JPH11101680A - 印刷機のインク量検知回路 - Google Patents

印刷機のインク量検知回路

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JPH11101680A
JPH11101680A JP9263596A JP26359697A JPH11101680A JP H11101680 A JPH11101680 A JP H11101680A JP 9263596 A JP9263596 A JP 9263596A JP 26359697 A JP26359697 A JP 26359697A JP H11101680 A JPH11101680 A JP H11101680A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線における浮遊容量、漏洩抵抗の影響を排
除し、インク量変動による検出信号レベルの変動の比率
を増大させて検出精度を向上させる。 【解決手段】 充電電圧監視用端子14から電極6部分
の静電容量Cまでの配線8のシールド外皮17とインク
溜り4のインク2の静電容量との間の電位差が常にゼロ
となるようにシールドドライブ回路15によりシールド
ドライブすることで、配線部分の浮遊容量や漏洩抵抗の
影響を実質的に無視し得る状態を常に確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷機等の印
刷機のインク量検知回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のインク量検知回路は
各種提案がなされている。その数例について説明する。
【0003】第1の例として、例えば特開昭62−14
6632号公報に示されるインク量検知回路がある。図
10にその構成例を示す。これは、例えば孔版印刷機に
おいて、円筒状の版胴1に内周面に接してその内周面よ
りインク2を供給するインク供給ローラ(インク供給部
材)3と、このインク供給ローラ3に近接して配設され
てインク供給ローラ3上に供給されたインク2がインク
供給ローラ3の転動に伴い移動することを堰き止めて楔
状にインク溜り4を形成するドクタローラ(インク量規
制部材)5とを備えた構成で、インク溜り4を検知対象
部分としてそのインク量を検知する例である。このよう
なインク溜り4に対しては、針状の電極6が挿入されて
いる。そして、インク供給ローラ3が例えば対向電極7
とされて、接地されている。ここに、電極6,7により
コンデンサ(静電容量)Cが形成され、両電極6,7間
の誘電率により静電容量の値が決まるように設定されて
おり、電極6の先端(下端)はインク溜り4のインク量
が所定量以上ある時にはそのインク中に存在するように
設定されている。一般に、印刷用のインクの誘電率は空
気の誘電率に比べ100倍程度も大きいため、コンデン
サの容量は電極6がインク溜り4のインク2に接してい
るか否かにより大きく変化する。
【0004】このような電極6は所定の配線8を介して
インク量検知回路9に接続されている。このインク量検
知回路9は、例えばIC構成のワンショットマルチバイ
ブレータ(単一パルス出力回路)10と、IC構成のマ
ルチバイブレータ11と、これらのバイブレータ10,
11の出力の論理和をとる論理和回路12とにより構成
されている。ワンショットバイブレータ10はマルチバ
イブレータ11の出力がLレベルになるエッジで起動さ
れるように接続されている。また、ワンショットバイブ
レータ10のHレベルの出力幅はマルチバイブレータ1
1のLレベル持続時間よりも短く設定されている。ここ
で、ワンショットバイブレータ10の時定数回路13
は、抵抗R1 とコンデンサ(静電容量)Cとにより構成
されている。このため、電極6の配線8は時定数回路1
3の充電電圧監視用端子14に接続されている。
【0005】このような構成によれば、両バイブレータ
10,11の出力の論理和を論理和回路12を通じて監
視し、Lレベル持続時間の変動を見ることにより、ワン
ショットバイブレータ10の時定数回路13の変動(即
ち、インク2の増減に伴うコンデンサCの充電電圧の変
動)を検知することができる。
【0006】ところが、このような構成による場合、配
線8部分の浮遊容量の寄与が大きいため、配線8に手を
近付けたり、配線8の位置が振動で変化したりすると、
検出結果が大きく変動してしまう。これを避けるために
は、配線8をなるべく設置された金属部材に密着させて
配線させることになるが、これではますます浮遊容量が
増大してしまう。この結果、針状の電極6のような微小
な容量変化しか示さないような検出環境下では、検出が
非常に困難となる。
【0007】特に、用いるインク材質が通常のインクA
から高抵抗、低容量系のインクBに変わった場合には、
図11に示すように、インク補給信号に基づきインク供
給を行なってもインク補給停止命令が出ない内に機内に
インクが溢れてしまうようなトラブルの元となる。ま
た、通常のインクAのままであっても、配線8の絶縁性
が低下して、漏洩分が増えると、最悪時には、インク補
給信号自体が出ないようなトラブルを発生することもあ
る。逆に、配線8が固定部材から離れると特性曲線が図
11中で上方にシフトする結果、インクBのようなトラ
ブルを引き起こし得る。
【0008】第2の例として、例えば実公平3−283
42号公報に示されるインク量検知装置がある。この公
報例は、同公報中の第2図や第3図に示されるように、
発振周波数よりも少し低い方に離調させた同調回路と整
流回路との組合せにより、所謂、スロープ検波回路を構
成し、周波数の変化を検波電圧変化に置き換えて検知す
るようにしたものである。この場合、後続の比較回路の
誤動作を防止するためのローパスフィルタ構成の積分回
