JPH11109071A - 高速増殖炉およびその炉心上部機構の引抜装置 - Google Patents

高速増殖炉およびその炉心上部機構の引抜装置

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JPH11109071A
JPH11109071A JP9271123A JP27112397A JPH11109071A JP H11109071 A JPH11109071 A JP H11109071A JP 9271123 A JP9271123 A JP 9271123A JP 27112397 A JP27112397 A JP 27112397A JP H11109071 A JPH11109071 A JP H11109071A
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reactor
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Toshiyuki Suzuki
俊幸 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】炉心上部機構を引抜式あるいは引上げ式とし、
回転プラグを不要として原子炉容器の小型・コンパクト
化を図る。 【解決手段】高速増殖炉20は、原子炉容器21内に炉
心23と冷却材26が収容される。原子炉容器21の上
部にカバーガスバウンダリ34を形成する上部蓋33を
設け、この上部蓋33に炉心上部機構36が引抜自在に
据え付けられる。炉心上部機構36には制御棒駆動機構
が搭載される一方、炉心上部機構36の引抜領域に設置
可能な燃料交換機を備え、この燃料交換機で炉心23に
装荷された燃料の交換が行なわれる。上部蓋33の上方
に運転床40が位置され、この運転床40上にドアバル
ブ装置41を介して筒状収納容器45が気密に設置さ
れ、引き抜かれた炉心上部機構36を収納可能としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速増殖炉に係り、
特に、燃料交換時に制御棒駆動機構を搭載した炉心上部
機構を引上げもしくは引抜き可能な高速増殖炉およびそ
の炉心上部機構の引抜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉は、ウラン(U)とプルトニ
ウム(Pu)の混合酸化物を燃料として使用し、Pu2
39を核分裂させる一方、生れ出た余剰の高速中性子を
U238に吸収させ、燃やす量よりも多くのプルトニウ
ムを新たに作り出すことができるため、今後のエネルギ
ー源として大きな期待がかけられている。
【0003】高速増殖炉は、有底円筒状の原子炉容器1
を有し、この原子炉容器1の内部には、核反応によって
熱エネルギを発生させる炉心2が設けられる。また、原
子炉容器1の内部には、一次冷却材として液体金属(通
常液体ナトリウム)3を炉心2へ導く複数の冷却材入口
配管4と炉心2から原子炉容器1の外部に設置された中
間熱交換器(図示せず)へ冷却材を導く複数の冷却材出
口配管5がそれぞれ配設されている。これら冷却材入口
配管4および冷却材出口配管5は、いずれも原子炉容器
1内で周方向にほぼ等間隔をおいて配置される。
【0004】炉心2の下部には炉心入口プレナム部6が
設けられる。炉心2および炉心入口プレナム部6は原子
炉容器1内の底部に設けられた炉心支持体7により支持
される。炉心2の上方には炉心上部機構8が設置され
る。
【0005】一方、原子炉容器1の外側には、万一の冷
却材漏洩事故に備えた有底円筒状の安全容器(ガードベ
ッセル)11が設けられ、この安全容器11を介して耐
震サポートが設置されている。このように構成された高
速増殖炉は、原子炉建屋のキャビティウォールに支持部
材を介して支持される。
【0006】また、原子炉容器1の上部開口は、上部蓋
10で閉塞されており、この上部蓋10下面には冷却層
(図示せず)が設置され、この冷却層に冷却ガスを循環
させることによって、上部蓋10の加熱を防止してい
る。上部蓋10は原子炉容器1の頂部を覆う固定プラグ
12とこの固定プラグ12の偏心位置に設けられた回転
プラグ13とを有する。
【0007】そして、原子炉容器1には一次冷却材とし
て液体金属3が収容されており、この液体金属3の液面
と上部蓋10との間にはアルゴンガスなどの不活性ガス
が充填され、カバーガス空間14がカバーガスバウンダ
リとして形成される。
【0008】炉心上部機構8は円筒状の本体胴8aを備
え、この本体胴8a内に図示しない制御棒駆動機構が据
え付けられる一方、回転プラグ13には燃料交換機15
も設けられている。また、回転プラグ13の回転によっ
て炉心上部機構8または燃料交換機15を炉心2の上方
に適宜位置に選択的に配置することができるようになっ
ている。
【0009】このように従来の高速増殖炉では、燃料交
換のために炉心上部機構8を炉心2上部から退避させ、
燃料交換機14を炉心2の各燃料位置に移動するため、
巨大な回転プラグ13を設けていた。
【0010】なお、符号17は炉内中継装置駆動装置に
より駆動される炉内中継装置であり、符号18は炉内中
継槽である。
【0011】この高速増殖炉において、燃料交換時には
原子炉の運転を停止させた後に回転プラグ13を回転さ
