JPH11109331A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH11109331A
JPH11109331A JP9269819A JP26981997A JPH11109331A JP H11109331 A JPH11109331 A JP H11109331A JP 9269819 A JP9269819 A JP 9269819A JP 26981997 A JP26981997 A JP 26981997A JP H11109331 A JPH11109331 A JP H11109331A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーフィルタを備えた液晶表示素子として、
画面の明るさが充分で、しかも色バランスの良いカラー
画像を表示することができるものを提供する。 【解決手段】各色のカラーフィルタ14R,14G,1
4Bをそれぞれ画素領域Sの面積よりも小さい面積に形
成し、画素領域S内のカラーフィルタに対応する領域S
1を有フィルタ領域、カラーフィルタに対応しない領域
を無フィルタ領域S2とするとともに、有フィルタ領域
S1のΔnd1の値と、無フィルタ領域S2のΔnd2
の値とを、有フィルタ領域S1のカラーフィルタを無色
フィルタに置き替えたときの透過光の分光分布特性と、
無フィルタ領域S2の透過光の分光分布特性との両方を
合成した分光透過率分布が可視光波長帯域でほぼ平坦に
なるように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラーフィルタ
を備えた液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子には、バックライトからの
光を利用して表示する透過型のものと、自然光や室内照
明光等の外光を利用して表示する反射型のものとがあ
り、反射型の液晶表示素子では、その後面側に、前面か
ら入射した外光を反射して前面に出射させるための反射
部材を備えている。
【0003】このような液晶表示素子は、前記液晶層の
液晶分子を両基板間において所定のツイスト角でツイス
ト配向させたTN(ツイステッド・ネマティック)型の
ものが利用されており、このTN型の液晶表示素子で
は、前記一方の基板の外面と他方の基板の外面とにそれ
ぞれ偏光板を、その透過軸を所定の方向に向けた状態で
配置している。
【0004】また、液晶表示素子には、アクティブマト
リックス方式や単純マトリックス方式など種々の方式の
ものがあり、例えば、アクティブマトリックス方式の液
晶表示素子は、液晶層をはさんで対向する一対の基板の
うちの一方の基板の内面に、マトリックス状に配列する
複数の画素電極とこれらの画素電極にそれぞれ接続され
た複数の能動素子とを設け、他方の基板の内面に、前記
複数の画素電極と対向する部分により画素領域を形成す
る対向電極を設けた構成となっている。
【0005】さらに、液晶表示素子には、白黒画像を表
示するものと、カラー画像を表示するものとがあり、カ
ラー画像を表示する液晶表示素子は、一対の基板のうち
のいずれかの基板の内面に、各画素領域にそれぞれ対応
させて複数の色のカラーフィルタを設けている。
【0006】すなわち、フルカラー画像等のカラー画像
を表示する液晶表示素子の場合は、そのいずれかの基板
の内面に、複数の色のカラーフィルタ、例えば赤、緑、
青の3色のカラーフィルタがそれぞれ異なる画素領域に
対応させて交互に並べて設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カラーフィルタを備えた液晶表示素子は、その画素領域
に入射した光のうち、前記カラーフィルタにより可視光
波長帯域の特定波長帯域以外の光が吸収され、前記特定
波長帯域の光だけがこのカラーフィルタを透過してその
色に着色した光が前記画素領域を透過するため、入射光
の強度に対して出射する着色光の強度が極めて弱く、明
るい画面が得られないという問題をもっている。
【0008】この問題は、透過型の表示素子の場合はバ
ックライトの輝度を高くすることによってある程度改善
することができるが、消費電力が大きいと云う欠点があ
る。特に、外光を利用して表示する反射型の表示素子の
場合は、前面から入射した光が、後面側の反射部材で反
射されて前面に出射するまでの間にカラーフィルタを二
度通るため、光の減衰が大きく、画面がかなり暗くなっ
てしまい、画面の明るさを改善することが困難であっ
た。
【0009】この発明は、、画面の明るさが充分で、し
かも色バランスの良いカラー画像を表示することができ
る、カラーフィルタを備えたカラー液晶表示素子を提供
することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示素子
は、液晶層をはさんで対向する前後一対の基板の互いに
対向する内面の一方に設けられた複数の第1の電極と、
他方の内面に設けられ、前記複数の第1の電極と対向す
る領域が複数の画素領域を形成する少なくとも1つの第
2の電極と、いずれかの基板の内面に前記各画素領域に
それぞれ対応させて設けられ、前記画素領域の面積より
も小さい面積に形成された複数色のカラーフィルタとを
備え、前記液晶層は、前記画素領域内の前記カラーフィ
ルタが対応する有フィルタ領域における液晶層の層厚d
1と液晶の屈折率異方性Δnの積Δnd1の値と、前記
画素領域内の前記カラーフィルタが対応しない前記有フ
ィルタ領域以外の無フィルタ領域における液晶の層厚d
2と屈折率異方性Δnの積Δnd2の値とが、前記Δn
d1の値を有する液晶層を備えた液晶素子の分光透過率
分布と、前記Δnd2の値を有する液晶層を備えた液晶
素子の分光透過率分布とを合成した可視光波長帯域にお
ける分光透過率分布が実質的に平坦になるように設定さ
