JPH11104773A - カムシャフトの製造装置 - Google Patents

カムシャフトの製造装置

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JPH11104773A
JPH11104773A JP26745997A JP26745997A JPH11104773A JP H11104773 A JPH11104773 A JP H11104773A JP 26745997 A JP26745997 A JP 26745997A JP 26745997 A JP26745997 A JP 26745997A JP H11104773 A JPH11104773 A JP H11104773A
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JP
Japan
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cam
camshaft
main body
shaft main
shaft
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JP26745997A
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English (en)
Inventor
Kenji Munezane
賢二 宗実
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Publication of JPH11104773A publication Critical patent/JPH11104773A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カムの表裏の姿勢を確実に判別できて、カム
シャフトの良品・不良品を判別できる、カムシャフトの
製造装置を提供する。 【解決手段】 この製造装置の主な構成は、カムを把持
固定するカム固定手段11を備えるとともに、カムをシ
ャフト本体との組み付け位置へ搬送するための搬送手段
12と、前記組み付け位置において前記カム固定手段1
1によって固定されたカムに対し挿通可能に設けられ、
前記シャフト本体の一端部に係脱させられる案内手段1
3と、この案内手段13に対し所定間隔をおいて対向配
置され、前記シャフト本体の他端部を把持する把持手段
14と、把持手段14を前記カム固定手段11へ向けて
移動させることにより、シャフト本体を前記カム内に圧
入する押圧手段15と、前記把持手段14に取り付けら
れて、前記圧入の際にシャフト本体の軸方向の振動を検
出するための振動計(不図示)と、である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周面の所定箇所
に凹凸加工が施されてカム固定箇所とされたシャフト本
体を、このシャフト本体と別個に形成されたカムシャフ
ト構成要素に圧入することにより、このカムシャフト構
成要素を前記シャフト本体の前記カム固定箇所に組み付
け固定するようにしたカムシャフトの製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、内燃機関等において吸排気バル
ブの開閉に用いられているカムシャフトは、円柱状のシ
ャフト本体と、このシャフト本体の外面の所定位置に設
けられた複数のカム等のカムシャフト構成要素とによっ
て構成されており、これらのカムシャフト構成要素は、
一般に、鍛造もしくは鋳造あるいは切削加工によって前
記シャフト本体に一体に形成されていた。ところで、本
来シャフト本体に必要とされる材質とカムシャフト構成
要素に必要とされる材質は異なっており、すなわち、シ
ャフト本体には、捩れ強さ、曲げ強さに優れた材質が求
められ、カムシャフト構成要素には、耐摩耗性に優れた
材質が求められ、さらに、カムシャフト全体としては、
軽量化を図ることができる材質が求められる。
【0003】しかしながら、上記のようなカムシャフト
の製造方法であると、カムシャフト構成要素がシャフト
本体と一体化されていることから、前述の全ての面に優
れた材料を選定しなくてはならず、材料選択の自由度や
コストの面で制約が多くなる。さらに、カムシャフト構
成要素の仕様変更、例えば、カムのプロフィールや取り
付け角度を変更する必要性が生じた場合において、カム
やシャフト本体の共用化が不可能で、種類毎に鍛造型や
鋳型を起こしたり切削条件を変更しなければならず、仕
様変更へ迅速に対応できないといった不具合がある。
【0004】そこで、従来では、例えば特開平2ー15
0542号公報に示されるような技術が提案されてい
る。この技術は、図11に示すように、円筒状のシャフ
ト本体1の外周面の所定位置に塑性加工を施して、シャ
フト本体1の外径よりも大きな外径を有する複数の突条
2を周方向に沿って形成し、一方、カム3に、前記シャ
フト本体1の外径とほぼ同一の内径を有する貫通孔4を
形成するとともに、この貫通孔4の内面にスプライン5
を形成しておき、このカム3の貫通孔4内に、前記シャ
フト本体1を挿通させたのちに、シャフト1をその周方
向に回転させてカム3に対する周方向の位置決めを行な
い、しかるのちに、シャフト本体の塑性加工部分(カム
固定箇所)を前記カム3へ圧入することにより、図12
に示すように、前記スプライン5によって前記突条2を
塑性変形させて、両者を強固に係合させることにより、
シャフト本体1とカム3とを相互に固着するようにした
ものである。
【0005】詳述すると、図13に示すように、カム3
を円筒体24の上に置くとともに、チャック46により
シャフト本体1の上端部を把持し、さらに、上端に係合
部材44を有し、かつ前記円筒体24の下方よりこの円
筒体24およびカム3を貫通するような昇降ロッド42
により、前記シャフト本体1の下端部を支持する。この
状態で、チャック46および昇降ロッド42を下降させ
