JPH1110512A - ワイヤソー - Google Patents

ワイヤソー

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JPH1110512A
JPH1110512A JP17043597A JP17043597A JPH1110512A JP H1110512 A JPH1110512 A JP H1110512A JP 17043597 A JP17043597 A JP 17043597A JP 17043597 A JP17043597 A JP 17043597A JP H1110512 A JPH1110512 A JP H1110512A
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Application number
JP17043597A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kataoka
淳 片岡
Toshiharu Adachi
敏晴 安立
Mitsuhiro Shiragami
光宏 白神
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Nippei Toyama Corp
Original Assignee
Nippei Toyama Corp
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のワークの加工に際して、ワイヤを前区
間の途中から次区間の始点まで空送りする必要がなく、
加工能率を向上させることができるワイヤソーを提供す
る。 【解決手段】 複数の加工用ローラ15,16,17間
にワイヤ18を所定ピッチで巻回する。ワイヤ18を複
数の区間に区分して、各区間ごとにワイヤ18の送り方
向を正方向及び逆方向に複数回反転させながら、ワーク
22に加工を施す。ワーク18の送り方向の反転タイミ
ングは、ワーク22のワイヤ予測使用量に基づいて、ワ
ーク22の加工終点とワイヤ18の区間終点とがほぼ一
致するように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤを用い
て、半導体材料、磁性材料、セラミック等の硬脆材料よ
りなるワークに対し、切断等の加工を施すワイヤソーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーにおいては、複数の加工用ロ
ーラが所定間隔おきに配設され、それらのローラの外周
には複数の環状溝が所定ピッチで形成されている。ま
た、各加工用ローラ間において、環状溝には1本のワイ
ヤが順に巻回されている。そして、ワイヤが走行されな
がら、そのワイヤ上に遊離砥粒を含むスラリが供給さ
れ、この状態でワイヤに対しワークが押し付け接触され
て、ワークに切断等の加工が施されるようになってい
る。
【0003】この種のワイヤソーでは、図11のよう
に、ワイヤの全体長L1が例えば100kmずつの所定
の長さL2で複数の区間に区分設定される。そして、ワ
イヤの各区間ごとに、その始点及び終点P2でワイヤの
送り方向が正方向及び逆方向に繰り返し方向変換され
て、ワイヤの各区間が耐使用回数だけ往復使用されなが
ら、ワークの加工が実行されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、例えばワイ
ヤの一区間を使用して、1つのワークの加工を実行した
場合、図11で示すように、ワイヤの区間途中でワーク
の加工が終了することが多い。このように、ワークの加
工終点P1がワイヤの区間途中となった場合には、ワイ
ヤを前区間の途中から次区間の始点まで(図1中の点線
の距離)空送りした後、次のワークの加工を開始する必
要があって、この空送りのために加工能率が悪いという
問題があった。
【0005】空送りをなくすためには、加工終点P1か
ら次加工を開始することも考えられる。しかし、この場
合には、区間の途中から加工が開始され、区間終点P2
から次区間の始点に移行するときに、ワイヤが突然未使
用の新線部分に切り替えられる。従って、切断条件が瞬
間的に変化して、加工精度に著しい悪影響を与えること
になる。
【0006】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、複数のワークの加工に際して、ワイヤを
前区間の途中から次区間の始点まで空送りする必要がな
く、加工能率を向上させることができるワイヤソーを提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、複数の加工用ローラ
