JPH11110773A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JPH11110773A
JPH11110773A JP9268493A JP26849397A JPH11110773A JP H11110773 A JPH11110773 A JP H11110773A JP 9268493 A JP9268493 A JP 9268493A JP 26849397 A JP26849397 A JP 26849397A JP H11110773 A JPH11110773 A JP H11110773A
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JP
Japan
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light
light source
optical
emitted
reflected
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Application number
JP9268493A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tanigawa
浩 谷川
Taiichi Mori
泰一 森
Masaharu Fukakusa
雅春 深草
Haruhiko Kono
治彦 河野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立工程における作業性が良好な光ピックア
ップを実現することを目的とする。 【解決手段】 受光素子3の上面に、突起部材3aを設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの情報
の記録や再生を行う光ピックアップに係り、特に、CD
やCD−ROM等の従来型光ディスクやデジタルビデオ
ディスク(DVD、DVD−ROM、DVD−RAM)
等の高密度光ディスクのようにディスク基板の厚みや記
録密度等の規格の異なる光ディスクの記録や再生が可能
な光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】図14は従来の光ピックアップを示す断
面図である。
【0003】図14において、201は基板で、基板2
01上には光源202や受光素子203が載置されてい
る。更に基板201には側壁部204が接合されてい
る。また側壁部204の光が通過する部分には開口が設
けられており、その開口を塞ぐように光学部材205が
側壁部204に接合されている。また光学部材205の
表面には、光源202から出射され、記録媒体で反射さ
れてきた光を光源202とは異なる方向に分離する働き
を有するホログラム206が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の光ピックアップに用いられている光学ヘッドでは、光
源や受光素子を正確に位置あわせする必要があるのだ
が、特に受光素子203は薄くて平べったい形状を有し
ているのでその取り扱いが難しく、挟んだり吸着したり
する自動組立機において受光素子が破損したり、微妙な
位置あわせを行うことが難しいという問題点があった。
更にこの様な集積型の光ピックアップにおいては吸着用
のノズル等の工作器具を挿入するスペースが非常に制限
されているので、特に上記した問題の困難性を助長する
ことになる。
【0005】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、組立工程における作業性が良好な光ピックアップを
実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、光源から出射され、記録媒体で反射されてきた光を
受光する受光手段と、光源と受光手段とを収納する収納
部材とを備え、受光手段には突起が設けられている構成
とした。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、光源
と、前記光源から出射され、記録媒体で反射されてきた
光を受光する受光手段と、前記光源と前記受光手段とを
収納する収納部材とを備え、前記受光手段には突起が設
けられていることにより、受光手段の光源に対する相対
的な位置調整を行う際に、突起部材を掴んで移動させる
ことができるので、光ピックアップの組立時における作
業性を良好にすることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、第1の方向と第
2の方向に光を出射する光源と、前記光源から第1の方
向に出射され、記録媒体で反射されてきた光を受光する
受光手段と、前記光源と前記受光手段とを収納する収納
部材とを備え、前記受光手段には突起部が設けられてお
り、前記突起部の前記光源に対向する面の法線と前記光
源から第2の方向に出射された光の光軸とは非平行で、
前記突起部の前記光源に対向する面に前記第2の方向に
出射された光を入射させることにより、受光手段の正確
な位置あわせとパッケージ内に発生する迷光の抑制を1
つの部材で行うことができるようになるので、それぞれ
を別々に設けた場合に比べて部品点数の削減や組立工程
の簡略化及び光ピックアップの小型化・空間利用効率の
向上を図ることができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、光源と、前記光
源から出射され、記録媒体で反射されてきた光を受光す
る受光手段と、前記光源から出射された光を所定の位置
に導くとともに記録媒体で反射された光を前記受光手段
に導く光学部材と、前記光学部材を前記光源と前記受光
手段と前記光学部材とを収納する収納部材とを備え、前
記受光手段には突起部が設けられており、前記突起部は
前記光学部材を支持していることにより、光源と受光手
段との間の相対的な位置決めをより正確に行いつつ、光
学部材の取付誤差、特に収納部材の基準面に対する平行
度を向上させることができるので、光学部材の取付精度
をより高くすることが可能になり、特に光学部材と光源
から出射される光の光軸とのなす角を正確に所定の角度
にすることができる。
【0010】請求項4に記載の発明は、第1の光源と、
第2の光源と、前記第1の光源から出射され、記録媒体
で反射されてきた光を受光する第1の受光手段と、前記
第2の光源から出射され、記録媒体で反射されてきた光
を受光する第2の受光手段と、前記第1の光源,前記第
2の光源,前記第1の受光手段及び前記第2の受光手段
とを収納する収納部材とを備え、前記第1の受光手段と
前記第2の受光手段にはそれぞれ突起部が設けられてい
ることにより、第1の受光手段の第1の光源に対する相
対的な位置調整及び第2の受光手段の第2の光源に対す
る相対的な位置調整を行う際に、それぞれに設けられた
第1の突起部材及び第2の突起部材を掴んで移動させる
ことができるので、光ピックアップの組立時における作
業性を良好にすることができる。
【0011】請求項5に記載の発明は、第1の方向と第
2の方向に光を出射する第1の光源と、第3の方向と第
4の方向に光を出射する第2の光源と、前記第1の光源
から第1の方向に出射され、記録媒体で反射されてきた
光を受光する第1の受光手段と、前記第2の光源から第
3の方向に出射され、記録媒体で反射されてきた光を受
光する第2の受光手段と、前記第1の光源,前記第2の
光源,前記第1の受光手段及び前記第2の受光手段とを
収納する収納部材とを備え、前記第1の受光手段には第
1の突起部が設けられており、前記第2の受光手段には
第2の突起部が設けられており、前記第1の突起部の前
記第1の光源に対向する面の法線と前記第1の光源から
第2の方向に出射された光の光軸とは非平行で、前記第
2の突起部の前記第2の光源に対向する面の法線と前記
第2の光源から第4の方向に出射された光の光軸とはと
もに非平行で、前記第1の突起部の前記第1の光源に対
向する面に前記第2の方向に出射された光を入射させ、
前記第2の突起部の前記第2の光源に対向する面に前記
第4の方向に出射された光を入射させることにより、第
1の受光手段及び第2の受光手段のそれぞれの正確な位
置あわせと収納部材内に発生する迷光の抑制を第1の突
起部と第2の突起部で行うことができるようになるの
で、それぞれを別々に設けた場合に比べて部品点数の削
減や組立工程の簡略化及び光ピックアップの小型化・空
間利用効率の向上を図ることができる。
【0012】請求項6に記載の発明は、第1の光源と、
第2の光源と、前記第1の光源から出射され、記録媒体
で反射されてきた光を受光する第1の受光手段と、前記
第2の光源から出射され、記録媒体で反射されてきた光
を受光する第2の受光手段と、前記第1の光源から出射
された光を所定の位置に導くとともに記録媒体で反射さ
れた光を前記第1の受光手段に導き、かつ、前記第2の
光源から出射された光を所定の位置に導くとともに記録
媒体で反射された光を前記第2の受光手段に導く光学部
材と、前記第1の光源,前記第2の光源,前記第1の受
光手段,前記第2の受光手段及び前記光学部材とを収納
する収納部材とを備え、前記第1の受光手段には第1の
突起部が設けられ、前記第2の受光手段には第2の突起
部が設けられており、前記第1の突起部と前記第2の突
起部の少なくとも一方が前記光学部材を支持しているこ
とにより、第1の光源と第1の受光手段,第2の光源と
第2の受光手段との間の相対的な位置決めをより正確に
行いつつ、光学部材の取付誤差、特に収納部材の基準面
に対する平行度を向上させることができるので、光学部
材の取付精度をより高くすることが可能になり、特に光
学部材と第1の光源,第2の光源から出射される光の光
軸とのなす角を正確に所定の角度にすることができる。
【0013】(実施の形態1)まず最初に本発明の実施
の形態1について図を参照しながら説明する。
【0014】図1は、本発明の実施の形態1における光
ピックアップの構成と光路を示す図である。なお図1中
で、点線は従来型光ディスクを再生する場合の光路を示
し、実線は、高密度光ディスクを再生する場合の光路を
示している。図1において、1は第1のパッケージであ
り、第1のパッケージ1は、高密度光ディスク用の光を
出射する光源2や高密度光ディスクで反射された光を受
光する受光素子3等が載置される基板部1a及びそれら
の部材を包含するように設けられている側壁部1b等に
より形成されている。これらの基板部1aと側壁部1b
等は一体で形成しても別体で形成しても良い。なお一体
で形成した場合には、組立工程の簡素化を図ることがで
き、生産性の向上が可能になる。第1のパッケージ1を
形成する材料としては金属、セラミック等の材料を用い
ることが、光源2で発生する熱を良好に放出できるので
好ましい。
【0015】そして金属材料の中でも、熱伝導性が高い
Cu,Al,Fe等の金属材料やFeNi合金やFeN
iCo合金等の合金材料を用いることが好ましい。なぜ
ならばこれらの材料は安価で放熱性が高く、かつ、高周
波重畳回路等からの電磁波等のノイズを遮断する電磁シ
ールドとしての効果も有するからである。これらの中で
も特にFe,FeNi合金,FeNiCo合金は熱抵抗
が小さく、放熱性が良好なので、光源2で発生する熱を
効率的に外部に放出することができる。またこれらの材
料は、低コストであるので、光ピックアップ装置を低価
格で提供することが可能になる。
【0016】また第1のパッケージ1はその基板部1a
及び必要に応じて側壁部1bを大きな熱容量を有するキ
ャリッジ(図示せず)に当接させることにより、光源2
で発生する熱を外部に逃がしている。従ってキャリッジ
に接触している基板部1aの面積が大きければ大きいほ
ど放熱性が良好になる。
【0017】さらに基板部1aには光源2に電力を供給
したり、受光素子3からの電気信号を演算回路に伝達す
る端子(図示せず)が設けてある。この端子はピンタイ
プのものであっても良いし、プリントタイプのものであ
っても良いここで特にピンタイプで端子を形成した場合
について説明する。端子は、金属材料から構成されてい
る基板部1aに電気的に接触しないようにしながら、基
板部1aに設けられている複数の孔(図示せず)に挿入
されている。この端子の材質としてはFeNiCo合
金,FeNi合金,FeCr合金等を用いることが好ま
しい。基板部1aと端子の間の電気的な接触を断つ手段
としては、孔において端子と基板部1aと接する部分に
ついては絶縁性の皮膜等が設けることが好ましく、更に
この部分から外気が混入してこないように密閉しておく
ことが好ましい。このような要求を満たすものとしてハ
ーメチックシール等の絶縁及び密閉の双方を同時に行え
るものを用いることが好ましい。ここでは特に整合封止
型若しくは圧縮封止型のハーメチックシールを用いるこ
とが好ましい。なぜならばこれらの部材は極めて容易に
絶縁と密閉の双方を行うことができ、さらに極めて安価
であるので、端子の基板部1aへの取付工程を簡略化で
き、さらには光ピックアップの製造コストを削減できる
からである。また同時に広い温度範囲にわたって高い気
密性及び絶縁性を保つことができるので、光ピックアッ
プの信頼性を高くすることができ、かつ端子形状も比較
的自由に変形することができるので、設計の自由度も大
きくすることができる。
【0018】光源2としては単色で、干渉性、指向性お
よび集光性が良好なものを用いることが、適当な形状の
ビームスポットを比較的容易に形成でき、ノイズ等の発
生を抑制できるので好ましい。このような条件を満たす
ものとして、固体、ガス及び半導体等の各種レーザ光を
用いることが好ましい。特に半導体レーザはその大きさ
が非常に小さく、光ピックアップの小型化を容易に実現
することができるので、光源2としては最適である。
【0019】そしてこのときの光源2の発振波長は80
0nm以下であることが、光源から出射された光が記録
媒体上に収束する際のビームスポットを容易に記録媒体
に形成されているトラックのピッチ程度の大きさにする
ことができるので好ましい。更に光源2の発振波長が6
50nm以下であれば、非常に高密度で情報が記録され
ている記録媒体をも再生することができる程度に小さな
ビームスポットを形成できるので、大容量の記憶手段を
容易に実現することができ、特に高密度光ディスクの対
する記録再生に供される光源2としては好ましい。
【0020】光源2を半導体レーザで構成した場合、8
00nm程度以下の発振波長を実現できる材料として
は、AlGaInP,AlGaAs,ZnSe,GaN
等があり、これらの中でも特にAlGaAsは、化合物
材料の中でも結晶成長が容易であり、従って半導体レー
ザの製造が容易であるので、歩留まりが高く、高い生産
性を実現することができるので好ましい材料である。ま
た650nm以下の発振波長を実現できる材料として
は、AlGaInP,ZnSe,GaN等がある。これ
らの材料を用いた半導体レーザを光源2として用いるこ
とにより、記録媒体上に形成されるビームスポット径を
より小さくすることができるので、さらなる記録密度の
向上が可能になり、従って高密度光ディスクの再生が可
能になる。
【0021】これらの中でも特にAlGaAsPは長期
間にわたり安定した性能を有しているので、光源2の信
頼性を向上させることができるので好ましい材料であ
る。
【0022】また光源2の出力は、再生専用である場合
には3〜10(mW)程度であることが、再生に必要な
光量を十分に確保しつつエネルギーの消費を最小限に抑
制でき、更には光源2から放出される熱量も抑制できる
ので好ましい。記録再生兼用である場合には、記録の際
に記録層の状態を変化させるために大きなエネルギーを
必要とするので、少なくとも25(mW)以上の出力が
必要となる。但し出力が60mWを超えると光源2から
放出される熱を外部に逃がすことが難しくなり、光源2
及びその周辺部が高温になってしまい、光源の寿命が著
しく低下し、最悪の場合には光源が破壊される危険性が
ある。このため電気回路が誤動作を起こしたり、光源2
自体が波長変動を起こして発振波長がシフトしたり、信
号にノイズが混入したりして、光ピックアップの信頼性
が大きく低下してしまうので好ましくない。
【0023】次に受光素子3について説明する。受光素
子3には、記録媒体で反射されてきた光が、記録媒体に
記録されていた情報や光の入射位置等の情報を備えた状
態で入射する。そして受光素子3は複数の受光部に分割
されており、それぞれの受光部に入射してきた光の量に
応じて出力される電気信号を演算することにより、RF
信号やフォーカス・トラッキング信号等を形成する。
【0024】更に受光素子3の上面には、突起部材3a
が設けられている。この突起部材3aは、略直方体形状
を有しており、受光素子3上に接合されている。この突
起部材3aは、金属もしくは樹脂等の取り扱いの容易
で、かつ、ある程度の強度を有した材料で形成されてい
ることが好ましい。
【0025】この様な突起部材3aを設けたことによ
り、受光素子3の光源2に対する相対的な位置調整を行
う際に、突起部材3aを掴んで基板1aに沿って移動さ
せることができるので、微妙な受光素子3の位置調整を
容易に行うことができる。従って光ピックアップの組立
時における作業性を良好にすることができる。
【0026】また光源2と受光素子3との間の相対的な
位置決めをより正確に行うことができるので、位置ずれ
に起因して発生する信号特性の劣化等を抑制することが
でき、高性能で信頼性の高い光ピックアップとすること
ができる。
【0027】次に光源2を載置する光源載置部150に
ついて説明する。光源載置部150はその形状が直方体
状若しくは板形状で、その上面若しくは側面にはには光
源2が取り付けられている。この光源載置部150は、
基板部1a若しくは側壁部1b等に設けられており、光
源2を載置するとともに、光源2で発生した熱を逃がす
働きを有している。光源載置部150と光源2との接合
には熱伝導等を考慮すると、光源載置部150の上面に
予めAu−Snなどの半田を鍍金しておき、高温で半田
付けする方法やAu−Sn,Sn−Ag,Sn−Sb,
Sn−Pb−In等の箔(厚さ数μm〜数十μm)を高
温で圧着する方法を用いることが好ましい。また光源2
は光源載置部150の載置面に対して略平行に取り付け
なければ光学系の収差や結合効率の低下等の原因にな
る。従って接合の際には光源2は光源載置部150に所
定の位置に所定の高さで載置面に対して略平行にマウン
トされることが好ましい。
【0028】さらに光源載置部150の上面には光源2
の下面と電気的に接触するように電極面が設けられてい
る。この電極面は光源2の電源供給用のもので、電極面
を構成する金属膜としては導電性や耐食性を考慮してA
uの薄膜を用いることが好ましい。
【0029】また光源載置部150は、光源2で発生す
る熱や光源2との取付等の問題から、熱伝導性が高く、
かつ、線膨張係数が光源2のそれ(約6.5×10-6
℃)に近い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が3
〜10×10-6/℃で、熱伝導率が100W/mK以上
である物質、例えばAlN,SiC,T−cBN,Cu
/W,Cu/Mo,Si等を、特に高出力の光源2を用
いる場合で熱伝導率を非常に大きくしなければならない
ときにはダイアモンド等を用いることが好ましい。光源
2と光源載置部150の線膨張係数が同じか近い数値と
なるようにした場合、光源2と光源載置部150の間の
歪みの発生を抑制することができるので、光源2と光源
載置部150との取付部分が外れたり、光源2にクラッ
クが入る等の不都合を防止することができる。しかしな
がら本範囲を外れた場合には、光源2と光源載置部15
0の間に大きな歪みが生じてしまい、光源2と光源載置
