JPH11103175A - 熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を用いた多層配線板の製造方法 - Google Patents

熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を用いた多層配線板の製造方法

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JPH11103175A
JPH11103175A JP21549098A JP21549098A JPH11103175A JP H11103175 A JPH11103175 A JP H11103175A JP 21549098 A JP21549098 A JP 21549098A JP 21549098 A JP21549098 A JP 21549098A JP H11103175 A JPH11103175 A JP H11103175A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層配線板の絶縁層に、ビスマレイミド化合
物の高耐熱性を生かした光硬化性と熱硬化性を同時に付
与する耐熱性に優れた樹脂組成物を用いた多層配線板の
製造方法を提供する。 【解決手段】 第1の回路を形成した絶縁基板の回路表
面上に、絶縁層を形成し、絶縁層に第1の回路と接続す
るためのバイアホールを形成し、銅めっきによって絶縁
層表面に第2の回路形成及びバイアホールの層間接続を
行って多層化する配線板の製造方法において、絶縁層
に、(A)ビスマレイミド化合物5〜90重量%、
(B)他の樹脂成分10〜95重量%及び(A)と
(B)の合計100重量部に対し、(C)熱硬化促進剤
若しくは光開始剤として特定のアクリジン化合物0.1
〜30重量部を含む熱又は光により硬化可能な樹脂組成
物を用いる多層配線板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線板の製造
方法に関するものであり、更に詳しくは、層間絶縁層を
ビルドアップ方式で形成する多層配線板の絶縁層に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】通常の多層配線板は、内層回路を形成し
た絶縁基板上に、プリプレグと称するガラス布にエポキ
シ樹脂を含浸し半硬化状態にした材料を銅箔と重ねて熱
プレスにより積層一体化した後、ドリルで層間接続用の
スルーホールをあけ、スルーホール内壁と銅箔表面上に
無電解めっきを行い、さらに必要に応じて電解めっきを
行って必要な厚さの回路導体とした後、不要な銅を除去
して多層配線板を製造する。 近年、電子機器の小型
化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LS
Iやチップ部品等の高集積化が進みその形態も多ピン
化、小型化へと急速に変化している。これらに対応し、
多層配線板は、電子部品の実装密度を向上するために、
微細配線化の開発が進められている。しかしながら、配
線幅の縮小には技術的に限界があり、現在量産可能な配
線幅は75〜100μmである。このため、単に配線幅
を縮小するだけでは大幅な配線密度の向上が達成しにく
い。また、配線密度向上の隘路となっているのが、直径
300μm前後の面積をしめるスルーホールである。こ
のスルーホールは、一般的にメカニカルドリルで形成さ
れるために比較的に寸法が大きく、このため配線設計の
自由度に乏しくなる。 これらの問題を解決するものと
して、感光性を付与した絶縁樹脂を回路形成した絶縁基
板上に形成し、フォトプロセスにより絶縁樹脂に微少な
バイアホールを形成して層間接続する方法が、、特公平
4−55555号公報や特開昭63−126296号公
報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、フォ
トプロセスによって形成した微少なバイアホールで層間
接続する多層配線板は、従来抱えていた多層配線板の配
線密度向上の問題に関して大きく寄与するものである。
この多層配線板用絶縁層としては、絶縁層が50〜100μm
と薄いことから材料として耐熱性を高めた組成設計が必
要である。さらに必要であれば、熱硬化性樹脂材料とし
てビスマレイミド化合物を用いることは高耐熱性を与え
る熱硬化材料として有用である。その硬化反応としては
不飽和基の開裂を利用した二量化反応、活性アミン化合
物のマイケル付加による架橋反応が実用化されている。
文献として例えば三田達監修、「最新耐熱性高分子」、
42頁、ビスマレイミド樹脂(総合技術センター社;昭
和62年5月発行)が挙げられる。特に絶縁基材、積層
板分野において、エポキシ樹脂その他の改質材料とビス
マレイミドとの組み合わせがイミド系積層材料として各
社から製品化がなされている。本材料はその優れた耐熱
性を生かしてスーパーコンピュータ、航空機用配線板等
高信頼性を要求される分野への適用がなされている。し
かしながらビスマレイミド化合物に含まれる二重結合は
反応性が低く、その熱硬化には高温、長時間の加熱が必
要であった。このためパーオキシド等のラジカル発生剤
を併用するのが通例であるがそれでもなお高温、長時間
の硬化処理が必要であるために、基板のそりや寸法収縮