間にワイヤを所定ピッチで巻回し、そのワイヤを複数の
区間に区分して、各区間ごとにワイヤの送り方向を正方
向及び逆方向に複数回方向変換させながら、ワイヤに対
しワークを接触させて、加工を施すようにしたワイヤソ
ーにおいて、前記所定数のワークに対するワイヤの予測
使用量に基づいて、ワークの加工終点とワイヤの区間終
点とがほぼ一致するように、ワイヤの送り方向の変換タ
イミングを制御する制御手段を設けたことを要旨とす
る。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のワイヤソーにおいて、制御手段は、ワイヤの送り方
向の変換を偶数回行わせることを要旨とする。請求項3
に記載の発明では、請求項1または2に記載のワイヤソ
ーにおいて、制御手段は、各区間の使用回数がワイヤの
耐使用回数以下になるように変換回数を制御することを
要旨とする。
【0009】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載のワイヤソーにおいて、ワイヤの耐使用回数は、ワイ
ヤの最大使用可能回数が奇数である場合には、その最大
使用可能回数以下であることを要旨とする。
【0010】請求項5に記載の発明では、請求項3に記
載のワイヤソーにおいて、ワイヤの耐使用回数は、ワイ
ヤの最大使用可能回数が偶数である場合には、ワイヤの
最大使用可能回数−1以下であることを要旨とする。
【0011】請求項6に記載の発明では、請求項3に記
載のワイヤソーにおいて、ワイヤの耐使用回数は3回で
あることを要旨とする。請求項7に記載の発明では、請
求項1〜6のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、前
記制御手段は、ワークの加工終点がワイヤの区間終点を
若干越えて次区間側に位置するように制御することを要
旨とする。
【0012】請求項8に記載の発明では、請求項1〜7
のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、ワイヤの予測
使用量がワイヤの一区間内の全長(区間長×耐使用回
数)よりも短い場合、その一区間内で複数のワークが加
工されることを要旨とする。
【0013】請求項9に記載の発明では、請求項1〜7
のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、ワイヤの予測
使用量がワイヤの一区間内の全長(区間長×耐使用回
数)よりも長い場合、複数の連続する区間においてワー
ク加工を行い、ワイヤの加工開始点が前段の区間の始点
に、加工終点が後段の区間の終点に設定されていること
を要旨とする。
【0014】請求項10に記載の発明では、請求項1〜
9のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、前記制御手
段は、予め設定された所定の一又は複数の区間長だけワ
イヤを正方向に送った後に、ワイヤの送り方向を変換さ
せ、その後、(ワイヤ予測使用量−一または複数の区間
長)÷変換回数の演算値に基づいて、ワイヤの送り方向
を変換させるように制御することを要旨とする。
【0015】請求項11に記載の発明では、請求項1〜
9のいずれかに記載のワイヤソーにおいて、前記制御手
段は、ワイヤ予測使用量÷(変換回数+1)の演算値に
より、ワイヤの区間長を演算し、その演算区間長に基づ
いてワイヤの送り方向を変換させるように制御すること
を要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下に、この発明の第1の実施形態
を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0017】図1及び図2に示すように、装置基台11
上にはコラム12が立設されている。コラム12の一側
には切断機構13がブラケット14を介して装設されて
いる。この切断機構13は所定間隔をおいて平行に延び
る複数の加工用ローラ15,16,17を備え、それら
の外周には環状溝15a,16a,17aが所定ピッチ
で形成されている。なお、図面においては理解を容易に
するために、環状溝15a,16a,17aの数を実際
よりも少なく描いてある。
【0018】前記加工用ローラ15,16,17の各環
状溝15a,16a,17aには、1本の線材よりなる
ワイヤ18が連続的に巻回されている。ブラケット14
にはワイヤ走行用モータ19が配設され、このモータ1
9により図示しない伝達機構を介して加工用ローラ1
5,16,17が回転される。そして、これらの加工用
ローラ15,16,17の回転によって、ワイヤ18が
所定の走行速度で走行される。このワイヤ18の走行