部150との取付部分が外れたり、光源2にクラック等
を生じる可能性が高くなる。また光源載置部150の熱
伝導率をできるだけ大きく取ることにより、光源2で発
生する熱を効率よく外部に逃がすことができる。しかし
ながら熱伝導率が本限定以下の場合には、光源2で発生
した熱が外部に逃げ難くなるため、光源2の温度が上昇
し、光源2から出射される光の波長がシフトしてしま
い、記録媒体での光の収束位置が微妙に異なってしま
い、再生信号に多くのノイズ成分が混入してしまった
り、光源2の出力が低下してしまい、記録媒体に対する
記録再生動作が正常に行えなくなったり、更には光源2
の寿命が短くなったり、最悪の場合には光源2が破壊さ
れてしまう等の不都合が発生しやすくなる。本実施の形
態では、これらの2つの特性のどちらにも非常に優れた
AlNを用いた。更に光源載置部150の上面には光源
2との接合性を良くするために、光源載置部150から
光源2に向かってTi,Pt,Auの順に薄膜を形成す
ることが好ましい。なお、光源載置部150の材質とし
てSiを用いた場合にはTi層の前にAl23膜や部材
表面の表面酸化膜等の絶縁層を形成しておくことが好ま
しい。
【0030】第1のパッケージ1の側壁部1bには開口
部1dを塞ぐように第1光学部材5が接合されている。
この第1光学部材5は、光源2から出射され記録媒体で
反射されてきた光を受光素子3の所定の位置に導く働き
を有している。ここでは第1光学部材5が複数の斜面を
有しており、それぞれの斜面に形成された光学素子を用
いて戻り光を誘導する場合の構成について説明する。
【0031】第1光学部材5は、その内部に第1の斜面
5aと第2の斜面5bとが形成されている。さら第1の
斜面5aにはハーフミラーや偏光分離膜等で構成されて
いる光路分割手段6が形成してあり、第2の斜面5bに
は入射してきた光を受光素子3に導く反射手段7が形成
されている。また特に高密度光ディスクの書き換え可能
な場合には、非常に高いエネルギーを光ディスクに照射
する必要があるので、光源2から出射された光をできる
だけ効率よく光ディスク上に導く必要がある。このこと
を考慮して光路分割手段6を偏光分離膜で形成して1/
4波長板4と組み合わせて用いることが、光の利用効率
を向上させ、複数種類の光ディスクを用いて記録もしく
は再生を行えるので好ましい。また光源2からの出射光
量を抑制することができるので、光源2の長寿命化を図
ることができ、引いては光ディスク装置の信頼性を向上
させることができるので好ましい。
【0032】ここで1/4波長板4は、直線偏光で入射
してきた光を楕円偏光に変換する働きを有しており、記
録媒体で反射されて回転方向が反対になった楕円偏光は
前述した入射の偏光方向と直交する直線偏光に変換す
る。
【0033】なお反射手段7の位置には、目的(例えば
非点収差を用いたフォーカスエラー信号の形成等)に応
じた光学素子を配置することが好ましい。例を挙げると
ナイフエッジ法によりフォーカスエラー信号形成する際
には、反射手段7の位置にはナイフエッジを形成できる
光学素子を形成し、非点収差法を用いてフォーカスエラ
ー信号を得る場合には、反射手段7の位置には非点収差
を形成できる光学素子を形成する。そしてこれらの光学
素子は第1光学部材5中に形成されることを考慮する
と、ホログラム等で形成することが、例えばレンズ等で
構成している場合に比べて薄く形成することができるの
で、空間をより有効に利用することが可能になり、第1
光学部材5の小型化、薄型化を容易に行うことができる
ので好ましい構成である。
【0034】また第1光学部材5は全体として平行平面
板状に形成されていることが収差の発生等を防止でき、
従って良好な再生信号形成若しくはファーカス・トラッ
キング信号形成を行うことができるので好ましい。さら
に第1光学部材5はその上面及び下面が透過する光の光
軸に対して正確にほぼ垂直となるように取り付けられて
いることが、非点収差の発生を防止でき、スポットのぼ
けによる再生信号の劣化を防止することができる。
【0035】また第1光学部材5を形成する材料として
は、ガラスや樹脂などの高い光透過性を有する材料を用
いることが、光量の減少を防止できるとともに第1光学
部材5を透過した光の光学特性を劣化させないので好ま
しい。特にガラスは複屈折が起こらず、従って透過した
光の特性を良好に保持できるので、第1光学部材5の材
料として好ましい。更にガラスの中でもBK−7等の波
長分散の小さなすなわちアッベ数の大きな光学ガラスを
用いることが、特に波長変動による球面収差の発生を抑
制できるので好ましい。
【0036】そして、第1光学部材5の形成方法として
は、予め中に光学素子が形成されている複数のサイコロ
状のプリズムを直線状に接合して形成するか、もしく
は、板状の構成材料の所定の位置に光学素子を形成した
後にそれぞれの板状材料を張り合わせて所定の形状に切
り出す等の方法を用いることが、良好な生産性を得られ
るので好ましい。特に後者の方法では高い生産性と歩留
まりを両立させることができるので好ましい方法であ
る。
【0037】なお本実施の形態においては第1のパッケ
ージ1の側壁部1bに設けられた開口部1dに直接第1
光学部材5を接合していたが、第1のパッケージ1と第
1光学部材5とは離間して設けても良い。離間して設け
ることにより、パッケージ1の高さのばらつきが存在す
る場合に問題となる光源2と第1光学部材5との距離を
より正確に調整することが可能になるので、第1光学部
材5によって受光素子3に導かれた光の光学特性をより
良好に保つことができ、正確な信号の検出が可能にな
る。
【0038】次に図1において、8は第2のパッケージ
であり、第2のパッケージ8は、低密度光ディスク用の
光を出射する光源9や低密度光ディスクで反射された光
を受光する受光素子10等が載置される基板部8a及び
それらの部材を包含するように設けられている側壁部8
b等により形成されている。なお以下第2のパッケージ
8については特に第1のパッケージ1と異なる部分につ
いて説明する。
【0039】まず第2のパッケージ8を形成する材料と
しては金属、セラミック等の材料を用いることが、光源
9で発生する熱を良好に放出できるので好ましい。
【0040】そして金属材料の中でも、熱伝導性が高い
Cu,Al,Fe等の金属材料やFeNi合金やFeN
iCo合金等の合金材料を用いることが好ましい。なぜ
ならばこれらの材料は安価で放熱性が高く、かつ、高周
波重畳回路等からの電磁波等のノイズを遮断する電磁シ
ールドとしての効果も有するからである。これらの中で
も特にFe,FeNi合金,FeNiCo合金は熱抵抗
が小さく、放熱性が良好なので、光源9で発生する熱を
効率的に外部に放出することができる。またこれらの材
料は、低コストであるので、光ピックアップ装置を低価
格で提供することが可能になる。
【0041】ただし第2のパッケージ8を形成する材料
の熱伝導率は第1のパッケージ1を構成する材料の熱伝
導率に比べて同等であるか、より小さい方が好ましい。
なぜならば高密度光ディスク用の光源2は低密度光ディ
スク用の光源9よりも出力が同じか大きいことが多く、
従って光源2から放出される熱量も光源9から放出され
る熱量に比べて同じか大きくなっている。光源2及び光
源9間の放熱量が異なる場合に光源を保持し熱を放出す
る部分の熱伝導量が同様になるように構成すると、光源
2の方が光源9に比べて高温になってしまい、発振波長
がシフトして高密度光ディスクへの記録再生が正確に行
えなくなったり、電気回路系が誤動作を起こしたり、色
々な不都合が発生してしまう可能性があるからである。
【0042】第2のパッケージ8を形成する材料の熱伝
導率は第1のパッケージ1を構成する材料の熱伝導率に
比べて同等とするか、より小さくすることにより、光源
2の方が光源9に比べて高温になる可能性を低減するす
ることができるので、光源2の発振波長がシフトして高
密度光ディスクへの記録再生が正確に行えなくなった
り、電気回路系が誤動作を起こしたり、色々な不都合が
発生することを防止することができる。
【0043】また第1のパッケージ1と第2のパッケー
ジ8とのキャリッジ(図示せず)との接触面積は異なら
せることが好ましい。接触面積を異ならせることによ
り、面積の大きい方が単位時間当たりにより多くの熱を
放出することができるので、それぞれのパッケージの熱
伝導率の差では吸収できない発生熱量の差をうまく解消
することができる。ここではとくに第1のパッケージ1
のキャリッジへの接触面積を大きくしている。
【0044】光源9の発振波長は800nm以下である
ことが、光源から出射された光が記録媒体上に収束する
際のビームスポットを容易に記録媒体に形成されている
トラックのピッチ程度の大きさにすることができるので
好ましい。特に光源9としては光源2よりも発振波長が
長いものを用いることができ、例えばCDを再生する場
合には780nm程度で十分な大きさのビームスポット
を低密度光ディスク上に形成することができる。
【0045】次に光源9を載置する光源載置部152に
ついて説明する。光源載置部152はその形状が直方体
状若しくは板形状で、その上面若しくは側面には光源9
が取り付けられている。この光源載置部152は基板部
8a若しくは側壁部8bに設けられており、光源9を載
置するとともに、光源9で発生した熱を逃がす働きを有
している。光源載置部152と光源9との接合には熱伝
導等を考慮すると、光源載置部152と同様に、光源9
で発生する熱や基板部8aとの取付等の問題から、熱伝
導性が高く、かつ、線膨張係数が光源9及び基板部8a
に近い材質を用いることが好ましい。しかしながら光源
9から発生する熱量は光源2からのそれに比べてそれほ
ど大きくはないので、これらの特性値の要求は光源載置
部150に比べるとそれほど厳しくはない。従って光源
載置部152は、線膨張係数が光源9のそれ(約6.5
×10-6/℃)に近く、かつ熱伝導率が、光源2と光源
9の出力比を考慮すると、光源載置部150のそれに比
べて1/5以上である材質を用いることが好ましい。具
体的には線膨張係数が3〜10×10-6/℃で、熱伝導
率が20W/mK以上である物質を用いることが好まし
い。例えばこのような材料としては、光源載置部150
の材質例で示したもの以外にMo,Cu,Fe,FeN
iCo合金,FeNi合金等があり、ここでは光源載置
部150を形成したAlNに比べて非常に安価で、これ
らの特性に比較的優れたCu,Mo等の材料で光源載置
部152を形成した。
【0046】また光源載置部152の基板部8a若しく
は側壁部8bに接する面積は、光源載置部150よりも
小さくして、基板との接触面積を光源載置部150のそ
れと比較して小さくすることが望ましい。このような構
成とすることにより、光源9よりも一般的に発熱量の大
きい光源2に発生する熱を特に良好に基板に伝導させる
ことができる。従って高温に対して耐性の低い半導体レ
ーザを用いた場合においても、光源2の使用中の温度が
光源9のそれよりも大幅に高くなることを防止できるの
で、結果として光源2の寿命が光源9の寿命よりも明ら
かに短くなることがなくなり、光ピックアップの寿命を
相対的に長くすることがでるとともに信頼性を向上させ
ることができる。
【0047】更に光源載置部152は、第1のパッケー
ジ1の光源載置部150に比べて小さく形成されている
ので、これについて説明する。
【0048】光源載置部150に載置される光源2は高
密度光ディスクの記録若しくは再生に供されるものであ
り、光源載置部152に載置される光源9は低密度光デ
ィスクの再生に供されるものである。
【0049】光ディスクにおける記録には、非常に出力
の大きな光源(通常出力20w以上)を用いることが一
般的であるのに対し、光ディスクにおける再生には、あ
まり大きな出力の光源は必要とされず、通常は数mwク
ラスの光源を用いることが一般的である。
【0050】従って記録にも用いられる可能性のある光
源2を載置する光源載置部150と再生に用いられる光
源9を載置する光源載置部152とでは、要求される放
熱性のレベルに違いがあり、この違いに対応する1つの
方法として、その形状自体を異ならせることが効果的で
ある。
【0051】即ち光源載置部150の大きさを光源載置
部152の大きさに比べて大きく構成して、光源載置部
150の熱容量を大きくし、光源2で発生する熱が効率
よく光源載置部150に伝わるように構成した。
【0052】このような構成としたことにより、光源2
から発生する熱を伝導により光源載置部150に放出で
き、さらに光源載置部150から基板部1a若しくは側
壁部1bへの伝導による放熱と共に光源載置部152の
表面からの輻射による放熱をより大きな割合で用いるこ
とができるようになるので、発熱量の多い光源2からの
熱を非常に効率的に放出することができるようになる。
【0053】さらにこの時、光源載置部150の伝導熱
量は光源載置部152の熱伝導量よりも大きいことが好
ましい。この様な構成とすることにより、より出力の大
きな光源2からの熱を光源載置部150を介してより効
率的に外部に放出することができるようになる。
【0054】これにより光源2の周囲に熱が蓄積され
て、光源2が高温になることにより発生する光源2から
出射される光の波長のシフトを抑制することができる。
さらに光源2の温度上昇を効率よく抑制することができ
るので、光源2が熱により劣化したり、破壊されたりす
ることを抑制することができ、従って光ピックアップの
信頼性を向上させることができる。
【0055】なお本実施の形態においては光源載置部の
形状を異ならせることで光源載置部を差別化していた
が、光源載置部の体積を異ならせることが、蓄積される
熱量に最も効果的に作用するのでこのましい。
【0056】また光源載置部150の表面積を光源載置
部152の表面積よりも大きくすることにより、光源載
置部150表面からの輻射熱量をより大きくすることが
できる。そして光源載置部150からの単位時間当たり
の輻射熱量を光源載置部152からの単位時間当たりの
輻射熱量に比べて多くすることにより、輻射によっても
光源載置部150から効率よく外部に熱を放出すること
ができ、光源2の熱的負荷を低減することができる。
【0057】なお本実施の形態においては2つの光源パ
ッケージを用いていたが、2以上であれば何個用いても
良い。この場合それぞれの光源パッケージに搭載される
光源の出力に応じて光源載置部の物理的性質を異ならせ
ることが好ましい。
【0058】以上示してきたように、光源2を載置する
光源載置部150の物理的な性質(例えば熱容量、大き
さ、体積、表面積等)を光源9を載置する光源載置部1
52の物理的な性質と異ならせたことにより、高出力で
より高温になる可能性の高い光源2から発生する熱を効
率よく放出することができるようになるので、光源2が
高温になり、発振波長がシフトしてしまったり、光源2
が熱のため破壊されてしまうのを防止することができ
る。
【0059】また光源2と光源9の動作時の温度をほぼ
同一とすることができるようになる、即ちいずれか片方
のみが大幅に高い温度で動作することがないので、光源
2及び光源9の寿命が大幅に異なることがなくなり、従
って光ピックアップの寿命が極端に違うと言うことのな
い信頼性の高い光ピックアップとすることができる。
【0060】第2光学部材11は、その構成はほぼ第1
光学部材5と同様であるが、斜面に形成された光学素子
に違いがある場合があるので、それについて説明する。
第1の斜面11aにはハーフミラーや偏光分離膜等で構
成されている光路分割手段12が形成してあり、第2の
斜面11bには入射してきた光を受光素子10に導く反
射手段13が形成されている。
【0061】ここで高密度光ディスクと低密度光ディス
クとでは信号検出方法が異なる場合が多い。従って受光
素子10における受光部の配置は、受光素子3の受光部
の配置とは異なっている場合が多い。従って受光素子1
0に光ディスクからの光を導く際に反射手段13でフォ
ーカスエラー信号等を形成している場合には、反射手段
13の形状は反射手段7の構成とは異ならせて、それぞ
れの光ディスクに最適な信号形成を行うことが、より正
確な信号形成及び動作制御を行うことができ、より信頼
性の高い、誤動作の少ない光ピックアップを実現するこ
とができるので好ましい構成である。
【0062】次に第1のパッケージ1と第1光学部材5
とにより囲まれた空間の内部、即ち光源2及び受光素子
3等が配置されている空間は密閉されることが好まし
い。このような構成にすることにより、ゴミや水分等の
不純物のパッケージ内部への進入を防止することができ
るので、光源2や受光素子3の性能を維持することがで
きるとともに出射される光の光学特性の劣化も防止する
ことができる。さらに第1のパッケージ1と第1光学部
材5とで密閉された空間にはN2ガス、乾燥空気若しく
はArガス等の不活性ガスを封入しておくことが、第1
のパッケージ1の内部に接している第1光学部材5等の
表面に結露が生じて光学特性が悪化してしまったり、光
源2や受光素子3の酸化などによる特性の劣化を防止す
ることができるのでさらに好ましい。
【0063】次に15は光路分割手段で光路分割手段1
5は、光源2及び光源9からの光の双方を光ディスク方
向に導く働きを有するものである。光路分割手段15と
してはハーフミラーや偏光分離膜等を用いることが一般
的であるが、さらに好ましくは光源2からの光を高い割
合で透過するとともに光源9からの光を高い割合で反射
する様な性質を有していることが望ましい。このような
場合には光路分割手段15での光の損失を最小限に抑制
することができ、従って光の利用効率を向上させること
ができる。光の利用効率の向上は、光源2または光源9
からの出射光量を抑制することを可能にするので、光源
2及び光源9の長寿命化を図ることができ、引いてはこ
の光ピックアップを搭載した光ディスク装置の信頼性を
向上させることができるので好ましい。
【0064】上記したような性質を有する光路分割手段
15として、波長選択機能を有する反射手段を用いるこ
とが好ましい。この波長選択機能を持つ反射手段は、あ
る波長を有する光を透過するとともに別の波長の光は反
射する働きを有しており、特に本実施の形態においては
光源2からの光をほぼ透過し、光源9からの光をほぼ反
射するように光路分割手段15を構成することが、光源
2及び光源9の光の利用効率を最も効率的に設定でき
る。従って光源2若しくは光源9のどちらかに大きな負
荷がかかることがほとんどなくなるので、光源2及び光
源9の寿命を平均化でき、ひいては光ピックアップの長
寿命化を実現できるので好ましい構成である。
【0065】なお本実施の形態においては1/4波長板
4及び1/4波長板14をそれぞれの第1光学部材5及
び第2光学部材11に設けていたが、このようにする代
わりに光路分割手段15のコリメータレンズ16側の端
面と光ディスクの間であれば何れの位置に設けてもよ
い。このような構成とすることにより2つ必要であった
1/4波長板を1つ減らすことができるので、生産性を
向上させることができると共により安価な光ピックアッ
プとすることができる。特に光路分割手段15のコリメ
ータレンズ16側の端面に予め形成しておくことが、工
数を削減でき、より生産性を向上させることができるの
で好ましい構成である。
【0066】16はコリメータレンズで、コリメータレ
ンズ16は光源2,9から出射された光の拡散角を変換
して、入射前は拡散光だった光をほぼ平行光に変換する
働きを有している。17は集光レンズで、集光レンズ1
7は入射してきた光を集光して光ディスク上にビームス
ポットを形成するもので、レンズ駆動手段(図示せず)
によって、フォーカス方向およびトラッキング方向に移
動できるように支持されている。コリメータレンズ16
により集光レンズ17に入射する光の光量を増加させる
ことができるので、光の利用効率が向上する。従って光
