JPH11108888A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH11108888A
JPH11108888A JP9286233A JP28623397A JPH11108888A JP H11108888 A JPH11108888 A JP H11108888A JP 9286233 A JP9286233 A JP 9286233A JP 28623397 A JP28623397 A JP 28623397A JP H11108888 A JPH11108888 A JP H11108888A
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云智 高
Akira Kunimoto
晃 国元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】センサ電源を一つとし、ポンプ回路と測定部間
の干渉をなくし、ノイズを最小限とさせるガスセンサを
提供する。 【解決手段】固体電解質基板(11、13、14)に設
けた測定部(16)とポンプ部(17)を構成する電極
(8、9、10、20、21、22)の一つの電極を接
地させ、該接地電極を基準にしてガス成分を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解質を用いた
起電力に基づく電圧検出方式のガスセンサに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車排ガス中に直接挿入してNO
x連続検知が行えるガスセンサが注目を集め、幾つかの
研究結果を報告されている。例えば、特願平4−142
455号公報では、イオン伝導体に検知電極と参照電極
を設置し、被検ガス中で両電極間の起電力を測定するセ
ンサを提案されている。又、図7に示す如く、NOx検知
電極3、とその対極としての参照極4を一枚の固体電解
質基板5に形成し、酸素ポンプ1、2を検知電極3の基
板5と別の固体電解質基板6に形成し、これらの基板
5、6の間にアルミナの絶縁層2を挟んで一体化した構
造のガスセンサも提案されている。しかし、センサ作動
温度の600℃前後までセンサ全体を加熱すると、室温
で絶縁体であるアルミナ7の電気抵抗が少し下がり、電
極間の電圧によって電流がアルミナ絶縁層を通して流れ
るようになる。この電流が、窒素酸化物検知極3或いは
参照電極4に流れると、これらの電極が分極を生じ、電
極電位が変化することがある。しかも、この電位の変化
がポンプ電極1、2の電流か電圧の変化によって変動し
て、検知電位のノイズとなり、測定信号の信頼性を大き
く低下させることに繋がる。例えば、酸素ポンプ電極と
する白金極2と、検知極の参照極とする白金極4の電極
電位が同一ガス中にあった場合、ポンプの接地電極の電
位が参照極の電位と理論上等しく、接地された両電極間
に電流が流れないが、酸素ポンプ1、2が作動すると、
ポンプの接地電極が電流によって分極し、参照極4との
間に電位差が生じる。また電解質間のアルミナ絶縁層7
の絶縁性が低下することによって、ポンプ電極1、2と
参照電極4の間に電流回路が構成し、電流が参照極に流
れてしまい、測定信号のノイズとなり、センサの信頼性
を低下させることがある。
【0003】これまで、センサ出力信号の信頼性と感度
を向上し、前述の酸素ポンプからの電流リークによる影
響を低減するために、駆動部と測定部間の絶縁層の電気
抵抗をできるだけ大きくする方法或いは測定部と駆動部
の電源を分けた多電源回路が取られている。しかし、絶
縁材料の種類及びセンサ作動温度の制限、センサ製造工
程の制限などによってリーク電流を完全に無くすことが
不可能であり、車載用を考えると、多電源方式が望まし
くない。このため、原理上的にリーク電流の影響が生じ
ないセンサの構成及び測定回路が望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、前述の課
題を解決するために、窒素酸化物センサ構造の設計と検
出回路の設計において、特に車載用を配慮し、センサ用
電源を一つに限定した上に、センサ中各部分及び車載電
子回路からのノイズなどを最小限に低減し、センサ中の
ポンプ回路とセンサ回路間の干渉を完全に無くすための
構造と回路を提案するためのものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、例えば、NO検知極、酸素検知極及び参照極に電流
が流れ込まないように、何れも接地しない場合を考え
