JPH11106932A - 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置

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JPH11106932A
JPH11106932A JP28905397A JP28905397A JPH11106932A JP H11106932 A JPH11106932 A JP H11106932A JP 28905397 A JP28905397 A JP 28905397A JP 28905397 A JP28905397 A JP 28905397A JP H11106932 A JPH11106932 A JP H11106932A
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film
deposited film
film forming
circle
forming
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JP28905397A
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English (en)
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Kazuhiko Takada
和彦 高田
Tatsuyuki Aoike
達行 青池
Kazuyoshi Akiyama
和敬 秋山
Toshiyasu Shirasago
寿康 白砂
Tatsuji Okamura
竜次 岡村
Hitoshi Murayama
仁 村山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、均質で良質な欠陥の少ない膜を高速
度で効率よく、ロット間のばらつきが少なく、安定的に
安価に形成し得る堆積膜形成方法及び装置を提供するこ
とを目的としている。 【解決手段】本発明は、真空気密可能な成膜炉内に複数
の円筒状基体を同一円周上に回転可能に配置し、該円筒
状基体の配置円内に導入した原料ガスを高周波エネルギ
ーによって分解することにより、前記円筒状基体上に堆
積膜を形成する堆積膜形成方法において、前記円筒状基
体の配置円内と配置円外との圧力差により前記円筒状基
体の配置円内にプラズマを閉じ込め、成膜炉内面にバイ
アス電圧を印加して堆積膜を形成することを特徴とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基体上に堆積膜、と
りわけ機能性堆積膜、特に半導体デバイス、電子写真用
光受容部材、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイ
ス、光起電力デバイス等に用いる、アモルファス半導体
を形成する高周波プラズマCVDによる堆積膜形成方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、電子写真用光受容部
材、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電
力デバイス、またその他の各種エレクトロニクス素子等
に用いる素子部材として、アモルファスシリコン、例え
ば水素または/及びハロゲンで補償されたアモルファス
シリコン等のアモルファス材料で構成された半導体等用
の堆積膜が提案され、その中のいくつかは実用化されて
いる。しかし、これらのデバイスのいくつかは、その生
産において特性やコスト等の面で問題を持っているもの
もある。例えば電子写真用光受容部材を製造する場合で
は、比較的大面積に堆積膜を形成することもあり、堆積
膜の膜厚や電気特性を均一に、しかも膜欠陥を少なく形
成することが難しく、充分な生産性や歩留りを確保出来
る堆積膜の形成方法が求められている。こうした堆積膜
は、プラズマCVD法、即ち原料ガスを直流又は高周
波、マイクロ波グロー放電によって分解し、ガラス、石
英、耐熱性合成樹脂フィルム、ステンレス、アルミニウ
