JPH11105396A - インキ含浸ゴムローラを用いた印刷具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】印刷する度毎に印圧ロールにインキを塗布する
必要がなく、単に紙に印刷ロールを押しつけるだけで何
度も連続印刷することができるインキ含浸ゴムローラを
用いた印刷具を提供する。 【解決手段】収納ケース本体１の内部に上下動可能に収
納された移動ケース２と、移動ケース２の内部に回転可
能に収納されると共に表面にインキ含浸ゴム３ａに文字
が形成された印刷ロール３と、印刷ロール３を回転させ
ると共に歯車の一部が収納ケース本体１の表面から外側
へ突出するように配置された文字表示ロール１２と、収
納ケース本体１の背後に設けられたロール紙５と、ロー
ル紙５を印刷ロール３の下側を通過してケース本体１の
前方へ送出する紙送り機構８とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙に印刷する度毎
に印刷ロールにインキを塗布することなく紙に印刷を行
うことのできるインキ含浸ゴムローラを用いた印刷具に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のインキ含浸ゴムローラを
用いた印刷具としては、印刷ロールの表面に文字が刻印
された通常のゴム帯を固定し、このゴム帯にインキを塗
布した後、ゴム帯を紙面に押しつけて印刷するようにし
たものが知られており、インキ含浸ゴムは用いられては
いなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のゴム
ローラを用いた印刷具としては、印刷ロールを紙に押し
つけてゴムに刻印された文字を印刷する際に、印刷ロー
ルの表面に印刷する度毎にインキを塗布する必要がある
こと、また印刷するのに手間がかかると共に手にインキ
が付着して汚れたり、或いは印刷の度毎にゴムにインキ
を塗布する必要があるので印刷文字をケースの内部に収
納した状態での使用が不可能であることの問題点があっ
た。

【０００４】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、印刷する度毎に印刷ロールにインキを塗布する必要
がな〈、紙に印刷ロールを押しつけるだけで何度も連続
印刷することができるインキ含浸ゴムローラを用いた印
刷具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、収納ケース本体と、この収納ケース本体
の内部に上下動可能に収納された移動ケースと、この移
動ケースの内部に回転可能に収納されると共に表面のイ
ンキ含浸ゴムに文字が形成された印刷ロールと、この印
刷ロールを回転させると共に歯車の一部が前記収納ケー
ス本体の表面から外側へ突出するように配置された文字
表示ロールと、前記収納ケース本体の背後に設けられた
ロール紙と、このロール紙を前記印刷ロールの下側を通
過して前記ケース本体の前方へ送出する紙送り機構とを
備えたことを特徴としている。

【０００６】請求項２では、前記移動ケースの上部には
前記ケース本体の上面に形成された開口部から突出する
押しボタンが形成されており、この押しボタンを下方へ
押すことで前記移動ケースが下方へ移動すると同時に印
刷ロールが下方へ移動してロール紙上に文字が印刷され
ることを特徴としている。

【０００７】請求項３では、前記移動ケースは、両側部
に設けられたガイド部材とこのガイド部材に配設された
ピアノ線と、バネ材とで上下動可能に支持されているこ
とを特徴としている。

【０００８】請求項４では、前記紙送り機構には逆回り
防止機構が設けられていることを特徴としている。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明のインキ含浸ゴムロ
ーラを用いた印刷具について図示例と共に説明する。図
１は本実施の形態のインキ含浸ゴムローラを用いた印刷
具を示すものであり、図中符号１はケース本体である。
このケース本体１の内部には上下方向に移動ケース２が
配設され、この移動ケース２の内部には所定の文字を印
刷するための印刷ロール３と、この印刷ロール３と歯合
して印刷ロール３を回転させる回転ギヤ４とが収納され
ており、印刷ロール３の表面には文字が形成されたイン
キ含浸ゴムが固定されている。

【００１０】ケース本体１内の移動ケース２の下方に
は、ケース本体１の背後に設けられているロール紙５を
ケース本体１の前面へ送るための通路７が形成され、こ
の通路７の途中には紙送り機構８が設けてある。

