JPH11105146A - レンズの射出圧縮成形方法 - Google Patents

レンズの射出圧縮成形方法

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JPH11105146A
JPH11105146A JP27301697A JP27301697A JPH11105146A JP H11105146 A JPH11105146 A JP H11105146A JP 27301697 A JP27301697 A JP 27301697A JP 27301697 A JP27301697 A JP 27301697A JP H11105146 A JPH11105146 A JP H11105146A
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injection
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cavity
molding
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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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    • B29C2045/7343Heating or cooling of the mould heating or cooling different mould parts at different temperatures

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い形状精度で、高品質レンズを成形する。 【解決手段】 レンズ成形用キャビティ3、ランナ49
およびスプルー48を有するモールド構成体45に溶融
樹脂を射出し、圧縮してレンズを成形し、冷却した後、
成形品として取り出す射出圧縮成形方法において、射出
工程では、溶融樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がゲー
ト部手前までの区間およびゲート部手前からキャビティ
内に達するまでの区間、実際の射出速度を予め設定した
第1、第2設定速度となるようにクローズド制御する。
また、溶融樹脂がキャビティ内に達してから射出充填完
了までの区間は、射出速度を第3設定速度になるように
オープン制御する。また、射出後、レンズ凸面成形用キ
ャビティ形成部材(下型インサート12)のレンズ取り
出し温度を、レンズ凹面成形用キャビティ形成部材(上
型インサート11)のレンズ取り出し温度よりも低く制
御してレンズ成形品の取り出しを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂を射
出圧縮成形してレンズ(主として、眼鏡レンズ)を得る
レンズの射出圧縮成形方法に関する。詳しくは、レンズ
を高精度にかつ高品質に成形することができるレンズの
射出圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂から眼鏡レンズを成形する
方法として、射出圧縮成形方法が知られている。たとえ
ば、特開昭55−27300号公報(対応米国特許第4
364878号)には、射出される熱可塑性樹脂の容量
より大きい容量を持つ型空間を形成する型開き手段と、
仕上がりレンズに必要な量に等しい熱可塑性樹脂を計測
して射出する手段、即ち、不規則な余剰の樹脂を射出し
ない定量の精密計測手段とを組み合わせたレンズの成形
方法が開示されおり、マイナスレンズの成形方法とし
て、キャビティ内での溶融樹脂の溶着線(ウエルドライ
ン)を消す成形方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭55−27300号公報の技術は、レンズキャビテ
ィ間を連通するゲートやランナを有しない単数のレンズ
成形方法に関するものであるため、複数のレンズを同時
に成形する場合に、そのまま適用することはできない。
例えば、複数のキャビティを用いて成形する場合には、
キャビティへの熱可塑性レンズ樹脂の分配や、その流動
性、加圧、金型温度等の制御が重要になってくるが、そ
れらについては何らの開示もないため、適用できない。
【0004】更に、前記公報では、中心肉厚が3ミリと
いう、眼鏡レンズとしては比較的、金型内での樹脂の流
動性を維持できるウエルドラインの発生し難い、中心厚
の大きな厚みのレンズを成形する場合の方法を例示する
だけであり、技術的に安易な製造領域しか、その実用的
適用範囲が確認されていない。なお、これらの製造領域
は、実用上、眼鏡レンズとしては製作度数の狭い範囲で
ある。また、同公報には、強度レンズや弱度レンズとい
った度数差のあるレンズを成形する場合の対処法や、単
焦点非球面、累進面、乱視レンズといった特異なレンズ
形状の成形の場合についても言及されておらず、それら
の成形を行う際の問題は依然未解決であった。例えば、
マイナスレンズは、周縁肉厚が大きく、中心肉厚が小さ
いという形状的特性に起因すると思われる中折れ現象
(レンズ成形後、レンズ中心部が折れ曲がっていく現
象)が発生しやすく、所定のレンズ曲率を再現できにく
いという問題があるが、この点について前記公報の技術
では対応できない。また、中心肉厚の薄い弱度のマイナ
スレンズのウエルドライン防止対策等についても、大き
な問題が残されていた。
【0005】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は特に偏肉差や形状の特異な