せ、炉心上部機構8を移動させて炉心2の上方から退避
させると同時に、燃料交換機15を炉心2の上方に移動
させる。そして、燃料交換機15のアーム15aで炉心
2から使用済燃料を引き抜いて炉内中継槽18に移動さ
せ、炉内中継装置17を介して新たな燃料と交換する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の高速増殖炉にお
いて、燃料交換機15と炉心上部機構8を搭載して回転
する回転プラグ13は、放射線遮蔽や断熱構造を含める
と重量は数百トンにも達する。回転プラグ13の回転駆
動により必要となる多数の機器設備(歯車、駆動装置、
軸受、回転部気密装置、回転部ケーブル処理装置等)に
より原子炉上部は極めて複雑な構造となっている。その
結果、設計、製作、据付、組立、試験、検査に多大な労
力を要している。
【0013】従来の高速増殖炉は大口径の回転プラグ1
3を使用して燃料交換を行っているため、原子炉上部に
占めるスペースが大きくなり、結果として原子炉容器の
大型化を招く課題がある。
【0014】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、回転プラグを廃止する一方、炉心上部機構を引
抜き式あるいは引上げ式とし、確実で安全な引抜動作を
行ない得、原子炉容器の小型・コンパクト化が図れる高
速増殖炉およびその炉心上部機構の引抜装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】本発明の他の目的は、炉心上部機構を引き
抜いて移送するキャスク設備の軽量化や炉心上部機構の
引抜後の開口部バウンダリを形成する床側ドアバルブの
簡素化を図った高速増殖炉およびその炉心上部機構の引
抜装置を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高速増殖炉
は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載し
たように、炉心および冷却材を収容した原子炉容器と、
この原子炉容器の上部にカバーガスバウンダリを形成す
る上部蓋と、制御棒駆動機構を搭載支持し、燃料交換時
に上記上部蓋から引抜き可能な炉心上部機構と、燃料交
換時に上記炉心上部機構の引抜領域に設置され、炉心内
の任意位置の燃料を交換可能な燃料交換機とを備え、前
記炉心上部機構は、その本体胴外面廻りに、上部蓋の据
付面から冷却材中もしくはカバーガス空間まで垂下した
筒状スリーブを、アニュラス状あるいはスリーブ状間隙
をおいて設置したものである。
【0017】また、本発明に係る高速増殖炉は、上述し
た課題を解決するために、請求項2に記載したように、
炉心および冷却材を収容した原子炉容器と、この原子炉
容器の上部にカバーガスバウンダリを形成する上部蓋
と、制御棒駆動機構を搭載支持して燃料交換時に炉心直
上に引き上げられる炉心上部機構と、燃料交換時に炉心
上部機構周囲の上部蓋に設置され炉心内の任意位置の燃
料を交換可能な燃料交換機とを備え、前記炉心上部機構
はその本体胴外面廻りに、上部蓋の据付面から冷却材中
もしくはカバーガス空間まで垂下した筒状スリーブを、
アニュラス状あるいはスリーブ状間隙をおいて設置した
ものである。
【0018】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る高速増殖炉は、請求項3に記載したよう
に、筒状スリーブは、上部蓋とカバーガスバウンダリの
境界部にオフセット部を形成する一方、このオフセット
部に対応する炉心上部機構の本体胴に下方側が縮径構造
の段部を形成し、前記筒状スリーブと本体胴との間に形
成されるアニュラス状あるいはスリーブ状の間隙はオフ
セット部上方がその下方より幅狭に形成したものであ
る。
【0019】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る高速増殖炉は、請求項4に記載したよ
うに、筒状スリーブはスリーブ下端部でナトリウムの融
点以上の温度となる箇所にアニュラス状の狭間隙部を形
成する水平段部を設け、この水平段部に炉心上部機構の
本体胴外面に蒸着したナトリウムの滴下を受ける滴下液
受部を形成したものである。
【0020】本発明に係る炉心上部機構の引抜装置は、
上述した課題を解決するために、請求項5に記載したよ
うに、原子炉容器の上部にカバーガスバウンダリを形成
する上部蓋と、この上部蓋上方に位置する運転床に設置
されたドアバルブ装置と、このドアバルブ装置上に設け
られ、炉心上部機構を収納可能な気密構造の筒状収納容
器とを有し、前記ドアバルブ装置は上部蓋から運転床を
貫いて収納容器に至る炉心上部機構の引抜開口部を閉止
する床側ドアバルブと、このドアバルブを開閉動作させ
るドアバルブ駆動装置と、上記ドアバルブのバルブサポ
ート上に分離可能に設置された容器密封蓋とを有し、上
記ドアバルブの開閉動作に合せて容器密封蓋をリフティ
ングさせ、筒状収納容器の底部開口を気密に閉塞したも
のである。
【0021】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る炉心上部機構の引抜装置は、請求項6に記載
したように、ドアバルブにリフティングかつ分離可能に
設置された容器密封蓋は筒状収納容器の底部にボルト締