は、一定量前進(例えば10m)及び一定量後退(例え
ば9m)を繰り返し、全体として歩進的に前進するよう
に行われる。
【0019】前記切断機構13の上方に位置するよう
に、ブラケット14上にはスラリ供給機構20が配設さ
れ、このスラリ供給機構20から加工用ローラ15,1
6,17間のワイヤ18上に、遊離砥粒を含む水性また
は油性のスラリが供給される。スラリ供給機構20の上
方において、コラム12にはワーク支持機構21が上下
動可能に支持され、その下部には硬脆材料よりなるワー
ク22が着脱自在にセットされる。コラム12上にはワ
ーク昇降用モータ23が配設され、このモータ23によ
り図示しないボールスクリュー等を介してワーク支持機
構21が上下動される。
【0020】そして、このワイヤソーの運転時には、ワ
イヤ18が切断機構13の加工用ローラ15,16,1
7間で走行されながら、ワーク支持機構21が切断機構
13に向かって下降される。このとき、スラリ供給機構
20からワイヤ18上へ遊離砥粒を含むスラリが供給さ
れるとともに、そのワイヤ18に対しワーク22が押し
付け接触され、ラッピング作用によってワーク22がス
ライス状に切断加工される。
【0021】前記装置基台11上にはリール機構24が
装設され、ワイヤ18を繰り出すための繰出しリール2
5と、ワイヤ18を巻き取るための巻取りリール26と
を備えている。装置基台11には回転方向及び回転速度
を変更可能なサーボモータよりなる一対のリール回転用
モータ27,28が配設され、それらのモータ軸には図
示しない伝達機構を介して両リール25,26が連結さ
れている。
【0022】前記装置基台11上にはリール機構24に
隣接してトラバース機構29が装設され、繰出しリール
25からのワイヤ18の繰出し及び巻取りリール26へ
のワイヤ18の巻取りを、上下にトラバースしながら案
内する。そして、前記リール機構24の両リール25,
26の回転により、繰出しリール25から切断機構13
へワイヤ18が繰り出されるとともに、加工後のワイヤ
18が巻取りリール26に巻き取られる。
【0023】前記リール機構24と切断機構13との間
には、張力付与機構30及びガイド機構31が配設され
ている。そして、切断機構13の加工用ローラ15,1
6,17間に巻回されたワイヤ18の両端が、ガイド機
構31の各ガイドローラ32を介して張力付与機構30
に掛装されている。この状態で、張力付与機構30によ
り、加工用ローラ15,16,17間のワイヤ18に所
定の張力が付与されるようになっている。
【0024】次に、ワイヤソーの主要部の回路構成につ
いて説明する。図3に示すように、CPU(中央処理装
置)35には、装置全体の動作を制御するためのプログ
ラムを記憶したROM(リードオンリメモリ)36と、
各種のデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモ
リ)37とが接続されている。そして、このCPU3
5、ROM36及びRAM37により、制御手段が構成
されている。
【0025】前記CPU35には操作パネル38が接続
され、各種データを入力するための入力キーを備えてい
る。そして、この操作パネル38からCPU35に対し
て、図4に示すようなワイヤ18の全体長L1、ワイヤ
18を複数の区間に区分した場合の各区間長L2、1つ
のワーク22を加工するのに必要なワイヤ予測使用量L
3、ワイヤ18の耐使用回数N1等のデータを入力する
ようになっている。
【0026】ここで、ワイヤ18の最大使用可能回数と
は、加工精度を維持できる範囲のワイヤ18の限界使用
回数をいい、ワイヤ18の耐使用回数とは、ワイヤ18
の最大使用可能回数が偶数の場合は、(最大使用可能回
数−1)が耐使用回数となる。また、ワイヤ18の最大
使用可能回数がが奇数の場合は、最大使用可能回数が耐
使用可能回数となる。従って、ワイヤ18の耐使用回数
は常に奇数値が設定される。
【0027】前記CPU35にはドライバ39,40,
41を介して、ワイヤ走行用モータ19、ワーク昇降用
モータ23及びリール回転用モータ27,28が接続さ
れている。そして、これらのモータ19,23,27,
28に対してCPU35から、駆動、停止及び方向変換
等の制御信号が所定のタイミングで出力されるようにな
っている。
【0028】また、前記CPU35は、ワーク22の加
工に先立って、操作パネル38から各種データが入力さ
れたとき、ワイヤ18の耐使用回数N1に基づいて、次
式(1)によりワイヤ18の送り方向の変換回数N2を
演算する。
【0029】N2=N1−1 …(1) この場合、ワイヤ18の耐使用回数N1が奇数で入力さ
れるため、変換回数N2は常に偶数になる。なお、この