レンズの製造に好適な光学レンズの射出圧縮成形方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、レン
ズ凹凸面形成用の少なくとも一対のキャビティ形成部材
によって構成されるレンズ成形用キャビティ、このレン
ズ成形用キャビティにゲート部を介して連通するラン
ナ、およびこのランナに連通するスプルーを有するモー
ルド構成体を備えた金型を用いてレンズを成形するレン
ズの射出圧縮成形方法であって、前記モールド構成体に
対する必要量の熱可塑性樹脂を計量する計量工程と、金
型を型閉じし、レンズ成形用キャビティ内に圧縮代を残
してモールド構成体の容積を所定の大きさに設定する型
準備工程と、計量工程で計量された熱可塑性樹脂をノズ
ル通路を通じてモールド構成体に射出させる射出工程
と、熱可塑性樹脂の射出完了後または射出完了直前に、
前記圧縮代を圧縮する圧縮工程と、これらの工程中に金
型温度を制御してモールド構成体内の熱可塑性樹脂を固
化させる金型温度調整工程とを備えている。そして、射
出工程においては、熱可塑性樹脂の射出開始から溶融樹
脂がレンズ成形用キャビティ内に達するまでの区間で
は、射出速度が設定速度になるように制御すると共に、
前記ゲート部で射出速度を一旦所定の速度まで下げ、更
に溶融樹脂がレンズ成形用キャビティ内に達してから射
出充填完了までの区間では、射出速度を予め設定した設
定速度に制御する。また、金型温度調整工程において
は、レンズ凸面成形用キャビティ形成部材のレンズ取り
出し温度を、レンズ凹面成形用キャビティ形成部材のレ
ンズ取り出し温度よりも低く制御することを特徴とす
る。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、モ
ールド構成体が、ランナおよびスプルーに連通する把手
部を有することを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、前記溶融樹脂が前記レンズ成形用キャビティ内に
達してから射出充填完了までの区間で、射出速度をマイ
ナス弱度レンズとマイナス強度レンズとで変化させて制
御し、マイナス強度レンズの方をマイナス弱度レンズよ
り遅くすることを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項1から3のいず
れかにおいて、前記レンズが眼鏡レンズであることを特
徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら詳細に説明する。図1は本実施形態にかか
るレンズ (メニスカス形状の眼鏡レンズ) の射出圧縮成
形方法を実施するための射出圧縮成形装置を示してい
る。なお、ここで成形される眼鏡レンズの材料は、PM
MA(ポリメチルメタクリレート)やPC(ポリカーボ
ネート)などの熱可塑性樹脂である。
【0011】射出圧縮成形装置は、射出成形金型50を
有する型締装置60と、原料樹脂を可塑化する可塑化装
置70と、この可塑化装置70によって可塑化された溶
融樹脂を計量して前記射出成形金型50内に射出充填す
る射出装置80と、前記射出成形金型50の温度を予め
設定された温度に制御する金型温度調整装置51とから
構成されている。
【0012】前記型締装置60は、固定ダイプレート6
1と、この固定ダイプレート61に複数本のタイバー6
2を介して固定されかつ型締めシリンダ63を搭載した
シリンダ固定プレート64と、前記タイバー62に沿っ
て昇降自在に設けられ前記型締めシリンダ63のピスト
ンロッド65に連結された可動ダイプレート66とから
構成されている。固定ダイプレート61と可動ダイプレ
ート66との間には前記射出成形金型50が取り付けら
れている。
【0013】前記可塑化装置70は、ホッパ71から投
入された原料樹脂を、スクリュー72で送りながらヒー
タ73で可塑化する可塑化シリンダ74によって構成さ
れている。なお、スクリュー72は油圧モータ75によ
って回転される。
【0014】前記射出装置80は、内部にプランジャ8
1を有する射出シリンダ82と、この射出シリンダ82
のプランジャ81を摺動(上下動)させる油圧シリンダ
83とから構成されている。射出シリンダ82の先端
(上端)には、ノズル85が取り付けられている。ま
た、射出シリンダ82の外周上部位置には、図示略のバ
ンドヒータが巻かれている。
【0015】油圧シリンダ83の下部には、油圧シリン
ダ83のピストン86 (あるいは射出シリンダ82のプ
ランジャ81) の位置Pおよび速度度Vを検出する位置
センサ87および速度センサ88が設けられている。制
御装置90は、これら位置センサ87および速度センサ
88からの信号P、Vに基づいて駆動制御回路84に制
御信号を送り、射出シリンダ82を制御する。
【0016】前記金型温度調整装置51は、 前記射出成
形金型50に温調流体( 加熱流体および冷却流体)を供
給する温調流体供給装置52と、この温調流体供給装置
52から金型50の各部に供給される温調流体の温度を
温調流体供給装置52に指令する制御装置53とから構
成されている。制御装置53には、予め成形するレンズ
の種類に応じて、複数種の金型温度制御曲線が記憶され
ており、いずれかの金型温度制御曲線が指定されると、
指定された金型温度制御曲線に従って、温調流体供給装
置52から金型50の各部(後述するインサートガイド
部材5、9、上型インサート11、下型インサート12
など)に供給される温調流体の温度が制御されるように
なっている。
【0017】図2は前記射出成形金型50の断面図、図
3は図2のIII−III矢視断面図である。同射出成
