材 53a 第1の斜面 53b 第2の斜面 54,55 光路分割手段 56,57 反射膜 58,59 受光手段 70 パッケージ 70a 基板部 70b 側壁部 70c 端子 70d 開口部 71 光源載置部 71a 光源載置部 71b 光源載置部 72 第1光学部材 72a 第1の斜面 72b 第2の斜面 72c 第3の斜面 72d 面 73,74 反射膜 75,76 偏光分離膜 77,78 ホログラム 79,80 反射部 81,82 反射膜 83,84 光路分割手段 85 シールド部材 86 第2光学部材 86a 第1基板 86b 第2基板 86d 第1の斜面 86e 第2の斜面 87 拡散角変換手段 88 複数ビーム形成手段 88a 偏光分離膜 88b ビーム分離部 89 フィルタ 90 1/4波長板 91 受光手段 92 受光手段 101 ディスク 102 スピンドルモータ部 103 光ピックアップ部 104 フィード部 105 モジュールベース 106,107 フレキシブル基板 108 アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深草 雅春 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の
    光源を載置する第1の光源載置部と、前記第2の光源を
    載置する第2の光源載置部とを備え、前記第1の光源の
    出力が前記第2の光源の出力よりも大きい場合、前記第
    1の光源載置部の熱容量を、前記第2の光源載置部の熱
    容量よりも大きくしたことを特徴とする光ピックアッ
    プ。
  2. 【請求項2】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の
    光源を載置する第1の光源載置部と、前記第2の光源を
    載置する第2の光源載置部とを備え、前記第1の光源の
    出力が前記第2の光源の出力よりも大きい場合、前記第
    1の光源載置部の大きさを、前記第2の光源載置部の大
    きさよりも大きく形成したことを特徴とする光ピックア
    ップ。
  3. 【請求項3】第1の光源載置部の体積を第2の光源載置
    部の体積よりも大きくしたことを特徴とする請求項2記
    載の光ピックアップ。
  4. 【請求項4】第1の光源載置部の表面積を第2の光源載
    置部の表面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項
    2記載の光ピックアップ。
  5. 【請求項5】第1の光源載置部の熱伝導量を第2の光源
    載置部の熱伝導量よりも大きくしたことを特徴とする請
    求項2記載の光ピックアップ。
  6. 【請求項6】第1の光源載置部からの単位時間当たりの
    輻射熱量を第2の光源載置部からの単位時間当たりの輻
    射熱量よりも大きくしたことを特徴とする請求項2記載
    の光ピックアップ。
  7. 【請求項7】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の
    光源を載置する第1の光源載置部と、前記第2の光源を
    載置する第2の光源載置部と、前記第1の光源と、前記
    第2の光源と、前記第1の光源載置部と、前記第2の光
    源載置部とを収納する収納部材とを備え、前記第1の光
    源の出力が前記第2の光源の出力よりも大きい場合、前
    記第1の光源載置部の熱容量を、前記第2の光源載置部
    の熱容量よりも大きくしたことを特徴とする光ピックア
    ップ。
  8. 【請求項8】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の
    光源を載置する第1の光源載置部と、前記第2の光源を
    載置する第2の光源載置部と、前記第1の光源と、前記
    第2の光源と、前記第1の光源載置部と、前記第2の光
    源載置部とを収納する収納部材とを備え、前記第1の光
    源の出力が前記第2の光源の出力よりも大きい場合、前
    記第1の光源載置部の大きさを前記第2の光源載置部の
    大きさよりも大きく形成したことを特徴とする光ピック
    アップ。
  9. 【請求項9】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の
    光源を載置する第1の光源載置部と、前記第2の光源を
    載置する第2の光源載置部と、前記第1の光源と、前記
    第2の光源と、前記第1の光源載置部と、前記第2の光
    源載置部とを収納する収納部材とを備え、前記第1の光
    源載置部と前記第2の光源載置部とを接触させて設けた
    ことを特徴とする光ピックアップ。
  10. 【請求項10】第1の光源載置部の体積を第2の光源載
    置部の体積よりも大きくしたことを特徴とする請求項9
    記載の光ピックアップ。
  11. 【請求項11】第1の光源載置部の表面積を第2の光源
    載置部の表面積よりも大きくしたことを特徴とする請求
    項9記載の光ピックアップ。
  12. 【請求項12】第1の光源載置部の熱伝導量を第2の光
    源載置部の熱伝導量よりも大きくしたことを特徴とする
    請求項9記載の光ピックアップ。
  13. 【請求項13】第1の光源載置部からの単位時間当たり
    の輻射熱量を第2の光源載置部からの単位時間当たりの
    輻射熱量よりも大きくしたことを特徴とする請求項9記
    載の光ピックアップ。
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