JPH11100455A - 遠赤外線放射性発泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品 - Google Patents

遠赤外線放射性発泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品

Info

Publication number
JPH11100455A
JPH11100455A JP20096098A JP20096098A JPH11100455A JP H11100455 A JPH11100455 A JP H11100455A JP 20096098 A JP20096098 A JP 20096098A JP 20096098 A JP20096098 A JP 20096098A JP H11100455 A JPH11100455 A JP H11100455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
far
foam
infrared
infrared radiation
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20096098A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Nakamura
康男 中村
Hiromasa Nakamura
宏昌 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP20096098A priority Critical patent/JPH11100455A/ja
Publication of JPH11100455A publication Critical patent/JPH11100455A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物残渣物と合成樹脂の熱可塑性樹脂を原料
とした複合樹脂発泡体に、更なる価値を付与する。即ち
通気性や吸湿性に優れ、生鮮品の鮮度保持作用があり、
また寝具や介護用品等に有効利用できる遠赤外線放射性
発泡体及びこれを用いた遠赤外線放射性製品を提供す
る。 【解決手段】 植物性粉粒体,熱可塑性樹脂及び遠赤外
線放射性物質を含有する混合物を発泡させてなることを
要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠赤外線放射性発
泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】食品の製造過程において大豆殻,おか
ら,小麦粉粕,ビール粕,トウモロコシ粕,醤油のしぼ
り粕,米ぬか等といった植物残渣物(食品残渣物)が大
量に産出されている。このうちの一部は肥料や家畜飼
料、或いは更なる加工食品として利用されているもの
の、大部分は利用されないまま廃棄されているのが現状
である。
【0003】またポリスチレン,ポリプロピレン,ポリ
エチレン等の合成樹脂製品は安価で耐久性に優れる等の
利便性を有することから、広く汎用されているが、不要
となったとき、もともと自然の生態系に組み入れられる
ものでない為に、土に埋めても殆ど分解を受けず、また
焼却する場合には非常に高温で燃焼しなければならない
上、有害ガスを発生し、加えて焼却温度が低いときには
黒煙を発生する等、自然環境を汚染する一因となってい
る。
【0004】そこで上記植物残渣物を有効に利用しつ
つ、上記合成樹脂の使用量を削減した複合樹脂発泡体が
提案されている。
【0005】該複合樹脂発泡体は、植物残渣物と合成樹
脂の熱可塑性樹脂を原料としたものであり、この製造方
法の発明について本発明者らは既に出願している(特願
平8−59947[特開平9−249761号公
報])。この複合樹脂発泡体は従来の樹脂発泡体の代替
え品として利用することができる上、生分解性を備えて
いるから、地中に埋めた場合には次第に容積が減少して
廃棄処理場の延命化に寄与し、また焼却した場合には発
熱量が小さいから焼却炉の損傷が抑えられ、加えて有害
ガスの発生も低減するという効果を発揮する。そして上
記植物残渣物の再利用を図ることができる。
【0006】一方、野菜,果物,肉類,魚介類等の鮮度
保持材料として、生成するエチレンガスを吸収或いは
分解して熟成を遅らせ、鮮度を保持するもの、水分の
吸放出を調整して食品の適正水分量を維持し、鮮度保持
を図るもの、雰囲気中の酸素濃度を減少させて青果物
等の呼吸作用,微生物の育成を抑制するもの、もしくは
過剰の二酸化炭素を吸収して適正濃度にし、二酸化炭
素による傷害の発生を防ぐもの等があり、具体的には木
炭,活性炭,ゼオライト,遠赤外線放射性セラミックス
等が知られている。
【0007】これら鮮度保持材料の使用形態としては、
包装材原料に混合して包装材を形成したり、或いは包装
材表面に塗布,散布または貼り付ける等して用いてい