結機構で気密に固定される一方、上記収納容器はドアバ
ルブ装置に着脱可能に設けられて移送キャスクを構成し
たものである。
【0022】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る炉心上部機構の引抜装置は、請求項7に記
載したように、筒状収納容器は周側壁に縦方向および周
方向に所要の間隔をおいて複数の振止めサポートを、収
納させる炉心上部機構に係合可能に設けたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る高速増殖炉の一実施
形態を添付図面を参照して説明する。
【0024】図2は本発明に係る高速増殖炉の第1実施
形態を示す縦断面図である。
【0025】この高速増殖炉は全体を符号20で示した
ものであり、有底円筒状の原子炉容器21を備える。原
子炉容器21内には炉内構造物22である炉心支持体に
支持された炉心23が設けられる。炉心23の上方には
炉心上部プレナム24が、炉心下方に炉心下部プレナム
25がそれぞれ形成され、両プレナム24,25には一
次冷却材としての液体金属26が充填される。液体金属
26には熱伝導性に優れた液体ナトリウムが代表的に用
いられる。
【0026】液体金属26は冷却材入口配管27を通っ
て原子炉容器21の炉心下部プレナム25あるいは炉心
入口プレナム(図示せず)に案内され、続いて炉心入口
プレナムから炉心23を通って上昇する間に核反応によ
る熱エネルギを受けて高温となり、炉心上部プレナム2
4に導かれる。炉心上部プレナム24に導かれた一次冷
却材は続いて冷却材出口配管28に導かれて原子炉容器
21外設置の中間熱交換器(図示せず)に案内され、こ
の中間熱交換器でタービン駆動用蒸気を加熱する二次冷
却材と熱交換される。
【0027】また、原子炉容器21の外側には有底円筒
状の安全容器29がガードベッセルとして設けられて二
重容器構造をなし、万一の冷却材漏洩事故に備えてい
る。この高速増殖炉20は原子炉建屋30のキャビティ
ウォール31に支持部材を介して支持される。
【0028】さらに、原子炉容器21の頂部は固定プラ
グとしての上部蓋33で覆われ、上部蓋33と原子炉容
器21内に収容された液体金属26の自由液面との間に
カバーガス空間34が形成される。このカバーガス空間
34にはヘリウムガス等の不活性ガスが充填され、カバ
ーガスバウンダリを構成している。上部蓋33は原子炉
容器21の上部にカバーガスバウンダリを形成してい
る。
【0029】原子炉容器21の上部蓋33の中央部には
昇降式あるいは引抜式の炉心上部機構36が搭載され
る。この炉心上部機構36は炉心23の上部に対向して
設置される筒状、好ましくは円筒状の本体胴37を有
し、内部に制御棒駆動機構38が搭載され、制御棒(図
示せず)を炉心23に出し入れ可能に作動制御してい
る。
【0030】また、原子炉容器21の上部を閉塞する上
部蓋33の上方に運転床40が位置され、この運転床4
0に上部蓋33の中央開口部に対向してドアバルブ装置
41が固定され、炉心上部機構36の引抜き開口部を遮
蔽している。運転床40上には上記ドアバルブ装置41
を介して炉心上部機構収納装置43が気密に立設され、
炉心上部機構36の引抜装置44が構成される。この炉
心上部機構収納装置43は、昇降式あるいは引抜式の炉
心上部機構36を引き抜き、移送可能に収納するように
なっている。
【0031】炉心上部機構収納装置43は、図2および
図3に示すように、筒状、好ましくは円筒状の炉心上部
機構収納容器45を移送キャスクとして有し、この収納
容器45内に炉心上部機構36を収納可能な収納スペー
ス46を形成している。収納容器45の頂部には複数
台、例えば2台の巻上機構49,49が対向設置される
一方、両巻上機構49の外側に吊金具50が固定され
る。この吊金具50は吊設ロープ51を介してクレーン
吊上げ治具52に接続可能に構成され、このクレーン吊
上げ治具52により原子炉建屋30内の天井クレーンで
移動可能に構成される。
【0032】炉心上部機構収納容器45の巻上機構49
から吊り降ろされるワイヤロープ等の吊設ロープ53に
炉心上部機構36の頂部に固定される吊りボルト等の吊
金具54が吊設用接続具55を介して接続され、巻上機
構49の巻上げあるいは巻き降ろしにより、炉心上部機
構36は上部蓋33に据え付けられる据付位置と収納ス
ペース46に収納される収納位置との間を収納容器内周
壁および案内筒56に案内されて昇降するようになって
いる。案内筒56は運転床40と上部蓋33の据付面と
の間に装荷される。吊設用接続具55は吊金具54に遠
隔操作により着脱可能に構成してもよい。
【0033】炉心上部機構36が巻上機構49で巻き上
げられ、炉心上部機構収納容器45内に収納されたと
き、炉心上部機構36の揺れを防止する振止めサポート
58が設けられる。振止めサポート58は、炉心上部機
構収納容器45の周側壁に、上下方向および周方向に所
要の間隔をおいて複数個所設けられ、炉心上部機構36
を収納スペース46内に安定的に保持できる構造となっ
ている。
【0034】一方、原子炉容器21上方の運転床40に
ドアバルブ装置41が炉心上部機構36の引抜開口部5
9に設置され、このドアバルブ装置41で原子炉容器2
1内のカバーガスバウンダリを形成するカバーガス空間
