JPH11106940A - 耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板 - Google Patents

耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板

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JPH11106940A
JPH11106940A JP26653797A JP26653797A JPH11106940A JP H11106940 A JPH11106940 A JP H11106940A JP 26653797 A JP26653797 A JP 26653797A JP 26653797 A JP26653797 A JP 26653797A JP H11106940 A JPH11106940 A JP H11106940A
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steel sheet
phosphate
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phosphoric acid
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Tsutomu Komori
務 小森
Kazuaki Kyono
一章 京野
Tetsuya Mega
哲也 妻鹿
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後処理工程であるリン酸塩化成処理など種々
の塗装条件の変動の影響を受けずに、安定して優れた耐
水2次密着性が得られるZn−Ni系めっき鋼板の提供。 【解決手段】 鋼板の少なくとも片面に、Ni含有率が7
〜15wt%のZn−Ni系めっき層が設けられ、かつ該Zn−Ni
系めっき層の表面にリン酸化合物皮膜を有し、好ましく
はそのリン酸化合物としてリン酸ニッケルを含有する耐
水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき鋼板と塗膜
の密着性向上に効果的なZn−Ni系めっき鋼板、特に、耐
水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】Zn−Niめっき鋼板は、同一付着量のZnめ
っき鋼板と比較して、5〜10倍の耐食性を有するため、
厳しい腐食環境に曝される自動車用鋼板として使用され
ており、自動車用鋼板としてのZn−Niめっき鋼板の適用
について、これまでに種々の検討がなされてきた。
【0003】その中でも、鋼板を水中に浸漬した場合の
鋼板と塗膜との密着性(以下、耐水2次密着性と記す)
の問題は、近年においても改善すべき課題として残って
いる。Zn−Niめっき鋼板は、めっき表面に、金属Znや酸
化亜鉛、水酸化亜鉛などが、多くしかも不均一に存在し
ているため、めっき表面の反応性が異なる。
【0004】この状態でリン酸塩化成処理(以下、化成
処理とも記す)を施すと、処理ムラが発生し、塗装後の
耐水2次密着性不良を生じる。これらの問題を解決し、
Zn−Niめっき鋼板の耐水2次密着性を改善した鋼板とし
て、特公平2−56437 号公報が開示されている。上記し
た従来技術の鋼板は、鋼板表面に設けたNi含有率が30%
以上で付着量が10mg/m2 〜1g/m2のZn−Niめっき層の上
層として、Ni含有率が8〜16%のZn−Niめっき層を設
け、かつ、めっき最表面のZnをめっき液ないしは酸液に
よって僅かに優先溶解させたNi濃化表面を有する耐水2
次密着性に優れたZn−Niめっき鋼板である。
【0005】上記した従来技術の耐水2次密着性の改善
効果は、下記、に基づくと考えられる。 :めっき表面のZnを溶解することによりめっき表面に
露出したZn−Niめっき層中の金属Niが、めっき表面の反
応性を低下させ、後工程の化成処理反応における過度の
核成長を抑制することにより、緻密なリン酸塩処理化成
皮膜を形成し、耐水2次密着性を改善する。
【0006】:めっき表層で不均一な化成処理反応を
起こす物質である金属Znや酸化亜鉛などが除去されるた
め、めっき鋼板表面での化成処理反応が均一となり、そ
の結果、耐水2次密着性が改善される。しかしながら、
めっき表面をめっき液や酸液などで溶解する場合には、
その溶解量の制御が非常に難しく、必要とされる単位時
間当たりの生産量の変化、すなわちラインスピードの変
化に伴い、Zn溶解量が安定せず、耐水2次密着性などの
