JPH11106689A - 道路用資材 - Google Patents

道路用資材

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JPH11106689A
JPH11106689A JP26853997A JP26853997A JPH11106689A JP H11106689 A JPH11106689 A JP H11106689A JP 26853997 A JP26853997 A JP 26853997A JP 26853997 A JP26853997 A JP 26853997A JP H11106689 A JPH11106689 A JP H11106689A
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JP
Japan
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acid
vinyl
various
epoxy group
range
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JP26853997A
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Koichi Yamaguchi
浩一 山口
Katsuhiko Okada
勝彦 岡田
Tokio Goto
時夫 後藤
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 とりわけ、低公害のものであって、しかも、
とりわけ、耐候性ならびに機械的物性などにも優れる
し、加えて、耐汚染性などにも優れる保護塗膜を有する
という、極めて実用性の高い道路用資材を提供するにあ
る。 【解決手段】 金属物品の表面に、エポキシ基含有重合
性単量体を必須の単量体として得られるエポキシ基含有
ビニル系共重合体と、カルボキシル基含有ポリエステル
樹脂とを組み合わせるということによって、叙上のよう
な諸性能などを発現することを見出すに及んで、目的を
見事に達成させることが出来た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る道路用資材に関する。さらに詳細には、本発明は、金
属物品の表面に、エポキシ基含有ビニル系共重合体と、
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂とを含有する粉体
塗料組成物により形成された塗膜を有することから成
る、とりわけ、耐候性ならびに機械的物性などにも優れ
るし、加えて、耐汚染性などにも優れた塗膜を与える、
道路用資材に関する。
【0002】
【従来の技術】ガードレールなどの道路用資材には、美
観や資材保護の目的で以て、各種塗料による塗膜が形成
されている。こうした道路用資材に必要とされる諸性能
には、耐候性ならびに機械的物性のほかに、近年は、新
たに、粉塵や自動車の煤煙などのような、屋外中の塵灰
でも汚れにくいという耐汚染性の優れた形のものが切望
されて来ている。加えて、環境問題の観点から、斯かる
塗料にとっては、低公害性に優れていることも亦、望ま
れている。
【0003】一方、有機溶剤を含有しない塗料の一形態
として、粉体塗料があるが、近年、大気汚染をはじめと
する環境問題などの観点より、その無公害性が注目さ
れ、使用量や、其の用途も亦、年々、増大の一途を辿っ
ている。
【0004】そして、塗膜の外観、耐候性ならびに機械
的物性と、塗料の保存安定性などとの諸性能の優れた粉
体塗料としては、ポリエステル系粉体塗料、就中、ブロ
ック・イソシアネート化合物や、トリレングリシジルイ
ソシアヌレートなどを硬化剤として用いるという形のポ
リエステル系粉体塗料が挙げられ、現在、広く用いられ
ている。
【0005】しかし、硬化剤成分たる、それぞれ、ブロ
ック・イソシアネート化合物や、トリレングリシジルイ
ソシアヌレートなどは、その安全性が、頗る、疑問視さ
れて来ている。
【0006】ところが、これまでに出願公告公報に開示
されている発明などは、塵灰などの汚染性については勿
論のこと、道路資材用塗料に関しては、何らも言及され
ていないし、道路資材の検討も亦、何らも為されていな
いというのが、実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような、従来型技術における種々の問題点
を解消するべく、鋭意、研究を開始した。したがって、
本発明が解決しようとする課題は、安全で、とりわけ、
耐候性、機械的物性ならびに耐汚染性などに優れた塗膜
の形成された、極めて実用性の高い道路用資材を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような発明が解決しようとする課題に照準を合
わせて、鋭意、検討を重ねた結果、金属物品の表面に、
特定のエポキシ基含有ビニル系共重合体と、特定のカル
ボキシル基含有ポリエステル樹脂とから成る特定の塗料
組成物によって塗膜が形成されるということにより、安
全であって、しかも、とりわけ、耐候性ならびに機械的
物性などに優れるし、更には、耐汚染性などにも優れた