実施形態では、ワイヤ18の最大使用可能回数を3回と
しており、従って、ワイヤ18の耐使用回数N1が3回
であるため、変換回数N2は2回となる。
【0030】さらに、CPU35は、ワイヤ18の区間
長L2、ワーク22のワイヤ予測使用量L3及び変換回
数N2に基づいて、次式(2)によりワイヤ18の折り
返し長L4を演算する。
【0031】L4=(L3−L2)÷N2 …(2) そして、前記CPU35は、ワイヤ18の各区間におい
て、1つのワーク22を切断加工する場合、ワーク22
のワイヤ予測使用量L3に基づいて、ワイヤ走行用モー
タ19及びリール回転用モータ27,28に所定のタイ
ミングで方向変換信号を出力し、ワイヤ18の送り方向
を変換させる。これにより、CPU35は図4に示すよ
うに、ワーク22の加工終点P1をワイヤ18の区間終
点P2とほぼ一致させるように制御する。
【0032】すなわち、CPU35は、まずワイヤ18
を予め入力設定された所定の区間長L2だけ正方向に送
った後に、そのワイヤ18の送り方向を正方向から逆方
向に方向変換させる。その後は、ワイヤ18を前記演算
結果の折り返し長L4だけ逆方向及び正方向に送る。そ
して、このワイヤ18の送り方向の変換は、前記演算結
果の送り変換回数N2だけ実行する。
【0033】なお、実際には、前述のように、ワイヤ1
8は歩進的に走行しながらトータルとして図4に示すよ
うなパターンで進行する。次に、前記のように構成され
たワイヤソーについて動作を説明する。
【0034】さて、このワイヤソーにおいては、ワイヤ
18がリール機構24の繰出しリール25から繰り出さ
れ、切断機構13の加工用ローラ15,16,17間に
おいて歩進的に走行された後、巻取りリール26に巻き
取られる。そして、スラリ供給機構20により、加工用
ローラ15,16,17間のワイヤ18上に遊離砥粒を
含むスラリが供給されながら、ワーク支持機構21の下
降により、ワイヤ18に対してワーク22が押し付け接
触される。これにより、ワーク22が所定の厚さに切断
加工される。
【0035】この場合、図4に示すように、ワイヤ18
の1つの区間を耐使用回数N1だけ方向変換して、1つ
のワーク22が切断加工される。すなわち、1つのワー
ク22の加工時には、まずワイヤ18が区間の始点から
所定の区間長L2だけ正方向に送られた後、そのワイヤ
18の送り方向が正方向から逆方向に方向変換される。
その後は、ワイヤ18がワーク22のワイヤ予測使用量
L3に基づいて演算された折り返し長L4だけ、逆方向
または正方向に送られる。
【0036】そして、ワイヤ18が耐使用回数N1に基
づいて演算された変換回数N2だけ方向変換された後
に、折り返し長L4だけ送られた時点で、ワイヤ18の
送りが停止されて、ワーク22の加工が終了する。この
とき、ワーク22の加工終点P1はワイヤ18の区間終
点P2とほぼ同一になる。このため、次のワーク22の
切断加工を継続して実行する場合に、ワイヤ18を前区
間の途中から次区間の始点まで空送りする必要はない。
【0037】前記の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。・ この実施形態のワイヤソ
ーにおいては、ワーク22のワイヤ予測使用量L3に基
づいて、ワーク22の加工終点P1とワイヤ18の区間
終点P2とがほぼ一致するように、ワイヤ18の送り方
向の変換タイミングが設定制御される。このため、複数
のワーク22を連続して加工する場合に、ワイヤ18を
前区間の途中から次区間の始点まで空送りする必要がな
く、加工能率を向上させることができる。
【0038】・ この実施形態のワイヤソーにおいて
は、予め設定された所定の区間長L2だけワイヤ18が
正方向に送られた後に、ワイヤ18の送り方向が変換さ
れ、その後、(ワイヤ予測使用量L3−区間長L2)÷
偶数変換回数N2の演算値に基づいて、ワイヤ18の送
り方向が繰り返し方向変換されるようになっている。こ
のため、ワイヤ18の区間長L2が予め設定されている
場合においても、ワーク22の加工終点P1をワイヤ1
8の区間終点P2と容易に一致させることができて、ワ
イヤ18の空送り動作を不要にすることができる。従っ
て、ワイヤ18の全長に応じて余りの長さが生じないよ
うに、区間長L2を適宜に設定しても、区間終点P1と
加工終点P2とを一致させることができ、ワイヤの全長
を有効に使用できる。
【0039】・この実施形態のワイヤソーにおいては、
ワーク22に対する加工開始位置が必ず各区間の開始点
から開始されて、終了点で終了される。従って、切断加
工の途中において、切断中のワイヤ18が突然未使用部
分に移行するようなことがなく、切断精度の維持に寄与
