JPH11107605A - 引き戸用鎌錠 - Google Patents

引き戸用鎌錠

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JPH11107605A
JPH11107605A JP27289997A JP27289997A JPH11107605A JP H11107605 A JPH11107605 A JP H11107605A JP 27289997 A JP27289997 A JP 27289997A JP 27289997 A JP27289997 A JP 27289997A JP H11107605 A JPH11107605 A JP H11107605A
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JP
Japan
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sliding door
lock
piece
hook member
receiving
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JP27289997A
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English (en)
Inventor
Hiromu Kimura
煕 木村
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HINTO KINZOKU KK
Original Assignee
HINTO KINZOKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引き戸に用いる鎌錠として、引き戸を閉めた
ときに戸枠にぶつかって跳ね返るのを防止するためのキ
ャッチ機能を持たせる。従来は、引き戸が戸枠にぶつか
ったのを検出してキャッチ機能を作動させるための伝動
杆が、引き戸の端面から突出する構造であったが、この
ような突出物は生じないようにする。 【解決手段】 引き戸4に設ける錠本体2に対し、先端
に磁石15を具備して出没方向へ移動自在となる駆動部
材8を設ける。また、戸枠5に設ける受具3には、駆動
部材8に対応した位置に磁石51を設けておく。引き戸
4を閉めると、駆動部材8が進出して受具3の磁石51
に吸着し、この動きにより、ラック14、ピニオン1
1、ギヤ歯24を介してフック片10が揺動し、このフ
ック片10が受具3の係合受部64と係合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、引き戸用の鎌錠に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】引き戸用の鎌錠は、鎌型をしたフック部
材が出没自在に内蔵された錠本体と、この錠本体のフッ
ク部材に対応する係合受部が設けられた受具とを有する
もので、一般に、錠本体は引き戸に設けられ、受具は戸
枠側に設けられる。この種、引き戸において、錠本体か
らフック部材を出没させるには、錠本体に設けられた操
作ツマミを人が操作して行うのが普通である。
【0003】ところで、図示は省略するがこの鎌錠のな
かには、錠本体に対し、引き戸の端部で突出状態で待機
する伝動杆が設けられ、引き戸が閉められたときにこの
伝動杆が戸枠にぶつかって退入する動きで、リンク機構
等を動作させ、これによってフック部材を出没させるよ
うにしたものがある。このようなフック部材の動作機構
は、引き戸を勢いよく閉めたときに、引き戸が戸枠にぶ
つかって開き方向へ跳ね返るのを防止するためのキャッ
チ機能として創案されたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したフック部材の
動作機構では、引き戸が開いているときは、その端面か
ら伝動杆が常に突出した状態にある。そのため、子供等
によるいたずらを誘って破損されるということがあっ
た。また、伝動杆の突出量は小さいものの、これを見た
者に対して、恰も衣服等の引っ掛かりを招来するのでは
ないかとの不安感を抱かせるということがあった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、伝動杆等の突出物がないものとして、いたず