る。
【0008】また上記遠赤外線放射性セラミックス等の
遠赤外線放射物質は、上記の様に食品の包装材料に用い
るだけでなく、布団等の寝具,座布団,介護用品等に用
いられており、上記寝具等の表布に遠赤外線放射物質を
塗布或いは貼り付ける等して、身体を温める作用を発揮
させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記複合樹脂
発泡体は上述の様に生分解を受け、有毒ガス発生量が少
なく、また植物残渣物が有効利用される等の効果を奏す
るが、上記複合樹脂発泡体に更なる価値を付与すべく本
発明がなされたものであり、通気性や吸湿性に優れ、野
菜,果物,肉類,魚介類等といった生鮮品の鮮度保持作
用があり、また布団等の寝具,座布団,介護用品等に有
効利用できる遠赤外線放射性発泡体及びこれを用いた遠
赤外線放射性製品を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る遠赤外線放
射性発泡体は、植物性粉粒体,熱可塑性樹脂及び遠赤外
線放射性物質を含有する混合物を発泡させてなることを
要旨とする。
【0011】本発明者らは、植物性粉粒体の代表の植物
残渣物と熱可塑性樹脂を主成分とする上記複合樹脂発泡
体が吸湿性等に優れていることに注目し、この複合樹脂
発泡体の特性は鮮度保持包装材料や寝具等に適している
と考え、更に改良を加えて本発明に至ったものである。
【0012】本発明に係る遠赤外線放射性発泡体は遠赤
外線放射性物質を含有するから、野菜,果物,肉類,魚
介類等から生成するエチレンガスやトリメチルアミンを
吸着,除去したり、水分の吸放出を調整する作用を有
し、また植物の中に含まれている水分を活性化する等し
て、鮮度を保持することができる。更に本発明は発泡体
であるからクッション性を有し、野菜,果物,魚等の表
面を傷めることがない。
【0013】また本発明の遠赤外線放射性発泡体を寝
具,座布団,介護用品等に用いた場合には、放射する遠
赤外線により、使用者の血行を促進して身体を温める効
果があり、加えて体臭や汗を吸着/吸収することができ
る。また発泡体であるからクッション性を有し、寝具,
座布団等に好適に使用し得る。
【0014】加えて本発明の遠赤外線放射性発泡体は、
不要になった際には地中に埋めることで微生物等によっ
て大部分が分解を受け、非分解物の残存量が少ない。ま
た、焼却した場合には燃焼温度があまり高くないので、
焼却炉を痛めることが少なく、更に黒いすすや有害ガス
の発生が防止されて、自然環境の汚染の問題が低減す
る。
【0015】更に本発明の遠赤外線放射性発泡体は連続
気泡と独立気泡が混在すものが好ましく、上記連続気泡
によって通気性,呼吸性が発揮され、且つ上記独立気泡
によって保温・保冷性が発揮されるから、鮮度保持包装
材料や寝具,介護用品等に好適である。
【0016】また本発明においては、前記植物性粉粒体
と前記熱可塑性樹脂の総量100重量部に対して、前記
遠赤外線放射性物質が1〜100重量部であることが好
ましい。遠赤外線放射性物質が1重量部未満の場合では
遠赤外線放射効果が十分発揮されず、一方100重量部
超の場合では、遠赤外線放射性発泡体を押出成形する際
の押出速度が不均一となり、出来上がった遠赤外線放射
性発泡体の表面状態が悪くなる上、弾性が低く、脆く硬
質な発泡体となるからである。より好ましくは前記植物
性粉粒体と前記熱可塑性樹脂の総量100重量部に対し
て、前記遠赤外線放射性物質が5重量部以上であり、ま
た30重量部以下である。
【0017】更に本発明においては、前記遠赤外線放射
性物質が、木炭,活性炭,ゼオライト,シリカ,アルミ
ナ,セラミックス,遠赤外線放射性鉱物よりなる群から
選択される1種または2種以上の混合物であることが好
ましい。尚上記遠赤外線放射性鉱物としては大谷石やシ
リカアルミナ系ミネラル鉱石(商品名:カガライト、カ
ガライト工業(株)製)等の天然鉱物等が挙げられる。
上記シリカアルミナ系ミネラル鉱石は、アルカリ長石と
石英を主成分とし、輝石,雲母,閃石等を班晶を含む班
状石であり、シリカ(SiO2 )及びアルミナ(Al2
2 )にFe23 ,CaO,Na2 O,MgO,Cu
等が含有したものである。
【0018】上記遠赤外線放射性物質は、100メッシ
ュ以下の粉末として用いることがより好ましい。粉末粒
子が大き過ぎる遠赤外線放射性発泡体の表面にザラツキ
感が生じるが、100メッシュ以下の粉末とすることに
より、発泡体表面が滑らかとなり、また製造の際に植物
性粉粒体や熱可塑性樹脂といった他の成分に分散し易
く、均一な発泡体が得られるからである。
【0019】上記植物性粉粒体としては、植物残渣物の
他、植物自体または植木剪定後の不要となった枝や葉を
粉状或いは粒状としたもの等が挙げられるが、大量産出
される植物残渣物の有効利用という観点からは、植物残
渣物を用いるのが望ましい。
【0020】上記植物残渣物としては、上述の様に大豆
