JPH11109163A - 光ファイバガイドブロックおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバガイドブロックおよびその製造方法

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JPH11109163A
JPH11109163A JP27116297A JP27116297A JPH11109163A JP H11109163 A JPH11109163 A JP H11109163A JP 27116297 A JP27116297 A JP 27116297A JP 27116297 A JP27116297 A JP 27116297A JP H11109163 A JPH11109163 A JP H11109163A
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optical fiber
guide block
fiber guide
molding
engaging portion
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JP27116297A
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English (en)
Inventor
Masahiro Yoshida
昌弘 吉田
Yutaka Ogami
裕 大神
Hiroyuki Sawada
浩之 澤田
Naoyuki Shigeno
尚之 繁野
Tatsuro Nakajima
達郎 中島
Hideki Komiya
英樹 小宮
Nobutaka Goto
順孝 後藤
Teruo Yamashita
照夫 山下
Yoshiatsu Yokoo
芳篤 横尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光ファイバの位置決め精度を悪化させるよう
な欠陥がない光ファイバガイドブロックを現在のモール
ド成形技術によって提供する。 【解決手段】 光ファイバ係合部32の長手方向の端が
それぞれ所定の側面に達して開放端となっていて、長手
方向の端が達している側面のうちの少なくとも一方が切
断面からなっているとともに該切断面が側面視したとき
の幅方向の最外郭面となっており、切断面以外の面のう
ちで少なくとも光ファイバ係合部が形成されている面お
よび底面がモールド成形面からなっている光ファイバガ
イドブロック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバを他の
光ファイバや光部品と光学的に接続するにあたって当該
光ファイバの端部を位置決め・固定するために使用され
る光ファイバガイドブロックおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光の送受信や中継を行うためには、光フ
ァイバ同士または光ファイバと光部品(例えば半導体レ
ーザー,発光ダイオード等の発光素子、フォトダイオー
ド等の受光素子、マイクロレンズ,波長板,薄板フィル
ター等の光学素子、光増幅器、光導波路等)とを光学的
に接続する(以下、「光学的に接続する」ことを「光接
続」という。)必要があるが、光通信等に使用される光
ファイバは一般にガラス製の細い繊維であり、例えば長
距離光通信に用いられる石英系シングルモード光ファイ
バは、外径10μm程度のコア部と当該コア部を被覆す
る外径125μmのクラッド部とによって構成されてい
る。したがって、例えば、石英系シングルモード光ファ
イバ同士を光接続する際や、石英系シングルモード光フ
ァイバと石英系シングルモード光導波路とを光接続する
際等には、光接続部分での光軸のずれによる接続損失を
小さくする(例えば0.1dB以下にする)うえから、
光軸のずれ量が±1μm程度以内という高いアライメン
ト精度が求められる。
【0003】このため、光ファイバを他の光ファイバま
たは光部品に光接続するにあたっては、先ず当該光ファ
イバの端部を光ファイバガイドブロックによって位置決
め・固定し、この後、いわゆるアクティブアライメント
またはパッシブアライメントによって光接続するという
方法が適用される。ここで、上記の光ファイバガイドブ
ロックは、例えば特開平7−5341号公報の図2に示
されているV溝基板のように、1本〜複数本の光ファイ
バを所定の位置に固定するための溝状の光ファイバ係合
部(同公報ではV溝。以下、前記溝状の光ファイバ係合
部を「固定用溝」ということがある。)が片面に形成さ
れている薄板状物からなるものであり、前記の光ファイ
バ係合部の長手方向の端はそれぞれ所定の側面に達して
開放端となっている。
【0004】また用途にもよるが、光ファイバガイドブ
ロックには前記の固定用溝が形成されている面よりも一
段低いところに上面を有する台座部を有するものが多
い。前記の台座部は、光ファイバテープのように光ファ
イバが被覆部によって保護されているものを前記の被覆
部ごと固定する場合等に好適である。光ファイバは強度
が弱いので取り扱いが困難であるが、例えば光ファイバ
テープから裸出させた光ファイバの端部を、当該光ファ
イバテープを被覆部ごと前記の台座部に固定した状態な
いしは置いた状態で前記の固定用溝に固定するようにす
れば、その取り扱いが容易になる。
【0005】このような光ファイバガイドブロックの材
料としては、ガラス,結晶化ガラス,セラミックス,シ
リコン,樹脂と無機フィラーとの複合材料等が使用され
ているが、近年では紫外線硬化型接着剤によって光ファ
イバを固定する方法が一般化したことから、紫外線の透
過がよいガラスが多用されるようになった。ガラス製の
光ファイバガイドブロックは、従来より、ガラス平板に
ダイヤモンド砥石で溝加工を施して固定用溝を形成した
後、所定形状に切り出すことによって作製されている。
【0006】しかしながら、光ファイバガイドブロック
による光ファイバの位置決め精度は前記の固定用溝の加
工精度に依存しているので当該固定用溝を高精度に加工
しなければならず、そのためコストが高くなる。また、
前記の台座部を形成しようとする場合には加工量が多く
なることから更にコストが高くなる。このため、特開平
8−211244号公報や特開平8−292332号公
報に記載されているように、モールド成形(熱間プレス
成形)によって光ファイバガイドブロックを製造するこ
とが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】モールド成形は精度の
高い成形品を量産するうえで好適な技術ではあるが、光
ファイバガイドブロックの最重要部分である固定用溝
