JPH11107837A - 内燃機関の還元剤供給制御装置 - Google Patents

内燃機関の還元剤供給制御装置

Info

Publication number
JPH11107837A
JPH11107837A JP9267096A JP26709697A JPH11107837A JP H11107837 A JPH11107837 A JP H11107837A JP 9267096 A JP9267096 A JP 9267096A JP 26709697 A JP26709697 A JP 26709697A JP H11107837 A JPH11107837 A JP H11107837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
temperature sensor
temperature
reducing agent
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9267096A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Goto
雅人 後藤
Tatsuji Mizuno
達司 水野
Kazuya Kibe
一哉 木部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP9267096A priority Critical patent/JPH11107837A/ja
Publication of JPH11107837A publication Critical patent/JPH11107837A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気系にリーンNOx 触媒を備えた希薄燃焼
可能な内燃機関において、触媒のそれぞれ上流側と下流
側とに温度センサを備え各温度センサの出力に基づき触
媒への還元剤の供給を制御する場合に、下流側温度セン
サに異常があっても触媒を過熱することなく触媒に還元
剤を供給することができるようにする。 【解決手段】 下流側温度センサに異常があることが検
出された場合(FTHCO=1)には、上流側温度セン
サによって検出される触媒流入排気ガス温度THCIを
なますことにより触媒流出排気ガス温度推定値THCE
を求め、その推定値THCEに所定の余裕ΔTを加えた
値を触媒流出排気ガス温度THCOとして代用する処理
が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気系にリーンN
x 触媒を備える内燃機関において、触媒のそれぞれ上
流側及び下流側に温度センサを備え、各温度センサの出
力に基づき触媒への還元剤の供給を制御する還元剤供給
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料の経済性という観点から、ガ
ソリンエンジンにおいてリーンバーン(希薄燃焼)エン
ジンが開発されるとともに、ディーゼルエンジンの適用
範囲が拡大されつつある。ディーゼルエンジンやリーン
バーンエンジンでは、大きな空気過剰率の下で燃料が燃
焼せしめられるため、不完全燃焼成分であるHC(炭化
水素)及びCO(一酸化炭素)の排出量が少ない反面、
空気中の窒素と燃え残りの酸素とが反応して生成される
NOx (窒素酸化物)の排出量が多くなるとともに、排
気ガスにおける未反応O2 の量も多くなる。
【0003】そこで、リーン状態すなわちO2 が過剰に
存在する状態にある排気ガス中のNOx を還元・浄化す
ることが可能なリーンNOx 触媒が使用されている。リ
ーンNOx 触媒としては、遷移金属又は貴金属を担持せ
しめたゼオライト系の触媒が使われることが多い。リー
ンNOx 触媒によるNOx 浄化においてはHC等の還元
剤の存在が必要であるが、排気ガス中に存在する還元剤
の量では不充分であるため、リーンNOx 触媒の上流側
に還元剤を添加する装置が設けられたり、燃焼すること
なく触媒に流出するような条件で還元剤としての燃料が
気筒内に噴射される副噴射が行われている。
【0004】上述のリーンNOx 触媒がNOx を還元・
浄化することができる温度範囲すなわちリーンNOx
媒の温度ウィンドウは、非常に狭い範囲である。そのた
め、触媒の温度を検出し、触媒温度に応じて還元剤を供
給する必要がある。例えば、本願出願人による先の出願
である特願平8-204954号の願書に添付された明細書にお
いては、リーンNOx 触媒の温度を直接検出することが