れていることを特徴とするものである。
【0011】この発明の液晶表示素子によれば、カラー
フィルタの面積を画素領域の面積より小さくしているた
め、画素領域を透過する光のうちの前記カラーフィルタ
に対応する有フィルタ領域を透過する光だけがカラーフ
ィルタによりその吸収波長帯域の光を吸収されて着色
し、前記カラーフィルタに対応しない無フィルタ領域を
透過する光はカラーフィルタによる吸収を受けずに透過
して、前記有フィルタ領域からの出射光である着色光
と、前記無フィルタ領域からの出射光である高輝度の非
着色光とにより高輝度のカラー画素が表示される。
【0012】しかも、この液晶表示素子では、前記有フ
ィルタ領域のΔnd1の値と、前記無フィルタ領域のΔ
nd2の値とを、前記Δnd2の値を有する液晶層を備
えた液晶素子の分光透過率分布と、前記Δnd2の値を
有する液晶層を備えた液晶素子の分光透過率分布とを合
成した可視光波長帯域における分光透過率分布が実質的
に平坦になるように設定しているため、前記有フィルタ
領域と無フィルタ領域とから出射する光とがそれぞれの
領域のΔnd相違により着色されていても、互いに補償
して一つの画素領域としては、着色のない表示が得られ
る。したがって、この発明の液晶表示素子によれば、画
面の明るさが充分で、しかも色バランスの良いカラー画
像を表示することができる。
【0013】また、前記液晶層は、前記有フィルタ領域
の液晶層の屈折率異方性Δnと層厚d1の積Δnd1の
値と、前記無フィルタ領域の液晶層の屈折率異方性Δn
と層厚d2の積Δnd2の値とが、前記有フィルタ領域
の前記カラーフィルタを無色フィルタとしたときの分光
透過率分布と前記無フィルタ領域の分光透過率分布との
両方を合成した可視光波長帯域における分光透過率分布
が実質的に平坦になるように設定される。
【0014】さらに、前記液晶層の前記有フィルタ領域
のΔnd1の値と、前記無フィルタ領域のΔnd2の値
は、液晶層のΔnd値の変化に対して透過率が極大値を
示すΔnd値をΔnd0としたとき、Δnd1<Δnd
0<Δnd2の関係を満たすように設定される。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示素子は、上記
のように、各色のカラーフィルタをそれぞれ前記画素領
域の面積よりも小さい面積に形成して、前記画素領域内
の前記カラーフィルタが対応する領域を有フィルタ領
域、前記カラーフィルタが対応しない領域を無フィルタ
領域とし、一対の基板間に挟まれる液晶層を、前記Δn
d1の値を有する液晶層を備えた液晶素子の分光透過率
分布と、前記Δnd2の値を有する液晶層を備えた液晶
素子の分光透過率分布とを合成した可視光波長帯域にお
ける分光透過率分布が実質的に平坦になるようにになる
よ設定することにより、一つの画素領域内で異なるΔn
d有することによる前記有フィルタ領域と無フィルタ領
域とにおける透過光の分光透過率分布の相違を相互に補
償し、画面の明るさが充分で、しかも色バランスの良い
カラー画像を表示するようにしたものである。
【0016】すなわち、前記液晶層は、有フィルタ領域
のΔnd1の値と、無フィルタ領域のΔnd2の値と
が、一対の偏光板に挟まれた均一な層厚を有する液晶層
からなる液晶素子にΔnd1の値を有する液晶層とΔn
d2の値を有する液晶層とをそれぞれ用いたとき、それ
ぞれの液晶素子を透過する光の分光透過率分布を合成し
た分光透過率分布が、可視光波長帯域の光について実質
的に平坦な特性を有するように設定され、これらのΔn
d1とΔnd2の値を得るために、前記液晶層の屈折率
異方性Δn,有フィルタ領域の液晶層厚d1,及び無フ
ィルタ領域の液晶層厚d2の値がそれぞれ選定されてい
る。
【0017】この発明の液晶表示素子において、前記有
フィルタ領域のΔnd1の値と、前記無フィルタ領域の
Δnd2の値は、前記有フィルタ領域の前記カラーフィ
ルタを無色フィルタとしたときの分光透過率分布と前記
無フィルタ領域の分光透過率分布との両方を合成した可
視光波長帯域における分光透過率分布が実質的に平坦に
なるように設定すれば良く。例えば、液晶のΔnd値の
変化に対して透過率が極大値を示すΔnd値をΔnd0
としたとき、Δnd1<Δnd0<Δnd2の関係を満
たすように設定すればよい。
【0018】このようにΔnd1,Δnd2の値を選べ
ば、前記有フィルタ領域と、前記無フィルタ領域とを透
過する光に対して、液晶層のΔndが異なることにより
生じる光学的作用の違いを互い補償させることができ、
前記有フィルタ領域と無フィルタ領域の液晶層のみによ
るそれぞれの分光透過率分布を合成したとき、可視光波
長帯域において、実質的に平坦になる。
【0019】この発明の液晶表示素子においては、隣り
合う画素領域の間の領域(常に無電界状態である領域)
を、常に光が出射する明表示領域とするのが望ましく、
このようにすれば、各画素領域の間の部分を明るくし、
画面をさらに明るくすることができる。
【0020】また、この発明は、バックライトからの光
を利用して表示する透過型の液晶表示素子にも、後面側
に反射部材を備え自然光や室内照明光等の外光を利用し
て表示する反射型の液晶表示素子にも適用できるもので
あり、反射型の液晶表示素子であっても、その画面を充
分に明るくすることができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図1は液晶表示素子の一部分の正面図、図2
は図1のII−II線に沿う断面図である。この実施例の液
晶表示素子は、TFT(薄膜トランジスタ)を能動素子
とするアクティブマトリックス方式のものであり、液晶
層18をはさんで対向する前後一対の基板(ガラス等か
らなる透明基板)1,2のうち、後側の基板2の内面に
は、複数の透明な画素電極3がマトリックス状に配列し