ると、シャフト本体1がカム3内に挿入され、シャフト
本体1の凹凸加工が施された塑性加工部分2がカム3の
内面に圧入されて、両者の強固な固定がなされる。この
ような技術にあっては、貫通孔4(図11および図12
参照)の内径とシャフト本体1の外径との寸法関係を一
定にしておくことにより、種々の材質またはプロフィー
ルを有するカム3を選択的にシャフト本体1へ組み付け
ることができるとともに、単にシャフト1を回転させ
て、カム3に対する周方向における相対位置を調整する
だけで、取り付け角度の変更を行なうことができる。
【0006】そして、このようなカムシャフトの製造装
置においては、シャフト本体1がカム3に圧入する際
に、この圧入力が、カム3とともに下降する支持パイプ
42が図示しないロードセルに当接させられることによ
り検出され、この検出置のピーク値のみにより、前記圧
入力が適正か否かを判断していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、上
記カム3の、シャフト本体1の挿入側(図13では上面
側)の内周縁には、面取り面3aが施されており、これ
により、シャフト本体1の突条2を上記カム3の貫通孔
4に挿入する際に、この突条2の部分は、前記面取り面
3aに案内されて、前記貫通孔4に挿入される前にこの
貫通孔4の周縁で潰されることはない。したがって、シ
ャフト本体1を適正な圧入力でカム3に圧入して、両者
を適正な固着力で固着して、良品を製造できる。
【0008】ところで、上述のように、従来、圧入力の
ピーク値のみを検出していたので、以下に記載するよう
な問題点がある。先ず第1に、カムの表裏面が逆の場合
(面取り面が下側にある)、これを正確には検出できな
いので、このカムを装着されたカムシャフトを不良品と
判別できない。すなわち、例えばシャフト本体のカム固
定箇所(塑性加工部)の突条の外径が適正値より大きな
場合やシャフト本体の本体部(非塑性加工部)の外径が
適正置より大きい場合等には、カムの表裏面が逆である
にも拘らず、前記圧入力のピーク値が適正値を示すの
で、このカムシャフトが良品とみなされるのである。
【0009】また、従来、例えばシャフト本体のカム固
定箇所に部分的に転造不良がある場合には、この転造不
良を検出することもできないという問題点もある。すな
わち、カム固定箇所のカムシャフト構成要素への圧入開
始から終了まで圧入力は徐々に上昇して最大値に達し、
この後、ほぼ一定を保持する。したがって、この最大値
が経時的に許容範囲内にある場合、前記カム固定箇所は
その軸方向のほぼ全域において不良部分がないと判断で
き、最大値が部分的に規定範囲より下回る場合には、そ
の部分の突条に不良があると判断できる。ところが、従
来のように圧入力のピーク値のみを検出するのでは、例
えば前記カム固定箇所の突条が部分的に規定よりも小径
となっている場合でも、前記圧入力のピーク値が適正値
を示すので、前記カム固定箇所の不良を認識できず、結
果的に、カムの固着力が低い不良品を認識できないので
ある。
【0010】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、カムの表裏面の姿勢を確実
に検出できるとともに、シャフト本体の転造部分に転造
不良が部分的にある場合でも、この転造不良を認識でき
る、カムシャフトの製造装置を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、外周面の所定箇所に凹凸加工が施されてカ
ム固定箇所とされたシャフト本体を、このシャフト本体
と別個に形成されたカムシャフト構成要素に圧入するこ
とにより、このカムシャフト構成要素を前記シャフト本
体の前記カム固定箇所に組み付け固定するようにしたカ
ムシャフトの製造装置であって、前記カムシャフト構成
要素を把持固定するカムシャフト構成要素固定手段と、
前記カムシャフト構成要素固定手段によって固定された
カムシャフト構成要素に対し挿通可能に設けられ、前記
シャフト本体の一端部に係脱させられる案内手段と、前
記案内手段に前記シャフト本体の軸方向と対向するよう
に配置され、前記シャフト本体の他端部を把持する把持
手段と、前記把持手段を前記カムシャフト構成要素固定
手段へ向けて移動させることにより、前記シャフト本体
を前記カムシャフト構成要素内に挿入する押圧手段と、
前記シャフト本体の前記カム固定箇所の前記カムシャフ
ト構成要素への圧入開始から、この圧入が完了するまで
に、前記シャフト本体の軸方向の振動を検出するための
振動検出手段と、を備えていることを特徴とするもので
ある。
【0012】この発明においては、先ず、カムシャフト
構成要素固定手段によってカムシャフト構成要素が把持
固定されるとともに、把持手段によって、シャフト本体
がその他端部において把持されて、前記カムシャフト構
成要素固定手段に固定されているカムシャフト構成要素
に対し所定の位置に保持されている。この状態におい
て、案内手段が作動させられることにより、この案内手
段が前記カムシャフト構成要素固定手段に固定されてい
るカムシャフト構成要素を貫通して、前記シャフト本体
の一端部に係合させられ、これによって、シャフト本体
の両端部が固定される。
【0013】そして、押圧手段により把持手段およびシ
ャフト本体がカムシャフト構成要素固定手段へ向けて移
動させられるとともに、前記シャフト本体がカムシャフ
ト構成要素に挿入される。この挿入操作が継続して行な
われ、シャフト本体に形成されているカム固定箇所がカ
ムシャフト構成要素へ圧入固定される。
【0014】この圧入の際に、シャフト本体のカム固定
箇所(塑性加工部分)の突条が、カムシャフト構成要素
の貫通孔に順次挿入される際に、シャフト本体はその軸
方向に振動し、この振動波形の山の数は前記カム固定箇
所の突条の数と等しくなる。ここで、万一、前記カムシ
ャフト構成要素が表裏逆になっている(貫通孔周縁に面
取りを施した側が下側を向いている)と、前記圧入の際
に、カム固定箇所の突条が、面取りを施していない貫通