ム、等の材質の基板上に薄膜状の堆積膜を形成する方法
により形成されることが知られており、そのための装置
も各種提案されている。
【0003】その中の一つである特開平8−23207
0号公報には、円筒状基体上に堆積膜を形成する堆積膜
形成装置において、高周波電力を導入するための電極
を、導電性材料を母材とし、表面をセラミックス材で被
覆することによって構造欠陥の少ない堆積膜を形成する
方法が記載されている。こうしたPCVD法による堆積
膜形成装置は、例えば図2の概略図で示される構成のも
のである。図2において、(A)は該略縦断面図、
(B)はX−X’における横断面図であり、201は成
膜炉であり、真空気密構造をなしている。206は高周
波ケーブルで、整合器を介して204高周波電源に接続
されている。203排気口は一端が成膜炉201に開口
し、他端が排気装置(図示せず)に連通している排気管
である。207は堆積膜形成用の基体である。209は
成膜炉に原料のガスを導くためのガス供給管で流量制御
部(図示せず)を介して原料ガスボンベに接続されてい
て、前記ガス供給管に複数の開孔口を設け均一にガスを
放出する為のガス放出ノズルである。
【0004】こうした従来の堆積膜形成装置による堆積
膜形成は以下のようにおこなわれる。成膜炉内に基体を
設置する。即ち、真空ポンプ(図示せず)により、成膜
炉内を排気し、成膜炉内圧を例えば10Paに調整し、
次いで基体ホルダーに内蔵されたヒーター(図示せず)
に通電して基体の温度を膜の堆積に好適な温度に加熱保
持する。例えばアモルファスシリコン堆積膜を形成する
場合であれば、原料ガス供給管を介して、シランガス等
の原料ガスが成膜炉内に導入される。それと同時に高周
波電源に通電して例えば、周波数105MHzの高周波
を発生させ、高周波ケーブルを通じ、整合器を介して成
膜炉に高周波エネルギーを導入させる。かくして、成膜
炉内のガスは、高周波エネルギーにより励起されて解離
すると同時に、円筒状基体表面に堆積膜が形成されると
ころとなる。上述のような装置及び方法を用いることに
より、比較的厚い機能性堆積膜をある程度高速の堆積速
度のもとに製造することが可能となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によれば、上記のような改良がなされた技術
においても、より高速の堆積速度で膜形成を行う場合に
は得られる製品において以下のような課題があることが
明らかとなった。近年、電子写真装置の画像特性向上の
ために電子写真装置内の光学露光系、現像装置、転写装
置等の改良がなされた結果、電子写真用光受容部材にお
いても、従来以上の画像特性の向上が求められるように
なった。画像の解像力が向上した結果、黒点状又は白点
状の画像欠陥の減少、特に従来あまり問題にならなかっ
た微小な大きさの画像欠陥の減少が求められるようにな
ってきた。画像欠陥に関してはその原因の主なものとし
て、長時間成膜による炉内への膜の堆積が厚い膜とな
り、それが剥離、飛散し、円筒状基体へ付着し、それが
異常成長したものがある。一方、放電の不安定は円筒状
基体の電気特性例えば残留電位にも影響を与える。これ
ら画像欠陥の発生や電気特性の低下の原因となるものを
無くすには成膜装置上で様々な改良が必要である。そし
て、これらの課題を解決し、画像欠陥が少なく電気特性
に優れた電子写真用光受容部材を安定にかつ早く、安く
生産することが重要である。
【0006】そこで、本発明は、上記した従来の堆積膜
形成方法または装置における諸課題を解決し、均質で良
質な欠陥の少ない膜を高速度で効率よく、ロット間のば
らつきが少なく、安定的に安価に形成し得る堆積膜形成
方法及び装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、堆積膜形成方法及び装置をつぎのように構
成したことを特徴としている。すなわち、本発明の堆積
膜形成方法は、真空気密可能な成膜炉内に複数の円筒状
基体を同一円周上に回転可能に配置し、該円筒状基体の
配置円内に導入した原料ガスを高周波エネルギーによっ
て分解することにより、前記円筒状基体上に堆積膜を形
成する堆積膜形成方法において、前記円筒状基体の配置
