JPH11104429A - 小型のガス吸着ユニット - Google Patents

小型のガス吸着ユニット

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JPH11104429A
JPH11104429A JP9282994A JP28299497A JPH11104429A JP H11104429 A JPH11104429 A JP H11104429A JP 9282994 A JP9282994 A JP 9282994A JP 28299497 A JP28299497 A JP 28299497A JP H11104429 A JPH11104429 A JP H11104429A
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JP
Japan
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film
porous film
container
adsorption unit
gas adsorption
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Application number
JP9282994A
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English (en)
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Takuya Ueki
拓也 植木
Hirofumi Morimoto
裕文 森本
Hiroshi Sasaki
佐々木  寛
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Japan Gore Tex Inc
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質フィルムからなる容器を用いた小型の
ガス吸着ユニットにおいて、その容器外表面にしわのな
いものを提供する。 【解決手段】 合成樹脂の多孔質フィルムから形成され
た容器内空間が100ml以下の容器内にガス吸着剤を
充填し、その容器開口部を蓋体部で封止した小型のガス
吸着ユニットにおいて、該容器は、該合成樹脂多孔質フ
ィルムを吸引成形により引張り応力をかけながら成形さ
れたもので、その外表面には実質的なしわを有しないこ
とを特徴とする小型のガス吸着ユニット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部空間容積が1
00ml以下の容器にガス吸着剤を充填してなる小型の
ガス吸着ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置内で生じる有害ガス
を吸着除去するために、小型のガス吸着ユニットが用い
られている。このような小型のガス吸着ユニットとして
は、従来は、合成樹脂多孔質のフィルムのチューブや袋
にガス吸着剤を封入したタイプ(タイプI)(実開昭5
5−132703号、特公平7−114911号等)
や、プラスチックケースにガス吸着剤を入れ、その開口
部を多孔質フィルムの蓋部で封止したタイプ(タイプI
I)(実開昭61−115128号、特開平7−124
430号等)が用いられてきた。しかしながら、タイプ
Iのものは、安価ではあるが、その形状が固定化しにく
い袋状であるために、そのままではハードディスク装置
内等の小さな空間に配置することには不適当であった。
一方、タイプIIのものは、その形状が箱型等の安定性の
良いものであるために、小さな空間に安定的に配置する
ことは容易であるが、ガスはその開口部を封止する多孔
質フィルムを透過してケース内に入り、吸着除去される
ことから、そのガスの吸着除去に時間がかかるという問
題がある。また、この場合のガス吸着剤を充填するケー
ス(容器)として射出成形品を用いると、その射出成形
品中に含まれる離型剤や可塑剤、安定剤等の一部が有機
ガスとして発生し、この有機ガスは半導体装置に対して
有害ガスとして作用する。従って、このような射出成形
品をケースとするガス吸着ユニットは、ハードディスク
装置内の空間には適用することができない。
【0003】実用新案登録第2525572号公報によ
れば、多孔質フィルムを超音波加工して容器を形成し、
この容器にガス吸着剤を充填し、その開口部を蓋体で封
止したガス吸着ユニットが提案されている。しかしなが
ら、このようなガス吸着ユニットは、超音波加工を用い
ていることから、次のような問題を含むものであった。 (1)成形材料として用いる多孔質フィルムを容器状に
成形するに際し、破損する恐れがある。この破損を防止