できる。
【0040】(第2の実施形態)次に、この発明の第2
の実施形態を、図5に基づいて説明する。さて、この第
2の実施形態においては、ワイヤ18の区間長L2はそ
のデータが操作パネル38から入力されるのではなく、
CPU35にて演算される。すなわち、CPU35は、
ワーク22の加工に先立って、操作パネル38から各種
データが入力されたとき、ワイヤ18の耐使用回数N1
に基づいて、前記式(1)によりワイヤ18の送り方向
の変換回数N2を演算する。これとともに、CPU35
は、ワーク22のワイヤ予測使用量L3及び変換回数N
2に基づいて、次式(3)によりワイヤ18の区間長L
2を演算する。
【0041】L2=L3÷(N2+1) …(3) そして、前記CPU35は、この演算結果の区間長L2
ごとに、ワイヤ18の送り方向を繰り返し方向変換させ
て、ワーク22の加工終点P1をワイヤ18の区間終点
P2とほぼ一致させるように制御する。
【0042】従って、この第2の実施形態においても、
前述した第1の実施形態と同様に、複数のワーク22を
連続して加工する場合に、ワイヤ18を前区間の途中か
ら次区間の始点まで空送りする必要がなく、加工能率を
向上させることができる。
【0043】また、この第2の実施形態においては、ワ
イヤ予測使用量L3÷(偶数変換回数N2+1)の演算
値により、ワイヤ18の区間長L2が演算され、その演
算区間長L2に基づいてワイヤ18の送り方向が繰り返
し方向変換されるようになっている。このため、ワイヤ
予測使用量L3に応じてワイヤ18の区間長L2を決定
して、ワーク22の加工終点P1をワイヤ18の区間終
点P2と容易に一致させることができるとともに、区間
長L2の部分を均等に同回数使用でき、区間長L2の部
分を有効に使用できる。
【0044】(第3の実施形態)次に、この発明の第3
の実施形態を、図6に基づいて説明する。さて、この第
3の実施形態においては、前記第1の実施形態と同様
に、ワイヤ18の送り方向が、所定の区間長L2だけ送
られた時点で方向変換された後に、ワイヤ予測使用量L
3に基づいて演算された折り返し長L4ごとに、方向変
換されるようになっている。また、この第3の実施形態
では、ワーク22の加工終点P2がワイヤ18の区間終
点P2よりも、次区間側へ長さL5分だけ若干変位する
ように制御される。従って、次区間の加工開始点が前区
間に対して長さL5分だけ離れて位置する。
【0045】従って、この第3の実施形態においても、
前述した第1の実施形態とほぼ同様の効果を発揮させる
ことができる。また、この第3の実施形態においては、
ワーク22の加工終点P1がワイヤ18の区間終点P2
よりも若干次区間側に位置するため、ワイヤ18の送り
においてスリップが生じたりして実際の走行距離が短く
なった場合でも、ワイヤ18の空送りを不要にすること
ができる。
【0046】(第4の実施形態)次に、この発明の第4
の実施形態を、図7に基づいて説明する。なお、L5は
設定値とせずに、ワーク22毎のワイヤ予測使用量L3
に基づいて方向変換演算した結果の端数値を相当させる
こともできる。
【0047】さて、この第4の実施形態においては、前
記第2の実施形態と同様に、ワイヤ予測使用量L3に基
づいて演算されたワイヤ18の区間長L2ごとに、ワイ
ヤ18の送り方向が繰り返し方向変換されるようになっ
ている。また、この第4の実施形態では、前記第3の実
施形態と同様に、ワーク22の加工終点P1がワイヤ1
8の区間終点P2よりも、長さL5分だけ次区間側へ若
干変位するように制御される。
【0048】従って、この第4の実施形態においても、
前述した第2の実施形態及び第3の実施形態とほぼ同様
の効果を発揮させることができる。 (第5の実施形態)次に、この発明の第5の実施形態
を、図8に基づいて説明する。
【0049】さて、この第5の実施形態においては、ワ
イヤ18の区間長L2が操作パネル38から予め入力設
定される。また、ワーク22のワイヤ予測使用量L3
が、ワイヤ18の区間長L2よりも小さい場合に、ワイ
ヤ18の1つの区間内で、送り方向が耐使用回数N1だ
け方向変換されながら、複数のワーク22に対して連続
的に加工が施されるようになっている。そして、複数の
ワーク22ごとの加工終点P1がワイヤ18の区間終点
P2とほぼ一致するようになっている。この場合、折り
返し長の演算はワーク複数個分のワイヤ予測使用量を基
に行われる。
【0050】従って、この第5の実施形態によれば、ワ
ーク22のワイヤ予測使用量L3が、ワイヤ18の区間
長L2よりも小さい場合においても、容易に対処するこ
とができて、ワイヤ18の前区間と次区間との間の空送
り動作を不要にすることができる。
【0051】(第6の実施形態)次に、この発明の第6