源9を最大出力よりも大幅に低い出力で使用することが
でき、光源9の寿命を長くすることができ、引いては光
ピックアップ装置の信頼性を向上させることができる。
【0067】なおコリメートレンズ16を用いる代わり
に例えば第1光学部材5及び第2光学部材11等に光の
拡散角を変換するような機能を設けても良い。この場合
にはコリメートレンズ16を設けなくても良くなるの
で、正確な位置あわせが不要になるとともに部品点数の
削減により、生産性の向上を図ることができる。
【0068】次にこのような構成を有する光ピックアッ
プ装置の動作について図を参照しながら説明する。
【0069】18はスピンドルモータ(図示せず)に取
り付けられた高密度光ディスクであり、高密度光ディス
ク18はディスク基板の厚みが0.6mm程度のものを
2枚張り合わせて成形されていることが多い。光源2の
発光点2aから出射された光束2bは、第1光学部材5
の第1の斜面5aに形成してある光路分割手段6を透過
して、1/4波長板4で直線偏光から円偏光に偏光方向
を変えて、光路分割手段15に入射する。そして光路分
割手段15をほぼ透過した後、コリメータレンズ16で
光束2cに変換され、集光レンズ17により光束2dの
ように集光される。集光レンズ17は高密度光ディスク
18のデータが再生できる程度にまで微小スポットに絞
れるように開口数が0.6程度に設計されている。
【0070】次に、図1を用いて、低密度光ディスク1
9を再生する往路光の光路について説明する。なおここ
では低密度光ディスク19の厚みは1.2mm程度であ
る。光源9の発光点9aから出射された出射光9bは第
2光学部材11の第1の斜面11aに設けられている光
路分割手段12を透過して、1/4波長板14で直線偏
光から円偏光に偏光方向を変えて、光路分割手段15に
入射する。そして光路分割手段15でほぼ反射された
後、コリメータレンズ16で光束9cに変換され、集光
レンズ17で低密度光ディスク19に光束2dのように
集光される。
【0071】このとき低密度光ディスク19を再生する
時の集光レンズ17の焦点距離L2は、高密度光ディス
ク18を再生する時の集光レンズ17の焦点距離L1よ
りも長くなるように設定されている。この焦点距離の差
は1.0mm以下、好ましくは0.6mm以下とするこ
とが、種類の異なる複数のディスクをそれぞれ再生する
際に、集光レンズ17を保持するアクチュエータを大き
く駆動する必要がほとんどなくなる。従って焦点位置の
調整を容易に行うことができ、従って基板の厚さの違い
に非常に良好に対応することができるので好ましい。
【0072】このように複数の光源からの光が記録媒体
上の異なる位置に焦点を結ぶようにしたことにより、異
なる基板厚さを有する記録媒体を同一の光ピックアップ
装置によって再生することが可能になる。即ち厚さが
1.2mmのCD−ROM等の低密度光ディスク19と
厚さが0.6mmの単板もしくはこの単板の両面張り合
わせで形成されたDVD等の高密度光ディスク18とを
同じ光ピックアップ装置で記録再生することが可能にな
るのである。
【0073】なおこの焦点距離L1及び焦点距離L2
は、集光レンズ等の光学部材の可動範囲を大きく取るこ
とにより、ある程度変更することが可能であるので、例
えば高密度光ディスクを張り合わせ光ディスクや複数の
記録層を有する光ディスクの再生も可能になる。
【0074】次に、高密度光ディスク18および低密度
光ディスク19からの反射光を検出するまでの光路すな
わち復路について説明する。
【0075】まず、高密度光ディスク18を再生する場
合について説明する。高密度光ディスク18からの反射
光は、往路とほぼ同じ光路をたどって光路分割手段15
を透過し、1/4波長板4で円偏光から最初の偏光方向
に直交する直線偏光に変換され、第1光学部材5の第1
の斜面5aに形成された光路分割手段6に入射する。光
路分割手段6はここでは偏光分離膜で形成されているの
で、入射した光はほぼ反射されて、反射手段7に導かれ
る。反射手段7は目的に応じた光学素子で形成されてい
るが、ここではフォーカスエラー信号を形成する素子が
設けられている。従って反射手段7で反射された光はフ
ォーカスエラー信号を形成しつつ受光素子3に集光され
て高密度光ディスク18に記録されたデータに応じた信
号及びトラックエラー信号及びフォーカスエラー信号を
検出する。
【0076】次に、低密度光ディスク19を再生する場
合について説明する。低密度光ディスク19からの反射
光は、往路とほぼ同じ光路をたどって、光路分割手段1
5で反射され、1/4波長板14で円偏光から最初の偏
光方向に直交する直線偏光に変換され、第2光学部材1
1の第1の斜面11aに形成された光路分割手段12に
入射する。光路分割手段12はここでは偏光分離膜で形
成されているので、入射した光はほぼ反射されて、反射
手段13に導かれる。反射手段13は目的に応じた光学
素子で形成されているが、ここではフォーカスエラー信
号を形成する素子が設けられている。従って反射手段1
3で反射された光はフォーカスエラー信号を形成しつつ
受光素子10に集光されて低密度光ディスク19に記録
されたデータに応じた信号及びトラックエラー信号及び
フォーカスエラー信号を検出する。
【0077】このように複数の光源を別々の位置に配置
した場合には、それぞれの光源から出射された光に発生
する波面収差が大きく異なる場合が多く、この波面収差
を補正することのできる収差補正機能を備えたレンズを
集光レンズとして用いる必要があり、結果としてそれぞ
れの光束に応じた複数の集光レンズを用いる必要が生じ
ることが一般的に多い。本実施の形態ではそれぞれ光源
2,9の発光点2a,9aとコリメートレンズの間の距
離を最適化することによりこの問題を回避しているので
以下この点について説明する。
【0078】図2は本発明の実施の形態1における無限
光学系での発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
である。図2において、L3はコリメータレンズ16か
ら発光点2aまでの距離を示しており、L4はコリメー
タレンズ16から発光点9aまでの距離を示している。
更に図3は本発明の実施の形態1における波面収差量と
L3,L4との関係を示す図である。すなわちL3とL
4の比を変化させたときに集光レンズ入射時に発生して
いる波面収差量を集光レンズ17がトラッキング方向に
500μmシフトしている場合(実線)とトラッキング
方向のシフトが無い場合とで比較しているものである。
一般に光ディスクを再生中の集光レンズはトラッキング
方向に最大500μm程度シフトする可能性があり、ま
た集光レンズに入射する光を有効に光ディスク上に収束
させるために許容される波面収差量はRMS値で0.0
7λ(たたしλは光の波長を示す)以下程度とされてい
ることを考慮すると、比較的収差の発生量が多く、集光
レンズ17への光の入射条件がきつくなる発光点9aか
らの光に対して集光レンズ17のシフト量が最大(50
0μm)のときの波面収差量が0.07λ以下であれ
ば、どちらの発光点からの光も集光レンズ17に入射し
た光は集光レンズ17のシフト量に拘わらず光ディスク
上に収束されることになると考えられる。この条件を満
たす範囲としては、図3から明らかなように、L3とL
4との比(L4÷L3=H、以下Hで表記する)が0.
50<H<0.75であることが好ましいことがわか
る。
【0079】またこの範囲を満足していれば、記録媒体
で反射されて戻っていく光に発生する波面収差量も抑制
することができるので、反射光を受光する受光素子に対
して良好に入射し、優れた信号特性を得ることができ
る。
【0080】更に同じ条件において波面収差量がRMS
値で0.04λ以下であれば、どちらの発光点からの光
も集光レンズ17に入射した光は集光レンズ17のシフ
ト量に拘わらず光ディスク上に非常に正確に収束される
ことになると考えられる。この条件を満たす範囲として
は、図3から明らかなように、L3とL4との比(H)
が0.53<H<0.70であることが、さらに信号特
性を向上させることができるので、好ましいことがわか
る。
【0081】Hの値が上記した範囲に存在するように光
学系の配置を行うことにより、同一光学系中に複数の光
束を有する光ピックアップにおいて、すべての光束にお
ける波面収差を理論限界値以下とすることができるの
で、一つの集光レンズ17を用いることにより、いずれ
の光束も光ディスク上に集光させることができる。
【0082】従って対物レンズ17の数が一つで良いの
で、集光レンズを削減することができるとともに集光レ
ンズの切替手段も設けなくて良くなり、光ピックアップ
の小型化や部品点数の削減による生産性の向上、複雑な
機構を廃することによる光ピックアップの信頼性の向
上、動作スピードの向上等を実現することができる。
【0083】なお本実施の形態はコリメータレンズ16
を用いた無限系の光学系を用いていたが、図4に示すよ
うな有限系の光学系を用いることも考えられる。図4は
本発明の実施の形態1における有限光学系での発光点と
集光レンズの関係を示す図である。図4において、L3
は集光レンズ17から発光点2a間での有効焦点距離を
示しており、L4は集光レンズ17から発光点9aまで
の有効焦点距離を示している他は無限光学系と同様であ
る。更に一方が無限光学系で、一方が有限光学系で構成
されている光ピックアップにおいても同様に定義するこ
とができる。
【0084】(実施の形態2)以下本発明の実施の形態
2について図面を参照しながら説明する。
【0085】図5は本発明の実施の形態2における集積
化した光ピックアップの断面図である。なお図5におい
ては、実施の形態1と同様の構成を有する部材について
は同一の番号を付加している。
【0086】図5において、20はパッケージで、パッ
ケージ20は、高密度光ディスク18用の光を出射する
光源2,低密度光ディスク19用の光を出射する光源
9、光源2および光源9を載置する光源載置部160,
161や高密度光ディスク18及び低密度光ディスク1
9で反射された光を受光する受光素子21等が載置され
る基板部20a及びそれらの部材を包含するように設け
られている側壁部20b等により形成されている。パッ
ケージ20を構成する基板部20a,側壁部20bおよ
び端子(図示せず)については大きさを除いてほぼ第1
のパッケージ1の基板部1a,側壁部1bおよび端子と
同様の構成を有している。
【0087】次に光源2を載置する光源載置部160に
ついて説明する。光源載置部160はその形状が直方体
状若しくは板形状で、その上面若しくは側面には光源2
が取り付けられている。この光源載置部160は、基板
部20a若しくは側壁部20bに設けられており、光源
2を載置するとともに、光源2で発生した熱を逃がす働
きを有している。光源載置部160と光源2との接合に
は熱伝導等を考慮すると、光源載置部160の上面に予
めAu−Snなどの半田を鍍金しておき、高温で半田付
けする方法やAu−Sn,Sn−Ag,Sn−Sb,S
n−Pb−In等の箔(厚さ数μm〜数十μm)を高温
で圧着する方法を用いることが好ましい。
【0088】また光源2は光源載置部160の載置面に
対して略平行に取り付けなければ光学系の収差や結合効
率の低下等の原因になる。従って接合の際には光源2は
光源載置部160に所定の位置に所定の高さで載置面に
対して略平行にマウントされることが好ましい。
【0089】次に光源載置部160の上面には光源2の
下面と電気的に接触するように電極面が設けられてい
る。この電極面は光源2の電源供給用のもので、電極面
を構成する金属膜としては導電性や耐食性を考慮してA
uの薄膜を用いることが好ましい。
【0090】更に光源載置部160は、光源2で発生す
る熱や光源2との取付等の問題から、熱伝導性が高く、
かつ、線膨張係数が光源2のそれ(約6.5×10-6
℃)に近い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が3
〜10×10-6/℃で、熱伝導率が100W/mK以上
である物質、例えばAlN,SiC,T−cBN,Cu
/W,Cu/Mo,Si等を、特に高出力の光源2を用
いる場合で熱伝導率を非常に大きくしなければならない
ときにはダイアモンド等を用いることが好ましい。
【0091】光源2と光源載置部160の線膨張係数が
同じか近い数値となるようにした場合、光源2と光源載
置部160の間の歪みの発生を抑制することができるの
で、光源2と光源載置部160との取付部分が外れた
り、光源2にクラックが入る等の不都合を防止すること
ができる。しかしながら本範囲を外れた場合には、光源
2と光源載置部160の間に大きな歪みが生じてしま
い、光源2と光源載置部160との取付部分が外れた
り、光源2にクラック等を生じる可能性が高くなる。
【0092】また光源載置部160の熱伝導率をできる
だけ大きく取ることにより、光源2で発生する熱を効率
よく外部に逃がすことができる。しかしながら熱伝導率
が本限定以下の場合には、光源2で発生した熱が外部に
逃げ難くなるため、光源2の温度が上昇し、光源2から
出射される光の波長がシフトしてしまい、記録媒体での
光の収束位置が微妙に異なってしまい、再生信号に多く
のノイズ成分が混入してしまったり、光源2の出力が低
下してしまい、記録媒体に対する記録再生動作が正常に
行えなくなったり、更には光源2の寿命が短くなった
り、最悪の場合には光源2が破壊されてしまう等の不都
合が発生しやすくなる。本実施の形態では、これらの2
つの特性のどちらにも非常に優れたAlNを用いた。
【0093】更に光源載置部160の光源載置面には光
源2との接合性を良くするために、光源載置部160か
ら光源2に向かってTi,Pt,Auの順に薄膜を形成
することが好ましい。なお、光源載置部160の材質と
してSiを用いた場合にはTi層の前にAl23膜や部
材表面の表面酸化膜等の絶縁層を形成しておくことが好
ましい。
【0094】次に光源9を載置する光源載置部161に
ついて説明する。光源載置部161はその形状が直方体
状若しくは板形状で、その上面若しくは側面には光源9
が取り付けられている。この光源載置部161は基板部
20a若しくは側壁部20bに設けられており、光源9
を載置するとともに、光源9で発生した熱を逃がす働き
を有している。光源載置部161と光源9との接合には
熱伝導等を考慮すると、光源載置部160と同様に、光
源9で発生する熱や基板部20aとの取付等の問題か
ら、熱伝導性が高く、かつ、線膨張係数が光源9及び基
板部20aに近い材質を用いることが好ましい。
【0095】しかしながら光源9から発生する熱量は光
源2からのそれに比べてそれほど大きくはないので、こ
れらの特性値の要求は光源載置部160に比べるとそれ
ほど厳しくはない。従って光源載置部161は、線膨張
係数が光源9のそれ(約6.5×10-6/℃)に近く、
かつ熱伝導率が、光源2と光源9の出力比を考慮する
と、光源載置部160のそれに比べて1/5以上である
材質を用いることが好ましい。
【0096】具体的には線膨張係数が3〜10×10-6
/℃で、熱伝導率が20W/mK以上である物質を用い
ることが好ましい。例えばこのような材料としては、光
源載置部160の材質例で示したもの以外にMo,C
u,Fe,FeNiCo合金,FeNi合金等があり、
ここでは光源載置部160を形成したAlNに比べて非
常に安価で、これらの特性に比較的優れたCu,Mo等
の材料で光源載置部161を形成した。
【0097】また光源載置部160の基板部20a若し
くは側壁部20bに接する面積は、光源載置部161よ
りも大きくして、基板部20a若しくは側壁部20bと
の接触面積を大きく取ることが望ましい。このような構
成とすることにより、光源9よりも一般的に発熱量の多
い光源2に発生する熱を特に良好に基板部20a若しく
は側壁部20bに伝導させることができる。従って高温
に対して耐性の低い半導体レーザを用いた場合において
も、光源2の使用中の温度が光源9のそれよりも大幅に
高くなることを防止できるので、結果として光源2の寿
命が光源9の寿命よりも明らかに短くなることがなくな
り、光ピックアップの寿命を相対的に長くすることがで
きるとともに信頼性を向上させることができる。
【0098】以上示してきたように、発振波長の異なる
複数の光源からの光を複数の光学素子が形成された1つ
の光学部材で所定の光路に導くピックアップにおいて、
複数の光源のそれぞれの光源載置部の熱伝導量を異なら
せる、例えば出力の大きな光源を載置する光源載置部の
熱伝導量は大きくして、出力の小さな光源を載置する光
源載置部の熱伝導量は小さくするように構成したことに
より、複数の光源のいずれにおいても光源に対する熱の
影響を最小限に抑制することができるので、出力の大き
な光源と出力の小さな光源との寿命のばらつきを抑制で
き、結果として光ピックアップの寿命を長くすることが
できるとともに光ピックアップの信頼性を向上させるこ
とができる。
【0099】更に光源9を載置する光源載置部161
は、光源2を載置する光源載置部160に比べて小さく
形成されているので、これについて説明する。
【0100】光源載置部160に載置される光源2は高
密度光ディスクの記録若しくは再生に供されるものであ
り、光源載置部161に載置される光源9は低密度光デ
ィスクの再生に供されるものである。
【0101】光ディスクにおける記録には、非常に出力
の大きな光源(通常出力20w以上)を用いることが一
般的であるのに対し、光ディスクにおける再生には、あ
まり大きな出力の光源は必要とされず、通常は数mwク
ラスの光源を用いることが一般的である。
【0102】従って記録にも用いられる可能性のある光
源2を載置する光源載置部160と再生に用いられる光
源9を載置する光源載置部161とでは、要求される放
熱性のレベルに違いがあり、この違いに対応する1つの
方法として、その形状自体を異ならせることが効果的で
ある。
【0103】即ち光源載置部160の大きさを光源載置
部161の大きさに比べて大きく構成して光源載置部1
60の熱容量を大きくし、光源2で発生する熱が効率よ
く光源載置部160に伝わるように構成した。
【0104】このような構成としたことにより、光源2
から発生する熱を伝導により光源載置部160に放出で
き、さらに光源載置部160から基板部20a若しくは
側面部20bへの伝導による放熱されることになるの
で、発熱量の多い光源2からの熱を非常に効率的に放出
することができるようになる。
【0105】これにより光源2の周囲に熱が蓄積され
て、光源2が高温になることにより発生する光源2から
出射される光の波長のシフトを抑制することができる。
さらに光源2の温度上昇を効率よく抑制することができ
るので、光源2が熱により劣化したり、破壊されたりす
ることを防止することができ、従って光ピックアップの
信頼性を向上させることができる。
【0106】さらにこの時、光源載置部160の伝導熱
量は光源載置部161の熱伝導量よりも大きいことが好
ましい。この様な構成とすることにより、より出力の大
きな光源2からの熱を光源載置部160を介してより効
率的に外部に放出することができるようになる。
【0107】さらに本実施の形態においては、光源載置
部160と光源載置部161とを接触させている。この
様な構成としたことにより、光源2で発生した熱を光源
載置部160からの輻射や基板部20aへの伝導に加え
て、光源載置部161への伝導によって逃がすことがで
きるようになるので、さらに放熱効率を向上させること
ができる。
【0108】また光源載置部160と光源載置部161
とを接触させることで、光源2と光源9との間の相対的
な位置あわせを容易に行えるようになる。即ち光源2を
光源載置部160の所定の位置に予め接合しておき、さ
らに光源9を光源載置部161の所定の位置に予め接合