の点で好ましくなかった。一方、レジスト材料に用いら
れてきた感光性材料の多くは光硬化性は十分であるが絶
縁材料としての特性、特に耐熱性、耐湿性が不十分であ
り、本分野への適用にはかなりの制限が加えられるとい
うのが実状であった。従来の熱硬化性材料を用いて光硬
化性を付与する試みとしてはエポキシ樹脂と光カチオン
発生剤との組み合わせが従来より知られている。しかし
本系は光感度が低く、その硬化には多量の光照射が必要
であるとともに反応も十分ではない。そのため熱硬化に
よって得られる物性からは大きく見劣りする物性の硬化
物しか得られないというのが実状であった。このため本
技術はその発表から時間を経過しているにも関わらず、
特に精密な像形成を必要とする分野への本格的適用例は
ごく限られていた。ビスマレイミド化合物に関してはそ
の反応性の低さより光開始剤系との組み合わせによって
重合、二量化反応を行わすことはほとんどなく、単なる
熱硬化性成分として光硬化系に添加するやりかたが取ら
れてきた。このように熱硬化性材料、特にビスマレイミ
ド系材料の硬化反応は熱硬化反応、光硬化反応共に問題
があり、積層板、印刷配線板用基材分野ではイミド系積
層材料としての利用の他には応用展開があまり図られて
こなかったというのが実状である。以上説明したよう
に、従来の方法による感光性絶縁層を用いた多層配線板
は、必ずしも十分ではなかった。本発明の目的は、従来
の熱硬化性材料のうち特にビスマレイミド材料の高耐熱
性を生かしつつ、硬化性の改善と同時に光硬化性を付与
した耐熱性に優れた感光性絶縁樹脂を用いた多層配線板
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の回路を
形成した絶縁基板の回路表面上に、絶縁層を形成し、絶
縁層に第1の回路と接続するためのバイアホールを形成
し、銅めっきによって絶縁層表面に第2の回路形成及び
バイアホールの層間接続を行って多層化する配線板の製
造方法において、絶縁層が、(A)ビスマレイミド化合
物5〜90重量%、(B)他の樹脂成分10〜95重量
%及び(A)と(B)の合計100重量部に対し、
(C)熱硬化促進剤若しくは光開始剤として式(1)又
は式(2)で表されるアクリジン化合物0.1〜30重
量部を含む熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を用い
た多層配線板の製造方法である。
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】また、本発明は、(B)他の樹脂成分が、
エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノール性水酸基
を有する樹脂、メラミン樹脂、シアネートエステル樹
脂、ゴム、分子内に不飽和結合を有する樹脂の中から選
ばれる1種類以上である請求項1に記載の熱又は光によ
り硬化可能な樹脂組成物を用いた多層配線板の製造方法
である。
【0008】
【発明の実施の形態】発明者らはビスマレイミド系材料
を低温で硬化させる検討を行う過程で、従来取られてき
た硬化促進手段、即ちパーオキサイドの添加によって硬
化反応を促進させる方法とは異なる様式でビスマレイミ
ド化合物の硬化反応を促進し、その結果、硬化開始温度
を劇的に下げられることを見いだすと同時に本硬化系が
そのまま光硬化系としても作用するということを発見
し、本発明に至った。即ち、本発明は以下からなる。多
層配線板の絶縁層に、(A)ビスマレイミド化合物5〜
90重量%、(B)他の樹脂成分10〜95重量%及び
(A)と(B)の合計100重量部に対し、(C)熱硬
化促進剤若しくは光開始剤として式(1)又は式(2)
で表されるアクリジン化合物0.1〜30重量部を含む
熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を用いる多層配線
板の製造方法である。
【0009】従来のビスマレイミド化合物の硬化反応で
は通常170℃から220℃まで硬化温度を上げること
が必要であった。これより低い温度ではビスマレイミド
の開環、架橋が不十分となるためである。特にビスマレ
イミド化合物単独では高い温度が必要であり、硬化時間
も長時間を必要とする。これに対し、硬化を促進する目
的でパーオキシドを添加することが一般的に広く行われ
ているが、架橋効率の改善が主な目的であり、例えば1
00℃以下での低温硬化が達成出来るわけではない。こ
のため、用いるパーオキシドは分解温度が高いものが選
択され、熱硬化反応そのものは170℃以上で行うのが
通例である。それに対し本発明者らはビスマレイミド化
合物に対し式(1)、(2)で示されたような構造を有
するアクリジン化合物が従来より低い温度で発熱反応に
より容易に架橋することを見いだした。 ある種のアク
リジン化合物はラジカル重合系の光開始剤としても知ら
れている。例えば特開平5−224413号公報にはα
−ω−ジ−9−アクリジニルアルカンと不飽和化合物が
高感度な光重合系となることが開示されている。ここで
用いられている不飽和化合物はアクリルモノマーのよう
な室温で容易に重合を行うことが可能な高活性不飽和結
合を有したものである。一般にビスマレイミドに含まれ
る不飽和結合は高温での直開裂による二量化反応のみで