【００１１】本実施の形態では、本発明のインキ含浸ゴ
ムローラを用いた印刷具をレジスターに適用したもので
あり、ケース本体１の外観は立方体状に形成され、一面
が斜めに面取りされることで、印刷する文字の表示部１
１となっている。表示部１１の表面には回転ギヤ４の一
部が突出しており、この突出部４を指で回転させること
で印刷ロール３を回転させ、印刷ロール３の表面の所定
の文字を印刷位置まで回転移動させる。回転ギヤ４の側
面には印刷ロール３に対応した文字が表示された回転ド
ラム１２が固定されており、回転ギヤ４を回転させるこ
とで回転ドラム１２が回転して印刷される文字が表示部
１１の開口に位置する一方、印刷ロール３が連動して回
転することで表示部１１に表示された文字と同じ文字が
印刷位置に移動する。

【００１２】なお、回転ギヤ４は、異なる桁の金額を表
示するために２つに分割して配置されており、一方には
千桁の数値が、他方には百桁の数値が表示される。ま
た、移動ケース２の上部には、ケース本体１の上面に形
成された開口部１４から突出する押ボタン２ａが設けら
れており、この押ボタン２ａを押し下げることで移動ケ
ース２が下方へ移動し、この移動ケース２の内部に枢支
された印刷ロール３も下方へ移動して紙送り通路７内に
位置する紙５に押しつけられることでロール紙５に文字
が印刷される。

【００１３】移動ケース２は、図３に示すように、移動
ケース２の両側部に設けられた支持機構２０によってケ
ース本体１に支持されており、支持機構２０は移動ケー
ス２の側部に上下に設けられた一対のガイド部材２１と
このガイド部材２１間に配設されたピアノ線２２と、こ
のピアノ線２２の外側に配設されたバネ材２３とから構
成されている。

【００１４】この支持機構２０のバネ材２３によって、
移動ケース２は常時上方へ付勢された状態となってい
る。また、バネ材２３の付勢力に抗して移動ケース２を
押し下げると、ピアノ線２２に沿って一定の印刷位置ま
で移動ケースが移動する。

【００１５】ロール紙５の移送機構は、図３に示すよう
に、通路７の上面に沿って配置されたガイド８１と、こ
のガイド８１の下面に配置されてガイド８１との間に紙
を挟みながら前方へ送る紙送りローラ８２と、この紙送
りローラ８２の一側端に取り付けられたローラギヤ８３
と、このローラギヤ８３が中間ギヤ８４を介して歯合す
る回転ギヤ８５と、この回転ギヤ８５の軸の一側端に固
定されてケース本体１の側部に取り付けられた回転つま
み８６とから構成される。

【００１６】したがって、回転つまみ８６を回転させる
ことで、紙送りローラ８２を回転させ、この回転ローラ
８２とガイド部材８１の下面との間にロール紙５を挟ん
でケース本体１の前方へ移動させる。

【００１７】そして、回転機構８で通路７内を移動され
るロール紙５は、ケース本体１の前面に形成されたロー
ル紙の排出口１５から外側へ送り出される。排出口１５
の上面にはのこぎり状のカッタ１５ａが固定されてい
る。中間ギヤ８４には一側部に固定された刻歯車８４ａ
と紙送りローラ８２の収納ケース８６から上向きに固定
された樹脂性の棒状部材８７とからなるストッパ機構が
設けられており、回転ギヤ８５が順回転する場合には刻
歯車８４ａが棒状部材８７の側面を滑動することで棒状
部材８７を水平方向に撓ませながら回転するが、逆回転
しようとする刻歯車８４の歯先裏面に棒状部材８７の先
端が係止されて逆回転ができないようになっている。

【００１８】ケース本体１の背後にはロール紙５を保持
する紙ホルダ５１が形成されており、この紙ホルダ５１
は底板５２と、この底板５２の一辺に直角に固定された
側板５３と、この側板５３に水平方向に固定されたロー
ル紙の支軸５４とから構成されており、支軸５４にはロ
ール紙５が水平方向に回転自在に支持されている。底板
５２と側板５３はケース本体１と一体に形成されてい
る。