円内と配置円外との圧力差により前記円筒状基体の配置
円内にプラズマを閉じ込め、成膜炉内面にバイアス電圧
を印加して堆積膜を形成することを特徴としている。ま
た、本発明の堆積膜形成方法は、前記円筒状基体の配置
円内と配置円外との圧力差が、前記配置円内の圧力が配
置円外の圧力に比して2倍以上高い圧力差であることを
特徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前
記成膜炉内面に、板状のバイアス電極を配置することを
特徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前
記バイアス電極が、取りはずし可能であることを特徴と
している。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記板状
のバイアス電極が、放電空間側の表面粗さを2.0S以
上にすることを特徴としている。また、本発明の堆積膜
形成方法は、前記高周波エネルギーが、周波数が50M
Hz以上450MHz以下であることを特徴としてい
る。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記バイアス電
圧が、50V以上または−50V以下の直流、または1
00KHz以下の交流、あるいは該直流と該交流を重畳
したもののいずれかであることを特徴としている。ま
た、本発明の堆積膜形成装置は、複数の円筒状基体が同
一円周上に配置される成膜空間を有する真空気密可能な
成膜炉と、前記円筒状基体を回転させる手段と、原料ガ
スを前記円筒状基体の配置円内に導入する手段と、高周
波電源から高周波エネルギーを前記円筒状基体の配置円
内に導入する手段とを有する堆積膜形成装置において、
前記成膜炉内面にバイアス電圧を印加する手段を備えた
ことを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置
は、前記成膜炉内面には、板状のバイアス電極を配置し
たことを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装
置は、前記バイアス電極が、取りはずし可能であること
を特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置は、
前記板状のバイアス電極は、放電空間側の表面粗さが
2.0S以上であることを特徴としている。また、本発
明の堆積膜形成装置は、前記高周波電源が、周波数が5
0MHz以上450MHz以下の高周波エネルギーを前
記円筒状基体の配置円内に導入するものであることを特
徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置は、前記
バイアス電圧を印加する手段が、50V以上または−5
0V以下の直流、または100KHz以下の交流、ある
いは該直流と該交流を重畳したもののいずれかであるこ
とを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来の装置におけ
る前述の問題点を克服すべく鋭意研究を続けた結果、以
下の知見を得、本発明を完成するに至った。すなわち、
良質膜を高速に成膜するために、高周波エネルギーの中
でも特にVHFを使用し、かつハイパワーで行うことが
好ましい手段であることがわかった。だが、このような
方法で成膜すると円筒状基体の配置円内にある放電空間
が円外に広がり易くなってプラズマが漏れ、放電が不安
定になる場合がある。これを防ぐ為に円筒状基体の配置
円内の圧力を円外の圧力に対して2倍以上の圧力差とす
ることで配置円内にプラズマを閉じ込めることが可能に
なり、より安定して円筒状基体上に良質膜が高速で成膜
できることを見い出した。
【0009】しかしながら、実際に電子写真用光受容部
材を作ったところ良質な膜は高速成膜できたものの画像
欠陥の数の増加が認められた。この原因を調査したとこ
ろ、配置円内から漏れた原料ガスの分解種が成膜炉の内
面に付着して堆積するが、上記のような条件で成膜した
場合、成膜炉内面に付着した膜の付着力が弱いことが判