している場合、両者を接触させないと相対的な位置を手
探りで合わせる必要があるが、両者を接触させた場合に
は、両者間の距離が大まかには合っているので、その近
傍で微妙な位置あわせのみを行えば良く、位置あわせに
かかる時間を大幅に短縮することができる。
【0109】なお本実施の形態においては光源載置部の
形状を異ならせることで光源載置部を差別化していた
が、光源載置部の体積を異ならせることが、蓄積される
熱量に効果的に作用するのでこのましい。
【0110】また光源載置部160の表面積を光源載置
部161の表面積よりも大きくすることにより、光源載
置部160表面からの輻射熱量をより大きくすることが
できる。そして光源載置部160からの単位時間当たり
の輻射熱量を光源載置部161からの単位時間当たりの
輻射熱量に比べて多くすることにより、輻射によっても
光源載置部160から効率よく外部に熱を放出すること
ができ、光源2の熱的負荷を低減することができる。
【0111】以上示してきたように、光源2を載置する
光源載置部160の物理的な性質(例えば熱容量、大き
さ、体積、表面積等)を光源9を載置する光源載置部1
61の物理的な性質と異ならせたことにより、高出力で
より高温になる可能性の高い光源2から発生する熱を効
率よく放出することができるようになるので、光源2が
高温になり、発振波長がシフトしてしまったり、光源2
が熱のため破壊されてしまうのを防止することができ
る。
【0112】また光源2と光源9の動作時の温度をほぼ
同一とすることができるようになる、即ちいずれか片方
のみが大幅に高い温度で動作することがないので、光源
2及び光源9の寿命が大幅に異なることがなくなり、従
って光ピックアップの寿命が極端に違うと言うことのな
い信頼性の高い光ピックアップとすることができる。
【0113】なお本実施の形態では光源を2つしか設け
ていなかったが、3つ以上設けても良い。その場合光源
載置部は光源毎に設けても良いし、出力の大きいものを
分離して光源毎に設け、出力の小さいものは1つの載置
部にまとめて設けても良い。
【0114】次に受光素子21について説明する。受光
素子21には、記録媒体で反射されてきた光が、記録媒
体に記録されていた情報や光の入射位置等の情報を備え
た状態で入射する。そして受光素子21は複数の受光部
に分割されており、それぞれの受光部に入射してきた光
の量に応じて出力される電気信号を演算することによ
り、RF信号やフォーカス・トラッキング信号等を形成
する。
【0115】更に受光素子21の上面には、突起部材2
1aが設けられている。この突起部材21aは、略直方
体形状を有しており、受光素子21上に接合されてい
る。この突起部材21aは、金属もしくは樹脂等の取り
扱いの容易で、かつ、ある程度の強度を有した材料で形
成されていることが好ましい。
【0116】この様な突起部材21aを設けたことによ
り、受光素子21の光源2,9に対する相対的な位置調
整を行う際に、突起部材21aを掴んで基板20aに沿
って移動させることができるので、微妙な受光素子3の
位置調整を容易に行うことができる。従って光源2,9
と受光素子21との間の相対的な位置決めをより正確に
行うことができるので、位置ずれに起因して発生する信
号特性の劣化等を抑制することができるので、高性能で
信頼性の高い光ピックアップとすることができる。
【0117】22は光学部材で、光学部材22は光源2
および光源9から出射された光を所定の光路に導くとと
もに光ディスクで反射されて戻ってきた光を受光素子2
1に導く働きを有している。光学部材22は、第1の斜
面22a,第2の斜面22bおよび第3の斜面22cを
有する第1基板22dと、第1基板22dの光源側の端
面に接合された第2基板22eから構成されている。
【0118】以下光学部材22中に存在する各種光学素
子について説明する。23は拡散角変換手段で、拡散角
変換手段23は第2基板22eの光源側の端面に光源2
から出射される光の光軸に合わせて設けられており、光
源2から入射してきた光の拡散角を小さくする働き、す
なわち光源2の発光点2aから出射された光を見た目上
より遠くから出射されたように光路を変換するもので、
実質的に発光点を記録媒体と反対方向にある発光点2e
にずらし、光源から記録媒体までの光路長を長くする働
きを有している。拡散角変換手段23としては回折格子
特にホログラムで形成されていることが、光を高効率で
透過させることができるので好ましい。特にホログラム
としては、4段以上の階段状断面や鋸歯状断面を有する
ものを用いることが、特に高効率に光を利用でき、光量
の減少を防止できるので好ましい。
【0119】24は波長選択性のあるフィルタで、フィ
ルタ24は光源2から導かれてきた光をほぼ透過し、光
源9から導かれてきた光をほぼ反射する働きを有してい
る。
【0120】このフィルタ24を第1の斜面22aに形
成したことにより、光源2から出射された光をほとんど
妨げること無しに光源9から導かれてきた光を反射する
ことができるので、光源2および光源9から出射された
光を高い割合で記録媒体まで導くことができる。従って
光源2および光源9から出射される光の量を増加させな
くとも記録媒体への記録もしくは再生が可能になるの
で、光源2および光源9を高出力状態で動作させること
による光源2および光源9の短寿命化を防止できる。更
には光源2および光源9を低出力状態で用いることがで
きるので、光源2および光源9の温度上昇がほとんど起
こらず、従って温度変化に伴う光源2および光源9の発
振波長のシフトがほとんど起こらない。従ってより正確
に焦点形成が行える高性能な光ピックアップを提供する
ことができる。
【0121】25は偏光分離膜で、偏光分離膜25は特
定の偏光方向を有する光を透過し、それ以外の偏光方向
を有する光を反射する働きを有している。ここでは、偏
光分離膜25は、光源2および光源9から出射されるS
偏光成分を透過し、P偏光成分を反射するように形成さ
れている。この偏光分離膜25により、通過する光の量
をほとんど減少させることなく記録媒体へ導くことがで
きるので、光の利用効率を向上させることができ、引い
ては光源2および光源9の長寿命化を実現できるので好
ましい。
【0122】26は1/4波長板で、1/4波長板26
はその構成・働きともに実施の形態1に示した1/4波
長板4および1/4波長板14とほぼ同様であるので説
明を省略する。
【0123】27は拡散角変換手段で、拡散角変換手段
27は第2基板22eの光源側の端面に光源9から出射
される光の光軸に合わせて設けられており、光源9から
入射してきた光の拡散角を負にする働き、すなわち光源
9の発光点9aから出射された光を見た目上より近くか
ら出射されたように光路を変換するもので、実質的に記
録媒体に近づく方向に発光点をずらす。これにより光源
9の発光点は発光点9aから発光点9eに見かけ上移動
し、従って光源9から記録媒体までの光路長を短くする
働きを有している。拡散角変換手段27としては回折格
子特にホログラムで形成されていることが、光を高効率
で透過させることができるので好ましい。特にホログラ
ムとしては、4段以上の階段状断面や鋸歯状断面を有す
るものを用いることが、特に高効率に光を利用でき、光
量の減少を防止できるので好ましい。
【0124】28は複数ビーム形成手段で、複数ビーム
形成手段28は入射してきた光を複数の光束に分離して
反射する働きを有しており、ここでは拡散角変換手段2
7を通過してきた光を3つの光束に分離してフィルタ2
4に向けて反射している。複数ビーム形成手段28は、
回折格子で形成することが、効率よく複数の光束を形成
することができるので好ましい。ここでは回折格子で発
生する0次光および±1次光の3つの光束を主に形成す
るような構成を有している。ここで形成された複数の光
束は低密度光ディスク19のトラックの所定の位置に照
射され、戻ってきた光の光量を比較することにより、低
密度光ディスク19のトラッキングを行う通称3ビーム
法と呼ばれるトラッキング方法に供される。
【0125】29及び30は反射手段で、反射手段29
は偏光分離膜25で反射されてきた光を、反射手段30
は反射手段29で反射されてきた光を所定の方向に反射
する働きを有しており、Ag,Au,Cu等の高反射を
有する金属材料若しくは屈折率の異なる複数の誘電体材
料で形成されていることが好ましい。
【0126】31は拡散角変換手段で、拡散角変換手段
31は第1基板の22dの第3の斜面22cに形成され
ており、反射手段30から反射されてきた光束のうち、
拡散方向にある光の拡散角を収束方向に変化させると共
に、収束方向にある光束はそのまま反射する働きを有し
ている。
【0127】拡散角変換手段31としては回折格子特に
反射型ホログラムで形成されていることが、光を高効率
で透過させることができるので好ましい。特に反射型ホ
ログラムとしては、4段以上の階段状断面や鋸歯状断面
を有するものを用いることが、特に高効率に光を利用で
き、光量の減少を防止できるので好ましい。
【0128】本実施の形態においては、拡散角変換手段
31は、光源2から出射された光が形成する光束の大部
分を0次光として反射すると共に、光源9から出射され
た光が形成する光束の大部分を+1次光に回折するよう
に形成されている。これにより光源9から出射された光
の発光点位置が前方(記録媒体より)に移動したことに
より、受光素子21上で光源9からの光束が発散してし
まい、RF信号の検出やフォーカシング及びトラッキン
グ信号の形成が困難になることを防止できるので、正確
な信号形成を確実に行える高性能な光ピックアップを実
現することができる。
【0129】32は信号形成手段で、信号形成手段32
は第2基板22eの光源側の端面に設けられており、拡
散角変換手段31から導かれてきた光を受光素子21の
所定の位置に導くと共に入射してきた光束に所定の特性
を付与し、フォーカシング及びトラッキング用の信号を
形成することができる様な構成を有している。
【0130】33は受光素子で、受光素子33は、光源
2から出射された光のうちフィルタ24を透過せずに反
射してきた光及び光源9から出射された光のうちフィル
タ24で反射されずに透過した光を受光し、その信号を
光源2及び光源9の電源制御回路フィードバックするこ
とにより、光源2及び光源9の出力を制御している。
【0131】次に光学部材22を第1基板22d及び第
2基板22eに分けて形成した理由について説明する。
第1基板22dは複数の斜面を有しており、それらの斜
面に平行な位置に各種光学素子が配置されている。従っ
て第1基板に設けられている各種光学素子は入射してく
る光の光軸に対して傾斜して配置されていることにな
る。従って角度依存性の高い、例えばホログラムの様な
光学素子を第1基板22d中に形成すると、相当高い精
度で位置合わせを行わない限り、角度による公差が大き
くなり、記録媒体に向かう光の特性が劣化してしまう可
能性が非常に大きい。このことは信号特性の劣化につな
がり、結果として光ピックアップ装置の性能を低下させ
る要因となるので好ましくない。そこで本実施の形態に
おいては、特に角度依存性が高いと思われる拡散角変換
手段23,27を第1基板22dとは別体に設けられて
いる第2基板22eに形成して、光源2及び光源9から
出射される光の光軸に対して拡散角変換手段23,27
が略垂直になるように配置している。
【0132】このような配置としたことにより、記録媒
体へ導かれる光の特性が劣化してしまうことをほとんど
防止することができ、信号特性の劣化が少ない、高性能
な光ピックアップ装置を提供することができるので好ま
しい。
【0133】また第2基板22eに設けられている各種
光学素子は、第2基板22eの片面にのみ形成されてい
ることが好ましい。
【0134】なぜならばこれらの光学素子は所定の形状
のマスクを介してエッチング等の物理的若しくは化学的
方法により形成されるものであり、片面のみに形成した
方がマスクの枚数を減らすことができ、さらにエッチン
グの回数も減らせるので、工程数の削減も可能である。
加えて第2基板22eの原盤をひっくり返す必要もない
ので、複数回の位置合わせを省略することができる。従
って生産性を大幅に向上させることができると共に、製
造コストも低減することができるからである。
【0135】本実施の形態においては拡散角変換手段2
3,27及び信号形成手段32が第2基板22eの光源
側の端面に形成されている。
【0136】さらにパッケージ20と光学部材22とで
囲まれている空間は実施の形態1と同様に密閉してある
ことが好ましい。
【0137】以上示してきたように、複数の発振波長の
異なる光源からの光を複数の光学素子が形成された光学
部材に入射させて所定の光路に導くような構成としたこ
とにより、従来それぞれの光源に対して複数設けられて
いた光学素子等を1つに集約できるので、分散配置され
た光ピックアップに比べて、光ピックアップ全体の大き
さを大幅に小型化することができるとともにそれぞれの
光源に対する各光学素子間の位置あわせ等も不要になる
ので生産性が大幅に向上し、さらには各光学素子の取り
付け誤差も最小限度に抑制することができるので良好な
光学特性を実現でき、加えて各光学素子の取り付け誤差
に起因する光の損失を最小限に抑止できるので光の利用
効率の良好な光ピックアップを実現することができる。
【0138】さらに光源2から出射された光と光源9か
ら出射された光の少なくとも一方を光学部材22で複数
回反射して所定の光路に導くことにより、光学部材22
の大きさを小さくすることができるとともに反射なしで
導く場合に比べて光学部材22を出てからの光路長を短
くできるので、光ピックアップの小型化・薄型化を図る
ことができる。
【0139】また光源2および光源9からの光を複数の
光学素子が形成された光学部材22に入射させて所定の
光路に導くことにより、高密度光ディスク18に対する
光も低密度光ディスク19に対する光も、ともに正確に
それぞれの記録媒体に導くことができるとともに、複数
の光源それぞれに対応した複数の光学系を異なる光学部
材を用いて形成する必要がなくなり、部品点数の削減に
よる生産性の向上及びそれぞれの構成部材の位置あわせ
の簡略化を行うことができる。
【0140】更に本実施の形態では、光源2および光源
9を第2基板22eに対向するように設けられている。
即ち光源2および光源9から出射された光は、第2基板
22eの同一面に入射し、光学部材22に形成されてい
る各種光学素子により所定の性質を有する光束に変換さ
れて記録媒体に導かれる構成を有している。
【0141】このような構成としたことにより、光源2
および光源9は、第2基板22eの光源側の面22fを
基準面として、位置あわせを行うことができる。即ち複
数形成されている光源を1つの面22fを基準として位
置あわせを行うことができるので、光学部材22に形成
されている各種光学素子に対してより高精度で位置あわ
せを行うことが可能になり、光学部材22に設けられて
いる各種光学素子に対する位置ずれが原因で発生する光
学特性の劣化を防止することができる。また光源2と光
源9との相互の位置調整も基準となる面が1つであるの
でより容易に行うことができる。
【0142】従って光源間の位置ずれおよび光源と光学
素子との間の位置ずれがほとんど存在せず、光学特性の
良好な信頼性の高い光ピックアップを実現することがで
きる。
【0143】また本実施の形態では、第2基板22eの
光源に対向する面22fから光源2および光源9までの
距離を等しくしている。このような関係に光源2および
光源9を配置することによって、光源2および光源9を
例えば同一の平行平面部材に当て決めして固定すること
ができるので、光源2および光源9の高さ精度を容易に
確保することができる。そしてこれにより、高さ精度が
でていないことが原因で発生する光学特性の劣化を抑制
することができるので、良好な記録若しくは再生特性を
有した光ピックアップを実現することができる。
【0144】以上のような構成を有する光ピックアップ
の動作について説明する。記録媒体が高密度光ディスク
18である場合には、光源2から出射された光を用いて
記録若しくは再生を行う。この場合、光源2から出射さ
れた光は、拡散角変換手段23でその拡散角を小さくさ
れる、即ち光の広がりを小さくされる。
【0145】この拡散角変換手段23により、光源2か
ら出射された光のほとんどを高密度光ディスク18に向
けて輸送することができるので、特に記録の際に多く必
要とされる高密度光ディスク18上での板面光量を十分
に得ることができるようになる。従って記録再生共に良
好に行うことができる光ピックアップを提供することが
できるようになる。
【0146】また、光学部材22の所定の光路以外の部
分に混入してしまう光を減少させることができるので、
光学部材22中の迷光成分が減少し、従って迷光が受光
素子21等に入射して信号成分が劣化してしまうことを
防止することもできる。
【0147】拡散角変換手段23で光の広がりを小さく
された光は、フィルタ24をほとんど透過して、その後
に設けられいる偏光分離膜25もほとんど透過して1/
4波長板26に入射する。
【0148】1/4波長板26を通過する際に、それま
で直線偏光だった光は円偏光に変換されて、コリメータ
レンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過して
平行光に変換されてから、無い場合には直接集光レンズ
17に入射し、高密度光ディスク18へ収束される。
【0149】そして高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板26に入射し、それを
通過する際に円偏光から光源2を出射された時の偏光方
向と直交する直線偏光に変換されて偏光分離膜25に入
射する。ここで行きとは違い、今度は偏光方向が異なっ
ているので、偏光分離膜25で反射され、反射手段2
9,30を介して拡散角変換手段31に入射する。この
拡散角変換手段31で入射してきた光はほとんど回折さ
れることなく反射され、信号形成手段32で受光素子2
1上の所定の位置に所定の形状の光束を形成され、この
受光素子21上に入射する光に基づいてRF信号及びフ
ォーカス・トラッキングの両信号が形成され、情報の再
生を行うと共に光ピックアップの最適な制御を行ってい
る。
【0150】記録媒体が低密度光ディスク19である場
合には、光源9から出射された光を用いて記録若しくは
再生を行う。この場合、光源9から出射された光は、拡
散角変換手段27で光の広がりが拡散方向から収束方向
に、即ち拡散光から収束光に変換される。
【0151】拡散角変換手段27で収束光に変換された
光は、フィルタ24でほとんど反射され、その後に設け
られいる偏光分離膜25をほとんど透過して1/4波長
板26に入射する。
【0152】1/4波長板26を通過する際に、それま
で直線偏光だった光は円偏光に変換されて、コリメータ
レンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過して
平行光に変換されてから、無い場合には直接集光レンズ
17に入射し、低密度光ディスク19へ収束される。
【0153】そして低密度光ディスク19で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板26に入射し、それを
通過する際に円偏光から光源9を出射された時の偏光方
向と直交する直線偏光に変換されて偏光分離膜25に入
射する。ここで行きとは違い、今度は偏光方向が異なっ
ているので、偏光分離膜25で反射され、反射手段2
9,30を介して拡散角変換手段31に入射する。この
拡散角変換手段31で入射してきた光はほとんど+一次
光に回折されて反射され、入射前に拡散光であった光は
収束光に変換された状態で。信号形成手段32に入射す
る。