形金型50は、図2に示すように、パーティングライン
PLにおいて上下に型分割される上型(可動型)1と下
型(固定型)2 とを備え、これらの間に、2個の眼鏡レ
ンズ成形用キャビティ3、およびこの2個のレンズ成形
用キャビティ3を結ぶランナ49が形成されている。ラ
ンナ49に対しては、スプルーブッシュ47によって形
成されるスプルー48が直角に形成されているととも
に、これらに対して把手部46 (図4参照)が直角に形
成されている。ここに、2個の眼鏡レンズ成形用キャビ
ティ3、ランナ49、スプルー48、および把手部46
を有するモールド構成体45が形成されている。
【0018】前記上型1の型本体4は、インサートガイ
ド部材5、および型板6、7からなる。下型2の型本体
8は、インサートガイド部材9、および型板10からな
る。各インサートガイド部材5、9の内部には、前記キ
ャビティ3を形成するインサート11、12が、パーテ
ィングラインPLに対して直角方向へ摺動可能に収納さ
れている。なお、インサートガイド部材5、9、および
インサート11、12などには、図示していないが、前
記温調流体供給装置52から供給される温調流体を循環
させるための温調流体循環溝が形成されている。
【0019】前記下型1の型本体8は、前記固定ダイプ
レート61上に固定された型取付部材15に固定されて
いる。前記上型1の型本体4は、上部材16Aと下部材
16Bとからなる型取付部材16に、図3に示すボルト
17で連結されているとともに、型本体4と型取付部材
16との間には、ボルト17の外周に挿入された皿ばね
17Aが介装されている。型取付部材16は、前記可動
ダイプレート66に固定され、型締めシリンダ63の下
向き型締め力が作用するようになっている。
【0020】前記型本体4と型取付部材16との間に
は、隙間Sが設けられるようになっており、型本体4と
型取付部材16とは、ガイドピン18でガイドされなが
ら隙間S分だけ上下に開閉するようになっている。ま
た、前記型取付部材15の下方には、図示しない寸開き
シリンダが配置され、この寸開きシリンダにより、型取
付部材16が型締めシリンダ63の型締め力に抗して押
し上げられることにより、隙間Sが形成されるようにな
っている。
【0021】前記型取付部材16には、下向きの油圧シ
リンダ19が上下動自在に設けられている。油圧シリン
ダ19のピストン20に連結されたピストンロッド21
は、シリンダ9の面に固定されたバックインサート22
内を貫通し、その先端にT字クランプ部材23を備えて
いる。T字クランプ部材23は、前記インサート11の
上端面に形成されたT字溝24に係脱自在に係合されて
いる。
【0022】前記型取付部材15には、上向きの油圧シ
リンダ26が設けられている。油圧シリンダ26のピス
トン27に連結されたピストンロッド28は、型取付部
材15内を貫通し、その先端にT字クランプ部材29を
備えている。T字クランプ部材29は、前記インサート
12の下端面に形成されたT宇溝30に係脱自在に係合
されている。
【0023】前記油圧シリンダ19の上端には受圧部材
32が固定されている。型取付部材16に形成された孔
33から挿入されたエジェクトロッド34により受圧部
材32が押し下げられると、油圧シリンダ19、バック
インサート22およびインサ一ト11も押し下げられ、
キャビティ3で成形されたレンズが、上型1および下型
2の型分割時に突き出されるようになっている。
【0024】前記上型4および型取付部材16の中央に
は、エジェクトピン35が上下動自在に配置されてい
る。エジェクトピン35の上端には受圧部材36が固定
されている。型取付部材16に形成された孔37から挿
入されたエジェクトロッド38により、受圧部材38が
押し下げられると、エジェクトピン35が押し下げられ
る。
【0025】前記受圧部材32には、エジェクトリター
ンピン39の外周に巻回されたばね40のばね力が上向
きに作用している。なお、受圧部材36にも、図示して
いないが、エジェクトリターンピンの外周に巻回された
ばねのばね力が上向きに作用している。従って、エジェ
クトロッド34、38が上昇すると、受圧部材32、3
6も上昇して、初期位置に復帰するようになっている。
【0026】図4はノズルシャット機構90を示してい
る。ノズルシャット機構90は、遮断部材としてのノズ
ルシャットピン91を備えている。ノズルシャットピン
91は、前記スプルーブッシュ47の側壁にそのスプル
ーブッシュ47の中心線とほぼ垂直方向に進退可能に嵌
挿され、その後端が接続片92を介して油圧シリンダ9
3のピストンロッド94に連結されている。油圧シリン
ダ93は、シリンダ取付板95を介して前記型取付部材
15に固定されている。そして、スプルーブッシュ47
にノズル85が圧接した状態において、ノズルシャット
ピン91がスライドしてノズル85の先端開口部を塞ぐ
ことにより、樹脂の逆流が阻止されるようになってい
る。このとき、図5および図6に示すように、ノズルシ
ャットビン91の先端面91Aおよび先端部側面91B
は、スプルーブッシュ47 (スプルー48) の内壁に接
しないようになっている。
【0027】次に、成形時の手順について説明する。ま
ず、成形しようとするレンズの種類に応じて、インサー
ト11、12を交換する。インサート11、12の交換
にあたっては、型取付部材16を含む上型1を上昇させ
て、下型2から型分割させる。また、油圧シリンダ19
のピストンロッド21を下降させるとともに、油圧シリ
ンダ26のピストンロッド28を上昇させ、これらピス
トンロッド21、28の先端に取り付けられたT字クラ
ンプ部材23、29をインサートガイド部材5、6から
突出させる。
【0028】新たに上型1および下型2の型本体4、8