孔周縁によって潰されるので、この際の衝撃により振動
波形の振幅が、規定範囲よりも大きくなる。したがっ
て、カムシャフト製造装置のオペレーターは、振動検出
手段で検出された振動波形の振幅に基づいて、カムシャ
フト構成要素の表裏の状態が正規であるか否かを認識し
て、製造されたカムシャフトの良品良・不良品を判別で
きる。
【0015】ここで、前記振動検出手段は、前記シャフ
ト本体の軸方向の振動を検出するための振動計と、前記
振動計により検出された検出値を振動波形として表示す
るための表示装置とを有することにより、カムシャフト
製造装置のオペレーターは、前記表示装置に表示された
振動波形の振幅を観察するだけで、カムシャフト構成要
素の表裏の状態が正規であるか否かを容易に認識して、
製造されたカムシャフトの良品良・不良品を判別でき
る。
【0016】また、他の発明は、前記シャフト本体の前
記カム固定箇所の前記カムシャフト構成要素への圧入開
始から、前記押圧手段による前記シャフト本体の移動が
完了するまで、前記シャフト本体の前記カムシャフト構
成要素への圧入力を経時的に検出するための圧入力検出
手段を備えていることを特徴とするものである。
【0017】この発明の作用としては、シャフト本体の
カムシャフト構成要素への圧入力を圧入力検出手段によ
り経時的に検出するので、カムシャフト製造装置のオペ
レーターは、検出された圧入力の経時変化に基づいて、
シャフト本体のカム固定箇所(塑性加工部分)の全域に
おいて、不良部分があるか否かを認識できる。すなわ
ち、カム固定箇所のカムシャフト構成要素への圧入開始
から終了まで圧入力は徐々に上昇して最大値に達し、こ
の後、ほぼ一定を保持する。したがって、この最大値が
経時的に規定値より大きい場合、前記カム固定箇所はそ
の軸方向の全域において不良部分がないと判断でき、前
記最大値が部分的に規定値より下回る場合には、突条に
不良部分が部分的にあると判断できる。
【0018】ここで、圧入力検出手段が、前記圧入力を
検出するための荷重計と、この荷重計の検出値を表示す
るための表示装置とを有することにより、カムシャフト
製造装置のオペレーターは、表示装置に表示された圧入
力の経時変化を観察するだけで、シャフト本体のカム固
定箇所(塑性加工部分)の全域において、不良部分があ
るか否かを容易に認識できる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施
形態は、あくまでも本発明の一例を示すものあって、本
発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許
請求の範囲を逸脱しない範囲内において、この一実施形
態の他に設計変更や変形例をも含有するものである。
【0020】先ず、本実施形態のカムシャフトの製造装
置の全体構成について、図1の全体側面図および図2の
全体正面図に示すように、カムシャフトの製造装置10
は、カム(本実施例ではカムシャフト構成要素としてカ
ムを例示する)を把持固定するカムシャフト構成要素固
定手段(以下カム固定手段と称す)11が設けられてい
るとともに、カムをシャフト本体Sとの組み付け位置へ
間欠的に搬送する搬送手段12と、前記組み付け位置に
おいて前記カム固定手段11によって固定されたカムに
対し挿通可能に設けられ、前記シャフト本体Sの一端部
に係脱させられる案内手段13と、この案内手段13に
対し所定間隔をおいて対向配置され、前記シャフト本体
Sの他端部を把持する把持手段14と、この把持手段1
4を前記カム固定手段11へ向けて移動させることによ
り、前記シャフト本体Sを前記カム内に挿入する押圧手
段15と、前記シャフト本体Sにその軸回りの回転を与
える回転駆動手段16と、前記シャフト本体Sにその軸
に直交する方向に接近、離間自在に設けられ、前記シャ
フト本体Sの外周面に周方向に沿って凹凸加工を施す塑
性加工手段17と、この塑性加工手段17を前記シャフ
ト本体Sの長さ方向に沿って相対移動させる移動手段1
8とによって概略構成され、基台Bに組み付けられてい
る。
【0021】次いで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記搬送手段12は、図3に示すように、前記基台
B上に装着されており、間欠的に回転する円盤状のイン
デックステーブル19と、このインデックステーブル1
9を駆動するギアードモーター(図示略)とによって構
成されており、前記インデックステーブル19の上面
(図3中の上方)に前記カム固定手段11が設けられて
いる。
【0022】このカム固定手段11は、前記インデック
ステーブル19上に放射状に複数(例えば8個)設けら
れており、それぞれのカム固定手段11は、前記インデ
ックステーブル19に固定されたベースプレート21
と、このベースプレート21の前記インデックステーブ
ル19の回転中心側に取り付けられたエアーシリンダー
22と、前記ベースプレート21およびインデックステ
ーブル19を貫通して昇降自在に設けられ、かつ、上端
部にカムCが載置される支持パイプ24と、前記基台B
上に配置されるとともに、前記支持パイプ24の下端部
に対向配置されたリング状のロードセル(荷重計)25
と、前記ベースプレート21と前記支持パイプ24との
間に介装されて、前記支持パイプ24を前記ロードセル
25から離間する方向に付勢するとともに、ストッパリ
ング23を介して所定の上昇位置に保持するスプリング
26と、前記エアーシリンダー22によって作動させら
れて、前記支持パイプ24上に載置されている前記カム
Cの外周部を把持してその回動を拘束するクランプ機構
27とを備えている。
【0023】前記ロードセル25の検出値は、図9に示
すように、アンプ103により増幅された後、表示装置
としてのペンレコーダ104に出力されることにより、
この表示画面104aに圧入力波形106を連続的にモ
ニタできるようになっている。前記ロードセル25、ア
ンプ103およびペンレコーダ104により圧入力検出
手段が構成されている。なお、ペンレコーダ104は、