【００１９】本実施の形態のインキ含浸ゴムローラは、
上述したように構成されているため、回転ギヤ４を回転
させることで、表示部１１に表示される数値を所定の数
値、例えば９８００えんに設定すると、印刷ロール３が
同時に回転してインキ含浸ゴムの９８が最下部に位置す
る。この状態で、押ボタン２ａを押すことにより印刷ロ
ール３は移動ケース２自体と一体に下方へ移動して通路
７の表面に位置するロール紙５の上に９８００えんを印
刷する。

【００２０】ロール紙５の表面に印刷した後には、押ボ
タン２ａから手を離すと、バネ材２２の付勢力により移
動ケース２は上方へ戻り、回転つまみ８６を順方向に回
転させることで、ロール紙５をケース本体１の前面の排
出口１５から排出され、排出口１５の上面に設けられた
カッタ１５ａで切断される。

【００２１】このように本実施の形態のインキ含浸ゴム
ローラを用いた印刷具では、レジスターの印字部分にイ
ンキ含浸ゴムを使用しているため、ロール紙に印刷する
度毎にインキを塗布する必要がなくなり、３０００回以
上の連続印字が可能であり、印字部をケース本体の内部
組み込むことができる。

【００２２】なお、本発明のインキ含浸ゴムローラを用
いた印刷具は、上述した実施の形態のレジスターに限定
されるものではなく、連続印刷可能な印刷具として用い
ることができるのは勿論である。

【００２３】

【発明の効果】上述したように本発明のインキ含浸ゴム
ローラを用いた印刷具は、印刷する度毎に印圧ロールに
インキを塗布する必要がなく、単に紙に印刷ロールを押
しつけるだけで何度も印刷することができるので、印刷
が円滑に行えると共に連続印刷が可能であり、かつイン
キが手や紙に付着して汚れたりするのを防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインキ含浸ゴムローラを用いた印刷具
の全体斜視図である。

【図２】図１の印刷ロール部分を説明する側断面図であ
る。

【図３】図１の紙送り機構部分を説明する側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ケース本体 ２ 移動ケース ２ａ 押ボタン ３ 印刷ロール ３ａ インキ含浸ゴム ４ 回転ギヤ ５ ロール紙 ７ 通路 ８ 紙送り機構 １１ 表示部 １２ 文字表示ロール ２０ 紙送り機構 ２１ ガイド部材 ２２ ピアノ線 ２３ バネ材 ８４ 刻歯車 ８４ａ 棒状部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納ケース本体と、この収納ケース本体
   の内部に上下動可能に収納された移動ケースと、この移
   動ケースの内部に回転可能に収納されると共に表面のイ
   ンキ含浸ゴムに文字が形成された印刷ロールと、この印
   刷ロールを回転させると共に歯車の一部が前記収納ケー
   ス本体の表面から外側へ突出するように配置された文字
   表示ロールと、前記収納ケース本体の背後に設けられた
   ロール紙と、このロール紙を前記印刷ロールの下側を通
   過して前記ケース本体の前方へ送出する紙送り機構とを
   備えたことを特徴とするインキ含浸ゴムローラを用いた
   印刷具。
2. 【請求項２】 前記移動ケースの上部には前記ケース本
   体の上面に形成された開口部から突出する押しボタンが
   形成されており、この押しボタンを下方へ押すことで前
   記移動ケースが下方へ移動すると同時に印刷ロールが下
   方へ移動してロール紙上に文字が印刷されることを特徴
   とする請求項１に記載のインキ含浸ゴムローラを用いた
   印刷具。
3. 【請求項３】 前記移動ケースは、両側部に設けられた
   ガイド部材とこのガイド部材に配設されたピアノ線と、
   バネ材とで上下動可能に支持されていることを特徴とす
   る請求項１、２のいずれかに記載のインキ含浸ゴムロー
   ラを用いた印刷具。
4. 【請求項４】 前記紙送り機構には逆回り防止機構が設
   けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか
   に記載のインキ含浸ゴムローラを用いた印刷具。