困難なため、リーンNOx 触媒のそれぞれ上流側及び下
流側に温度センサを設け、それらの温度センサの出力に
応じてリーンNOx 触媒に供給する還元剤の量を制御す
る装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術に係る装置においては、下流側温度センサに異常があ
る場合に、還元剤の供給量を触媒温度に応じた適切な値
に維持することができなくなり、触媒での反応が過度に
促進され、その反応熱と排気ガス熱とにより触媒温度が
過度に上昇するおそれがある。そのようなときには、触
媒温度が上述の温度ウィンドウを逸脱し、排気浄化特性
は著しく悪化する。従って、下流側温度センサに異常が
あることを検出した場合には、フェイルセーフ(故障時
安全確保)の観点から還元剤の供給を停止せざるを得な
い。
【0006】かかる実情に鑑み、本発明の目的は、排気
系にリーンNOx 触媒を備えた希薄燃焼可能な内燃機関
において、触媒のそれぞれ上流側と下流側とに温度セン
サを備え各温度センサの出力に基づき触媒への還元剤の
供給を制御する還元剤供給制御装置であって、下流側温
度センサの異常時にも触媒を過熱することなく触媒に還
元剤を供給することができるものを提供することにあ
る。ひいては、本発明は、NOx 浄化率の向上を図り、
大気汚染防止に寄与することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、排気系に設けられたリーンNO x
触媒のそれぞれ上流側と下流側とに温度センサを備え、
該各温度センサの出力に基づき該触媒への還元剤の供給
を制御する、内燃機関の還元剤供給制御装置において、
下流側温度センサが異常か否かを判断する異常判断手段
と、少なくとも上流側温度センサの出力に基づいて触媒
下流側温度を推定する温度推定手段と、前記異常判断手
段によって下流側温度センサに異常ありと判断されると
きには、上流側温度センサの出力と前記温度推定手段に
よって推定される触媒下流側温度とに応じて還元剤の量
を制御する異常時制御手段と、を設けたことを特徴とす
る、内燃機関の還元剤供給制御装置が提供される。
【0008】上述の如く構成された、本発明に係る、内
燃機関の還元剤供給制御装置においては、下流側温度セ
ンサに異常がある場合に、触媒下流側温度が推定され、
その推定された触媒下流側温度と上流側温度センサの出
力とに応じて還元剤の量が制御される。すなわち、触媒
過熱防止を図りつつ還元剤を供給することが可能とな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。
【0010】図1は、本発明の一実施形態に係る還元剤
供給制御装置を備えた4気筒ディーゼルエンジンの全体
構成図である。ディーゼルエンジンの如き筒内直接噴射
式のエンジンでは、高圧燃料の緻密な制御を達成する必
要があるため、近年においては、コモンレール式燃料噴
射システムが開発されている。このコモンレール式燃料
噴射システムは、高圧ポンプで生成した高圧状態の燃料
をコモンレールに蓄えておき、電磁弁の開閉によりコモ
ンレールからエンジンの各気筒に高圧燃料を噴射するも
のであり、コモンレール内の燃料の圧力は、圧力センサ
とポンプの吐出量制御機構とにより常に最適値に制御さ
れている。本実施形態に係るディーゼルエンジンも、こ
のコモンレール式燃料噴射システムを採用している。
【0011】エンジン本体1における燃焼に必要な空気
は、吸気系2を介してエンジン本体1に供給される。そ
の際、空気は、吸気系2に設けられたエアクリーナ3に
よりろ過される。一方、燃料タンク10に貯蔵された燃
料は、低圧ポンプ11によってくみ上げられ、低圧導管
12を介して高圧ポンプ13に供給される。高圧ポンプ
13は、高圧導管14を介してコモンレール15へと燃
料を圧送する。
【0012】コモンレール15に高圧状態で蓄えられた
燃料は、各枝管16を介して三方電磁弁17を有する各
燃料噴射弁18に供給され、各燃料噴射弁18によって
各気筒内に噴射される。また、燃料の一部は、燃料噴射
弁18より噴射されることなく、三方電磁弁17より返
戻管19を介して燃料タンク10に戻されることができ
るようになっている。そして、エンジン本体1において
発生した排気ガスは、排気系4から排出される。その
際、排気ガスは、排気系4に設けられたリーンNOx
媒コンバータ5により浄化される。
【0013】電子制御ユニット(ECU)30は、燃料
噴射制御を実行するマイクロコンピュータシステムであ
る。リードオンリメモリ(ROM)33に格納されたプ
ログラム及び各種のマップに従って、中央処理装置(C
