JPH11107440A - 建築構造物の壁面パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 型枠ボックスからなる壁面パネルを、日本国
の建築基準にも適合できるようにすること。 【解決手段】 対向する側面板５、５と、この側面板
５、５間を仕切り、縦方向に複数個の横孔６を有する複
数の仕切板７とによって形成された、内部に縦方向の空
洞８を有する複数本の樹脂製の型枠ボックス１を、型枠
ボックス１の側縁部に形成した連結溝９と連結突部１
０、１０との嵌め合わせによって横方向に順次連結し、
型枠ボックス１の空洞８内に縦筋２を配設して、空洞８
内にコンクリートまたはモルタルを充填した建築構造物
の壁面パネルにおいて、前記型枠ボックス１の仕切板７
の横孔６に、所定間隔毎に横筋３を配設する。連結され
た型枠ボックス１内に横筋３を配設できるので、壁面パ
ネルに十分な強度が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリートま
たはモルタルを充填した樹脂製の型枠ボックスの側面
を、そのまま建築構造物の壁面として利用することがで
きる壁面パネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の壁面パネルとして、特表平９−
５０５８５７号公報に示すものが知られている。

【０００３】この壁面パネルは、図６に示すように、対
向する側面板５、５と、この側面板５、５間を仕切り、
縦方向に複数個の横孔６を有する複数の仕切板７とによ
って形成された、内部に縦方向の空洞８を有する複数本
の樹脂製の型枠ボックス１から形成される。壁面パネル
の形成に際しては、まず、各型枠ボックス１同士を、型
枠ボックス１の側縁部に形成した、縦方向に延びる連結
溝９、９と連結突部１０、１０との嵌め合わせによって
横方向に順次連結する。ついで、前記空洞８内に縦筋２
を配設したのち、図示のように、空洞８内にコンクリー
トまたはモルタルを充填するのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この壁面パ
ネルは、元来カナダでの建築基準に基づいて、当該国で
開発されたものである。しかしながら、わが国の建築基
準によると、縦筋だけでは強度不足となるため、そのま
までは日本国内の建築構造物に使用することができな
い。

【０００５】そこで、この発明の課題は、前記型枠ボッ
クスからなる壁面パネルを、日本国の建築基準にも適合
できるようにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】こうした課題を解決する
ため、この発明に係る壁面パネルにおいては、前記型枠
ボックスの仕切板の横孔に、所定間隔毎に横筋を配設し
た。また、型枠ボックス内に、一対の縦桟と、この縦桟
間に掛け渡された、中央部が下方に向かって屈曲する横
桟とからなる横筋支持具を挿入し、この横筋支持具の横
桟に、横筋を載置することとした。

【０００７】こうした構成を採用することにより、連結
された型枠ボックス内に横筋が、縦方向に所定間隔毎に
配設されるので、壁面パネルに十分な強度が確保され
る。また、後者の構成により、前記横筋支持具の横桟に
載置した横筋が、その傾斜に沿って横桟の中央部まで下
降するので、前記各側面板間の中央部で横筋の位置決め
を容易に行うことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１に示す壁面パネルは、横方向
に連結された複数本の樹脂製の型枠ボックス１と、各型
枠ボックス１内に配設された縦筋２および横筋３とから
なる。横筋３は、型枠ボックス１内に挿入された横筋支
持具４によって支持されている。

【０００９】型枠ボックス１は、図２に示すように、対
向する側面板５、５と、この側面板５、５間を仕切り、
縦方向に複数個の横孔６を有する複数の仕切板７とを有
し、その内部には、縦方向の空洞８が形成されている。
前記縦筋２は、空洞８内に配設されている。

【００１０】型枠ボックス１には、四枚の仕切板７を有
する幅広なものと、二枚の仕切板７を有する細幅のもの
とがあり、幅広な型枠ボックス１の各側縁部には縦方向
の連結溝９が、細幅な型枠ボックス１の各側縁部には内
向きに突き出し、縦方向に延びる連結突部１０、１０が
それぞれ設けられている。各型枠ボックス１は、幅広な
ものと細幅のものとが交互に配列され、前記連結溝９と
連結突部１０、１０との嵌め合わせによって横方向に順
次連結されている。