(光ファイバ係合部)の端部付近、特に、固定用溝(光
ファイバ係合部)に光ファイバを固定したときに当該光
ファイバの端面が位置することになる端部(以下、この
端部を「光接続端部」という。)付近においては、光フ
ァイバの位置決め精度を悪化させるような欠陥(例えば
うねり,突起,盛り上がり(コブ)あるいは成形バ
リ。)の発生は許されず、このような欠陥がない光ファ
イバガイドブロックを現在のモールド成形技術によって
得ることは下記の理由から困難である。
【0008】すなわち、成形材料はモールド成形時に均
一に変形するわけではなく、例えば平板状のガラス成形
予備体をモールド成形した場合には側面の中央部付近が
外側に膨らむように大きく変形する一方で角部はそれ程
変形しない。また、モールド成形に使用されるモールド
成形型を構成している型(上型および下型、または、上
型,下型および胴型)同士の間には、構造上の理由から
必ずクリアランスがある。このため、成形材料の未充填
部分が実質的にない光ファイバガイドブロックを得よう
とすると前記のクリアランスに成形材料が侵入して、モ
ールド成形品における上面と側面との稜部分や底面と側
面との稜部分に成形バリが生じたり、成形バリに至らな
いまでも微小な盛り上がり(コブ)が生じやすい。
【0009】そして、固定用溝(光ファイバ係合部)に
おける上記の光接続端部は、通常、光ファイバガイドブ
ロックを側面視したときに当該光ファイバガイドブロッ
クの幅方向の最外郭面となる1つの側面における当該側
面と光ファイバ係合部が形成されている面との稜付近に
位置しているので、当該光接続端部付近には上記のよう
に成形バリが生じたり、成形バリの発生に至らないまで
も微小な盛り上がり(コブ)が生じやすい。
【0010】しかしながら、光接続端部においては、上
述のように成形バリはもとより1μm程度の盛り上がり
(コブ)が発生したとしても問題となる。このため、光
ファイバの位置決め精度を悪化させるような欠陥がない
光ファイバガイドブロックを現在のモールド成形技術に
よって得ることは困難である。
【0011】本発明の目的は、光ファイバの位置決め精
度を悪化させるような欠陥が実質的にないものを量産す
ることが容易な光ファイバガイドブロックおよびその製
造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の光ファイバガイドブロックは、光ファイバの端部
を位置決め・固定するために使用される溝状の光ファイ
バ係合部が片面に形成されている薄板状物からなり、前
記の光ファイバ係合部の長手方向の端がそれぞれ所定の
側面に達して開放端となっている光ファイバガイドブロ
ックであり、前記光ファイバ係合部の長手方向の端が達
している側面のうちの少なくとも一方が切断面からなっ
ているとともに該切断面が側面視したときの幅方向の最
外郭面となっており、前記の切断面以外の面のうちで少
なくとも前記の光ファイバ係合部が形成されている面お
よび底面がモールド成形面からなっていることを特徴と
するものである。
【0013】また、上記の目的を達成する本発明の光フ
ァイバガイドブロックの製造方法は、光ファイバの端部
を位置決め・固定するために使用される溝状の光ファイ
バ係合部が片面に形成されている薄板状物からなる光フ
ァイバガイドブロック用原板が複数個配置されている形
状の成形体をモールド成形によって作製するモールド成
形工程と、前記の成形体から、または前記の光ファイバ
ガイドブロック用原板に所定の加工を施した後の成形体
から光ファイバガイドブロックを切り出す切り出し工程
とを含み、光ファイバ係合部の長手方向の端がそれぞれ
所定の側面に達して開放端となっていて、前記長手方向
の端が達している側面のうちの少なくとも一方が切断面
からなっているとともに該切断面が側面視したときの幅
方向の最外郭面となっており、前記の切断面以外の面の
うちで少なくとも前記の光ファイバ係合部が形成されて
いる面および底面がモールド成形面からなっている光フ
ァイバガイドブロックを得ることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。まず、本発明の光ファイバガイドブ
ロックについて説明する。本発明の光ファイバガイドブ
ロックは、前述したように、光ファイバの端部を位置決
め・固定するために使用される溝状の光ファイバ係合部
が片面に形成されている薄板状物からなり、前記の光フ
ァイバ係合部の長手方向の端がそれぞれ所定の側面に達
して開放端となっているものである。当該光ファイバガ
イドブロックは、従来と同様に、台座部を有していない
ものであってもよいし台座部を有しているものであって
もよい。
【0015】例えば図9(a)に示すように、台座部を
有していないタイプの光ファイバガイドブロック70と
する場合には、従来と同様に、光ファイバ係合部(固定
用溝)71の長手方向の端がそれぞれ当該光ファイバガ
イドブロック70を側面視したときの幅方向の最外郭面
72または最外郭面73に達して開放端となるようにす
る。光ファイバは、最外郭面72における当該最外郭面
72と光ファイバ係合部71が形成されている面74と
の稜付近、または最外郭面73における当該最外郭面7
3と光ファイバ係合部71が形成されている面74との
稜付近に端面が位置することになるように位置決め・固
定される。
【0016】一方、例えば図9(b)に示す光ファイバ
ガイドブロック80のように台座部81を有しているタ
イプの光ファイバガイドブロックとする場合には、従来
と同様に、光ファイバ係合部(固定用溝)82の長手方
向の端の一方のみが当該光ファイバガイドブロック80
を側面視したときの幅方向の最外郭面83に達して開放
端となり、他方の端は当該光ファイバガイドブロック8
0を側面視したときの幅方向の他方の最外郭面84にで
はなく外郭面85に達して開放端となるようにする。光
ファイバは、最外郭面83における当該最外郭面83と
光ファイバ係合部が形成されている面86との稜付近に
端面が位置することになるように位置決め・固定され
る。ただし、外郭面85における当該外郭面85と光フ
ァイバ係合部が形成されている面86との稜付近に端面
が位置することになるように光ファイバを位置決め・固
定することもできる。
【0017】光ファイバガイドブロックの形状をどのよ
うな形状にするかは、当該光ファイバガイドブロックの
用途等に応じて適宜選択可能であるが、台座部の有無に
拘わらず、本発明の光ファイバガイドブロックでは光フ
ァイバ係合部(固定用溝)の長手方向の端が達している
側面のうちの少なくとも一方を切断面とするとともに当
該切断面が側面視したときの幅方向の最外郭面となるよ
うにする。また、前記の切断面以外の面のうちで少なく