路が付加されている。
【0009】この公報例の場合、インク量変化に対する
検出感度を上げるためには、100MHz付近という非
常に高い発振周波数の発振出力回路を用いるため、配線
のストレー容量、インダクタンスの影響を大きく受け
る。このため、回路基板から検出部までの配線は、機械
的に堅固でなければならない。堅固でないと、装置の運
転による振動が伝わっただけでも発振周波数が変動す
る、所謂、FM変調を受けてしまい、検波出力に変動を
来す。
【0010】また、発振周波数が高いことは、容量Cや
インダクタンスLも小さいことが要求され、外乱を避け
るために同軸ケーブルを使用しようとすると、配線は極
端に短くしなればならない。この結果、基板の設置箇所
が大きく制約されるだけでなく1つの検出回路を切換え
て、機内複数箇所のインク量を検出するようなことは不
可能となる。
【0011】さらには、回路を構成するL,Cの値は温
度や湿度で変動し、発振周波数を上げてインクの変動検
出の感度を上げようとすれば、検出確度が怪しくなる、
という矛盾を含んでいる。よって、このような回路を実
際に使用するときには、一品毎の細かなかつ熟練を要す
る調整が不可欠となる。結局、全体として、非常に不安
定で手間のかかる検出法であり、特にカラー印刷機のよ
うに複数箇所を検出対象としてインクの状態を検出する
必要性のある機種には不向きである。
【0012】第3の例として、例えば特開昭53−13
1068号公報に示される液面検知装置がある。この公
報例では、その第4図中に示されるように、一端が伝送
線を介して容量補正用コンデンサに接続された第1の温
度補正用ケーブルと、一端が伝送線を介して液面センサ
に接続され他端が伝送線を介して発振器に接続された第
2の温度補正用ケーブルとが設けられ、第2の温度補正
用ケーブルは第1の温度補正用ケーブルと同一長さに形
成され、ともに同軸ケーブルとされている。これによ
り、同一の2線間静電容量が形成され、同一の外囲条件
を受けるように構成されている。
【0013】ところが、このような構成では、第1,2
の温度補正用ケーブルを長くしていくと、発振周波数を
決定する容量成分全体に対する検出部の容量比率が低下
し、設定周波数が低下していくと同時に、油量(インク
量)変動によって得られる周波数変化が、最後には回路
のドリフトによる周波数変動よりも小さくなってしまう
状態に陥る。即ち、検出感度の低下と信号対雑音比の低
下とが同時に起こってしまう。このため、回路部分と検
出部との距離をあまり長くとることはできない。
【0014】また、同様の理由により、複数箇所の油量
(インク量)を1つの回路で、配線の切換えのみで検出
しようとすると、配線毎に異なる容量の補正用コンデン
サを並列に接続し、もっとも検出感度の低い状態で回路
を動作させなければならなくなる。これでは、微妙な油
量(インク量)検出には使用できず、結局、複数箇所を
検出対象とする場合には、検出対象部分毎に各々独立し
た検出回路を用いる必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】結局、これらの従来の
インク量検知方式によると、総合的に見て以下のような
欠点ないしは課題がある。
【0016】第1に、配線部分の浮遊容量、漏洩抵抗の
影響が大きいため、インク溜り等におけるインク層(イ
ンク量)の変動による静電容量、抵抗の変化があって
も、変化率としては小さなものとなってしまう。このた
め、配線部分に手を触れたり、他の部材が近づいたり、
或いは、振動で配線の位置がふらついたりすることによ
る変動に対して、真値の変動の割合(即ち、S/N比)
が小さく、インク量の微妙な変化を安定して測定するこ
とが困難である。
【0017】第2に、例えば、被誘電率の小さなイン
ク、又は、抵抗率の大きなインクを用いた場合には、ま
すます変化率が小さくなってしまい、検出精度が低下す
る。さらには、インクを十分に補給しても、静電容量不
足或いは電気抵抗過大により、検知システムはまだイン
クが足りないと判断して、インク補給を継続するため、
インク供給過剰となって機内にインクが溢れるようなト
ラブルを起こす一因となる。
【0018】第3に、浮遊容量や漏洩抵抗のために、検
知用の電極までの配線をインク供給ローラに沿って配回
し、複数の電極をインク供給ローラ上の複数の離間箇所
に分散配置させることで、全体的なインク量の変動を監
視するようなことは不可能である。これは、配線の配回
し部分の浮遊容量等の影響が大きくなりすぎて、インク
量の変化に対応するレベルの変化比率がノイズ成分に埋
もれてしまうためである。
【0019】第4に、浮遊容量や漏洩抵抗のために、複
数の印刷ユニット、又は、同一ユニット内でもインク供
給ローラとブレードローラとによるインク溜り部分、イ
ンクパック中、或いは、インク配送パイプ中などの複数
箇所のインク量の過不足を1つの回路で監視するような
ことは不可能である。
【0020】第5に、インクのインピーダンス(静電容
量又は電気抵抗)を電圧分圧回路の電圧分圧要素として
利用するような検知回路構成の場合には、上記の欠点の
他に、規定電圧を電圧分圧回路に印加するものでは、イ
ンクに差し込まれた電極に外部からの電磁界による外乱
で検出電極に異常電圧が発生してしまい、供給電圧を正
しく分圧した電圧値とかけ離れた値を示す場合を生じて
しまい、検出結果に悪影響を及ぼす。
【0021】そこで、本発明は、配線における浮遊容
量、漏洩抵抗の影響を排除し、インク量変動による検出
信号レベルの変動の比率を増大させて検出精度を向上さ
せ得ることで、配線の振動や手や他の部材が配線に接近
したり触れることによる影響をなくすことができるイン
ク量検知回路を提供することを目的とする。
【0022】また、本発明は、外部からの電磁気的な妨