するには、その多孔質フィルムを厚くする必要がある
が、この場合にはガスの膜透過に時間がかかり、ガス吸
着速度が低下するという問題を生じる。また、多孔質フ
ィルムを不織布等で補強すると、この場合には、多孔質
フィルムと不織布との界面に超音波エネルギーが集中
し、多孔質フィルムが破損しやすくなる。 (2)多孔質フィルムを超音波加工により容器状に成形
する場合、得られる容器外表面にしわが発生する。この
場合のしわは、湾曲の大きい個所やエッジ部分に多く発
生する。このしわは、容器を補強するという作用を示す
が、シリカゲルや活性炭等の粉体吸着剤を容器に充填す
る場合に、その粉体吸着剤がそのしわ部に捕捉されて汚
染物となる。また、半導体関連装置にガス吸着ユニット
を適用する場合、そのガス吸着ユニットの外表面を洗浄
してその表面に付着するイオンや粒子を除去することが
要求されるが、その外表面にしわが存在すると、そのし
わの部分に存在している粉体やイオンは洗浄除去するこ
とが困難である上、そのしわの部分は乾燥しにくいこと
から、洗浄後に、そのしわの部分を完全乾燥するのに長
時間を要するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多孔質フィ
ルムからなる容器を用いた小型のガス吸着ユニットにお
いて、その容器外表面にしわのないものを提供すること
をその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、合成樹脂の多孔質フ
ィルムから形成された容器内空間が100ml以下の容
器内にガス吸着剤を充填し、その容器開口部を蓋体部で
封止した小型のガス吸着ユニットにおいて、該容器は、
該合成樹脂多孔質フィルムを吸引成形により引張り応力
をかけながら成形されたもので、その外表面には実質的
なしわを有しないことを特徴とする小型のガス吸着ユニ
ットが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で容器成形材料として用い
る合成樹脂の多孔質フィルムにおいて、その平均細孔径
は0.01〜20μm、好ましくは0.1〜1μmであ
り、その空孔率は5〜99%、好ましくは70〜95%
であり、その厚さは1〜1000μm、好ましくは10
〜500μmである。フィルムの材質は特に制約され
ず、ポリエステルやポリアミド、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、含フッ素樹脂等の各種のものであることがで
きるが、本発明の場合、特に延伸多孔質ポリテトラフル
オロエチレンが好ましい。本発明の場合、前記多孔質フ
ィルムは、吸引成形により容器とすることから、その多
孔質フィルムが大きな平均細孔を有することは好ましく
ない。一方、ガス吸着剤の吸着速度を損なわないように
する必要があり、これらのことから、本発明で用いる多
孔質フィルムは、ガーレー数で表わした透過度で、0.
1〜10000秒、好ましくは5〜100秒である。な
お、ガーレー数とは、王研式透気度平滑度試験機にて、
100cm3の空気が1平方インチ(6.45cm2)当
りの面積を水柱4.88インチ(12.4cm)の圧力
で流れるのに要する時間(単位:秒)を意味する。
【0007】本発明で好ましく用いる延伸多孔質ポリテ
トラフルオロエチレンフィルム(以下、単に延伸多孔質
PTFEフィルムとも言う)において、その厚さは1〜
1000μm、好ましくは10〜350μmであり、そ
の平均細孔径は0.01〜10μm、好ましくは0.1
〜1μmであり、その空孔率は20〜98%、好ましく
は70〜95%である。このような特性を有する延伸多
孔質PTFEフィルムは、小型のガス吸着ユニットに用
いる容器材料として十分な機械的強度を有するととも
に、高いガス透過速度を有し、ガス吸着速度の大きいガ
ス吸着ユニットを与える。延伸多孔質PTFEフィルム
は、例えば、特公昭51−18991号公報および特公
昭56−17216号公報に記載された方法により製造
される。即ち、約95%以上の結晶化度を有するポリテ
トラフルオロエチレン樹脂のファインパウダーに液状潤
滑剤、例えばソルベントナフサ、ホワイトオイルなどの
炭化水素油、石油エーテル等を添加混合して予備成形物
を作る。この場合の混合重量比は例えばポリテトラフル
オロエチレン80に対して液状潤滑剤20である。次に
この予備成形物を押出機を用いてダイスからフィルム状
に押出する。得られたフィルムは液状潤滑剤を除去する
か除去せずに、327℃以下の未焼結状態において毎秒
10%以上の高速度で延伸される。次にこの延伸物を延
伸状態において200〜390℃で熱処理することによ
り収縮を防止して目的とするポリテトラフルオロエチレ
ンの多孔質フィルムを得る。上記押出し工程で押し出さ
れたフィルムは、その延伸工程に於いて延伸操作を一方