道路用資材が得られることを見出すに及んで、ここに、
本発明を完成させるに到った。
【0009】すなわち、本発明は、基本的には、金属物
品の表面に、エポキシ基を有する重合性単量体を、必須
の成分として共重合せしめて得られるエポキシ基含有ビ
ニル系重合体(A)と、カルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂(B)とを、必須の被膜形成成分として含有する
粉体塗料組成物により形成された塗膜を有することから
成る、道路用資材を提供しようとするものである。
【0010】このように、本願は、金属物品の表面に、
エポキシ基を有する重合性単量体を、必須の成分として
共重合せしめて得られるエポキシ基含有ビニル系重合体
(A)と、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(B)
とを、必須の被膜形成成分として含有する粉体塗料組成
物により形成された塗膜を有することから成る、道路用
資材を請求しているものであるし、
【0011】併せて、本願は、それぞれ、上記した金属
物品が溶融亜鉛めっきされた金属製部材であるという、
特定の道路用資材をも請求しているものであるし、
【0012】上記したエポキシ基含有ビニル系重合体
(A)が、約300〜約5,000なる範囲内の数平均
分子量と、約50〜約110℃なる範囲内の、環球法に
よる軟化点を有し、しかも、スチレンを10重量%以下
を有するものであるという、特定の道路用資材をも請求
しているものであるし、
【0013】上記したカルボキシル基含有ポリエステル
樹脂(B)が、約20〜約200mgKOH/gなる範
囲内の酸価と、約80〜約150℃なる範囲内の軟化点
とを有し、しかも、イソフタル酸の50重量%以上を有
するものであるという、特定の道路用資材をも請求して
いるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、主として、そ
の構成ならびに効果について、つまり、本発明に係る道
路用資材についての構成ならびに効果を、詳細に、述べ
ることにするものとする。
【0015】まず、上述したように、本発明に係る道路
用資材は、金属物品の表面に、エポキシ基を有する重合
性単量体(以下、エポキシ基含有重合性単量体とのい
う。)を必須の成分として重合せしめて得られる特定の
エポキシ基含有ビニル系重合体(A)と、特定のカルボ
キシル基含有ポリエステル樹脂(B)とを含有すること
から成る、特定の粉体塗料組成物により形成された塗膜
を有するものであることを要旨とするものである。
【0016】ここいおいて、本発明の必須構成成分の一
つである、前記した金属物品として特に代表的なるもの
のみを例示するにとどめれば、アルミニウム、銅、チタ
ン、鉄、鋳物、ステンレスまたは亜鉛などに代表される
ような各種の金属;真鍮などに代表されるような各種の
合金などをはじめ、さらには鋼板ならびに表面処理鋼板
などである。
【0017】それらのうちでも、加工性、防錆性ならび
に塗料の付着性などの面から、溶融亜鉛めっき鋼板が、
この種の道路用資材としては特に望ましい。
【0018】続いて、本発明の必須構成成分の一つであ
る、前記したエポキシ基含有ビニル系共重合体(A)と
は、たとえば、分子の末端または側鎖にエポキシ基を有
するビニル系共重合体を指称するというものである。
【0019】そして、当該共重合体(A)は、たとえ
ば、 エポキシ基を有するビニル系単量体と、該単量
体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体類とを共重
合せしめるという、あるいは 公知慣用の種々のビニ
ル系共重合体を、公知慣用の(常法)により、変性せし
めるということによって、エポキシ基を導入せしめると
いったような、種々の方法によって調製することが出来
る。
【0020】それらのうちでも、上記なる方法として
は、たとえば、イソシアネート基含有ビニル系共重合体
を合成しておいて、さらに、その共重合体に対して、グ
リシドールを反応せしめるという方法や、グリセリルカ
ーボネート基を有するビニル系単量体(グリセリルカー
ボネート基含有ビニル系単量体)を共重合して得られる
該グリセリルカーボネート基含有ビニル系共重合体を、
脱炭酸反応を経て、エポキシ基を有する共重合体に変換
せしめるという方法などがあるけれども、上記なる方
法によるのが、簡便である。
【0021】上記なる方法によって、本発明において
用いられる当該エポキシ基含有ビニル系共重合体(A)
を得るという場合に使用される、エポキシ基含有重合性
系単量体のうちでも特に代表的なるもののみを例示する
にとどめるならば、グリシジル(メタ)アクリレートま
たはβ−メチルグリシジル(メタ)アクリレートの如
き、(メタ)アクリル酸の各種のグリシジルエステル類
をはじめ、
【0022】さらには、(メタ)アリルグリシジルエー
テルまたは(メタ)アリルメチルグリシジルエーテルの
如き、各種のアリルグリシジルエーテル類;あるいは
3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレートまたは
3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートの如