例えばカムシャフト製造装置の操作パネルの近傍に設け
られている。また、圧入力波形を連続的にモニタするに
限らず、間欠的にモニタしてもよい。
【0024】このクランプ機構27は、図4および図8
に示すように、前記ベースプレート21の上面に、一対
の案内プレートGAを介して互いに接近、離間自在に設
けられた1組の摺動ブロック20と、これらの摺動ブロ
ック20の上端部に取り付けられたVブロック状の一対
のクランプ片28と、前記ベースプレート21上に一対
の案内プレートGBを介して摺動自在に装着され、前記
エアーシリンダー22によって摺動させられることによ
り前記クランプ片28の一つを他のクランプ片28に対
して接近、離間させる方向へ移動させる作動片29とに
よって構成されている。
【0025】さらに詳述すれば、前記一対のクランプ片
28は、それぞれのV溝が対向するように配設され、こ
れらの両V溝間において前記カムCを前記支持パイプ2
4の軸回り方向の姿勢を規制した状態で把持するように
なっている。また、前記摺動ブロック20およびクラン
プ片28の一方は、前記エアーシリンダー22の作動方
向と直交する方向へ一対の案内プレートGAに沿って摺
動自在な構成となされているとともに、前記摺動ブロッ
ク20およびクランプ片28の他方は、上記両案内プレ
ートGAに沿って摺動調整されたのちベースプレート2
1に固定されるようになされている。
【0026】そして、前記一方の摺動自在な摺動ブロッ
ク20には、前記エアーシリンダー22の作動方向に対
して傾斜したガイド孔30が形成され、このガイド孔3
0に、前記作動片29に一体にかつ前記ガイド孔30と
同様に傾斜して取り付けられた操作ロッド31が摺動自
在に嵌合されている。したがって、前記作動片29がエ
アーシリンダー22によって一対の案内プレートGBに
沿って摺動させられた際に、前記操作ロッド31とガイ
ド孔30との協働作用により、前記摺動自在な摺動ブロ
ック20およびクランプ片28が他方の摺動ブロック2
0およびクランプ片28に対して接近、離間する方向に
摺動させられるようになっている。
【0027】また、前記インデックステーブル19の回
転中心部には、図3に示すように、前記エアーシリンダ
ー22へ圧搾空気を分配供給するデストリビューター3
2が設けられている。このデストリビューター32は、
前記ギアードモーターが連結され、前記エアーシリンダ
ー22の作動流体である圧搾空気が送り込まれる給気筒
33と、この給気筒33の外周に嵌装されるとともに、
前記インデックステーブル19に固定されて、前記給気
筒33と一体回転させられる分気筒34と、この分気筒
34の、前記各エアーシリンダー22に対応する位置に
設けられ、このエアーシリンダー22への圧搾空気の供
給方向を切り替えることにより、エアーシリンダー22
の作動方向を切り替える流路切り替え弁35と、前記給
気筒33の上端部に設けられた支持プレート36に装着
され、前記各流路切り替え弁35を駆動するエアーシリ
ンダーあるいは電磁ソレノイド等からなるアクチュエー
ター37とを備えた構成となっている。
【0028】一方、前記基台Bには、上下に貫通する平
行な一対のガイドロッド38が設けられており、これら
のガイドロッド38の、前記基台Bよりも下方に前記案
内手段13が装着されている。この案内手段13は、図
2に示すように、前記各ガイドロッド38間に架け渡さ
れるように設けられるとともに、両端部において各ガイ
ドロッド38に摺動自在に支持されたスライドプレート
39と、このスライドプレート39の長さ方向の略中間
部で、前記ロードセル25の下方に位置する部分に設け
られた昇降機構40とによって構成されている。
【0029】この昇降機構40は、図3に示すように、
前記スライドプレート39に固定されたガイドパイプ4
1と、このガイドパイプ41に摺動自在に貫通して装着
された昇降ロッド42と、前記ガイドパイプ41に一体
に取り付けられ、前記昇降ロッド42を軸方向に摺動さ
せるエアーシリンダー43とを備えた構成となってお
り、前記昇降ロッド42の他端部には、前記シャフト本
体Sの一端部に係合させられる(本実施例においては、
前記シャフト本体Sが管状に形成されているために、そ
の内部に挿入されることによって軸方向に係合させられ
ている)係合部材44が、その軸線回りに回転自在に装
着されている。
【0030】そして、この係合部材44は、前記エアー
シリンダー43の作用により前記ガイドパイプ41から
突出する方向へ移動させられることにより、前記図3に
示すように、その上方に位置するカム固定手段11を構
成する支持パイプ24、および、これに支持されている
カムCを貫通した位置へ位置させられるとともに、前記
ガイドパイプ41側へ引き込まれることにより、前記ロ
ードセル25の内側に位置させられるようになってい
る。
【0031】前記把持手段14は、図2に示すように、
前記一対のガイドロッド38に、これらのガイドロッド
38の長さ方向に沿って摺動自在に装着された昇降ブロ
ック45に組み込まれており、図5に示すように、前記
案内手段13の昇降ロッド42と同軸上に設けられ、か
つ、この軸線回りに回転自在に設けられたエアーチャッ
ク46によって構成されている。このエアーチャック4
6の回転軸の長さ方向の略中間部には、図5に示すよう
に、従動プーリー47が固着されており、この従動プー
リー47が、前記回転駆動手段16の一部を構成してい
る。
【0032】前記回転駆動手段16は、前記昇降ブロッ
ク45に、前記エアーチャック46と平行に装着された
ACサーボモーター48と、このサーボモーター48の
出力軸に固着された駆動プーリー49と、これらの駆動
プーリー49と従動プーリー47とに卷回されたタイミ
ングベルト50と、従動プーリー47および昇降ブロッ
ク45間に設けられた基準位置検出機構Aとによって構
成されている。
【0033】前記基準位置検出機構Aは、前記従動プー
リー47に位置検出ピン51が突設され、前記昇降ブロ
ック45にセンサー52が対向して装着されてなり、こ