あり、光重合系としては適さない。光照射によって架橋
反応を起こすことは極めて困難であり、多くの光照射を
要するため実用的ではない。 しかし、本発明のアクリ
ジン化合物とビスマレイミド化合物からなる系では高感
度での光硬化が可能である。また、光照射によっても主
として光を吸収するアクリジン化合物の大部分はまだそ
のままの状態で系中に残存している。従って光硬化後も
なお熱硬化反応を続行することが可能である。本材料系
のこの性質を利用すれば、ビスマレイミド系化合物の低
温硬化という有用な特徴に加え、光硬化反応をも利用し
た2段硬化反応系への適用という第二の特徴を指摘でき
る。 本発明の新規な硬化系は従来の光硬化系や熱硬化
系とは全く異なる組み合わせによって発現されるため、
逆に従来用いられてきた反応系をそのまま併用すること
が可能である。例えば、ビスマレイミド系化合物と他の
樹脂成分を用いることが可能である。これには従来熱硬
化性ビスマレイミド樹脂の改質で行われてきた手法がそ
のまま適用可能である。また、光硬化性に関しては従来
光重合系で適用されてきた種々の組み合わせを本発明の
樹脂系と併用して用いることが可能である。これは前述
したようにビスマレイミド系化合物が従来の光重合系の
中では反応性が極めて低く実質的に不活性であることか
ら可能である。 このように本発明の硬化性樹脂組成物
は基本的な性質として光硬化性、熱硬化性、低温硬化性
という特徴を保持したまま更にいろいろの性質を加える
ことが可能であり、極めて応用が広い。本材料系でこの
ような性質が発現する理由は明確ではないが、ビスマレ
イミド化合物が電子密度が低いアクセプタとしての性質
を有していること及びアクリジン化合物が基底状態及び
光励起状態で強いドナー性を示すことからこれら両者に
よって電荷移動錯体を一例とした活性種が比較的低温で
形成され、そのことによって低温熱硬化性、光硬化性が
発現されるということが考えられる。
【0010】本発明で使用するビスマレイミド化合物と
しては、m−ジ−N−マレイミジルベンゼン、ビス(4−N
−マレイミジルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−N−
マレイミジルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−N−
マレイミジル−2,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2
−ビス[4−(4−N−マレイミジルフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス(4−N−マレイミジル−2−メ
チル−5−エチルフェニル)プロパン等の各種ビスマレ
イミド化合物がそのままもしくは混合物として用いられ
る。これらのビスマレイミド化合物は単体としても各種
樹脂との変性物でもどちらも用いることが可能である。
【0011】本発明で用いる式(1)で表されるアクリ
ジン化合物として、9−メチルアクリジン、9−エチルア
クリジン、9−ブチルアクリジン、3,6−ジエトキシ−9
−メチルアクリジン等のアクリジン化合物、置換アクリ
ジン化合物及びその塩等が挙げられる。
【0012】また、式(2)で表されるアクリジン化合
物としては、1,2−ジ−9−アクリジニルエタン、1,3−
ジ−9−アクリジニルプロパン、1,4−ジ−9−アクリジ
ニルブタン、1,7−ジ−9−アクリジニルヘプタン、1,8
−ジ−9−アクリジニルオクタン等が挙げられる。これ
らは単独又は混合物の形で用いられる。
【0013】本発明の(B)他の樹脂成分として用いる
ことが可能な第一の群としてはエポキシ樹脂、例えば、
ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型
エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルS型エポキシ樹脂、ビス
フェノ−ルAF型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルAD型
エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ
樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリジシルエステル型
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素
環状エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン樹脂、こ
れらをブロム化したブロム化エポキシ樹脂及びこれらエ
ポキシ樹脂の酸変性物が挙げられる。特に光照射を行っ
て光硬化を行う場合にはこれらエポキシ樹脂と酸変性物
特に不飽和酸との変性物が好ましい。不飽和カルボン酸
としては無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水
物、イタコン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。これらはエポキシ樹脂のエポキシ基に対し
当量もしくは当量以下の配合比率で該不飽和カルボン酸
を反応させることによって得られる。カルボン酸変性さ