【0154】信号形成手段32で受光素子21上の所定
の位置に所定の形状の光束を形成され、この受光素子2
1上に入射する光に基づいてRF信号及びフォーカス・
トラッキングの両信号が形成され、情報の再生を行うと
共に光ピックアップの最適な制御を行っている。
【0155】このように複数の光源を同一のパッケージ
内に配置した場合においても実施の形態1と同様に、そ
れぞれの光源から出射された光に発生する波面収差が大
きく異なる場合が多く、このためそれぞれ光源2,9の
発光点2a,9aとコリメートレンズの間の距離を最適
化しているので以下この点について説明する。なお実施
の形態1とほぼ同様の構成を有する部分については同一
の番号を付加している。
【0156】図6は本発明の実施の形態2における無限
光学系での発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
である。図6において、L5はコリメータレンズ16か
ら仮想発光点2b間での有効焦点距離を示しており、L
6はコリメータレンズ16から仮想発光点9bまでの有
効焦点距離を示している。更に図7は本発明の実施の形
態2における対物レンズのシフトのによる波面収差量と
L5,L6との関係を示した図である。すなわちL5と
L6の比を変化させたときに集光レンズ入射時に発生し
ている波面収差量を集光レンズ17がトラッキング方向
に500μmシフトしている場合(実線)とトラッキン
グ方向のシフトが無い場合とで比較しているものであ
る。一般に光ディスクを再生中の集光レンズはトラッキ
ング方向に最大500μm程度シフトする可能性があ
り、また集光レンズに入射する光を有効に光ディスク上
に収束させるために許容される波面収差量はRMS値で
0.07λ(たたしλは光の波長を示す)以下程度とさ
れていることを考慮すると、比較的収差の発生量が多
く、集光レンズ17への光の入射条件がきつくなる発光
点9aからの光に対して集光レンズ17のシフト量が最
大(500μm)のときの波面収差量が0.07λ以下
であれば、どちらの発光点からの光も集光レンズ17に
入射した光は集光レンズ17のシフト量に拘わらず光デ
ィスク上に収束されることになると考えられる。この条
件を満たす範囲としては、図7から明らかなように、L
5とL6との比(L6÷L5=H、以下Hで表記する)
が0.50<H<0.75であることが好ましいことが
わかる。
【0157】またこの範囲を満足していれば、記録媒体
で反射されて戻っていく光に発生する波面収差量も抑制
することができるので、反射光を受光する受光素子に対
して良好に入射し、優れた信号特性を得ることができ
る。
【0158】更に同じ条件において波面収差量がRMS
値で0.04λ以下であれば、どちらの発光点からの光
も集光レンズ17に入射した光は集光レンズ17のシフ
ト量に拘わらず光ディスク上に非常に正確に収束される
ことになると考えられる。この条件を満たす範囲として
は、図6から明らかなように、L5とL6との比(H)
が0.53<H<0.70であることが、さらに信号特
性を向上させることができるので、好ましいことがわか
る。
【0159】Hの値が上記した範囲に存在するように光
学系の配置を行うことにより、同一光学系中に複数の光
束を有する光ピックアップにおいて、すべての光束にお
ける波面収差を理論限界値以下とすることができるの
で、一つの集光レンズ17を用いることにより、いずれ
の光束も光ディスク上に集光させることができる。
【0160】従って集光レンズの数が一つで良いので、
集光レンズを削減することができるとともに集光レンズ
の切替手段も設けなくて良くなり、光ピックアップの小
型化や部品点数の削減による生産性の向上、複雑な機構
を廃することによる光ピックアップの信頼性の向上、動
作スピードの向上等を実現することができる。
【0161】なお本実施の形態はコリメータレンズ16
を用いた無限系の光学系を用いていたが、有限系の光学
系を用いることも考えられる。この場合、無限系に比べ
てコリメータレンズを配置するスペースが不要になるの
で、光ピックアップ全体の大きさを小さくすることがで
きる。
【0162】(実施の形態3)以下本発明の実施の形態
3について図面を参照しながら説明する。図8は本発明
の実施の形態3における集積化された光ピックアップの
断面図であり、図9は本発明の実施の形態3における光
学系の断面図である。ここで図9においては光路を直線
状に描いている。また図8及び図9においては、実施の
形態1及び実施の形態2と同様の構成を有する部材につ
いては同一の番号を付加している。
【0163】図8及び図9において、40はパッケージ
で、パッケージ40は、高密度光ディスク18用の光を
出射する光源2,低密度光ディスク19用の光を出射す
る光源9や高密度光ディスク18及び低密度光ディスク
19で反射された光を受光する受光素子58,59等が
載置される基板部40a及びそれらの部材を包含するよ
うに設けられている側壁部40b等により形成されてい
る。パッケージ40を構成する基板部40a,側壁部4
0bおよび端子40cについては大きさを除いてほぼ第
1のパッケージ1の基板部1a,側壁部1bおよび端子
と同様の構成を有している。
【0164】次に光源載置部42について説明する。光
源載置部42は、その形状が直方体状若しくは板形状
で、その上面若しくは側面には光源2,9が取り付けら
れている。この光源載置部42は、基板部40a若しく
は側壁部40bに別部材若しくは基板部40a,側壁部
40bの一部として設けられており、光源2及び光源9
を載置するとともに、光源2及び光源9で発生した熱を
逃がす働きを有している。
【0165】更に光源載置部42を構成する材料は、線
膨張係数が光源2及び光源9のそれ(約6.5×10-6
/℃)に近い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が
3〜10×10-6/℃で、熱伝導率が100W/mK以
上である物質、例えばAlN,SiC,T−cBN,C
u/W,Cu/Mo,Si等を、特に高出力の光源を用
いる場合で熱伝導率を非常に大きくしなければならない
ときにはダイアモンド等を用いることが好ましい。
【0166】光源2及び光源9と光源載置部42との線
膨張係数が同じか近い数値となるようにした場合、光源
2及び光源9と光源載置部42の間の歪みの発生を抑制
することができるので、光源2及び光源9と光源載置部
42との取付部分が外れたり、光源2及び光源9にクラ
ックが入る等の不都合を防止することができる。
【0167】また光源載置部42の熱伝導率をできるだ
け大きく取ることにより、光源2及び光源9で発生する
熱を効率よく外部に逃がすことができる。
【0168】このような構成としたことにより、光源2
及び光源9の温度が上昇し、光源2及び光源9から出射
される光の波長がシフトしてしまい、記録媒体での光の
収束位置が微妙に異なってしまい、再生信号に多くのノ
イズ成分が混入してしまったり、光源2及び光源9の出
力が低下してしまい、記録媒体に対する記録再生動作が
正常に行えなくなったり、更には光源2及び光源9の寿
命が短くなったり、最悪の場合には光源2及び光源9が
破壊されてしまう等の不都合の発生を防止することがで
きる。
【0169】41は第1光学部材で、第1光学部材41
は光源2および光源9から出射された光を所定の光路に
導くとともに光ディスクで反射されて戻ってきた光を所
定の光路に導く働きを有している。第1光学部材41
は、第1の斜面41a,第2の斜面41bを有してお
り、特に光が入射する面と出射される面とは略平行とな
る構成を有しているが好ましい。この様に形成すること
により、入射する光に対する非点収差等の発生を抑制す
ることができるので、透過する光の光学特性の劣化を防
止することができる。さらに第1の斜面41a及び第2
の斜面41bには各種の光学素子が形成されている。
【0170】以下第1光学部材41中に存在する各種光
学素子について説明する。まず第1の斜面41aには、
反射膜43及び反射膜44が形成されている。反射膜4
3は、光源2から出射されてきた光を所定の方向に反射
する働きを有しており、反射膜44は光源9から出射さ
れてきた光を所定の方向に反射する働きを有している。
そして反射膜43及び反射膜44を構成する材料として
は、Ag,Au,Cu等の高反射を有する金属材料若し
くは屈折率の異なる複数の誘電体材料を用いて、それぞ
れの材料を交互に複数層設けることにより形成されてい
ることが好ましい。
【0171】なお本実施の形態においては反射膜43及
び反射膜44とは別々に設けられていたが、1つの大き
な反射膜として第1の斜面41aのほぼ全体に形成して
も良い。この場合マスク用を用いて反射膜を形成するプ
ロセスを省略することができるとともに反射膜を形成す
るためのマスクもなくすことができるので、生産性を向
上させることができるとともに製造コストも低減するこ
とができる。
【0172】そして第2の斜面41bには、偏光分離膜
45,46が形成されている。偏光分離膜46には、光
源9から出射され、反射膜44で反射されてきた光が入
射し、偏光分離膜45には光源2から出射され、反射膜
43で反射されてきた光が入射する。これらの偏光分離
膜45,46は、特定の偏光方向を有する光を透過し、
それ以外の偏光方向を有する光を反射する働きを有して
いる。この様な偏光分離膜45,46は屈折率の異なる
複数の誘電体材料を用い、それぞれの材料を交互に複数
層設けることにより形成されていることがより正確なP
S分離が行えるので好ましい。特にここでは、光源2及
び光源9から出射されるS偏光成分を透過し、P偏光成
分を反射するように形成されている。
【0173】これらの偏光分離膜45,46により、通
過する光の量をほとんど減少させることなく記録媒体へ
導くことができるので、光の利用効率を向上させること
ができ、ひいては光源2および光源9を小さい出力で所
定の盤面光量を得ることができるので、光源2及び光源
9の長寿命化を実現できるので好ましい。
【0174】なお本実施の形態においては偏光分離膜4
5,46をそれぞれ別々に設けられていたが、1つの大
きな反射膜として第2の斜面41bのほぼ全体に形成し
ても良い。この場合マスク用を用いて偏光分離膜を形成
するプロセスを省略することができるとともに偏光分離
膜を形成するためのマスクもなくすことができるので、
生産性を向上させることができるとともに製造コストも
低減することができる。
【0175】また本実施の形態においては、出射光と戻
り光の分離手段として偏光分離膜45,46を用いてい
たが、これらは必要とされる盤面光量に応じて、ハーフ
ミラー等の分離手段を用いても良い。
【0176】次に第2光学部材47について説明する。
第2光学部材47は第1光学部材41の上面に設けられ
ているもので、第1光学部材41とは、光硬化樹脂やエ
ポキシ樹脂,接着ガラス等で接合されている。第2光学
部材47は、それぞれの対向する面が略平行な透光性の
ある略平行平板で形成されており、その光源9からの光
が透過する1端面には拡散角変換手段48が形成されて
いる。
【0177】拡散角変換手段48は、第2光学部材47
の光源9と反対側の側の端面に、光源9から出射される
光の光軸に合わせて設けられており、光源9から入射し
てきた光の拡散角を負にする働き、すなわち光源9の発
光点9aから出射された光を見た目上より近くから出射
されたように光路を変換する働きを有しているもので、
実質的に記録媒体に近づく方向に発光点をずらしてい
る。これにより光源9の発光点は真の発光点9aから見
かけ上の発光点9eに移動し、従って光源9から記録媒
体までの光路長を見かけ上短くする働きを有している。
拡散角変換手段48としては回折格子特にホログラムで
形成されていることが、光を高効率で透過させることが
できるので好ましい。特にホログラムとしては、4段以
上の階段状断面や鋸歯状断面を有するものを用いること
が、特に高効率に光を利用でき、光量の減少を防止でき
るので好ましい。
【0178】次に第3光学部材49について説明する。
第3光学部材49は、第2光学部材47の上面に設けら
れており、第2光学部材47と第3光学部材49とは紫
外線硬化樹脂やエポキシ樹脂等の接合材により接合され
ている。
【0179】そして第3光学部材49は、光源2および
光源9から出射され、第1光学部材41及び第2光学部
材47を介して導かれてきた光を所定の光路に導くとと
もに光ディスクで反射されて戻ってきた光を所定の光路
に導く働きを有している。
【0180】さらに第3光学部材49は、第1の斜面4
9a,第2の斜面49bを有しており、特に光が入射す
る面と出射される面とは、光の光軸に対して略垂直で、
かつ、それぞれの面が略平行となるように構成されてい
るが好ましい。この様に形成することにより、入射する
光に対する非点収差等の発生を抑制することができるの
で、透過する光の光学特性の劣化を防止することができ
る。
【0181】また第1の斜面49aと第2の斜面49b
は互いに略平行で、かつ、第1光学部材41及び第2光
学部材47を通過する光の光軸が形成するそれぞれの平
面に対して傾斜を有するように形成されている。
【0182】さらに第1の斜面49a及び第2の斜面4
9bには各種の光学素子が形成されている。
【0183】第1の斜面49aには、複数ビーム形成手
段50が設けられている。複数ビーム形成手段50は偏
光方向に合わせて光を反射するかもしくは透過する偏光
分離膜と入射してきた光を複数の光束に分離して反射す
るビーム分離部を有しており、光源9から出射され、拡
散角変換手段48を通過してきた光は偏光分離膜をほと
んど透過して、ビーム分離部に入射する。そして入射し
てきた光をビーム分離部で複数の光束に分離・反射して
いる。
【0184】ここでビーム分離部は、回折格子で形成す
ることが、効率よく複数の光束を形成することができる
ので好ましい。ここでは回折格子で発生する0次光おび
±1次光の3つの光束を主に形成するような構成を有し
ている。
【0185】ここで形成された複数の光束は低密度光デ
ィスク19のトラックの所定の位置に照射され、戻って
きた光の光量を比較することにより、低密度光ディスク
19のトラッキングを行う通称3ビーム法と呼ばれるト
ラッキング方法に供される。
【0186】なおトラッキング方法として3ビーム法を
用いない場合には、複数ビーム形成手段50は設けなく
て良い。
【0187】そして第2の斜面49bには波長選択性の
あるフィルタ51が形成されている。フィルタ51は光
源2から導かれてきた光をほぼ80%以上透過し、光源
9から導かれてきた光をほぼ80%以上反射する働きを
有している。
【0188】このフィルタ51を第1の斜面49aに形
成したことにより、光源2から出射された光をほとんど
妨げることなく光源9から導かれてきた光を反射するこ
とができるので、光源2および光源9から出射された光
を高い割合で記録媒体まで導くことができる。従って光
源2および光源9から出射される光の量を増加させなく
とも記録媒体への記録もしくは再生が可能になるので、
光源2および光源9を高出力状態で動作させることによ
る光源2および光源9の短寿命化を防止できる。更には
光源2および光源9を低出力状態で用いることができる
ので、光源2および光源9の温度上昇がほとんど起こら
ず、従って温度変化に伴う光源2および光源9の発振波
長のシフトがほとんど起こらない。従ってより正確に焦
点形成が行える高性能な光ピックアップを提供すること
ができる。
【0189】この第3光学部材49により、光源2から
の光と光源9からの光が略同一の光軸に導かれることに
なる。
【0190】光源9からの光が第3光学部材49に入射
してきて複数ビーム形成手段50で反射された後にフィ
ルタ51に入射するまでの光路は第1光学部材41中を
進む光を含む平面に対して略垂直方向に進むように形成
されている。
【0191】52は1/4波長板で、1/4波長板52
は、フィルタ51を透過してきた光源2からの光と、フ
ィルタ51で反射されてきた光源9からの光の双方の偏
光方向を直線偏光から楕円偏光に変換する働きを有して
いる。
【0192】なお1/4波長板52としては、本実施の
形態に示すような所定の厚さを有する板状のものを用い
ても良いし、薄膜で形成しても良い。
【0193】次に第4光学部材53について説明する。
第4光学部材53は、第1光学部材41の底面に光硬化
性樹脂やエポキシ系樹脂,接着ガラス等により接合され
ており、記録媒体で反射されてきた戻り光を所定の位置
に導く働きを有している。第4光学部材53は、第1の
斜面53aと第2の斜面53bを有しており、それぞれ
の斜面には目的に応じた光学素子が形成されている。
【0194】本実施の形態においては、第1の斜面53
aには光路分割手段54,55が形成されている。この
光路分割手段54は、光源2から出射されて高密度光デ
ィスク18で反射されて戻ってきた光を透過するか、若
しくは、反射する働きを有しており、光路分割手段55
は、光源9から出射されて低密度光ディスク19で反射
されて戻ってきた光を透過するか、若しくは、反射する
働きを有している。ここでは光路分割手段54及び光路
分割手段55の双方とも透過する光量と反射する光量と
が略同量となるようにハーフミラーを用いることが好ま
しい。
【0195】第2の斜面53bには反射膜56,57が
形成されている。反射膜56は、光路分割手段54で反
射されて入射してきた光を反射して所定の位置に導く働
きを有しており、反射膜57は光路分割手段55で反射
されて入射してきた光を反射して所定の位置に導く働き
を有している。反射膜56,57はともにAg,Au,
Cu等の高反射を有する金属材料若しくは屈折率の異な
る複数の誘電体材料で形成されていることが好ましい。
【0196】58,59はともに受光素子で、受光素子
58は、光路分割手段54を透過してきた光及び光路分
割手段54で反射された後反射膜56で反射されてきた
光を受光し、受光素子59は、光路分割手段55を透過
してきた光及び光路分割手段55で反射された後反射膜
57で反射されてきた光を受光するもので、ともにRF
信号、トラッキング信号及びフォーカシング信号を形成
するのに必要な位置に必要な形状で必要な個数の各種受
光部が形成されている。
【0197】更に受光素子58,59の上面には、突起
部60,61が設けられている。この突起部60,61
は、受光素子58,59上に接合されている。突起部6
0,61は、金属もしくは樹脂等の取り扱いの容易で、
かつ、ある程度の強度を有した材料で形成されているこ
とが好ましい。
【0198】この様な突起部60,61を設けたことに
より、受光素子58,59の光源2,9に対する相対的
な位置調整を行う際に、突起部60,61を掴んで基板
40aに沿って移動させることができるので、微妙な受
光素子58,59の位置調整を容易に行うことができ
る。従って光源2,9と受光素子58,59との間の相
対的な位置決めをより正確に行うことができるので、位
置ずれに起因して発生する信号特性の劣化等を抑制する
ことができるので、高性能で信頼性の高い光ピックアッ
プとすることができる。
【0199】また一般に光源2,9からの後方出射光2
h,9hは受光素子や光学部材等に入射して迷光となる
可能性が大きい。本実施の形態では迷光対策として後方
出射光が迷光とならないように対策を施しており、本実
施の形態ではこの対策を突起部60,61に施している
ので、以下それについて図を参照しながら説明する。
【0200】図13は本願発明の実施の形態3における
光源付近の拡大図である。先ず光源載置部42に搭載さ
れる光源が、突起部に面する様に形成する、即ち光源2
の後方出射光2hの延在方向に突起部60を、光源9の
後方出射光9hの延在方向に突起部61を形成する。
【0201】突起部60,61の上面60a,61a