害の影響を受けることなく検知できるインク量検知回路
を提供することを目的とする。
【0023】本発明は、配線における浮遊容量、漏洩抵
抗の影響の最小化によるS/N比の向上を活かして検出
レベルを多値化し得るインク量検知回路を提供すること
を目的とする。
【0024】本発明は、配線における浮遊容量、漏洩抵
抗の影響の最小化によりインク供給ローラ全体に渡るイ
ンク量の監視を適正に行なえるインク量検知回路を提供
することを目的とする。
【0025】本発明は、配線における浮遊容量、漏洩抵
抗の影響の最小化により、複数の検知対象部分における
インク量の監視を単一の回路で適正に行なえるインク量
検知回路を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
検知対象部分のインクの静電容量を発振出力回路又は単
一パルス出力回路の時定数決定要素として使用し、前記
静電容量に充電されて前記出力回路の充電電圧監視用端
子に得られる電圧と所定の閾値との比較により前記発振
出力回路の出力周期又は前記単一パルス出力回路の出力
パルス幅を決定し、決定された出力周期又は出力パルス
幅の出力に基づきインク量を検知する印刷機のインク量
検知回路において、前記充電電圧監視用端子から電圧が
供給される演算増幅器による電圧フォロワ回路を有し、
この電圧フォロワ回路のフォロワ出力を前記充電電圧監
視用端子から前記静電容量までの配線のシールド外皮に
供給するシールドドライブ回路を備える。
【0027】従って、充電電圧監視用端子から静電容量
までの配線のシールド外皮と検知対象部分のインクの静
電容量との間の電位差が常にゼロとなるようにシールド
ドライブ回路によりシールドドライブすることにより、
配線部分の浮遊容量や漏洩抵抗の影響を実質的に無視し
得る状態を常に確保できる。これにより、インク量変動
による検出信号レベルの変動の比率を増大させて検出精
度を向上させることができる上に、配線の振動や手や他
の部材が配線に接近したり触れることによる影響もなく
なる。結局、配線における浮遊容量や漏洩抵抗、外乱の
影響を受けることなく、かつ、配線の長さの影響を受け
ることなく、検出回路部分の電気的特性のみでインク量
検出の感度・確度を同一化し得る。
【0028】請求項2記載の発明は、検知対象部分のイ
ンクのインピーダンスを電圧分圧回路の電圧分圧要素と
して使用し、電源に接続された前記電圧分圧回路に得ら
れる分圧電圧と所定の閾値とを電圧比較回路により比較
してその比較結果に基づきインク量を検知する印刷機の
インク量検知回路において、前記電圧分圧回路から分圧
電圧が供給される演算増幅器による電圧フォロワ回路を
有し、この電圧フォロワ回路のフォロワ出力を前記電圧
比較回路の分圧電圧入力部までの配線のシールド外皮に
供給するシールドドライブ回路を備える。
【0029】従って、電圧比較回路の分圧電圧入力部ま
での配線のシールド外皮と検知対象部分のインクのイン
ピーダンスとの間の電位差が常にゼロとなるようにシー
ルドドライブ回路によりシールドドライブすることによ
り、配線部分の浮遊容量や漏洩抵抗の影響を実質的に無
視し得る状態を常に確保できる。これにより、インク量
変動による検出信号レベルの変動の比率を増大させて検
出精度を向上させることができる上に、配線の振動や手
や他の部材が配線に接近したり触れることによる影響も
なくなる。結局、配線における浮遊容量や漏洩抵抗、外
乱の影響を受けることなく、かつ、配線の長さの影響を
受けることなく、検出回路部分の電気的特性のみでイン
ク量検出の感度・確度を同一化し得る。
【0030】請求項3記載の発明は、請求項2記載の印
刷機のインク量検知回路において、電源が一定周波数の
交流電圧を供給する交流電源であり、電圧比較回路は前
記一定周波数の成分を通過させるフィルタ回路又は同期
検波により前記一定周波数の成分のみを抽出する同期検
波回路を有する。従って、一定周波数の交流電源とフィ
ルタ回路又は同期検波回路との組合せによれば、外部か
ら侵入してくる電磁界による検出出力の変動を防止でき
るので、検出感度及び精度が向上する。
【0031】請求項4記載の発明は、請求項2記載の印
刷機のインク量検知回路において、電源が一定の規則に
従い変動するスペクトラム拡散擬似ランダム信号電圧を
供給する電源であり、電圧比較回路は前記スペクトラム
拡散擬似ランダム信号電圧と電圧比較回路に対して入力
された分圧電圧との相関演算によりスペクトラム拡散擬
似ランダム信号電圧の成分を抽出する相関演算処理回路
を有する。従って、スペクトラム拡散擬似ランダム信号
電圧を供給する電源とスペクトラム拡散擬似ランダム信
号電圧の成分を抽出する相関演算処理回路との組合せに
よれば、外部から侵入してくる電磁界による検出出力の
変動を防止できるので、検出感度及び精度が向上する。
【0032】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の印刷機のインク量検知回路におい
て、インク量規制部材とインク供給部材との間に形成さ
れるインク溜り部分を検知対象部分とし、前記インク溜
り中に挿入されて前記インク量規制部材又は前記インク
供給部材との間に異なるインピーダンス成分を生じさせ
る長さの異なる複数本の針状の電極を有する。従って、
上記のように検出精度が大幅に向上した条件下では、針
状の電極がインク溜りに接している場合と離れた場合と
で出力に大きな違いが出るので、長さを異ならせた複数
の針状の電極を用いることで、多段階レベルのインク量
検知を行なうことができる。即ち、単なるインク溜りに
おけるインクの有無の判別に留まらず、インク量の検出
レベルの多値化を図ることができ、インク溜りのインク
量を従来以上に適正範囲に抑えることができ、画質の安
定化に寄与する。