に装着されるインサート11、12を、図示しないロボ
ットのアームで保持しながら水平移送し、インサート1
1、12のT字溝24、30を、T字クランプ部材2
3、29に係合させる。こののち、油圧シリンダ26の
ピストンロッド27を上昇させてインサート11を引き
上げ、また、油圧シリンダ26のピストンロッド28を
下降させてインサート12を引き下げる。これにより、
インサート11、12は、インサートガイド部材5、6
に嵌合される。
【0029】このようにして、プラスレンズの成形の場
合には、中心肉厚が周辺部より厚いキャビティ3を有す
るインサートに交換し、またマイナスレンズの成形の場
合には、中心肉厚が周辺部より薄いキャビティ3を有す
るインサートに交換する。
【0030】さて、レンズの成形にあたっては、図7に
示す手順で行う。まず、可塑化装置70によって可塑化
された溶融樹脂を射出装置80の射出シリンダ82内に
導入して計量する(計量工程)。ここでは、2個のレン
ズ成形用キャビティ3、ランナ49、スプルー48およ
び把手部46を有するモールド構成体45に必要な量の
溶融樹脂を計量する。
【0031】次に、金型50を型閉じし、前記レンズ成
形用キャビティ3内に圧縮代を残してモールド構成体4
5の容積を所定の大ききに設定する(型準備工程)。つ
まり、型締めシリンダ63によって上型1を下降させ、
上型1の型板6が下型2の型板10に接し、かつ、皿ば
ね17Aが圧縮されない状態に型閉じする(図2および
図3に示す状態に型閉じする)。この状態では、隙間S
は最大寸開き量 (約15mm) に設定されている。
【0032】次に、寸開き量(圧縮代)を設定する。こ
のとき、プラスレンズの成形では、0.8mm以下の寸
開き量Sを設定する。また、マイナスレンズの成形で
は、0.8mmより大きい寸開き量Sを設定する。つま
り、マイナスレンズ成形時の圧縮代を、プラスレンズ成
形時の圧縮代よりも大きく設定する。
【0033】次に、金型50を設定温度にヒートアップ
する(ヒートアップ工程)。これには、温調流体供給装
置52から金型50の各部(インサートガイド5、9、
上型インサート11、下型インサート12など)に温度
調整された温調流体を供給して、金型50を設定温度に
ヒートアップする。こののち、ノズル85を開く。つま
り、ノズルシャットピン91をスプルー48内から後退
させる。
【0034】次に、前記計量工程によって計量された溶
融樹脂を、ノズル85の通路を通じて前記モールド構成
体45に射出し、前記ノズル85の通路先端を閉塞する
射出工程について図8〜図10を用いて説明する。
【0035】まず、溶融樹脂を射出充填する。これに
は、可塑化装置70によって可塑化された溶融樹脂を射
出装置80の射出シリンダ82によって計測、射出し、
ノズル85、スプルー48、ランナ49およびゲート部
46を通じてキャビティ3内に充填する。
【0036】このとき、制御装置90は、射出シリンダ
82のプランジャ81の速度V(射出速度)が、例え
ば、図8に示す速度に近似するように制御する。図8に
おいて、(A)はレンズ度数が−4.00D、中心肉厚
が1.4mm、コバ厚が7.9mmのマイナスレンズを
成形する場合、(B)はレンズ度数が−2.00D、中
心肉厚が1.4mm、コバ厚が4.8mmのマイナスレ
ンズを成形する場合、(C)はレンズ度数が+2.00
D、中心肉厚が4.2mm、コバ厚が1.0mmのプラ
スレンズを成形する場合、(D)は凸面のベースカップ
が3.00、中心肉厚が5.4mm、コバ厚が5.8m
mのセミフィニッシュレンズを成形する場合をそれぞれ
示している。
【0037】(A)の場合には、溶融樹脂の射出充填開
始から溶融樹脂がゲート部46の手前に達するまでの区
間(図9に示すS0〜S1の区間)では、射出速度Vが
第1設定速度V1Aになるように、溶融樹脂がゲート部
46の手前からキャビティ3内に達するまでの区間(図
8に示すS1〜S2の区間)では、射出速度Vが第2設
定速度V2Aになるように、溶融樹脂がキャビティ3内
に達してから射出充填完了までの区間(図9に示すS2
〜S3の区間)では、射出速度Vが第3設定速度V3A
になるように制御する。同様に、(B)、(C)、
(D)の場合には、S0〜S1の区間では、射出速度V
が第1設定速度V1B、V1C、V1Dに、S1〜S2
の区間では、射出速度Vが第2設定速度V2B、V2
C、V2Dに、S2〜S3の区間では、射出速度Vが第
3設定速度V3B、V3C、V3Dになるようにそれぞ
れ制御する。
【0038】なお、図8において、P0は溶融樹脂の射
出充填開始時におけるプランジャ81の位置、P1は溶
融樹脂がゲート部46の手前に達したときのプランジャ
81の位置、P2は溶融樹脂がキャビティ3内に達した
ときのプランジャ81の位置、P3は射出充填完了時に
おけるプランジャ81の位置を示している。これらは位
置センサ87によって検出される。なお、これらの位置
P0、P1、P2、P3は、レンズ形状に応じて予め計
算、あるいは実験などにより求めておく。
【0039】具体的には、図10に示すフローチャート
に従って制御を行う。まず、駆動制御回路84に対して
第1設定速度V1を指令したのち、速度センサ88から
の速度データ(実際の射出速度V)と第1設定速度V1
とを比較しながら、実際の射出速度Vが第1設定速度V
1になるように、加速または減速指令を駆動制御回路8
4に与える。これと同時に、位置センサ87からの位置
データPがP1に達したか否かをチェックし、位置デー
タPがP1に達するまで実際の射出速度Vが第1設定速
度V1になるようにクローズド制御する。これにより、
溶融樹脂がゲート部46の手前に達する位置P1まで溶