向又は二方向に行うことができ、一軸延伸フィルム又は
二軸延伸フィルムを得ることができる。このようにして
得られたポリテトラフルオロエチレンの多孔質フィルム
は、フィブリルと呼ばれる非常に微細な小繊維と、それ
らを結び付けているノードと呼ばれる粒状の結節とから
構成されており、これらのフィブリルとノードとの間に
極めて微細な空孔が相互に連続した状態で存在し、いわ
ゆる連続多孔質構造を形成し、高いガス透過性を有して
いる。
【0008】延伸多孔質PTFEフィルムとしては、そ
の延伸工程において、一軸延伸処理されたものより二軸
延伸処理により製造された二軸延伸多孔質フィルムを用
いた方が好ましい。これは、二軸延伸処理されたもの
は、多孔質フィルムの空孔率をより高くすることが可能
になり、また引っ張り強度、引き裂き強度をより大きく
することが可能になるからである。
【0009】本発明で用いる合成樹脂の多孔質フィルム
は、その片面又は両面に通気性の延伸性補強材を積層接
着させて用いるのが好ましい。このような積層体フィル
ムの場合には、その多孔質フィルムが薄層のものであっ
ても、十分な強度を有する容器材料として用いることが
できる。通気性延伸性補強材としては、通気性を有する
合成樹脂繊維からなるフィルム状又はシート状のもので
あればよく、特に制約されないが、織布、不織布、編
布、ネットなどの布帛の使用が好ましい。布帛として、
多孔質PTFEフィルムより融点の低い熱可塑性樹脂か
ら得られたものを用いれば、積層フィルムを形成する際
にこれを融着させることにより接着剤の役割も兼ねるこ
とができ、強固な積層フィルムを得ることができる。ま
た、このような布帛は、延伸性を有することから吸引成
形による容器成形に際して特に支障を与えるものではな
い。
【0010】容器成形材料として延伸多孔質PTFEフ
ィルムを用いる場合、このものは、その多孔構造を構成
する骨格が撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーによ
り被覆されたものであることができる。多孔質PTFE
は、界面活性剤、有機溶剤、油性成分を含む物質と接触
すると、その耐久性を失うことが知られている。即ち、
このような物質が存在する雰囲気下で本発明のガス吸着
ユニットを使用すると、これらの成分が多孔質PTFE
フィルムに浸透して細孔を塞ぎ、その撥水性や通気性を
損なうばかりでなく、内部に収容されているガス吸着剤
をぬらしてその性能を低下させることが確認された。し
かしながら、撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーを
延伸多孔質PTFEの多孔構造を構成する骨格に被覆す
ることにより、本発明のガス吸着ユニットは、界面活性
剤、有機溶剤、油性成分などの多孔質PTFEの耐久性
を低下させる物質の存在する雰囲気又は混入するおそれ
のある雰囲気下においても使用することが可能になる。
【0011】この目的に使用できる撥水性及び撥油性を
有する有機ポリマーは、特開平8−110071号公報
に記載されており、例えば、フルオロアルキルアクリレ
ート、フルオロアルキルメタクリレート、AFポリマー
(デュポン社の商品名)、サイトップ(旭硝子社の商品
名)等が好適に用いられる。また、特願平9−1560
0号公報に記載されているテトラフルオロエチレン(T
EF)共重合体も使用できる。例えば、テトラフルオロ
エチレンと、アクリレート、メタクリレート、アクリロ
ニトリル、アルケンとの共重合体、特にフルオロアクリ
レート/テトラフルオロエチレン共重合体、フルオロア
クリレート/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオ
ロエチレン共重合体などが好適に用いられる。さらに、
これらの有機ポリマーを延伸多孔質PTFEの多孔構造
を構成する骨格に被覆する方法についても前記公報に記
載の方法を適用できる。
【0012】延伸多孔質PTFEフィルムと通気性布帛
との積層は、延伸多孔質PTFEフィルムと通気性布帛
とを重ね、例えば、グラビアパターンロール等を用いて
部分的に熱融着して積層シートとすることにより実施さ
れる。また、ウレタン樹脂系等の接着剤を用いて部分接
着することも可能である。有害なガス状物質の吸着効率
を高める上で、通気性布帛が延伸多孔質PTFEフィル
ムに融着又は接着している面積をできるだけ少なくする
ことが必要である。
【0013】積層フィルムは、延伸多孔質PTFEフィ
ルムの一方又はその両側に布帛を積層した2層又は3層
構造のものであることができる。
【0014】ガス吸着剤としては、従来公知の各種のも
の、例えば、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、各種粘
