JPH11100337A - 1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの同時製造方法 - Google Patents

1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの同時製造方法

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JPH11100337A
JPH11100337A JP9263337A JP26333797A JPH11100337A JP H11100337 A JPH11100337 A JP H11100337A JP 9263337 A JP9263337 A JP 9263337A JP 26333797 A JP26333797 A JP 26333797A JP H11100337 A JPH11100337 A JP H11100337A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、焼却廃棄されていた粗1,2−ブタン
ジオールを簡便な方法で精製し、工業原料として利用可
能な高純度の1,2−ブタンジオールとして1,4−ブ
タンジオールと同時に製造する方法の提供。 【解決手段】 1,2−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール及びそれらの酢酸エステル類を含む混合物か
ら高純度の1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタン
ジオールを製造する方法において、同一の蒸留塔の頭頂
部から濃縮された1,2−ブタンジオールの酢酸エステ
ル類を含む留分を留出させ、上部側流から高純度の1,
2−ブタンジオールを留出させ、中部側流から濃縮され
た1,4−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分
を留出させ、下部側流又は缶出より高純度の1,4−ブ
タンジオールを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,2−ブタンジ
オール及び1,4−ブタンジオールの同時製造方法に関
する。詳しくは、蒸留方法の改良により高純度の1,2
−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールを同時に
製造する方法に関する。1,4−ブタンジオールはPB
T樹脂、γ−ブチロラクトンの原料や、有機溶剤、ポリ
テトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)の原料
として用いられるテトラヒドロフランの原料として有用
な化合物である。一方、1,2−ブタンジオールはポリ
エステル或いはポリウレタンその他の原料として興味が
持たれていたものの、工業的に安価に製造する方法はこ
れ迄知られていない。
【0002】
【従来の技術】ブタジエンをアセトキシ化し、次いで水
素化して得られるジアセトキシブタンを加水分解してブ
タンジオールを製造する方法は従来から知られている。
この場合、ブダジエン、酢酸及び分子状酸素を貴金属触
媒の存在下に反応させてジアセトキシブテンを得る方法
が、例えば特開昭50−4011号公報に開示されてお
り、得られたジアセトキシブテンを触媒の存在下に水素
添加してジアセトキシブタンを製造する方法が、例えば
特開昭51−29426号公報に開示されており、更に
このジアセトキシブタンを触媒の存在下に加水分解し
て、1,4−ブタンジオールを製造する方法が、例えば
特開昭52−7909号、同52−65208号、特開
平6−172235号各公報等に開示されている。
【0003】これらの方法では、ブタジエン、酢酸と分
子状酸素とを貴金属触媒(主としてパラジウム、テルル
を担体に担持した触媒)の存在下に反応させジアセトキ
シブテンを得ている。この反応では、1,4−ジアセト
キシブテンが主成分として得られるが、同時に異性体で
ある1,2−ジアセトキシブテンも少量生成する。ジア
セトキシブテンは異性体の混合物のまま水添工程に送ら
れ水素添加により、ジアセトキシブタンの混合物とされ
る。ここで得られるジアセトキシブタンは、1,4−及
び1,2−ジアセトキシブタンを主成分とする反応液で