る。この時電極に流れる最大電流は測定回路の入力イン
ピーダンスによるバイアス電流のみとなり、現在、FE
T入力OPアンプを使用すれば数pA以下にすることは容
易である。この程度のバイアス電流が電極に流れ込んで
も電極特性にほとんど影響しないと考えられる。しか
し、これだけにすると、接地電極がなく、電解質基板が
他の基板と絶縁されているか、非常に高抵抗の状態にあ
るため、測定回路のバイアス電流が流れなくなるか、こ
れらの電極と電解質からなる電気化学システムの各電位
が不安定な状態にあり、ノイズが非常に受けやすく、実
用に供するのは非常に困難である。
【0006】このため、測定回路のバイアス電流のパス
を作る必要がある。このパスを次のように作ることが可
能である。 方法1:図1に示す如く、リーク電流とバイアス電流を
検知電極8、9と参照極10を通さずに流すために、測
定部の固体電解質基板11に新たに補助接地電極12を
形成して接地する。この電極の電位を基準として、NOx
検知電極9、酸素検知電極8及び参照電極10の電位を
それぞれ測定する。その結果を電子回路によって減算
し、NOx検知極9と酸素検知極8の電極電位を得ること
ができる。接地された電極12に電流が流れ込んでも、
センサの出力に影響しないことは次のように説明され
る。接地電極12以外の電極に測定回路の入力端子から
のバイアス電流しか流れないので、何れも数十pA以下程
度の微小電流であり、電極の特性にほとんど影響を及ぼ
さない。一方、接地電極12に電流が流れ込むことによ
って、接地電極12の電位が変化するが、同一時刻で各
電極の電位をこの接地電極12を基準して測定し、回路
の減算によって電位差を取れば、接地電極12の電位変
化分が現れずに、検知電極8、9の電位が正確に測定さ
れることとなる。
【0007】測定回路の原理図を図2に示す。センサ電
極、参照極及び各電位を検出する必要がある電極をイン
ピーダンス変換入力回路に接続して電位信号検出し、こ
れらの信号を減算回路を用いて処理し、センサ電極の出
力として取り出す。ポンプ部17のポンプ電極19、2
0を有する固体電解質基板14と、測定部16のNOx検
知極20、酸素検知極21、参照極22を有する固体電
解質基板13とを離間対向させアルミナのスペーサでそ
の一端を閉じ、他端を被検ガス中に開口23させ、その
内部を被検ガスの缶室とさせる。
【0008】方法2:方法2の構成とその等価回路を図
3に示す。センサ検出極20、21が形成される測定部
16の固体電解質基板13とポンプ電極が形成される駆
動部17の電解質基板14を同一基板にするか、固体電
解質基板或いは固体電解質粉末15をペースト化して接
着、焼成した過程で一体化することによって、測定部1
6とポンプ部17のイオン電導性固体電解質を電気化学
的に導通させ、さらに、ポンプ電極18、19の何れか
を接地することによってセンサ電極と接続した測定回路
のバイアス電流の回路を形成し、電解質全体を接地す
る。一方、各センサ電極20、21と参照極22の電極
電位をこの接地された電極に対して図2に示す測定回路
を用いて測定し、検出された電圧を電子回路の減算によ
って、NOx検知極20と参照極22、酸素検知極21と
参照極22の間の電圧を算出し、センサの検出信号とす
る。この時の接地された電極の電位がポンプ電流及びリ
ーク電流の変化によって分極電位が生じるが、同一時刻
で測定された各電極の接地電極に基準する電圧が同様な
分極電位差を含んでいるので、減算によってこの部分が
キャンセルされ、正確のセンサ出力信号を得ることがで
きる。
【0009】前述のセンサ構成及び測定回路を用いる効
果は原理的にイオン種に関わらず成り立つ。しかし最も
効果が大きい構成は、車載用に使われるガスセンサであ
る。排気ガス中のNOx、O2、CO、HC、SOxは全て酸素イオ
ン導電性のジルコニア固体電解質を用いることができ
る。車載用として、500℃以上の高温作動が必要であ
り、且つエンジンノイズの影響が大きいという使用状況
のもとでは、本発明のセンサ構造を用いると前述のリー
ク電流ノイズが大幅に低減できる。
【0010】
【本発明の実施形態】本発明による窒素酸化物センサの
最も基本的な実施形態を説明する。請求項1によって請
求された本発明の窒素酸化物センサの基本的な部分は図
4に示す。最も簡単な窒素酸化物センサであるが、一枚
のジルコニア固体電解質基板に酸素ポンプとなる一対の
電極を形成し、もう一枚のジルコニア固体電解質基板に
NOx検知電極、酸素検知電極及び共用する参照極を形成
する。さらに、この二枚の電解質基板を同様な固体電解
質材料によって接続して一体化する。このセンサの酸素