34と炉心上部機構収納容器45内の収納スペース46
との雰囲気を仕切っている。
【0035】ドアバルブ装置41は、炉心上部機構36
の引抜孔(引抜開口部)59を閉止する床側ドアバルブ
である床側密封蓋60と炉心上部機構収納容器45の底
部開口を閉止する密閉バルブとしての容器密封蓋61と
を備えたドアバルブ62と、このドアバルブ62を引抜
孔閉止位置と引抜孔を開放させる収納位置との間をスト
ローク移動させるドアバルブ駆動装置63とを有する。
【0036】ドアバルブ駆動装置63は可逆回転可能な
駆動モータ等のドアバルブ駆動機構64とこのドアバル
ブ駆動機構64の出力軸であるスクリューシャフトとし
てのドアバルブ駆動軸65とを有し、このドアバルブ駆
動軸65がドアバルブ62のドリブンメンバとしてのバ
ルブサポート66にねじ結合される。そして、ドアバル
ブ駆動軸65の回転駆動により、ドアバルブ62のバル
ブサポート66が進退ストロークさせるようになってい
る。ドアバルブ駆動装置63はスクリユー機構に代えて
リンク機構やカム機構等の種々の駆動方式を採用しても
よい。
【0037】一方、ドアバルブ62はバルブサポート6
6の両側に2つの4節リンク機構67,68を備える。
一方の4節リンク機構67はバルブサポート66と床側
密封蓋60とを連接リンク70で結合して床側ドアバル
ブを構成しており、図4(A)に示すように、ばね手段
としての引張スプリング71のばね力で常時後退した不
作動位置に保たれる。
【0038】他方の4節リンク機構68は、バルブサポ
ート66と容器密封蓋61を分離可能に装着した蓋受け
72とを連接リンク73で結合して構成される。この4
節リンク機構68も図4(A)に示すように、ばね手段
としての引張スプリング74のばね力で常時後退した不
作動位置に保たれる。
【0039】ドアバルブ装置41のドアバルブ62がド
アバルブ駆動機構64を駆動させることにより、収納位
置から閉止位置に移動させることができ、この閉止位置
でドアバルブ62が炉心上部機構36の引抜孔59を遮
断し、閉塞させる。
【0040】具体的には、図4(B)に示すように、ド
アバルブ62の蓋受け72および床側密封蓋60の各先
端テーパ部75,76がドアバルブ装置41のバルブケ
ーシングである基台77側のテーパ部78,79にそれ
ぞれ係合して乗り上げる。ドアバルブ62の蓋受け72
および床側密封蓋60が基台77側テーパ部78,79
に乗り上げると、4節リンク機構67,68が引張スプ
リング71,74のばね力に抗して拡開作動される。こ
の拡開作動により、床側密封蓋60は炉心上部機構36
の引抜孔59を密封し、気密に閉止する一方、容器密封
蓋61がリフティングされ、炉心上部機構収納容器45
の底部開口を密封し、気密に閉止され、図5(B)に示
すようにドアバルブ閉状態となる。
【0041】ドアバルブ62が閉状態にあるか、開状態
にあるかは、位置決めピン80等の位置検出手段で検出
される。
【0042】図4(A)および(B)はドアバルブ62
の開閉状態を示すものである。ドアバルブ62が開状態
では床側密封蓋用スプリング71の圧縮力によってバル
ブサポート66にリンク結合した床側密封蓋60が上方
に引き上げられており、また、収納容器側密封蓋用スプ
リング74の圧縮力によってバルブサポート66にリン
ク結合した収納容器側密封蓋61を着脱可能に載せた蓋
受け72が下方に押し下げられている。
【0043】一方、ドアバルブ62が閉状態では基台7
7側に設けたテーパ部78,79に床側密封蓋60のテ
ーパ部75が係合して下方に押し下げられて、床側ドア
バルブとして機能し、床側の雰囲気の気密性を保つ。ま
た、容器密封蓋61を載せた蓋受け72のテーパ部76
も斜面に沿って上方に押し上げられ、炉心上部機構収納
容器45下端の底部開口のシールリング81に密着す
る。この密着状態で、締結ボルト等のボルト締結機構8
3を締めることにより、炉心上部機構収納容器45内の
雰囲気の気密性を保ちつつ、ドアバルブ62から炉心上
部機構収納容器45を切り離して移送することができ
る。
【0044】これにより、炉心上部機構収納容器45は
移送キャスクとして機能し、下部のキャスクドアバルブ
を備え付けることを削除でき、キャスク全体重量の軽量
化を図り、引抜・移送作業を確実にかつ容易に行なうこ
とができる。
【0045】炉心上部機構36の本体胴37の所要の外
面廻りは筒状スリーブ85で覆われる。この筒状スリー
ブ85は図5に示すように頂部に外周フランジ86が形
成され、この外周フランジ86が上部蓋33の中央開口
部(炉心上部機構36の引抜孔)59周りの上部に形成
される据付段部87に係合して固定される。筒状スリー
ブ85の外周フランジ86は炉心上部機構36の本体胴
37の頂部フランジ37aで押し付けられ、挟持され
る。
【0046】しかして、筒状スリーブ85は上部蓋33
の据付面から吊り下げられ、原子炉容器21内のカバー
ガス空間34を経て液体金属26自由液面から液面下ま
で延びて終端している。筒状スリーブ85は本体胴37
の外面廻りに所要の間隙をおいて覆設され、自然対流抑
制スリーブあるいはサーマルスリーブとして機能する。
筒状スリーブ85の内周面と本体胴37の外周面との間
に形成されるアニュラス状あるいはスリーブ状の間隙は
狭く設定され、間隙部の自然対流やナトリウム蒸着の防