殻,おから,小麦粉粕,ビール粕,トウモロコシ粕,醤
油のしぼり粕,米ぬか等が挙げられる。これらの植物残
渣物は、食品加工過程で粉粒状に粉砕されているから、
そのままで使用することができる。尚、発泡の程度、発
泡体に要求される物性等に応じて更に微粉末化して使用
しても良い。
【0021】尚遠赤外線放射性発泡体に用いる植物性粉
粒体としては、例えば大豆殻等を1種類使用するでな
く、2種類以上混合して使用しても良い。
【0022】上記熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエ
チレン,低密度ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレ
ン酢酸ビニル,ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂,
天然高分子系物質,微生物産生ポリエステル,脂肪族ポ
リエステル,ポリ乳酸等の生分解性プラスチック等を用
いることができる。これらの熱可塑性樹脂も1種類のみ
を使用するだけでなく、2種類以上混合して使用しても
良い。
【0023】更に本発明においては、前記遠赤外線放射
性発泡体がシート状であることが好ましい。この様にシ
ート状とすることにより、例えば生鮮品保存用箱の底敷
きとしたり、或いは布団の表布の裏打ちに用いる際等に
おいて使用し易い。
【0024】また本発明に係る遠赤外線放射性製品は、
前記遠赤外線放射性発泡体を用いたものであって、該遠
赤外線放射性発泡体をシート状部材で覆ったものである
ことを要旨とする。
【0025】この様にシート状部材で覆うことにより、
遠赤外線放射性発泡体から脱落する粉粒を外部に出さ
ず、また発泡体を補強することができるから、食料品や
衣料品等に幅広く使用できる。
【0026】上記シート状部材としては、織物や編物或
いは不織布といった布帛、紙、また合成樹脂製シートや
フィルム等が挙げられ、前記布帛の素材としては絹,
綿,合成繊維等様々なものが用いられ、また上記合成樹
脂製シートとしてビニールシート等が挙げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る遠赤外線放射性発泡
体の製造方法は、まず上記植物性粉粒体,上記熱可塑性
樹脂及び上記遠赤外線放射性物質を混合し、これを加圧
しつつ加熱溶融しながら混練した後、圧力を下げて発泡
成形する。加圧によって上記植物性粉粒体に含まれる水
分の気化が実質的に抑制された状態で混練され、次いで
この混練物が加圧状態から開放されることにより、上記
水分が気化して発泡する。
【0028】このようにして得られた遠赤外線放射性発
泡体は、上記植物性粉粒体が熱可塑性樹脂により結合さ
れ、そして植物性粉粒体が発泡体の核となって多孔質に
形成される。尚発泡倍率を調整したい場合は、発泡剤と
して用いる水分の量を調整すると良く、水を上記混練物
に添加するか、或いは上記植物性粉粒体を予め乾燥させ
て水分含有量を低減させておくと良い。また上記植物性
粉粒体,熱可塑性樹脂,遠赤外線放射性物質以外の成分
を適宜含有させても良い。
【0029】上記発泡成形の際に押出機の金口を調整す
ることによりシート状や塊状の発泡体を製造することが
でき、この出来上がったシート状遠赤外線放射性発泡体
を布団の表布に裏打ちとして用いたり、或いは生鮮品保
存箱の底敷きに用いたり、もしくは塊状遠赤外線放射性
発泡体を布団中綿に混ぜる等して使用すると良く、この
様に野菜,果物,肉類,魚介類等の生鮮食料品の鮮度保
持用包装材や、座布団,布団等の寝具,介護用品等に使
用することができる。また上記遠赤外線放射性発泡体を
シート状部材で覆って用いても良い。
【0030】
【実施例】下記表1に示す割合で植物性粉粒体,熱可塑
性樹脂及び遠赤外線放射性物質を混合して押出機に供給
し、発泡倍率約30倍,厚み5mmのシート状の遠赤外線
放射性発泡体を押出し成形した(試料No. 1〜48)。
尚上記押出機はスクリュー径47mmの二軸押出機に円筒
状の丸ダイを装着したものである。
【0031】また下記表2に示す割合で植物性粉粒体,
熱可塑性樹脂及び遠赤外線放射性物質を混合して押出機
に供給し、発泡倍率約30倍,厚み5mmのシート状の遠
赤外線放射性発泡体を押出し成形した(試料No. 49〜
51)。尚上記押出機は上記と同様にスクリュー径30
mmの二軸押出機に円筒状の丸ダイを装着したものであ
る。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】上記の様にして製造した遠赤外線放射性発
泡体(試料No. 1〜51)について以下の如く各試験を
行った。
【0035】<ガス吸着能力試験−その1>試料No. 1
〜48の遠赤外線放射性発泡体に関し、アンモニア,ト
リメチルアミン,硫化水素の夫々のガスに対する吸着能
力について試験を行った。
【0036】試験方法としては、底部に攪拌装置が備え