き、各種の脂肪族環状(脂環式)エポキシ基含有ビニル
系単量体類などである。
【0023】さらに、これらのエポキシ基含有単量体類
と共重合可能なる其の他のビニル系単量体をも使用する
ことが出来ることは、勿論である。それらのうちでも特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次に示す
ようなものなどである。
【0024】すなわち、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレートもしくはシクロヘキシ
ルアクリレートの如き、各種のアクリル酸エステル類;
またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
もしくはベンジルメタクリレートの如き、各種のメタク
リル酸エステル類;
【0025】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートもしくはポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートの如き、各種の水酸基含有(メ
タ)アクリレート類;または上掲した各種(メタ)アク
リレートと、ε−カプロラクトンとの付加反応主成分な
どであるし、
【0026】(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種のカル
ボキシル基含有単量体などをはじめ、さらには、イタコ
ン酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種の多価
カルボキシル基含有単量体と、炭素数が1〜18(C1
〜C18)なるモノアルキルアルコールとのモノ−ないし
はジエステル類;またはN−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドもしくはN−ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドの如き、各種のアミノ基含有
アミド系不飽和単量体;
【0027】ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トもしくはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート
の如き、各種のジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレート類;またはターシャリー(tert−)ブチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、tert−ビチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、アジリジニルエ
チル(メタ)アクリレート、ピロリジニルエチル(メ
タ)アクリレートもしくはピペリジニルエチル(メタ)
アクリレートの如き、各種のアミノ基含有単量体などで
あるし、
【0028】エチレン、プロピレンもしくはブテン−1
の如き、各種のα−オレフィン類;塩化ビニルもしくは
塩化ビニリデンの如き、フルオロオレフィンを除く、各
種のハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルス
チレンもしくはビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビ
ニル化合物(ただし、スチレンに代表される芳香族ビニ
ル化合物はできたビニル系重合体の耐候性などを考慮す
れば、重合性単量体中、10重量%以下の使用量とする
ことが好ましい。);
【0029】またはγ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルトリエトキシシランもしくはγ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンの如き、各種の加水分解性シリル基含有単量体;
【0030】ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、トリフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペン
タフルオロプロピレンもしくは、ヘキサフルオロプロピ
レンの如き、各種のふっ素含有−α−オレフィン類;あ
るいはトリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテ
ル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテル
もしくはヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエ
ーテルの如き、各種のパーフルオロアルキル・パーフル
オロビニルエーテルまたは(パー)フルオロアルキルビ
ニルエーテル〔ただし、これらのアルキル基の炭素数が
1〜18(C1 〜C18)なる範囲内のものである。〕な
どのような、種々の含フッ素ビニル単量体類;