品質が不安定となる問題があった。
【0007】すなわち、高ラインスピードの条件に合わ
せてZn溶解量を設定すると、低ラインスピードにおいて
過エッチングによる色調ムラや耐パウダリング性の劣化
などの問題が生じる。逆に、低ラインスピードの条件に
合わせてZn溶解量を設定すると、高ラインスピードにお
いてZn溶解量が不足し、充分な耐水2次密着性が得られ
なくなるという問題があった。
【0008】これらの不安定操業の問題を解消する方法
として、めっきの後工程においてめっき面をアノード処
理する方法が挙げられるが、電解設備が必要となり、経
済的でないばかりか操業が煩雑になるという問題があ
る。一方、耐水2次密着性は、塗膜とめっきの密着性劣
化により生じ、このため、耐水2次密着性は、塗装条
件、特に、塗装下地の形成のために行うリン酸塩化成処
理条件の影響を受けることが知られている。
【0009】すなわち、めっき鋼板は、例えば自動車用
鋼板として用いられる場合は、脱脂および上記したリン
酸塩処理などの化成処理が行われ、これにより形成され
たリン酸塩皮膜の性状が、後工程の塗装系における総合
的性能品質に大きく影響を及ぼす。しかしながら、実際
の自動車製造ラインにおいては、種々、製造条件の変動
が生じる。
【0010】すなわち、耐水2次密着性に影響を与える
塗装工程は、ある操業条件の範囲で行われているもの
の、耐水2次密着性に関して、有利な操業条件の場合も
あれば不利な操業条件の場合もあり、塗装下地形成のた
めに行うリン酸塩化成処理時の条件の変動により、安定
して耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき塗装鋼板を
製造することが困難であるという問題を有していた。
【0011】また、Zn−Niめっき鋼板の耐水2次密着性
改善については、塗装下地としてリン酸亜鉛皮膜、リン
酸鉄皮膜などのリン酸塩化成皮膜を形成させるリン酸塩
化成処理液中にニッケルイオンを添加し、リン酸塩化成
皮膜中にニッケルを共析させる方法が挙げられる。しか
し、前記した通り、実際のリン酸塩化成処理において
は、ある操業条件の範囲内で条件が変化しており、条件
によっては、上記したリン酸塩化成皮膜へのニッケルの
共析が少なくなり、充分な耐水2次密着性が得られな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、後処理工程であるリン酸塩化
成処理など種々の塗装条件の変動の影響を受けずに、安
定して優れた耐水2次密着性が得られるZn−Ni系めっき
鋼板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼板の少なく
とも片面に、Ni含有率が7〜15wt%のZn−Ni系めっき層
が設けられ、かつ該Zn−Ni系めっき層の表面にリン酸化
合物の皮膜を有することを特徴とする耐水2次密着性に
優れたZn−Ni系めっき鋼板である。前記本発明において
は、前記リン酸化合物の皮膜が、リン酸ニッケルを含有
することが好ましい。
【0014】また、前記本発明においては、前記リン酸
化合物の皮膜を有するZn−Ni系めっき鋼板の表面をESCA
で分析した際に、リン酸ニッケルのピークが検出される
Zn−Ni系めっき鋼板であることが好ましい。また、前記
本発明においては、前記リン酸化合物中のリンの合計量
が、リン酸化合物被覆単位面積当たり1mg/m2 以上、50
0mg/m2以下であることが好ましい。
【0015】また、前記本発明のリン酸化合物の皮膜を
有するZn−Ni系めっき鋼板は、該Zn−Ni系めっき鋼板の
塗装工程の前処理として少なくともリン酸塩化成処理を
施して用いられるZn−Ni系めっき鋼板として好ましく用
いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、耐水2次密着性改善のため、塗装
下地形成のためのリン酸塩化成処理時に、リン酸塩化成
皮膜中にニッケルなどのリン酸化合物を、安定して均一
に形成せしめる方法について鋭意検討した結果、下記知
見〜を見出し本発明に到達した。
【0017】:めっき層の表面に、予め、リン酸ニッ
ケルなどのリン酸化合物を被覆せしめることにより、該
リン酸化合物が、後工程であるリン酸塩化成処理時に形
成される最上層の化成皮膜中に僅かに溶解し、該化成皮
膜中に取り込まれる。 :めっき層の表面に、予め、リン酸ニッケルなどのリ
ン酸化合物を均一に付着せしめることにより、該リン酸
化合物が、後工程であるリン酸塩化成処理時に生成する
リン酸亜鉛などのリン酸塩の結晶核となり、微細で緻密
なリン酸塩の結晶が生成する。