【0033】請求項6記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の印刷機のインク量検知回路におい
て、インク量規制部材とインク供給ローラとの間に形成
されるインク溜り部分を検知対象部分とし、前記インク
溜り中に挿入されて前記インク量規制部材又は前記イン
ク供給ローラとの間にインピーダンス成分を生じさせる
複数本の針状の電極を前記インク供給ローラの軸方向の
離間した箇所に分散配置し、これらの電極間の配線のシ
ールド外皮をシールドドライブ回路中に含ませた。従っ
て、インク供給ローラ全体に渡ってそのインク溜りのイ
ンク量を監視することができ、局部的なインクの過大・
不足を早期に発見することができ、適切な対応を採れ
る。
【0034】請求項7記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の印刷機のインク量検知回路におい
て、分散した複数の検知対象部分毎にそのインク中に各
々インクのインピーダンス成分を抽出する電極を備え、
これらの電極を共通のインピーダンス成分抽出用配線に
接続し、前記インピーダンス成分抽出用配線のシールド
外皮及び各々の電極からこのインピーダンス成分抽出用
配線に至る個別の配線のシールド外皮をシールドドライ
ブ回路中に含ませるとともに、前記電極中の唯一の電極
のみを切換え選択自在とした。従って、上記のような配
線における浮遊容量や漏洩抵抗の影響を受けない条件下
であれば、配線の長さ等の影響も受けないので、分散し
た複数の検知対象部分に関するインク量の検知を1つの
検知回路で監視することができ、インク量監視系の構成
を大幅に簡略化し得る。特に、カラー印刷機、両面同時
印刷機等においては有効であり、インク材質の違いに応
じた設定をすることで、カラーバランスの安定化に効果
的となる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
及び図2に基づいて説明する。図10及び図11で示し
た部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略
する(以下の実施の形態でも同様とする)。本実施の形
態は、基本的には図10で示した場合と同様に、単胴式
の孔版印刷機におけるインク溜り4のインク量検知に関
し、電極6部分に生ずるコンデンサ(静電容量)Cをワ
ンショットバイブレータ10の時定数回路13の時定数
要素とする場合への適用例を示すものである。
【0036】本実施の形態では、図10に示した構成に
加えて、配線8部分に対してシールドドライブ回路15
が設けられている。このシールドドライブ回路15は充
電電圧監視用端子14から電圧が供給される電圧フォロ
ワ回路16を備え、この電圧フォロワ回路16のフォロ
ワ出力を配線8(充電電圧監視用端子14から電極6ま
での間の配線)に対するシールド外皮17に供給する構
成とされている。電圧フォロワ回路16はIC構成の演
算増幅器(OPアンプ)によるもので、電極6とシール
ド外皮17との電位差が常にゼロとなるように機能す
る。
【0037】このような構成において、本実施の形態の
場合も、基本的には図10に示した場合と同様に、両バ
イブレータ10,11の出力の論理和を論理和回路12
を通じて監視し、Lレベル持続時間の変動を見ることに
より、ワンショットバイブレータ10の時定数回路13
の変動(即ち、インク2の増減に伴うコンデンサCの充
電電圧の変動)を検知することができる。この場合、針
状の電極6の電位は電圧フォロワ回路16を介して、電
極6とワンショットバイブレータ10の回路基板の充電
電圧監視用端子14とを接続する配線8のシールド外皮
17に供給されており、シールド外皮17と電極6との
電位差が常にゼロとなるようにシールドドライブされる
ため、電極6からワンショットバイブレータ10に至る
までの間の配線8における浮遊容量及び漏洩抵抗は実質
的に無視できることになる。
【0038】即ち、本実施の形態によれば、配線8部分
に対してシールドドライブの技術を利用することで、外
乱に強く精度の高いインク量検知が可能となるので、検
出回路を実機に組み込む前にユニットとして組み立てて
調整しておくことにより、無調整で実機に取り付けるこ
とが可能となる。よって、従来は実機毎に行なっていた
調整作業が不要となり、検出不能等の故障発生の可能性
を減らすことができる。
【0039】また、本実施の形態による直接的な効果と
して、浮遊容量及び漏洩抵抗を実質的に無視できるた
め、検出出力の時定数変化幅が非常に大きくなり、イン
ク2の特性に合わせて閾値を変える調整が不要となり、
1つの閾値で今まで以上に多くのインクについてそのイ
ンク有無の判定を行なえることになる。これは、大幅な
省力化・工程削減につながり、ユーザに対して安定して
製品を供給し得ることを意味し、市場においても、イン
ク交換によるトラブル発生が減少するものとなる。図2
は本実施の形態による場合のインク溜り4のインク溜り
深さと検出回路オフ時間幅との関係を示す。即ち、本実
施の形態によれば、浮遊容量がほぼ1/20に減った分
を、時定数回路13の抵抗R1 の抵抗を増すことで調整
し、インク量変動に対するオフ時間変化の割合(図中の
特性線の傾き)を急にすることができる。この結果、イ
ンクA、インクBで示すように、インク材質が変化して
も、補給停止信号の出るタイミングが若干ずれる程度で
オーバフロー等の不都合は生じない。また、配線8の位
置が変化したり、配線8に手が触れても状態の変化は全
くなく、配線8に老朽化或いは汚染による漏洩があった
としても電圧フォロワ回路16で電流を供給できる範囲
であれば特性に変動はない。現実には、電圧フォロワ回
路16に用いられる通常のOPアンプで数mA程度の電