【0031】あるいは酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、
カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、C9なる分岐状脂肪族(分枝状脂肪族)カルボン酸
ビニル、C10なる分岐状脂肪族カルボン酸ビニル、C11
なる分岐状脂肪族カルボン酸ビニルもしくはステアリン
酸ビニルの如き、各種の脂肪族カルボン酸ビニル;また
はシクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチルシクロヘキ
サンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルもしくはパラ
(p−)tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状
構造を有するカルボン酸の、各種のビニルエステル類な
どである。
【0032】以上に例示したような、種々のエポキシ基
含有ビニル系単量体の使用量としては、使用するビニル
系単量体類の総量の約20〜100重量%なる範囲内が
適切であり、好ましくは、20〜60重量%なる範囲内
が適切である。
【0033】エポキシ基含有ビニル系単量体の使用量
が、約20%よりも少ないような場合には、どうして
も、得られる資材の耐汚染性などが低下し易くなるの
で、本発明の目的とする効果を、充分には、発揮するこ
とが出来なくなるようになるので、好ましくない。
【0034】また、当該エポキシ基含有ビニル系重合体
(A)の数平均分子量としては、約300〜約5,00
0なる範囲内が適切であり、好ましくは、1,000〜
3,000の範囲内が適切である。
【0035】数平均分子量が約300よりも小さいよう
な場合には、どうしても、塗膜の機械的物性、耐汚染性
などが劣るようになり易いし、一方、約5,000より
も大きいような場合には、どうしても、塗膜の平滑性な
どが低下し易くなるので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0036】さらに、当該共重合体(A)の、環球法に
よる軟化点としては、約50〜約110℃なる範囲内が
適切であり、好ましくは、90〜110℃なる範囲内が
適切である。約50℃よりも低いような場合には、どう
しても、耐汚染性などが劣るようになり易いし、一方、
約110℃を超えて余りにも高くなるような場合には、
どうしても、塗膜の平滑性などが劣るようになり易くな
るので、いずれの場合も好ましくない。
【0037】以上に例示したような、種々のビニル系単
量体類を用いて、当該エポキシ基含有ビニル系重合体
(A)を調製するには、公知慣用の種々の方法が適用で
きるが、就中、溶液ラジカル重合法によるのが、最も簡
便である。
【0038】本発明の、更なる必須構成成分の一つであ
る、前記したカルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(B)とは、たとえば、種々の、多価酸成分と多価アル
コール成分とを主原料として用いて、常法により、反応
せしめることによって得られるというような、エステル
結合により構成されていて、官能基として、カルボキシ
ル基を有する化合物を指称するというものである。
【0039】ここにおいて、上記した多価酸として特に
代表的なるもののみを例示するにとどめるならば、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダ
イマー酸、(無水)グルタル酸、スベリン酸、マレイン
酸、フマル酸、(無水)コハク酸または1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、(無水)フタル酸、テトラヒド
ロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、
メチルヘキサヒドロ(無水)フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸もしくは2,6−ナフタレンジカルボン
酸、
【0040】あるいは4,4−ジフェニルジカルボン酸
の如き、各種のジカルボン酸(無水物)または其れらの
ジメチルエステルや、(無水)トリメリット酸、トリメ
シン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、メチルシク
ロヘキセントリカルボン酸または(無水)ピロメリット
酸などをはじめ、さらには、C1228なる長鎖の二塩基
酸や、其れらのエステル類、二塩基酸の縮合物などのよ
うな、種々の化合物などである。
【0041】なかでも、得られるポリエステル樹脂それ
自体の、とりわけ、耐候性などを考慮すれば、イソフタ
ル酸の使用量を、ポリエステル原料中、50重量%以上
とすることが適切であるし、好ましくは、70重量%以
上とすることが適切である。
【0042】他方、上記した多価アルコールとして特に
代表的なるもののみを例示するにとどめるならば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンン
ジオール、ネオペンチルグリコール、
【0043】シクロヘキサンジメタノール、オクタンジ