明した。これにより、成膜炉内面より剥離して飛散した
膜片が円筒状基体へ付着し画像欠陥の原因になることが
わかった。そこで、本発明者らは成膜炉内面へ付着する
膜の付着力を高めるための検討を行ったところ、成膜炉
の内面にバイアス電圧を印加することにより成膜炉内面
に堆積する膜の付着力が強まり剥離しにくい膜が堆積す
ることを見い出した。その結果、画像特性のよい電子写
真用光受容部材を短時間でロット間のばらつきを少なく
安定して成膜できることを見い出したものである。
【0010】このような見知に基づいて完成するに至っ
た本発明の一つの実施の形態について、以下、図面に基
づいて具体的に説明する。図1は本発明の堆積膜形成装
置の好ましい一例を示す図であり、(A)は該略縦断面
図、(B)はX−X’における横面図である。図1にお
いては101は成膜炉であり、真空気密化構造をなして
いる。102は発明の板状のバイアス電極であり110
は102バイアス電極に印加するための可変式電源であ
る。103は一端が成膜炉内に開口し、他端が排気装置
(図示せず)に直通している排気管である。107は堆
積膜形成用の基体である。108は電極であり105整
合器と104電源に接続されている。但し、前記電極は
成膜炉101と完全に絶縁されている。109は成膜炉
内に原料ガスを導くためのガス供給管で流量制御部(図
示せず)を介して原料ガスボンベに接続されていて、前
記供給ガス管上に複数の開口を設け、均一にガスを放出
させるためのガス放出ノズルである。
【0011】以上が本発明の基本装置構成の一例であ
る。本発明の膜形成装置を用いた堆積膜形成方法は、例
えば、以下のような手順により行われる。まず、成膜炉
101内に円筒状基体107を設置する。次に排気口1
03を通じて真空ポンプ(図示せず)により反応容器内
を所望の圧力まで排気する。次にヒーターをONの状態
とし前記基体を外部モーターにより回転させながら所定
の温度まで加熱を行う。基体温度が所定の値で一定とな
ったら次にガス供給管を通じて、膜の原料となるガスを
反応容器内に導入する。ガスの流量が安定したら、排気
バルブ(図示せず)を調整し、真空ゲージ(図示せず)
を観察しながら成膜炉内の内外の圧力を所定の値に調整
する。次に以上の準備が整った後、高周波電源に通電し
高周波を発生させ高周波導入部を通じ、反応容器内の放
電空間にプラズマを形成する。同時に、予め所定の電圧
となるように電圧設定のなされた可変式電源110をO
Nの状態とし、板状バイアス電極102に所定の電圧を
印加する。かくしてプラズマ電位の制御が行われた状態
で円筒状基体107上に堆積膜の形成が行われる。この
ような状態を一定時間維持し、所定の膜厚の堆積膜を得
る。
【0012】本発明での堆積膜の原料ガスとしては、例
えばシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)等のア
モルファスシリコン形成原料ガス、ゲルマン(GeH
4)、メタン(CH4)等の他の機能性堆積膜形成原料ガ
ス又は、それらの混合ガスが挙げられる。希釈ガスとし
ては水素(H2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(H
e)等が挙げられる。又、堆積膜のバンドギャップ幅を
変化させる等の特性改善ガスとして、窒素(N2)、ア
ンモニア(NH3)等の窒素原子を含む元素、酸素(O
2)、酸化窒素(NO)、酸化二窒素(N2O)等酸素原
子を含む元素、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、
エチレン(C2H4)、アセチレン(C2H2)、プロパン
(C3H8)等の炭化水素、四フッ化ケイ素(SiF
4)、六フッ化ケイ素(Si2F6)、四フッ化ゲルマニ
ウム(GeF4)等のフッ化物又はこれらの混合ガスが
挙げられる。また、ドーピングを目的としてジボラン
(B2H6)、フッ化ほう素(BF3)、ホスフィン(P
H3)等ドーパントガスを同時に放電空間に導入しても
本発明は同様に有効である。
【0013】基体材料としては例えば、Al,Cr,M
o,Au,In,Nb,Ni,Cu,Ag,Te,P