らによる破損を防止すると共に、見る者への各種不安感
を払拭できるようにした引き戸用鎌錠を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る引き戸用鎌錠において、錠本体は、受具との近
接時にこの受具との間で磁力吸引作用を生じて進出可能
になる駆動部材と、この駆動部材を磁力吸引作用に抗す
る退入方向へ付勢する復帰付勢部材と、駆動部材の進出
移動に起因する伝動で格納状態から突出して受具内へ侵
入動作可能とされたフック部材とを有している。
【0007】また、この錠本体に対応する受具は、錠本
体からフック部材が侵入されたときにこのフック部材と
係合可能になる係合受部を有している。すなわち、錠本
体の駆動部材と受具とのいずれか一方又は双方に磁石が
設けられており、引き戸が閉められることによって錠本
体と受具とが相互近接すれば(当接を含む)、錠本体の
駆動部材において、受具へ向けて吸引される力が発生す
ることになる。そして、この駆動部材は、この吸引作用
を受けてフック部材の突出動作(受具に対する侵入動
作)を行うようになっている。
【0008】このような構成であるので、錠本体におい
て、駆動部材は移動前の状態にあっては錠本体から突出
させておく必要がない。フック部材において、受具に対
する侵入・脱出動作を枢軸部まわりの揺動によって行う
ようにし、このときの枢軸部のまわりにギヤ歯を設けて
おく。これに対して前記駆動部材は、受具へ向けた進退
方向に沿ってラック歯を設けておく。そして、これらフ
ック部材のギヤ歯と駆動部材のラック歯とを、中間ピニ
オン部を介して互いに噛合させるようにする。
【0009】このような構成であると、円滑な駆動伝達
ができ、駆動部材だけでなくフック部材についての動き
の確実性が得られる。また、各部(特に中間ピニオン
部)の歯数調節等により、大きさ等に対応した自由な設
計ができる利点もある。受具は、フック部材の侵入・脱
出動作時に、このフック部材を通過可能にする開口部が
設けられた正面片を有したものとすることができる。こ
の場合、正面片における開口部の上縁又は下縁が、上記
した係合受部となる。
【0010】このような構造であれば、錠本体へ向く側
に操作端部を有したネジ部材の回転により、正面片の傾
き度合を変更させるようにできる。すなわち、正面片の
傾き度合を変更させれば、その開口部の上縁又は下縁に
設けられた係合受部の高さが変わることになるので、こ
れによって係合受部とフック部材との係合度合の調節を
行えることになる。
【0011】すなわち、これにより各現場における建て
付け寸法等の誤差を吸収でき、錠本体と受具との位置関
係を正確に調整できることになる。錠本体は一般に引き
戸に対して取り付けるようにするが、この場合、錠本体
には、フック部材が受具内へ侵入動作したときにフック
部材の適所に当接可能になるロック片と、このロック片
を当接位置と非当接位置との間で移動操作可能にする操
作片とを設け、且つこの操作片を、引き戸に設けられた
把手の内側で操作可能に設ける。
【0012】このようにすると、引き戸において操作片
が出っ張らず、すっきりとした外観が得られる利点があ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1に示すように、本発明に係る
引き戸用鎌錠1は、引き戸の開閉に伴って相互近接・離
反可能に設けられる錠本体2と受具3とを有している。
本実施形態では、錠本体2が引き戸4に設けられ、受具
3が戸枠5に設けられたものとしてある。
【0014】まず、図1乃至図4に基づいて、錠本体2
を説明する。錠本体2は、本体ケース7に対し、駆動部
材8と、復帰付勢部材9と、フック部材10と、中間ピ
ニオン部11とが設けられ、またロック機構12が組み
込まれている。駆動部材8は、本体ケース7に設けられ
た円形状開口7aから出没するように進退自在に保持さ
れており、この進退動作によって受具3に向けた近接・
離反が可能になっている。また、この駆動部材8には、
上記進退方向に沿ってラック歯14が設けられ、このラ
ック歯14を介して、本体ケース7に回転自在に保持さ
れた中間ピニオン部11と噛合されている。
【0015】また、この駆動部材8において、受具3へ
向く端部には、受具3との間で磁力吸引作用を生じさせ
るための磁石15が設けられ、これとは他端側には反射
片16が突設されている。そして、これら磁石15の保
持部分と反射片16との間に、上記復帰付勢部材9を組