て設けられるとともに、これらの画素電極3にそれぞれ
対応する能動素子(以下、TFTという)4が設置され
ている。
【0022】図1において、(R)の電極は赤色画素を
表示するための画素電極、(G)の電極は緑色画素を表
示するための画素電極、(B)の電極は青色画素を表示
するための画素電極であり、これらの画素電極3は、行
方向(画面の左右方向)には交互に並べて直線状に配列
され、列方向(画面の上下方向)には同色の画素を表示
するための画素電極3同士を約1.5ピッチずつ行方向
に交互にずらしてジグザグに配列されている。
【0023】上記TFT4は、後側基板2上に形成され
たゲート電極5と、このゲート電極5を覆うゲート絶縁
膜6と、このゲート絶縁膜6の上に前記ゲート電極5と
対向させて形成されたi型半導体膜7と、このi型半導
体膜7の両側部の上にn型半導体膜(図示せず)を介し
て形成されたソース電極8およびドレイン電極9とから
なっている。
【0024】また、この後側基板2の上には、各画素電
極行の一側にそれぞれ沿わせて、各行のTFT4にゲー
ト信号を供給するゲートライン10が配線されており、
各行のTFT4のゲート電極5はそれぞれ、その行に対
応するゲートライン10に一体に形成されている。
【0025】なお、上記TFT4のゲート絶縁膜(透明
膜)6は、基板2のほぼ全面にわたって形成されてお
り、前記ゲートライン10は、その端子部を除いてゲー
ト絶縁膜6で覆われている。
【0026】また、上記ゲート絶縁膜6の上には、各画
素電極列の一側にそれぞれ沿わせて、各列の各TFT4
にデータ信号を供給するデータライン11が配線されて
おり、各列のTFT4のドレイン電極9はそれぞれ、そ
の列に対応するデータライン11につながっている。
【0027】前記データライン11は、同色の画素を表
示するための各画素電極列(ジグザグの画素電極列)に
それぞれ沿わせて蛇行配線されており、各行の画素電極
3の側縁に沿う縦配線部をつなぐ横配線部は、隣り合う
画素電極行の間に、上記ゲートライン10と平行に配線
されている。
【0028】なお、この実施例ではデータライン11を
ゲート絶縁膜6の上に配線し、各列のTFT4のドレイ
ン電極9をそれぞれ、その列に対応するデータライン1
1に一体に形成しているが、前記データライン11は、
TFT4を絶縁膜で覆ってその上に配線し、前記絶縁膜
に設けたコンタクト孔において前記TFT4のドレイン
電極9と接続してもよい。
【0029】また、上記画素電極3は前記ゲート絶縁膜
6の上に形成されており、この画素電極3は、その一側
縁の端部において対応するTFT4のソース電極9に接
続されている。
【0030】さらに、前記後側基板2上には、各画素電
極行にそれぞれ対応させて、その行の各画素電極3と前
記ゲート絶縁膜6をはさんで対向する補償容量形成電極
(以下、容量形成電極という)12が設けられており、
この容量形成電極12と画素電極3とその間のゲート絶
縁膜6とによって、非選択期間の画素電極3の電位の変
動を補償するための補償容量(ストレージキャパシタ)
が形成されている。なお、前記容量形成電極12は、画
素電極3のTFT接続側とは反対側の端縁から若干画素
電極内側に片寄った部分に対向させて、上記ゲートライ
ン10と平行に形成されている。
【0031】前記ゲートライン10と容量形成電極12
は、低抵抗でかつ光の反射率が高い金属膜(例えばアル
ミニウム系合金)で形成されており、上記データライン
11も低抵抗で高反射率の金属膜で形成されている。な
お、前記ゲートライン10と容量形成電極12は、ゲー
ト絶縁膜6の上に形成する画素電極3やデータライン1
1との間の絶縁耐圧を高くするため、その表面を陽極酸
化処理されている。
【0032】そして、後側基板2の内面、つまり前記画
素電極3およびTFT4やデータライン11等の形成面
上には、画素電極配列領域全体にわたって配向膜13が
設けられている。
【0033】一方、前側の基板1の内面には、赤、緑、
青の3色のカラーフィルタ14R,14G,14Bが、
前記画素電極3の配列と同様に、行方向および列方向に
交互に並べて設けられており、これらのカラーフィルタ
14R,14G,14Bを覆って形成した透明な保護膜
(絶縁膜)15の上に、前記画素電極3の全てに対向
し、これらの画素電極3と対向する領域でそれぞれ画素
領域Sを形成する一枚膜状の透明な対向電極16が設け
られ、その上に配向膜17が形成されている。なお、前
記保護膜(絶縁膜)15はカラーフィルタ14R,14
G,14Bの材質を適正に選択することにより省くこと
かできる。この場合は、カラーフィルタ14R,14
G,14Bの上に直接対向電極16が形成される。
【0034】そして、上記前側基板1と後側基板2は、
その周縁部において図示しない枠状シール材を介して接
合されており、これら両基板1,2間の前記シール材で
囲まれた領域に液晶層18が設けられている。
【0035】また、上記一対の基板1,2の内面に設け
られた配向膜13,17はそれぞれ、その膜面を所定方
向にラビングすることによって配向処理されており、両
基板1,2間の液晶層18の液晶分子は、後側基板2の
配向膜13と前側基板1の配向膜17とによりそれぞれ
の基板1,2の近傍における配向方向を規制され、両基
板1,2間において所定のツイスト角(例えばほぼ90
°)でツイスト配向している。
【0036】また、上記一対の基板1,2の外面にはそ
れぞれ、偏光板21,22が配置されており、これらの
偏光板21,22は、それぞれの透過軸を所定の方向に
向けた状態で設けられている。
【0037】この実施例の液晶表示素子は、液晶層18
に電界が印加されていない状態(液晶分子が基板1,2
面に対して最も倒伏した初期のツイスト配向状態に配向
している状態)での表示が明表示であり、液晶層18へ
の電界の印加により液晶分子が基板1,2面に対して立