ポンプの一つ電極を電源回路と測定回路の共用のアース
に接続し、NOx 検知電極、酸素検知電極及び参照極を
測定回路に接続し、ポンプ電極をポンプ電源に接続す
る。このように形成したセンサ構造と測定回路によっ
て、リーク電流に影響されなく、安定なセンサ出力を得
ることができる。
【0011】請求項2によって請求された本発明の窒素
酸化物センサの基本的な部分は図5に示す。一枚のジル
コニア固体電解質基板に酸素ポンプとなる一対の電極と
これと別に、もう一枚のジルコニア固体電解質基板に形
成したNOx検知電極、酸素検知電極及び共用する参照
極、さらに電解質を接地するための補助電極を形成す
る。この二枚の電解質基板を絶縁体のアルミナ層によっ
て接着して一体化する。このセンサの酸素ポンプの一つ
の電極を電源回路と測定回路の共用のアースに接続し、
更に、NOx検知電極、酸素検知電極及び参照極を測定回
路に接続し、ポンプ電極をポンプ電源に接続する。この
ように形成したセンサ構造と測定回路によって、リーク
電流に影響されなく、安定なセンサ出力を得ることがで
きる。
【0012】本発明によって、従来の窒素酸化物センサ
のNOx検知電極、或いは酸素検知電極、或いは参照電極
の何れかを接地し、しかも測定部とポンプ駆動部が同一
電源を用いた際、リーク電流によるセンサ電極或いは参
照極の変化を無くし、センサ信号中のノイズを低減し、
信頼性を高めることができる。さらに、車載用を考える
と、電源と測定回路を簡略化する意義が大きい。
【0013】〔実施例1〕ジルコニアイオン電導性電解
質基板11上に白金電極を四つを形成し、図6に示す構
造の素子を作製した。電極9、12を酸素ポンプ電極1
7とし、電極8、10をセンサ電極8と参照極9とす
る。なお、電極1を測定回路のアースと一緒に接地す
る。更に、FET入力OPアンプを用いて測定回路24
を作製し、600℃、4%酸素の雰囲気中で、酸素ポン
プ17の電圧を−1.0〜1.0Vの範囲で変化させ、各
電極の電極電位の変化を測定した。また、接地の効果を
確かめるために、接地電極とアースの間にスイッチを設
けて、ONとOFFの二つの状態で測定した。結果は表
1に示す。この結果から、接地する事によって、ノイズ
が大幅に低減され、測定回路が安定に作動できることが
確かめた。
【0014】
【表1】
【0015】〔実施例2〕ジルコニアイオン電導性電解
質基板11上に白金電極9、12を酸素ポンプ電極17
として形成し、NiCr2O4で電極8をNOx検知極として形成
する。更に白金電極10を参照電極として形成し、図6
に示す構造の素子を作成した。なお、電極12を測定回
路のアースと一緒に接地する。更に、FET入力OPア
ンプを用いて測定回路を作製し、600℃、4%酸素の
雰囲気中で、酸素ポンプの電圧を−1.0〜1.0Vの範
囲で変化させ、各電極の電極電位の変化を測定した。ま
た、300ppmのNO2を導入して、センサの出力を測定し
た。
【0016】
【表2】
【0017】〔比較例〕従来の構成としては、ジルコニ
アイオン電導性電解質基板6の上に白金電極1、2を酸
素ポンプ電極として形成し、電解質基板5の上にNiCr2O
4で電極3をNO検知極として、白金電極4を参照電極と
してそれぞれ形成する。更に、アルミナ絶縁層7を介し
て電解質基板5、6を図7に示す構造に接着して素子を
作成した。なお、ポンプ電極1と参照極4を測定回路の
アースと一緒に接地する。更に、FET入力OPアンプ
を用いて測定回路を作製し、600℃、4%酸素の雰囲
気中で、酸素ポンプの電圧を−1.0〜1.0Vの範囲で変
化させ、各電極の電極電位の変化を測定した。
【0018】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の基本構成を示す正面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例の実用構成を示す正面図で
ある。
【図3】本発明の第2実施例の基本構成を示す正面図で
ある。
【図4】本発明の第2実施例の実用構成を示す正面図で
ある。
【図5】アルミナ絶縁層のスペーサを用いた例の正面図
である。
【図6】実験に供せられたセンサの正面図である。
【図7】従来例のセンサの正面図である。
【符号の説明】
8、9、20、21 検知電極 10、22 参照極 11、13、14 固体電解質基板 12 接地電極 16 測定部 17 ポンプ部 24 測定回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン導電性の固体電解質に形成された
    被検ガスを検出するための検知電極とその参照極(以上