PU)31は、各種センサからの信号を入力ポート35
を介して入力し、その入力信号に基づいて演算処理を実
行し、その演算結果に基づき出力ポート36を介して各
種アクチュエータ用制御信号を出力する。ランダムアク
セスメモリ(RAM)34は、その演算・制御処理過程
における一時的なデータ記憶場所として使用される。ま
た、これらのECU内各構成要素は、アドレスバス、デ
ータバス、及びコントロールバスからなるシステムバス
32によって接続されている。
【0014】そして、ECU30の入力ポート35に
は、アクセルペダル(図示せず)の開度θAに応じた出
力電圧を発生するアクセル開度センサ21がA/Dコン
バータ37を介して接続されている。また、入力ポート
35には、エンジン回転数NEに比例した数の出力パル
スを単位時間当たりに発生するクランク角センサ22が
接続されている。また、入力ポート35には、第1気筒
の圧縮上死点及び第4気筒の圧縮上死点において出力パ
ルスを発生する気筒判別センサ23が接続されている。
また、入力ポート35には、トランスミッション出力軸
の回転数すなわち車速SPDに比例した数の出力パルス
を単位時間当たりに発生する車速センサ24が接続され
ている。
【0015】また、入力ポート35には、吸入空気質量
流量GAに応じた出力電圧を発生するエアフローメータ
25がA/Dコンバータ37を介して接続されている。
また、入力ポート35には、コモンレール15内の圧力
PCに応じた出力電圧を発生する圧力センサ26がA/
Dコンバータ37を介して接続されている。また、入力
ポート35には、触媒コンバータ5に流入する排気ガス
温度THCIに応じた出力電圧を発生する触媒流入排気
温センサ(上流側温度センサ)27及び触媒コンバータ
5から流出する排気ガス温度THCOに応じた出力電圧
を発生する触媒流出排気温センサ(下流側温度センサ)
28がそれぞれA/Dコンバータ37を介して接続され
ている。
【0016】一方、ECU30の出力ポート36には、
駆動回路38を介して高圧ポンプ13内の圧力制御電磁
弁が接続されている。そして、ECU30は、コモンレ
ール15内の圧力が所望の値となるように、圧力センサ
24の出力信号に基づき、高圧ポンプ13からコモンレ
ール15への燃料圧送量を決定し、高圧ポンプ13内の
圧力制御電磁弁を制御する。なお、コモンレール15内
の圧力は、燃料噴射弁18から各気筒に噴射される燃料
の噴射率(単位クランク角又は単位時間当たりの燃料噴
射量)を決定するものである。また、出力ポート36に
は、駆動回路39及びカウンタ回路40を介して燃料噴
射弁18内の三方電磁弁17が接続されている。そし
て、ECU30は、三方電磁弁17の開閉を制御するこ
とにより、燃料噴射開始時期及び燃料噴射期間を制御す
る。なお、燃料噴射率と燃料噴射期間との積が燃料噴射
量となる。
【0017】図2は、リーンNOx 触媒5によるNOx
浄化率の温度特性を示す図である。この図に示されるよ
うに、リーンNOx 触媒がNOx を還元・浄化すること
ができる温度範囲すなわちリーンNOx 触媒の温度ウィ
ンドウは、狭い範囲(a°Cからb°Cまで)である。
温度ウィンドウより低温側(a°C以下)では、触媒が
活性化しない。また、温度ウィンドウより高温側(b°
C以上)では、HCとO2 との反応が促進されてHCと
NOx との反応が抑制される。したがって、燃焼するこ
となく触媒に流出するような条件で還元剤としての燃料
を気筒内に噴射する副噴射を実行する際には、触媒温度
に応じて噴射量を適切に制御することにより、還元剤の
供給過多に伴う触媒過熱を防止することが重要になって
くる。なお、本実施形態においては、リーンNOx 触媒
の温度を直接検出することは困難であるため、前述のよ
うに、触媒に流入する排気ガスの温度及び触媒から流出
する排気ガスの温度に基づいて触媒の温度が間接的に検
出される。
【0018】図3は、ECU30によって実行される燃
料噴射実行ルーチンの処理手順を示すフローチャートで
ある。このルーチンは、一定クランク角ごと、例えばク
ランク角30度ごとの割り込み処理として実行される。
まず、ステップ102では、本ルーチンの前回の実行時
期から今回の実行時期までの経過時間に基づき最新のエ
ンジン回転数NE[rpm] が算出される。次いで、ステッ
プ104では、角度判別カウンタCNEのカウントが実
行される。CNEは、0から5までクランク角30度ご
とに1ずつ増加せしめられ、CNEが5になった後にC
NEは0にされ、再びクランク角30度ごとに1ずつ増
加せしめられる。