れていないエポキシ樹脂そのものを用いる場合には光硬
化後、未反応部分を例えばシクロヘキサノン、ブチルカ
ルビトールのような溶剤を用いて除去することで像形成
が可能である。エポキシ樹脂としてカルボン酸変性物を
用いることにより、現像液としてアルカリ水溶液、水系
現像液のような安価で広く普及しているプロセスを適用
することが可能である。この時不飽和基を有する酸化合
物を用いれば硬化性樹脂組成物の光反応性を更に高める
ことが可能であり、特に有用である。
【0014】他の樹脂成分として用いることが可能な第
二の群としては、フェノール樹脂、アルキルフェノール
樹脂、ノボラックフェノール樹脂、酸変性ノボラックフ
ェノール樹脂、ビスフェノールA、テトラブロモビスフ
ェノールAのようなフェノール性水酸基を有する樹脂類
である。これらは単独で又は2種類以上を混合して使用
することも、変性物として使用することもできる。
【0015】この他に、他の樹脂成分として用いること
が可能な第三の群としては、メラミン樹脂、シアネート
エステル樹脂のような熱硬化性材料、或いはこのものと
フェノール樹脂の組み合わせ等も好ましく用いられる。
【0016】さらに、第四の群としては、可とう性付与
材の使用も好適な組み合わせである。脆さが弱点となり
やすいビスマレイミド化合物の欠点を補う目的で種々の
可とう性付与剤の添加が知られており、これらはそのま
ま適用が可能である。その例として、ブタジエンアクリ
ロニトリルゴム、天然ゴム、アクリルゴム、SBR、カ
ルボン酸変性ブタジエンアクリロニトリルゴム、カルボ
ン酸変性アクリルゴム、架橋NBR粒子、カルボン酸変
性架橋NBR粒子等が挙げられる。
【0017】更に(B)他の樹脂成分として用いること
が可能な第五の成分として、光硬化性材料である分子内
にビニル重合可能な不飽和結合を有する化合物が挙げら
れる。これらは、上記の第一〜第四の群のものと併用す
ることが好ましい。これは本発明の樹脂組成物が光硬化
性と熱硬化性を同時に有していることから必然的に考え
られる組合わせである。光硬化性材料としては、分子内
に不飽和基を有する化合物で従来知られているものがそ
のまま用いられ、制限はない。その例としては、例え
ば、アクリル酸またはメタアクリル酸及びそれらの炭素
数1〜8のアルキルエステルである各種のアクリレート
モノマ、アクリレートオリゴマ、ビスフェノ−ルAのジ
グリシジルエ−テル化物のアクリル酸付加物であるエポ
キシアクリレート、ノボラックエポキシ樹脂にアクリル
酸を付加したアクリル変性ノボラックエポキシ樹脂等が
挙げられる。特にアクリレートモノマまたは、低分子オ
リゴマ(例えば重合度、2〜10のオリゴマ)を使用し
た場合には、多くは固形樹脂からなり常温ではフィルム
形成性を有していない未硬化の樹脂組成物に適度の柔軟
性を与え、フィルム形成性を付与することが可能である
ことから、好ましい組み合わせの一つである。
【0018】(B)他の樹脂成分は、(A)ビスマレイ
ミド化合物及び(C)アクリジン化合物にそのままの形
で加えてもよいし、予め加熱して、これら樹脂系の部分
変性(クッキング)を行ってもよい。このような手法に
よっていわゆるBステージ状態の樹脂とすることも可能
である。このような種々の樹脂成分を加えることで光硬
化性、熱硬化性という基本性能を保持したまま硬化物に
色々な性質を付与することが可能となる。例えばエポキ
シ樹脂やフェノール樹脂との組み合わせによって硬化物
に良好な電気絶縁性を付与することが可能になる。これ
は本発明を積層板材料、配線板材料として用いる時に特
に好ましい性質である。また、樹脂組成物にゴム成分を
配合した時には、硬化物に強靭性を付与できると共に、
硫酸やクロム酸などの酸化性薬液により表面処理を行う
ことにより硬化物表面の粗化を簡単に行うことが可能に
なり、接着剤、絶縁性樹脂、めっき金属との密着性を向
上させることができる。このように、樹脂組成物にゴム
を配合することにより本発明の樹脂組成物を接着性材料
として適用することが可能となる。例えば、ゴムとし
て、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンを配合
し、酸化性薬液として配線板製造で広く用いられている
アルカリ性過マンガン酸溶液を用い、ドリルのデスミア
処理として従来知られている処理を適用したところ、表
面に微細形状を形成することができた。そして、このよ
うな表面処理した硬化物に常法により無電解銅めっき、
次いで電気銅めっきを施したところ、良好なめっき銅接
着性(ピール強度)が得られた。本発明の樹脂組成物に
は前述した他の樹脂成分と併用する形で光硬化性材料を
配合してもよい。
【0019】本発明の硬化性樹脂組成物に他の樹脂成分
として上述のように各種の熱硬化性樹脂成分、光硬化性
成分等を加えた場合にはこれらの材料に対して有効な硬
化促進剤を配合した方が好ましい。特に加えた材料がビ
スマレイミド化合物やアクリジン化合物と直接の反応を
行わない場合にはこれらの材料の添加はむしろ必要であ
る。光硬化性材料を用いた場合にはアクリジン化合物が
これらの材料への光重合開始能力を既に有していること
から、特に新たな光開始剤の使用は必要ないが、分光感
度の調節や系全体の光感度の調節等、さまざまな目的に
よって別の光開始剤を添加することは当分野では頻繁に