の実施形態を、図9に基づいて説明する。さて、この第
6の実施形態においては、ワイヤ18の区間長L2が操
作パネル38から予め入力設定されるようになってい
る。また、ワーク22のワイヤ予測使用量L3が、ワイ
ヤ18の区間長L2×(耐使用回数N1+1)よりも大
きい場合に、前記第1の実施形態と同様に、各区間長L
2毎に折り返し長が演算され、すなわち、ワイヤ予測使
用量L3がワイヤ18の一区間内の全長(L2×N1)
より長い場合に、ワイヤ18の複数の各区間内で、それ
ぞれ送り方向が耐使用回数N1だけ方向変換されなが
ら、1つのワーク22が加工されるようになっている。
そして、1つのワーク22の加工開始点が前段の区間長
L2の加工開始点となるとともに、加工終点P1が後段
の区間長L2の各区間終点P2とほぼ一致するようにな
っている。
【0052】従って、この第6の実施形態によれば、ワ
ーク22のワイヤ予測使用量L3が、ワイヤ18の区間
長L2×(耐使用回数N1+1)よりも大きい場合にお
いても、容易に対処することができて、ワイヤ18の前
加工区間と次加工区間との間の空送り動作を不要にする
ことができる。
【0053】(第7の実施形態)次に、この発明の第7
の実施形態を、図10に基づいて説明する。さて、この
第7の実施形態においては、複数種の区間長L2a,L
2bのデータが、操作パネル38から予め入力設定され
る。この複数の区間長L2a,L2bは互いに異なる長
さである。また、ワーク22のワイヤ予測使用量L3に
応じて、区間長L2a,L2bの何れかが選択されて、
その選択された区間長L2a又は区間長L2bを一つの
区間長として、その一つの区間長内で送り方向が耐使用
回数N1だけ方向変換されながら、ワーク22が加工さ
れるようになっている。すなわち、ワイヤ18の予測使
用量L3が短い方の区間内のワイヤの全長(L2a×N
1)よりも長い場合に、長い方の区間長L2bを選択す
る。そして、ワーク22の加工開始点が前段の区間長L
2aの加工始点となり、加工終点P1が後段の区間長L
2aの区間終点P2とほぼ一致するようになっている。
【0054】従って、この第7の実施形態によれば、ワ
イヤ18の予測使用量L3がワイヤ18の一つの区間内
の全長より長くても、或いはワーク22毎にワーク22
のワイヤ予測使用量L3が変化した場合でも、容易に対
処することができて、ワイヤ18の前区間と次区間との
間の空送り動作を不要にすることができる。
【0055】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。 ・ ワイヤ18の区間長を耐使用回数と予測使用量との
関係から演算により導き出すように構成すること。
【0056】・ ワーク22のワイヤ予測使用量L3
を、操作パネル38から入力することなく、ワイヤ22
の送り速度と加工時間との関係から演算により導き出す
ように構成すること。
【0057】・前記第5〜第7の実施形態において、第
3及び第4の実施形態と同様に、加工終点P1を次区間
側へ若干変位させること。このように構成すれば第3及
び第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0058】・前記第5の実施形態において、一区間長
において3個以上のワークを切断加工すること。 ・前記第6、7の実施形態において、3カ所以上の区間
長においてワークを切断加工すること。
【0059】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1〜6に記載
の発明によれば、複数のワークの加工に際して、ワイヤ
を前区間の途中から次区間の始点まで空送りする必要が
なく、加工能率を向上させることができるとともに、ワ
イヤが突然新線部分に切り替わることがなく、高精度加
工を達成できる。
【0060】請求項7に記載の発明によれば、ワイヤの
走行送り中にスリップ等が生じた場合でも、ワークの加
工終点をワイヤの区間終点と容易に一致させることがで
きる。
【0061】請求項8に記載の発明によれば、ワイヤの
予測使用量がワイヤの一区間内の全長よりも短くても、
区間長を有効に利用して、空送り動作を不要にすること
ができる。
【0062】請求項9に記載の発明によれば、ワイヤの
予測使用量がワイヤの一区間内の全長より長くても、複
数の区間長を有効に利用して、空送り動作を不要にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のワイヤソーの第1の実施形態を示
す正面図。
【図2】 そのワイヤソーの平面図。
【図3】 ワイヤソーの主要部の回路構成を示すブロッ
ク図。
【図4】 ワークの加工時におけるワイヤの送り動作を