とも光ファイバ係合部(固定用溝)が形成されている面
および底面はモールド成形面とする。したがって、本発
明の光ファイバガイドブロックはモールド成形品の所定
箇所を切断することによって作製することができるもの
である。
【0018】ここで、本明細書でいう「側面視したとき
の幅方向の最外郭面」とは、図9を用いた上記の説明か
ら明らかなように、光ファイバガイドブロックを当該光
ファイバガイドブロックに形成されている光ファイバ係
合部の短手方向を望むようにしてみたときに、その幅方
向(左右方向)の最も外側に位置している側面(左右で
計2面)を意味する。
【0019】また、上記の切断面は、目的とする光ファ
イバガイドブロックの用途に応じて、垂直面または光フ
ァイバ係合部の長手軸に対して側面視上斜めに傾斜した
面とすることが好ましい。例えば突き合わせ型接続用の
光ファイバアレイ(光ファイバガイドブロックに光ファ
イバを位置決め・固定したものを意味する。)を得るた
めには、光ファイバガイドブロックに光ファイバを位置
決め・固定した後、光接続端面(位置決め・固定した光
ファイバを他の光ファイバまたは光部品と光接続しよう
とする側の端面を意味し、光ファイバの端面を含む。以
下同じ。)とする面が光ファイバ係合部の長手軸に対し
て側面視上斜めに傾斜した面となるように研磨すること
が望ましいので、当該突き合わせ型接続用の光ファイバ
アレイを得るために使用される光ファイバガイドブロッ
クを得ようとする場合には、上記の切断面を予め光ファ
イバ係合部の長手軸に対して側面視上斜めに傾斜した面
としておくことが好ましい。上記の切断面を予め前記斜
めに傾斜した面としておくことにより、粗研削のための
時間を大幅に短縮することが可能になるので、所望の光
接続端面を研磨によって形成することが容易になる。
【0020】なお、切断面とモールド成形面あるいは研
磨面とは、表面の傷によって区別することができる。す
なわち、切断面の表面には凹状の加工傷(マイクロクラ
ックや小さなチッピング等)が在り、研磨面の表面には
凹状の研磨傷が在るのに対し、モールド面には成形型の
転写成形にある凹状の傷が転写されてできた凸状の傷が
在り、マイクロクラックはない。また、切断面の表面に
在る凹状の加工傷と研磨面の表面に在る凹状の傷とは、
その形状から区別することができる。したがって、切断
面とモールド成形面あるいは研磨面とは、表面の傷によ
って区別することができる。
【0021】前述したように、モールド成形型を構成し
ている型同士の間には構造上の理由から必ずクリアラン
スがあるので、側面視したときに幅方向の最外郭面とな
る1つの側面と固定用溝(光ファイバ係合部)が形成さ
れている面との稜付近に固定用溝(光ファイバ係合部)
の光接続端部が位置している光ファイバガイドブロック
をモールド成形によって作製しようとすると、前記の光
接続端部付近に成形バリが生じたり、微小な盛り上がり
(コブ)が生じたりしやすい。
【0022】しかしながら、本発明の光ファイバガイド
ブロックは、上述したようにモールド成形品の所定箇所
を切断することによって作製することができるものであ
り、その切断は、光ファイバ係合部の長手方向の端が達
している側面のうちの少なくとも一方が切断面からなる
とともに当該切断面が側面視したときの幅方向の最外郭
面となるように行われている。
【0023】したがって、モールド成形時に成形バリや
微小な盛り上がり(コブ)が生じたとしても、当該成形
バリや微小な盛り上がり(コブ)が生じた部分を切除し
て光ファイバガイドブロックを得ることが可能になるの
で、光接続端部付近に成形バリや微小な盛り上がり(コ
ブ)が実質的にない光ファイバガイドブロック、すなわ
ち、光ファイバの位置決め精度を悪化させるような欠陥
が実質的にない光ファイバガイドブロックを容易に得る
ことが可能になる。そして、このような形態の光ファイ
バガイドブロックは、例えば後述する本発明の光ファイ
バガイドブロックの製造方法によって製造することによ
り、その量産性を容易に確保することができる。
【0024】できるだけ高い量産性を確保するうえから
は、(a) 個々の光ファイバガイドブロックにおける切断
面の数を少なくする、または、(b) できるだけ多くの光
ファイバガイドブロック用原板が配置されている形状の
成形体をモールド成形によって作製した後に当該成形体
から光ファイバガイドブロックを切り出すようにするこ
とによってモールド成形の効率を高める、ことが好まし
い。
【0025】上記(a) の手法を適用する場合には、光フ
ァイバガイドブロックの形態を次のようにすることが好
ましい。すなわち、側面視したときに幅方向の最外郭面
となる側面のうちの一方が切断面からなっていて当該切
断面に光ファイバ係合部の長手方向の端の一方が達して
おり、前記の切断面からなっている側面(最外郭面)以
外の面がモールド成形面からなっているようにすること
が好ましい。
【0026】上記の形態の光ファイバガイドブロックで
は切断面の数が1であるので、量産性を確保することが
容易である。このとき、モールド成形によって1個の光
ファイバガイドブロック用原板(上記(1) の光ファイバ
ガイドブロック用原板)が形成されている成形体を得た
後、当該成形体から上記形態の光ファイバガイドブロッ
クを切り出すようにしてもよいが、実用上は2個の光フ
ァイバガイドブロック用原板が光ファイバ係合部を共有
した状態で直列に配置されている形状の成形体を1回の
モールド成形によって作製した後に当該成形体の複数個
を並列に配置し、この状態で上記形態の光ファイバガイ
ドブロックを連続的に切り出すようにした方が好まし
い。後者のようにすれば、更に高い量産性を容易に確保
することができる。
【0027】また、上記(a) の形態の光ファイバガイド
ブロックでは、光ファイバを当該光ファイバの端面が切
断面からなる上記の最外郭面側に位置するようにして位
置決め・固定することができるので、側面視したときに
幅方向の最外郭面となる側面のうちの他方(以下、この
側面を「後部端面」という。)をモールド成形面として
も、当該後部端面には高い成形精度が要求されなくな
る。このため、モールド成形時に当該後部端面の角部に
まで成形材料を無理に充填させる必要性がなくなる。す
なわち、当該後部端面と他の面との稜部分は自由表面か
らなる曲面とすることができる。そして、モールド成形
時に上記後部端面の角部に成形材料を無理に充填させな
くてもよくなる結果として、量産性を確保することの他
に、後部端面以外の箇所に成形バリや微小な盛り上がり
(コブ)が生じることを抑制することが容易になるとい
う利点が更に得られる。なお、本明細書でいう「自由表
面」とは、モールド成形型の転写成形面に全く触れるこ
となく形成された表面を意味する。