融樹脂を正確に充填することができる。
【0040】位置データPがP1に達したのち、つま
り、溶融樹脂がゲート部46の手前に達したのち、駆動
制御回路84に対して第2設定速度V2を指令する。こ
こで、速度センサ88からの速度データ(実際の射出速
度V)と第2設定速度V2とを比較しながら、実際の射
出速度Vが第2設定速度V2になるように、加速または
減速指令を駆動制御回路84に与える。これと同時に、
位置センサ87からの位置データPがP2に達したか否
かをチェックし、位置データPがP2に達するまで実際
の射出速度Vが第2設定速度V2になるようにクローズ
ド制御する。これにより、溶融樹脂がゲート部46の手
前に達した位置P1からキャビティ3内に達する位置P
2まで溶融樹脂をゆっくりと充填することができる。
【0041】位置データPがP2に達したのち、つま
り、溶融樹脂がキャビティ3内に達したのち、プラスレ
ンズの成形かマイナスレンズの成形かを判断する。プラ
スレンズの成形の場合には、駆動制御回路84に対して
第3設定速度V3を指令したのち、実際の射出速度Vと
第3設定速度V3とを比較しながら、実際の射出速度V
が第3設定速度V3になるように、加速または減速指令
を駆動制御回路84に与える。これと同時に、位置セン
サ87からの位置データPがP3に達したか否かをチェ
ックし、位置データPがP3に達するまで実際の射出速
度Vが第3設定速度V3になるようにクローズド制御
し、位置データPがP3に達したとき停止させる。これ
により、プラスレンズの成形の場合には、充分な射出速
度を確保しつつ溶融樹脂を充填できる。このとき、キャ
ビティ3の中央部l5(レンズの中央部)の厚みが大き
いため、キャビティ3内に到達した溶融樹脂は、キャビ
ティ3の中央部(レンズの中央部)を通って周縁部に達
し、ウエルドマークを抑制できる。
【0042】マイナスレンズの成形の場合には、駆動制
御回路84に対して第3設定速度V3を指令(オープン
制御)したのち、位置センサ87からの位置デークPが
P3に達したか否かをチェックし、位置データPがP3
に達したとき停止させる。つまり、マイナスレンズの成
形の場合には、0.8mmより大きい寸開き量Sが設定
され、金型内での射出抵抗が小さいから、上述したオー
プン制御を用いても、充分な射出速度を確保しつつ、射
出速度の変化を少なくできる。従って、成形品の表面
に、射出速度の変化として現れる射出履歴が出にくい。
しかも、大きな寸開き量の設定によって、キャビティ3
の中央部の厚みが大きく設定されているため、キャビテ
ィ3内に到達した溶融樹脂は、分流することなく、キャ
ビティ3の中央部を通って周縁部に達する。このため、
ウエルドマークも抑制でき、高品質なレンズを得ること
ができる。
【0043】次に、プラスレンズの成形に場合には、溶
融樹脂の射出充填完了後、ノズルを閉じ、続いて加圧
(圧縮)する。なお、閉じる機構の作用については、本
件出願人の実公平7−27140号公報、特公平5−4
4893号公報、特公平5−30608号公報等おいて
周知であるので、ここでは詳述しない。
【0044】一方、マイナスレンズの成形の場合には、
溶融樹脂の射出充填完了前に加圧(圧縮)を開始する。
具体的には、射出すべき溶融樹脂の約90〜95%が射
出されたとき、型締めシリンダ63により加圧を開始す
る。そして、最後にノズル85を閉じる。
【0045】以上のように、溶融樹脂の射出充填開始か
ら溶融樹脂がキャビティ3内に達するまでの区間S0〜
S2では、実際の射出速度と予め設定した第1、第2設
定速度V1、V2とを比較しながら、実際の射出速度V
が第1、第2設定速度V1、V2になるように射出速度
Vを制御しているから、つまり、クローズド制御を採用
しているから、溶融樹脂がキャビティ3内に達する位置
まで溶融樹脂を正確に充填できる。
【0046】また、このクローズド制御において、溶融
樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がゲート部46の手前
に達するまでの区間S0〜S1では、射出速度Vを第1
設定速度V1に、ゲート部(区間S1〜S2)では射出
速度Vを一旦第2設定速度V2まで下げているから、キ
ャビティ3内への溶融樹脂の急激な浸入を防止すること
ができる。このことにより、キャビティ3内において、
空気の巻き込みを極力少なくし、溶融樹脂の挙動に大き
く変化を与えないスムーズな充填を補償することができ
る。
【0047】また、マイナスレンズ成形時において、溶
融樹脂がキャビティ3内に達してから射出充填完了まで
の区間S2〜S3では、射出速度Vを予め設定した第3
設定速度V3に指令するようにしているから、つまり、
オープン制御を採用しているから、キャビティ3内での
溶融樹脂の速度変化を少なくできる。よって、成形品の
表面に充填履歴が現れる現象を少なくできる。特に、マ
イナスレンズ成形時においては、寸開き量Sが大きく設
定され、射出抵抗が小さくなっているから、オープン制
御の採用によっても、充分な射出速度を確保しつつ、射
出速度の変化を少なくすることができる。よって、成形
品の表面に充填履歴が現れる現象を少なくできる。
【0048】また、このとき、図8の(A)、(B)の
場合のように、射出シリンダの射出速度をマイナス弱度
レンズとマイナス強度レンズとで変化させて制御し、マ
イナス強度レンズの方を遅くするようにしているから、
中心肉厚とコバ厚との差が、マイナス弱度レンズよりも
大きいマイナス強度レンズの成形に際しても、レンズ成
形用キャビティ3内での溶融樹脂の速度変イヒを小さくで
きる。
【0049】また、マイナスレンズ成形時には、溶融樹
脂の射出完了前に寸開き量Sの圧縮を開始するようにし