行われており、その使用を妨げるものではない。
【0020】このように多数の硬化成分を含む系では、
用いた材料の組み合わせによっては暗反応性が生ずる場
合があり、その場合には暗反応性を引き起こさない組み
合わせに配合成分を分割し、使用時に全部を混合して用
いるといういわゆる多液性配合物とすることが望まし
い。暗反応性を有しない組み合わせの場合には全部を同
時に配合することが可能である。
【0021】本発明の熱又は光により硬化可能な樹脂組
成物において、その配合量は、(A)ビスマレイミド化
合物5〜90重量%、(B)他の樹脂成分10〜95重
量%及び(A)と(B)の合計100重量部に対し、
(C)熱硬化促進剤若しくは光開始剤として式(1)又
は式(2)で表されるアクリジン化合物0.1〜30重
量部とされる。(A)ビスマレイミド化合物と(B)他
の樹脂成分との最適な配合比は全体を100重量%とし
た場合に(A)ビスマレイミド化合物5重量%から90
重量%であり、更に好適には10重量%から60重量%
である。5重量%未満では、本来のビスマレイミド化合
物としての特性がなくなり、その配合の意味が薄れてし
まう。また、90重量%を超えるとビスマレイミド化合
物の配合割合が増え、硬化物のガラス転移温度が上昇す
るが、硬化収縮、脆化等の悪影響も大きくなるため好ま
しくない。式(1)又は式(2)で表されるアクリジン
化合物の配合量は、(A)ビスマレイミド化合物と
(B)他の樹脂成分の合計100重量部に対し、0.1
〜30重量部とされる。より好ましくは、0.5〜10
重量部である。0.1重量部未満では、配合の効果が少
なく、30重量部を超えるとビスマレイミド化合物と低
温での反応が進行し、経時安定性の制御が困難になるた
め好ましくない。ビスマレイミド化合物とアクリジン化
合物の配合比率は、熱反応性と光反応性のどちらの性質
を多く使うかによって最適配合比が決まる。アクリジン
化合物は光吸収性、光重合開始剤としての能力が高いた
め、光反応性を重視する場合は多量に使用する必要はな
い。一方熱反応性を重視する場合は光反応のときよりは
多めに使用した方が硬化が効果的に進むので好ましい。
【0022】本発明の硬化性樹脂組成物においては通常
使用される添加剤として、重合安定剤、レベリング剤、
顔料、染料等を使用してもよい。これらの添加量は、各
々樹脂組成物総量中0.01〜10重量%とすることが
好ましい。またフィラーを配合することもなんら差し支
えない。フィラーとしてはシリカ、溶融シリカ、タル
ク、アルミナ、水和アルミナ、硫酸バリウム、水酸化カ
ルシウム、エロジール、炭酸カルシウム等の無機微粒
子、粉末状エポキシ樹脂、粉末状ポリイミド粒子等の有
機微粒子、粉末状テフロン粒子等が挙げられる。フィラ
−の配合量は、樹脂組成物総量中5〜40重量%とする
ことが好ましい。これらのフィラーには予めカップリン
グ処理を施して有ってもよい。これらの分散はニーダ
ー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール等既知の混練
方法によって達成される。
【0023】以上説明した多層配線板の絶縁層に用いる
熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を用いる多層配線
板の製造方法は、図1に示した工程で製造する。図1に
示した工程に従い詳しく説明すると、先ず、第1の回路
を形成した絶縁基板を用意する(図1−(a))。この
絶縁基板は特に限定するものではなく、ガラス布−エポ
キシ樹脂、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガ
ラス布・ガラス紙−エポキシ樹脂等通常の配線板に用い
る絶縁基板が使用できる。第1の回路を形成する方法と
しては、銅箔と前記絶縁基板を張り合わせた銅張り積層
板を用い、銅箔の不要な部分をエッチング除去するサブ
トラクティブ法や、前記絶縁基板の必要な個所に無電解
めっきによって回路を形成するアディティブ法等、通常
の配線板の製造法を用いることができる。次に、第1の
回路を形成した回路表面上に前記熱又は光により硬化可
能な樹脂組成物を絶縁層として形成する(図1−
(b))。この形成方法は、液状の樹脂をロールコー
ト、カーテンコート、ディプコート等の方法で塗布する
方式や、前記樹脂組成物をフィルム化してラミネートで
張り合わせる方式を用いることができる。次に、絶縁層
に、第1の回路と接続するバイアホールを形成するため
にフォトマスクを介して露光し(図1−(c))、未露
光部分を現像液により食刻する方法によって絶縁層に第
1の回路と接続するバイアホールを形成する(図1−
(d))。露光は、通常の配線板のレジスト形成方法と
同じ手法が用いられる。また、未露光部分を現像液によ
り食刻する現像液としては、絶縁層に用いた樹脂組成物
をどのような現像タイプにするかで決定され、アルカリ
現像液、準水系現像液、溶剤現像液など一般的なものを
用いることができる。 次に、絶縁層を酸化性粗化液で
処理した後、絶縁層上に銅めっきを析出させて第2の回
路形成及びバイアホールの層間接続を行う(図1−
(e))。この場合、絶縁層を紫外線及び紫外線と熱で
硬化させてから酸化性の粗化液に浸漬する手法を用いる
こともできる。 酸化性粗化液としては、クロム/硫酸
粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウ
ム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液などを用い
ることができる。さらに第2の回路を形成する方法とし
ては、粗化した絶縁層表面に無電解めっき用の触媒を付
与して全面に無電解めっき銅を析出させ、更に必要な場
合には電解めっきによって回路導体を必要な厚さにし
て、不要な箇所をエッチング除去して形成する方法や、
めっき触媒を含有した絶縁層を用いて、めっきレジスト
を形成して必要な箇所のみ無電解めっきにより回路形成
する方法及びめっき触媒を含有しない絶縁層を粗化し、
めっき触媒を付与した後めっきレジストを形成して必要
な箇所のみ無電解めっきにより回路形成する方法等を用
いることができる。 本発明を多層化する場合には、以
上の方法(図1−(b)〜図1−(e))を繰り返し行
い多層化する(工程:図1−(f)〜図1−(h))。
この際、好ましくは、次の回路層を支持する絶縁層を形
成する前に、その下になる回路層導体表面を粗化して凹
凸を形成したり、従来の多層配線板に用いられるように
回路層導体表面を酸化して凹凸を形成したり、酸化して
形成した凹凸を水素化ホウ素ナトリウムやジメチルアミ
ンボラン等のアルカリ性還元剤を用いて還元して層間の
接着力を高めることができる。
【0024】本発明は、特定の絶縁層を層間絶縁層に用
いてビルドアップ方式で多層化する配線板の製造方法で
あり、耐熱性に優れた多層配線板を提供することができ
る。以下実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。
【0025】
【実施例】
(実施例1) (1)18μmの両面粗化箔を用いた両面銅箔張りガラ
ス布エポキシ樹脂積層板であるMCL−E− 67(日
立化成工業株式会社製商品名)を用い、不要な箇所の銅
箔をエッチング除去して、第1の回路を形成した(図1
−(a)に示す)。 (2)下記組成の熱又は光により硬化可能な樹脂組成物
ワニスを離型処理が施された厚み25μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に塗布し、80℃で10分
間乾燥して膜厚60μmの絶縁層を形成した後、この絶
縁層をラミネーターにより、第1の回路を形成した絶縁
基板の片側表面にラミネートし(110℃ )、絶縁層を設けた(図1−(b)に示す)。 ・2,2-ヒ゛ス[4-(4-N-マレイミシ゛ルフェノキシ)フェニル]フ゜ロハ゜ン(BBMI;日立化成工業株式会社製 ) 30重量部 ・エホ゜キシ当量500のヒ゛スフェノールA型エホ゜キシ樹脂に1当量のテトラヒト゛ロ無水フタル酸を窒素雰囲 気下で150℃で10時間反応させて合成した酸変性エホ゜キシ樹脂 45重量部 ・分子内にカルホ゛キシル基を4mol%含んだアクリロニトリルフ゛タシ゛エンコ゛ム(PNR-1H;日本合成コ゛ム 株式会社社製商品名) 20重量部 ・1,7-シ゛-9-アクリシニルヘフ゜タン 5重量部 ・水酸化アルミニウム 10重量部 上記樹脂組成物を溶剤シクロヘキサノンとメチルエチル
ケトンの混合溶剤(1:1重量比)に溶解ないし分散さ
せ45重量%のワニスとした。 (3)バイアホールとなる部分に遮蔽部を形成したフォ
トマスクを介して、露光量300mJ/cm2の紫外線
を照射して(図1−(c)に示す)、さらに未露光部分
をジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テルを20vo
l%、4ホウ酸ナトリウム8g/lを含んだ現像液で35
℃−3分間スプレー処理をしてバイアホールを形成し
た。 (4)紫外線2J/cm2を絶縁層に照射して後露光を
行った。 (5)150℃、1時間後加熱を行った。 (6)絶縁層を化学粗化するために、粗化液として、K
MnO4:60g/l、NaOH:40g/lの水溶液
を作製し、50℃に加温して5分間浸漬処理した。KM
nO4浸漬処理後は、SnCl2:30g/l、HCl:
300ml/lの水溶液に室温で5分間浸漬処理して中
和し、粗化凹凸形状を形成した(図1−(d)に示
す)。 (7)第1の絶縁層表面に第2の回路を形成するため
に、まず、PdCl2を含む無電解めっき用触媒である
HS−202B(日立化成工業株式会社製商品名)に、
室温で10分間浸漬処理し、水洗し、無電解銅めっきで
あるL−59めっき液(日立化成工業株式会社製商品
名)に70℃で30分間浸漬し、さらに硫酸銅電解めっ
きを行って、バイアホールを含む絶縁層表面上に厚さ2
0μmの導体層を形成した。次に、めっき導体の不要な
箇所をエッチング除去するためにエッチングレジストを
形成し、エッチングし、その後エッチングレジストを除
去して、第1の回路と接続したバイアホールを含む第2
の回路形成を行った(図1−(e)に示す)。 (8)さらに、多層化するために、第2の回路導体表面
を、亜塩素酸ナトリウム:50g/l、NaOH:20
g/l、リン酸三ナトリウム:10g/lの水溶液に8
5℃で20分間浸漬し、水洗して、80℃で20分間乾
燥して第2の回路導体表面上に酸化銅の凹凸を形成し
た。 (9)(2)〜(7)の工程を繰り返して3層の多層配
線板を作製した(図1−(f)〜図1−(h)に示
す)。
【0026】(実施例2)実施例1で示した熱又は光に
