JPH11101684A - 音源探索方法及び装置 - Google Patents

音源探索方法及び装置

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JPH11101684A
JPH11101684A JP9261873A JP26187397A JPH11101684A JP H11101684 A JPH11101684 A JP H11101684A JP 9261873 A JP9261873 A JP 9261873A JP 26187397 A JP26187397 A JP 26187397A JP H11101684 A JPH11101684 A JP H11101684A
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択男 西
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】多数の独立して同時に放射される音源信号の位
置を探索する方法及び装置に関し、探索精度が高く且つ
演算時間が短くて済むようにする。 【解決手段】N点の入力信号の中から各入力信号xi(i=
1,2,…,N)に相関のある成分を除去した入力信号から成
る残差相互スペクトル行列に特異値分解を適用して求め
た最大特異値が最小となる入力信号を音源位置に最も近
い入力信号として第1の選択を行い、該選択した第1の
入力信号を除去し且つこれに相関のある成分を除去した
N−1個の入力信号から成る残差相互スペクトル行列に
特異値分解を適用して求めた最大特異値が最小となる入
力信号を音源位置に最も近い入力信号として第2の選択
を行い、該選択を推定される音源数だけ繰り返すことに
より得られた入力信号の各位置を音源位置と推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は音源探索方法及び装
置に関し、特に多数の独立した音源信号の位置を探索す
る方法及び装置に関するものである。
【0001】
【従来の技術】一般に、騒音低減のためには、音源対策
や伝播特性の改善を行うが、そのためには、音源位置・
音源特性(信号の大きさ・周波数特性)の把握や伝播経
路の把握が必要であり、これらを、正確かつ迅速に行う
手法が求められる。
【0002】実際の機械騒音では、独立した音源が一つ
である場合は希であり、多数の独立した音源が混在して
同時に音を放射している場合が多い。
【0003】図3は、K個の互いに独立した音源信号u
i(i=1,2, ・・・,K) を、N個の入力信号(例えばコンポ
ーネント近接音)測定用マイクと1個の出力信号(例え
ば車外騒音)測定用マイクで測定する多入力単出力 (MI
SO) システムを示す。
【0004】N個の入力信号はxj(j=1,2, ・・・,N) 、
音源信号との線形伝達関数はgijで表わされる。また、
yは出力信号、hijは入出力信号間の線形伝達関数を示
す。
【0005】通常、音源信号を直接測定することは困難
であり、また音源数は不明であるのでN>Kであり、音
源及び入力信号の相互スペクトル行列(パワー)をそれ
ぞれ、[SUU], [Sxx]とし、音源、入力信号間の線形伝達
行列を [G] とすると、次式の関係が得られる。
【数1】
【0006】xjは線形重ね合わせによって互いに独立
ではない。ここで、[Sxx] に特異値分解(SVD)を適用
すると、次式のようになる。
【数2】
【0007】これは、独立した各軸成分がどの位の大き
さであるかを示すものである。ただし、[Σ] は [Sxx]
の特異値を含む対角行列、[V] はユニタリ行列、[V]
H は [V] エルミート行列である。式(2) より、独立し
た音源数Kは、[Sxx] のランク、すなわち、[Σ] の0
でない特異値の数により求まる。
【0008】しかしながら、実際の入力信号には、測定
・計算誤差によるノイズが含まれるから、独立した音源
数は、[Σ] における物理的に意味のある特異値の数か
ら推定することになる。また、N個の入力信号測定マイ
クから、最適なK個を選択することにより、独立した音
源の位置を概略把握することができる。
【0009】選択したK個の入力信号を独立な音源信号
の組合せとすると、出力信号スペクトルSYYP は、次式
で与えられる。
【数3】
【0010】ここで、 [H] は選択したK個の入力信号
と出力信号間の伝達関数ベクトルであり、入出力信号間
の相互スペクトルベクトル[Sxy]を用いて次式で求めら
れる。
【数4】
【0011】以上により、多入力単出力システムの同定
が可能となる。上記の最適な入力信号の選択方法として
は従来より、主に以下の2種類の手法が報告されてい
る。