のセンサー52が位置検出ピン51を検出することによ
り、エアーチャック46の回転方向の基準位置、すなわ
ち、把持されているシャフト本体Sの軸回りの基準位置
が設定されるようになっている。さらに、前記昇降ブロ
ック45と前記スライドプレート39は、図2に示すよ
うに、一対のタイロッド53によって一体に連結されて
おり、相互に一定間隔を保持した状態で、前記ガイドロ
ッド38の長さ方向に移動させられるようになってい
る。
【0034】したがって、把持手段14のエアーチャッ
ク46と案内手段13の係合部材44とは、この係合部
材44の移動が拘束された状態、すなわち、昇降ロッド
42の位置が固定された状態においては、相互に間隔を
保持した状態で、一体的に移動させられるようになって
いる。
【0035】前記押圧手段15は、図1、図2および図
5に示すように、本実施形態では油圧駆動のサーボシリ
ンダーが用いられており、前記一対のガイドロッド38
の上方の端部に一体に前記基台Bと所定間隔に保持され
たアッパーフレーム54に、前記エアーチャック46と
同軸となるように装着されている。
【0036】そして、前記押圧手段15の出力軸55
が、図5に示すように、前記昇降ブロック45に、連結
部材56を介して接続されており、前記エアーチャック
46を昇降ブロック45とともに、前記ガイドロッド3
8に沿って移動させて、把持手段14によって把持され
ているシャフト本体Sをカム固定手段11へ向けて押し
込むようになされている。なお、昇降ブロック45を、
鉛直方向に延びるリニアガイド(不図示)に支持するよ
うな構成を採用してもよい。また、前記押圧手段15の
サーボシリンダーは、図示しない油圧回路の油圧サーボ
モーターにより制御されており、これにより、前記シャ
フト本体Sの上下方向の位置決めがなされている。
【0037】本実施形態の特徴としては、昇降ブロック
45のエアーチャック支持部45aに、高精度振動セン
サ100(本例では、キーエンス株式会社製のGA型)
のセンサヘッド101(振動計)が装着されており、こ
のセンサヘッド101によりエアーチャック46の機械
振動すなわち、シャフト本体Sの軸方向の機械振動を検
出し、図9に示すように、この検出値はアンプ102に
より増幅された後、表示装置としてのペンレコーダ10
4に出力されることにより、この表示画面104aで振
動波形105をモニタできる。なお、この振動波形10
5および前記圧入力波形106を1つのペンレコーダ1
04に表示するものに限らず、それぞれ別のペンレコー
ダに表示してもよい。前記振動計、アンプ102および
ペンレコーダ104により振動検出手段が構成されてい
る。高精度振動センサ100を設ける位置は、シャフト
本体Sの軸方向の振動を検出できる位置であれば、上記
のようなエアーチャック支持部45aに限らず、例え
ば、エアーチャック46自体あるいは昇降ロッド42に
設けてもよい。
【0038】前記塑性加工手段17は、図1に示すよう
に、前記基台B上に前記ガイドロッド38と平行に立設
された一対の第2のガイドロッド57に摺動自在に装着
されたベースプレート58と、このベースプレート58
に回転自在に支持され、かつ、前記把持手段14によっ
て把持されたシャフト本体Sの外周面に接触させられる
位置に進退可能に支持された円柱状のバックアップロー
ラー59と、外周面に多数の周溝が形成された一対のサ
イジングローラー60とを備えている。
【0039】前記バックアップローラー59は、図6に
示すように、スライドアーム61の先端に回転自在に支
持されているとともに、このスライドアーム61が、前
記ベースプレート58に装着されたスライドボックス6
2に摺動自在に保持されるとともに、前記スライドアー
ム61と前記ベースプレート58との間に介装された油
圧シリンダー63によって摺動させられることにより、
図6において鎖線で示すように、定位置に保持されてい
るシャフト本体Sの一側面に接触させられるようになっ
ている。
【0040】また、前記スライドボックス62は、図6
に示すように、前記スライドアーム61の摺動方向と直
交する方向に、摺動可能となされており、前記ベースプ
レート58との間に介装された微調整機構64によっ
て、前述した方向への細かな位置決めが行なわれるよう
になっている。このような構成とするのは、外径の異な
るシャフト本体Sを装着した場合において、前記バック
アップローラー59とシャフト本体Sの外面との位置ず
れを補正して、確実な接触を行なわせるための処置であ
る。
【0041】一方、前記ベースプレート58には、前記
スライドアーム61の摺動方向と直交する方向に摺動自
在なスライドボックス65が装着されており、このスラ
イドボックス65には、一対の揺動アーム66が取り付
けられており、これらの揺動アーム66の一端部に前記
サイジングローラー60がそれぞれ回転自在に装着され
ている。
【0042】また、前記スライドボックス65とベース
プレート58との間には、前記スライドボックス65を
摺動させるための油圧シリンダー67が介装されてお
り、この油圧シリンダー67の作用によって、前記両サ
イジングローラー60が、所定位置に保持されている前
記シャフト本体Sの表面に、所定圧力で押圧されるよう
になっている。
【0043】そして、前記両サイジングローラー60
は、前記シャフト本体Sに接触させられた状態で、両サ
イジングローラー60間に前記シャフト本体Sが位置さ
せられるように、かつ、これらのサイジングローラー6
0と前記バックアップローラー59とが、シャフト本体
Sの軸線方向から見て二等辺三角形の各頂点に位置する
ように、相互の位置関係が設定されている。
【0044】また、図7に示すように、前記サイジング
ローラー60と前記バックアップローラー59とは、前
記シャフト本体Sの半径方向から見た状態において、シ
ャフト本体Sの軸線方向にずれた位置となるように、相
互の位置関係が設定されており、これは、サイジングロ
ーラー60によって加工が施された部分がバックアップ
ローラー59によって変形させられてしまうことを防止