    を検出部)、及び一対以上の電極から構成された酸素ポ
    ンプ、或いは被検ガスまたは妨害ガスを酸化還元させる
    機能を兼ねる酸素ポンプ、或いは固体電解質に個々に形
    成された酸素ポンプと被検ガスまたは妨害ガスを酸化還
    元するための変換電極とそれらの対極(以上を駆動部)
    から構成され、当該検知電極とそれと対をなす参照極と
    の間の電位差によりガスを検知するガスセンサにおい
    て、該ガスセンサが検出部と駆動部の間が前記固体電解
    質と同種のイオン電導性の固体電解質を介在して電気化
    学的に連結され、これらの電極のうち一つだけの電極が
    接地され、すべての電極電位が当該接地電極を基準にし
    て測定される電気回路を有することを特徴とするガスセ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 イオン導電性の固定電解質基板に形成さ
    れた被検ガスを検出するための検知電極とその参照極
    (以上を検出部)、及び一対以上の電極から構成された
    酸素ポンプ、或いは被検ガスまたは妨害ガスを酸化還元
    させる機能を兼ねる酸素ポンプ、或いは固体電解質に個
    々に形成された酸素ポンプと被検ガスまたは妨害ガスを
    酸化還元するための変換電極とそれらの対極(以上を駆
    動部)から構成され、当該検知電極とそれと対をなす参
    照極との間の電位差によりガスを検知する方式のガスセ
    ンサにおいて、検出部と駆動部の電解質の間に絶縁層を
    介在して、電気的に絶縁され、かつ検出部の固体電解質
    基板に接地された補助電極が形成され、当該補助電極を
    基準にしてすべての電極電位が測定されることを特徴と
    するガスセンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1と2に記載された構成及び測定
    回路を有し、前記固体電解質にジルコニア酸素イオン電
    導体を用いてNOx、O2、HC、CO、CO2 、SOxのガス濃度を
    検出するガスセンサ。
  4. 【請求項4】 ジルコニア固体電解質中に設けられた1
    つ以上の缶室を有する構造において、該缶室中にNOxを
    含む測定ガスが導入されたのち、NOxを電極反応あるい
    は電極反応と触媒反応とを用いて測定ガス中のNOxを酸
    化還元反応によってNO単一ガスに、あるいはNO2以上の
    過酸化窒素に変換するための変換部と、缶室内のO2濃度
    を制御するための酸素検知電極とその参照極とからなる
    酸素濃度制御部と、更にHC、CO等の妨害ガスを気相反応
    或いは電極反応によって酸化させるための酸化処理部を
    有し、該変換部あるいは酸化処理部の電極反応を主とし
    て酸素ポンプにより駆動させ、かつ何れかを接地したガ
    スセンサ。
  5. 【請求項5】 センサ部の一つの接地端子と、ガス検知
    電極とこれの参照極間の差動入力端子と、酸素感知極と
    参照極間の差動入力端子及び接地電極以外のポンプ電
    極、ガス中のNOxを酸化還元するための変換電極などの
    電位、電圧の測定点をインピーダンスインスタンス変換
    器を介在して差動入力回路に接続する入力回路部と、入
    力回路部からの出力信号を演算するための信号演算処理
    部と、これらの部分のセンサ電源回路と、ガスセンサの
    酸素ポンプ、変換電極などに電流を供給するポンプ電源
    回路を共通の接地点に接地する構成を有し、前記各電極
    が1つに共用されることを特徴とするガスセンサ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149780A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの劣化信号生成装置
JP2016208308A (ja) * 2015-04-23 2016-12-08 株式会社デンソー 出力電圧測定システム
KR20180119304A (ko) * 2017-04-25 2018-11-02 (주)나노아이오닉스코리아 공기로 노출된 전극이 없는 질소산화물 센서
CN112798667A (zh) * 2021-03-15 2021-05-14 浙江百岸科技有限公司 一种带屏蔽层的氮氧传感器芯片

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