【0012】(1)条件数を用いた方法(コンディショ
ンナンバー法):任意のK入力信号における最大特異値
σ1と最小特異値σkの比である条件数cn=σ1k
最小となる組み合わせを音源位置に最も近い入力信号の
最適な組み合わせとして選択する方法である。
【0013】(2)偏関連度関数(パーシャルコヒーレ
ンス)を用いた方法:N個の各入力信号xi と出力信号
yの関連度関数γxiy=|Sxiy2/Sxixiを求め、そ
の値が最大となる(最も関連している)入力信号xi1
第1に選択する。次にこの入力信号xi1に相関のある成
分を除いた入力信号と出力信号の偏関連度関数γxiy・xi
l 2=|Sxiy・xil2/Sxixi・xilyy・Xilを求め、その
値が最大となる入力信号xi2を第2に選択し、同様に音
源数K個の入力信号を選択する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の手法(1)で
は、最適な信号の組み合わせを選択するために、全ての
組み合わせ(N!/K!(N−K)!通り)の計算が必
要であり、NやKが大きくなると長い演算時間を要す
る。また、抽出したK入力信号の特異値が全て同等に小
さい場合も、条件数が最小となってしまう可能がある。
【0015】上記の手法(2)では、演算時間は短くて
済むが、出力信号を用いるため、音源信号以外の無関係
な情報が含まれ、音源位置の探索精度が低下してしま
う。
【0016】すなわち、上記の手法(1)及び(2)で
は音源からの入力信号の選択を行ってはいるが、実質的
に音源位置の探索を行うことができなかった。
【0017】一方、その音源となる物体が狭い空間内に
配置されているような場合には、従来より知られている
音響インテンシティ法や音響ホログラフィ法等を適用し
て音源位置を把握することは物理的に不可能である。
【0018】したがって本発明は、多数の独立して同時
に放射される音源信号の位置を探索する方法及び装置に
おいて、探索精度が高く且つ演算時間が短くて済むよう
にすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者は、多入力単出力系の測定信号から、音源
位置に最も近い入力信号を選択する演算方法として、
“偏特異値分解(パーシャルSVD)”と称する以下の手
法を考案した。
【0020】q番目(1≦q≦N)の信号成分xqに相関のあ
る成分を取り除いた入力信号の相互スペクトル行列[Sxx
・q]の要素Sij・qと、該成分を取り除く前の入力信号の相
互スペクトル行列[Sxx]の要素Sijとの間には次式の関係
がある。
【数5】
【0021】相互スペクトル行列[Sxx], [Sxx・q] の最
大特異値をσ1・qとして、このσ1・qが最小となるxq1
最も重要な信号として選択する。
【0022】同様に、2番目に重要な信号xq2の選択
は、行列[Sxx・q1・q2]の最大特異値σq1 ・q2が最小となる
信号から選択される。このようにして、K個の重要な信
号が選択される。
【0023】以上を簡潔に言えば、先ず、N個の各入力
信号(x1,x2, ・・・,x1, ・・・,xn) から、任意の1つの入力
信号xi(i=1,2,…,N)に相関のある成分を除去した入力
信号から成る残差相互スペクトル行列に、特異値分解を
適用し、得られた最大特異値σ1・xiが最小となる入力信
号xi1を音源に最も近い信号として第1に選択する。
【0024】次に、第1に選択した入力信号xi1を除去
するとともにxi1に相関のある成分を除去した(N−
1)個の入力信号において、同様の手順を実行し、最大
特異値σ1・xi1・xiが最小となる入力信号xi2を第2に選
択する。このようにして選択したK個の入力信号が、音
源位置に最も近い入力信号である。
【0025】この手法では、出力信号を用いず、また、
最大特異値にのみ着目しているため、入力信号選択精度
の低下が起こらない。一方、演算時間も、偏関連度関数
を用いた方法と同様に短い。
【0026】また、上記の“偏特異値分解”の変形例と
して、以下の方法が考えられる。N個の全入力信号から
成る相互スペクトル行列に、特異値分解を適用し、得ら
れた特異値(σ1,σ2,…σn)と、1つの入力信号xi(i
=1,2,…,N)に相関のある成分を除去した入力信号から成
る残差相互スペクトル行列に特異値分解を適用し、得ら
れた特異値(σ1・xi,σ2・xi,,σn・xi)の各成分の差
の総和を次式により求める。
【数6】 sum(Δσ・xi)=(σ1−σ1・xi)+(σ2−σ2・xi)+ ・・・+(σn−σn・xi) ・・・式(6)
【0027】そして、この総和が最大となる入力信号x
i1を第1に選択する。次に、xi1に相関のある成分を除