上がり配向するのにともなって光の透過率が低くなって
表示が暗くなる、いわゆるノーマリーホワイトモードの
表示を行なうTN型液晶表示素子であり、例えば液晶分
子のツイスト角がほぼ90°である場合、前記偏光板2
1,22は、それそれの透過軸を互いにほぼ直交させて
設けられる。
【0038】さらに、後面側の偏光板22の背後には、
液晶表示素子にその前面側から入射して液晶層18を透
過した光を反射するための反射部材として、散乱反射板
23が配置されている。
【0039】この液晶表示素子の前側基板1の内面に設
けられた前記赤、緑、青のカラーフィルタ14R,14
G,14Bについてさらに説明すると、これらのカラー
フィルタ14R,14G,14Bのうち、赤色フィルタ
14Rは、赤色画素を表示するための(R)の画素電極
3と対向電極16とが対向する画素領域Sに設けられ、
緑色フィルタ14Gは緑色画素を表示するための(G)
の画素電極3と対向電極16とが対向する画素領域Sに
設けられ、青色フィルタ14Bは青色画素を表示するた
めの(B)の画素電極3と対向電極16とが対向する画
素領域Sに設けられている。
【0040】これらのカラーフィルタ14R,14G,
14Bはそれぞれ、前記画素領域Sの面積(画素電極3
の面積)よりも小さい面積に形成されており、したがっ
て、各画素領域S内のカラーフィルタ14R,14G,
14Bに対応する領域である有フィルタ領域S1だけが
着色光の出射領域であり、カラーフィルタ14R,14
G,14Bに対応しない領域、つまり前記有フィルタ領
域S1以外の無フィルタ領域S2は、液晶表示素子にそ
の前面から入射し後面側の反射板23で反射されて液晶
表示素子の前面に出射する光を着色することなく透過さ
せる非着色光の出射領域となっている。
【0041】この実施例では、各色のカラーフィルタ1
4R,14G,14Bをそれぞれ画素領域Sの約70%
の面積に形成するとともに、これらのカラーフィルタ1
4R,14G,14Bをそれぞれ、各画素領域Sの周縁
部を除く内側の領域であって上述した補償容量部よりも
TFT接続側の領域に対向させて設けており、したがっ
て、各画素領域Sの周縁部がその全周にわたって無フィ
ルタ領域S2となっている。
【0042】なお、液晶表示素子の前面から各画素領域
Sに入射した光のうち、上記補償容量部に入射した光は
容量形成電極12で遮られて反射板23に入射しない
が、前記容量形成電極12は高反射率の金属膜で形成さ
れているため、補償容量部に入射した光は容量形成電極
12で反射される。
【0043】さらに、隣り合う画素領域Sの間の領域、
つまり常に無電界状態である領域(液晶分子が常に初期
のツイスト配向状態に配向している領域)は、常に入射
光が前記散乱反射板23、ゲートライン10、データラ
イン11または容量形成電極12で反射されて前面に出
射する明表示領域Wとなっている。
【0044】すなわち、上記後側基板2の内面に設けら
れたゲートライン10およびデータライン11は前記明
表示領域W内を通っており、また容量形成電極12も前
記明表示領域Wを横切っているため、液晶表示素子の前
面から明表示領域Wに入射した光のうち、ゲートライン
10およびデータライン11と容量形成電極12が通っ
ている部分に入射した光は反射板23に入射しないが、
前記ゲートライン10およびデータライン11と容量形
成電極12は高反射率の金属膜で形成されているため、
これらの部分に入射した光も反射される。
【0045】この液晶表示素子では、各色のカラーフィ
ルタ14R,14G,14Bをそれぞれ画素領域Sの面
積よりも小さい面積に形成しているため、各画素領域S
内の液晶層18の層厚が、カラーフィルタに対応する有
フィルタ領域S1と、カラーフィルタに対応しない無フ
ィルタ領域S2とで、前記カラーフィルタ14R,14
G,14Bの膜厚分だけ異なっている。
【0046】この液晶層18は、前記画素領域内の前記
カラーフィルタが対応する有フィルタ領域の液晶層の層
厚d1と屈折率異方性Δnとの積Δnd1の値と、前記
画素領域内の前記カラーフィルタが対応しない前記有フ
ィルタ領域以外の無フィルタ領域の液晶層の層厚d2と
屈折率異方性Δnとの積Δnd2の値とが、前記Δnd
1の値を有する液晶層を備えた液晶素子の分光透過率分
布と、前記Δnd2の値を有する液晶を備えた液晶素子
の分光透過率分布とを合成した可視光波長帯域における
分光透過率分布が実質的に平坦になるように設定されて
いる。
【0047】そのため、これらの各画素領域S内の有フ
ィルタ領域S1の液晶層厚d1と、無フィルタ領域S2
の液晶層厚d2、及び液晶の屈折率異方性Δnは、ノー
マリーホワイト型のTN液晶表示素子が可視光波長帯域
の特定の波長光に対して、透過率(入射光強度に対する
出射光強度の比)が極大値を示すΔnd0値に比べて、
有フィルタ領域S1の液晶層の屈折率異方性Δnと層厚
d1の積Δnd1の値が小さく、且つ前記無フィルタ領
域S2の液晶層の屈折率異方性Δnと層厚d2の積Δn
d2の値が大きくなるように、それぞれ設定されてい
る。
【0048】すなわち、この実施例では、液晶層のΔn
d値の変化に対して透過率(入射光に対する出射光の強
度比)が極大値を示すΔnd値をΔnd0としたとき、
前記有フィルタ領域S1のΔnd1の値と、前記無フィ
ルタ領域S2のΔnd2の値とを、Δnd1<Δnd0
<Δnd2の関係になるように設定し、前記有フィルタ
領域S1のカラーフィルタ14R,14G,14Bを無
色フィルタとしたときの透過率の分光分布と、前記無フ
ィルタ領域S2の透過率の分光分布との両方を合成した
合成分光透過率分布が可視光波長帯域で実質的に平坦に
なるように設定している。
【0049】なお、液晶層のΔnd値が大きく変わると
透過率が著しく低下し、また分光透過率特性が大きく変