たので、溶融樹脂の射出充填完了前にキャビティ3の容
量が縮小されていく。従って、溶融樹脂の射出充填完了
時点で、キャビティ3内に大きな未充填部分が残ること
が少なく、このためフローマークの発生も防げる。つま
り、寸開き量Sを大きく設定すると、溶融樹脂の射出充
填完了時点で、キャビティ3内に大きな未充填部分を残
したまま、溶融樹脂の流動が停止することになり、充填
部分と未充填部分の臨界線に、フローマークが発生しや
くなるという問題が考えられるが、本実施形態のように
することで、フローマークの発生も防げる。
【0050】また、プラスレンズ成形時において、溶融
樹脂がキャビティ3内に達してから射出充填完了までの
区間では、実際の射出速度Vと予め設定した第3設定速
度V3とを比較しながら、実際の射出速度Vが第3設定
速度V3になるように射出速度Vを制御しているから、
つまり、クローズド制御を採用しているから、充分な射
出速度を確保できる。ちなみに、プラスレンズ成形にあ
っては、寸開き量Sが小さく、かつ、ゲート部ヒケ対策
のため絞られたゲート構造であることから、射出抵抗が
非常に大きく、そのためオープン制御を用いると、充分
な射出速度が得られず、高品質な成形品を得ることがで
きないことが予想される。
【0051】なお、マイナスレンズの成形においては、
レンズ中央部が周縁部に対して厚みが薄いという形状特
性より、キャビティ中央部で流動抵抗が大きくなる。そ
のため、キャビティ内に射出された溶融樹脂は、キャビ
ティ中央部で流れ難く、分流して周縁部から回り込むた
め、ウエルドマークが発生しやすい。従って、射出履歴
については、充分注意をはらう必要がある。この点、本
例では、マイナスレンズ成形時の圧縮代をプラスレンズ
成形時の圧縮代より大きく設定しているから、マイナス
レンズ成形時においても、キャビティ内に到達した溶融
樹脂が分流することなくキャビティ中央部を通って周縁
部に流れ込み、結果として、ウエルドマークの発生を抑
制することができる。
【0052】次に、溶融樹脂を加圧圧縮している間、金
型50を再加熱後、冷却する(再加熱冷却工程)。つま
り、上型インサート11および下型インサート12の温
度を温調流体供給装置52からの加熱流体の供給により
昇温させ、次いで、冷却流体の供給により降温しながら
熱可塑性樹脂を凝固させる。
【0053】例えば、図11(A)〜(D)に示すよう
に、上型インサート11および下型インサート12の温
度を一旦昇温させたのち、降温させる。図11におい
て、(A)はレンズ度数が−2.00、中心部厚さが
1.4mm、周縁部厚さが4.8mmのマイナスレンズ
を成形する場合、(B)はレンズ度数が−4.00、中
心部厚さが1.4mm、周縁部厚さが7.9mmのマイ
ナスレンズを成形する場合、(C)はレンズ度数が+
2.00、中心部厚さが4.2mm、周縁部厚さが1.
0mmのプラスレンズを成形する場合、(D)は凸面の
ベースカップが3.00D、中心部厚さが5.4mm、
周縁部厚さが5.8mmのセミフィニッシュレンズ(一
方のレンズ片面が仕上がり面となっていて他方のレンズ
片面が後加工で仕上げられるレンズ)を成形する場合を
それぞれ示している。
【0054】この際、図11(A)、(B)、(D)、
特に(A)、(B)のように、金型50からの成形品の
取り出し時における下型インサート12(レンズ凸面成
形用キャビティ形成部材)の温度を、上型インサート1
1(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)の温度より
も低くしてある。このような温度差を下型インサート1
2と上型インサート11とに設けると、金型50から取
り出されたときの成形品のレンズ凸面がレンズ凹面に比
べ温度が低いから、レンズ凸面がレンズ凹面より早期に
固化し、金型50から取り出された成形品の中折れ現象
の発生を防止できる。つまり、成形すべきレンズが、中
心部と周縁部とで偏肉差があって中心部の厚さよりも周
縁部の厚さが大きいレンズの場合には、厚さの小さい中
心部からレンズ凹面側に折れる中折れ現象が発生しやす
いが、上記のように温度差をもたせることによって、中
折れ現象の発生を防止できる。このことは、上型インサ
ート11(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)およ
び下型インサート12(レンズ凸面成形用キャビティ形
成部材)のレンズ成形面形状が、溶融樹脂に正確に転写
された高精度のレンズを得ることができることを意味す
る。
【0055】このようにして成形したのち、エジェクト
すると、図12に示す成形品101が得られる。この成
形品101は、前記2個のレンズ成形用キャビティ3に
よって成形された眼鏡レンズ102と、前記ランナ49
によって成形され前記2個の眼鏡レンズ102を連結す
る連結部103と、前記スプルー48によって成形され
前記連結部103の中央部から直角にかつレンズ102
の厚み方向へ延びる棒状部104と、前記把手部46に
よって成形され前記連結部103および棒状部104に
対して直角に延びる把手105とから形成されている。
【0056】エジェクト後、成形品101は、図13に
示す浸漬作業具130の摘み部材133で把手105が
保持された状態で、耐摩耗性ハードコート液にレンズ1
02部分が浸漬される。次いで、一定時間浸漬された
後、レンズ102と連結部103とがカッタ装置により
切り離され、これにより、1個の成形品101からハー
ドコート液によるコーティング膜で被覆された2個のレ
ンズ102が得らる。
【0057】従って、本実施形態によれば、複数のレン
ズ成形用キャビティ3、ランナ49およびスプルー48
を有するモールド構成体45に必要な量の溶融樹脂を計