去した(N-1)個の入力信号において、同様の操作を行
い、sum(Δσ・xi1・xi)が最大となる入力信号xi2を第
2に選択する。このようにしてK個の入力信号を選択す
る。
【0028】また、次式に示すように、特異値の各成分
の差の和を音源数Kまで取った総和を用いることもで
き、“偏特異値分解”と同等の効果がある。
【数7】 sum(Δσ・xi)=(σ1−σ1・xi)+(σ2−σ2・xi)+ ・・・+(σk−σk・xi) ・・・式(7)
【0029】このようにすれば、特異値特性の各成分の
大きさの順位に変動があってもこれを吸収した形で音源
位置を探索することが可能となる。
【0030】さらに、“偏特異値分解”の発展例とし
て、従来技術の手法(1)で説明した条件数と組み合せ
た方法も考えられる。
【0031】すなわち、この場合には、“偏特異値分
解”で選択した少なくとも第1の入力信号を含むK個の
入力信号の最適な組合せを、該条件数cn=σ1k
用いて選択することができる。
【0032】以上のことから、本発明においては、複数
の独立した音源信号から該音源を探索する方法におい
て、該音源信号の音圧を任意のN(NはN>1の整数)
点で入力し、該入力した信号を周波数領域の信号に変換
し、該N点の入力信号の中から各入力信号xi(i=1,2,
…,N)に相関のある成分を除去した入力信号から成る残
差相互スペクトル行列に特異値分解を適用し、該特異値
分解で求めた最大特異値が最小となる入力信号を音源位
置に最も近い入力信号として第1の選択を行い、該選択
した第1の入力信号を除去し且つこれに相関のある成分
を除去したN−1個の入力信号から成る残差相互スペク
トル行列に特異値分解を適用して求めた最大特異値が最
小となる入力信号を音源位置に最も近い入力信号として
第2の選択を行い、該選択を推定される音源数だけ繰り
返すことにより得られた入力信号の各位置を音源位置と
推定する、ことを特徴としている。
【0033】あるいは、該音源信号の音圧を任意のN
(NはN>1の整数)点で入力し、該入力した信号を周
波数領域の信号に変換した後、該N点の入力信号から成
る相互スペクトル行列に特異値分解を適用して第1の特
異値を求め、該N点の入力信号の中から各入力信号x
i(i=1,2,…,N)に相関のある成分を除去した入力信号か
ら成る残差相互スペクトル行列に特異値分解を適用して
第2の特異値を求め、該第1及び第2の特異値の各成分
の差の総和を求めて該総和が最大となる入力信号x i1
第1に選択し、次に、該最大となる入力信号xi1を除去
し且つこれに相関のある成分を除去したN−1個の入力
信号において第2の選択を行い、該選択を推定される音
源数だけ繰り返すことにより得られた入力信号の各位置
を音源位置と推定してもよい。
【0034】なお、上記第1の選択の後は、該第2の選
択以降を行う代わりに、少なくとも該第1の選択に係る
入力信号を含む該音源数分の入力信号における最大特異
値と最小特異値との比である条件数が最小となる組み合
わせを音源位置に最も近い入力信号の最適な組み合わせ
として選択することができる。
【0035】また、上記の本発明に係る音源探索方法を
実施するための装置として、該音源信号の音圧を任意の
N(NはN>1の整数)点で入力測定するマイクと、該
入力した信号を周波数領域の信号に変換する周波数分析
器と、該N点の入力信号の中から各入力信号xi(i=1,2,
…,N)に相関のある成分を除去した入力信号から成る残
差相互スペクトル行列に特異値分解を適用し、該特異値
分解で求めた最大特異値が最小となる入力信号を音源位
置に最も近い入力信号として第1の選択を行い、該選択
した第1の入力信号を除去し且つこれに相関のある成分
を除去したN−1個の入力信号から成る残差相互スペク
トル行列に特異値分解を適用して求めた最大特異値が最
小となる入力信号を音源位置に最も近い入力信号として
第2の選択を行い、該選択を推定される音源数だけ繰り
返すことにより得られた入力信号の各位置を音源位置と
推定する演算部と、で構成することができる。
【0036】上記の演算部は、該N点の入力信号から成
る相互スペクトル行列に特異値分解を適用して第1の特
異値を求め、該N点の入力信号の中から各入力信号x
i(i=1,2,…,N)に相関のある成分を除去した入力信号か
ら成る残差相互スペクトル行列に特異値分解を適用して
第2の特異値を求め、該第1及び第2の特異値の各成分
の差の総和を求めて該総和が最大となる入力信号xi1
第1に選択し、次に、該最大となる入力信号xi1を除去
し且つこれに相関のある成分を除去したN−1個の入力
信号において第2の選択を行い、該選択を推定される音
源数だけ繰り返すことにより得られた入力信号の各位置
を音源位置と推定してもよい。