化するので、前記有フィルタ領域S1のΔnd1の値と
前記無フィルタ領域S2のΔnd2の値は、前記Δnd
0の値を中心にして、Δnd0の値の1/2の範囲にあ
るのが望ましい。
【0050】この液晶表示素子は、外光を利用して反射
型表示を行なうものであり、その前面から入射した光
は、前側偏光板21によりその吸収軸に沿った偏光成分
の光を吸収されて透過軸に沿った偏光成分の直線偏光光
となって液晶層18に入射し、この液晶層18を透過す
る過程でその複屈折性により旋光される。
【0051】そして、前記液晶層18を透過した光は、
後側偏光板22に入射し、その光のうち、前記後側偏光
板22の透過軸に沿った偏光成分の光がこの偏光板22
を透過して画像光となり、その画像光が、散乱反射板2
3により反射されて前記後側偏光板22と液晶層18と
前側偏光板21とを順次透過して前面に出射する。
【0052】このとき、前面から各画素領域Sに入射し
た光のうち、画素領域Sの有フィルタ領域S1を透過す
る光は、カラーフィルタ14R,14G,14Bにより
その吸収波長帯域の光を吸収されてそのカラーフィルタ
の色に着色し、その着色光が反射されて素子前面に出射
する。この着色された出射光の強度は、電極3,17間
に印加される電界に応じた液晶分子の立上がり配向状態
に応じて変化する。
【0053】また、前記各画素領域Sに入射した光のう
ち、画素領域Sの周縁部の無フィルタ領域S2に入射し
た光は、カラーフィルタ14R,14G,14Bを通ら
ずに非着色光のまま反射され、素子前面に出射する。こ
の非着色の出射光の強度も、電極3,17間に印加され
る電界に応じた液晶分子の立上がり配向状態に応じて変
化する。
【0054】さらに、隣り合う画素領域Sの間の明表示
領域Wに入射した光は、ゲートライン10,データライ
ン11,或は容量形成電極12により反射され、非着色
光のまま反射されて素子前面に出射する。この明表示領
域Wを出射する非着色光は、前記明表示領域Wが常に無
電界状態であって、液晶分子が常に初期のツイスト配向
状態に配向しており、しかも前記後側偏光板22に達す
る前にゲートライン10,データライン11,或は容量
形成電極12により反射されるため、常に高強度の光で
ある。
【0055】すなわち、この液晶表示素子によれば、各
色のカラーフィルタ14R,14G,14Bの面積を画
素領域Sの面積より小さくしているため、全ての画素領
域Sにおいて、液晶表示素子の前面から入射し後面側の
散乱反射板23で反射されて前面に出射する光のうち、
前記有フィルタ領域S1を透過する光だけがカラーフィ
ルタ14R,14G,14Bの色に着色し、前記無フィ
ルタ領域S2を透過する光は、カラーフィルタによる吸
収を受けずに透過する。
【0056】そのため、前記有フィルタ領域S1からの
出射光である着色光と、前記無フィルタ領域S2からの
出射光である高輝度の非着色光とにより高輝度のカラー
画素が表示される。
【0057】図3は上記液晶表示素子の画素配列を示す
図であり、各画素S′は、前記有フィルタ領域S1から
の出射光である赤R、緑G、青Bのいずれかの着色光
(図3においてハッチングを施した領域から出射する
光)と、前記無フィルタ領域S2からの出射光である非
着色光(図3においてハッチングを施した領域の外側か
ら出射する光)とで表示されるが、人間の目には、画素
S′全体が前記着色光の色に着色しているように見え、
これらの赤、緑、青の画素S′の加法混色によりフルカ
ラー画像が表示される。なお、前記画素S′は、前記着
色光の色が僅かに薄くなった高輝度の画素であり、その
色の濃さと明るさは、前記着色光と非着色光との光強度
の比に対応する。
【0058】また、図3に示されるように、各画素は有
フィルタ領域S1の周囲を無フィルタ領域S2が取り囲
むように形成されているので、反射型の液晶表示素子と
して用いる場合には、隣接する画素領域の有フィルタ領
域S1を透過した着色光が、隣接する画素領域の異なる
色の有フィルタ領域S1に入射して吸収される確率が少
なくなるので、液晶表示素子に入射した光が反射されて
出射する量が多くなり、明るい表示が得られる。
【0059】したがって、上記液晶表示素子は、外光を
利用して表示する反射型のものであるが、各画素領域S
により高輝度のカラー画素を表示し、画面の明るさが充
分なフルカラー画像を表示することができる。
【0060】しかも、この実施例では、隣り合う画素領
域Sの間の領域を、液晶表示素子の前面から入射した光
が反射板23で反射されて素子前面に出射する明表示領
域Wとしているため、各画素領域Sの間の部分を明るく
し、画面をさらに明るくすることができる。
【0061】また、上記液晶表示素子では、各画素領域
Sの有フィルタ領域S1のΔnd1の値と、無フィルタ
領域S2のΔnd2の値とを、液晶層のΔnd値の変化
に対して透過率が極大値を示すΔnd値をΔnd0とし
たとき、Δnd1<Δnd0<Δnd2の関係になるよ
うに設定し、一対の偏光板に挟まれた均一な層厚を有す
る液晶層からなる液晶素子にΔnd1の値を有する液晶
とΔnd2の値を有する液晶とをそれぞれ用いたとき、
それぞれの液晶素子を透過する光の分光透過率分布を合
成した分光透過率分布が、可視光波長帯域の光について
実質的に平坦な特性を有するように設定されている。
【0062】この液晶表示素子によれば、前記有フィル
タ領域S1のカラーフィルタ14R,14G,14Bを
無色フィルタに置き替えたときの前記有フィルタ領域S
1の分光透過率分布と、前記無フィルタ領域S2の分光
透過率分布との両方を合成した分光透過率分布が可視光
波長帯域で実質的に平坦になるようにしているため、有
フィルタ領域S1から出射する着色光と無フィルタ領域
S2から出射する非着色光とで表示されるカラー画像
は、色バランスの良いフルカラー画像を表示することが
できる。