【0019】次いで、ステップ106では、気筒判別カ
ウンタCCYLのカウントが実行される。CCYLは、
0から3までクランク角180度ごとに1ずつ増加せし
められ、CCYLが3になった後にCCYLは0にさ
れ、再びクランク角180度ごとに1ずつ増加せしめら
れる。CCYLが変化する時点は各気筒の圧縮上死点を
示しており、例えばCCYLが3に増加せしめられる時
点は第4気筒の圧縮上死点を示しており、CCYLが3
から0にクリアされる時点は第2気筒の圧縮上死点を示
しており、さらにCCYLが1に増加せしめられる時点
は第1気筒の圧縮上死点を示している。また、CNEが
5から0へとクリアされる時点は、CCYLが変化する
時点と一致しており、各気筒の圧縮上死点を示してい
る。
【0020】ステップ108では、CNE及びCCYL
に基づいて主噴射を実行すべき気筒nmが計算される。
気筒nmは吸気行程から圧縮行程にある気筒である。次
いで、ステップ110では、CNEが、後述する主噴射
開始待機時間tm及び主噴射時間τmをカウンタ40に
セットすべき値CNEmになったか否かが判定される。
CNE=CNEmであるとき、ステップ112に進み、
現時点から主噴射開始時期までの待機時間tm及び主噴
射時間τmがカウンタ40にセットされる。カウンタ4
0に主噴射開始待機時間tmがセットされると、カウン
タ40はカウントを開始し、待機時間tmが経過すると
主噴射が実行される。このとき、主噴射時間τmのカウ
ントが開始され、主噴射時間τmが経過すると、主噴射
は停止される。ステップ110において否定判定された
場合には、ステップ112はスキップされ、主噴射は実
行されない。
【0021】次いで、ステップ114では、CNE及び
CCYLに基づいて副噴射を実行すべき気筒nsが計算
される。気筒nsは膨張行程又は排気行程にある気筒で
ある。次いで、ステップ116では、CNEが、後述す
る副噴射開始待機時間ts及び副噴射時間τsをカウン
タ40にセットすべき値CNEsになったか否かが判定
される。CNE=CNEsであるとき、ステップ118
に進み、現時点から副噴射開始時期までの待機時間ts
及び副噴射時間τsがカウンタ40にセットされる。カ
ウンタ40に副噴射開始待機時間tsがセットされる
と、カウンタ40はカウントを開始し、待機時間tsが
経過すると副噴射が実行される。このとき、副噴射時間
τsのカウントが開始され、副噴射時間τsが経過する
と、副噴射は停止される。ステップ116において否定
判定された場合には、ステップ118はスキップされ、
副噴射は実行されない。
【0022】図4は、ECU30によって実行される燃
料噴射制御メインルーチンの処理手順を示すフローチャ
ートである。このルーチンは、所定時間周期に発生する
割り込み処理として実行される。まず、ステップ202
では、アクセル開度センサ21、車速センサ24、エア
フローメータ25、圧力センサ26、触媒流入排気温セ
ンサ27、及び触媒流出排気温センサ28の各出力に基
づき、現在のアクセル開度θA、車速SPD、吸入空気
質量流量GA、コモンレール圧力PC、触媒流入排気ガ
ス温度THCI、及び触媒流出排気ガス温度THCOが
検出される。
【0023】次いで、ステップ204では、吸入空気質
量流量GAとエンジン回転数NEとに基づき、 GN[g/rev] ←GA[g/s] /(NE/60)[rev/s] なる演算が実行されて、エンジン1回転当たりの吸入空
気質量GNが算出される。次いで、ステップ206で
は、GNのなまし演算が実行される。すなわち、前回ま
でに算出されてきたなまし値GNSM[g/rev] が、 GNSM←GNSM+(GN−GNSM)/m=〔(m
−1)GNSM+GN〕/m なる演算式により更新される。なまし演算は、前回まで
のなまし値に“m−1”の重みを付け、今回の算出値に
1の重みを付けて加重平均をとり、これを新たななまし
値とするものである。次いで、ステップ208では、触
媒通過空気量GACATが、 GACAT[g/s] ←GNSM[g/rev] ×(NE/60)
[rev/s] なる演算式により算出される。
【0024】次いで、ステップ210では、検出された
アクセル開度θA及びエンジン回転数NEに応じて目標
コモンレール圧力PCtが算出される。なお、この算出
のために、予め所定のマップがROM33に格納されて
おり、このマップに基づく補間計算が実行される。そし
て、ECU30は、圧力センサ24によって検出される
コモンレール圧力PCがこの目標コモンレール圧力PC
tとなるように、高圧ポンプ13からコモンレール15