あるが、分離することなく加水分解工程に送られる。加
水分解工程では、ジアセトキシブタンと水を固体酸触媒
特に好ましくは強酸性イオン交換樹脂と反応器中で接触
反応させ、水、酢酸、未反応ジアセトキシブタン、モノ
アセトキシブタン、ブタンジオール等からなる反応混合
物にされる。反応混合物は、水、酢酸分離塔で水、酢酸
を留出させ塔底よりブタンジオールを含む塔底液を抜き
出す。塔床液は未反応物回収塔に送られ、塔頂より軽沸
物、1,2−ジアセトキシブタン、1,2−ブタンジオ
ール等からなる留出物を留出させ、上部側流より1,4
−ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシ−4−アセトキ
シブタンを主成分とする未反応物を留分として回収し、
未反応留分は加水分解反応器に循環し、塔底より1,4
−ブタンジオールを主成分とする缶出液を得、該缶出液
を蒸留することによって、留出物として1,4−ブタン
ジオールを得る方法を提供している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1,2
−ブタンジオールについては、未反応物回収塔で得られ
た1,2−ブタンジオールを含む留出物は、混合物であ
り工業原料として用いるには純度が低く、また、新たに
蒸留塔を設けて精製するのは経済的でないため、焼却廃
棄せざるを得ないという問題点がある。本発明は、従来
焼却廃棄されていた粗1,2−ブタンジオールを簡便な
方法で精製し、工業原料として利用可能な高純度の1,
2−ブタンジオールを1,4−ブタンジオールと同時に
製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み鋭意検討した結果、ブタジエンを原料として、ブ
タンジオールの酢酸エステルの混合物を得、該酢酸エス
テルを水と固体酸触媒の存在下接触反応させ、加水分解
した後、反応液から水、酢酸を分離した生成物より、塔
頂より軽沸物及び1,2−ブタンジオールの酢酸エステ
ルを留出させ、上部側流より高純度の1,2−ブタンジ
オールを留出させ、中部側流より1,4−ブタンジオー
ルの未反応酢酸エステルを留出させ、1,4−ブタンジ
オールの未反応酢酸エステルは加水分解に循環し、塔底
より1,4−ブタンジオールを缶出させることによって
その目的が達成されることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、1,2−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール及びそれらの酢酸エス
テル類を含む混合物から高純度の1,2−ブタンジオー
ル及び1,4−ブタンジオールを製造する方法におい
て、同一の蒸留塔の頭頂部から濃縮された1,2−ブタ
ンジオールの酢酸エステル類を含む留分を留出させ、上
部側流から高純度の1,2−ブタンジオールを留出さ
せ、中部側流から濃縮された1,4−ブタンジオールの
酢酸エステル類を含む留分を留出させ、下部側流又は缶
出より高純度の1,4−ブタンジオールを得ることを特
徴とする1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジ
オールの同時製造方法、にある。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】ブタジエンを原料とし、アセトキ
シ化反応、それに引き続く水素化、加水分解工程を経
て、1,4−ブタンジオールを製造する方法は、従来か
ら知られている。アセトキシ化反応は、パラジウム系触
媒の存在下、ブタジエン、酢酸及び分子状酸素を反応さ
せる公知の方法により行われる。パラジウム系触媒とし
ては、パラジウム金属又はその塩を単独で、或いは、助
触媒としてビスマス、セレン、アンチモン、テルル、銅
等の金属又はその塩と組み合わせて用いられる。触媒
は、シリカ、アルミナ、活性炭等の担体に担持させて用
いることが好ましい。
【0008】アセトキシ化反応は、通常、40〜180
℃の温度範囲で、常圧以上の圧力下で実施される。酢酸
の使用量は溶媒を兼ねて大過剰に用いることが望まし
く、通常、共役ジエン1モルに対して、5〜60モル、
好ましくは10〜40モルである。なお、アセトキシ化
反応は公知の固定床方式、流動床方式、触媒懸濁方式等
任意の方法で実施される。反応生成物より、ジアセトキ