【0063】すなわち、TN型の液晶表示素子では、光
の入射側偏光板を透過して液晶層に入射した直線偏光
は、この液晶層の複屈折性に波長依存性があるため、旋
光分散により各波長光ごとに異なる旋光作用を受けるた
め、前記液晶層を透過した光は、可視光波長帯域の各波
長光毎に振動面が僅かにずれ、出射側偏光板を透過する
光の分光強度分布が平坦でなく、僅かながら着色して出
射する。この出射光の着色の度合いは、液晶層のΔnd
値に依存している。
【0064】そして、上記液晶表示素子では、各色のカ
ラーフィルタ14R,14G,14Bの面積を画素領域
Sの面積より小さくしているため、画素領域Sのうちの
カラーフィルタ14R,14G,14Bが対応する有フ
ィルタ領域S1には前記カラーフィルタ14R,14
G,14Bが存在し、無フィルタ領域S2には前記カラ
ーフィルタ14R,14G,14Bが存在しないため、
前記有フィルタ領域S1の液晶層厚は、無フィルタ領域
S2の液晶層厚に比べてぜカラーフィルターの厚さ分だ
け薄い。従って、有フィルタ領域S1の液晶層のΔnd
1と、無フィルタ領域S2の液晶層のΔnd2の値が異
なっており、そのために、有フィルタ領域S1を透過す
る光と、無フィルタ領域S2を透過する光とが異なる分
光透過率分布を持ち、それぞれの領域から異なる色に着
色した光が出射する。
【0065】図4は、一対の偏光板に挟まれた均一な層
厚を有する液晶層を備え、カラーフィルタを備えていな
いノーマリーホワイトモードのTN型液晶表示素子にお
ける無電界状態でのΔndの値を変化させたときの透過
率の変化(Δnd−透過率特性)を示し、図5は、図4
に示したΔnd−透過率特性の最初に現れるピーク付近
を拡大して示している。なお、図4及び図5において、
縦軸にとった透過率の値は、入射光に対する出射光の強
度比である。
【0066】これらの図4及び図5に示すように、液晶
表示素子の透過率は、Δndの値の変化に応じて複数の
極大値を持つように変化し、液晶層が透過率の極大値を
示すΔnd値を持つときにコントラストも高くなる。
【0067】本実施例の液晶表示素子では、図5に示す
ようにコントラストが極大値を示すΔnd値をΔndと
し、前記有フィルタ領域S1のΔnd1の値と、前記無
フィルタ領域S2のΔnd2の値とを、それらの値のほ
ぼ中間の値が前記最適Δnd0の値になるように設定さ
れている。例えば、最適Δnd0が527〜528nm
である場合、有フィルタ領域S1のΔnd1の値は約4
32nm、前記無フィルタ領域S2のΔnd2の値は約
558nmである。
【0068】このように、有フィルタ領域S1と無フィ
ルタ領域S2のΔnd1,Δnd2を、前記最適Δnd
0の値に対して、Δnd1<Δnd0<Δnd2の関係
になるように設定することにより、Δnd0の値から小
さい値の方にずれたΔnd1の値を有する前記有フィル
タ領域S1の分光透過率分布におけるピークが現れる波
長帯域と、Δnd0の値から大きい値の方にずれたΔn
d1の値を有する無フィルタ領域S2の分光透過率分布
におけるピークが現れ波長帯域とがずれる。
【0069】そして、一画素ではこれらの両方の分光透
過率分布が合成されて観察されるので、2つの分光透過
率分布が互いに補償しあって、可視光波長帯域における
分光透過率分布が平坦化になり、液晶層による透過光の
着色がなくなって、色純度の高い表示素子が得られる。
【0070】また、液晶表示素子の無電界状態での透過
率は、Δndの値に応じて図4のように変化し、光の透
過率が極大となるΔndの値は複数存在するが、前記Δ
nd0の値としては、コントラスト及び応答特性を考慮
すると、Δndを大きくして行ったときに最初に現れる
透過率のピークか、その次に現れるピークに対応するΔ
ndの値を選ぶのが好ましい。
【0071】図6は、本実施例の液晶表示素子におい
て、カラーフィルタ14R,14G,14Bによる影響
を取り除いて、液晶層のみによる分光透過率分布を示し
ている。すなわち、本実施例の液晶表示素子に用いられ
ているカラーフィルタ14R,14G,14Bを無色フ
ィルタに置き替え、Δnd1,Δnd2の値をΔnd0
(527〜528nm)に対してΔnd1<Δnd0<
Δnd2の関係に設定したときの、有フィルタ領域S1
と無フィルタ領域S2の分光透過率分布を示している。
【0072】前記Δnd1とΔnd2の値は、それぞれ
Δnd1=432nm,Δnd2=558nmであり、
有フィルタ領域S1の液晶層厚d1と無フィルタ領域S
2の液晶層厚d2及び液晶の屈折率異方性Δnは、それ
ぞれd1=4.8μm、d2=6.2μm,、Δn=
0.09に設定され、また、有フィルタ領域S1の面積
を、画素領域Sの面積の70%に設定している。
【0073】図6の分光透過率分布に示されているよう
に、有フィルタ領域S1の分光分布曲線は可視光波長帯
域の短波長帯域にピークが有り、長波長帯域で透過率が
低下している。一方無フィルタ領域S2の分光分布曲線
は可視光波長帯域の長波長帯域にピークが有り、短波長
帯域で透過率が低下している。従って、これらの2つの
分光分布曲線を合成することにより、分光透過率分布が
平坦な特性が得られる。
【0074】図7は、上記液晶表示素子の有フィルタ領
域S1と無フィルタ領域S2の両方の分光透過率分布を
合成した合成分光透過率分布を実線で示しており、同図
には比較例1及び2も合わせて示してある。
【0075】比較例1は前記Δnd1とΔnd2のうち
のΔnd1の値をΔnd0と同じ(Δnd1=nd0)
にした場合、比較例2は前記Δnd1とΔnd2のうち
のΔnd2の値をΔnd0と同じ(Δnd2=nd0)
にした場合の特性を示している。
【0076】比較例1のΔnd1とΔnd2の値は、そ
れぞれΔnd1=528nm,Δnd2=682nm、
液晶のΔnの値はΔn=0.11である。比較例2のΔ
nd1とΔnd2の値は、Δnd2=527nm,Δn