【0037】また、該演算部は、該第1の選択の後、該
第2の選択以降を行う代わりに、少なくとも該第1の選
択に係る入力信号を含む該音源数分の入力信号における
最大特異値と最小特異値との比である条件数が最小とな
る組み合わせを音源位置に最も近い入力信号の最適な組
み合わせとして選択してもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る音源探索方
法及び装置の検証を目的として行った試験装置を示す。
信号発生器SG1〜SG3から発生された3つの互いに
無相関な波形の音源信号(u1,2,3)を各スピーカ
SP1〜SP3から放射する。
【0039】そして、6個の入力信号測定用マイクM1
〜M6で入力信号(x1,2,3, 4,5,6)を測定
する。測定した各信号は、周波数分析器FAに一旦入力
されて時間領域信号から周波数領域信号に変換された
後、演算部としてのコンピュータCOMに送られ、上記
の演算処理が実行される。
【0040】この試験では、上記の“偏特異値分解”に
より、6個の入力信号から音源位置に最も近い3個(x
1,2,3)が選択されることを検証する。
【0041】図2(a) は、全ての入力信号(x1,2,
3,4,5,6)から成る相互スペクトル行列に特異値
分解を適用し、得られた特異値を周波数特性としてプロ
ットしたものである。この結果、入力信号の数に対応し
て6本の特異値特性成分σ1〜σ6が得られ、この内、特
異値が大きい3本の特性成分σ1(実線),σ2(点線),σ
3(一点鎖線)が音源信号によるものを表わし、他の3本
の特性成分σ4〜σ6はノイズによるものである。
【0042】同図(b) は、本発明の“偏特異値分解”に
より選択された3個の入力信号(x 1,2,3)から成
る相互スペクトル行列に特異値分解を適用して得られた
特異値特性成分σ1'〜σ3'を示している。
【0043】すなわち、まず、入力信号(x1,2,3,
4,5,6)から任意の1つの入力信号x1を選び、こ
の入力信号x1に相関のある成分を除去した入力信号か
ら成る残差相互スペクトル行列に特異値分解を適用する
と、同図(a) に示したような6本の特異値特性成分(図
示していないが例えばσ11,σ21,,σ61)が得られ
る。これら6種類の特異値成分は数学的な特性であるた
め、それぞれ特性曲線が交差せずに大きい方から小さい
方へ6本順に並ぶ形となる。
【0044】さらに別の1つの入力信号x2を選び、こ
の入力信号x2に相関のある成分を除去した入力信号か
ら成る残差相互スペクトル行列に特異値分解を適用する
と、やはり別の6本の特異値特性成分(図示していない
が例えばσ12,σ22,,σ62)が得られる。
【0045】これを全入力信号について順次行い、最後
の6本の特異値特性成分は、図示していないが例えばσ
16,σ26,,σ66となる。
【0046】このようにして、同図(a) に示すような6
本の特異値特性成分が6群得られることになる。6群の
各特異値特性成分同士は同じ様な性質を有している。し
たがって、6群の最大の特異値特性はσ11〜σ16であ
り、これら最大特異値特性成分σ11〜σ16の中から最小
となる特異値(例えばσ12)に対応する入力信号x2
音源に最も近い信号として第1に選択する。
【0047】次に、第1に選択した入力信号x2を除去
するとともにx2に相関のある成分を除去した(N−
1)個の入力信号において、同様の手順を実行し、最大
特異値が最小となる入力信号を第2に選択する。
【0048】このようにして選択した音源数K個(これ
は経験的に予め分かっているか、または閾値として設定
される)の入力信号が、音源位置に最も近い入力信号で
あるとして選択される。
【0049】この例では、K=3として3つの入力信号
(x1,2,3)が選択されており、これらの入力信号
(x1,2,3)から成る相互スペクトル行列に、同図
(a) と同じく特異値分解を適用すると、その特異値特性
成分が同図(b) に示すようにσ1'〜σ3'となる。
【0050】また、同図(c) は、他の入力信号(x4,
5,6)から成る相互スペクトル行列に特異値分解を適
用し、得られた特異値特性成分をプロットしたものであ
る。
【0051】これらの結果から、“偏特異値分解”によ
り選択された3つの入力信号(x1,2,3) は同図(a)
の音源信号と比較すると分かるように、両者は類似し
ており、音源位置に最も近い入力信号が選択されたこと
になる。
【0052】一方、上記の“偏特異値分解”の変形例に
おいても図1の構成例を適用して考える。まず、N個の
全入力信号から成る相互スペクトル行列に、特異値分解
を適用して特異値(σ1,σ2,…σ6)を得る。
【0053】また、1つの入力信号x1に相関のある成
分を除去した入力信号から成る残差相互スペクトル行列