られた内容積11.4リットルのガラス製容器に試料5g を
入れ、高濃度のガスを3ミリリットル注入して上記ガラ
ス製容器内の初濃度が30ppm になる様にし、攪拌しつ
つ所定時間毎の上記容器内のガス濃度を測定した。尚ガ
ス濃度の測定にはガステック社製のガス検知管を用い
た。尚対照(ブランク)として、容器内に試料(遠赤外
線放射性発泡体)を入れないで、初濃度が30ppm にな
る様にガス注入したものを用い、上記と同様に攪拌しつ
つ所定時間毎の容器内ガス濃度を測定した。
【0037】アンモニアガス吸着能力の結果を表3に、
トリメチルアミンガス吸着能力の結果を表4に、硫化水
素ガス吸着能力の結果を表5に夫々示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】表3〜5から分かる様に、ブランクではガ
ス濃度の低下があまり認められなかったが、試料No. 1
〜48の遠赤外線放射性発泡体を入れたものは、いずれ
のガスについても濃度低下が認められ、遠赤外線放射性
発泡体がガスを良好に吸着している。
【0042】<ガス吸着能力試験−その2>試料No. 4
9の遠赤外線放射性発泡体シートを10cm2 の大きさに
カットし、これをトリメチルアミン濃度20ppm とした
ガラス容器(11.4リットル)中に入れ、温度20℃で放
置し、1時間経過後の容器内ガス濃度を測定した。
【0043】この測定結果はトリメチルアミン20ppm
であり、この結果から脱臭率を算出したところ、90.
5%であった。従って試料No. 49の遠赤外線放射性発
泡体シートが良好にガスを吸着することが分かる。
【0044】<保水性試験−その1(検体:チューリッ
プ)>保存容器(縦30cm×横25cm×高さ20cm)内にチュ
ーリップ3本と共に遠赤外線放射性発泡体(試料No. 1
〜48)4.5g を入れて20±1.0℃で保存し、保
存始め,3日目及び5日目についての水分量を常圧加熱
乾燥法により測定した。尚ブランクとして、保存容器に
チューリップのみを入れ、遠赤外線放射性発泡体を入れ
ないものについて、同様に水分量を測定した。
【0045】該常圧加熱乾燥法は、検体のチューリップ
2〜3g を素早く秤量用容器に取り、平に広げて蓋をし
て精密に秤量し(W0g)、次に上記秤量用容器の蓋をず
らして定温乾燥機に入れ、該定温乾燥機が105℃に達
してから3時間乾燥した後、定温乾燥機中で素早く秤量
用容器の蓋をして、該秤量用容器をデシケーターに移し
て放冷する。上記秤量用容器が室温に達したら秤量する
(W1g)。恒量になるまで上記乾燥,放冷,秤量の操作
を繰り返し、上記初期重量W0 から恒量となった重量
(W2g)を差し引いて水分量とする。この結果を検体の
チューリップ100g における水分量(g/100g)に換算
し、表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】表6に示す様に、本発明の遠赤外線放射性
発泡体(試料No. 1〜48)を用いた場合は、いずれも
ブランクに比べてチューリップの水分量が多く、従って
本発明の遠赤外線放射性発泡体を用いることにより保水
性が良好となり、長期間瑞々しさを保つことが分かる。
これは遠赤外線放射性発泡体からの遠赤外線作用によっ
てチューリップ内の水分が活性化され、チューリップか
ら離水する水分量が少なくなったからであると推察され
る。
【0048】<保水性試験−その2(検体:チューリッ
プ)>試料No. 50の遠赤外線放射性発泡体シートを2
0cm×20cmの大きさにカットし、ダンボール箱(縦30
cm×横25cm×高さ20cm)の底に敷き、チューリップ3本
をこの箱の中に詰めて蓋をし、20℃で保存した。保存
始め,3日目及び6日目についての水分量(g/100g)を
上記常圧加熱乾燥法により測定した。尚ブランクとし
て、遠赤外線放射性発泡体シートを敷かずに、ダンボー
ル箱に直接チューリップを詰めて蓋をしたものについ
て、同様に水分量(g/100g)を測定した。その結果を表
7に示す。
【0049】
【表7】
【0050】表7に示す様に、試料No. 50の本発明の
遠赤外線放射性発泡体を用いた場合は、ブランクに比べ
てチューリップの水分含量が高く、上記と同様に遠赤外
線放射性発泡体を用いることにより保水性が良好とな
り、長期間瑞々しさを保つことが分かる。
【0051】<保水性試験−その3(検体:イチゴ)>
試料No. 50の遠赤外線放射性発泡体シートを20cm×
20cmの大きさにカットし、ダンボール箱(縦30cm×横
25cm×高さ20cm)の底に敷き、イチゴをこの箱の中に詰
めて蓋をし、20℃で保存した。保存始め及び2,4,
6日目についての水分量(g/100g)を上記常圧加熱乾燥
法により測定した。尚ブランクとして、遠赤外線放射性
発泡体シートを敷かずに、ダンボール箱に直接イチゴを
詰めて蓋をしたものについて、同様に水分量(g/100g)
を測定した。その結果を表8に示す。
【0052】
【表8】