d1=408nm、液晶のΔnの値はΔn=0.085
である。これらの比較例1,2において、液晶層厚d
1,d2、及び有フィルタ領域S1の画素領域に対する
割合は、それぞれd1=4.8μm、d2=6.2μ
m、70%に設定されている。
【0077】また、これらの比較例1,2において、図
6と同様にカラーフィルタ14R,14G,14Bによ
る影響を取り除いて、液晶層のみによる有フィルタ領域
S1と無フィルタ領域S2それぞれの分光透過率分布を
図9(a),(b)にそれぞれ示した。
【0078】図7に示されているように、本実施例の液
晶表示素子の合成分光透過率分布特性は実線で示すよう
に、可視光波長帯域の全域にわたってほぼ平坦になって
おり、透過光の帯色はほとんどない。これに対して、比
較例1の合成分光透過率分布特性は、同図に鎖線で示し
たように、約500〜600nmの波長帯域の光の透過
率が高く、それよりも短波長側および長波長側の透過率
が低い、そのため、透過光が緑の色味を帯びた帯色光に
なる。
【0079】また、比較例2の合成分光透過率分布特性
は、同図に破線で示したように、短波長側の透過率が低
く、長波長側の透過率が高い、そのため、透過光が黄色
味を帯びた帯色光になる。
【0080】したがって、本例の液晶表示素子のように
赤、緑、青のカラーフィルタ14R,14G,14Bを
設け、これらのカラーフィルターの光学的作用を考慮し
ても、各画素領域Sの前記有フィルタ領域S1と無フィ
ルタ領域S2との2つの領域の液晶層を透過する光の合
成が白色になっているので、、1つの画素領域S毎にぞ
れぞれの色のカラーフィルターによる着色光に液晶層の
影響による着色が混ざることがないので、各画素の色純
度が高くなり、鮮やかな色の表示素子が得られる。
【0081】図8は、各色のカラーフィルターを備えた
本実施例と、前記比較例1との、白画面表示状態(赤、
緑、青の全ての画素を表示させた状態)での出射光の分
光分布を示している。
【0082】この図8のように、画素領域Sの有フィル
タ領域S1と無フィルタ領域S2のΔnd1,Δnd2
の値を最適Δnd0に対してΔnd1<Δnd0<Δn
d2の関係になるように設定した本実施例の液晶表示素
子は、有フィルタ領域S1のΔnd1の値をΔnd0と
同じにした比較例1の液晶表示素子に比べて、赤、緑、
青のカラーフィルタ14R,14G,14Bを備えたの
出射光の分光分布が、赤、緑、青の各波長帯域の光の透
過率の差が小さい分布であり、したがって、色バランス
の良いフルカラー画像を表示することができる。
【0083】なお、上記実施例の液晶表示素子は、赤、
緑、青の画素を表示するための画素電極3を、行方向に
は交互に並べて直線状に配列し、列方向には同色の画素
を表示するための画素電極3同士を約1.5ピッチずつ
行方向に交互にずらしてジグザグに配列した、いわゆる
モザイク配列型のものであるが、この発明は、赤、緑、
青の画素を表示するための画素電極3を、行方向にも列
方向にも直線状に並べて配列した、いわゆる格子状配列
型の液晶表示素子にも適用することができる。
【0084】また、上記実施例の液晶表示素子は、赤、
緑、,青のカラーフィルタを備えたものであるが、この
発明は、マゼンタ、イエロー、シアンの3色のカラーフ
ィルタを備えて減法混色によりカラー画像を表示する液
晶表示素子にも適用することができる。
【0085】さらに、この発明は、アクティブマトリッ
クス型に限らず、一方の基板の内面に一方の方向に沿う
走査電極を複数本互いに平行に設け、他方の基板の内面
に前記走査電極と交差する方向に沿う信号電極を複数本
互いに平行に設けた単純マトリックス型の液晶表示素子
等にも適用することができる。
【0086】また、上記実施例の液晶表示素子は、その
前後面に偏光板21,22を配置し、裏側偏光板22の
背後に反射板23を配置したものであるが、それに代え
て、例えば裏側基板2の内面に設ける電極(上記実施例
では画素電極3)を金属膜で形成し、この電極で反射部
材を兼用してもよく、その場合は、偏光板は表側偏光板
21だけでよい。
【0087】さらにまた、上記実施例のように前側偏光
板21と後側偏光板22とを備える場合は、前記裏側偏
光板22の背後に配置する反射板23を半透過反射板と
し、その背後にバックライトを配置してもよく、このよ
うにすれば、外光を利用する反射型表示と、バックライ
トからの光を利用する透過型表示との両方を行なうこと
ができる。また、この発明は、バックライトからの光を
利用する表示だけを行なう透過型の液晶表示素子にも適
用することができる。
【0088】
【発明の効果】この発明の液晶表示素子は、各色のカラ
ーフィルタをそれぞれ画素領域の面積よりも小さい面積
に形成し、前記画素領域内のカラーフィルタに対応する
領域を有フィルタ領域、カラーフィルタに対応しない領
域を無フィルタ領域とするとともに、前記有フィルタ領
域のΔnd1の値と、前記無フィルタ領域のΔnd2の
値とを、一対の偏光板に挟まれた均一な層厚を有する液
晶層からなる液晶素子にΔnd1の値とΔnd2の値と
を有する液晶層を用いたときの2つの分光透過率分光分
布特性を合成した分光透過率分布が可視光波長帯域でほ
ぼ平坦になるように設定したものであるから、画面の明
るさが充分で、しかも色バランスの良いカラー画像を表
示することができる。
【0089】また、この発明の液晶表示素子は、前記有
フィルタ領域のΔnd1の値と、前記無フィルタ領域の
Δnd2の値を、前記有フィルタ領域の前記カラーフィ
ルタを無色フィルタとしたときの分光透過率分布と前記
無フィルタ領域の分光透過率分布との両方を合成した可
視光波長帯域における分光透過率分布が実質的に平坦に
なるように設定したので、各画素領域を透過する可視光
波長帯域の光の分光透過率分布をほぼ平坦にすることが
できる。