止を図っている。なお、筒状スリーブ85の下端はカバ
ーガス空間34内で終端させてもよい。
【0047】また、筒状スリーブ85には上部蓋83と
カバーガス空間34との間にオフセット部88が形成さ
れる。このオフセット部88付近の本体胴37は図5に
示すように段部37aが形成される。本体胴37は段部
37aより先端側が幾分縮径されている。上記オフセッ
ト部88および本体胴37の段部37aにより、熱遮蔽
機能を有する上部蓋領域でのアニュラス状の間隙(狭隘
幅)90を、図6に示すように、カバーガス空間領域で
のアニュラス状間隙91より狭くし、制御棒駆動機構等
の機器保護を図っている。カバーガス空間領域は、高
温、例えば約550℃あるいはそれ以上の液体金属26
からの熱輻射を受けて高さ方向に温度勾配がつきにく
く、温度勾配の大きな上部蓋領域とは相違する。
【0048】さらに、オフセット部88には、図6に示
すように、筒状スリーブ85のオフセット部88内周面
に先細形状のテーパ部92が形成され、このテーパ部9
2により、炉心上部機構36の液体金属浸漬部を引き抜
くと、飛散するナトリウムを滴下し易く案内している。
オフセット部88および本体胴37の段部37aを形成
することにより、上部蓋領域のアニュラス状あるいはス
リーブ状間隙90をカバーガス空間領域のアニュラス状
あるいはスリーブ状間隙91から区画することができ、
上方のアニュラス状間隙90の自然対流作用が下方のア
ニュラス状態間隙91に及ばないよう配慮している。
【0049】しかして、炉心上部機構36の本体胴37
と筒状スリーブ85とによりアニュラス状の狭間隙9
0,91を形成することにより、冷却材自由液面からカ
バーガス空間34に配置される炉心上部機構外面に自然
対流で輸送される冷却材(ナトリウム)ミストを低減し
ている。なお、オフセット部88を設けない場合および
筒状スリーブ85の下端を液体金属26の自由液面より
上げてカバーガス空間位置とした場合でも、間隙幅をさ
らに狭くすることにより、同様な効果が得られる。
【0050】図7および図8は炉心上部機構37の本体
胴37廻りのスリーブ構造の変形例を示すものである。
【0051】この変形例に示された筒状スリーブ95
は、スリーブ下端がカバーガス空間34内で終点してい
る点が、図5および図6に示された筒状スリーブ85と
基本的に相違する。
【0052】筒状スリーブ95は例えば円筒状をなし、
炉心上部機構36の本体胴37をアニュラス状の微小間
隙96をおいて覆うように設けられ、カバーガス空間3
4と上部蓋33との間に配置される。筒状スリーブ95
の下端は液体金属26が充分に溶融する150度以上の
箇所とし、炉心上部機構36と水平面をアニュラス状の
狭間隔とした水平段部97が下端部に設けられる。水平
段部97には炉心上部機構36の液体金属浸漬部を引き
抜く時の飛散冷却材(ナトリウム)や、それより上方の
炉心上部機構36外面に付着した冷却材(ナトリウム)
の滴下を受ける周溝を付けた滴下液受部98を形成して
いる。
【0053】これにより、アニュラス状狭隙部により冷
却材自由液面からカバーガス中の炉心上部機構36の本
体胴37外面に自然対流で輸送される冷却材(ナトリウ
ム)ミストを低減するとともに、液体金属26が高温と
なる出力運転時には滴下液受部98と炉心上部機構36
の本体胴37との間を滴下冷却材(ナトリウム)で閉塞
させて、上方のアニュラス状間隙である狭隙部に冷却材
(ナトリウム)ミストが上昇するのを防止したり、低減
させている。
【0054】次に、高速増殖炉の作用を説明する。
【0055】高速増殖炉20の運転は、一次冷却材であ
る液体金属26を冷却材入口配管27を通して原子炉容
器21下部の炉心下部プレナム25に案内する。炉心下
部プレナム25に案内された液体金属26は炉心入口プ
レナムを経て炉心23の下方に導かれ、炉心23を上方
に向って通過する間に、液体金属26は核反応による熱
エネルギを受けて高温となり、炉心上部プレナム24に
導かれる。高温の液体金属26は続いて冷却材出口配管
28を通って原子炉容器21外に設置された中間熱交換
器(図示せず)に流入し、この中間熱交換器でタービン
駆動用蒸気を加熱する二次冷却材と熱交換される。
【0056】二次冷却材と熱交換し、冷却された一次冷
却材は、再び冷却材入口配管27を通って原子炉容器2
1内に還流されるようになっている。
【0057】高速増殖炉20の運転制御は、炉心上部機
構36に搭載された制御棒駆動機構38を駆動制御する
ことにより行なわれる。制御棒駆動機構38の作動制御
により、所要の制御棒が炉心内に挿入され、あるいは引
き抜かれるようになっている。
【0058】また、炉心23に装荷された燃料を交換す
る場合には、炉心上部機構36を図2に実線で示す据付
位置から炉心上部機構引上げ装置44により筒状の収納
容器45内に引き上げ、この筒状収納容器45の収納ス
ペース46内に収納させる。
【0059】図2は、高速増殖炉20の出力運転を終了
して燃料交換を行なうために、炉心上部機構36の引抜
時の状態を示すものである。炉心上部機構36の引抜時
には、ドアバルブ装置41を作動させてドアバルブ62
を開放させる収納位置に移動させる。
【0060】ドアバルブ62を開放した状態で、巻上機
構49から吊り降ろされる吊設ロープ53を炉心上部機
構36頂部の吊金具54に連結させる。吊設ロープ53