に、特異値分解を適用して特異値(σ11,σ21,
,σ61)を求める。
【0054】そして、まず、特異値(σ1,σ2,…σ6
と(σ11,σ21,,σ61)との各成分の差の総和を次式
により求める。
【数8】 sum(ΔσX1)=(σ1−σ11)+(σ2−σ21)+ ・・・+(σ6−σ61) ・・・式(8)
【0055】同様に、入力信号x2に相関のある成分を
除去した入力信号から成る残差相互スペクトル行列に、
特異値分解を適用して特異値(σ12,σ22,,σ62)を
求め、上記の式(8) のようにして総和sum(ΔσX2)を求
めて行く。最後に入力信号x 6に相関のある成分を除去
した入力信号から成る残差相互スペクトル行列に特異値
分解を適用して特異値(σ16,σ26,,σ66)を求め、
総和sum(ΔσX6)を求める。
【0056】そして、これらの総和の内、最大となる入
力信号、例えばx2を第1に選択する。次に、入力信号
2を除去するとともに入力信号x2に相関のある成分を
除去した(N−1)個の入力信号において、同様の演算
を行い、sum(Δσ・x1・x2)が最大となる入力信号x22
第2に選択する。このようにしてK個の入力信号を選択
することとなる。
【0057】さらに、上記の“偏特異値分解”の発展例
として、上記の如く“偏特異値分解”で選択した少なく
とも第1の入力信号を含む、例えば3個の入力信号の最
適な組合せを、該条件数cn=σ13を用いて選択す
れば、上記の従来の手法(1)において不必要な組合せ
を予め排除することができ、演算時間の短縮を図ること
ができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る音源探索方
法及び装置では、基本的には、N点の入力信号の中から
各入力信号xi(i=1,2,…,N)に相関のある成分を除去し
た入力信号から成る残差相互スペクトル行列に特異値分
解を適用して求めた最大特異値が最小となる入力信号を
音源位置に最も近い入力信号として第1の選択を行い、
該選択した第1の入力信号を除去し且つこれに相関のあ
る成分を除去したN−1個の入力信号から成る残差相互
スペクトル行列に特異値分解を適用して求めた最大特異
値が最小となる入力信号を音源位置に最も近い入力信号
として第2の選択を行い、該選択を推定される音源数だ
け繰り返すことにより得られた入力信号の各位置を音源
位置と推定するように構成した。
【0059】したがって、実際の機械騒音のように、多
数の音源が混在し、その音源となる物体が狭い空間内に
配置されているような場合でも、音源近傍に配するマイ
ク空間があれば、迅速かつ精度良く音源位置を把握する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音源探索方法の実施に使用される
装置の一実施例を示したブロック図である。
【図2】本発明に係る音源探索方法及び装置により得ら
れる音源信号の周波数特性を示したグラフ図である。
【図3】音源信号に関する一般的な多入力単出力システ
ムを説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1,2,3 音源信号 SG1〜SG3 信号発生器 SP1〜SP3 スピーカ M1〜M6 入力信号測定用マイク FA 周波数分析器 COM コンピュータ 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の独立した音源信号から該音源を探索
    する方法において、 該音源信号の音圧を任意のN(NはN>1の整数)点で
    入力し、 該入力した信号を周波数領域の信号に変換し、 該N点の入力信号の中から各入力信号xi(i=1,2,…,N)
    に相関のある成分を除去した入力信号から成る残差相互
    スペクトル行列に特異値分解を適用し、 該特異値分解で求めた最大特異値が最小となる入力信号
    を音源位置に最も近い入力信号として第1の選択を行
    い、 該選択した第1の入力信号を除去し且つこれに相関のあ
    る成分を除去したN−1個の入力信号から成る残差相互
    スペクトル行列に特異値分解を適用して求めた最大特異
    値が最小となる入力信号を音源位置に最も近い入力信号
    として第2の選択を行い、 該選択を推定される音源数だけ繰り返すことにより得ら
    れた入力信号の各位置を音源位置と推定する、 ことを特徴とした音源探索方法。
  2. 【請求項2】複数の独立した音源信号から該音源を探索
    する方法において、 該音源信号の音圧を任意のN(NはN>1の整数)点で
    入力し、 該入力した信号を周波数領域の信号に変換し、 該N点の入力信号から成る相互スペクトル行列に特異値