は、光源2,9の発光点2g,9gが存在する端面2
i,9iに対して、傾斜して設けられている。そして上
面60a,61aには、その全面若しくは一部分に反射
率の高い金属若しくは誘電体等の膜を形成しておき、発
光点2g,9gから出射されてきた後方出射光2h,9
hを上面60a,61aで非垂直に反射するように構成
する。
【0202】この様な構成としたことにより、光源2か
ら出射される後方出射光2hを共に所定の方向に良好に
反射させることができ、後方出射光2hがパッケージ1
の内部で反射・散乱されて光学部材や受光手段等に迷光
として入射することを防止することができるので好まし
い。
【0203】なお突起部60,61の上面60a,61
aの端面2i,9iに対する傾斜角は、光源2,9から
出射された光の拡散角に応じて設定されていることが好
ましい。また上面60a,61aに形成される反射膜の
材料も光源2,9から出射される光の波長や偏光方向に
応じて適宜選択されることが好ましい。
【0204】この様な構成とすることにより、上面60
a,61aでの後方出射光2h,9hの反射率及び反射
方向を最適化することができるので、光源2,9から出
射される後方出射光2h,9hが受光素子や光学部材中
に混入してくるのを更に効率よく防止することができ、
優れた光学特性を有する光ピックアップとすることがで
きる。
【0205】また突起部60,61の上面60a,61
aは高い反射率を有するように形成されていたが、反射
率を高くする代わりに吸光率を高くしても良い。吸光率
を高くする構成としては、上面60a,61aに全面若
しくは一部分に吸光膜を設けることが考えられる。吸光
膜としては、半透明のガラスや樹脂材料や、Si膜やT
i膜若しくはSi膜+Ti膜を所定の厚さで用いること
が多い。
【0206】さらに吸光膜の膜厚は入射してくる光の波
長に応じて変化させることが好ましい。この様にするこ
とで、波長の異なる光源を用いている場合にも、それぞ
れの光源からの光を確実に吸収することができる。
【0207】また吸光膜を用いる構成では、吸収した光
のエネルギーの多くは熱に変換されることになるので、
吸光膜が形成される反射部材の材料は放熱性の良好な、
熱伝導率の高い材料を用いることが好ましい。この様な
材料を用いることにより、反射部材が高温になることに
より、吸光膜の組成が変化して、所定の吸光作用ができ
なくなるといった不都合の発生を抑制することができ
る。
【0208】この様な構成とすることにより、光源2,
9の発光点2g,9gからの光が、上面60a,61a
でほとんど反射されることなく吸収されるので、発光点
2g,9gからの光が光学部材に入射して迷光となるこ
とがほとんどなくなり、信号特性の良好な光ピックアッ
プを実現することができる。
【0209】なお光を反射する例では光源2,9の端面
2i,9iに対して傾斜していた突起部60,61の上
面60a,61aは、この場合には傾斜させなくても良
い。
【0210】この様に、突起部60,61の上面に反射
もしくは吸光部材を形成したことにより、受光素子5
8,59の正確な位置あわせとパッケージ40内に発生
する迷光の抑制という2つの作用を1つの部材で行うこ
とができるようになるので、それぞれを別々に設けた場
合に比べて部品点数の削減や組立工程の簡略化及び光ピ
ックアップの小型化・空間利用効率の向上等の効果が期
待される。
【0211】さらに光源2,9や受光素子58,59及
び光学部材41,47,49,53等は実施の形態1と
同様に密閉された空間に存在していることが好ましい。
【0212】以上示してきたように、複数の発振波長の
異なる光源からの光を複数の光学素子が形成された光学
部材に入射させて所定の光路に導くような構成としたこ
とにより、従来それぞれの光源に対して複数設けられて
いた光学素子等を1つに集約できるので、分散配置され
た光ピックアップに比べて、光ピックアップ全体の大き
さを大幅に小型化することができる。
【0213】またそれぞれの光源に対する各光学素子間
の位置あわせ等も不要になるので生産性が大幅に向上
し、さらには各光学素子の取り付け誤差も最小限度に抑
制することができるので良好な光学特性を実現できる。
【0214】更に各光学素子の取り付け誤差に起因する
光の損失を最小限に抑止できるので光の利用効率の良好
な光ピックアップを実現することができる。
【0215】また光源2から出射された光と光源9から
出射された光の少なくとも一方を光学部材41,49で
複数回反射して所定の光路に導くことにより、光学部材
22の大きさを小さくすることができるとともに反射な
しで導く場合に比べて光学部材41,49を出てからの
光路長を短くできるので、光ピックアップの小型化・薄
型化を図ることができる。
【0216】更に光源2および光源9からの光を複数の
光学素子が形成された光学部材41,47,49に入射
させて所定の光路に導くことにより、高密度光ディスク
18に対する光も低密度光ディスク19に対する光も、
ともに正確にそれぞれの記録媒体に導くことができると
ともに、複数の光源それぞれに対応した複数の光学系を
異なる光学部材を用いて形成する必要がなくなり、部品
点数の削減による生産性の向上及びそれぞれの構成部材
の位置あわせの簡略化を行うことができる。
【0217】なお本実施の形態においては光源2及び光
源9から出射された光は同一の光学部材に入射するよう
な構成を有していたが、同一パッケージ中に別々に設け
られている光学部材に入射するような構成としてもよ
い。この様な構成とすることにより、光源2から出射さ
れた光に対する光学部材と光源9から出射された光に対
する光学部材とに分離することができるので、それぞれ
の光に所定の光学特性を与える光学素子のみをそれぞれ
の光学部材に形成すればよいので、同一斜面上に種類の
異なる光学素子を別々に形成する必要がなくなり、形成
された光学素子の性能を劣化させる要因を除去すること
ができる。更に、例えば光源2から出射された光が光源
9から出射された光用の光学素子に入射した後、再び光
源2から出射された光の光路に混入して迷光成分となる
可能性を減少させることができるので、光学特性の劣化
の少ない優れた光ピックアップを提供することができ
る。
【0218】更に本実施の形態では、光源2および光源
9を第1光学部材41の面41cに対向するように設け
られている。即ち光源2および光源9から出射された光
は、第1光学部材41の面41cに入射し、第1光学部
材41,第2光学部材47,第3光学部材49等に形成
されている各種光学素子により所定の性質を有する光束
に変換されて記録媒体に導かれる構成を有している。
【0219】このような構成としたことにより、光源2
および光源9は、第1光学部材41の光源側の面41c
を基準面として、位置あわせを行うことができる。即ち
複数形成されている光源を1つの面41cを基準として
位置あわせを行うことができるので、各光学部材に形成
されている各種光学素子に対してより高精度で位置あわ
せを行うことが可能になり、各光学部材に設けられてい
る各種光学素子に対する位置ずれが原因で発生する光学
特性の劣化を防止することができる。また光源2と光源
9との相互の位置調整も基準となる面が1つであるので
より容易に行うことができる。
【0220】また第1光学部材41のように、それぞれ
の光源からの光が入射してくる部位に光学素子が形成さ
れていない場合には、入射面となる面41cには、入射
してくる光が散乱されたりしないように面粗度をできる
限り小さくする等の非常に精密な加工を施す必要があ
る。
【0221】本実施の形態のように複数の光源からの光
を光学部材の同一面に入射させるようにしたことによ
り、このような精密加工を施さなければならない面の数
を減らすことができるので、精密加工に伴う製造工程を
簡略化でき、光ピックアップの生産性が向上する。また
精密加工に係る生産コストも低減することができるの
で、安価な光ピックアップとすることができる。
【0222】従って光源間の位置ずれおよび光源と光学
素子との間の位置ずれがほとんど存在せず、光学特性の
良好な信頼性の高い光ピックアップを実現することがで
きる。
【0223】また本実施の形態では、第1光学部材41
の光源に対向する面41cから光源2および光源9まで
の距離を等しくしている。このような関係に光源2およ
び光源9を配置することによって、光源2および光源9
を例えば同一の平行平面部材に当て決めして固定するこ
とができるので、光源2および光源9の高さ精度を容易
に確保することができる。そしてこれにより、高さ精度
がでていないことが原因で発生する光学特性の劣化を抑
制することができるので、良好な記録若しくは再生特性
を有した光ピックアップを実現することができる。
【0224】以上のような構成を有する光ピックアップ
の動作について説明する。記録媒体が高密度光ディスク
18である場合には、光源2から出射された光を用いて
記録若しくは再生を行う。この場合、光源2から出射さ
れた光は、まず第1光学部材41の第1の斜面41aに
形成された反射膜43で反射されて、第2の斜面41b
に形成されている偏光分離膜45に入射する。この偏光
分離膜45は光源2から出射された直線偏光を反射し、
それと直交する偏光方向の光を透過する働きを有してい
るので、光源2から入射してきた光は反射される。
【0225】その後第1光学部材41から出射された光
は、第2光学部材47を透過して第3光学部材49に入
射する。そして第3光学部材49の第2の斜面49bに
形成されたフィルタ51を透過して第3光学部材49か
ら出射され、1/4波長板52に入射する。この1/4
波長板52に入射した光は、その偏光方向を直線偏光か
ら楕円偏光に変換されて1/4波長板52から出射され
る。
【0226】その後光源2から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束され
る。
【0227】そして高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板52に入射する。この
光は、高密度光ディスク18で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板52を通過する際には楕円偏光から光
源2を出射された時の偏光方向と略直交する直線偏光に
変換されることとなる。即ち仮に光源2から出射される
際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部材に入射
することとなる。
【0228】1/4波長板52を通過した光は、第3光
学部材49に入射し、その第2の斜面49bに形成して
あるフィルタ51をほとんど透過して、第3光学部材4
9から出射され、第2光学部材47を透過して、第1光
学部材41に入射する。
【0229】そして第1光学部材41の第2の斜面41
bに形成されている偏光分離膜45に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると直
交する向きになっているので、光は偏光分離膜45をほ
とんど透過して、第1光学部材41から出射されて、第
4光学部材53に入射する。
【0230】第4光学部材53に入射してきた光は、第
4光学部材53の第1の斜面53aに形成されている光
路分割手段54に入射する。この光路分割手段54によ
り、入射してきた光は、その略半分が透過され、略半分
が反射されることになる。
【0231】そして光路分割手段54を透過した光は、
そのまま第4光学部材53の下面に設けられている受光
素子58の所定の位置に形成されている受光部に所定の
形状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供する
ことになる。
【0232】また光路分割手段54で反射された光は、
第4光学部材53の第2の斜面53bに設けられている
反射膜56で反射されて受光素子58にも受けられてい
る所定の受光部に所定の形状の光束が形成され、目的に
応じた信号形成に供することとなる。
【0233】記録媒体が低密度光ディスク19である場
合には、光源9から出射された光を用いて記録若しくは
再生を行う。この場合、光源9から出射された光は、ま
ず第1光学部材41の第1の斜面41aに形成された反
射膜44で反射されて、第2の斜面41bに形成されて
いる偏光分離膜46に入射する。この偏光分離膜46は
光源9から出射された直線偏光を反射し、それと直交す
る偏光方向の光を透過する働きを有しているので、光源
9から入射してきた光は反射される。
【0234】その後第1光学部材41から出射された光
は、第2光学部材47の端面に形成された拡散角変換手
段48に入射する。この拡散角変換手段48により、光
源9から出射された光は拡散角を変換されて、拡散光だ
った光は収束光となって第2光学部材47から出射さ
れ、第3光学部材49に入射する。
【0235】第3光学部材49に入射した光は、第1の
斜面49aに形成された複数ビーム形成手段50に入射
し、偏光分離膜を透過して、ビーム分離部で反射される
際に1本のメインビームと2本のサイドビームとに分離
されたのち、第2の斜面49bに形成されているフィル
タ51に入射する。このフィルタ51は光源9から出射
された光を反射し、光源2から出射された光を透過する
ように形成されているので、複数ビーム形成手段からフ
ィルタ51に入射した光はほとんど反射されて第3光学
部材49から出射される。
【0236】その後光源9から出射された光は、1/4
波長板52に入射する。この1/4波長板52に入射し
た光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換さ
れて1/4波長板52から出射される。
【0237】その後光源9から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、低密度光ディスク19へ収束す
る。
【0238】そして低密度光ディスク19で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板52に入射する。この
光は、低密度光ディスク19で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板52を通過する際には楕円偏光から光
源9を出射された時の偏光方向と略直交する直線偏光に
変換されることとなる。即ち仮に光源9から出射される
際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部材に入射
することとなる。
【0239】1/4波長板52を通過した光は、第3光
学部材49に入射し、その第2の斜面49bに形成して
あるフィルタ51でほとんど反射されて、第1の斜面4
9aにも受けられている複数ビーム形成手段に入射す
る。この場合は、入射する光の偏光方向が往きの光とは
略直交する方向となっているので、入射してきた光はビ
ーム分離部50bにほとんど入射することなく偏光分離
膜50aで反射されて、第3光学部材49から出射さ
れ、第2光学部材47に形成されている拡散角変換手段
48に入射する。
【0240】この拡散角変換手段48で拡散光として入
射してきた光は、その拡散角を変換されて収束光となっ
て第2光学部材47を透過して、第1光学部材41に入
射する。
【0241】そして第1光学部材41の第2の斜面41
bに形成されている偏光分離膜46に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると略
直交する向きになっているので、光は偏光分離膜46を
ほとんど透過して、第1光学部材41から出射されて、
第4光学部材53に入射する。
【0242】第4光学部材53に入射してきた光は、第
4光学部材53の第1の斜面53aに形成されている光
路分割手段55に入射する。この光路分割手段55によ
り、入射してきた光は、その略半分が透過され、略半分
が反射されることになる。
【0243】そして光路分割手段55を透過した光は、
そのまま第4光学部材53の下面に設けられている受光
素子59の所定の位置に形成されている受光部に所定の
形状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供する
ことになる。
【0244】また光路分割手段55で反射された光は、
第4光学部材53の第2の斜面53bに設けられている
反射手段57で反射されて受光素子59に設けられてい
る所定の受光部に所定の形状の光束が形成され、目的に
応じた信号形成に供することとなる。
【0245】このように複数の光源を同一のパッケージ
内に配置した場合においても実施の形態2と同様に、そ
れぞれの光源から出射された光に発生する波面収差が大
きく異なる場合が多く、このためそれぞれ光源2,9の
発光点2a,9aとコリメートレンズの間の距離を最適
化しているが、考え方は実施の形態2と同様なので、こ
こではその説明を省略する。
【0246】先程も説明したように本実施の形態におい
ては、この様な光源載置部42の面42aに光源2と光
源9とを光源載置部42の底面から略同一の高さに配置
している。即ち光源2の発光点2aと光源9の発光点9
aとを結んだ直線は、記録媒体の表面に対して略垂直と
なっている。
【0247】この様な配置にすることにより、光源2か
ら出射された光が第1光学部材41及び第4光学部材5
3を通過する際に形成する光軸を含む第1の平面と、光
源9から出射された光が第1光学部材41及び第4光学
部材53を通過する際に形成する光軸を含む第2の平面
及び光源9から出射された光が第3光学部材49を通過
する際に形成する光軸を含む第3の平面を光の伝搬面と
して利用することができる。即ち記録媒体の表面に対し
て垂直な面若しくは平行な面のいずれかの面のみを伝搬
面とするのではなく、そのいずれの面も伝搬面として利
用することができる。
【0248】またこの時第1の平面と第2の平面とを略
平行な関係とすることにより、本来第1の平面を構成す
る光軸に係る光の一部が、第2の平面を構成する光軸に
係る光が入射すべき光学素子に入射して迷光成分となる
こと、若しくは逆に本来第2の平面を構成する光軸に係
る光の一部が、第1の平面を構成する光軸に係る光が入
射すべき光学素子に入射して迷光成分となることを防止
できるので、この様な構成を有する光ピックアップの光
学特性を良好なものとすることができ、高性能な光ピッ
クアップを提供することができる。
【0249】このような立体的な伝搬面の形成を行うこ
とにより、各光学部材の空間利用効率を向上させること
ができる。これにより各光学部材の小型化が可能とな
り、これらの光学部材を搭載した光ピックアップの小型
化にも寄与することになる。
【0250】更にこのような空間の立体的な利用を行う
際に、記録媒体に平行な面内方向の利用頻度を記憶媒体
に非平行な面内方向の利用頻度に比べて高くすることに
より、各光学部材の薄型化が可能となるので、光ピック
アップの薄型化を可能にすることができる。このことに
より特に携帯型のパソコン等の情報端末に搭載される光
ディスクドライブに最適な光ピックアップを提供するこ
とができる。
【0251】なお本実施の形態においては光源2と光源
9を記録媒体の表面に対して略垂直に配置していたが、
これらの光源の配置は記録媒体の表面に対して非平行、
即ち記録媒体の表面に垂直な高さ方向に分布を有するよ
うな配置とすることにより、上記した目的を達成するこ
とができる。
【0252】(実施の形態4)以下本発明の実施の形態
4について図面を参照しながら説明する。
【0253】図10は本発明の実施の形態4における集
積化された光ピックアップの断面図であり、図11は本
発明の実施の形態4における光学部分の詳細な断面図で
ある。ここで図11における正断面図は光路を直線状に
描いている。また図10及び図11においては、実施の