【0018】:上記した、の作用により、後工程
であるリン酸塩化成処理時に形成される塗装下地として
のリン酸塩化成皮膜自体の性能が向上し、化成処理ムラ
の無い、耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき塗装鋼
板を安定して製造することができる。以下、本発明の作
用、効果について、前記した従来技術と対比して述べ
る。
【0019】前記しためっき最表面のZnをめっき液ない
しは酸液によって僅かに優先溶解させたNi濃化表面を有
する従来技術のZn−Niめっき鋼板の場合、めっき表面の
Niは、めっき表面のZnを酸やめっき液で溶解した結果生
成する、酸やめっき液で溶解され難い金属Niであり、化
成処理反応によりこの金属Niは溶解されず、化成処理皮
膜に取り込まれない。
【0020】すなわち、前記した従来技術の場合、後工
程で形成される化成処理皮膜自体の組成はなんらの変化
も受けない。このため、この方法の場合、化成処理条件
によっては、耐水2次密着性不良が生じる。これに対し
て、本発明の鋼板は、化成処理条件の変化に依存するこ
となく、安定して優れた耐水2次密着性を有する。
【0021】この理由としては、本発明のZn−Ni系めっ
き鋼板は、めっき表面に存在しているリン酸ニッケルな
どのリン酸の金属塩が、リン酸亜鉛などによる化成処理
皮膜形成時に僅かに溶解し、化成処理皮膜中に取り込ま
れるためと考えられる。この結果、化成処理皮膜自体の
性能が向上し、化成処理条件の変動に依存せずに安定し
て優れた耐水2次密着性を有することとなる。
【0022】さらに、本発明によれば、めっき層の表面
に、リン酸化合物を予め均一に付着させることにより、
該リン酸化合物が、後工程における化成処理反応によっ
て生じるリン酸亜鉛などの結晶核となり、微細で緻密な
リン酸塩処理結晶が生成する。以上述べた複合効果によ
り、化成処理条件の変動に依存することなく、安定して
優れた耐水2次密着性を有する塗膜が得られる。
【0023】このように、本発明のZn−Ni系めっき鋼板
によれば、めっき表面に存在するリン酸ニッケルなどリ
ン酸化合物の存在により、化成処理時に、化成処理皮膜
中にニッケルなどの金属元素が安定的に供給され、安定
して優れた耐水2次密着性が得られたものと考えられ
る。次に、本発明における(1) 下地鋼板であるZn−Ni系
めっき鋼板、(2) リン酸化合物、(3) リン酸の金属塩お
よび(4) リン酸化合物中のリンの合計量について述べ
る。
【0024】(1) Zn−Ni系めっき鋼板(下地鋼板):本
発明におけるZn−Ni系めっき鋼板のZn−Ni系めっき層の
Ni含有率は、7〜15wt%であることが好ましい。めっき
層のNi含有率が7wt%未満の場合、Zn−Ni系めっきの耐
食性が低下するため好ましくなく、逆に、15wt%を超え
ると、めっき層と鋼板の密着性が低下し、パウダリング
などの問題が生じる。
【0025】また、本発明に係わるZn−Ni系めっき鋼板
のZn−Ni系めっき層には、例えばCo、Fe、Cr、Al、P 、
Mn、Mo、それらの酸化物およびCなどから選ばれる1種
または2種以上の元素が添加されていてもよい。 (2) リン酸化合物:本発明におけるリン酸化合物として
は、ナトリウム、カリウム、ニッケル、コバルト、鉄、
亜鉛、マンガンなどから選ばれる1種以上と化合した、
水または酸に溶解するリン酸化合物が例示され、これら
を2種以上併用してもよい。
【0026】また、本発明におけるリン酸化合物は、下
記に述べるように、少なくともリン酸の金属塩を含有す
ることが重要である。 (3) リン酸の金属塩:本発明によれば、めっき層の表面
には、リン酸ニッケルのようなリン酸に溶解するリン酸
の金属塩の存在が重要である。
【0027】めっき層の表面に金属ニッケルなど金属の
みが存在する場合は、耐水2次密着性の改善効果が無
い。これに対して、めっき層の表面に、金属ニッケルな
どの金属ばかりでなくリン酸ニッケルなどリン酸の金属
塩が存在する場合、または、金属ニッケルが存在せずリ
ン酸ニッケルなどリン酸の金属塩のみが存在する場合
に、耐水2次密着性の改善が達成された。
【0028】すなわち、リン酸塩化成処理反応が起こる
めっき最表面に、予めリン酸塩皮膜を形成し、該皮膜中
にニッケルなど金属元素を金属以外の形態で析出せしめ
ることによって、耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっ
き鋼板が達成できる。本発明においては、めっき層の表
面に形成するリン酸化合物の皮膜が、リン酸ニッケルを
含有することが好ましい。