流供給能力があるので、劣化による特性変動は殆ど起こ
り得ないこととなる。
【0040】なお、本実施の形態は、検知対象部分(イ
ンク溜り4)のインク2の静電容量を単一パルス出力回
路(ワンショットバイブレータ10)の時定数決定要素
として使用し、静電容量に充電されてワンショットバイ
ブレータ10の充電電圧監視用端子14に得られる電圧
と所定の閾値との比較によりワンショットバイブレータ
10の出力パルス幅を決定し、決定された出力パルス幅
の出力に基づきインク量を検知するインク量検知回路へ
の適用例としたが、ワンショットバイブレータ10に代
えて発振出力回路を用い、静電容量に充電されて発振出
力回路の充電電圧監視用端子に得られる電圧と所定の閾
値との比較により発振出力回路の出力周期を決定し、決
定された出力周期の出力に基づきインク量を検知するイ
ンク量検知回路であっても同様に適用できる。
【0041】本発明の第二の実施の形態を図3に基づい
て説明する。本実施の形態は、検知対象部分(インク溜
り4)のインク2のインピーダンス(電気抵抗又は静電
容量)を分圧抵抗R2 とともに電圧分圧回路21の電圧
分圧要素として使用し、電源22に接続された電圧分圧
回路21に得られる分圧電圧と所定の閾値とを電圧比較
回路23により比較してその比較結果に基づきインク量
を検知する方式のインク量検知回路に適用されている。
即ち、電圧分圧回路21は抵抗R2 と電極6との直列回
路により形成されており、電源22からの電流が抵抗R
2 を介して電極6からインク溜り4のインク2を通って
アース部へと流れる構成の下、インク量が増えるとイン
ク溜り4の電流経路が広がることでインク部の抵抗が低
下することから、電極6の電位(分圧電圧)を測定して
電源電圧との比率を監視することで、インク量の過多を
検知し得る方式である。
【0042】ここに、本実施の形態では、電源22には
一定周波数の交流電圧を供給する交流電源が用いられて
いる。また、電圧比較回路23はバッファアンプ24と
バンドパスフィルタ(フィルタ回路)25と振幅検知回
路26とにより構成され、振幅検知回路26の出力がイ
ンク有無・補給判定処理ルーチンに出力される。これに
より、電圧分圧回路21の分圧電圧に基づきバッファア
ンプ24で電極6側の抵抗分による電圧変動を検出した
後、バンドパスフィルタ25で電源周波数を通過させる
ことで変動成分の電圧のみを読取り、振幅検知回路26
において交流電源22の出力設定値と比較することによ
り、インク2の状態を判定する。
【0043】また、本実施の形態では、電圧分圧回路2
1から電圧比較回路23のバッファアンプ(分圧電圧入
力部)24までの配線27部分に対してシールドドライ
ブ回路28が設けられている。このシールドドライブ回
路28は電圧分圧回路21から分圧電圧(バッファアン
プ24の入力電圧)が供給される電圧フォロワ回路29
を備え、この電圧フォロワ回路29のフォロワ出力を配
線27(抵抗R2 からバッファアンプ24までの間の配
線)に対するシールド外皮30に供給させる構成とされ
ている。電圧フォロワ回路29は前記実施の形態の場合
と同様に、IC構成の演算増幅器(OPアンプ)による
もので、電極6とシールド外皮30との電位差が常にゼ
ロとなるように機能する。
【0044】よって、本実施の形態によれば、電極6に
生ずる分圧電圧を検出する部分の配線27が、前記実施
の形態の場合と同様に、シールドドライブ回路28によ
りシールドドライブされるため、配線27における浮遊
容量及び漏洩抵抗等による電圧レベル変動は実質的に無
視できることになる。即ち、配線27部分に対してシー
ルドドライブの技術を利用することで、外乱に強く精度
の高いインク量検知が可能となる。また、電圧比較回路
23側についても交流電源22に対応させて一定周波数
の成分は通過させるバンドパスフィルタ25を備えた構
成としているので、外部から侵入してくる電磁界による
検出出力の変動を防止することもでき、検出感度及び精
度を向上させることができる。
【0045】本発明の第三の実施の形態を図4に基づい
て説明する。本実施の形態では、前記実施の形態におけ
るバンドパスフィルタ25に代えて、同期検波回路31
が用いられている。この同期検波回路31は乗算器によ
るもので、交流電源22に接続されて同期検波動作を行
なうことで電源周波数に同期する一定周波数の成分のみ
を抽出する機能を果たす。即ち、バンドパスフィルタ2
5による場合と同様であり、外部から侵入してくる電磁
界による検出出力の変動を防止することができ、検出感
度及び精度を向上させることができる。
【0046】本発明の第四の実施の形態を図5に基づい
て説明する。本実施の形態では、交流電源22に代えて
スペクトラム拡散擬似ランダム(PRN)信号電圧を供
給する電源32が用いられている。PRN信号電圧は一
定の規則に従いランダムに変動する信号である。また、
電圧比較回路23にあっては、前述したバンドパスフィ
ルタ25や同期検波回路31に代えて、相関演算処理回
路33が用いられている。相関演算処理回路33は電源
32に接続されてそのPRN信号電圧とバッファアンプ
24からの出力との相関演算を行なうことで、PRN信
号電圧に対応する成分のみを抽出する機能を果たす。よ
って、外部から侵入してくる電磁界による検出出力の変
動を防止することができ、検出感度及び精度を向上させ
ることができる。
【0047】本発明の第五の実施の形態を図6及び図7
に基づいて説明する。本実施の形態は、前述した何れの
実施の形態にも適用できるが、例えば、第一の実施の形
態への適用例として説明する。本実施の形態では、イン
ク溜り4中に挿入される針状の電極6として、インク溜
り4に対する挿入長さを異ならせた複数本、例えば3本
の電極6a,6b,6cが用いられている。これらの電
極6a,6b,6cは例えば固定部材34により近接さ