形態3と同様の構成を有する部材については同一の番号
を付加している。
【0254】図10及び図11において、パッケージ7
0については、その構成要素である基板部70a,側壁
部70b及び端子70cのいずれについても、大きさや
形状等に若干の差があるものの、パッケージ40の基板
部40a,側壁部40bおよび端子40cとほぼ同様の
構成を有しているので、説明を省略する。
【0255】また光源2,9を載置する光源載置部71
についても実施の形態3で示した光源載置部42とほぼ
同様の構成を有しているのでここでは説明を省略する。
【0256】第1光学部材72は光源2および光源9か
ら出射された光を所定の光路に導くとともに光ディスク
で反射されて戻ってきた光を所定の光路に導く働きを有
している。
【0257】第1光学部材72は、第1の斜面72a,
第2の斜面72b及び第3の斜面72cを有しており、
特に光が入射する面と出射される面とは略平行で、か
つ、入射若しくは出射される光はこれらの面に略垂直に
入射するような構成を有しているが好ましい。この様に
形成することにより、入射する光に対する非点収差等の
発生を抑制することができるので、透過する光の光学特
性の劣化を防止することができる。
【0258】さらに第1の斜面72a,第2の斜面72
b及び第3の斜面72cには各種の光学素子が形成され
ている。
【0259】以下第1光学部材72中に存在する各種光
学素子について説明する。まず第1の斜面72aには、
反射膜73及び反射膜74が形成されている。反射膜7
3は、光源2から出射されてきた光を所定の方向に反射
する働きを有しており、反射膜74は光源9から出射さ
れてきた光を所定の方向に反射する働きを有している。
そして反射膜73及び反射膜74を構成する材料として
は、Ag,Au,Cu等の高反射を有する金属材料若し
くは屈折率の異なる複数の誘電体材料を交互に複数層設
けることにより形成されていることが好ましい。
【0260】なお本実施の形態においては反射膜73及
び反射膜74とは別々に設けられていたが、1つの大き
な反射膜として第1の斜面72aのほぼ全体に形成して
も良い。この場合マスクを用いて反射膜を形成するプロ
セスを省略することができるとともに反射膜を形成する
ためのマスクも減らすことができるので、生産性を向上
させることができるとともに製造コストも低減すること
ができる。
【0261】そして第2の斜面72bには、偏光分離膜
75,76が形成されている。偏光分離膜75には、光
源2から出射され、反射膜73で反射されてきた光が入
射し、偏光分離膜76には光源9から出射され、反射膜
74で反射されてきた光が入射する。これらの偏光分離
膜75,76は、特定の偏光方向を有する光を透過し、
それ以外の偏光方向を有する光を反射する働きを有して
いる。
【0262】この様な偏光分離膜75,76は屈折率の
異なる複数の誘電体材料を交互に複数層設けることによ
り形成されていることがより正確なPS分離が行えるの
で好ましい。特にここでは、光源2および光源9から出
射されるS偏光成分を透過し、P偏光成分を反射するよ
うに形成されている。
【0263】これらの偏光分離膜75,76により、通
過する光の量をほとんど減少させることなく記録媒体へ
導くことができるので、光の利用効率を向上させること
ができ、ひいては光源2および光源9を小さい出力で所
定の盤面光量を得ることができるので、光源2及び光源
9の長寿命化を実現できるので好ましい。
【0264】なお本実施の形態においては偏光分離膜7
5,76をそれぞれ別々に設けられていたが、1つの大
きな反射膜として第2の斜面72bの上部ほぼ全体に形
成しても良い。この場合マスク用を用いて偏光分離膜を
形成するプロセスを省略することができるとともに偏光
分離膜を形成するためのマスクも減らすことができるの
で、生産性を向上させることができるとともに製造コス
トも低減することができる。
【0265】また本実施の形態においては、出射光と戻
り光の分離手段として偏光分離膜を用いていたが、これ
らは必要とされる盤面光量に応じて、ハーフミラー等の
分離手段を用いても良い。
【0266】次に第2の斜面72bに設けられている他
の光学部材について説明する。77及び78はモニター
光用のホログラムで、ホログラム77は光源2から出射
され、反射膜73で反射された光のうちの一部を所定の
方向へ反射回折する働きを有している。このホログラム
77で反射回折された光は、第1光学部材72の上面に
設けられている反射部79に導かれ、その後受光素子上
に設けられたモニタ光受光部に入射する。そしてモニタ
光受光部からの電気信号を元に光源2に加える電力を調
整して、光源2から出射される光の光量が常に最適値と
なるように制御を行う。
【0267】またホログラム78は光源9から出射さ
れ、反射膜74で反射された光のうちの一部を所定の方
向へ反射回折する働きを有している。このホログラム7
8で反射回折された光は、第1光学部材72の上面に設
けられている反射部80に導かれ、その後受光素子上に
設けられたモニタ光受光部に入射する。そしてモニタ光
受光部からの電気信号を元に光源9に加える電力を調整
して、光源9から出射される光の光量が常に最適値とな
るように制御を行う。
【0268】さらに第2の斜面72bの最も光源寄りの
部分には反射膜81,82が設けられている。
【0269】この反射膜81,82は、実施の形態3に
示す第4光学部材53の第2の斜面53bに形成されて
いる反射膜56,57とほぼ同様の構成を有しているの
で、ここでは説明を省略する。
【0270】最後に第3の斜面72cには光路分割手段
83,84が形成されている。この光路分割手段83,
84については、実施の形態3に示した第4光学部材5
3の第1の斜面53aに形成されている光路分割手段5
4,55とほぼ同様の構成及び働きを有しているので、
ここでは説明を省略する。
【0271】次にパッケージ70により囲まれた空間の
内部、即ち光源2,9及び受光素子91,92等が配置
されている空間は密閉されることが好ましい。このよう
な構成にすることにより、ゴミや水分等の不純物のパッ
ケージ内部への進入を防止することができるので、光源
2,9や受光素子91,92の性能を維持することがで
きるとともに出射される光の光学特性の劣化も防止する
ことができる。
【0272】このためシールド部材85が設けられてい
る。シールド部材85は、パッケージ70の側壁部70
bに設けられた開口部70dを塞ぐように設けられてい
るもので、パッケージ70の内部を密閉する働きを有し
ている。そして密閉された空間にはN2ガス、乾燥空気
若しくはArガス等の不活性ガスを封入しておくこと
が、パッケージ70の内部に存在する第1光学部材72
等の表面に結露が生じて光学特性が悪化してしまった
り、光源2,9や受光素子91,92の酸化などによる
特性の劣化を防止することができるのでさらに好まし
い。
【0273】ここでシールド部材85を構成する材料と
しては、樹脂やガラス等の透光性が良好で、光の利用効
率を低下させない材料を用いることが好ましい。
【0274】次に第2光学部材86について説明する。
第2光学部材86はパッケージ70の側壁部70bに設
けられている開口部70dを塞ぐように設けられてお
り、パッケージ70の側壁部70bとは、紫外線硬化樹
脂,エポキシ樹脂及び接着ガラス等で接合されている。
第2光学部材86は、第1基板86a、第2基板86b
を有している。以下これらの基板について順次説明す
る。
【0275】まず第1基板86aは平行平面形状を有す
るガラスや樹脂等の良好な透光性を有する材料から形成
されており、そのシールド部材85側の端面の光源9か
らの光が通る領域には拡散角変換手段87が形成されて
いる。この拡散角変換手段87については、実施の形態
3で示した拡散角変換手段48とほぼ同様の構成を有し
ているので、ここでは説明を省略する。
【0276】次に第2基板86bは、第1の斜面86d
及び第2の斜面86eを有し、更に第1の斜面86dに
は偏光分離膜88aとビーム分離部88bを備えた複数
ビーム形成手段88が形成されており、第2の斜面86
eにはフィルタ89が形成されている。
【0277】第1基板86aと第2基板86bとの接合
及び第2光学部材86と側壁部70bとの接合は光硬化
樹脂,エポキシ樹脂,接合ガラス等の接合材により行わ
れている。
【0278】そしてこの第2光学部材86により、光源
2からの光と光源9からの光が略同一の光軸に導かれる
ことになる。
【0279】そして光源9からの光が第2光学部材86
に入射してきて複数ビーム形成手段88で反射された後
にフィルタ89に入射するまでの光路は第1光学部材7
2中を進む光を含む平面に対して略垂直方向に進むよう
に形成されている。
【0280】90は1/4波長板で、1/4波長板90
は、フィルタ89を透過してきた光源2からの光と、フ
ィルタ89で反射されてきた光源9からの光の双方の偏
光方向を直線偏光から楕円偏光に変換する働きを有して
いる。
【0281】なお1/4波長板90としては、本実施の
形態に示すような所定の厚さを有する板状のものを用い
ても良いし、薄膜で形成しても良い。
【0282】91,92はともに受光素子で、受光素子
91は、光路分割手段83を透過してきた光及び光路分
割手段83で反射された後反射膜81で反射されてきた
光を受光し、受光素子92は、光路分割手段84を透過
してきた光及び光路分割手段84で反射された後反射膜
82で反射されてきた光を受光するもので、ともにRF
信号、モニタ信号、トラッキング信号及びフォーカシン
グ信号を形成するのに必要な位置に必要な形状で必要な
個数の各種受光部が形成されている。
【0283】以上示してきたように、複数の発振波長の
異なる光源からの光を複数の光学素子が形成された光学
部材に入射させて所定の光路に導くような構成としたこ
とにより、従来それぞれの光源に対して複数設けられて
いた光学素子等を1つに集約できるので、分散配置され
た光ピックアップに比べて、光ピックアップ全体の大き
さを大幅に小型化することができるとともにそれぞれの
光源に対する各光学素子間の位置あわせ等も不要になる
ので生産性が大幅に向上し、さらには各光学素子の取り
付け誤差も最小限度に抑制することができるので良好な
光学特性を実現でき、加えて各光学素子の取り付け誤差
に起因する光の損失を最小限に抑止できるので光の利用
効率の良好な光ピックアップを実現することができる。
【0284】さらに光源2から出射された光と光源9か
ら出射された光の少なくとも一方を光学部材72,86
で複数回反射して所定の光路に導くことにより、パッケ
ージ70全体の大きさを小さくすることができるととも
に反射なしで導く場合に比べて第2光学部材86を出て
からの光路長を短くできるので、光ピックアップの小型
化・薄型化を図ることができる。
【0285】また光源2および光源9からの光を複数の
光学素子が形成された光学部材72,86に入射させて
所定の光路に導くことにより、高密度光ディスク18に
対する光も低密度光ディスク19に対する光も、ともに
正確にそれぞれの記録媒体に導くことができるととも
に、複数の光源それぞれに対応した複数の光学系を異な
る光学部材を用いて形成する必要がなくなり、部品点数
の削減による生産性の向上及びそれぞれの構成部材の位
置あわせの簡略化を行うことができる。
【0286】なお本実施の形態においては光源2及び光
源9から出射された光は同一の光学部材に入射するよう
な構成を有していたが、同一パッケージ中に別々に設け
られている光学部材に入射するような構成としてもよ
い。この様な構成とすることにより、光源2から出射さ
れた光に対する光学部材と光源9から出射された光に対
する光学部材とに分離することができるので、それぞれ
の光に所定の光学特性を与える光学素子のみをそれぞれ
の光学部材に形成すればよいので、同一斜面上に種類の
異なる光学素子を別々に形成する必要がなくなり、形成
された光学素子の性能を劣化させる要因を除去すること
ができる。更に、例えば光源2から出射された光が光源
9から出射された光用の光学素子に入射した後、再び光
源2から出射された光の光路に混入して迷光成分となる
可能性を減少させることができるので、光学特性の劣化
の少ない優れた光ピックアップを提供することができ
る。
【0287】更に本実施の形態では、光源2および光源
9を第1光学部材72の面72dに対向するように設け
られている。即ち光源2および光源9から出射された光
は、第1光学部材72の面72dに入射し、第1光学部
材72および第2光学部材86等に形成されている各種
光学素子により所定の性質を有する光束に変換されて記
録媒体に導かれる構成を有している。
【0288】このような構成としたことにより、光源2
および光源9は、第1光学部材72の光源側の面72d
を基準面として、位置あわせを行うことができる。即ち
複数形成されている光源を1つの面72cを基準として
位置あわせを行うことができるので、各光学部材に形成
されている各種光学素子に対してより高精度で位置あわ
せを行うことが可能になり、各光学部材に設けられてい
る各種光学素子に対する位置ずれが原因で発生する光学
特性の劣化を防止することができる。また光源2と光源
9との相互の位置調整も基準となる面が1つであるので
より容易に行うことができる。
【0289】また第1光学部材72のように、それぞれ
の光源からの光が入射してくる部位に光学素子が形成さ
れていない場合には、入射面となる面72dには、入射
してくる光が散乱されたりしないように面粗度をできる
限り小さくする等の非常に精密な加工を施す必要があ
る。
【0290】本実施の形態のように複数の光源からの光
を光学部材の同一面に入射させるようにしたことによ
り、このような精密加工を施さなければならない面の数
を減らすことができるので、精密加工に伴う製造工程を
簡略化でき、光ピックアップの生産性が向上する。また
精密加工に係る生産コストも低減することができるの
で、安価な光ピックアップとすることができる。
【0291】従って光源間の位置ずれおよび光源と光学
素子との間の位置ずれがほとんど存在せず、光学特性の
良好な信頼性の高い光ピックアップを実現することがで
きる。
【0292】また本実施の形態では、第1光学部材72
の光源に対向する面72dから光源2および光源9まで
の距離を等しくしている。このような関係に光源2およ
び光源9を配置することによって、光源2および光源9
を例えば同一の平行平面部材に当て決めして固定するこ
とができるので、光源2および光源9の高さ精度を容易
に確保することができる。そしてこれにより、高さ精度
がでていないことが原因で発生する光学特性の劣化を抑
制することができるので、良好な記録若しくは再生特性
を有した光ピックアップを実現することができる。
【0293】次に受光素子に形成された突起部材につい
て説明するについて説明する。受光素子91,92の上
面には、突起部材91a,92aが設ける。この突起部
材91a,92aは、略直方体形状を有しており、受光
素子91,92上に接合されている。この突起部材91
a,92aは、金属もしくは樹脂等の取り扱いの容易
で、かつ、ある程度の強度を有した材料で形成されてい
ることが好ましい。
【0294】この様な突起部材91a,92aを設けた
ことにより、受光素子91,92の光源2,9に対する
相対的な位置調整を行う際に、突起部材91a,92a
を掴んで基板70aに沿って移動させることができるの
で、微妙な受光素子91,92の位置調整を容易に行う
ことができる。従って光源2,9と受光素子91,92
との間の相対的な位置決めをより正確に行うことができ
るので、位置ずれに起因して発生する信号特性の劣化等
を抑制することができるので、高性能で信頼性の高い光
ピックアップとすることができる。
【0295】また本実施の形態においては、突起部材9
1a,92aを第1光学部材72の支持部材として用い
ているので、この点について説明する。
【0296】本実施の形態において、突起部材91a,
92aの上面に少なくとも一部は、基板部70aの上面
からの高さが、光源載置部71の光学部材載置面と同じ
になるように形成されており、第1光学部材72が載置
されるようになっている。即ち第1光学部材72は光源
載置部71と突起部材91a,92aにより支持される
構成となっている。
【0297】この様な構成としたことにより、光源2,
9と受光素子91,92との間の相対的な位置決めをよ
り正確に行いつつ、第1光学部材72の取付誤差、特に
基板部70aに対する平行度を向上させることができる
ので、第1光学部材72の取付精度をより高くすること
が可能になり、特に第1光学部材72と光源2,9から
出射される光の光軸とのなす角を正確に略垂直にするこ
とができるので、第1光学部材72に入射する光の特性
を良好に保つことができるとともに第1光学部材72か
ら出射された光を正確に第2光学部材86の所定の位置
に入射させることができる。従って光学特性が良く、信
頼性の高い光ピックアップを実現することができる。
【0298】なお本実施の形態においては、突起部91
aと突起部92aとをほぼ同一の高さに形成し、その両
方で第1光学部材72を支持するような構成としたが、
いずれか一方のみで支持するような構成としてもよい。
【0299】以上のような構成を有する光ピックアップ
の動作について説明する。記録媒体が高密度光ディスク
18である場合には、光源2から出射された光を用いて
記録若しくは再生を行う。この場合、光源2から出射さ
れた光は、まず第1光学部材72の第1の斜面72aに
形成された反射膜73で反射されて、第2の斜面72b
に形成されている偏光分離膜75に入射する。この偏光
分離膜75は光源2から出射された直線偏光を反射し、
それと直交する偏光方向の光を透過する働きを有してい
るので、光源2から入射してきた光は反射される。
【0300】その後第1光学部材72から出射された光
は、シールド部材85を透過して、第2光学部材86の
第1基板86aを透過した後、第2光学部材86の第2
基板86bの第2の斜面86eに形成されたフィルタ8
9を透過して第2光学部材86から出射され、1/4波
長板90に入射する。この1/4波長板90に入射した
光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換され
て1/4波長板90から出射される。
【0301】その後光源2から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束す
る。
【0302】そして高密度光ディスク18で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板90に入射する。この
光は、高密度光ディスク18で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板90を通過する際には楕円偏光から光
源2から出射された往きの光の偏光方向と略直交する直
線偏光に変換されることとなる。即ち仮に光源2から出
射される際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部
材に入射することとなる。
【0303】1/4波長板90を通過した光は、第2光
学部材86に入射し、第2基板86bの第2の斜面86
eに形成してあるフィルタ89をほとんど透過して、第
2光学部材86から出射され、シールド部材85を透過
して、第1光学部材72に入射する。
【0304】そして第1光学部材72の第2の斜面72
bに形成されている偏光分離膜75に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると直
交する向きになっているので、光は偏光分離膜75をほ
とんど透過して、第1光学部材72の第3の斜面72c