【0028】一方、前記(b) の手法を適用する場合に
は、光ファイバガイドブロックの形態を次の(i) または
(ii) のようにすることが好ましい。 (i) 側面視したときに幅方向の最外郭面となる側面のう
ちの一方が切断面からなっていて当該切断面に光ファイ
バ係合部の長手方向の端の一方が達しており、側面視し
たときに幅方向の最外郭面となる側面のうちの他方(後
部端面)もまた切断面からなっている。そして、これら
の切断面を除いた面がモールド成形面からなっている。 (ii) 側面視したときに幅方向の最外郭面となる側面の
うちの一方が切断面からなっていて当該切断面に光ファ
イバ係合部の長手方向の端の一方が達しており、側面視
したときの正面および背面のうちの少なくとも一方もま
た切断面からなっている。
【0029】上記(i) の形態の光ファイバガイドブロッ
クは、例えば、3個以上の光ファイバガイドブロック
(ただし、台座部を有していないもの。)用原板が光フ
ァイバ係合部を共有した状態で直列に配置されている形
状の成形体、または、光ファイバ係合部を共有した状態
の2個の光ファイバガイドブロック(ただし、台座部を
有しているもの。)用原板からなるユニットが光ファイ
バ係合部の長手方向に沿って複数個配列されている形状
の成形体を1回のモールド成形によって作製した後、当
該成形体から上記形態の光ファイバガイドブロックを切
り出すことによって得ることができるものであるので、
モールド成形の効率を高めることが容易である。このと
き、上記(a) の手法を適用した場合に得られる光ファイ
バガイドブロックと同様の形態を有する光ファイバガイ
ドブロックを同時に得ることもできる。
【0030】また、上記(ii)の形態の光ファイバガイド
ブロックは、例えば、光ファイバ係合部を共有した状態
の2個の光ファイバガイドブロック用原板からなるユニ
ットが光ファイバ係合部の短手方向に沿って複数個配列
されている形状の成形体、または前記のユニットが2行
2列以上の大きさのマトリックス状に配置されている形
状の成形体をモールド成形によって作製した後、当該成
形体から上記形態の光ファイバガイドブロック切り出す
ことによって得ることができるものであるので、モール
ド成形の効率を高めることが容易である。このとき、個
々の光ファイバガイドブロックにおける後部端面はモー
ルド成形面からなっていてもよいし、切断面からなって
いてもよい。
【0031】なお、本明細書でいう「光ファイバガイド
ブロック用原板」とは、下記(1) または(2) のものを意
味する。 (1) モールド成形体から切り出す際に必然的に生じる矮
小化の分だけ大きい以外は目的とする光ファイバガイド
ブロックと同一形状のもの。 (2) 目的とする光ファイバガイドブロックが台座部を有
するタイプのものである場合において、モールド成形体
から切り出す際に必然的に生じる矮小化の分だけ大きい
以外にも台座部が未形成であるもの。目的とする光ファ
イバガイドブロックが台座部の上面側に所定の凹凸を有
するものであり、前記の凹凸のみが未形成である場合を
含む。
【0032】光ファイバガイドブロック用原板が上記
(2) のものである場合には、モールド成形後に所定の研
削加工を行う必要がある。したがって、台座部の上面は
研削加工面となる。できるだけ高い量産性を確保するう
えからは、光ファイバガイドブロック用原板として上記
(1) のものが配置されている形状の成形体をモールド成
形によって作製することが好ましい。
【0033】以上説明した形態を有する本発明の光ファ
イバガイドブロックの材質は、モールド成形が可能なも
のである必要があるので、ガラス,結晶化ガラス,樹脂
および樹脂と無機フィラーとの複合材料の中からその用
途に応じて選択することが好ましい。
【0034】次に、本発明の光ファイバガイドブロック
の製造方法について説明する。本発明の光ファイバガイ
ドブロックの製造方法は、前述したように、光ファイバ
の端部を位置決め・固定するために使用される溝状の光
ファイバ係合部が片面に形成されている薄板状物からな
る光ファイバガイドブロック用原板が複数個配置されて
いる形状の成形体をモールド成形によって作製するモー
ルド成形工程と、前記の成形体から、または前記の光フ
ァイバガイドブロック用原板に所定の加工を施した後の
成形体から光ファイバガイドブロックを切り出す切り出
し工程とを含み、上述した本発明の光ファイバガイドブ
ロック、すなわち、光ファイバ係合部の長手方向の端が
それぞれ所定の側面に達して開放端となっていて、前記
長手方向の端が達している側面のうちの少なくとも一方
が切断面からなっているとともに当該切断面が側面視し
たときの幅方向の最外郭面となっており、前記の切断面
以外の面のうちで少なくとも前記の光ファイバ係合部が
形成されている面および底面がモールド成形面からなっ
ている光ファイバガイドブロックを得ることを特徴とす
るものである。
【0035】ここで、上記モールド成形工程で作製する
成形体の形状は、光ファイバガイドブロック用原板が複
数個配置されている形状であれば基本的によいが、高い
量産性を確保するうえからは、モールド成形の効率を勘
案しつつ切り出し工程での切断箇所や切り屑が少なくな
るように当該形状を選択することが好ましい。具体例と
しては、2個以上の光ファイバガイドブロック用原板が
光ファイバ係合部を共有した状態で直列に配置されてい
る形状、光ファイバ係合部を共有した状態の2個の光フ
ァイバガイドブロック用原板からなるユニットが光ファ
イバ係合部の長手方向に沿って複数個配列されている形
状、前記のユニットが光ファイバ係合部の短手方向に沿
って複数個配列されている形状、前記のユニットが2行
2列以上の大きさのマトリックス状に配置されている形
状等が挙げられる。
【0036】また、モールド成形時におけるキャビティ
内への成形材料の充填は、キャビティの平面視上の中央
部の方が平面視上の縁部(特に角部)よりも容易に行う
ことができ、前記の縁部に成形材料を十分に充填しよう
とすると成形バリや微小な盛り上がり(コブ)が生じや
すくなるので、光ファイバ係合部の成形精度(転写精
度)が高い光ファイバガイドブロックを得るうえから
は、個々の光ファイバガイドブロックにおける後部端面
が縁部側に位置し、光接続端面にしようとする面が中央
部側に位置することになるように、上記成形体の形状を
選択することが好ましい。前述したように、光ファイバ
ガイドブロックの後部端面には高い成形精度が要求され
ず、当該後部端面の角部にまで成形材料を無理に充填さ
せる必要性はないので、前記のように成形体の形状を選
択すれば、モールド成形時に後部端面の角部に成形材料
を無理に充填させなくてもよくなる結果として、後部端
面以外の箇所に成形バリや微小な盛り上がり(コブ)が