せた並列状態で一体的に保持され、配線側は配線8に共
通に接続されている。この配線8部分には前述したよう
にシールドドライブ回路15(図1参照)が付加されて
いる。
【0048】前述したように、シールドドライブにより
検出精度が向上する状況下では、インク溜り4のインク
2が減少して複数本の電極6a,6b,6cの内の1本
がインク2外に出たときに生ずる静電容量(又は、電気
抵抗)の変動を検知することが可能となる。ここに、針
状の電極6a,6b,6cの場合、針先端に電気力線或
いは電流束の集中があるため、電極6a,6b,6cの
先端がインク2から離れるときの検知出力の変動は大き
くなる。例えば、3本の電極6a,6b,6cを用いた
場合であれば、図7に示すように複数レベルの検知が可
能となるため、図示の如く検知過程でオフ時間の変化が
観察されることになる。従って、単にインク2が一定以
上あるか否かのみの判定だけでなく、過多であるのか、
遥かに不足しているのかといった多段階レベルのインク
量検知を行なうことができる。よって、インク溜り4の
インク量を従来以上に適正範囲に抑えることができ、画
質の安定化に寄与する。
【0049】本発明の第六の実施の形態を図8に基づい
て説明する。本実施の形態も、前述した第一ないし第四
の何れの実施の形態にも適用できるが、例えば、第一の
実施の形態への適用例として説明する。本実施の形態で
は、インク溜り4中に挿入される針状の電極6として複
数本、例えば3本の電極6A,6B,6Cが用いられて
いる。これらの3本の電極6A,6B,6Cはインク供
給ローラ3の軸方向に離間した箇所、例えば、中央部と
両端部との3箇所に分散配置されてインク溜り4中に挿
入されている。これらの電極6A,6B,6Cの出力側
は、配線8に共通に接続されている。この配線8部分に
は前述したようにシールドドライブ回路15(図1参
照)が付加されている。
【0050】前述したように、シールドドライブにより
検出精度が向上する状況下では、インク溜り4の中央部
及び両端部に配置させた電極6A,6B,6Cによって
も浮遊容量や漏洩抵抗を気にせずに、インク量の変化を
検出することができる。特に、本実施の形態では、イン
ク溜り4における1ヶ所での検出ではなく複数箇所での
検出(インク供給ローラ3の全域に渡る検出)であるの
で、より適正にインク量検出を行なえる。よって、局部
的なインク過多を早期に発見することも従来に比して容
易となり、このようなインク量検出結果に基づいて行な
われる撹拌動作の始動或いはインク供給動作等を短時間
の内に行なわせることができる。この結果、画像上の斑
の発生も抑制できる。
【0051】本発明の第七の実施の形態を図9に基づい
て説明する。前述した実施の形態では、何れもインク溜
り4のみを検知対象部分とする例で説明したが、本実施
の形態では例えば2つの版胴(第1ドラム、第2ドラム
とする)を備えた両面同時印刷可能な孔版印刷機への適
用例であって、検知対象部分を各々のドラム側における
インク溜り41A,41B、インク供給装置におけるイ
ンク分配部41C,41D、インクポンプのポンプ出口
41E,41Fとする場合の構成例を示す。これらの各
検知対象部分41A〜41Fには各々インク中に挿入さ
れる針状の電極42a〜42fが個別に設けられてい
る。これらの電極42a〜42fは単一の検知回路(図
示しないが、図1のインク量検知回路9等に相当する)
に接続された共通のインピーダンス成分抽出用配線43
(配線8に相当)に接続されている。また、インピーダ
ンス成分抽出用配線43のシールド外皮43a及び各々
の電極42a〜42fからこのインピーダンス成分抽出
用配線43に至る個別の配線44a〜44fのシールド
外皮45a〜45fは図1で説明したようなシールドド
ライブ回路15中に含まれている。さらに、各配線44
a〜44f中には制御部(図示せず)等の指示に基づき
任意に切換えられるリレー接点等によるスイッチ46a
〜46fが介在されている。対応するシールド外皮45
a〜45fに対してもスイッチ46a〜46fに連動し
てオン・オフされるリレー接点等によるスイッチ47a
〜47fが介在されている。これは、シールド外皮45
a〜45f毎のシールドドライブ回路毎にスイッチ47
a〜47fが設けられていることを示す。
【0052】このような構成において、スイッチ46a
〜46fをリレー等で順次切換えるものとし、印刷機に
おける制御部からの指示に従って、これらのスイッチ4
6a〜46fを切換えることで、検出対象となる電極4
2a〜42f、従って、検出対象部分を順次切換えてい
く。これにより、各検知対象部分41A〜41Fでのイ
ンク量がどうなっているかを単一の検知回路で検知する
ことができる。この際、シールド側は全て接続したまま
でも動作するが、各シールド外皮45a〜45f毎に設
けられる電圧フォロワ回路の発振を避けるためには、シ
ールド側のスイッチ47a〜47fもスイッチ46a〜
46fに連動させて切換えるのが動作上は好ましい。も
っとも、電圧フォロワ回路が発振する場合でも、素子の
追加で止め得るので、実際の運用に当たってはコストと
安定性との比較で何れかに決めればよい。
【0053】このように配線における浮遊容量や漏洩抵
抗の影響を受けない条件下であれば、配線の長さ等の影
響も受けないので、分散した複数の検知対象部分41A
〜41Fに関するインク量の検知を1つの検知回路で監
視することができ、インク量監視系の構成を大幅に簡略
化し得る。特に、本実施の形態の場合の両面同時印刷機
に限らず、カラー印刷機等においては有効であり、イン
ク材質の違いに応じた設定をすることで、カラーバラン
スの安定化等に効果的となる。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、充電電圧