への燃料圧送量を決定し、高圧ポンプ13内の圧力制御
電磁弁に対する制御を実行する。すなわち、コモンレー
ル圧力PCに関するフィードバック制御が別途実行され
ている。
【0025】次いで、ステップ212では、アクセル開
度θA及びエンジン回転数NEに応じて、主噴射開始待
機時間tm、主噴射時間τm、並びにtm及びτmをカ
ウンタ40にセットすべき角度判別カウンタのカウント
値CNEmが算出される。なお、この算出のために、予
め所定のマップがROM33に格納されており、このマ
ップに基づく補間計算が実行される。最後に、ステップ
214では、副噴射開始待機時間ts、副噴射時間τ
s、並びにts及びτsをカウンタ40にセットすべき
角度判別カウンタのカウント値CNEsを算出する処理
(副噴射制御量算出ルーチン)が実行される。この処理
の詳細は後に説明する。
【0026】図5は、ECU30によって実行される故
障診断ルーチンの処理手順の一部を示すフローチャート
である。このルーチンは、所定の時間周期で実行され
る。前述のように、本発明は、触媒下流側温度センサす
なわち触媒流出排気温センサ28の異常時にも、触媒を
過熱することなく、副噴射により触媒に還元剤を供給す
ることできるようにしようというものであるが、下流側
温度センサの故障診断すなわち異常判断が同図の故障診
断ルーチン内で行われる。その故障診断では、下流側温
度センサの信号系に断線、ショート等の故障が発生し、
センサ出力がエンジン運転状態から考えてありえないよ
うな異常な値を示すとき、下流側温度センサに故障が発
生したと診断する。
【0027】具体的には、まず、ステップ302におい
て、触媒流出排気温センサ28の出力に基づき、現在の
触媒流出排気ガス温度THCOを検出する。次いで、ス
テップ304では、検出されたTHCOが正常な温度範
囲すなわちT0 からT1 までの範囲に入っているか否か
を判定する。もしもその判定結果がNOであれば、ステ
ップ306に進み、触媒流出排気温センサ28に故障が
発生したことを示すフラグFTHCOを1にセットす
る。なお、フラグFTHCOは、初期状態において0に
リセットされており、修理点検時において収集されるこ
とができるようになっている。
【0028】図6及び図7は、前述の燃料噴射制御メイ
ンルーチン(図4)のステップ214で起動される副噴
射制御量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャート
である。また、図8、図9、及び図10は、このルーチ
ンで使用されるマップを示す。詳細には、図8は、触媒
流入排気ガス温度に基づき触媒流出排気ガス温度推定値
THCEを算出する際のなまし率tTIMCを触媒通過
空気量GACATに応じて定めるマップを示し、図9
は、触媒流入排気ガス温度THCI及び触媒流出排気ガ
ス温度THCOに応じて副噴射量QFINAを補正する
ための補正係数KCATMPを定めるマップを示し、図
10は、触媒通過空気量GACATに応じて副噴射量Q
FINAを補正するための補正係数tKGAを定めるマ
ップを示している。
【0029】まず、ステップ402では、アクセル開度
θA及びエンジン回転数NEに応じて、副噴射開始待機
時間tsと、そのts及び以下のステップで求められる
副噴射時間τsをカウンタ40にセットすべき角度判別
カウンタのカウント値CNEsと、が算出される。な
お、この算出のために、予め所定のマップがROM33
に格納されており、このマップに基づく補間計算が実行
される。ステップ404以下では、副噴射時間τsが算
出される。最初のステップ404では、副噴射を実行す
べき条件が成立するか否かが判定される。すなわち、エ
ンジン冷却水温が低く副噴射を実行しても燃料が壁面に
付着してしまうような場合、主噴射時間τm=0で燃焼
が起こっていない場合、始動状態にある場合、コモンレ
ール圧力PCが高くて微量の噴射が困難な場合等におい
ては、副噴射は実行されない。そして、副噴射実行条件
が不成立のときには、ステップ422において副噴射量
QFINAが0に設定される。
【0030】一方、副噴射実行条件が成立するときに
は、ステップ406に進み、フラグFTHCOが1か否
か、すなわち触媒流出排気温センサ28に故障が発生し
ているか否かを判定する。FTHCO=0のときすなわ
ち正常時には直接ステップ416に進み、FTHCO=
1のときすなわち触媒流出排気温センサ28の異常時に
はステップ408、410、412及び414を実行し
てからステップ416に進む。
【0031】ステップ408〜414では、触媒流入排
気ガス温度THCIをなますことにより触媒流出排気ガ