【0090】さらに、この発明の液晶表示素子は、前記
有フィルタ領域のΔnd1の値と、前記無フィルタ領域
のΔnd2の値を、液晶層のΔnd値の変化に対して光
の透過率が極大となる最適Δnd0の値に対して、Δn
d1<Δnd0<Δnd2の関係になるように設定した
ので、前記有フィルタ領域の液晶層のみにより生じる分
光透過率分布特性のうねりと、前記無フィルタ領域の分
光透過率分布特性のうねりとが、互いに相殺され、両方
を合成した分光透過率分布を可視光波長帯域でほぼ平坦
にすることができる。 またさらに、この発明の液晶表
示素子において、隣り合う画素領域の間の領域(常に無
電界状態である領域)を、常に光が出射する明表示領域
とすれば、各画素領域の間の部分を明るくし、画面をさ
らに明るくすることができる。
【0091】さらに、この発明は、バックライトからの
光を利用して表示する透過型の液晶表示素子にも、後面
側に反射部材を備え自然光や室内照明光等の外光を利用
して表示する反射型の液晶表示素子にも適用できるもの
であり、反射型の液晶表示素子であっても、その画面を
充分に明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示素子の一部
分の正面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】前記液晶表示素子の画素配列を示す図。
【図4】カラーフィルタを備えていないノーマリーホワ
イトモードのTN型液晶表示素子における無電界状態で
のΔnd−透過率特性図。
【図5】有フィルタ領域と無フィルタ領域のΔnd1,
Δnd2の設定例を示す図。
【図6】本発明の実施例による液晶表示素子において、
液晶層のみにより生じる有フィルタ領域S1を透過する
光の分光透過率分布特性と、無フィルタ領域S2の分光
透過率分布特性を示す図。。
【図7】図6に示した本実施例における2つの分光透過
率分布特性を合成した合成分光透過率分布特性及、び2
つの比較例の合成分光透過率分布特性を示す図。
【図8】本発明の実施例の液晶表示素子における白画面
表示状態での分光透過率分布特性、及び比較例における
白画面表示状態での分光透過率分布特性を示す図。
【図9】Δnd1,Δnd2の値をΔnd0に対してΔ
nd1=Δnd0に設定した比較例1と、Δnd2=Δ
nd0に設定した比較例2について、液晶層のみにより
生じる有フィルタ領域S1を透過する光の分光透過率分
布特性と、前記無フィルタ領域の分光透過率分布特性を
示す図。
【符号の説明】
1,2…基板 3…画素電極 4…TFT(能動素子) 10…ゲートライン 11…データライン 12…補償容量形成電極 14R,14G,14B…カラーフィルタ 17…対向電極 21,22…偏光板 23…反射板 S…画素領域 S1…有フィルタ領域 S2…無フィルタ領域 W…明表示領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶層をはさんで対向する前後一対の基板
    の互いに対向する内面の一方に設けられた複数の第1の
    電極と、他方の内面に設けられ、前記複数の第1の電極
    と対向する領域が複数の画素領域を形成する少なくとも
    1つの第2の電極と、いずれかの基板の内面に前記各画
    素領域にそれぞれ対応させて設けられ、前記画素領域の
    面積よりも小さい面積に形成された複数色のカラーフィ
    ルタとを備え、 前記液晶層は、前記画素領域内の前記カラーフィルタが
    対応する有フィルタ領域における液晶層の層厚d1と液
    晶の屈折率異方性Δnの積Δnd1の値と、前記画素領
    域内の前記カラーフィルタが対応しない前記有フィルタ
    領域以外の無フィルタ領域における液晶の層厚d2と屈
    折率異方性Δnの積Δnd2の値とが、前記Δnd1の
    値を有する液晶層を備えた液晶素子の分光透過率分布
    と、前記Δnd2の値を有する液晶層を備えた液晶素子
    の分光透過率分布とを合成した可視光波長帯域における
    分光透過率分布が実質的に平坦になるように設定されて
    いることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記有フィルタ領域の液晶層の屈折率異方
    性Δnと層厚d1との積Δnd1の値と、前記無フィル
    タ領域の液晶層の屈折率異方性Δnと層厚d2の積Δn
    d2の値とが、前記有フィルタ領域の前記カラーフィル
    タを無色フィルタとしたときの分光透過率分布と前記無
    フィルタ領域の分光透過率分布との両方を合成した可視
    光波長帯域における分光透過率分布が実質的に平坦にな
    るように設定されていることを特徴とする請求項1に記
    載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記有フィルタ領域のΔnd1の値と、前
    記無フィルタ領域のΔnd2の値は、液晶層のΔnd値
    の変化に対して透過率が極大値を示すΔnd値をΔnd
    0としたとき、Δnd1<Δnd0<Δnd2の関係に
    あることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】隣り合う画素領域の間の領域が、常に光が
    出射する明表示領域となっていることを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】後面側に反射部材を備えていることを特徴
    とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の液晶
    表示素子。
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