オール、ジエチルプロパンジオール、ブチルエチルプロ
パンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチ
ルペンタンジオールもしくは1,9−ノナンジオール、
ビスヒドロキシエチルテレフタレート、
【0044】水添ビスフェノールA、ビスフェノールA
アルキレンオキサイド付加物または水添ビスフェノール
Aアルキレンオキサイド付加物;あるいはグリセリン、
ジグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ールまたはトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートな
どである。
【0045】また、これらの多価アルコ−ルならびに多
塩基酸以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で、
メタノ−ル、プロパノ−ルもしくはブタノ−ルまたはベ
ンジルアルコ−ルなどで代表されるような各種の1価ア
ルコ−ルや、安息香酸もしくはp−tert−ブチル安
息香酸などで代表されるような各種の一塩基酸や、ひま
し油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸もしくは大豆油脂肪酸などで
代表されるような脂肪酸類や、
【0046】ジメチロ−ルプロピオン酸もしくはヒドロ
キシピバリルピバレ−トなどで代表されるような、一分
子中に、水酸基とカルボキシル基との両方を併せ有する
化合物や、あるいはエポキシ樹脂、「カ−デュラE10
(オランダ国シェル社製の、分岐脂肪酸のグリシジルエ
ステルの商品名)などで代表されるような各種のエポキ
シ基含有化合物も使用できる。
【0047】以上に掲げたような、種々の、多価酸成分
と多価アルコール成分とを用いて得られる、当該カルボ
キシル基含有ポリエステル樹脂(B)の酸価としては、
約20〜約200(mgKOH/g固形分;以下同様)
なる範囲内が適切である。さらに好ましくは、20〜5
0なる範囲内が適切である。
【0048】酸価が約20より小さいというような場合
には、どうしても、とりわけ、塗膜の機械的物性などが
劣るというようになり易いし、一方、約200よりも大
きいというような場合には、どうしても、とりわけ、塗
膜の耐汚染性などが低下するというようになり易いの
で、いずれの場合も好ましくない。
【0049】また、当該カルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂(B)の数平均分子量としては、約1,000〜
約10,000なる範囲内が適切であるし、さらに好ま
しくは、2,000〜5,000なる範囲内が適切であ
る。
【0050】数平均分子量が約1,000よりも小さい
ような場合には、どうしても、塗膜の耐汚染性などが劣
るようになり易いし、一方、約10,000よりも余り
にも大きくなるような場合には、どうしても、塗膜の平
滑性などが低下し易くなるので、いずれの場合も好まし
くない。
【0051】さらに、当該カルボキシル基含有ポリエス
テル樹脂(B)の、環球法による軟化点としては、約8
0〜約150℃なる範囲内が適切であり、好ましくは、
100〜120℃なる範囲内が適切である。
【0052】約80℃よりも低いような場合には、どう
しても、粉体塗料の耐汚染性などが劣るようになり易い
し、一方、約150℃を超えて余りにも高くなるような
場合には、どうしても、塗膜の平滑性などが劣るように
なり易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0053】上述したような、本発明における、それぞ
れ、(A)ならびに(B)なる必須の構成成分を用い
て、粉体塗料組成物、つまり、粉体塗料を調製するに
は、公知慣用の種々の方法を利用し、適用することが出
来る。それらのうちでも特に代表的なる方法のみを例示
するにとどめるならば、まず、上述したような、それぞ
れの必須構成成分を混合せしめ、さらに必要に応じて、
顔料または流展剤などのような、種々の添加剤成分をも
混合せしめ、次いで、それらを溶融混練せしめ、しかる
のち、微粉砕(化)工程ならびに分級(化)工程を経
て、目的とする粉体塗料と為すという、いわゆる機械的
粉砕方式などである。
【0054】本発明において用いられる粉体塗料組成物
には、本発明の目的を逸脱しないような範囲内で、ある
いは本発明の効果を損なわないような範囲内で、さら
に、有機系ないしは無機系の顔料類をはじめ、流動調整
剤、光安定剤、紫外線吸収剤または酸化防止剤などのよ
うな、公知慣用の種々の添加剤類を添加することも出来
るし、
【0055】さらには、焼き付け時の硬化(反応)を促
進化せしめるという目的で以て、触媒を添加することも
出来るが、そのような場合には、通常、カルボキシル基
とエポキシ基との反応を促進化せしめるためにも、アミ
ンやイミダゾールなどのような、公知慣用の種々の、塩
基性の触媒を用いることが出来る。
【0056】かくして得られる粉体塗料組成物は、常法
により、金属物品に塗布され、次いで、常法に従って、
乾燥せしめ、焼き付けるということによって、とりわ
け、耐候性、機械的物性ならびに耐汚染性などに優れた