t,Pd,Fe,Zn,W等の金属、及びこれらの合
金、例えば、ステンレス等が挙げられる。又はポリエス
テル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースア
セテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミックス等の電気絶縁性基体の表面を
導電処理した基体が本発明では以下通常使用される。本
発明は、例えば、複写機又はプリンター用の阻止型アモ
ルファスシリコン感光体や高抵抗形アモルファスシリコ
ン感光体のほか、良好な電気的特性の機能性堆積膜を要
求される他のいずれのデバイスの作成にも応用が可能で
ある。
【0014】本発明での堆積膜形成時の基体温度はいず
れの温度でも有効だが、特に20℃以上500℃以下、
好ましくは100℃以上350℃以下が良好な結果を示
すため望ましい。高周波電極に印加する周波数は50M
Hz以上450MHz以下、好ましくは、50MHz以
上250MHz以下が良好な結果を示す。周波数が50
MHz未満や450MHzを越える場合には、条件によ
っては放電維持が困難になる場合がある。円筒状基体の
配置円内の圧力を配置円外に対して2倍以上にする手段
として、特に制限はないが、例えば、円筒状基体どうし
の間隔を調整する、原料ガスや希釈ガスの流量を調整す
る、排気速度を調整するなどがあげられる。
【0015】また、成膜炉内面に印加するバイアス電圧
は堆積する膜の膜質に応じて正又は負の直流、交流又
は、直流と交流を重畳したもの等の好ましい方式を用い
る。直流の場合、バイアスに印加する電圧は正ならば5
0V以上500V以下が好ましい。負ならば−50V以
下−500V以上が望ましい。印加するバイアス電圧は
低いと欠陥の低減の効果が少なく、高いと成膜炉内面か
ら異常放電が発生しやすくなり堆積膜の膜質の低下等の
原因となる。交流をバイアス印加する場合は100KH
z以下で実効電圧が50V以上500V以下の正弦波も
しくは矩形波が望ましい。バイアス電圧の印加方法は成
膜炉内面に直接印加する方法、もしくは板状のバイアス
電極を成膜炉内面に装着し該板状のバイアス電極にバイ
アス電圧を印加する方法でもよい。そして、この板状の
バイアス電極は取り外し可能な形態にすると成膜炉のメ
ンテナンスが容易になり好ましい。バイアス電極の材質
は、ステンレス、Al,Cr,Mo,Au,In,N
b,Ni,Cu,Ag,Te,Pt,Fe,Zn,W等
の金属及びこれらの合金が本発明で使用される。該バイ
アス電極の表面粗さを2.0S以上好ましくは4.0S
以上とするのが望ましい。成膜炉内面または、板状のバ
イアス電極はその表面粗さを2.0S以上にすることで
堆積する膜との密着性がより向上し、堆積膜の欠陥低減
により一層の効果が得られる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を、従来の方法による比較例
と共に説明する。なお、本発明はこれらの例によって限
定されるものではない。 [実施例1]図1に示す堆積膜形成装置を用い、円筒状
基体107として長さ358mm、外径80mmのAl
製シリンダーを用い、該円筒状基体107上に表1に示
す条件で電荷注入阻止層、光導電層及び表面保護層から
なる電子写真用光受容部材を作製した。高周波電源10
4は105MHzの発振器を用い、該円筒状基体107
の加熱は該円筒状基体107内に設置した加熱用ヒータ
ー(図示せず)を用いて行った。成膜炉101の内面に
設置した板状バイアス電極102に可変式電源110よ
り−50Vから−500Vの直流バイアス電圧を印加
し、電子写真用光受容部材をおのおの10回作製した。
【0017】(比較例1)実施例1において、成膜炉1
01の内面に設置した板状バイアス電極102に、直流
バイアス電圧を印加しない以外は実施例1と同様にし
て、電子写真用光受容部材を10回作製した。
【0018】
【表1】 実施例1、比較例1で作製した電子写真用光受容部材を
次の方法で評価した。 ・球状突起密度 各々の電子写真用光受容部材の表面を光学顕微鏡で観察
し、同一面積内での直径10μm以上の球状突起の個数