シブテンと水、酢酸及びモノアセトキシブテンを含むそ
の他の軽沸物とは蒸留によって分離される。モノアセト
キシブテンを含む水、酢酸を主成分とする留出物は、酢
酸精製工程に送られる。
【0009】缶出液は、1,4−ジアセトキシブテン、
1,2−ジアセトキシブテン、及び高沸物等からなり、
高沸物を分離した後、水添されジアセトキシブタンの混
合物となる。水添反応は、パラジウム、ルテニウム等の
貴金属触媒の存在下に、ジアセトキシブテンを水素と接
触させ、通常40〜180℃の温度範囲で、常圧以上の
反応圧力で反応させることによって実施される。なお、
水素化反応は、公知の固定床方式、流動床方式、触媒懸
濁方式等の任意の方式で実施される。
【0010】生成したジアセトキシブタンは、固体酸触
媒の存在下、水と接触させて加水分解されてブタンジオ
ールが得られる。本発明に用いられる原料のジアセトキ
シブタンとしては、1,4−ジアセトキシブタンを主体
とするものの外、その製造及び精製処理工程によって
は、1,4−ジアセトキシブタンと1,2−ジアセトキ
シブタン、1,3−ジアセトキシブタン等との異性体混
合物も含まれる。また、ある場合には、加水分解反応を
ある程度進行させた後、水及び酢酸を除いた1,4−ジ
アセトキシブタン、1,4−モノヒドロキシアセトキシ
ブタン及び1,4−ブタンジオールの混合物も利用でき
る。
【0011】本発明に用いられる固体酸触媒としては、
シリカ−アルミナ、活性土、シリカ、陽イオン交換樹脂
等が挙げられるが、陽イオン交換樹脂が加水分解速度が
大きく、しかもテトラヒドロフラン等の副生物が少ない
ので好ましい。陽イオン交換樹脂としては、スチレンと
ジビニルベンゼンとの共重合体を母体とするスルホン酸
型強酸性イオン交換樹脂が好適であり、ゲル型樹脂でも
ポーラス型樹脂でもよい。その具体例としては、例えば
三菱化学(株)製SK1B,SK104,SK108,
PK208,PK216,PK228等が挙げられる。
【0012】加水分解反応は、通常、30〜110℃、
好ましくは40〜90℃で実施される。温度が低過ぎる
と反応速度が著しく遅く、多量の触媒を必要とし、他
方、温度が余り高過ぎると、テトラヒドロフラン、ジヒ
ドロフラン等への副反応が増加する。反応圧力について
は、特に限定はされないが、通常は常圧〜10kg/c
2・Gの範囲である。
【0013】ジアセトキシブタンと水との比率は、水が
反応原料であると同時に溶媒でもあるので、化学量論量
以上用いられる。ジアセトキシブタンと水とのモル比
は、通常2〜100、好ましくは4〜50の範囲で用い
られる。加水分解反応は、回分式でも連続式等の任意の
方法で実施される。イオン交換樹脂を用いる場合、懸濁
状態で反応させる方式でも、イオン交換樹脂の充填層に
反応原料を通過させる方式でもよく、工業的には固定床
連続法が有利である。
【0014】加水分解物は、蒸留により、水、酢酸を主
成分とする留分と未反応物を含む粗ブタンジオールとに
分けられる。水、酢酸を主成分とする留分は、ジアセト
キシブテンの水添で発生する酢酸ブチル等を若干含んで
いるが、酢酸精製工程に送られ、先に述べた、アセトキ
シ化反応から回収される酢酸と共に、精製される。粗ブ
タンジオールは、1,2−ジアセトキシブタン(1,2
DAB)、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン
(1,2HAB)、2−ヒドロキシ−1−アセトキシブ
タン(2,1HAB)、1,2−ブタンジオール(1,
2BG)、1,4−ジアセトキシブタン(1,4DA
B)、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタン(1,4
HAB)1,4−ブタンジオール(1,4BG)、2−
(4−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン及び構
造が不明な高沸物と若干の軽沸物等を含んでいる。
【0015】特開昭52−7909号或いは同52−6
5208号各公報の方法によれば、粗ブタンジオール
は、蒸留により、軽沸物、1,2DAB、1,2HA
B、2,1HAB及び1,2BGを主体とする留分(留
分)と、1,4DAB、1,4HABを主体とする留
分(留分)と、1,4BG及び高沸を含む缶出液とに
分けられる。この蒸留は、50〜400Torr(0.