ス温度推定値THCEを求め、その推定値THCEに所
定の余裕ΔTを加えた値を触媒流出排気ガス温度THC
Oとして代用する処理が行われる。まず、ステップ40
8では、触媒流入排気ガス温度THCIから車速風補正
後の流入排気ガス温度tTMPIが、 tTMPI [°C]←THCI [°C]−(SPD+V0
[km/h]×K1 [°C h/km] なる演算により算出される。なお、V0 及びK1 は、実
験により求められる定数であって、例えば、V0 = 20
[km/h]、K1 = 0.5 [°C h/km] である。なお、この演
算は、車速が大きいほど、風により冷却される度合いが
大きいことを考慮して、触媒流入排気ガス温度を低く補
正するものである。
【0032】ステップ410では、車速風補正後流入排
気ガス温度tTMPIに基づき触媒流出排気ガス温度推
定値THCEをなまし演算にて算出する際のなまし率t
TIMCが、図8のマップに基づく補間計算により、触
媒通過空気量GACATに応じて求められる。触媒通過
空気量GACATが大きくなるほどなまし率tTIMC
が大きくされるのは、ガスが多く流入するほど、流入排
気ガス温度の影響が迅速に現れるためである。
【0033】次いで、ステップ412では、触媒流出排
気ガス温度推定値THCEが、 THCE←THCE+(tTMPI−THCE)×tT
IMC なるなまし演算により、新しく算出され、更新される。
そして、ステップ414では、 THCO←THCE+ΔT なる演算、すなわち故障状態にある触媒流出排気温セン
サ28の出力に代えて“THCE+ΔT”を触媒流出排
気ガス温度THCOとする演算が行われる。ΔTは、触
媒反応熱の最大値を考慮して加えられる余裕(マージ
ン)であって、例えばΔT=50 [°C]である。
【0034】ステップ406又は414の次に実行され
るステップ416では、触媒流入排気ガス温度THCI
及び触媒流出排気ガス温度THCOに応じて副噴射量Q
FINAを補正するための補正係数KCATMPが、図
9のマップに基づく補間計算により算出される。なお、
図9のマップにおいては、THCI及びTHCOに基づ
き推定される触媒温度が温度ウィンドウの中心に近いほ
ど、補正係数KCATMPが大きくなる(1.0 に近づ
く)ように設定されている。
【0035】次いで、ステップ418では、触媒通過空
気量GACATに応じて副噴射量QFINAを補正する
ための補正係数tKGAが、図10のマップに基づく補
間計算により算出される。なお、図10のマップにおい
て触媒通過空気量GACATが大きくなるにつれて補正
係数tKGAが小さくされているのは、ガスの速度が大
きくなると触媒での反応が抑制されるためである。
【0036】次いで、ステップ420では、副噴射量Q
FINAが、 QFINA[mm3/st]←K0[(mm3/st)/(g/rev)] ×GNS
M[g/rev]×KCATMP×tKGA なる演算により算出される。なお、K0 は、実験により
求められる定数であって例えば 2.5[(mm3/st)/(g/rev)]
である。
【0037】最後のステップ424では、ステップ42
0又は422にて算出された副噴射量QFINAが、コ
モンレール圧力PCを考慮して燃料噴射弁による副噴射
時間τsに換算される。こうして、求められた副噴射時
間τsは、副噴射開始待機時間ts並びにts及びτs
をカウンタ40にセットすべき角度判別カウンタのカウ
ント値CNEsとともに、前述した燃料噴射実行ルーチ
ンにおいて使用される。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排気系にリーンNOx 触媒を備えた希薄燃焼可能な内燃
機関において、触媒のそれぞれ上流側と下流側とに温度
センサを備え各温度センサの出力に基づき触媒への還元
剤の供給を制御する還元剤供給制御装置であって、下流
側温度センサの異常時にも触媒を過熱することなく触媒
に還元剤を供給することできるものが提供される。従っ
て、本発明は、NOx 浄化率の向上を図り、大気汚染防
止に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る還元剤供給制御装置
を備えた4気筒ディーゼルエンジンの全体構成図であ
る。
【図2】リーンNOx 触媒によるNOx 浄化率の温度特
性を示す図である。
【図3】ECUによって実行される燃料噴射実行ルーチ
ンの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】ECUによって実行される燃料噴射制御メイン
ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ECUによって実行される故障診断ルーチンの
処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図6】ECUによって実行される副噴射制御量算出ル
ーチンの処理手順を示すフローチャート(1/2)であ
る。
【図7】ECUによって実行される副噴射制御量算出ル
ーチンの処理手順を示すフローチャート(2/2)であ
る。
【図8】触媒流入排気ガス温度に基づき触媒流出排気ガ
ス温度推定値THCEを算出する際のなまし率tTIM
Cを触媒通過空気量GACATに応じて定めるマップを
示す図である。
【図9】触媒流入排気ガス温度THCI及び触媒流出排
気ガス温度THCOに応じて副噴射量QFINAを補正
するための補正係数KCATMPを定めるマップを示す
図である。
【図10】触媒通過空気量GACATに応じて副噴射量
QFINAを補正するための補正係数tKGAを定める
マップを示す図である。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン本体 2…吸気系 3…エアクリーナ 4…排気系 5…リーンNOx 触媒コンバータ 10…燃料タンク 11…低圧ポンプ 12…低圧導管 13…高圧ポンプ 14…高圧導管 15…コモンレール 16…枝管 17…三方電磁弁 18…燃料噴射弁 19…返戻管 21…アクセル開度センサ 22…クランク角センサ 23…気筒判別センサ 24…車速センサ 25…エアフローメータ 26…圧力センサ 27…触媒流入排気温センサ 28…触媒流出排気温センサ 30…電子制御ユニット(ECU) 31…中央処理装置(CPU) 32…システムバス 33…リードオンリメモリ(ROM) 34…ランダムアクセスメモリ(RAM) 35…入力ポート 36…出力ポート 37…A/Dコンバータ 38…駆動回路 39…駆動回路 40…カウンタ回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系に設けられたリーンNOx 触媒の
    それぞれ上流側と下流側とに温度センサを備え、該各温
    度センサの出力に基づき該触媒への還元剤の供給を制御
    する、内燃機関の還元剤供給制御装置において、 下流側温度センサが異常か否かを判断する異常判断手段
    と、 少なくとも上流側温度センサの出力に基づいて触媒下流
    側温度を推定する温度推定手段と、 前記異常判断手段によって下流側温度センサに異常あり
    と判断されるときには、上流側温度センサの出力と前記
    温度推定手段によって推定される触媒下流側温度とに応
    じて還元剤の量を制御する異常時制御手段と、 を設けたことを特徴とする、内燃機関の還元剤供給制御
    装置。
JP9267096A 1997-09-30 1997-09-30 内燃機関の還元剤供給制御装置 Pending JPH11107837A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9267096A JPH11107837A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 内燃機関の還元剤供給制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9267096A JPH11107837A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 内燃機関の還元剤供給制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11107837A true JPH11107837A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17440007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9267096A Pending JPH11107837A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 内燃機関の還元剤供給制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11107837A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7322182B2 (en) 2003-12-19 2008-01-29 Nissan Motor Co., Ltd. Filter regeneration control