み込むための装着用凹部17が形成されている。復帰付
勢部材9には、上記磁力吸引作用よりもバネ力が弱いコ
イルスプリング等が用いられている。そして、この復帰
付勢部材9の一端部は、駆動部材8の上記装着用凹部1
7へ向けて本体ケース7から突設された反射片19に当
接され、他端部は、駆動部材8の反射片16に当接され
ている。従って、この復帰付勢部材9により、駆動部材
8は本体ケース7内へ格納される状態を維持すべく、付
勢されることになる。
【0016】フック部材10は、枢軸部21と、この枢
軸部21の径方向外方へ突出する鎌状片22と、この鎌
状片22とは別の径方向外方へ突出するストッパ片23
と、枢軸部21のまわりに設けられたギヤ歯24とを有
している。枢軸部21に設けられたギヤ歯24は、上記
中間ピニオン部11と噛合されており、従ってこの中間
ピニオン部11を介して駆動部材8のラック歯14とも
噛合関係を成している。
【0017】このようなことから、駆動部材8がケース
本体7の円形状開口7aを経て外方へ進出動作するとき
(図1の状態)、このラック歯14から中間ピニオン部
11及びギヤ歯24を介して枢軸部21が回動され、フ
ック部材10は、ケース本体7に設けられたスリット状
開口7bから鎌状片22を外方へ突出させるように揺動
する。
【0018】また反対に、この状態から駆動部材8がケ
ース本体7内へ退入動作するとき(図2の状態)、ラッ
ク歯14から中間ピニオン部11及びギヤ歯24を介し
て枢軸部21が上記と逆方向へ回動され、フック部材1
0は、鎌状片22をケース本体7内へ格納させるように
揺動する。なお、フック部材10の枢軸部21は、表裏
を貫通する孔26に揺動軸27が挿通され、この揺動軸
27が両端部を本体ケース7に固定される構造になって
いるが、上記孔26は、長孔状になっている。
【0019】このように孔26が長孔になっているの
は、枢軸部21の回転抵抗を出来るだけ小さくして磁力
によるフック部材10の突出を行い易くするためであ
る。ロック機構12は、フック部材10に設けられた上
記ストッパ片23と、必要に応じてこのストッパ片23
に当接・離反可能とされるロック片30と、このロック
片30の切換位置を保持するクリックバネ31と、ロッ
ク片30を移動操作させるための操作片32(図4参
照)と、ロック片30の動作状態を表示する表示部33
とを有している。
【0020】ロック片30は、フック部材10が鎌状片
22をケース本体7から突出させているときにストッパ
片23に当接する位置(図1の状態)と、このストッパ
片23から外れてフック部材10の揺動に干渉しないよ
うになる位置(図2の状態)との2位置間で移動自在と
なっている。そして、このロック片30には、その移動
方向に沿った側面で突出するクリック片36が設けられ
ており、上記クリックバネ31は、ロック片30が移動
するときにこのクリック片36が行ったり来たりする中
間位置でロック片30の側面に当接可能になっている。
すなわち、ロック片30の停止位置が切り換えられるた
びに、クリックバネ31がクリック片36を乗り越えて
これと係止し、この係止状態においてロック片30の位
置付けを保持するものである。
【0021】操作片32は、ロック片30を貫通する連
結軸37の一端側に取り付けられており、引き戸4に対
して設けられた一面側の把手38の内側で、ロック片3
0を移動操作可能になっている。表示部33は、上記連
結軸37の他端側に取り付けられて、引き戸4の上記と
は反対側面に設けられた把手39の内側で移動可能とさ
れるスライド片40と、このスライド片40を覆うカバ
ー41とを有している。
【0022】スライド片40には、例えば赤色等の表示
部42が設けられており、カバー41には、操作片32
の操作切り換えに伴うスライド片40の移動により、表
示部42が見えたり見えなくなったりできるようにした
表示窓43が設けられている。このようなことから、こ
のロック機構12は、引き戸4の一方面(操作片32が
設けられた側)だけで操作部32によるロックオン・ロ
ックオフ操作が可能であり、また引き戸4の他方面で
は、表示部33により動作状態が一目して判別できるよ
うになっている。
【0023】なお、図示は省略するが、この錠本体2に
は、引き戸4の一方面(ロック機構12の操作片32が
設けられた側)に対して、例えば中間ピニオン部11を
手動操作で回転可能にすること等によって駆動部材8を