は炉心上部機構36の吊金具54に予め接続しておいて
もよい。
【0061】続いて、巻上機構49を作動させて炉心上
部機構36をゆっくり引き上げ、炉心上部機構収納容器
45内に移送し、この収納容器45内の所定位置に収納
させる。炉心上部機構収納容器45の所定位置に収納さ
せた状態で、振止めサポート58を作動させ、各振止め
サポート58を炉心上部機構36の本体胴37に係合さ
せて振れ止めし、安定的に収納保持させる。炉心上部機
構36をその収納容器45内に収納した状態でドアバル
ブ装置41を駆動させ、ドアバルブ62を必要に応じて
閉塞させる。
【0062】一方、炉心上部機構36が原子炉容器21
から引き上げられ、炉心上部機構収納容器45内に収納
された状態で、原子炉容器21内における炉心上部機構
36の引抜領域に、図示しない燃料交換機を炉心23の
上方に移動させる。そして、燃料交換機のアームグリッ
パで炉心23から使用済燃料を引き抜き、新しい燃料と
交換せしめられる。
【0063】この燃料交換時に、原子炉容器21から引
き上げられ、炉心上部機構36の収納容器45に格納さ
れる炉心上部機構36には、本体胴37の冷却材(ナト
リウム)浸漬部表面への冷却材(ナトリウム)付着とカ
バーガス空間34への暴露部への冷却材ミスト蒸着があ
る。冷却材浸漬部は通常高温条件であるので、表面への
付着はあるものの引抜の際に多くは滴下される。
【0064】しかし、カバーガス空間34においては炉
心上部機構36が引き抜かれる際に冷却材付着が問題と
なる。引抜式もしくは昇降式の炉心上部機構36の運用
では、移送キャスク(炉心上部機構収納容器45)を用
いた移動・据付作業を伴うため、真空引きによる移送キ
ャスク45内のガス置換作業を充分に行なっても空気中
の湿分・酸素の移送キャスタ45内への混入は避けられ
ない。
【0065】湿分や酸素が移送キャスク45内に混入さ
れると、炉心上部機構36の本体胴27表面に付着する
冷却材(ナトリウム)と反応して(Na)反応生成物が
表面に生成する。この生成状態で炉心上部機構36の引
抜きと再据付を繰り返すとカバーガス空間暴露部の炉心
上部機構表面に(Na)反応生成物が堆積していく可能
性がある。このため、引抜式炉心上部機構36の反応生
成物堆積を防止する対策が必要となる。
【0066】しかし、この高速増殖炉20においては、
炉心上部機構36の本体胴37を筒状スリーブ85(9
5)で覆っており、筒状スリーブ85と本体胴37との
間にアニュラス状の微小間隙を形成している。このアニ
ュラス状の間隙への冷却材(ナトリウム)ミストの輸送
は殆ど自然対流によるものであり、冷却材ミストの浮力
が粘性等による散逸効果を上回ると自然対流が起こる。
【0067】一方、カバーガス空間34は全体に亘って
温度差が生じにくく、上下端の温度条件がほぼ同一であ
る。上下端の温度条件が同一の場合には、間隙部90,
91の高さが高いほど温度勾配が小さいので自然対流は
生じにくく、また、間隙幅が狭いほどミストの上昇には
流体抵抗となる散逸効果があるので自然対流は生じにく
い。したがって、引抜式炉心上部機構36のアニュラス
状間隙90,91での冷却材ミスト蒸着防止構造として
は、筒状スリーブ85を覆設して炉心上部機構36の本
体胴37外面と上部蓋33の間隙を液体金属(冷却材)
液面もしくは液面に近い位置まで狭い状態を保つ構造と
することにより、冷却材ミストの蒸着を有効的に効率よ
く防止できる。
【0068】図9は、本発明に係る高速増殖炉の他の実
施形態を示す原子炉構造の縦断面図である。
【0069】この実施形態に示された高速増殖炉20A
は、炉心上部機構36の引上げ構造が、一実施形態で示
された炉心上部機構36の引抜き構造と基本的に相違
し、他の構成は実質的に異なるところがないので、同じ
符号を付して説明を省略する。図9は、引上げ式あるい
は引上げ待機式の炉心上部機構36を備えた高速増殖炉
における燃料交換時の引上げ待機状態を示すものであ
る。
【0070】高速増殖炉20Aは運転床40上に炉心上
部機構36を引き上げて収納する炉心上部機構引上げ装
置100が設置される。炉心上部機構引上げ装置100
は運転床40上に立設された筒状好ましくは円筒状の炉
心上部機構引上げ容器101を有し、この引上げ容器1
01内から案内筒56を経てカバーガス空間34に至る
スペースが炉心上部機構36の収納スペース102とし
て形成される。
【0071】炉心上部機構引上げ容器101の頂部には
複数の巻上機構39が対をなして設けられ、上記巻上機
構39から吊り降ろされるワイヤロープ等の吊設ロープ
53が炉心上部機構36の本体胴37頂部に固定される
吊金具54に接続具55を介して連結される。そして、
巻上機構39を作動させて巻き上げたり、巻き戻すこと
により炉心上部機構36を収納スペース102に収納す
る引上げ収納位置である引上げ待機位置と上部蓋33に
据え付けられる据付位置との間を昇降するようになって
いる。
【0072】炉心上部機構36は巻上機構39で引き上
げられ、引上げ待機位置に収納されたとき、炉心上部機
構38の本体胴37の下端は、カバーガス空間34内に
あるいは上部蓋33の下面とほぼ面一となるように位置
される。円筒状炉心上部機構36に多数の制御棒駆動機
構38が搭載され、上記制御棒駆動機構38により炉心
23への制御棒の挿入あるいは引抜きが作動制御され