土、アルミナ、酸化鉄、過塩素酸マグネシウム、イオン
交換樹脂、各種金属塩等が用いられる。ガス吸着剤は、
通常、粉末状であるが、繊維状、フィルム状であっても
よい。
【0015】本発明のガス吸着ユニットは、前記した合
成樹脂の多孔質フィルムを成形材料として用い、これを
容器形状に成形するとともに、この容器内にガズ吸着剤
を充填し、その容器開口部を蓋部で封止することによっ
て製造される。多孔質フィルムを容器形状に成形する場
合、本発明では、その成形は、吸引成形法により、その
多孔質フィルムに引張応力を付与しながら行う。これに
より、容器外表面にしわのない平滑性の良い容器を得る
ことができる。図1に本発明のガス吸着ユニットを製造
するための工程図を示す。図1において、1は金型、2
は多孔質フィルム、3は容器、4は開口部周縁部、5は
ガス吸着剤、6は蓋体フィルムを示す。Aは金型内に形
成された空間部を示す。この空間部は容器の空間部に対
応する。本発明のガス吸着ユニットを製造するには、金
型1の上面に多孔質フィルムを置き(図(a))、空間
部Aの底部の金型に形成された吸引孔を介して空間部A
内を矢印方向に吸引ポンプ(真空ポンプ)で吸引する。
この場合、その多孔質フィルムは、必要に応じ、その軟
化温度に加熱しておく。この吸引によって、多孔質フィ
ルムは2、その吸引に際しての引張り応力によって延伸
し、空間Aに面する金型の壁面に密着し、容器3に成形
される(図(b))。この場合、容器3の開口周縁部
(つば部)4が形成される。前記吸引成形に際しての多
孔質フィルムの延伸倍率は、1.5〜3倍程度である。
次に、このようにして形成された容器3の内部に吸引を
行いながらガス吸着剤5を充填した後、蓋体フィルム6
をその開口部を含む多孔質フィルム4上に置き、そのフ
ィルム4と接着させる(図(c))。このようにして形
成したガス吸着ユニットの外観図を図2に示す。
【0016】前記のようにしてガス吸着ユニットを製造
する場合、ガス吸着剤充填工程においては、吸引を行な
うことによって、ガス吸着剤の舞い上りを防止すること
ができる。即ち、多孔質フィルムは微細孔を有し、通気
性を有することから、容器底部の金型の吸引孔より吸引
するときには、その容器内部ガスも下方向に吸引される
こととなり、ガス吸着剤はその吸引力により下方に吸引
される。これによってガス吸着剤の舞い上りは防止さ
れ、ガス吸着剤の舞い上りによる蓋体6と開口周縁部4
との間でのガス吸着剤の狭み込みの問題や、容器外表面
にガス吸着剤微粉末の付着の問題等は何ら生じず、ガス
吸着剤微粉末の付着のないクリーンなガス吸着ユニット
を得ることができる。また、前記の吸引成形により容器
を成形する場合には、その多孔質フィルムは引張り応力
が加えられた状態で容器状に成形されることから、その
外表面にしわの発生を生じることもない。前記のように
してガス吸着ユニットを製造する場合、その多孔質フィ
ルムが、延伸性(柔軟性)に富む延伸多孔質PTFEフ
ィルムの場合には、吸引に際して、特にそのフィルムを
加熱状態に保持する必要はないが、その容器が曲率の大
きな湾曲部を有するものであるときには、金型を400
℃程度に加熱して成形するのが好ましい。多孔質フィル
ムが延伸多孔質PTFEフィルム等の延伸の容易なもの
は、前記のように、とくに加熱の必要はないが、ポリエ
チレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の通常の熱
可塑性樹脂の多孔質フィルムの場合には、その軟化温度
に加熱し、この加熱状態のフィルムを吸引により容器状
に成形する。
【0017】蓋体フィルム6は、容器開口部を密閉し得
るものであればよく、その材質は特に制約されず、通気
性又は非通気性フィルムであることができる。本発明の
場合、蓋体フィルム6は、前記した如き合成樹脂の多孔
質フィルム、特に、延伸多孔質PTFEフィルムである
のが好ましい。その蓋体フィルム6の厚さは、1〜10
00μm、好ましくは10〜350μmである。この蓋
体フィルム6は、補強材を積層接着させた積層体フィル
ムであることができる。蓋体フィルム6と容器開口部周
縁部4との間の接着は、熱融着、接着剤又は粘着剤によ
る接着等であることができるが、粘着剤による接着が簡
便である。粘着剤による接着は、蓋体フィルム6の下面
にあらかじめ粘着剤層を形成しておき、蓋体フィルム6
を容器開口部の周縁部4の上面にその粘着剤層を介して
圧着することにより実施される。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに詳細に説
明する。
【0019】実施例1 平均細孔径0.5μm、空孔率80%及び厚さ40μm
の延伸多孔質PTFEフィルムを成形材料として用い、
これを図1に示す工程図に従って容器状に成形するとと