するために採られた処置である。
【0045】さらに、本実施形態においては、前記揺動
アーム66の前記サイジングローラー60が装着されて
ない側には、前記両サイジングローラー60を相互に接
近させる方向に前記両揺動アーム66を相対回動させる
スプリング68が介装されているとともに、一方の揺動
アーム66に螺着されて他方の揺動アーム66に当接さ
せられることにより、前記両サイジングローラー66の
最大離間距離を設定する、開き角調整ボルト69が設け
られている。
【0046】前記移動手段18は、前記アッパーフレー
ム54と基台Bとに回転自在に支持されるとともに、前
記塑性加工手段17のベースプレート58に螺着された
送りボルト70と、図3に示すように、前記基台Bに固
定されるとともに、前記送りボルト70に連結されてそ
の回転をなすACサーボモーター71とによって構成さ
れている。そして、前記押圧手段15のサーボシリンダ
ーを駆動する油圧サーボモーターと、回転駆動手段16
のACサーボモーター48と、移動手段18のACサー
ボモーター71とは、あらかじめ入力されたシャフト本
体SへのカムC取付け位置およびカムC位置角の設定値
に基づいて制御手段(図示略)がそれぞれ制御すること
により、シャフト本体SのカムCに対する位置決め操
作、前記シャフト本体Sの回転角度の割り出し操作、お
よび、前記塑性加工手段17のシャフト本体Sに沿った
移動操作を行なうようになっている。
【0047】次に、上記構成のカムシャフトの製造装置
の動作について詳述する。先ず、各カム固定手段11の
エアーシリンダー22を作動させて両クランプ片28間
を広げ、これらの間にカムCを挿入して支持パイプ24
上に載置したのちに、再度エアーシリンダー22を作動
させて前記カムCを所定姿勢に固定する。
【0048】この操作の後に、図5に示すように、シャ
フト本体Sの一端部を把持手段14のエアーチャック4
6に把持させるとともに、図3に示すように、案内手段
13のエアーシリンダー43を作動させることにより、
昇降ロッド42をカム固定手段11の一つに挿入させ
て、このカム固定手段11に固定されているカムCを貫
通させて、前記昇降ロッド42の先端に取り付けられて
いる係合部材44を、その上方に位置するシャフト本体
Sの他端部に係合させる。この状態において、前記シャ
フト本体Sがその両端部において、把持手段14と案内
手段13とによって挟持される。
【0049】これに先立ち、前記シャフト本体Sを把持
手段14により把持した段階で、移動手段18のサーボ
モーター71を作動させることにより、塑性加工手段1
7を前記シャフト本体Sの所定位置に移動させる。
【0050】次いで、回転駆動手段16のサーボモータ
ー48を作動させて前記エアーチャック46を回転させ
ることにより、このエアーチャック46に把持されてい
る前記シャフト本体Sを回転させた状態で、図6に鎖線
で示すように、塑性加工手段17の一方の油圧シリンダ
ー63により、スライドアーム61を移動させて、その
先端のバックアップローラー59をシャフト本体Sの側
部に当接させると同時に、他方の油圧シリンダー67を
作動させることにより、両サイジングローラー60を前
記シャフト本体Sの側部に所定圧力で当接させる。
【0051】この結果、圧着状態にあるサイジングロー
ラー60により、シャフト本体Sの所定位置の外周面
に、全周にわたって複数条の凹凸加工が施される。この
場合、シャフト本体Sは、一対のサイジングローラー6
0により凹凸加工が施されるから、加工に要する時間を
短縮できるとともに、一対のサイジングローラー60
が、スプリング68により互いに接近する方向に付勢さ
れているから、油圧シリンダー67による両サイジング
ローラー60の当接力を増幅して両サイジングローラー
60間にシャフト本体Sをしっかりと挟持することがで
きる一方、両サイジングローラー60と1つのバックア
ップローラー59とによってシャフト本体Sを支持する
から、調芯機能を持たせることができ、加工時にシャフ
ト本体Sを確実にかつ均一に加工することができる。
【0052】このような加工が施された後に、塑性加工
手段17の各油圧シリンダー63・67を逆方向へ作動
させることにより、各ローラー59・60・60をシャ
フト本体Sから離間させて、このシャフト本体S回りを
大きく開放するとともに、位置検出ピン51がセンサー
52によって検出された時点を原点とし、サーボモータ
ー48の設定値分だけ前記エアーチャック46を回動さ
せた後に、回転駆動手段16のサーボモーター48の回
転を停止して、シャフト本体Sをその軸回りの所定位置
に停止させる。
【0053】これより押圧手段15のサーボシリンダー
を作動させることにより、回転駆動手段16、把持手段
14、シャフト本体S、および、案内手段13が一体と
なって下降させられ、前記シャフト本体Sが、前記カム
固定手段11に固定されているカムC内に挿入される。
【0054】このような操作が継続して行なわれること
により、シャフト本体Sの凹凸加工が施されたカム固定
箇所がカムCの内面に圧入されて、両者の強固な固定が
なされるが、このシャフト本体Sの下降限度は、前記塑
性加工手段17による凹凸加工の位置に対応して前記押
圧手段15のサーボシリンダーの作動量を操作すること
によって制御され、また、圧入時の圧力が、カムCとと
もに下降する支持パイプ24がロードセル25に当接さ
せられることにより検出される。すなわち、図9に示す
ように、シャフト本体Sのカム固定箇所の前記カムCへ
の圧入開始から、前記把持手段14によるシャフト本体
Sの移動が完了するまで、シャフト本体SのカムCへの
圧入力がロードセル25により経時的に検出され、この
検出値は、圧入力波形106としてペンレコーダ104
に記録される。
【0055】また、シャフト本体Sの前記カム固定箇所
の前記カムCへの圧入開始から、この圧入が完了するま
でに、シャフト本体Sの軸方向の振動が高精度振動計1
00により検出され、さらに、その振動波計105がペ