に形成されている光路分割手段83に入射する。この光
路分割手段83により、入射してきた光は、その略半分
が透過され、略半分が反射されることになる。
【0305】そして光路分割手段83を透過した光は、
そのまま第1光学部材72の下に設けられている受光素
子91の所定の位置に形成されている受光部に所定の形
状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供するこ
とになる。
【0306】また光路分割手段83で反射された光は、
第1光学部材72の第2の斜面72bに設けられている
反射膜81で反射されて受光素子91にも受けられてい
る所定の受光部に所定の形状の光束が形成され、目的に
応じた信号形成に供することとなる。
【0307】記録媒体が低密度光ディスク19である場
合には、光源9から出射された光を用いて記録若しくは
再生を行う。この場合、光源9から出射された光は、ま
ず第1光学部材72の第1の斜面72aに形成された反
射膜74で反射されて、第2の斜面72bに形成されて
いる偏光分離膜76に入射する。この偏光分離膜76は
光源9から出射された直線偏光を反射し、それと直交す
る偏光方向の光を透過する働きを有しているので、光源
9から入射してきた光は反射される。
【0308】その後第1光学部材72から出射された光
は、第2光学部材86の第1基板86aの下端面に形成
された拡散角変換手段87に入射する。この拡散角変換
手段87により、光源9から出射された光は拡散角を変
換されて、拡散光だった光は収束光となって第2基板8
6bから出射され、第2光学部材86の第2基板86b
の第1の斜面86dに形成された複数ビーム形成手段8
8に入射し、偏光分離膜88aを透過して、ビーム分離
部88bで反射される際に1本のメインビームと2本の
サイドビームとに分離されたのち、第2の斜面86eに
形成されているフィルタ89に入射する。このフィルタ
89は光源9から出射された光を反射し、光源2から出
射された光を透過するように形成されているので、複数
ビーム形成手段88からフィルタ89に入射した光はほ
とんど反射されて第2光学部材86から出射される。
【0309】その後光源9から出射された光は、1/4
波長板90に入射する。この1/4波長板90に入射し
た光は、その偏光方向を直線偏光から楕円偏光に変換さ
れて1/4波長板90から出射される。
【0310】その後光源9から出射された光は、コリメ
ータレンズがある場合にはコリメータレンズ16を通過
して略平行光に変換されてから、無い場合には直接集光
レンズ17に入射し、高密度光ディスク18へ収束す
る。
【0311】そして低密度光ディスク19で反射されて
戻ってきた光は再び1/4波長板90に入射する。この
光は、低密度光ディスク19で反射される際に楕円偏光
の回転方向が入射時のそれと比べて反対になっているの
で、1/4波長板90を通過する際には楕円偏光から光
源9を出射された往きの光の偏光方向と略直交する直線
偏光に変換されることとなる。即ち仮に光源9から出射
される際にS偏光で出射された光は、P偏光で光学部材
に入射することとなる。
【0312】1/4波長板90を通過した光は、第2光
学部材86に入射し、その第2基板86bの第2の斜面
86eに形成してあるフィルタ89でほとんど反射され
て、第1の斜面86dに設けられている複数ビーム形成
手段88に入射する。この場合は、入射する光の偏光方
向が往きの光とは略直交する方向となっているので、入
射してきた光はビーム分離部88bにほとんど入射する
ことなく偏光分離膜88aで反射されて、第2基板86
bから出射され、第1基板86aに形成されている拡散
角変換手段87に入射する。
【0313】この拡散角変換手段87で拡散光として入
射してきた光は、その拡散角を変換されて収束光となっ
て第2光学部材86から出射され、シールド部材85を
透過して、第1光学部材72に入射する。
【0314】そして第1光学部材72の第2の斜面72
bに形成されている偏光分離膜76に入射する。この時
入射してきた光の偏光方向は出射時のそれと比べると略
直交する向きになっているので、光は偏光分離膜76を
ほとんど透過して、第3の斜面72cに形成されている
光路分割手段84に入射する。この光路分割手段84に
より、入射してきた光は、その略半分が透過され、略半
分が反射されることになる。
【0315】そして光路分割手段84を透過した光は、
そのまま第4光学部材の下部に設けられている受光素子
92の所定の位置に形成されている受光部に所定の形状
の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供すること
になる。
【0316】また光路分割手段84で反射された光は、
第2の斜面72bに設けられている反射膜82で反射さ
れて受光素子92に設けられている所定の受光部に所定
の形状の光束が形成され、目的に応じた信号形成に供す
ることとなる。
【0317】このように複数の光源を同一のパッケージ
内に配置した場合においても実施の形態2と同様に、そ
れぞれの光源から出射された光に発生する波面収差が大
きく異なる場合が多く、このためそれぞれ光源2,9の
発光点2a,9aとコリメートレンズの間の距離を最適
化しているが、考え方は実施の形態1及び実施の形態2
と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0318】なお実施の形態1〜4においては、いずれ
も高密度光ディスクと低密度光ディスクの記録若しくは
再生を例にあげて、波長の異なる複数の光源を有する光
ピックアップの説明をしてきたが、この光ピックアップ
は、これ以外にも、例えば波長により透過率が異なる記
録層を複数重ねて形成したような記録媒体に対しても使
用可能である。
【0319】なお実施の形態1〜4においては、いずれ
も高密度光ディスクと低密度光ディスクの記録若しくは
再生を例にあげて、波長の異なる複数の光源を有する光
ピックアップの説明をしてきたが、この光ピックアップ
は、これ以外にも、例えば波長により透過率が異なる記
録層を複数重ねて形成したような記録媒体に対しても使
用可能である。
【0320】(実施の形態5)図12は本発明の実施の
形態5における光ピックアップモジュールの正面図であ
る。図12において、101はディスクで、本実施の形
態においてはディスク101として、デジタルビデオデ
ィスク(以下DVDと略す)等の高密度ディスク18ま
たはコンパクトディスク(以下CDと略す)等の低密度
ディスク19を用いている。ここで高密度ディスク18
としては例えば、記録層を有する基板を2つ用意し、そ
の2つの基板を張り合わせた構成のディスク等である。
【0321】102はディスク101を回転させるスピ
ンドルモータ部で、ディスク101をクランプする機構
も有している。スピンドルモータ部102は、ディスク
101を回転させるスピンドルモータ及びディスク10
1を精度良く位置決めするターンテーブル等から形成さ
れている。
【0322】103はディスク101に対して記録若し
くは再生を行う光ピックアップ部で、その光学部分は実
施の形態1に示すような構成を有しているとともに集光
レンズ17をディスク101に対して動作させるアクチ
ュエータ108を備えている。
【0323】なお光ピックアップ部103としては、実
施の形態2〜4に示すものを用いることも可能である。
【0324】104は光ピックアップ部103をディス
ク101を内周及び外周に移させるフィード部である。
【0325】105はスピンドルモータ部102,光ピ
ックアップ部103及びフィード部104を搭載するモ
ジュールベースである。
【0326】106、107はスピンドルモータ部10
2及び光ピックアップ部103に電力を供給するフレキ
シブル基板である。
【0327】以上の様な構成を有する光ピックアップモ
ジュールの動作について説明する。スピンドルモータ部
102により回転しているディスク101の所定の位置
に存在するデータを再生するような命令がCPUから送
られてきた場合、まずアクチュエータ108により集光
レンズ17を引き込んだ状態でフィード部104を駆動
し、光源2若しくは9から光をディスク101に照射し
てその位置確認しつつ光ピックアップ部103を所定の
データが存在するトラックまで移動させる。
【0328】所定の位置まで移動してきた後は、光ピッ
クアップ部103に設けられているアクチュエータ10
8を駆動させて、フォーカシング信号及びトラッキング
信号を検出し、微少な位置調整を行った後、所定のトラ
ックの再生信号を光ピックアップ部103に設けられた
受光素子により検知して、信号再生を行う。
【0329】なお光ピックアップ部103への動力の供
給や信号の送受信及びスピンドルモータ部102への動
力の供給にはフレキシブル基板106,107を用いて
いる。
【0330】この様な構成を有する光ピックアップモジ
ュールにおいては、実施の形態1〜4に示した構成を有
する光ピックアップ部を用いているので、光ピックアッ
プモジュールの小型化・薄型化を実現することができ
る。
【0331】
【発明の効果】以上示してきたように、受光手段に、突
起部材を設けたことにより、受光手段の光源に対する相
対的な位置調整を行う際に、突起部材を掴んで基板に沿
って移動させることができるので、微妙な受光手段の位
置調整を容易に行うことができる。従って光源と受光手
段との間の相対的な位置決めをより正確に行うことがで
きるので、位置ずれに起因して発生する信号特性の劣化
等を抑制することができるので、高性能で信頼性の高い
光ピックアップとすることができる。
【0332】光学部材を光源載置部と突起部材により支
持される構成としたことにより、光源と受光手段との間
の相対的な位置決めをより正確に行いつつ、光学部材の
取付誤差、特に基板部に対する平行度を向上させること
ができるので、光学部材の取付精度をより高くすること
が可能になり、特に光学部材と光源から出射される光の
光軸とのなす角を正確に略垂直にすることができるの
で、光学部材に入射する光の特性を良好に保つことがで
きるとともに光学部材から出射された光を正確に他の光
学部材の所定の位置に入射させることができる。従って
光学特性が良好で、信頼性の高い光ピックアップを実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による光ピックアップの
構成と光路を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における無限光学系での
発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における波面収差量とL
3,L4との関係を示した図
【図4】本発明の実施の形態1における有限光学系での
発光点と集光レンズとの関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態2における集積化した光ピ
ックアップの断面図
【図6】本発明の実施の形態2における無限光学系での
発光点とコリメートレンズとの関係を示す図
【図7】本発明の実施の形態2における対物レンズのシ
フトによる波面収差量とL5,L6との関係を示した図
【図8】本発明の実施の形態3における集積化された光
ピックアップの断面図
【図9】本発明の実施の形態3における光学系の断面図
【図10】本発明の実施の形態4における集積化された
光ピックアップの断面図
【図11】本発明の実施の形態4における光学部分の詳
細な断面図
【図12】本発明の実施の形態5における光ピックアッ
プモジュールの正面図
【図13】本発明の実施の形態3における光源付近の拡
大図
【図14】従来の光ピックアップを示す断面図
【符号の説明】
1 第1のパッケージ 1a 基板部 1b 側壁部 1d 開口部 2 光源 2a 出射点 2b,2c,2d 光束 2g 出射点 2h 後方出射光 2i 端面 3 受光素子 3a 突起部材 4 1/4波長板 5 第1光学部材 5a 第1の斜面 5b 第2の斜面 6 光路分割手段 7 反射手段 8 第2のパッケージ 8a 基板部 8b 側壁部 8d 開口部 9 光源 9a 発光点 9b,9c,9d 光束 10 受光素子 11 第2光学部材 11a 第1の斜面 11b 第2の斜面 12 光路分割手段 13 反射手段 14 1/4波長板 15 光路分割手段 16 コリメータレンズ 17 集光レンズ 18 高密度光ディスク 19 低密度光ディスク 20 パッケージ 20a 基板部 20b 側壁部 20c 端子 20f 表面 21 受光素子 22 光学部材 22a 第1の斜面 22b 第2の斜面 22c 第3の斜面 22d 第1基板 22e 第2基板 23 拡散角変換ホログラム 24 フィルタ 25 偏光分離膜 26 1/4波長板 27 拡散角変換手段 28 複数ビーム形成手段 29 反射手段 30 反射手段 31 拡散角変換手段 32 信号形成手段 33 受光素子 34 光源載置部 34a 面 40 パッケージ 40a 基板部 40b 側壁部 40c 端子 40d 開口部 40f 表面 41 第1光学部材 41a 第1の斜面 41b 第2の斜面 41c 面 42 光源載置部 42a 側面 42b 底面 43,44 反射膜 45,46 偏光分離膜 47 第2光学部材 48 拡散角変換手段 49 第3光学部材 49a 第1の斜面 49b 第2の斜面 50 複数ビーム形成手段 50a 偏光分離膜 50b ビーム分離部 51 フィルタ 52 1/4波長板 53 第4光学部材 53a 第1の斜面 53b 第2の斜面 54,55 光路分割手段 56,57 反射膜 58,59 受光素子 60,61 突起部 60a,61a 上面 70 パッケージ 70a 基板部 70b 側壁部 70c 端子 70d 開口部 71 光源載置部 72 第1光学部材 72a 第1の斜面 72b 第2の斜面 72c 第3の斜面 72d 面 73,74 反射膜 75,76 偏光分離膜 77,78 ホログラム 79,80 反射部 81,82 反射膜 83,84 光路分割手段 85 シールド部材 86 第2光学部材 86a 第1基板 86b 第2基板 86d 第1の斜面 86e 第2の斜面 87 拡散角変換手段 88 複数ビーム形成手段 88a 偏光分離膜 88b ビーム分離部 89 フィルタ 90 1/4波長板 91 受光素子 92 受光素子 91a 突起部材 92a 突起部材 101 ディスク 102 スピンドルモータ部 103 光ピックアップ部 104 フィード部 105 モジュールベース 106,107 フレキシブル基板 108 アクチュエータ 150 光源載置部 152 光源載置部 160,161 光源載置部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 治彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、前記光源から出射され、記録媒体
    で反射されてきた光を受光する受光手段と、前記光源と
    前記受光手段とを収納する収納部材とを備え、前記受光
    手段には突起が設けられていることを特徴とする光ピッ
    クアップ。
  2. 【請求項2】第1の方向と第2の方向に光を出射する光
    源と、前記光源から第1の方向に出射され、記録媒体で
    反射されてきた光を受光する受光手段と、前記光源と前
    記受光手段とを収納する収納部材とを備え、前記受光手
    段には突起部が設けられており、前記突起部の前記光源
    に対向する面の法線と前記光源から第2の方向に出射さ
    れた光の光軸とは非平行で、前記突起部の前記光源に対
    向する面に前記第2の方向に出射された光を入射させる
    ことを特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】光源と、前記光源から出射され、記録媒体
    で反射されてきた光を受光する受光手段と、前記光源か
    ら出射された光を所定の位置に導くとともに記録媒体で
    反射された光を前記受光手段に導く光学部材と、前記光
    学部材を前記光源と前記受光手段と前記光学部材とを収
    納する収納部材とを備え、前記受光手段には突起部が設
    けられており、前記突起部は前記光学部材を支持してい
    ることを特徴とする光ピックアップ。
  4. 【請求項4】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の
    光源から出射され、記録媒体で反射されてきた光を受光
    する第1の受光手段と、前記第2の光源から出射され、
    記録媒体で反射されてきた光を受光する第2の受光手段
    と、前記第1の光源,前記第2の光源,前記第1の受光
    手段及び前記第2の受光手段とを収納する収納部材とを
    備え、前記第1の受光手段と前記第2の受光手段にはそ
    れぞれ突起部が設けられていることを特徴とする光ピッ
    クアップ。
  5. 【請求項5】第1の方向と第2の方向に光を出射する第
    1の光源と、第3の方向と第4の方向に光を出射する第
    2の光源と、前記第1の光源から第1の方向に出射さ
    れ、記録媒体で反射されてきた光を受光する第1の受光
    手段と、前記第2の光源から第3の方向に出射され、記
    録媒体で反射されてきた光を受光する第2の受光手段
    と、前記第1の光源,前記第2の光源,前記第1の受光
    手段及び前記第2の受光手段とを収納する収納部材とを
    備え、前記第1の受光手段には第1の突起部が設けられ
    ており、前記第2の受光手段には第2の突起部が設けら
    れており、前記第1の突起部の前記第1の光源に対向す
    る面の法線と前記第1の光源から第2の方向に出射され
    た光の光軸とは非平行で、前記第2の突起部の前記第2
    の光源に対向する面の法線と前記第2の光源から第4の
    方向に出射された光の光軸とはともに非平行で、前記第
    1の突起部の前記第1の光源に対向する面に前記第2の
    方向に出射された光を入射させ、前記第2の突起部の前
    記第2の光源に対向する面に前記第4の方向に出射され
    た光を入射させることを特徴とする光ピックアップ。
  6. 【請求項6】第1の光源と、第2の光源と、前記第1の
    光源から出射され、記録媒体で反射されてきた光を受光
    する第1の受光手段と、前記第2の光源から出射され、
    記録媒体で反射されてきた光を受光する第2の受光手段
    と、前記第1の光源から出射された光を所定の位置に導
    くとともに記録媒体で反射された光を前記第1の受光手
    段に導き、かつ、前記第2の光源から出射された光を所
    定の位置に導くとともに記録媒体で反射された光を前記
    第2の受光手段に導く光学部材と、前記第1の光源,前
    記第2の光源,前記第1の受光手段,前記第2の受光手
    段及び前記光学部材とを収納する収納部材とを備え、前
    記第1の受光手段には第1の突起部が設けられ、前記第
    2の受光手段には第2の突起部が設けられており、前記
    第1の突起部と前記第2の突起部の少なくとも一方が前
    記光学部材を支持していることを特徴とする光ピックア
    ップ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8184522B2 (en) 2004-06-03 2012-05-22 Panasonic Corporation Optical head for optical recorder/reproducer

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