量したのち、その溶融樹脂をノズル85内の通路を通じ
て、モールド構成体45内に射し、ここで、ノズルシャ
ットピン91によってノズル85の通路先端を閉塞する
とともに、溶融樹脂の射出完了後または射出完了直前に
モールド構成体45内の溶融樹脂を圧縮し、冷却した
後、成形品として取り出すようにしたので、つまり、計
量した樹脂の量と成形品として取り出される量とが対応
しているから、高い形状精度のレンズを成形することが
できる。
【0058】また、射出工程において、ノズル85の通
路先端をノズルシャットピン91によって閉塞した状態
において、モールド構成体45内の溶融樹脂を加圧し、
冷却して成形品として取り出すようにしているから、つ
まり、成形品として取り出される部分とノズル85内に
残留する部分とがノズルシャットピン91によって完全
に縁を切られた状態で遮断されているから、ノズル85
内に残留する樹脂が次の成形時に異物として成形品に混
入することもない。よって、高品質なレンズを成形する
ことができる。
【0059】また、再加熱冷却工程において、溶融樹脂
を加圧圧縮している間に、上型インサート11および下
型インサート12を温調流体供給装置からの加熱流体の
供給により、再加熱したのち冷却するようにしたので、
レンズ成形用キャビティ3内に射出充填された熱可塑性
樹脂は、加圧状態で一旦昇温されることにより、樹脂の
均質性や流動性が高められ、この状態から冷却されて凝
固されることになるから、成形品の均質性や上型インサ
ート11および下型インサート12との転写性を一段と
向上させることができる。従って、この点からも、高品
質で高い形状精度のレンズを成形することができる。
【0060】また、再加熱冷却工程において、金型50
からの成形品の取り出し時における下型インサート12
(レンズ凸面成形用キャビティ形成部材)の温度を上型
インサート11(レンズ凹面成形用キャビティ形成部
材)の温度より低くしたので、金型50から取り出され
たときの成形品のレンズ凸面がレンズ凹面に比べ温度が
低いから、レンズ凸面がレンズ凹面より早期に固化し、
金型50から取り出された成形品の中折れ現象の発生を
防止できる。つまり、成形すべきレンズが、中心部と周
縁部とで偏肉差があって、中心部の厚さよりも周縁部の
厚さが大きいレンズの場合には、厚さの小さい中心部か
らレンズ凹面側に折れる中折れ現象が発生しやすいが、
上記のように温度差をもたすことによって中折れ現象の
発生も防止できる。このことは、上型インサート11
(レンズ凹面成形用キャビティ形成部材)および下型イ
ンサート12 (レンズ凸面成形用キャビティ形成部材)
のレンズ成形面形状が溶融樹脂に正確に転写された高精
度のレンズを得ることができることを意味する。
【0061】また、モールド構成体45には、2個のレ
ンズ成形用キャビティ3を含んでいるから、複数のレン
ズ102を同時に成形することができる。また、モール
ド構成体45には、把手部46を含んでいるから、把手
105を有する成形品101を成形することができる。
従って、成形品101のレンズ1 02部分を耐摩耗性ハ
ードコート液などに浸潰処理する際に、把手105を持
って浸潰処理できるから、浸漬処理を容易にできる。
【0062】また、射出工程において、ノズルシャット
ピン91をその先端がスプルーブッシュ47の内部に接
触する直前位置まで突出させてノズル85の通路先端を
閉塞するようにし、ノズルシャットピン91の先端面9
1Aおよび側面91Bとスプルーブッシュ47の内壁と
の間に隙間を形成したので、離型時に成形スプルー部が
欠損することがなく、異物の混入を確実に防止すること
ができる。
【0063】なお、以上述べた実施形態においては、2
個の眼鏡レンズ成形用キャビティ3を有する金型50を
用いた場合を示したが、1個のレンズ成形用キャビテ
ィ、あるいは、3個以上のレンズ成形用キャビティを有
する金型を用いて成形するようにしてもよい。
【0064】また、上記実施形態では、溶融樹脂の射出
充填開始から溶融樹脂がキャビティ3内に達するまでの
区間S0〜S2では、クローズド制御を採用したが、溶
融樹脂の射出充填開始から溶融樹脂がゲート部46の手
前に達するまでの区間S0〜S1ではクローズド制御
を、溶融樹脂がゲート部46の手前からキャビティ3内
に達するまでの区間S1〜S2(ゲート部46の区間)
では、オープン制御を採用するようにしてもよい。この
ようにすれば、キャビティ内への溶融樹脂の急激な浸入
を防止できるから、キャビティ内において、空気の巻き
込みも極力少なく、溶融樹脂の挙動に大きく変化を与え
ないスムーズな充填を補償することができる。
【0065】また、上記実施形態では、モールド構成体
45が把手部46を含んでいたが、把手部46がないも
のでもよい。
【0066】また、上記実施形態では、成形時の圧縮代
を、型本体4と型取付部材16との間に形成した寸開き
量により設定するようにしたが、他の金型を用いてもよ
い。たとえば、キャビティ3内に突出するキャビティコ
アを設け、このキャビティコアの位置から圧縮代を設定
したのち、キャビティコアをキャビティ3内に突出させ
ることにより圧縮するようにした構造の金型を用いても
よい。
【0067】また、上記実施形態では、マイナスレンズ
成形時において、溶融樹脂を約90〜95%射出した時
点で寸開き量Sの圧縮を開始するようにしたが、このと
きのパーセンテージもキャビティ3の容積、樹脂の種
類、レンズの特性などに応じて任意に決定すればよい。
【0068】また、上記実施形態では、位置センサ87
のほかに、速度センサ88を設けたが、速度センサ88
を設けることなく、位置センサ87からの位置データ
と、その位置データから選られた時間との関係から速度