る。
【0073】炉心上部機構36の本体胴37は所要の外
表面が筒状スリーブ85で覆設される。この筒状スリー
ブ85は図5および図6に示すようにスリーブ頂部に外
周フランジ86が形成され、この外周フランジ86が上
部蓋33の据付段部87に係合して固定される。筒状ス
リーブ85は上部蓋33からカバーガスバウンダリとし
てのカバーガス空間33を下方に延び、その下端は液体
金属26の自由液面を貫いて液体金属内に浸漬して終端
している。筒状スリーブ85は本体胴37との間にアニ
ュラス状の微小間隙90,91が形成され、自然対流抑
制スリーブあるいはサーマルスリーブとして機能する。
【0074】しかして、高速増殖炉20Aの燃料交換時
には巻上機構39を作動させて炉心上部機構36を引き
上げ、図9に実線で示される引上げ待機位置に収納され
る。炉心上部機構36が引上げ待機位置に収納されてい
る間に、燃料交換機104を用いて炉心23に装荷され
た使用済燃料が新しい燃料と交換される。燃料交換機1
04は原子炉容器21の頂部開口を閉塞する上部蓋33
に設置され、燃料交換を行なうグリッパ105を備えて
いる。
【0075】この燃料交換時には、運転床40上に気密
に設置された炉心上部機構引上げ容器101内および炉
心上部機構36の引上げガイドとなる案内筒56内はカ
バーガス空間34と同じHeガス等の不活性ガスで雰囲
気をガス置換し、不活性ガスが充填された状態に保たれ
る。炉心上部機構引上げ容器101および案内筒56内
の収納スペース102内雰囲気を不活性ガスでガス置換
した状態で炉心上部機構36が収納スペース102内に
収納される。収納された炉心上部機構36は振止めサポ
ート58により振れ止めされ、安定的に収納される。
【0076】なお、図9に示された高速増殖炉20Aの
炉心上部機構36の引上げ構造では、図5および図6に
示された筒状スリーブ85を採用した例を示したが、こ
の筒状スリーブは図7および図8に示された筒状スリー
ブ95を採用してもよい。
【0077】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る高速増
殖炉においては、燃料交換時に炉心上部機構を上部蓋上
に引き抜く引抜き式あるいは炉心直上に引き上げる引上
げ式としたので、上部蓋に回転プラグの設置が不要とな
り、上部蓋や原子炉容器の小型・コンパクト化が図れ、
重量軽減を図ることができる。
【0078】また、請求項1および2に記載の高速増殖
炉においては、燃料交換時に炉心上部機構を上方に引上
げ退避させる引抜きあるいは引上げ方式の炉心上部機構
を採用する一方、炉心上部機構の本体胴外面の所要部を
覆う筒状スリーブを設けたので、冷却材の自由液面から
カバーガス中の炉心上部機構外面に自然対流で輸送され
る冷却材ミストが低減される。このため、炉心上部機構
引上げ作業時のガス置換に伴う残留空気中の湿分・酸素
の混入で生じる炉心上部機構アニュラス部への冷却材反
応生成物の堆積を防止あるいは抑制することができ、炉
心上部機構の引抜き・再据付作業の信頼性を確保するこ
とができる。
【0079】さらに、請求項3に係る高速増殖炉におい
ては、炉心上部機構の本体胴に段部を、また筒状スリー
ブにオフセット部をそれぞれ形成することにより、本体
胴と筒状スリーブとの間に形成されるアニュラス状ある
いはスリーブ状間隙を自然対流が生じにくい構造とする
ことができ、炉心上部機構外面への冷却材ミストの付着
を有効的に防止できる。
【0080】さらに、請求項4に係る高速増殖炉におい
ては、筒状スリーブの下端部において、ナトリウムの融
点以上の温度となる箇所に狭間隙部を融する周溝付き水
平段部を設け、炉心上部機構の本体胴外面に蒸着した冷
却材(ナトリウム)の滴下を受ける構造としたので、出
力運転時には滴下冷却材をディップして間隙部に冷却材
ミストが上昇するのを抑制できる。
【0081】さらに、請求項5に係る炉心上部機構の引
抜装置においては、燃料交換時に引き抜かれる炉心上部
機構の筒状収納容器の容器密封蓋を床側ドアバルブのバ
ルブサポート上に分離可能に設置し、上記ドアバルブの
開閉動作に合せて容器閉止蓋をリフティングさせて気密
に閉止させたり、また容器閉止蓋を収納容器に固定する
ボルト締結機構を設けることにより、筒状収納容器に備
え付けるキャスクドアバルブを削除できる。床側ドアバ
ルブに筒状収納容器(キャスク)側の容器閉止蓋(弁
体)を内蔵させることができ、キャスク全体重量が軽量
化され、確実で容易な引抜き、移送作用を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液体金属冷却部型高速増殖炉を示す縦断
面図。
【図2】本発明に係る高速増殖炉の第1実施形態を示す
縦断面図。
【図3】本発明に係る高速増殖炉に用いられる炉心上部
機構の引抜装置を示す縦断面図。
【図4】(A)および(B)はドアバルブ装置の開状態
および閉状態をそれぞれ示す図。
【図5】本発明に係る高速増殖炉に据え付けられる炉心
上部機構と筒状スリーブの詳細を示す図。
【図6】図5のA部を拡大して示す縦断面図。
【図7】本発明に係る高速増殖炉に据え付けられる炉心
上部機構と筒状スリーブの変形例を示す図。
【図8】図7のB部の拡大縦断面図。
【図9】本発明に係る高速増殖炉の他の実施形態を示す
縦断面図。
【符号の説明】