【００１１】横筋支持具４は、図示のように、一対の縦
桟１１、１１と、この縦桟１１、１１間に掛け渡され
た、中央部が屈曲した横桟１２とから構成されており、
横桟１２は、その両端部にスポット溶接を行うことによ
り、各縦桟１１、１１に対して固着されている。

【００１２】壁面パネルの施工に際しては、型枠ボック
ス１内に横筋支持具４を、横桟１２の中央部が下方に向
かって屈曲するように挿入し、縦桟１１、１１を仕切板
７に寄りかけて、型枠ボックス１内に起立させる。これ
により、横桟１２は、仕切板７の横孔６から露出し、前
記屈曲した中央部は、横孔６のほぼ中央に位置する。

【００１３】ついで、前記仕切板７の横孔６から、各型
枠ボックス１に対して横筋３を挿入し、この横筋３を横
筋支持具４の横桟１２に載置して、図３および図４に示
すように、横孔６のほぼ中央位置に横桟１２を配設す
る。この配設作業を、縦方向に所定間隔毎に繰り返し、
型枠ボックス１の空洞８に上方からコンクリートを流し
込むと、このコンクリートが仕切板７の横孔６を介して
流出し、各型枠ボックス１全体に充填される。空洞８内
には、コンクリートの代わりにモルタルを充填してもよ
い。

【００１４】このように、この壁面パネルは、連結した
型枠ボックス１内に横筋３を所定間隔毎に配設できるの
で、壁面パネルの十分な強度を確保することができ、わ
が国の建築基準にも適合できる。

【００１５】また、前記横筋支持具４の横桟１２に載置
した横筋３は、その傾斜に沿って横桟１２の中央部まで
下降するので、各型枠ボックス１内での位置決めが容易
に行える。さらに、コンクリートまたはモルタルを充填
したときでも横桟１２の取付位置が移動しないので、壁
面パネルの安定した強度を得ることができる。

【００１６】なお、側面板５、５同士の間隔が大きな型
枠ボックス１からなる、肉厚な壁面パネルを形成する場
合には、図５に示すような横筋支持具１３を使用するこ
とができる。この横筋支持具１３の横桟１４は、下方へ
向かって傾斜する中央部の両端それぞれに水平部１５、
１５が形成されており、この水平部１５、１５によっ
て、横筋３の位置決めに十分な、前記と同じ傾斜角を形
成している。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る建
築構造物の壁面パネルは、型枠ボックスの側面板の横孔
に横筋を配設したことにより、わが国の建築基準に応じ
た十分な強度を確保することができ、当該施工が容易な
壁面パネルを国内で広く使用することができる。

【００１８】また、前記横筋支持具を型枠ボックス内に
挿入することにより、挿入した横筋の位置決めを容易に
行うことができ、コンクリート等を充填したときでもそ
の位置が移動しないので、壁面パネルの強度が安定した
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る壁面パネルの一実施形態を示す
斜視図

【図２】同上の一部拡大斜視図

【図３】同上の側面図

【図４】図３に示すIV−IV線の沿った断面図

【図５】この発明に係る横筋支持具の他の実施例を示す
拡大斜視図

【図６】従来の壁面パネルを示す拡大斜視図

【符号の説明】

１ 型枠ボックス ２ 縦筋 ３ 横筋 ４、１３ 横筋支持具 ５ 側面板 ６ 横孔 ７ 仕切板 ８ 空洞 ９ 連結溝 １０ 連結突部 １１ 縦桟 １２、１４ 横桟 １５ 水平部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する側面板と、この側面板間を仕切
   り、縦方向に複数個の横孔を有する複数の仕切板とによ
   って形成された、内部に縦方向の空洞を有する複数本の
   樹脂製の型枠ボックスを、型枠ボックスの側縁部に形成
   した連結溝と連結突部との嵌め合わせによって横方向に
   順次連結し、型枠ボックスの空洞内に縦筋を配設して、
   空洞内にコンクリートまたはモルタルを充填した建築構
   造物の壁面パネルにおいて、前記型枠ボックスの仕切板
   の横孔に、所定間隔毎に横筋を配設したことを特徴とす
   る建築構造物の壁面パネル。
2. 【請求項２】 前記型枠ボックス内に、一対の縦桟と、
   この縦桟間に掛け渡された、中央部が下方に向かって屈
   曲する横桟とからなる横筋支持具を挿入し、この横筋支
   持具の横桟に、横筋を載置していることを特徴とする請
   求項１に記載の建築構造物の壁面パネル。