006〜0.05MPa)の減圧下、塔底温度150〜
250℃で実施される。留分は、1,2BGを含んで
いるが純度が低い(約70重量%)ために工業原料とし
て利用することが出来ずに焼却廃棄される。留分は加
水分解反応に返送され未反応物を加水分解し、1,4B
Gを製造する、或いは、THF製造の原料として利用さ
れる。
【0016】缶出液は1,4BG精製塔に送られ塔頂よ
り若干の不純物、例えばヒドロキシアセトキシブタン、
2−(4−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン等
の不純物を若干含む留分を留出させ、塔頂側留として製
品の1,4−ブタンジオールを留出させ、高沸物を缶出
させる。必要に応じ、塔頂の留分は未反応物回収塔に循
環され、高沸物は更に有効成分を回収する為に処理され
る場合もある。この蒸留は、50〜400Torr
(0.006〜0.05MPa)の減圧下、塔底温度1
50〜250℃で実施される。
【0017】しかしながら、これらの方法に従えば、
1,2−ブタンジオールの純度が低く、工業的には利用
不可能な品質の留分しか製造できない。工業的に利用で
きるような純度の1,2−ブタンジオールの簡便に製造
方法を種々検討した結果、未反応物回収塔において、塔
頂より軽沸分を含む濃縮された1,2−ジアセトキシブ
タンを主な成分として含む留分を留出し、上部側流より
高純度の1,2−ブタンジオールを留出させ、中部側流
より未反応の1,4−ジアセトキシブタン、1−ヒドロ
キシ−4−アセトキシブタンを含む留分を留出させ、缶
出より1,4−ブタンジオールを抜き出すことによって
達成される。
【0018】前記特開昭52−7909号及び同52−
65208号各公報の方法によれば、未反応回収塔の塔
頂より、1,2−ブタンジオールを含む留分を留出させ
る方法が開示されている。この方法で得られた、1,2
−ブタンジオールは純度が低いので、該留分を別の蒸留
塔で蒸留し、未反応の1,2−ブタンジオール酢酸エス
テル類と1,2−ブタンジオールを分離し高純度の1,
2−ブタンジオールを得ることもできる。しかしなが
ら、この方法では、新たに蒸留塔を設置しなければなら
ず、経済的な1,2−ブタンジオールの製造法とは言い
難い、本発明で開示する方法に従えば、新たに蒸留塔を
設置すること無く、ブタンジオールの酢酸エステルの加
水分解物から、1,4−ブタンジオールを製造すると同
時に、高純度の1,2−ブタンジオールを製造すること
が出来る。
【0019】即ち、本発明の代表的な実施態様として
は、ブタジエン、酢酸、酸素を原料としPd/Teを担
持した触媒の存在下、3〜10MPa、40〜100℃
で反応させ、ジアセトキシブテンを得、高沸を分離した
後、Pd及びRuを触媒として、2〜10MPa、40
〜120℃で水添しジアセトキシブタンを合成し、合成
したジアセトキシブタンは水と共に、イオン交換樹脂を
触媒とした反応器に送られ加水分解される。ジアセトキ
シブタンと水のモル比は1:10〜1:3程度の範囲が
好適である。反応温度40〜80℃、反応時間1〜10
時間で加水分解され、酢酸分離塔に送られる。酢酸分離
塔は常圧〜50Torr(0.095〜0.006MP
a)の減圧で操作され酢酸、水及び若干の軽沸物が留出
する。缶出より、未反応物を含む粗1,4−ブタンジオ
ールを抜き出し未反応物分離塔に送る。
【0020】未反応物分離塔は、理論段数80〜100
段で、上部側流は塔頂より10〜15段、中部側流は塔
頂より20〜30段、フィード段は塔頂より35〜40
段の蒸留塔で、300〜20Torr(0.04〜0.