生じることを抑制することが容易になる。
【0037】モールド成形工程の後に行われる切り出し
工程においては、光ファイバガイドブロックにできるだ
け欠けが生じないように、また、切断面ができるだけ平
滑な面となるように、成形体の材質に応じて切り出し方
法を適宜選択することが好ましい。例えば成形体がガラ
スからなるものである場合には、ダイヤモンドブレード
を利用したダイシングソーや精密ダイヤモンドカッター
等を用いた切断法等によって切り出すことが好ましい。
【0038】前述したモールド成形工程で2個の光ファ
イバガイドブロック用原板(ただし、本発明の光ファイ
バガイドブロックについての説明の中で述べた(1) の光
ファイバガイドブロック用原板)が光ファイバ係合部を
共有した状態で直列に配置されている形状の成形体を作
製し、当該成形体から光ファイバガイドブロックを切り
出すにあたって前記の光ファイバ係合部が2分されるよ
うに1箇所のみを切断するようにすれば、切断箇所が1
箇所と少なくてすむので量産性を確保することが容易に
なる。また、前記の成形体の複数個を光ファイバ係合部
の短手方向に沿って配列させ、この状態で連続的に光フ
ァイバガイドブロックを切り出すようにすれば、更に高
い量産性を容易に確保することができる。
【0039】さらに、研削法によって光ファイバガイド
ブロックを切り出すにあたって特定の砥石車、すなわ
ち、周縁部から回転中心に向かって所定の角度で厚みが
厚くなっている砥石車を用いれば、光接続端面にしよう
とする面が光ファイバ係合部の長手軸に対して側面視上
斜めに傾斜した面となっている光ファイバガイドブロッ
クを容易に得ることができる。
【0040】なお、本発明の光ファイバガイドブロック
についての説明の中で述べた(2) の光ファイバガイドブ
ロック用原板が配置されている形状の成形体をモールド
成形工程で得た場合には、前記の光ファイバガイドブロ
ック用原板をモールド成形体から切り出した後に当該光
ファイバガイドブロック用原板に所定の研削加工を施し
て所望形状の台座部を形成し、これによって目的とする
光ファイバガイドブロックを得ることもできる。しかし
ながら、高い量産性を確保するうえからは、前記の光フ
ァイバガイドブロック用原板をモールド成形体から切り
出さずに当該光ファイバガイドブロック用原板に所定の
研削加工を施して所望形状の台座部を形成し、これによ
って目的とする光ファイバガイドブロックよりも若干大
きい(モールド成形体から切り出す際に必然的に生じる
矮小化の分だけ大きい)以外は目的とする光ファイバガ
イドブロックと同一形状のものを形成してから、目的と
する形状の光ファイバガイドブロックを切り出すように
した方が好ましい。
【0041】以上説明した本発明の方法によれば、前述
した本発明の光ファイバガイドブロックを容易に量産す
ることが可能になる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。 実施例1 (1)モールド成形工程 まず、炭化タングステンを主成分とする超硬素材を精密
加工して、所定の大きさの土台上に幅5mm,長さ2
0.5mm,高さ14mmの直方体状の成形部を設けた
形状を呈し、図1に示すように当該成形部1の上面1a
に所定形状の固定用溝形成用凸部2が8本、250μm
のピッチで互いに平行に形成されている上型用基盤を得
た。前記の固定用溝形成用凸部2の短手方向の断面形状
は、底角が60゜の二等辺三角形である。また、上記と
同じ超硬素材を精密加工して、上記の上型用基盤ととも
に1つのモールド成形型を構成することになる下型用基
盤および胴型用基盤を得た。
【0043】この後、各基盤の所定面にイオンプレーテ
ィング法によって厚さ500オングストロームのカーボ
ン系離型膜を成膜して、上型,下型および胴型からなる
モールド成形型を得た。当該モールド成形型のキャビテ
ィは、平面視上、5×20.5mmの矩形を呈する。な
お、下型の転写成形面および胴型の転写成形面は、それ
ぞれ平面となっている。
【0044】また、SiO2を13.3wt%,B23
32.2wt%,ZnOを44.5wt%,Al23
5.5wt%,Li2Oを4.5wt%それぞれ含有し、さ
らに、外割りでSnO2 を0.1wt%含有するガラス素
材を熱間で予備成形して、稜が曲面を呈する幅4.5m
m,長さ19.5mm,厚さ2.05mmのガラス成形
予備体を得た。
【0045】図2(a)〜図2(d)に示すように、前
述したモールド成形型10を構成している上型5を所定
の位置に配置し、下型6の上面に上記のガラス成形予備
体11を置くとともに胴型7を下型6上に配置した後、
当該モールド成形型10をガラス成形予備体11ごと不
活性雰囲気中で560℃(この温度下でのガラスの粘度
は108 ポアズである。)に加熱した。図2(a)はこ
のときのモールド成形型10およびガラス成形予備体1
1の短手方向の垂直断面の概略を示す端面図であり、図
2(c)はこのときのモールド成形型10およびガラス
成形予備体11の長手方向の垂直断面の概略を示す端面
図である。
【0046】そして、上記のように加熱した状態下で上
型5を当該上型5が胴型7の上面に係止されるまで下降
させてガラス成形予備体11に150kgf/cm2
圧力を加え、60秒間にわたってガラス成形予備体11
をモールド成形した。図2(b)はこのときのモールド
成形型10および成形体12の短手方向の垂直断面の概
略を示す端面図であり、図2(d)はこのときのモール
ド成形型10および成形体12の長手方向の垂直断面の
概略を示す端面図である。
【0047】この後、ガラス成形予備体11(成形体1
2)に加える圧力を弱めながら室温にまで冷却し、成形
体12をモールド成形型10から取り出した。上記の成
形体12は、図3に示すように、台座部を有していない
タイプの2個の光ファイバガイドブロック用原板12
a,12bが8本の固定用溝13を共有した状態で直列
に配置されている形状を呈する。この成形体12の外形
寸法は幅が5mm,長さが20.5mm,厚さが1.5
mmである。また、成形体12の上面に形成されている
前記の固定用溝13は上型5に形成されている固定用溝
形成用凸部2の形状が転写されてできたV溝からそれぞ
れなっており、成形体12の長手方向の端面(側面視し
たときの最外郭面)と他の面との稜部分、特に角部には
自由表面からなる曲面が在る。
【0048】(2)切り出し工程 上記(1)で作製した成形体12の長手方向の中央部
を、厚さ0.5mmの精密ダイヤモンドカッターを用い
て固定用溝13と直交する方向に切断して、台座部を有
していないタイプの光ファイバガイドブロックを2個得
た。なお、図3中の仮想線14は前記の切断箇所(切断
面)を示している。これらの光ファイバガイドブロック