【0029】これは、次工程で形成される化成皮膜中に
リン酸ニッケルが取り込まれるため、耐水二次密着性が
高性能で安定化するためである。また、上記リン酸化合
物の皮膜が、リン酸ニッケルの他に、リン酸亜鉛、リン
酸ナトリウムおよびリン酸コバルトからなる群より選ば
れる1種以上のリン酸の金属塩を含有してもよい。
【0030】上記したリン酸ニッケルの存在の有無は、
リン酸化合物の皮膜を有するZn−Ni系めっき鋼板の表面
をESCAで分析した際のリン酸ニッケルのピークの有無で
判定できる。めっき表面をESCAで分析した際に、リン酸
ニッケルのピークが存在しない場合には、耐水2次密着
性が不安定となる。
【0031】なお、本発明においては、後記の実施例で
示されるESCAの分析条件において、リン酸ニッケルのピ
ーク強度が100cps以上であることが好ましい。また、ES
CAによりリン酸ニッケルのピークが検出されるために
は、リン酸ニッケル中のNiが全表面元素の3%以上存在
することが必要である。 (4) リン酸化合物中のリンの合計量:Zn−Ni系めっき層
の表面のリン酸ニッケルなどリン酸化合物中のリンの合
計量は、リン酸化合物被覆単位面積当たり1mg/m2
上、500mg/m2以下であることが好ましい。
【0032】リンの合計量が1mg/m2 未満の場合、耐水
2次密着性の改善効果が小さく、逆に500mg/m2を超える
と、リン酸化合物がめっき表面を厚く覆ってしまい、め
っき表面の反応性が低下し、化成処理反応が起こらなく
なり、耐水2次密着性が不良となる。
【0033】
〔Zn−Niめっき浴組成、液温:〕
Znイオン源:ZnSO4 ・7H2O Niイオン源:NiSO4 ・6H2O めっき液中(Zn+Ni)イオン濃度:1.5 〜2.2 モル/l めっき液中〔Ni/(Zn+Ni)〕イオン濃度比:0.5 〜0.
7 Na2SO4 :0〜50g/l 液pH :1.3 〜1.6 液温 :55〜65℃ 〔Zn−Niめっき条件:〕 めっき電流密度:50〜150 A/dm2 めっき付着量 :18〜28g/m2 鋼板にZn−Ni合金電気めっきを施した後、表1に示す組
成、pH、液温の後処理液A,B,C,Dを用いてZn−Ni
めっき層の表面を処理した(処理時間:0〜20秒)。
【0034】このように後処理を行った各種Zn−Niめっ
き鋼板について、化成処理性、耐水2次密着性、耐食性
およびめっき密着性を下記に示す方法で評価した。 〔化成処理性:〕上記後処理を行ったZn−Niめっき鋼板
に、化成処理液〔商品名;サーフダインSD2500MZL 、日
本ペイント(株)社製〕による化成処理を施した後、化
成処理ムラを目視により観察し、下記基準に基づき評価
した。
【0035】(評価基準) 1:全面に化成処理ムラが有る 2:ムラが多い 3:ムラが少ない 4:僅かにムラが有る 5:ムラが無い 〔耐水2次密着性:〕上記後処理を行ったZn−Niめっき
鋼板に、化成処理液〔商品名;サーフダインSD2500MZL
、日本ペイント(株)社製〕による化成処理を施した
後、カチオン電着塗装(塗膜厚み:20μm)、中塗り塗
装(塗膜厚み:35μm)、上塗り塗装(塗膜厚み:35μ
m)を行い、塗装後のサンプルを50℃の純温水中に10日
間浸漬した後、塗膜に2mm間隔でカッターナイフで碁盤
目状に地鉄に達する傷を入れ、その部分をテープ剥離し
た時の塗膜の剥離面積率を測定し、下記基準で評価し
た。
【0036】(評価基準) 1:塗膜の剥離面積率が50%以上 2:塗膜の剥離面積率が20%以上、50%未満 3:塗膜の剥離面積率が5%以上、20%未満 4:塗膜の剥離面積率が1%以上、5%未満 5:塗膜の剥離面積率が1%未満 〔耐食性:〕上記後処理を行ったZn−Niめっき鋼板を、
無塗装のまま塩水噴霧試験(JIS Z-2371)に7日間供し
た後、赤錆面積率により、下記基準で評価した。
【0037】(評価基準) 1:赤錆面積率が80%以上 2:赤錆面積率が50%以上、80%未満 3:赤錆面積率が20%以上、50%未満 4:赤錆面積率が5%以上、20%未満 5:赤錆面積率が5%未満 〔めっき密着性:〕上記後処理を行ったZn−Niめっき鋼
板を180 度曲げた後、180 度に折り曲げ加工した鋼板の
外面側にセロハンテープを貼り付け、加工部においてセ
ロハンテープと加工部を密着させた後、セロハンテープ
を剥離し、セロハンテープへ剥離、付着しためっきの量
を目視観察した。
【0038】なお、上記しためっき密着性試験において
剥離量が多い場合については、上記曲げ加工を行わない
状態(平板)でセロハンテープを貼り、セロハンテープ
と鋼板を密着させた後、セロハンテープを剥離し、セロ