を調べた。 ・白ポチ数 各々の電子写真用光受容部材を電子写真装置(キヤノン
社製NP−6060を実験用に改造したもの)にセット
して、キヤノン製全面黒チャート(部品番号:FY9−
9073)を原稿台に置きコピーしたときに得られたコ
ピー画像の同一面積内にある直径0.2mm以上の白ポ
チの個数を調べた。
【0019】
【表2】 以上の評価を行った結果を表2に示す。表2からわかる
ように実施例1で作製した電子写真用光受容部材がバイ
アス電圧を印加することで球状突起密度と白ポチ数が比
較例1の電子写真用光受容部材と比べて少なくなる。以
上の結果より、本発明に従えば、画像欠陥が少ない電子
写真用光受容部材を形成することができ、本発明の効果
が判明した。
【0020】[実施例2]図1に示した堆積膜形成装置
において、円筒状基体107の配置円内と円外の圧力差
を2倍から4倍とし、成膜炉101の内面に設置した板
状バイアス電極102に−300Vの直流バイアス電圧
を印加した以外は、実施例1と同様の条件で成膜し、電
子写真用光受容部材を作製した。
【0021】(比較例2)実施例2において、円筒状基
体107の配置円内と円外の圧力差を1.5倍とした以
外は実施例2と同様にして、電子写真用光受容部材を作
製した。実施例2と比較例2で作製した電子写真用光受
容部材の残留電位と各々の電子写真用光受容部材の作製
中での放電安定性を次の方法で評価した。 ・放電安定性 電子写真用光受容部材の作製中の放電安定性を評価する
ため、電極108に流れ込む電流の直流成分を測定し、
この電流値の振れ幅を評価した。つまり放電が不安定で
あるほど電流値の振れ幅が大きくなり、放電が安定して
いるほど振れ幅が小さいことになる。そして、比較例2
の電子写真用光受容部材の作製中の電極108に流れ込
む電流の直流成分の電流値の振れ幅を1として相対評価
をおこなった。 ・残留電位 電子写真用光受容部材を一定の暗部表面電位に帯電さ
せ、直ちに最大画像露光量の光を照射した。光源はハロ
ゲンランプを用い、フィルターを用いて600nm以上
の波長域の光を除いた光を照射した。この時、表面電位
計により、電子写真用光受容部材の明部表面電位の平均
をもって、残留電位とした。そして、比較例2で得られ
た電子写真用光受容部材の残留電位を1として相対評価
をおこなった。
【0022】
【表3】 以上の評価を行った結果を表3に示す。表3からわかる
ように比較例2に比べて実施例2で作製したいずれの電
子写真用光受容部材でも残留電位は少なく、放電安定性
に優れている。以上の結果より、本発明に従えば、画像
欠陥が少ない電子写真用光受容部材を形成することがで
き、本発明の効果が判明した。
【0023】[実施例3]図1に示した堆積膜形成装置
において、板状バイアス電極102を外して成膜炉10
1の内面に直接−100Vの直流バイアス電圧を印加し
た以外は、実施例1と同様の条件で成膜し、電子写真用
光受容部材を作製した。実施例3で作製した電子写真用
光受容部材を実施例1と同様の手順で球状突起密度、白
ポチ数を調べた。その結果、実施例3で作製した電子写
真用光受容部材の球状突起密度と白ポチ数は、実施例1
で作製した電子写真用光受容部材と同様の結果が得ら
れ、本発明に従えば、画像欠陥が少ない電子写真用光受
容部材を形成することができ、本発明の効果が判明し
た。
【0024】[実施例4]図1に示した堆積膜形成装置
において、成膜炉101の内面に設置した板状バイアス
電極102の表面粗さを2.0Sから6.0Sの範囲で
変化させて、他の条件は実施例1と同様の条件で成膜
し、電子写真用光受容部材を作製した。
【0025】(比較例3)実施例4において、成膜炉1
01の内面に設置した板状バイアス電極102の表面粗
さを1.0Sとした以外は実施例4と同様にして、電子
写真用光受容部材を作製した。実施例4、比較例3で作
製した電子写真用光受容部材を実施例1と同様の手順で
球状突起密度、白ポチ数を調べた。
【0026】
【表5】 以上の評価を行った結果を表5に示す。表5からわかる
ように実施例4で作製したいずれの電子写真用光受容部
材でも球状突起密度と白ポチ数が比較例3の電子写真用
光受容部材と比べて少ない。この結果、表面粗さが2.