では、当該光ファイバガイドブロックを側面視したとき
の幅方向の最外郭面(計2面)のうちの一方が上記のダ
イヤモンドカッターによる切断面からなっており、当該
切断面以外の面はモールド成形面からなっている。
【0049】上記の切断面の外周形状は正確な矩形であ
り(ただし、固定用溝の凹凸を無視する。)、当該切断
面側における固定用溝の転写精度は、触針式形状測定機
を用いての測定の結果、±0.7μm以内と高いもので
あった。また、切断面側における固定用溝のピッチ精度
および深さ精度の光ファイバガイドブロック間でのバラ
ツキは±0.3μmと非常に小さかった。
【0050】実施例2 (1)モールド成形工程 まず、炭化タングステンを主成分とする超硬素材を精密
加工して、所定の大きさの土台上に幅5mm,長さ1
0.5mm,高さ14mmの直方体状の成形部を設けた
形状を呈し、当該成形部の上面に実施例1における上型
の固定用溝形成用凸部2(図1参照)と同一形状の固定
用溝形成用凸部が8本、250μmのピッチで互いに平
行に形成されている第1の上型用基盤を得た。また、上
記と同じ超硬素材を精密加工して、所定の大きさの土台
上に幅5mm,長さ5mm,高さ14.25mmの直方
体状の成形部が形成されている形状を呈する第2の上型
用基盤を2個得た。さらに、上記と同じ超硬素材を精密
加工して、上記第1の上型用基盤および上記第2の上型
用基盤とともに1つのモールド成形型を構成することに
なる下型用基盤および胴型用基盤を得た。
【0051】この後、各基盤の所定面にイオンプレーテ
ィング法によって厚さ500オングストロームのカーボ
ン系離型膜を成膜して、上型,下型および胴型からなる
モールド成形型を得た。このとき、上型は、離型膜を成
膜した後の第1の上型用基盤および第2の上型用基盤を
第2の上型用基盤−第1の上型用基盤−第2の上型用基
盤の順で配列させた後、所定の固定枠によってこれらを
一体化することによって作製した。上記のモールド成形
型のキャビティは、平面視上、5×20.5mmの矩形
を呈する。なお、下型の転写成形面および胴型の転写成
形面は、それぞれ平面となっている。
【0052】また、実施例1で用いたガラス素材と同一
組成のガラス素材を熱間で予備成形して、幅4.5m
m,長さ19.5mm,厚さ1.75mmの薄肉部と幅
4.5mm,長さ10.0mm,厚さ2.05mmの厚
肉部とが薄肉部−厚肉部−薄肉部の順で連続的に形成さ
れているガラス成形予備体を得た。当該ガラス成形予備
体の平面視上の形状は4.5×19.5mmの矩形であ
り、その稜は曲面を呈している。
【0053】図4(a)〜図4(d)に示すように、前
述したモールド成形型20を構成している上型21を所
定の位置に配置し、下型22の上面に上記のガラス成形
予備体23を置くとともに胴型24を下型22上に配置
した後、実施例1におけると同じ条件でガラス成形予備
体23をモールド成形し、その後に成形体25をモール
ド成形型20から取り出した。なお、図4中の符号21
aは、離型膜(図示せず)を設けた後の第1の上型用基
盤を、符号21bは当該第1の上型用基盤21aに形成
されている固定用溝形成用凸部(離型膜を設けた後のも
の)を、符号21cは離型膜(図示せず)を設けた後の
第2の上型用基盤を、符号26は上型21を作製するた
めに使用した固定枠をそれぞれ示している。
【0054】上記の成形体25は、図5に示すように、
台座部30を有しているタイプの2個の光ファイバガイ
ドブロック用原板31a,31bが8本の固定用溝32
を共有した状態で直列に配置されている形状を呈する。
この成形体25の平面視上の寸法は幅が5mm,長さが
20.5mmであり、台座部30の厚みは1.25m
m、固定用溝32が形成されている部分の厚みは1.5
mmである。また、成形体25の上面に形成されている
前記の固定用溝32は上型21に形成されている固定用
溝形成用凸部21bの形状が転写されてできたV溝から
それぞれなっており、成形体25の長手方向の端面(側
面視したときの最外郭面)と他の面との稜部分、特に角
部には自由表面からなる曲面が在る。
【0055】(2)切り出し工程 上記(1)で作製した成形体25の長手方向の中央部を
実施例1におけると同様にして切断して、台座部を有し
ているタイプの光ファイバガイドブロックを2個得た。
なお、図5中の仮想線33は前記の切断箇所(切断面)
を示している。これらの光ファイバガイドブロックで
は、当該光ファイバガイドブロックを側面視したときの
幅方向の最外郭面(計2面)のうちの一方がダイヤモン
ドカッターによる切断面からなっており、当該切断面以
外の面はモールド成形面からなっている。
【0056】上記の切断面の外周形状は正確な矩形であ
り(ただし、固定用溝の凹凸を無視する。)、当該切断
面側における固定用溝の転写精度は、触針式形状測定機
を用いての測定の結果、±0.6μm以内と高いもので
あった。また、切断面側における固定用溝のピッチ精度
および深さ精度の光ファイバガイドブロック間でのバラ
ツキは±0.3μmと非常に小さかった。
【0057】実施例3 (1)モールド成形工程 まず、炭化タングステンを主成分とする超硬素材を精密
加工して、所定の大きさの土台上に幅21.5mm,長
さ10.5mm,高さ14mmの直方体状の成形部を設
けた形状を呈し、当該成形部の上面に実施例1における
上型の固定用溝形成用凸部2(図1参照)と同一形状の
8本の固定用溝形成用凸部が250μmのピッチで互い
に平行に形成されてなる固定用溝形成用凸部群が計4群
所定の間隔で並列に形成されている第1の上型用基盤を
得た。また、上記と同じ超硬素材を精密加工して、所定
の大きさの土台上に幅21.5mm,長さ5mm,高さ
14.25mmの直方体状の成形部が形成されている形
状を呈する第2の上型用基盤を2個得た。さらに、上記
と同じ超硬素材を精密加工して、上記第1の上型用基盤
および上記第2の上型用基盤とともに1つのモールド成
形型を構成することになる下型用基盤および胴型用基盤
を得た。
【0058】この後、各基盤の所定面にイオンプレーテ
ィング法によって厚さ500オングストロームのカーボ
ン系離型膜を成膜して、上型,下型および胴型からなる
モールド成形型を得た。このとき、上型は、離型膜を成
膜した後の第1の上型用基盤,第2の上型用基盤および
固定枠を用いて実施例2におけると同様にして作製し
た。上記のモールド成形型のキャビティは、平面視上、
21.5×20.5mmの矩形を呈する。なお、下型の
転写成形面および胴型の転写成形面は、それぞれ平面と
なっている。
【0059】また、実施例1で用いたガラス素材と同一
組成のガラス素材を熱間で予備成形して、幅20.5m
m,長さ19.5mm,厚さ1.75mmの薄肉部と幅