より硬化可能な樹脂組成物を下記組成に変更した他は、
実施例1と同様な方法で行い3層の多層配線板を作製し
た。 ・2,2-ヒ゛ス[4-(4-N-マレイミシ゛ルフェノキシ)フェニル]フ゜ロハ゜ン(BBMI;日立化成工業株式会社 製) 30重量部 ・エホ゜キシ当量300のフ゛ロム化ヒ゛スフェノールA型エホ゜キシ樹脂(フ゛ロム含有量:50重量%)に1当量のテトラヒト゛ロ 無水フタル酸を窒素雰囲気下で150℃で10時間反応させて合成した酸変性フ゛ロム 化エホ゜キシ樹脂 45重量部 ・分子内にカルホ゛キシル基を4mol%含んだアクリロニトリルフ゛タシ゛エンコ゛ム(PNR-1H;日本合成コ゛ム株 式会社製商品名) 20重量部 ・1,7-シ゛-9-アクリシ゛ニルヘフ゜タン 5重量部 ・水酸化アルミニウム 10重量部
【0027】(実施例3)実施例1で示した熱又は光に
より硬化可能な樹脂組成物を下記組成に変更した他は、
実施例1と同様な方法で行い3層の多層配線板を作製し
た。 ・ヒ゛ス(4-N-マレイミシ゛ルフェニル)メタン(BMI;三井東圧化学株式会社製) 40重量部 ・エホ゜キシ当量500のヒ゛スフェノールA型エホ゜キシ樹脂に1当量のテトラヒト゛ロ無水フタル酸を窒素雰囲 気下で150℃で10時間反応させて合成した酸変性エホ゜キシ樹脂 25重量部 ・エホ゜キシ当量300のフ゛ロム化ヒ゛スフェノールA型エホ゜キシ樹脂(フ゛ロム含有量:50重量%)に1当量 のテトラヒト゛ロ無水フタル酸を窒素雰囲気下で150℃で10時間反応させて合成した酸 変性フ゛ロム化エホ゜キシ樹脂 25重量部 ・1,7-シ゛-9-アクリシ゛ニルヘフ゜タン 5重量部 ・分子内にカルホ゛キシル基を4mol%含んだアクリロニトリルフ゛タシ゛エンコ゛ム(PNR-1H;日本合成コ゛ム 株式会社製商品名) 20重量部 ・4−フェノキシアニリン 0.1重量部 ・二酸化珪素 10重量部
【0028】(実施例4)実施例1で示した熱又は光に
より硬化可能な樹脂組成物を下記組成に変更した他は、
実施例1と同様な方法で行い3層の多層配線板を作製し
た。 ・2,2-ヒ゛ス-(4−N−マレイミシ゛ル−2−メチル−5−エチルフェニル)フ゜ロハ゜ン 40重量部 ・オルソクレソ゛ールノホ゛ラック型エホ゜キシアクリレート(EA−4400;新中村化学株式会社製商品名) 50重量部 ・分子内にカルホ゛キシル基を4mol%含んだアクリロニトリルフ゛タシ゛エンコ゛ム(PNR−1H;日本合成コ゛ム 株式会社製商品名) 20重量部 ・2,2−ヒ゛ス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)フ゜ロハ゜ン(BPE−100;新中村化学株式会社 製) 10重量部 ・4-フェノキシアニリン 0.1重量部 ・二酸化珪素 10重量部
【0029】(実施例5)実施例1の1,7-シ゛-9-アクリシ゛ニル
ヘフ゜タンの代わりに9-フ゛チルアクリシ゛ン5重量部を用いたこと以
外は実施例1と同様にして3層の多層配線板を作製し
た。
【0030】(比較例1)実施例1において、1,7−シ゛−
9−シ゛アクリシ゛ニルヘフ゜タンを用いずに、ヘ゛ンシ゛ルシ゛メチルケタール(イルカ゛キュ
ア651;チバガイギー社製商品名)を用いた。それ以外は、
実施例1と同様な方法で行い3層の多層配線板を作製し
た。
【0031】(比較例2)実施例2において、2,2-ヒ゛ス-
[4-(N-マレイミシ゛ルフェノキシ)フェニル]フ゜ロハ゜ンを用いずに、酸変性フ゛
ロム化エホ゜キシ樹脂配合量を85重量部とした。それ以外は、
実施例1と同様な方法で行い3層の多層配線板を作製し
た。
【0032】(比較例3)実施例1において、1,7-シ゛-9-
アクリシ゛ニルヘフ゜タン用いずにヘ゛ンシ゛ルシ゛メチルケタール(イルカ゛キュア651,チ
バガイギー社製商品名)とハ゜ーオキサイト゛(ハ゜ーヘキシン25B;日本
油脂株式会社製商品名)を0.5重量部添加し、それ以外
は、実施例1と同様な方法で行い3層の多層配線板を作
製した。
【0033】(比較例4)比較例3において、後露光後
の後加熱条件を150℃、1時間を180℃、45分と
した。それ以外は、同様な方法で行い3層の多層配線板
を作製した。以上のようにして作製した3層の多層配線
板の特性を表1に示した。
【0034】
【表1】 項目 直径150μm ヒ゜ール強度 Tg はんだ耐 層間絶縁 基板の ヒ゛ア形成性 (KN/m) (℃) 熱性(秒) 抵抗(Ω) 反り(mm) 実施例1 ○ 0.8 140 60以上 1012以上 3 実施例2 ○ 0.8 135 60以上 1012以上 − 実施例3 ○ 0.9 145 60以上 1012以上 − 実施例4 ○ 1.0 140 60以上 1012以上 − 実施例5 ○ 0.9 140 60以上 1012以上 2 比較例1 ○ 0.5 105 15 1011 比較例2 × 0.4 95 2 1010〜1011 比較例3 ○ 0.7 95 25 1011 比較例4 ○ 0.4 110 30 1011 12
【0035】表1に示した特性の測定は、下記のように
して行った。 直径150μmビア形成性:ビア形成部を金属顕微鏡及
び走査型電子顕微鏡を用いて、ビアホール底部の樹脂残
りとビア形状(ビア底部の剥がれや凹みの確認)を観察
し、樹脂残りが無く、ビア形状(ビア底部の剥がれや凹