監視用端子から静電容量までの配線のシールド外皮と検
知対象部分のインクの静電容量との間の電位差が常にゼ
ロとなるようにシールドドライブ回路によりシールドド
ライブするようにしたので、配線部分の浮遊容量や漏洩
抵抗の影響を実質的に無視し得る状態を常に確保するこ
とができ、これにより、インク量変動による検出信号レ
ベルの変動の比率を増大させて検出精度を向上させるこ
とができる上に、配線の振動や手や他の部材が配線に接
近したり触れることによる影響もなくすことができ、結
局、配線における浮遊容量や漏洩抵抗、外乱の影響を受
けることなく、かつ、配線の長さの影響を受けることな
く、検出回路部分の電気的特性のみでインク量検出の感
度・確度を同一化することができる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、電圧比較回
路の分圧電圧入力部までの配線のシールド外皮と検知対
象部分のインクのインピーダンスとの間の電位差が常に
ゼロとなるようにシールドドライブ回路によりシールド
ドライブするようにしたので、配線部分の浮遊容量や漏
洩抵抗の影響を実質的に無視し得る状態を常に確保する
ことができ、これにより、インク量変動による検出信号
レベルの変動の比率を増大させて検出精度を向上させる
ことができる上に、配線の振動や手や他の部材が配線に
接近したり触れることによる影響もなくすことができ、
結局、配線における浮遊容量や漏洩抵抗、外乱の影響を
受けることなく、かつ、配線の長さの影響を受けること
なく、検出回路部分の電気的特性のみでインク量検出の
感度・確度を同一化することができる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の印刷機のインク量検知回路において、電源が一定周
波数の交流電圧を供給する交流電源であり、電圧比較回
路は前記一定周波数の成分を通過させるフィルタ回路又
は同期検波により前記一定周波数の成分のみを抽出する
同期検波回路を有するので、外部から侵入してくる電磁
界による検出出力の変動を防止することができ、検出感
度及び精度を向上させることができる。
【0057】請求項4記載の発明によれば、請求項2記
載の印刷機のインク量検知回路において、電源が一定の
規則に従い変動するスペクトラム拡散擬似ランダム信号
電圧を供給する電源であり、電圧比較回路は前記スペク
トラム拡散擬似ランダム信号電圧と電圧比較回路に対し
て入力された分圧電圧との相関演算によりスペクトラム
拡散擬似ランダム信号電圧の成分を抽出する相関演算処
理回路を有するので、外部から侵入してくる電磁界によ
る検出出力の変動を防止することができ、検出感度及び
精度を向上させることができる。
【0058】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の印刷機のインク量検知回路に
おいて、インク量規制部材とインク供給部材との間に形
成されるインク溜り部分を検知対象部分とし、前記イン
ク溜り中に挿入されて前記インク量規制部材又は前記イ
ンク供給部材との間に異なるインピーダンス成分を生じ
させる長さの異なる複数本の針状の電極を有するので、
多段階レベルのインク量検知を行なうことができ、イン
ク溜りのインク量を従来以上に適正範囲に抑えることが
でき、画質の安定化に寄与する。
【0059】請求項6記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の印刷機のインク量検知回路に
おいて、インク量規制部材とインク供給ローラとの間に
形成されるインク溜り部分を検知対象部分とし、前記イ
ンク溜り中に挿入されて前記インク量規制部材又は前記
インク供給ローラとの間にインピーダンス成分を生じさ
せる複数本の針状の電極を前記インク供給ローラの軸方
向の離間した箇所に分散配置し、これらの電極間の配線
のシールド外皮をシールドドライブ回路中に含ませたの
で、インク供給ローラ全体に渡ってそのインク溜りのイ
ンク量を監視することができ、局部的なインクの過大・
不足を早期に発見することができ、適切な対応を採るこ
とができる。
【0060】請求項7記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の印刷機のインク量検知回路に
おいて、分散した複数の検知対象部分毎にそのインク中
に各々インクのインピーダンス成分を抽出する電極を備
え、これらの電極を共通のインピーダンス成分抽出用配
線に接続し、前記インピーダンス成分抽出用配線のシー
ルド外皮及び各々の電極からこのインピーダンス成分抽
出用配線に至る個別の配線のシールド外皮をシールドド
ライブ回路中に含ませるとともに、前記電極中の唯一の
電極のみを切換え選択自在としたので、分散した複数の
検知対象部分に関するインク量の検知を1つの検知回路
で監視することができ、インク量監視系の構成を大幅に
簡略化することができ、特に、カラー印刷機、両面同時
印刷機等においては有効であり、インク材質の違いに応
じた設定をすることで、カラーバランスの安定化に効果
的となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す構造部分を含
む回路図である。
【図2】そのインク溜り深さと検出回路オフ時間幅との
関係を示す特性図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態を示す構造部分を含
む回路図である。
【図4】本発明の第三の実施の形態を示す構造部分を含
む回路図である。
【図5】本発明の第四の実施の形態を示す構造部分を含
む回路図である。
【図6】本発明の第五の実施の形態を示す電極部分の概
略斜視図である。
【図7】そのインク溜り深さと検出回路オフ時間幅との