20.5mm,長さ10.0mm,厚さ2.05mmの
厚肉部とが薄肉部−厚肉部−薄肉部の順で連続的に形成
されているガラス成形予備体を得た。当該ガラス成形予
備体の平面視上の形状は20.5×19.5mmの矩形
であり、その稜は曲面を呈している。
【0060】図6(a)〜図6(d)に示すように、前
述したモールド成形型40を構成している上型41を所
定の位置に配置し、下型42の上面に上記のガラス成形
予備体43を置くとともに胴型44を下型42上に配置
した後、実施例1におけると同じ条件でガラス成形予備
体43をモールド成形し、その後に成形体45をモール
ド成形型40から取り出した。なお、図6中の符号41
aは、離型膜(図示せず)を設けた後の第1の上型用基
盤を、符号41bは当該第1の上型用基盤41aに形成
されている固定用溝形成用凸部(離型膜を設けた後のも
の)を、符号41cは離型膜(図示せず)を設けた後の
第2の上型用基盤を、符号46は上型41を作製するた
めに使用した固定枠をそれぞれ示している。
【0061】上記の成形体45は、図7に示すように、
台座部50を有しているタイプの2個の光ファイバガイ
ドブロック用原板51a,51bが8本の固定用溝52
を共有した状態で直列に配置されている形状のユニット
53が固定用溝52の短手方向に沿って4個配列されて
いる形状を呈する。この成形体45の平面視上の寸法は
幅が21.5mm,長さが20.5mmであり、台座部
30の厚みは1.25mm、固定用溝52が形成されて
いる部分の厚みは1.5mmである。また、成形体45
の上面に形成されている前記の固定用溝52は上型41
に形成されている固定用溝形成用凸部41bの形状が転
写されてできたV溝からそれぞれなっており、成形体4
5の長手方向の端面(側面視したときの最外郭面)と他
の面との稜部分、特に角部には自由表面からなる曲面が
在る。
【0062】(2)切り出し工程 まず、上記(1)で作製した成形体45の長さ方向の中
央部を厚さ0.5mmのダイヤモンド刃を用いて固定用
溝52と直交する方向に切断することによって、当該成
形体45を2分した。図7中の仮想線54はこのときの
切断箇所(切断面)を示している。また、2分された後
の成形体のそれぞれから幅5mmの光ファイバガイドブ
ロックが4個づつ得られるように、成形体45の所定箇
所をダイヤモンド刃を用いて固定用溝52と平行に切断
した。図7中の仮想線55a,55b,55c,55
d,55e,55fは、このときの切断箇所(切断面)
をそれぞれ示している。このように切断することによっ
て、台座部を有しているタイプの光ファイバガイドブロ
ックを計8個得た。
【0063】これらの光ファイバガイドブロックでは、
当該光ファイバガイドブロックを側面視したときの幅方
向の最外郭面(計2面)のうちの一方および側面視した
ときの正面および/または背面が上記のダイヤモンド刃
による切断面からなっており、当該切断面以外の面はモ
ールド成形面からなっている。
【0064】上記の切断面からなる最外郭面(側面視上
の最外郭面)の外周形状は正確な矩形であり(ただし、
固定用溝の凹凸を無視する。)、当該切断面側における
固定用溝の転写精度は、触針式形状測定機を用いての測
定の結果、±0.6μm以内と高いものであった。ま
た、上記の切断面からなる最外郭面(側面視上の最外郭
面)側における固定用溝のピッチ精度および深さ精度の
光ファイバガイドブロック間でのバラツキは±0.3μ
mと非常に小さかった。
【0065】実施例4 実施例2におけるのと全く同じ条件でモールド成形工程
を行って成形体を得た後、実施例2で用いた精密ダイヤ
モンドカッターに代えて特定の砥石車、すなわち、図8
に示すように周縁部から回転中心に向かって8゜の傾斜
角度で厚みが厚くなっている砥石車60(研削材はダイ
ヤモンド)を用いた以外は実施例2におけるのと全く同
じ条件で切り出し工程を行って、台座部を有しているタ
イプの光ファイバガイドブロックを2個得た。なお、図
8中の符号61は砥石車60の回転軸を示しており、当
該砥石車60は図8中の矢印Aの方向に回転する。ま
た、図8中の符号25は実施例2におけるのと全く同じ
条件のモールド成形によって得た成形体(図5参照)を
示しており、図8中の仮想線62は切り出し工程での切
断箇所(切断面)を示している。
【0066】このようにして得られた各光ファイバガイ
ドブロックにおける切断面は、固定用溝(光ファイバ係
合部)が形成されている面側が固定用溝の長手軸に対し
て側面視上斜め後方に8゜傾斜した面となっていた。ま
た、前記の切断面の外周形状は正確な矩形であり(ただ
し、固定用溝の凹凸を無視する。)、当該切断面側にお
ける固定用溝の転写精度は、触針式形状測定機を用いて
の測定の結果、±0.5μm以内と高いものであった。
さらに、切断面側における固定用溝のピッチ精度および
深さ精度の光ファイバガイドブロック間でのバラツキは
±0.3μmと非常に小さかった。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バガイドブロックは光ファイバの位置決め精度を悪化さ
せるような欠陥が実質的にないものを得ることが容易な
ものであり、かつ、量産することもまた容易なものであ
る。したがって、本発明によれば信頼性の高い光ファイ
バガイドブロックを安価に提供することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた上型に形成されている固定用
溝形成用凸部の概略を示す斜視図である。
【図2】実施例1でのモールド成形工程の様子を示す端
面図であり、図2(a)は上型によってガラス成形予備
体に圧力を加える前の段階でのモールド成形型およびガ
ラス成形予備体の短手方向の垂直断面の概略を示す端面
図、図2(b)はモールド成形時のモールド成形型およ
び成形体の短手方向の垂直断面の概略を示す端面図、図
2(c)は上型によってガラス成形予備体に圧力を加え
る前の段階でのモールド成形型および成形体の長手方向
の垂直断面の概略を示す端面図、図2(d)はモールド
成形時のモールド成形型および成形体の長手方向の垂直
断面の概略を示す端面図である。
【図3】実施例1のモールド成形工程で得た成形体の概
略を示す斜視図である。
【図4】実施例2でのモールド成形工程の様子を示す端
面図であり、図4(a)は上型によってガラス成形予備
体に圧力を加える前の段階でのモールド成形型およびガ
ラス成形予備体の短手方向の垂直断面の概略を示す端面
図、図4(b)はモールド成形時のモールド成形型およ
び成形体の短手方向の垂直断面の概略を示す端面図、図
4(c)は上型によってガラス成形予備体に圧力を加え
る前の段階でのモールド成形型および成形体の長手方向