【0053】表8に示す様に、試料No. 50の本発明の
遠赤外線放射性発泡体を用いた場合は、ブランクに比べ
てイチゴの水分含量が高く、良好に保水されて瑞々しさ
を保っていることが分かる。上述の検体がチューリップ
の場合と同様に検体がイチゴの場合も、遠赤外線放射性
発泡体からの遠赤外線作用によってイチゴ内の水分が活
性化され、イチゴから離水する水分量が少なくなったか
らであると推察される。
【0054】<鮮度保持試験−その1(検体:マスカッ
ト)>試料No. 50の遠赤外線放射性発泡体シートを2
0cm×30cmの大きさにカットし、ダンボール箱(縦30
cm×横25cm×高さ20cm)の底に敷き、その箱の中にマス
カットを詰めて蓋をし、20℃で7日間放置した。
【0055】その結果、マスカットにはカビの発生等は
なかった。一方、遠赤外線放射性発泡体を使用せずに、
ダンボール箱に直接マスカット詰めて20℃で7日間放
置した場合は、マスカットにカビが多く発生していた。
【0056】<鮮度保持試験−その2(検体:ブロッコ
リー)>試料No. 50の遠赤外線放射性発泡体シートを
20cm×30cmの大きさにカットし、ダンボール箱(縦
30cm×横25cm×高さ20cm)の底に敷き、この箱の中にブ
ロッコリーを詰めて蓋をし、20℃で7日間放置した。
【0057】その結果、ブロッコリーに黄化は認められ
ず、カビの発生等はなかった。一方、遠赤外線放射性発
泡体を使用せずに、ダンボール箱に直接ブロッコリーを
詰めて20℃で7日間放置した場合は、ブロッコリーに
黄化が進んでいるのが認められ、またカビが発生してい
た。
【0058】上記鮮度保持試験−その1,その2から、
本発明の遠赤外線放射性発泡体を用いた場合は、生鮮食
品の鮮度が保たれるということが分かる。
【0059】<カイワレダイコンの育成試験>市販のカ
イワレダイコンの種子を3時間水に浸した後、該種子を
遠赤外線放射性発泡体(試料No. 1〜48)上に載せ、
室温18℃に放置した。水分を朝夕2回上記種子に散布
し、4日目,5日目,6日目における発芽した芽の高さ
を測定した。尚ブランクとして、3時間水に浸した後の
カイワレダイコンの種子をウレタン製発泡体シート上に
載せ、同様に室温18℃に放置し、水分を朝夕2回上記
種子に散布した。
【0060】また100粒の種子のうちの発芽率を求め
た。これらの結果を表9に示す。
【0061】
【表9】
【0062】表9に示す様に、本発明の遠赤外線放射性
発泡体を用いた場合は、芽の成長がブランクよりも良
く、また発芽率も高かった。
【0063】<血流促進試験−その1>被験者4人[A
(男),B(男),C(女),D(女)]の腰辺りに遠
赤外線放射性発泡体シート(試料No. 1〜48)150cm
×40cmを敷き、仰向けで寝た状態で3分間経過後、被験
者の血流量(cm/秒)を測定した。測定は左手中指に血
流センサーをセットして行った。尚ブランクとして遠赤
外線放射性発泡体シートを敷かずに仰向けで寝て3分間
経過した後の血流量(cm/秒)を測定した。この試験を
3回行い、その結果の平均値を表10に示す。
【0064】
【表10】
【0065】表10から分かる様に、本発明の遠赤外線
放射性発泡体を用いた場合は、ブランクに比べ血流量が
増加しており、血行を促進する効果が認められる。
【0066】<血流促進試験−その2>試料No. 51の
遠赤外線放射性発泡体シートを40cm×150cmの大き
さにカットし、被験者4人[A(男),B(男),C
(女),D(女)]が夫々上記試料No. 51の発泡体シ
ートの上に仰向けに寝た状態で静止し、3分経過後に被
験者の血流量(cm/秒)を測定した。測定は左手中指に
血流センサーをセットして行った。尚ブランクとして遠
赤外線放射性発泡体シートを敷かずに仰向けに寝て3分
間経過した後の血流量(cm/秒)を測定した。この試験
を3回行い、その結果の平均を表11に示す。
【0067】
【表11】
【0068】表11から分かる様に、いずれの被験者も
ブランク(通常時)と試料No. 51の発泡体シート使用
時において脈拍数にあまり変化が認められないにもかか
わらず、試料No. 51の発泡体シート使用時には血流量
が増加しており、従って本発明の遠赤外線放射性発泡体
は身体を温める効果があることが分かる。
【0069】尚以上の様に本発明に係る遠赤外線放射性
発泡体に関して、実施例を示しつつ具体的に説明した
が、本発明はもとより上記実施例に限定される訳ではな
く、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて
実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に包含される。
【0070】
【発明の効果】本発明に係る遠赤外線放射性発泡体及び
これを用いた遠赤外線放射性製品は、クッション性があ
り、ガス等の吸着性に優れており、また通気性,呼吸
性,吸湿性に優れ、野菜,果物,肉類,魚介類等の鮮度