    分解を適用して第1の特異値を求め、 該N点の入力信号の中から各入力信号xi(i=1,2,…,N)
    に相関のある成分を除去した入力信号から成る残差相互
    スペクトル行列に特異値分解を適用して第2の特異値を
    求め、 該第1及び第2の特異値の各成分の差の総和を求めて該
    総和が最大となる入力信号xi1を第1に選択し、 次に、該最大となる入力信号xi1を除去し且つこれに相
    関のある成分を除去したN−1個の入力信号において第
    2の選択を行い、 該選択を推定される音源数だけ繰り返すことにより得ら
    れた入力信号の各位置を音源位置と推定する、 ことを特徴とした音源探索方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 該第1の選択の後は、該第2の選択以降を行う代わり
    に、少なくとも該第1の選択に係る入力信号を含む該音
    源数分の入力信号における最大特異値と最小特異値との
    比である条件数が最小となる組み合わせを音源位置に最
    も近い入力信号の最適な組み合わせとして選択すること
    を特徴とした音源探索方法。
  4. 【請求項4】複数の独立した音源信号から該音源を探索
    する装置において、 該音源信号の音圧を任意のN(NはN>1の整数)点で
    入力測定するマイクと、 該入力した信号を周波数領域の信号に変換する周波数分
    析器と、 該N点の入力信号の中から各入力信号xi(i=1,2,…,N)
    に相関のある成分を除去した入力信号から成る残差相互
    スペクトル行列に特異値分解を適用し、該特異値分解で
    求めた最大特異値が最小となる入力信号を音源位置に最
    も近い入力信号として第1の選択を行い、該選択した第
    1の入力信号を除去し且つこれに相関のある成分を除去
    したN−1個の入力信号から成る残差相互スペクトル行
    列に特異値分解を適用して求めた最大特異値が最小とな
    る入力信号を音源位置に最も近い入力信号として第2の
    選択を行い、該選択を推定される音源数だけ繰り返すこ
    とにより得られた入力信号の各位置を音源位置と推定す
    る演算部と、 を備えたことを特徴とする音源探索装置。
  5. 【請求項5】複数の独立した音源信号から該音源を探索
    する装置において、 該音源信号の音圧を任意のN(NはN>1の整数)点で
    入力測定するマイクと、 該入力した信号を周波数領域の信号に変換する周波数分
    析器と、 該N点の入力信号から成る相互スペクトル行列に特異値
    分解を適用して第1の特異値を求め、該N点の入力信号
    の中から各入力信号xi(i=1,2,…,N)に相関のある成分
    を除去した入力信号から成る残差相互スペクトル行列に
    特異値分解を適用して第2の特異値を求め、該第1及び
    第2の特異値の各成分の差の総和を求めて該総和が最大
    となる入力信号xi1を第1に選択し、次に、該最大とな
    る入力信号xi1を除去し且つこれに相関のある成分を除
    去したN−1個の入力信号において第2の選択を行い、
    該選択を推定される音源数だけ繰り返すことにより得ら
    れた入力信号の各位置を音源位置と推定する演算部と、 を備えたことを特徴とする音源探索装置。
  6. 【請求項6】請求項4又は5において、 該演算部は、該第1の選択の後、該第2の選択以降を行
    う代わりに、少なくとも該第1の選択に係る入力信号を
    含む該音源数分の入力信号における最大特異値と最小特
    異値との比である条件数が最小となる組み合わせを音源
    位置に最も近い入力信号の最適な組み合わせとして選択
    することを特徴とした音源探索装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030046727A (ko) * 2001-12-06 2003-06-18 박규식 서브밴드 씨피에스피 알고리듬을 이용한 음원위치추정방법및 그 시스템
JP2004251751A (ja) * 2003-02-20 2004-09-09 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 音響センサアレイ、音響診断装置及び音響診断方法
CN114646384A (zh) * 2022-01-28 2022-06-21 中国空气动力研究与发展中心低速空气动力研究所 基于频谱相干分解方法的远场直升机被动声音检测方法

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