0S以上で本発明の効果が特に顕著に得られ、画像欠陥
が少ない電子写真用光受容部材を形成可能であることが
確認された。
【0027】[実施例5]図1に示した堆積膜形成装置
において、成膜炉101の内面に設置した板状バイアス
電極102に直流バイアス電圧を50Vから500Vの
範囲で変化させて、他の条件は実施例1と同様の条件で
成膜し、電子写真用光受容部材を作製した。実施例5で
作製した電子写真用光受容部材を実施例1と同様の手順
で球状突起密度、白ポチ数を調べた。
【0028】
【表6】 以上の評価を行った結果を表6に示す。表6からわかる
ように実施例5で作製したいずれの電子写真用光受容部
材も直流バイアス電圧50V以上で球状突起密度と白ポ
チ数が比較例1の電子写真用光受容部材と比べて特に少
ない。この結果、直流バイアス電圧が50V以上で本発
明の効果が特に顕著に得られ、画像欠陥が少ない電子写
真用光受容部材を形成可能であることが確認された。
【0029】[実施例6]図1に示した堆積膜形成装置
において、高周波電源104の周波数を20MHzから
500MHzの範囲で変化させて、成膜炉101の内面
に設置した板状バイアス電極102に−300Vの直流
バイアス電圧を印加し、他の条件は実施例1と同様の条
件で成膜し、電子写真用光受容部材を作製した。実施例
6で作製した電子写真用光受容部材を実施例1と実施例
2と同様の手順で球状突起密度、白ポチ数、放電安定性
を調べた。
【0030】
【表7】 以上の評価を行った結果を表7に示す。表7からわかる
ように実施例6で作製した電子写真用光受容部材の球状
突起密度、白ポチ数および電子写真用光受容部材の作製
中の放電安定性が、高周波電源の周波数が50MHzか
ら450MHzの範囲で特に良好な結果となることがわ
かった。この結果、高周波電源の周波数が50MHzか
ら450MHzの範囲で本発明の効果が特に顕著に得ら
れ、画像欠陥が少ない電子写真用光受容部材を形成可能
であることが確認された。
【0031】[実施例7]図1に示した堆積膜形成装置
において、成膜炉101の内面に設置した板状バイアス
電極102に実効値300Vの交流周波数10KHzの
バイアス電圧を印加し、可変式電源110と成膜炉10
1の間にローパスフィルター(高周波電源104からの
干渉を防止するため)を接続し、他の条件は実施例1と
同様の条件で成膜し、電子写真用光受容部材を作製し
た。実施例7で作製した電子写真用光受容部材を実施例
1と同様の手順で球状突起密度、白ポチ数を調べた。そ
の結果、実施例7で作製した電子写真用光受容部材の球
状突起密度と白ポチ数が、実施例1のバイアス電圧−3
00Vを印加して作製した電子写真用光受容部材と同様
の結果が得られ、本発明に従えば、画像欠陥が少ない電
子写真用光受容部材を形成することができ、本発明の効
果が判明した。
【0032】[実施例8]図1に示した堆積膜形成装置
において、成膜炉101の内面に設置した板状バイアス
電極102に直流電圧300Vと実効値300Vの交流
周波数100KHzのバイアス電圧を重畳して印加し、
他の条件は実施例1と同様の条件で成膜し、電子写真用
光受容部材を作製した。実施例8で作製した電子写真用
光受容部材を実施例1と同様の手順で球状突起密度、白
ポチ数を調べた。その結果、実施例8で作製した電子写
真用光受容部材の球状突起密度と白ポチ数が、実施例1
のバイアス電圧−300Vを印加して作製した電子写真
用光受容部材と同様の結果が得られ、本発明に従えば、
画像欠陥が少ない電子写真用光受容部材を形成すること
ができ、本発明の効果が判明した [実施例9]図1に示した堆積膜形成装置において、円
筒状基体107上に表8に示す成膜条件で、成膜炉10
1の内面に設置した板状バイアス電極102に−300
Vの直流バイアス電圧を印加した以外は、実施例1と同
様の条件で、電子写真用光受容部材を10回作製した。
【0033】(比較例4)実施例9において、成膜炉1
01の内面に設置した板状バイアス電極102に、直流
バイアス電圧を印加しない以外は実施例9と同様にし
て、電子写真用光受容部材を10回作製した。実施例9
と比較例4で作製した電子写真用光受容部材を実施例1
と同様の手順で球状突起密度、白ポチ数を調べた。
【0034】
【表8】 その結果、実施例9で作製した電子写真用光受容部材が
比較例4の電子写真用光受容部材に比べ、球状突起密度
で0.72倍、白ポチ数で0.59倍優れている結果が
得られた。以上の結果より、本発明に従えば、画像欠陥
が少ない電子写真用光受容部材を形成することができ、
本発明の効果が判明した。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、成膜炉
内面にバイアス電圧を印加する構成により、円筒状基体
の配置円内から漏れた原料ガスの分解種による成膜炉内
面への膜の付着力を高めることができ、それによって均
質で良質な欠陥の少ない堆積膜を高速度で効率よく得る
ことが可能になり、画像特性のよい電子写真用光受容部
材を短時間にロット間のばらつきが少なく、安定的に安