を保持する作用があるから、鮮度保持包装材料として有
効に利用できる。また上記の様にクッション性を有し、
十分な強度を備え、更に人体の血行を促進させて身体を
暖める作用があるから、布団等の寝具,座布団,介護用
品等に有効に利用できる。この様に身体を暖める作用を
有することから、冷え性,肩凝り,腰痛等の改善効果が
期待できる。加えて上記の様に通気性,吸湿性,呼吸
性,ガス吸着性に優れているから、寝具や介護用品等に
利用したときに快適に使用できる。
【0071】しかも、本発明に係る遠赤外線放射性発泡
体が不要になった際には、地中に埋めることにより微生
物等が分解して大部分が消滅し、埋立処分した場合にお
ける廃棄物埋立処理場の延命化につながる。また焼却す
る場合には、発熱カロリーが低いため焼却炉を痛めにく
く、更に焼却時に黒いすすや有害ガスが発生しないか
ら、自然環境汚染の懸念も低減する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23B 7/14 A23B 7/144 7/144 A23L 3/00 101A A23L 3/00 101 A23B 4/06 502Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物性粉粒体,熱可塑性樹脂及び遠赤外
    線放射性物質を含有する混合物を発泡させてなることを
    特徴とする遠赤外線放射性発泡体。
  2. 【請求項2】 前記植物性粉粒体と前記熱可塑性樹脂の
    総量100重量部に対して、前記遠赤外線放射性物質が
    1〜100重量部である請求項1に記載の遠赤外線放射
    性発泡体。
  3. 【請求項3】 前記遠赤外線放射性物質が、木炭,活性
    炭,ゼオライト,シリカ,アルミナ,セラミックス,遠
    赤外線放射性鉱物よりなる群から選択される1種または
    2種以上の混合物である請求項1または2に記載の遠赤
    外線放射性発泡体。
  4. 【請求項4】 前記遠赤外線放射性発泡体がシート状で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の遠赤外線放射性発
    泡体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の遠赤外
    線放射性発泡体を用いた遠赤外線放射性製品であって、
    前記遠赤外線放射性発泡体をシート状部材で覆ったもの
    であることを特徴とする遠赤外線放射性製品。
JP20096098A 1997-07-24 1998-07-15 遠赤外線放射性発泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品 Withdrawn JPH11100455A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20096098A JPH11100455A (ja) 1997-07-24 1998-07-15 遠赤外線放射性発泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23323797 1997-07-24
JP9-233237 1997-07-24
JP20096098A JPH11100455A (ja) 1997-07-24 1998-07-15 遠赤外線放射性発泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11100455A true JPH11100455A (ja) 1999-04-13

Family

ID=26512491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20096098A Withdrawn JPH11100455A (ja) 1997-07-24 1998-07-15 遠赤外線放射性発泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11100455A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010103478A (ko) * 2000-05-10 2001-11-23 마용도 옥분말 함유 플라스틱의 제조방법 및 그 방법으로 제조된옥분말 함유 플라스틱
JP2008011767A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Yamasa Wakiguchi Suisan:Kk 冷凍マグロさくの製造方法
WO2008061682A1 (en) * 2006-11-21 2008-05-29 Domenico Rodeschini Cover element structure for water containers