20,20A 高速増殖炉 21 原子炉容器 22 炉内構造物 23 炉心 24 炉心上部プレナム 25 炉心下部プレナム 26 液体金属(一次冷却材) 27 冷却材入口配管 28 冷却材出口配管 29 安全容器 30 原子炉建屋 31 キャビティウォール 33 上部蓋 34 カバーガス空間(カバーガスバウンダリ) 36 炉心上部機構 37 本体胴 38 制御棒駆動機構 40 運転床 41 ドアバルブ装置 43 炉心上部機構収納装置 44 炉心上部機構引抜装置 45 収納容器(炉心上部機構収納容器、移送キャス
ク) 46 収納スペース 49 巻上機構 50,54 吊金具 51,53 吊設ロープ 52 クレーン吊上げ治具 56 案内筒 58 振止めサポート 59 引抜孔(引抜開口部) 60 床側密封蓋(固定ドアバルブ) 61 収納容器側密封蓋 62 ドアバルブ 63 ドアバルブ駆動装置 64 ドアバルブ駆動機構 65 ドアバルブ駆動軸 66 バルブサポート 67,68 4節リンク機構 70,73 連接リンク 71,74 引張スプリング 72 蓋受け 75,76,78,79 テーパ部 77 基台(バルブケーシング) 81 シールリング 83 ボルト締結機構 85 筒状スリーブ 86 外周フランジ 87 据付段部 88 オフセット部 90,91,96 間隙 92 テーパ部 95 筒状スリーブ 97 水平段部 98 滴下液受部 100 炉心上部機構引上げ装置 101 炉心上部機構引上げ容器 102 収納スペース 104 燃料交換機 105 グリッパ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心および冷却材を収容した原子炉容器
    と、この原子炉容器の上部にカバーガスバウンダリを形
    成する上部蓋と、制御棒駆動機構を搭載支持し、燃料交
    換時に上記上部蓋から引抜き可能な炉心上部機構と、燃
    料交換時に上記炉心上部機構の引抜領域に設置され、炉
    心内の任意位置の燃料を交換可能な燃料交換機とを備
    え、前記炉心上部機構は、その本体胴外面廻りに、上部
    蓋の据付面から冷却材中もしくはカバーガス空間まで垂
    下した筒状スリーブを、アニュラス状あるいはスリーブ
    状間隙をおいて設置したことを特徴とする高速増殖炉。
  2. 【請求項2】 炉心および冷却材を収容した原子炉容器
    と、この原子炉容器の上部にカバーガスバウンダリを形
    成する上部蓋と、制御棒駆動機構を搭載支持して燃料交
    換時に炉心直上に引き上げられる炉心上部機構と、燃料
    交換時に炉心上部機構周囲の上部蓋に設置され炉心内の
    任意位置の燃料を交換可能な燃料交換機とを備え、前記
    炉心上部機構はその本体胴外面廻りに、上部蓋の据付面
    から冷却材中もしくはカバーガス空間まで垂下した筒状
    スリーブを、アニュラス状あるいはスリーブ状間隙をお
    いて設置したことを特徴とする高速増殖炉。
  3. 【請求項3】 筒状スリーブは、上部蓋とカバーガスバ
    ウンダリの境界部にオフセット部を形成する一方、この
    オフセット部に対応する炉心上部機構の本体胴に下方側
    が縮径構造の段部を形成し、前記筒状スリーブと本体胴
    との間に形成されるアニュラス状あるいはスリーブ状の
    間隙はオフセット部上方がその下方より幅狭に形成した
    請求項1または2記載の高速増殖炉。
  4. 【請求項4】 筒状スリーブはスリーブ下端部でナトリ
    ウムの融点以上の温度となる箇所にアニュラス状の狭間
    隙部を形成する水平段部を設け、この水平段部に炉心上
    部機構の本体胴外面に蒸着したナトリウムの滴下を受け
    る滴下液受部を形成した請求項1または2記載の高速増
    殖炉。
  5. 【請求項5】 原子炉容器の上部にカバーガスバウンダ
    リを形成する上部蓋と、この上部蓋上方に位置する運転
    床に設置されたドアバルブ装置と、このドアバルブ装置
    上に設けられ、炉心上部機構を収納可能な気密構造の筒
    状収納容器とを有し、前記ドアバルブ装置は上部蓋から
    運転床を貫いて収納容器に至る炉心上部機構の引抜開口
    部を閉止する床側ドアバルブと、このドアバルブを開閉
    動作させるドアバルブ駆動装置と、上記ドアバルブのバ
    ルブサポート上に分離可能に設置された容器密封蓋とを
    有し、上記ドアバルブの開閉動作に合せて容器密封蓋を
    リフティングさせ、筒状収納容器の底部開口を気密に閉
    塞したことを特徴とする炉心上部機構の引抜装置。
  6. 【請求項6】 ドアバルブにリフティングかつ分離可能
    に設置された容器密封蓋は筒状収納容器の底部にボルト
    締結機構で気密に固定される一方、上記収納容器はドア
    バルブ装置に着脱可能に設けられて移送キャスクを構成
    した請求項5記載の炉心上部機構の引抜装置。
  7. 【請求項7】 筒状収納容器は周側壁に縦方向および周
    方向に所要の間隔をおいて複数の振止めサポートを、収
    納させる炉心上部機構に係合可能に設けた請求項5記載
    の炉心上部機構の引抜装置。
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