関係を示す特性図である。
【図8】本発明の第六の実施の形態を示すインク溜り部
分の概略斜視図である。
【図9】本発明の第七の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図10】従来例を示す構造部分を含む回路図である。
【図11】そのインク溜り深さと検出回路オフ時間幅と
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
2 インク 3 インク供給ローラ(インク供給部材) 4 インク溜り(検知対象部分) 5 インク量規制部材 6 電極 8 配線 10 単一パルス出力回路 13 時定数回路 14 充電電圧監視用端子 15 シールドドライブ回路 16 電圧フォロワ回路 17 シールド外皮 21 電圧分圧回路 22 交流電源 23 電圧比較回路 24 分圧電圧入力部 25 フィルタ回路 27 配線 28 シールドドライブ回路 29 電圧フォロワ回路 30 シールド外皮 31 同期検波回路 32 スペクトラム拡散擬似ランダム信号電圧用の
電源 33 相関演算処理回路 41A〜41F 検知対象部分 42a〜42f 電極 43 インピーダンス成分抽出用配線 43a シールド外皮 44a〜44f 個別の配線 45a〜45f 個別のシールド外皮

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検知対象部分のインクの静電容量を発振
    出力回路又は単一パルス出力回路の時定数決定要素とし
    て使用し、前記静電容量に充電されて前記出力回路の充
    電電圧監視用端子に得られる電圧と所定の閾値との比較
    により前記発振出力回路の出力周期又は前記単一パルス
    出力回路の出力パルス幅を決定し、決定された出力周期
    又は出力パルス幅の出力に基づきインク量を検知する印
    刷機のインク量検知回路において、 前記充電電圧監視用端子から電圧が供給される演算増幅
    器による電圧フォロワ回路を有し、この電圧フォロワ回
    路のフォロワ出力を前記充電電圧監視用端子から前記静
    電容量までの配線のシールド外皮に供給するシールドド
    ライブ回路を備えることを特徴とする印刷機のインク量
    検知回路。
  2. 【請求項2】 検知対象部分のインクのインピーダンス
    を電圧分圧回路の電圧分圧要素として使用し、電源に接
    続された前記電圧分圧回路に得られる分圧電圧と所定の
    閾値とを電圧比較回路により比較してその比較結果に基
    づきインク量を検知する印刷機のインク量検知回路にお
    いて、 前記電圧分圧回路から分圧電圧が供給される演算増幅器
    による電圧フォロワ回路を有し、この電圧フォロワ回路
    のフォロワ出力を前記電圧比較回路の分圧電圧入力部ま
    での配線のシールド外皮に供給するシールドドライブ回
    路を備えることを特徴とする印刷機のインク量検知回
    路。
  3. 【請求項3】 電源が一定周波数の交流電圧を供給する
    交流電源であり、電圧比較回路は前記一定周波数の成分
    を通過させるフィルタ回路又は同期検波により前記一定
    周波数の成分のみを抽出する同期検波回路を有すること
    を特徴とする請求項2記載の印刷機のインク量検知回
    路。
  4. 【請求項4】 電源が一定の規則に従い変動するスペク
    トラム拡散擬似ランダム信号電圧を供給する電源であ
    り、電圧比較回路は前記スペクトラム拡散擬似ランダム
    信号電圧と電圧比較回路に対して入力された分圧電圧と
    の相関演算によりスペクトラム拡散擬似ランダム信号電
    圧の成分を抽出する相関演算処理回路を有することを特
    徴とする請求項2記載の印刷機のインク量検知回路。
  5. 【請求項5】 インク量規制部材とインク供給部材との
    間に形成されるインク溜り部分を検知対象部分とし、前
    記インク溜り中に挿入されて前記インク量規制部材又は
    前記インク供給部材との間に異なるインピーダンス成分
    を生じさせる長さの異なる複数本の針状の電極を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一に記載の
    印刷機のインク量検知回路。
  6. 【請求項6】 インク量規制部材とインク供給ローラと
    の間に形成されるインク溜り部分を検知対象部分とし、
    前記インク溜り中に挿入されて前記インク量規制部材又
    は前記インク供給ローラとの間にインピーダンス成分を
    生じさせる複数本の針状の電極を前記インク供給ローラ
    の軸方向の離間した箇所に分散配置し、これらの電極間
    の配線のシールド外皮をシールドドライブ回路中に含ま
    せたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一に記
    載の印刷機のインク量検知回路。
  7. 【請求項7】 分散した複数の検知対象部分毎にそのイ
    ンク中に各々インクのインピーダンス成分を抽出する電
    極を備え、これらの電極を共通のインピーダンス成分抽
    出用配線に接続し、前記インピーダンス成分抽出用配線
    のシールド外皮及び各々の電極からこのインピーダンス
    成分抽出用配線に至る個別の配線のシールド外皮をシー
    ルドドライブ回路中に含ませるとともに、前記電極中の
    唯一の電極のみを切換え選択自在としたことを特徴とす
    る請求項1ないし4の何れか一に記載の印刷機のインク
    量検知回路。
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