JP2010163583A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Masaaki Date 炭粉入り樹脂発泡体
WO2014017383A1 (ja) * 2012-07-27 2014-01-30 高島 弘光 機能空間の形成方法及び、これを用いた食品又は食材の製造又は加工方法
JP2014185204A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Doshisha 熱可塑性樹脂成形品の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010103478A (ko) * 2000-05-10 2001-11-23 마용도 옥분말 함유 플라스틱의 제조방법 및 그 방법으로 제조된옥분말 함유 플라스틱
JP2008011767A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Yamasa Wakiguchi Suisan:Kk 冷凍マグロさくの製造方法
WO2008061682A1 (en) * 2006-11-21 2008-05-29 Domenico Rodeschini Cover element structure for water containers
JP2010163583A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Masaaki Date 炭粉入り樹脂発泡体
WO2014017383A1 (ja) * 2012-07-27 2014-01-30 高島 弘光 機能空間の形成方法及び、これを用いた食品又は食材の製造又は加工方法
JP2014023483A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 規嘉 ▲高▼島 機能空間の形成方法及び、これを用いた食品又は食材の製造又は加工方法
JP2014185204A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Doshisha 熱可塑性樹脂成形品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0003903B1 (en) Oxygen scavenger composition, heat-generating composition and structure, and their use as an oxygen scavenger or generator of heat
US6376034B1 (en) Absorbent material for use in disposable articles and articles prepared therefrom
CN111601692B (zh) 麦闪石颗粒抗菌塑料母料制备方法
JPH11100455A (ja) 遠赤外線放射性発泡体、及びこれを用いた遠赤外線放射性製品
KR101659173B1 (ko) 고흡수성 수분흡수제와 그 제조 방법
JPH1148303A (ja) 成形材及びその応用品及びその製造装置
JP6212813B2 (ja) 食品鮮度保持用発泡ネット及び発泡シート
JP2003105216A (ja) 生分解性樹脂組成物及びそれを用いた成形品
KR20130012037A (ko) 과채류 포장용 발포수지 조성물
KR101820053B1 (ko) 고체 비료를 구비하는 식물 모종 포트 및 이를 포함하는 배송 패키지
JPS61120638A (ja) 包装体投入用吸着体
JP3398860B2 (ja) 生分解性樹脂発泡体
JP2003268242A (ja) 青果物の鮮度保持用包装用資材
ES2310326T3 (es) Metodo de produccion de polimeros degradables.
JP2000309658A (ja) 生分解性樹脂発泡体
JP3638537B2 (ja) 粒状の排泄物処理材及び製造方法
KR101545288B1 (ko) 신선도 기능이 부여된 친환경 원료 펠릿 및 이의 제조방법
JPS6222150Y2 (ja)
JPH066672B2 (ja) 樹脂組成物、その成型加工品及びこれらの製造方法
KR101572551B1 (ko) 점토광물이 함유된 주방용 비닐
JPH04103644A (ja) 吸収材
JP2005102703A (ja) 粒状の動物用排泄物処理材及びその製造方法
JP3041804U (ja) 寝装品
US20030190273A1 (en) Container liner for inhibiting decay of perishable items
JP3638534B2 (ja) 粒状の排泄物処理材及び製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051004