みの無い)の良好なものを○で、樹脂残りが有り、ビア
形状(ビア底部の剥がれや凹みの有る)の不良なものを
×で示した。 ピール強度:JIS C6481に準じ、めっき銅を9
0度方向に10mm幅で剥離した際の接着力を求めた。 Tg(ガラス転移温度):熱機械分析装置(TMA)を
用いて、引っ張り法、室温から200℃まで昇温速度1
0℃/分で測定した(荷重5g)。 層間絶縁抵抗:第1の回路と第2の回路から各々リード
線をはんだ付けで取り出し、室温下で第1の回路と第2
の回路間に100V、1分間直流電圧を印加した際の抵
抗を求めた。 基板の反り:水平な定盤の上に基板(400×200m
m)を置き、最も水平から浮き上がっている基板の高さ
を反りとして評価した。
【0036】本発明の多層配線板の製造方法において、
絶縁層に、(A)ビスマレイミド化合物5〜90重量
%、(B)他の樹脂成分10〜95重量%及び(A)と
(B)の合計100重量部に対し、(C)熱硬化促進剤
若しくは光開始剤として式(1)又は式(2)で表され
るアクリジン化合物0.1〜30重量部を含む熱又は光
により硬化可能な樹脂組成物を用いた多層配線板は、直
径150μmのビア形成性が良好で、ガラス転移温度
(Tg)が高く、はんだ耐熱性や層間絶縁抵抗も高い。
また、400×200mmワークサイズ基板の反りも少
なく良好である。一方、通常の光開始剤として用いられ
るベンジルジメチルケタールを用いた比較例1は、ピー
ル強度、Tg、はんだ耐熱性や層間絶縁抵抗において劣
る。また、ビスマレイミド化合物を用いずに、酸変性ブ
ロム化エポキシ樹脂を用いた比較例2は、ビア形成性、
ピール強度、Tg、層間絶縁抵抗などに劣る。比較例1
に有機過酸化物を配合した比較例3は、ピール強度やは
んだ耐熱性が若干改善されるものの実施例には及ばな
い。更に比較例3において後露光後の加熱条件を150
℃、1時間から180℃、45分とより高い温度で処理
時間を長くした比較例4では、Tgは若干改良される
が、ピール強度が低下する。また、Tg、はんだ耐熱
性、層間絶縁抵抗、反りが、本発明の実施例の有する特
性には及ばない。
【0037】
【発明の効果】多層配線板の絶縁層に本発明の熱又は光
により硬化可能な樹脂組成物を用いることにより、マレ
イミド゛化合物を光により硬化させ像形成させることが
できると共に、更に低温度で熱硬化させることが可能
で、得られた絶縁層は、耐熱性に優れていることから、
本発明は、ビルドアップ方式の多層配線板の製造に好適
な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(h)は、本発明の多層配線板の
製造方法を説明するための各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1.絶縁基板 2.第1の回路 3.第1の絶縁層 4.フォトマスク 5.紫外線 6.バイアホール 61.バイアホール 7.粗化面 71.粗化面 8.第2の回路 9.第2の絶縁層 10.第3の回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/00 C08L 101/00 // C08L 61/06 61/06 61/28 61/28 (72)発明者 山寺 隆 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 畠山 修一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の回路を形成した絶縁基板の回路表
    面上に、絶縁層を形成し、絶縁層に第1の回路と接続す
    るためのバイアホールを形成し、銅めっきによって絶縁
    層表面に第2の回路形成及びバイアホールの層間接続を
    行って多層化する配線板の製造方法において、絶縁層
    に、(A)ビスマレイミド化合物5〜90重量%、
    (B)他の樹脂成分10〜95重量%及び(A)と
    (B)の合計100重量部に対し、(C)熱硬化促進剤
    若しくは光開始剤として式(1)又は式(2)で表され
    るアクリジン化合物0.1〜30重量部を含む熱又は光
    により硬化可能な樹脂組成物を用いた多層配線板の製造
    方法。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 (B)他の樹脂成分が、エポキシ樹脂、
    変性エポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂、
    メラミン樹脂、シアネートエステル樹脂、ゴム、分子内
    に不飽和結合を有する樹脂の中から選ばれる1種類以上
    である請求項1に記載の熱又は光により硬化可能な樹脂
    組成物を用いた多層配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011116988A (ja) * 2010-12-28 2011-06-16 Hitachi Chem Co Ltd 絶縁樹脂組成物及びこれを用いた多層配線板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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