強制的に本体ケース7内へ退入させることができる操作
部が設けられている。すなわち、この操作部を操作する
ことにより、駆動部材8と受具3との間で生じている磁
力吸引作用を解除させ、駆動部材8を復帰付勢部材9等
の作用も借りて本体ケース7内へ戻し、併せてフック部
材10をフック片23が本体ケース7内へ退入するよう
に回動させ、もって、引き戸4の開放移動を可能にする
ものである。
【0024】次に、図1、図5及び図6に基づいて、受
具3を説明する。受具3は、本体ケース47に対し、吸
着機能部48と係合機能部49とが設けられたものであ
る。吸着機能部48は、戸枠5に対して引き戸4が閉め
られたときに、錠本体2の駆動部材8と対向する位置付
けとされており、駆動部材8の磁石15との間で磁力吸
引作用を生じさせる磁石51が内蔵された構造となって
いる。
【0025】従って、引き戸4の閉止時にあって錠本体
2と受具3とが近接状態になると、それまで錠本体2の
本体ケース7内に格納状態にあった駆動部材8が、この
受具3の吸着機能部48へ目掛けて突出するように、確
実に進出移動することになる。係合機能部49では、本
体ケース47において設けられた正面覆部53に対し
て、この正面覆部53の裏側で正面片54が収納される
構造となっている。
【0026】この正面片54は、正面の板状部分54a
と、この板状部分54aの両側で折曲状に設けられた側
板部分54bとを有して、平面コ字状を呈するように形
成されている。そして、この正面片54には、両側の側
板部分54bを貫通して長孔55が設けられており、こ
の長孔55に、本体ケース47内を横切る状態で設けら
れる支軸56が挿通されている。従って、この正面片5
4は、支軸56を中心として揺動自在に保持されてい
る。
【0027】また、この支軸56には、側板部分54b
の相互間にバネ58が挿通されており、このバネ58
が、一方の側板部分54bの内面に突設されたバネ掛け
ピン59と本体ケース47の下部底部片49aとの間で
反発力を生じるように装填されている。従って、この正
面片54は、バネ58の反発力により、支軸56を中心
として上端を錠本体2側へ突き倒しつつ、下端を本体ケ
ース47の奥方へ入れ込む向きに傾斜付勢されているこ
とになる。
【0028】一方、本体ケース47の正面覆部53と、
上記正面片54の板状部分54aとには、それぞれ開口
部62,63が形成されている。これら開口部62,6
3は、錠本体2から駆動部材8が突出するのに伴ってフ
ック部材10のフック片23が揺動により突出したとき
に、このフック片23を本体ケース47内へ侵入可能と
させるためのものである。
【0029】このうち、正面片54の開口部63は、正
面覆部53の開口部62に比べて上縁と下縁との間隔が
小さめに形成されている。そして、この正面片54にお
ける開口部63の上縁が、上記フック部材10のフック
片23と係合する係合受部64とされている。また、こ
の正面片54には、正面の板状部分54aにおける下端
部分に下向きに開放した長孔状の切欠67が設けられて
おり、この切欠67には、錠本体2へ向く側へ操作端部
68aを有するネジ部材68が挿通されている。このネ
ジ部材68は、操作端部68aとは反対側端部が本体ケ
ース47の下部底部片49aへ突き刺し状に当接され、
回転自在となっている。
【0030】そして、このネジ部材68には、正面片5
4の板状部分54aの裏側へ当接するナット部材69が
螺合されている。このナット部材69は、正面片54に
おける両側の側板部分54bに当接して回止めされる形
状とされている。このような構造であるため、ネジ部材
68の操作端部68aをドライバー等の工具により回転
させると、正面片54の内側でナット部材69の螺合度
合が変化し、この動きに追従するように正面片54はバ
ネ58に抗しつつ、その傾き度合が変えられることにな
る。すなわち、このように正面片54の傾き度合が変化
することで、板状部分54aに設けられた開口部63の
上縁(即ち、係合受部64)が上下に移動することにな
り、これによって係合受部64とフック部材10との係
合度合が調節できることになる。
【0031】以上の説明で明らかなように、本発明の引
き戸用鎌錠1では、戸枠5に対して引き戸4が開けられ
ているときには、図2に示したように引き戸4に設けら
れた錠本体2において、駆動部材8及びフック部材10
が共に、復帰付勢部材9によって本体ケース7(引き戸
4)内に格納された状態にある。この状態から引き戸4