ンレコーダー104に記録される。カムCの表裏面が正
規の場合は、振動波形105は図10(a)に示すよう
になる。すなわち、シャフト本体Sのカム固定箇所をカ
ムCの貫通孔に挿入す際に、このカム固定箇所は、面取
り面3aに案内されて、貫通孔4に挿入される前にこの
貫通孔4の周縁で潰されることはない。したがって、シ
ャフト本体Sの振動波形の振幅小さく正規の範囲内にあ
る。なお、シャフト本体Sのカム固定箇所の突条が、カ
ムCの貫通孔に順次挿入される際に、シャフト本体Sは
その軸方向に振動し、この振動波形の山の数は前記カム
固定箇所の突条の数と等しくなる。
【0056】ここで、万が一、前記カムCが表裏面の状
態が逆になっている(面取りを施した貫通孔周縁が下方
を向いている)と、前記圧入の際に、カム固定箇所の突
条が、面取りを施していない貫通孔周縁によって潰され
るので、この際の衝撃に起因して、図10(b)に示す
ように、振動波形105の振幅が、規定範囲よりも大き
くなる。したがって、カムシャフト製造装置のオペレー
ターは、この振動波形105の振幅を観察することによ
り、カムの表裏面が逆であること認識でき、このカムシ
ャフトを不良品と認識できる。
【0057】また、ロードセル25の出力をペンレコー
ダ104に経時的に表示するので、この圧入力の経時変
化を観察することにより、圧入力(カムCのシャフト本
体Sへの固着力)が規定範囲にあるか否かを判定でき
る。すなわち、図10(a)に示すように、圧入力波形
106の最大値P1が規定値より大きい場合には、カム
Cのシャフト本体Sへの固着力が適正範囲内にあると判
定でき、一方、図10(b)に示したように、圧入力波
形106の一定値P2が規定値より低い場合には、カム
Cのシャフト本体Sへの固着力が適正範囲よりも低いと
判定できる。
【0058】また、本実施形態では、前記カム固定箇所
に転造不良箇所が部分的にある場合、これを、確実に検
知できる。すなわち、図10(a)に示すように、前記
カム固定箇所の圧入の開始から終了まで圧入力は徐々に
上昇して最大値P1となり、この後、ほぼ一定をとる。
したがって、この最大値P1が経時的に規定値より大き
い場合、前記カム固定箇所はその軸方向の全域において
不良部分がないと判断でき、一定値P1が部分的に規定
値より下回る場合には、その部分の突条に不良があると
判断できる。ところが、従来のように圧入力のピーク値
のみを検出するだけでは、シャフト本体Sのカム固定箇
所の突条が部分的に規定よりも小径のものがある場合で
も、前記ピーク値は規定に達して良品と判定されるので
ある。さらに加えて、従来では、カムCの表裏面が逆の
場合にも拘らず、カム固定箇所の突条に部分的な不良が
あって規定よりも大径の場合には、圧入力のピーク値が
適正値(前記P1)を示すので、カムが表裏面が正規の
状態にあると誤って判断されるのである。
【0059】以上のようにして、一つのカムCの固定が
完了すると、先ず、カム固定手段11のエアーシリンダ
ー22を逆方向に作動させて、固定状態にあるカムCの
固定を解除した後に、押圧手段15によって前記回転駆
動手段16、把持手段14、シャフト本体S、および、
案内手段13を上昇させることにより、カムCが一体化
されたシャフト本体Sをカム固定手段11から引き出
す。
【0060】次いで、案内手段13に設けられているエ
アーシリンダー43を作動させて昇降ロッド42をロー
ドセル25内に引き込んで、この昇降ロッド42とカム
固定手段11および搬送手段12との重畳状態を解除し
たのちに、ギアードモーターによって搬送手段12を所
定量回動させることにより、次位のカムCが固定されて
いるカム固定手段11を前記シャフト本体Sに位置合わ
せする。また、これとともに、原点(上限位置)まで戻
って待機しているシャフト本体Sに対して、前記移動手
段18のサーボモーター71によって塑性加工手段17
を上下方向に移動して、シャフト本体Sの次位の所定位
置(凹凸加工位置)に合致させる。
【0061】これにより、案内手段13を再度カム固定
手段11内に挿入するとともに、その係合部材44をシ
ャフト本体Sの端部に係合させ、前述と同様の操作によ
り、シャフト本体Sの所定位置に塑性加工手段17によ
って凹凸加工を施し、さらに、次位のカムCを固定する
角度を、前記位置決めピン51とセンサー52とによっ
て設定された基準位置から算出して、その算出結果に基
づき回転駆動手段16によってシャフト本体Sを回動さ
せる。
【0062】以降、前述した操作を所定回数繰り返すこ
とにより、所定個数のカムCを所定の角度で、シャフト
本体Sへ順次固定することができる。このように、本実
施例に係わるカムシャフトの製造装置10によれば、複
数のカムCを連続してシャフト本体Sに、所定の位置で
かつ所定の角度で固定することができる。なお、前記実
施例において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例
であって、適用するカムCやシャフト本体Sの種類、あ
るいは、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の発明は、シャフト本体をカムシャフト構
成要素に圧入する際に、カムシャフト製造装置のオペレ
ーターは、振動検出手段で検出された振動波形の振幅に
基づいて、カムシャフト構成要素の表裏の状態が正規で
あるか否かを認識して、製造されたカムシャフトの良品
・不良品を判別できる。したがつて、良品に不良品が混
入することはない。
【0064】請求項2に記載の発明のように、前記振動
検出手段が、前記シャフト本体の軸方向の振動を検出す
るための振動計と、前記振動計により検出された検出値
を振動波形として表示するための表示装置とを有するこ
とにより、カムシャフト製造装置のオペレーターは、前
記表示装置に表示された振動波形の振幅を観察するだけ
で、カムシャフト構成要素の表裏の状態が正規であるか
否かを容易に認識できる。
【0065】請求項3に記載の発明は、上記効果の他、
シャフト本体のカムシャフト構成要素への圧入力を圧入