JP2010071227A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Mazda Motor Corp エンジンの排気浄化装置
JP2021076058A (ja) * 2019-11-08 2021-05-20 三菱電機株式会社 エンジンの排気系温度推定装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7322182B2 (en) 2003-12-19 2008-01-29 Nissan Motor Co., Ltd. Filter regeneration control
JP2010071227A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Mazda Motor Corp エンジンの排気浄化装置
JP2021076058A (ja) * 2019-11-08 2021-05-20 三菱電機株式会社 エンジンの排気系温度推定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6311482B1 (en) Air-fuel ratio control apparatus for internal combustion engines
US7797097B2 (en) Exhaust purification device for internal combustion engine
US20100132334A1 (en) Method and device for monitoring the regeneration of a pollution-removal system
US8302378B2 (en) Degradation diagnosis device for catalyst
US6619035B2 (en) Exhaust emission control device of internal combustion engine
JPH1047048A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3508744B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2005201261A (ja) 排気ガス温度調節のための方法及び制御装置
JP4640318B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN1930380B (zh) 用于内燃机的排气净化装置
JPH1162686A (ja) 燃料噴射弁の故障診断装置
JP4039500B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH11107837A (ja) 内燃機関の還元剤供給制御装置
JPH10252544A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2005240716A (ja) 触媒の劣化診断装置
JP2009024557A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3796927B2 (ja) 内燃機関の還元剤供給制御装置
JP3736353B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5366015B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2011043079A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH0933478A (ja) 内燃機関における酸素センサの応答診断装置
JPH1054287A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3339316B2 (ja) 筒内直接噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4190378B2 (ja) 内燃機関の触媒床温推定装置、及び内燃機関の制御装置
JP3318702B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060404