塗膜が形成された道路用資材が出来るというものであ
る。
【0057】特に、環境上の問題などからも、本発明に
おいて用いられる粉体塗料を塗装する前に、予め、下塗
り(塗料)ならびに中塗り(塗料)のいずれか一方のみ
を、あるいは双方を、共に、塗装するという場合には、
粉体塗装とすることも可能である。
【0058】かくして完成した、本発明に係る道路用資
材は、主として、ポール、ガードレール、フェンス、建
築物外壁、歩道橋、防音壁、標識、高速道路側壁ならび
に橋梁などに利用し適用される。
【0059】以上のようにして、本発明に従えば、低公
害性であって、しかも、諸物性などに優れるという、極
めて実用性の高い道路用資材を得ることが出来るのは、
改めて言う迄も無い。
【0060】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明することにするが、本発
明は、これらの例示例のみに限定されるものではない。
以下において、部および%は、特に断りの無い限り、す
べて、重量基準であるものとする。
【0061】参考例1〔エポキシ基含有ビニル系重合体
(A)の調製例〕 攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス導入口を
備えた反応容器に、キシレンの500部を仕込んで、窒
素雰囲気下に、130℃にまで昇温した。
【0062】そこへ、メチルメタクリレートの250
部、n−ブチルメタクリレートの100部、グリシジル
メタクリレートの100部およびβ−メチルグリシジル
メタクリレートの50部と、アゾビスイソブチロニトリ
ルの3部およびtert−ブチルパーオキシオクトエー
ト(以下、TBPOと略記す。)の30部とからなる混
合物を、4時間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度
に、10時間のあいだ保持して、重合反応を行なった。
【0063】斯かる重合反応の終了後において得られた
重合樹脂溶液を、約30Torrの減圧下に保持し、キ
シレンを蒸留により留去せしめること(以下、留去とも
いう。)によって、不揮発分が99.5%で、環球法に
よる軟化点(以下、軟化点ともいう。)が102℃で、
エポキシ当量が515で、かつ、数平均分子量が2,5
00なる共重合体(A)の固形物が得られた。以下、こ
れを重合体(A−1)と略記する。
【0064】参考例2(同上) 使用すべき単量体混合物として、スチレンの50部、メ
チルメタクリレートの270部、ジブチルフマレートの
30部およびグリシジルメタクリレートの150部から
なる混合物を用いるというように変更し、併せて、TB
POの50部を用いるというように変更した以外は、参
考例1と同様にして、不揮発分が99.8%で、軟化点
が98℃で、エポキシ当量が490で、かつ、数平均分
子量が1,400なる共重合体(A)の固形物を得た。
以下、これを重合体(A−2)と略記する。
【0065】参考例3〔カルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂(B)の調製例〕 攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス導入口を
備えた反応容器に、ネオペンチルグリコールの1,50
0部、1,4−シクロヘキサンジメタノールの600部
およびトリメチロールプロパンの40部と、テレフタル
酸の3,360部と、ジ−n−ブチル錫オキサイドの2
部との混合物を仕込んで、240℃にまで昇温し、生成
する水を留去しながら、エステル化反応を行うことによ
って、酸価が36で、軟化点が105℃で、かつ、数平
均分子量が3,700なる、目的とするカルボキシル基
含有ポリエステル樹脂(B)を得た。以下、これを樹脂
(B−1)と略記する。
【0066】参考例4(同上) 使用すべき、アルコールならびに酸原料として、それぞ
れ、ネオペンチルグリコールの2,060部およびトリ
メチロールエタンの30と、セバシン酸の160部およ
びイソフタル酸の3,300部とを用いるというように
変更した以外は、参考例3と同様にして、酸価が27
で、軟化点が113℃で、かつ、数平均分子量が3,8
00なる、目的とするカルボキシル基含有ポリエステル
樹脂(B)を得た。以下、これを樹脂(B−2)と略記
する。
【0067】実施例1〜4ならびに比較例1〜3
【0068】これらの各例は、いずれも、粉体塗料の調
製例を示すものである。
【0069】まず、第1表に示すように、参考例1およ
び2で得られた、重合体(A−1)および重合体(A−
2)なる、それぞれのエポキシ基含有ビニル系共重合体
(A)と、参考例3および4で得られた、樹脂(B−
1)および樹脂(B−2)なる、それぞれのカルボキシ
ル基含有ポリエステル樹脂(B)とを用い、
【0070】さらに、粉体塗料の調製に際して、通常、
用いられるような、それぞれ、各種の樹脂類、添加剤類
および顔料をも、90℃において、「コニーダー PR
−46型」(スイス国ブス社製の商品名)で以て溶融混
練せしめたのちに、冷却して、粉砕化せしめた。
【0071】次いで、150メッシュの篩(スクリー
ン)を用いて分級せしめ、該篩を通過した、それぞれの