価に堆積膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による堆積膜形成装置の1例を示す概略
図であり、(A)は縦断面図、(B)はX−X’面にお
いて切断した時の横断面図である。
【図2】従来の堆積膜形成装置の例を示す概略図であ
り、(A)は縦断面図、(B)はX−X’面において切
断した時の横断面図である。
【符号の説明】
101、201:成膜炉 102:板状バイアス電極 103、203:排気口 104、204:電源 105、205:整合器 106、206:高周波ケーブル 107、207:円筒状基体 108、208:電極 109、209:ガス管 110:可変式電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白砂 寿康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岡村 竜次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 村山 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空気密可能な成膜炉内に複数の円筒状基
    体を同一円周上に回転可能に配置し、該円筒状基体の配
    置円内に導入した原料ガスを高周波エネルギーによって
    分解することにより、前記円筒状基体上に堆積膜を形成
    する堆積膜形成方法において、 前記円筒状基体の配置円内と配置円外との圧力差により
    前記円筒状基体の配置円内にプラズマを閉じ込め、成膜
    炉内面にバイアス電圧を印加して堆積膜を形成すること
    を特徴とする堆積膜形成方法。
  2. 【請求項2】前記円筒状基体の配置円内と配置円外との
    圧力差は、前記配置円内の圧力が配置円外の圧力に比し
    て2倍以上高い圧力差であることを特徴とする堆積膜形
    成方法。
  3. 【請求項3】前記成膜炉内面に、板状のバイアス電極を
    配置することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の堆積膜形成方法。
  4. 【請求項4】前記バイアス電極は、取りはずし可能であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】前記板状のバイアス電極は、放電空間側の
    表面粗さを2.0S以上にすることを特徴とする請求項
    3または請求項4に記載の堆積膜形成方法。
  6. 【請求項6】前記高周波エネルギーは、周波数が50M
    Hz以上450MHz以下であることを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか1項に記載の堆積膜形成方
    法。
  7. 【請求項7】前記バイアス電圧は、50V以上または−
    50V以下の直流、または100KHz以下の交流、あ
    るいは該直流と該交流を重畳したもののいずれかである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に
    記載の堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】複数の円筒状基体が同一円周上に配置され
    る成膜空間を有する真空気密可能な成膜炉と、前記円筒
    状基体を回転させる手段と、原料ガスを前記円筒状基体
    の配置円内に導入する手段と、高周波電源から高周波エ
    ネルギーを前記円筒状基体の配置円内に導入する手段と
    を有する堆積膜形成装置において、 前記成膜炉内面にバイアス電圧を印加する手段を備えた
    ことを特徴とする堆積膜形成装置。
  9. 【請求項9】前記成膜炉内面には、板状のバイアス電極
    を配置したことを特徴とする請求項8に記載の堆積膜形
    成装置。
  10. 【請求項10】前記バイアス電極は、取りはずし可能で
    あることを特徴とする請求項9に記載の堆積膜形成装
    置。
  11. 【請求項11】前記板状のバイアス電極は、放電空間側
    の表面粗さが2.0S以上であることを特徴とする請求
    項9または請求項10に記載の堆積膜形成装置。
  12. 【請求項12】前記高周波電源は、周波数が50MHz
    以上450MHz以下の高周波エネルギーを前記円筒状
    基体の配置円内に導入するものであることを特徴とする
    請求項8〜請求項11に記載の堆積膜形成装置。
  13. 【請求項13】前記バイアス電圧を印加する手段は、5
    0V以上または−50V以下の直流、または100KH
    z以下の交流、あるいは該直流と該交流を重畳したもの
    のいずれかであることを特徴とする請求項8〜請求項1
    2のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
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