を閉める方向へ移動させ、戸枠5へ近づけてゆくと、錠
本体2と受具3とが所定距離に近接した時点で、錠本体
2の駆動部材8と受具3の吸着機能部48との間で磁力
吸引作用が生じ、駆動部材8が吸着機能部48へ向けて
突出移動する。
【0032】そして、これに伴い、錠本体2からフック
部材10が揺動によって突出する。従って、このフック
部材10(鎌状片22)は、受具3の正面片54に対
し、その開口部63を介して内側へと侵入し、係合受部
64と係合した状態になる。そのため、引き戸4は、閉
める方向の動きが戸枠5との当接によって反射されて再
び開き方向へ跳ね返ってしまうということがなくなり、
確実な閉まり状態が得られることになる。
【0033】この後、錠本体2のロック機構12におい
て操作片32を操作することにより、フック部材10と
係合受部64との係合状態をロックさせることができ
る。このとき、引き戸4の反対側面では、表示部33に
よってこのロック状態が表示され、これを見る者に引き
戸4の開放が不可であること(引き戸4の内側の室等を
使用中であること)を知らせるものとなる。
【0034】ところで、本発明は、上記実施形態に限定
されるものではない。例えば、中間ピニオン部11は複
数の歯車を組み合わせることによって構成してもよい。
また、中間ピニオン部11を省略すると共に、フック部
材10のギヤ歯24を径大化する等して、フック部材1
0のギヤ歯24と駆動部材8のラック歯14とを直接に
噛合させることも可能である。
【0035】このようなことから、フック部材10は、
その揺動方向が限定されるものではない。なお、駆動部
材8とフック部材10との伝動構造としては、上記のよ
うなラックとピニオンとの噛合構造を採用しないことも
考えられる。この場合は、例えばリンク機構やカム機構
等を採用すればよい。
【0036】錠本体2の駆動部材8と受具3(吸着機能
部48)との間で磁力吸引作用を生じさせるにあたり、
駆動部材8及び受具3の双方に磁石15,51を設ける
必要はなく、いずれか一方を磁性材料に置換することも
可能である。また、磁石15,51等として、電磁石を
用いることも可能である。錠本体2に設けるロック機構
12には、操作片32が設けられる側とは反対側(表示
部33が設けられる側)に、ドライバー等の工具によっ
てロック片30を解除方向へ移動可能にする小孔を設け
ておくのが好適である。
【0037】錠本体2においてロック機構12や表示部
33を設けることは限定されるものではない。また、受
具3における係合受部64(正面片54)の高さ調節を
可能にする構造は、上記実施形態以外の構造で行っても
よいし、場合によっては不要化してもよい。錠本体2と
受具3とを、別々の引き戸(即ち、出合い式引き戸)に
設けるようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る引き戸用鎌錠では、錠本体の駆動部材と受具との
少なくとも一方に磁石を設けており、引き戸が閉められ
たときに、錠本体の駆動部材が磁力吸引作用によって受
具へと進出移動する動きにより、フック部材が受具内へ
侵入してその内部の係合受部と係合するようにしてい
る。
【0039】そのため、錠本体の駆動部材は、移動前の
状態では錠本体から突出させる必要がないので、引き戸
が開いているときに、その端面から突出するものは何も
無い状態にできる。従って、子供等によるいたずらで破
損されるのを防止できると共に、これを見る者に、無用
な不安感を抱かせることもない。フック部材を揺動自在
な構造にすると共に、駆動部材にラック歯を設け、これ
らを中間ピニオン部を介して互いに噛合させる構造にす
ると、円滑な駆動伝達ができ、駆動部材だけでなくフッ
ク部材についての動きの確実性が得られる。
【0040】受具において、錠本体へ向く側からネジ部
材を回転させることで、係合受部を有する正面片の傾き
を変更させ、これによって係合受部とフック部材との係
合度合を調節可能なようにしておくと、各現場における
建て付け寸法等の誤差を吸収でき、錠本体と受具との位
置関係を正確に調整できることになる。錠本体を引き戸
に取り付ける場合において、フック部材が受具内へ侵入
動作した状態をロック可能にするための操作片を、引き
戸に設けられた把手の内側に設けるようにすると、操作
片の出っ張りを防止でき、すっきりとした外観が得られ