の垂直断面の概略を示す端面図、図4(d)はモールド
成形時のモールド成形型および成形体の長手方向の垂直
断面の概略を示す端面図である。
【図5】実施例2のモールド成形工程で得た成形体の概
略を示す斜視図である。
【図6】実施例3でのモールド成形工程の様子を示す端
面図であり、図6(a)は上型によってガラス成形予備
体に圧力を加える前の段階でのモールド成形型およびガ
ラス成形予備体の短手方向の垂直断面の概略を示す端面
図、図6(b)はモールド成形時のモールド成形型およ
び成形体の短手方向の垂直断面の概略を示す端面図、図
6(c)は上型によってガラス成形予備体に圧力を加え
る前の段階でのモールド成形型および成形体の長手方向
の垂直断面の概略を示す端面図、図6(d)はモールド
成形時のモールド成形型および成形体の長手方向の垂直
断面の概略を示す端面図である。
【図7】実施例3のモールド成形工程で得た成形体の概
略を示す斜視図である。
【図8】実施例4の切り出し工程の様子を示す側面図で
ある。
【図9】図9(a)は台座部を有していないタイプの光
ファイバガイドブロックを本明細書でいう「側面視」し
たときの一例を示す側面図であり、図9(b)は台座部
を有しているタイプの光ファイバガイドブロックを本明
細書でいう「側面視」したときの一例を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1…上型の成形部、 2,21b,41b…固定用溝形
成用凸部、 5,21,41…上型、 6,22,42
…下型、 7,24,44…胴型、 10,20,40
…モールド成形型、 11,23,43…ガラス成形予
備体、 12,25,45…成形体、 12a,12
b,31a,31b,51a,51b…光ファイバガイ
ドブロック用原板、 13,32,52,71,82…
固定用溝(光ファイバ係合部)、 30,50,81…
台座部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 繁野 尚之 長野県下伊那郡高森町下市田3111番地1 ホーヤプレシジョン株式会社内 (72)発明者 中島 達郎 長野県下伊那郡高森町下市田3111番地1 ホーヤプレシジョン株式会社内 (72)発明者 小宮 英樹 長野県下伊那郡高森町下市田3111番地1 ホーヤプレシジョン株式会社内 (72)発明者 後藤 順孝 長野県下伊那郡高森町下市田3111番地1 ホーヤプレシジョン株式会社内 (72)発明者 山下 照夫 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 横尾 芳篤 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの端部を位置決め・固定する
    ために使用される溝状の光ファイバ係合部が片面に形成
    されている薄板状物からなり、前記の光ファイバ係合部
    の長手方向の端がそれぞれ所定の側面に達して開放端と
    なっている光ファイバガイドブロックにおいて、 前記光ファイバ係合部の長手方向の端が達している側面
    のうちの少なくとも一方が切断面からなっているととも
    に該切断面が側面視したときの幅方向の最外郭面となっ
    ており、 前記の切断面以外の面のうちで少なくとも前記の光ファ
    イバ係合部が形成されている面および底面がモールド成
    形面からなっていることを特徴とする光ファイバガイド
    ブロック。
  2. 【請求項2】 側面視したときに幅方向の最外郭面とな
    る側面のうちの一方が切断面からなっていて該切断面に
    光ファイバ係合部の長手方向の端の一方が達しており、
    前記の切断面からなる側面以外の面がモールド成形面か
    らなっている、請求項1に記載の光ファイバガイドブロ
    ック。
  3. 【請求項3】 側面視したときに幅方向の最外郭面とな
    る側面のうちの一方が切断面からなっていて該切断面に
    光ファイバ係合部の長手方向の端の一方が達しており、
    側面視したときに幅方向の最外郭面となる側面のうちの
    他方がモールド成形面からなっているとともに該モール
    ド成形面と他の面との稜部分に自由表面からなる曲面が
    ある、請求項1または請求項2に記載の光ファイバガイ
    ドブロック。
  4. 【請求項4】 ガラス,結晶化ガラス,樹脂または樹脂
    と無機フィラーとの複合材料からなる、請求項1〜請求
    項3のいずれか1項に記載の光ファイバガイドブロッ
    ク。
  5. 【請求項5】 光ファイバの端部を位置決め・固定する
    ために使用される溝状の光ファイバ係合部が片面に形成
    されている薄板状物からなる光ファイバガイドブロック
    用原板が複数個配置されている形状の成形体をモールド
    成形によって作製するモールド成形工程と、前記の成形
    体から、または前記の光ファイバガイドブロック用原板
    に所定の加工を施した後の成形体から光ファイバガイド
    ブロックを切り出す切り出し工程とを含み、 光ファイバ係合部の長手方向の端がそれぞれ所定の側面
    に達して開放端となっていて、前記長手方向の端が達し
    ている側面のうちの少なくとも一方が切断面からなって
    いるとともに該切断面が側面視したときの幅方向の最外
    郭面となっており、前記の切断面以外の面のうちで少な
    くとも前記の光ファイバ係合部が形成されている面およ
    び底面がモールド成形面からなっている光ファイバガイ
    ドブロックを得ることを特徴とする光ファイバガイドブ
    ロックの製造方法。
  6. 【請求項6】 モールド成形工程で作製する成形体の形
    状を、2個の光ファイバガイドブロック用原板が光ファ
    イバ係合部を共有した状態で直列に配置されている形状
    とし、切り出し工程において前記の光ファイバ係合部が
    2分されるように1箇所を切断することのみによって、
    前記の成形体から光ファイバガイドブロックを切り出
    す、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 切り出し工程において、側面視視したと
    きに幅方向の最外郭面となる側面のうちの少なくとも一
    方が光ファイバ係合部の長手軸に対して側面視上斜めに
    傾斜した面となっていて、該傾斜した面に光ファイバ係
    合部の長手方向の端の一方が達している光ファイバガイ
    ドブロックを切り出す、請求項5または請求項6に記載
    の方法。
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