粉砕分級物を集めるということによって、各種の粉体塗
料を得た。
【0072】しかるのち、それぞれの粉体塗料について
の、諸性能の評価判定試験を行なった。その際の評価試
験の基準ないしは評価判定の基準としては、次に示して
いるようなものである。
【0073】すなわち、第1表に示すような組成割合で
以て調製した、それぞれの粉体塗料を、静電スプレー塗
装機で以て、溶融亜鉛めっき鋼板上に、約60ミクロン
(μm)となるように塗装せしめ、180℃で、20分
間のあいだ、焼き付けを行なうことによって、各種の試
験板(つまり、塗膜の形成されている資材)を得た。
【0074】次いで、それぞれの試験板について、第2
表に示すような試験項目に亘っての諸性能の評価判定の
試験を行なった。それらの結果は、まとめて、同表に示
す。
【0075】
【表1】
【0076】《第1表の脚注》 「タイペーク CR−90」………石原産業(株)製
の、ルチル型酸化チタンの商品名
【0077】「アクロナール4F」………………ドイツ
国BASF社製の、流動調整剤の商品名
【0078】
【表2】
【0079】《第1表の脚注》 「A−239ーX」……………「ファインディック A
−239ーX」の略記であって、大日本インキ化学工業
(株)製の、酸基・水酸基併有ポリエステル樹脂であ
り、酸価が約14で、かつ、水酸基価が約22なるもの
の商品名
【0080】「TGIC」……………………トリグリシ
ジルイソシアヌレートの略記
【0081】「M−8020」………………「ファイン
ディック M−8020」の略記であって、大日本イン
キ化学工業(株)製の、水酸基含有ポリエステル樹脂で
あり、水酸基価が約30なるものの商品名
【0082】「B−1530」………………「IPDI
-adduct B−1530」の略記であって、ドイ
ツ国ヒュルス社製の、ブロック・イソシアネート化合物
の商品名
【0083】
【表3】
【0084】《第2表の脚注》評価判定の要領は、次の
通りにした。
【0085】デュポン衝撃値………デュポン衝撃試験器
による評価(1/2インチ)。300gの荷重を落下さ
せたときに、試験板表面に、割れなどの欠陥を生じない
ような高さ(cm)で以て表示した。此の値が大きいほ
ど、耐衝撃性が良好であるということを意味している。
【0086】耐汚染性………………高石市郊外において
の、3ヵ月に及ぶ屋外曝露による試験板表面の耐汚染性
を、つまり、その試験板表面上の塵灰などの汚れの付着
度合いを観察するという要領で以て、目視により評価判
定を行なった。
【0087】評価判定基準
【0088】 ◎…殆ど付着が認められない場合 ○…やや付着が認められる場合 △…付着が可成り多くめられる場合 ×…著しく付着が認められる場合
【0089】耐候性…………………サンシャイン・ウェ
ザーメーター[スガ試験機(株)製の商品名]を用いて
の、800時間に及ぶ曝露試験後の光沢保持率(%)で
以て、つまり、試験前の60度鏡面反射率(%)を、試
験後の同反射率(%)で除して、それを100倍した値
で以て表示した。此の値が高いほど、耐候性が良好であ
るということを意味している。
【0090】
【表4】
【0091】上掲したような、諸実施例ならびに諸比較
例の結果が、如実に示しているように、本発明に係る道
路用資材は、とりわけ、耐候性ならびに機械的物性など
に、加えて、とりわけ、耐汚染性などにも優れるという
ものであることが、無理なく、知り得よう。
【0092】
【発明の効果】以上に詳説した通り、本発明に係る道路
用資材は、それ自体が、低公害である上に、とりわけ、
耐候性ならびに機械的物性などにも優れるし、更には、
とりわけ、耐汚染性などにも優れるという塗膜を有した
形のものであって、道路用資材として、極めて実用性の
高いものであると言い得よう。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属物品の表面に、エポキシ基を有する
    重合性単量体を、必須の成分として共重合せしめて得ら
    れるエポキシ基含有ビニル系重合体(A)と、カルボキ
    シル基含有ポリエステル樹脂(B)とを、必須の被膜形
    成成分として含有する粉体塗料組成物により形成された
    塗膜を有することを特徴とする、道路用資材。
  2. 【請求項2】 前記した金属物品が溶融亜鉛めっきされ
    た金属製部材である、請求項1に記載の道路用資材。
  3. 【請求項3】 前記したエポキシ基含有ビニル系重合体
    (A)が、約300〜約5,000なる範囲内の数平均
    分子量と、約50〜約110℃なる範囲内の、環球法に
    よる軟化点を有し、しかも、スチレンを10重量%以下
    を有するものである、請求項1または2に記載の道路用
    資材。
  4. 【請求項4】 前記したカルボキシル基含有ポリエステ
    ル樹脂(B)が、約20〜約200mgKOH/gなる
    範囲内の酸価と、約80〜約150℃なる範囲内の軟化
    点とを有し、しかも、イソフタル酸の50重量%以上を
    有するものである、請求項1または2に記載の道路用資
    材。
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