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る引き戸用鎌錠を示す側断面図であ
る。
【図2】錠本体(非動作状態)を示す側断面図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】受具の正面図である。
【図6】係合受部を有する正面片の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 鎌錠 2 錠本体 3 受具 4 引き戸 5 戸枠 7 錠本体の本体ケース 8 駆動部材 9 復帰付勢部材 10 フック部材 14 ラック歯 11 中間ピニオン部 21 枢軸部 24 ギヤ歯 30 ロック片 32 操作片 38 把手 47 受具の本体ケース 54 正面片 63 開口部 64 係合受部 68 ネジ部材 68a 操作端部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き戸(4)用の鎌錠において、引き戸
    (4)の開閉に伴って相互近接・離反可能に設けられる
    錠本体(2)と受具(3)とを有し、 錠本体(2)は、受具(3)との近接時に当該受具
    (3)との間で磁力吸引作用を生じて進出可能になる駆
    動部材(8)と、該駆動部材(8)を磁力吸引作用に抗
    する退入方向へ付勢する復帰付勢部材(9)と、駆動部
    材(8)の進出移動に起因する伝動で格納状態から突出
    して受具(3)内へ侵入動作可能とされたフック部材
    (10)とを有しており、 受具(3)は、錠本体(2)からフック部材(10)が
    侵入されたときに当該フック部材(10)と係合可能に
    なる係合受部(64)を有していることを特徴とする引
    き戸用鎌錠。
  2. 【請求項2】 前記フック部材(10)は、枢軸部(2
    1)まわりの揺動によって受具(3)に対する侵入・脱
    出動作が可能になされていると共に、上記枢軸部(2
    1)のまわりにはギヤ歯(24)が設けられており、ま
    た前記駆動部材(8)には、受具(3)へ向けた進退方
    向に沿ってラック歯(14)が設けられており、 これらフック部材(10)のギヤ歯(24)と駆動部材
    (8)のラック歯(14)とが中間ピニオン部(11)
    を介して噛合されることで相互間の伝動が可能になって
    いることを特徴とする請求項1記載の引き戸用鎌錠。
  3. 【請求項3】 前記受具(3)において、係合受部(6
    4)は、フック部材(10)の侵入・脱出動作時にフッ
    ク部材(10)が通過する開口部(63)を有した正面
    片(54)の当該開口部(63)の上縁又は下縁として
    形成されており、該係合受部(64)を有する正面片
    (54)が、錠本体(2)へ向く側に操作端部(68
    a)を有するネジ部材(68)の回転によりその傾き度
    合を可変になされており、この傾き度合によって係合受
    部(64)とフック部材(10)との係合度合が調節可
    能になっていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の引き戸用鎌錠。
  4. 【請求項4】 前記錠本体(2)には、フック部材(1
    0)が受具(3)内へ侵入動作したときにフック部材
    (10)の適所に当接可能になるロック片(30)と、
    該ロック片(30)を移動操作する操作片(32)とが
    設けられており、該操作片(32)が、錠本体(2)を
    装着した引き戸(4)に対して設けられた把手(38)
    の内側で操作可能に設けられていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の引き戸用鎌錠。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111749552A (zh) * 2020-07-01 2020-10-09 马继满 一种家用防止儿童私自打开的安全锁
JP2021525325A (ja) * 2018-05-24 2021-09-24 ハヴァ スライディング ソリューションズ アーゲー 引き戸用のロック、フィッティング、閉鎖プレート、および閉鎖装置、および引き戸システム

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