もに、この容器内にガス吸着剤5を充填し、その容器開
口部を蓋体フィルム6で封止した。この場合、金型の空
間Aは縦20mm、横20mm、深さ10mmの直方形
状の空間からなり、その金型底部には直径3mmの吸引
孔を形成した。吸引に際しての吸引力は、その金型内圧
力で表して、7.5×10-4トールであった。また、ガ
ス吸着剤5としては、平均粒径が500μmのシリカゲ
ル粉末1gと平均粒径500μmの活性炭粉末1gを用
いた。蓋体フィルム6は、その下面がアクリル系粘着剤
層に形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムか
らなる粘着テープで、その粘着剤層を介して開口周縁部
4の上面に積層接着させた。容器開口部を蓋体フィルム
6で封止した後、その開口部周縁フィルムを、その開口
部周縁から幅3mmを残して切断した。前記のようにし
て得られたガス吸着剤ユニットは、その外表面にはしわ
の発生がなく、また、ガス吸着剤微粉末の付着のないク
リーンなものであった。
【0020】実施例2 実施例1において、延伸多孔質PTFEフィルムの代り
に、平均細孔径0.5μm、空孔率40%及び厚さ40
μmのポリエチレン多孔質フィルムを用い、その吸引に
際し、その多孔質フィルムを300℃に加熱した熱板に
より、0.5mmの距離を置いて10秒間加熱した後吸
引成形に付した以外は同様にして実験を行った。この場
合にも、その外表面にはしわの発生はなく、また、ガス
の吸着剤微粉末の付着のないクリーンなガス吸着ユニッ
トが得られた。
【0021】比較例1 実施例1において、その吸引成形の代りに、多孔質フィ
ルムに引張り応力を与えない超音波加工による成形を用
いた以外は同様にして実験を行った。このようにして得
られたガス吸着ユニットは、その容器の四隅の外表面に
しわが生じていた。
【0022】洗浄試験 前記実施例1及び比較例1の各ガス吸着ユニットを純水
300mlに10分間投入して洗浄した。この洗浄を2
回行った後、120℃で1時間乾燥した。このようにし
て得た各乾燥品を純水20ml中に投入し、超音波洗浄
した後、その洗浄後の水をイオンクロマトグラフィーで
イオン分析した。その結果を次表に示す。
【0023】
【表1】 * NDは未検出を示す。
【0024】前記表1に示した結果からわかるように、
本発明のガス吸着ユニットの場合は、それに付着してい
るイオンを効率よく洗浄除去することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の小型のガス吸着ユニットは、ハ
ードディスクドライブの中の空間等の小さな空間内に安
定的に配設することができ、その空間内の有害ガス(湿
気や有機ガス等)を迅速に吸着除去することができる。
本発明のガス吸着ユニットは、その外表面にしわの発生
がなく、その洗浄により、その外表面に付着するイオン
や微粒子を効率よく除去することができ、しかも、その
洗浄後の完全乾燥に長時間を要することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス吸着ユニットの製造工程図を示
す。
【図2】本発明のガス吸着ユニットの外観図を示す。
【符号の説明】
1 金型 2 合成樹脂の多孔質フィルム 3 容器 4 容器開口部周縁部 5 ガス吸着剤 6 蓋体部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂の多孔質フィルムから形成され
    た容器内空間が100ml以下の容器内にガス吸着剤を
    充填し、その容器開口部を蓋体部で封止した小型のガス
    吸着ユニットにおいて、該容器は、該合成樹脂多孔質フ
    ィルムを吸引成形により引張り応力をかけながら成形さ
    れたもので、その外表面には実質的なしわを有しないこ
    とを特徴とする小型のガス吸着ユニット。
  2. 【請求項2】 該多孔質フィルムが延伸多孔質ポリテト
    ラフルオロエチレンフィルムからなり、その厚さが1〜
    5000μmである請求項1の小型のガス吸着ユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】 該多孔質フィルムの片面又は両面に通気
    性の延伸性補強材を積層接着させた請求項1又は2の小
    型のガス吸着ユニット。
  4. 【請求項4】 該蓋体部が粘着剤層を介して容器開口部
    に接合されている請求項1〜3のいずれかの小型のガス
    吸着ユニット。
  5. 【請求項5】 該蓋体部が延伸多孔質ポリテトラフルオ
    ロエチレンフィルムからなる請求項1〜4のいずれかの
    小型のガス吸着ユニット。
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