力検出手段により経時的に検出するので、カムシャフト
製造装置のオペレーターは、検出された圧入力の経時変
化に基づいて、シャフト本体のカム固定箇所(塑性加工
部分)の全域において、不良部分があるか否かを認識で
きる。
【0066】請求項4に記載の発明のように、圧入力検
出手段が、前記圧入力を検出するための荷重計と、この
荷重計の検出値を表示するための表示装置とを有するこ
とにより、カムシャフト製造装置のオペレーターは、表
示装置に表示された圧入力の経時変化を観察するだけ
で、シャフト本体のカム固定箇所(塑性加工部分)の全
域において、不良部分があるか否かを容易に認識でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるカムシャフトの製造装置の一
実施形態の全体を示す側面図である。
【図2】 本発明に係わるカムシャフトの製造装置の一
実施形態の全体を示す正面図である。
【図3】 本実施形態における、搬送手段、案内手段、
移動手段、カム固定手段を示す一部を破断した側面図で
ある。
【図4】 本実施形態における、カム固定手段を示す平
面図である。
【図5】 本実施形態における、把持手段、回転駆動手
段、押圧手段のそれぞれを示す一部を破断した側面図で
ある。
【図6】 本実施形態における、塑性加工手段を示す一
部を省略した底面図である。
【図7】 本実施形態における、塑性加工手段を示す一
部を省略した縦断面側面図である。
【図8】 本実施形態における、搬送手段、カム固定手
段を示す一部を破断した側面図である。
【図9】 本実施形態における、センサ部のブロック図
である。
【図10】 (a)はカムが表裏正常の場合における、
振動波形および圧入力波形を示すグラフであり、(b)
はカムが表裏反対の場合における、振動波形および圧入
力波形を示すグラフである。
【図11】 従来のカムとシャフト本体との固定方法を
説明するための要部縦断面図である。
【図12】 図11に示す方法によって固定されたカム
とシャフト本体との固定部分を示す縦断面図である。
【図13】 図11の固定方法を実施する装置の概略を
示す図である。
【符号の説明】
S シャフト本体 C カム A 基準位置検出機構 10 カムシャフト製造装置 11 カム固定手段 12 搬送手段 13 案内手段 14 把持手段 15 押圧手段 16 回転駆動手段 17 塑性加工手段 18 移動手段 25 ロードセル(荷重計) 48 サーボモーター 70 送りボルト 71 サーボモーター 100 高精度振動計 101 センサヘッド 102,103 アンプ 104 ペンレコーダ(表示装置) 104a 表示画面 105 振動波形 106 圧入力波形

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面の所定箇所に凹凸加工が施されて
    カム固定箇所とされたシャフト本体を、このシャフト本
    体と別個に形成されたカムシャフト構成要素に圧入する
    ことにより、このカムシャフト構成要素を前記シャフト
    本体の前記カム固定箇所に組み付け固定するようにした
    カムシャフトの製造装置であって、 前記カムシャフト構成要素を把持固定するカムシャフト
    構成要素固定手段と、 前記カムシャフト構成要素固定手段によって固定された
    カムシャフト構成要素に対し挿通可能に設けられ、前記
    シャフト本体の一端部に係脱させられる案内手段と、 前記案内手段に前記シャフト本体の軸方向と対向するよ
    うに配置され、前記シャフト本体の他端部を把持する把
    持手段と、 前記把持手段を前記カムシャフト構成要素固定手段へ向
    けて移動させることにより、前記シャフト本体を前記カ
    ムシャフト構成要素内に挿入する押圧手段と、 前記シャフト本体の前記カム固定箇所の前記カムシャフ
    ト構成要素への圧入開始から、この圧入が完了するまで
    に、前記シャフト本体の軸方向の振動を検出するための
    振動検出手段と、を備えていることを特徴とするカムシ
    ャフトの製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカムシャフトの製造装
    置において、振動検出手段は、前記シャフト本体の軸方
    向の振動を検出するための振動計と、前記振動計により
    検出された検出値を振動波形として表示するための表示
    装置と、を有していることを特徴とするカムシャフトの
    製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のカムシ
    ャフトの製造装置において、前記シャフト本体の前記カ
    ム固定箇所の前記カムシャフト構成要素への圧入開始か
    ら、前記押圧手段による前記シャフト本体の移動が完了
    するまで、前記シャフト本体の前記カムシャフト構成要
    素への圧入力を経時的に検出するための圧入力検出手段
    を備えていることを特徴とするカムシャフトの製造装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のカムシャフトの製造装
    置において、圧入力検出手段は、前記圧入力を検出する
    ための荷重計と、この荷重計の検出値を表示するための
    表示装置と、を有していることを特徴とするカムシャフ
    トの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7921895B2 (en) * 2006-05-26 2011-04-12 Advanced Display Process Engineering Co., Ltd Adhesive chuck, and apparatus and method for assembling substrates using the same

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