説明する線図。
【図5】 第2の実施形態におけるワイヤの送り動作を
説明する線図。
【図6】 第3の実施形態におけるワイヤの送り動作を
説明する線図。
【図7】 第4の実施形態におけるワイヤの送り動作を
説明する線図。
【図8】 第5の実施形態におけるワイヤの送り動作を
説明する線図。
【図9】 第6の実施形態におけるワイヤの送り動作を
説明する線図。
【図10】 第7の実施形態におけるワイヤの送り動作
を説明する線図。
【図11】 従来の技術におけるワイヤの送り動作を説
明する線図。
【符号の説明】
13…切断機構、15,16,17…加工用ローラ、1
5a,16a,17a…環状溝、18…ワイヤ、19…
ワイヤ走行用モータ、20…スラリ供給機構、21…ワ
ーク支持機構、22…ワーク、24…リール機構、25
…繰出しリール、26…巻取りリール、27,28…リ
ール回転用モータ、35…制御手段を構成するCPU、
36…制御手段を構成するROM、37…制御手段を構
成するRAM、L2…ワイヤの区間長、L3…ワークの
ワイヤ予測使用量、L4…ワイヤの折り返し長、N1…
ワイヤの耐使用回数、N2…ワイヤの送り方向の変換回
数、P1…ワークの加工終点、P2…ワイヤの区間終
点。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の加工用ローラ間にワイヤを所定ピ
    ッチで巻回し、そのワイヤを複数の区間に区分して、各
    区間ごとにワイヤの送り方向を正方向及び逆方向に複数
    回方向変換させながら、ワイヤに対しワークを接触させ
    て、加工を施すようにしたワイヤソーにおいて、 前記所定数のワークに対するワイヤの予測使用量に基づ
    いて、ワークの加工終点とワイヤの区間終点とがほぼ一
    致するように、ワイヤの送り方向の変換タイミングを制
    御する制御手段を設けたワイヤソー。
  2. 【請求項2】 制御手段は、ワイヤの送り方向の変換を
    偶数回行わせる請求項1に記載のワイヤソー。
  3. 【請求項3】 制御手段は、各区間の使用回数がワイヤ
    の耐使用回数以下になるように変換回数を制御する請求
    項1または2に記載のワイヤソー。
  4. 【請求項4】 ワイヤの耐使用回数は、ワイヤの最大使
    用可能回数が奇数である場合には、その最大使用可能回
    数以下である請求項3に記載のワイヤソー。
  5. 【請求項5】 ワイヤの耐使用回数は、ワイヤの最大使
    用可能回数が偶数である場合には、 ワイヤの最大使用可能回数−1 以下である請求項3に記載のワイヤソー。
  6. 【請求項6】 ワイヤの耐使用回数は3回である請求項
    3に記載のワイヤソー。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、ワークの加工終点がワ
    イヤの区間終点を若干越えて次区間側に位置するように
    制御する請求項1〜6のいずれかに記載のワイヤソー。
  8. 【請求項8】 ワイヤの予測使用量がワイヤの一区間内
    の全長(区間長×耐使用回数)よりも短い場合、その一
    区間内で複数のワークが加工される請求項1〜7のいず
    れかに記載のワイヤソー。
  9. 【請求項9】 ワイヤの予測使用量がワイヤの一区間内
    の全長(区間長×耐使用回数)よりも長い場合、複数の
    連続する区間においてワーク加工を行い、ワイヤの加工
    開始点が前段の区間の始点に、加工終点が後段の区間の
    終点に設定されている請求項1〜7のいずれかに記載の
    ワイヤソー。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、予め設定された所定
    の一又は複数の区間長だけワイヤを正方向に送った後
    に、ワイヤの送り方向を変換させ、その後、 (ワイヤ予測使用量−一または複数の区間長)÷変換回
    数 の演算値に基づいて、ワイヤの送り方向を変換させるよ
    うに制御する請求項1〜9のいずれかに記載のワイヤソ
    ー。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、 ワイヤ予測使用量÷(変換回数+1) の演算値により、ワイヤの区間長を演算し、その演算区
    間長に基づいてワイヤの送り方向を変換させるように制
    御する請求項1〜9のいずれかに記載のワイヤソー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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