を演算によって求めるようにしてもよい。
【0069】また、上記実施形態では、寸開き量を、プ
ラスレンズの場合には0.8mm以下、マイナスレンズ
の場合には0.8mmより大きい寸法に設定したが、こ
れらの数値はレンズの特性などに応じて任意に決定すれ
ばよい。
【0070】また、成形装置は、本実施形態のものに限
らず、横型のものを用いてもよい。また、金型、その温
度調整機構、射出シリンダ等についても、同様に他の機
構を用いて実施可能なことはもちろんである。
【0071】また、上記実施形態では、眼鏡レンズの射
出圧縮成形について説明したが、必ずしも眼鏡レンズに
限られるものではなく、本発明は他のレンズ一般に適用
できる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光学的性能に優れ、メニスカス形状のレンズの強度や弱
度といった度数差のあるレンズや、単焦点非球面、累進
面、乱視レンズといった特異なレンズ形状の成形も可能
であり、マイナスレンズの成形時に発生する中折れ現象
を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の方法を実施するための射出
圧縮成形装置の構成を示す図である。
【図2】同装置における射出成形用金型を示す断面図で
ある。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】本発明の実施形態におけるレンズ成形の手順を
示すフローチャートである。
【図8】同実施形態における射出速度と位置との関係を
示す図である。
【図9】同実施形態で得られる成形品を示す図である。
【図10】同実施形態の射出工程における制御のフロー
チャートである。
【図11】同実施形態の再加熱冷却工程での温度制御曲
線を示す図である。
【図12】同実施形態で得られる成形品を示す斜視図で
ある。
【図13】同実施形態で得られる成形品のコーティング
処理の様子を示す図である。
【符号の説明】
3 眼鏡レンズ成形用キャビティ 11 上型インサート(レンズ凹面成形用キャビティ形
成部材) 12 下型インサート(レンズ凸面成形用キャビティ形
成部材) 45 モールド構成体 46 把手部 48 スプルー 49 ランナ 50 射出成形用金型 85 ノズル 90 ノズルシャット機構 82 射出シリンダ V 実際のの射出速度 V1 第1設定速度 V2 第2設定速度 V3 第3設定速度 P0 射出充填開始位置 P1 溶融樹脂がゲート部手前に到達した位置 P2 溶融樹脂がキャビティ内に到達した位置 P3 射出充填完了位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 45/78 B29C 45/78 // B29L 11:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ凹凸面形成用の少なくとも一対の
    キャビティ形成部材によって構成されるレンズ成形用キ
    ャビティ、このレンズ成形用キャビティにゲート部を介
    して連通するランナ、およびこのランナに連通するスプ
    ルーを有するモールド構成体を備えた金型を用いてレン
    ズを成形するレンズの射出圧縮成形方法であって、 前記レンズ成形用キャビティ、ランナ、およびスプルー
    を有する前記モールド構成体に対する必要量の熱可塑性
    樹脂を計量する計量工程と、 前記金型を型閉じし、前記レンズ成形用キャビティ内に
    圧縮代を残して前記モールド構成体の容積を所定の大き
    さに設定する型準備工程と、 前記計量工程で計量された熱可塑性樹脂をノズル通路を
    通じて前記モールド構成体に射出させる射出工程と、 前記熱可塑性樹脂の射出完了後または射出完了直前に、
    前記圧縮代を圧縮する圧縮工程と、 これらの工程中に金型温度を制御して前記モールド構成
    体内の熱可塑性樹脂を固化させる金型温度調整工程とを
    備え、 前記射出工程においては、 熱可塑性樹脂の射出開始から溶融樹脂がレンズ成形用キ
    ャビティ内に達するまでの区間では、射出速度が設定速
    度になるように制御すると共に、前記ゲート部で射出速
    度を一旦所定の速度まで下げ、更に溶融樹脂がレンズ成
    形用キャビティ内に達してから射出充填完了までの区間
    では、射出速度を予め設定した設定速度に制御し、 前記金型温度調整工程では、 前記レンズ凸面成形用キャビティ形成部材のレンズ取り
    出し温度を、前記レンズ凹面成形用キャビティ形成部材
    のレンズ取り出し温度よりも低く制御することを特徴と
    するレンズの射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 前記モールド構成体が、前記ランナおよ
    びスプルーに連通する把手部を有することを特徴とする
    請求項1記載のレンズの射出圧縮成形方法。
  3. 【請求項3】 前記溶融樹脂が前記レンズ成形用キャビ
    ティ内に達してから射出充填完了までの区間で、射出速
    度をマイナス弱度レンズとマイナス強度レンズとで変化
    させて制御し、マイナス強度レンズの方をマイナス弱度
    レンズより遅くすることを特徴とする請求項1または2
    記載のレンズの射出圧縮成形方法。
  4. 【請求項4】 前記レンズが眼鏡レンズであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレンズの射出
    成形方法。
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