ハンテープへ剥離、付着しためっきの量を目視観察し
た。評価基準は下記の通りとした。
【0039】(評価基準) 1:加工なしの状態でも剥離する 2:加工なしの状態では剥離しないが、180 度折り曲げ
加工で、加工部での剥離量が多い 3:180 度折り曲げ加工で、剥離量が少ない 4:180 度折り曲げ加工で、僅かに剥離する 5:180 度折り曲げ加工で、加工部でも全く剥離が生じ
ない 〔めっき表面の分析:〕ESCA(Electron Spectroscopy
for Chemical Analysis :V.G.Scientific社製ESCA LAB
5)を用いて、下記分析条件下で、上記後処理を行ったZ
n−Niめっき鋼板の表面を分析し、Ni−2Pの光電子スペ
クトルに基づき、めっき表面におけるリン酸Niのピーク
の有無を調べた。
【0040】〔ESCAの分析条件:〕 X線源強度 ;100w(10keV 、10mA) X線源の種類;Mg-Kα線(1253.6eV ) 以上述べた性能試験結果を、実験条件と合わせて表2に
示す。また、図1(a) 、(b) 、(c) それぞれに、本発明
のZn-Ni めっき鋼板(実施例6)、従来のZn-Ni めっき
鋼板(比較例3)、(比較例6)のめっき表面のESCAに
よる分析結果を示す。
【0041】表2に示す結果から明らかなように、本発
明のZn−Ni系めっき鋼板は、優れた耐水2次密着性を有
していることがわかった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
化成処理時にムラが発生せず、耐水2次密着性に優れた
Zn−Ni系めっき鋼板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のZn-Ni めっき鋼板(a) 、従来のZn-Ni
めっき鋼板(b) 、(c) のめっき表面のESCAによる分析結
果を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面に、Ni含有率が7
    〜15wt%のZn−Ni系めっき層が設けられ、かつ該Zn−Ni
    系めっき層の表面にリン酸化合物の皮膜を有することを
    特徴とする耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼
    板。
  2. 【請求項2】 前記リン酸化合物の皮膜がリン酸ニッケ
    ルを含有することを特徴とする請求項1記載の耐水2次
    密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 前記リン酸化合物の皮膜を有するZn−Ni
    系めっき鋼板の表面をESCAで分析した際に、リン酸ニッ
    ケルのピークが検出されることを特徴とする請求項1記
    載の耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 前記リン酸化合物中のリンの合計量が、
    リン酸化合物被覆単位面積当たり1mg/m2 以上、500mg/
    m2以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに
    記載の耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 前記Zn−Ni系めっき層の表面にリン酸化
    合物の皮膜を有するZn−Ni系めっき鋼板が、該Zn−Ni系
    めっき鋼板の後処理工程として、少なくともリン酸塩化
    成処理および塗装を施して用いられるZn−Ni系めっき鋼
    板であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載
    の耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板。
JP26653797A 1997-09-30 1997-09-30 耐水2次密着性に優れたZn−Ni系めっき鋼板 Pending JPH11106940A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7803428B1 (en) 2005-03-03 2010-09-28 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Method for deposition of steel protective coating

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