002MPa)、好ましくは200〜100Torr
(0.027〜0.013MPa)の減圧で、還流比通
常10〜150、好ましくは20〜50で運転される。
塔頂より1,2−ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシ
−2−アセトキシブタン、2−ヒドロキシ−1−アセト
キシブタンを主成分とする留分を留出させ、上部側流よ
り純度の高い1.2−ブタンジオールを留出させ、中部
側流より未反応物である1,4−ジアセトキシブタン、
1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタンを留出させ、缶
出、又は下部側流より1,4−ブタンジオールを抜き出
す。なお、下部側流は、塔底より5〜10段を指す。塔
底の温度は、150〜230℃で運転されるが、ブタン
ジオールの分解を防止するためには200℃以下が好ま
しい。1,2−ジアセトキシブタン、1,4−ジアセト
キシブタン等の未反応物を含む留分は必要に応じて、加
水分解反応に送り加水分解することもできる。本発明に
従えば、ブタジエンのアセトキシ化反応によって製造さ
れる、ブタンジオールの酢酸エステルの混合物から、容
易に工業原料として使用できる純度の高い1,2−ブタ
ンジオールを製造することが出来る。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限
定されるものではない。なお、以下の「%」は「重量
%」を表わす。 実施例1 ブタジエンと酢酸をアセトキシ化触媒(Pd 5重量
%、Te/Pd原子比0.25、シリカ担体)の存在
下、圧力8MPa、温度70〜85℃の条件で、窒素で
希釈した空気を用いて連続的に反応させ、1,4−ジア
セトキシブテン、1,2−ジアセトキシブテンを含む酢
酸溶液を得た。この溶液を蒸留塔で蒸留し、酢酸及び高
沸物を除去した後、水素添加し1,4−ジアセトキシブ
タン、1,2−ジアセトキシブタン等を含む混合物を得
た。水素添加反応は、Pdを活性炭に担持した触媒を用
い、圧力6MPa、温度50〜70℃で行い、得られた
反応液を更にRuを担持した触媒を用いて、同一圧力、
温度80〜90℃で含まれるカルボニル化合物を水素添
加することによって実施した。得られた反応液5800
kg/hrを第2酢酸蒸留塔より回収した酢酸を含む水
4400kg/hrと共に、強酸性イオン交換樹脂(三
菱化学(株)製 SK1BH)35m3 を保持する第1
反応器に送入し、50℃で加水分解を行った。加水分解
反応液は、理論段10を有する第1蒸留塔で蒸留し、塔
頂より酢酸を含む5400kg/hrの水を留出させ、
塔底より4800kg/hrの生成物を得た。塔底より
得た缶出液は、第3蒸留塔より回収した酢酸を含む水4
200kg/hrと共に、強酸性イオン交換樹脂(同
上)25m3 を保有する第2反応器に送入し、50℃で
加水分解反応を行った。加水分解反応液は、理論段10
段を有する蒸留塔で蒸留し、塔頂より酢酸を含む440
0kg/hrの水を留出させ第1反応器に送入した。塔
底より4600kg/hrの缶出液を得た。塔底より得
た缶出液は、未反応物分離塔の中部側流1500kg及
び水3000kg/hrと共に、強酸性イオン交換樹脂
(同上)25m3 を保有する第3反応器に送入し、50
℃で加水分解反応を行った。加水分解反応液は、理論段
10段を有する蒸留塔で蒸留し、塔頂より酢酸を含む4
200kg/hrの水を留出させ第1反応器に送入し
た。塔底より4900kg/hrの缶出液を得た。
【0022】この缶出液は、1,2−ジアセトキシブタ
ン0.2%、1,2−ブタンジオールのモノ酢酸エステ
ル2.1%、1,2−ブタンジオール8.7%、1,4
−ジアセトキシブタン7.1%、1−ヒドロキシ−4−
アセトキシブタン38.1%、1,4−ブタンジオール
43.4%を含有していた。この加水分解生成物を、理
論段96段の充填物を有するSUS316製の精製塔で
蒸留した。蒸留は、塔頂圧力77Torr、還流比80
で操作し、塔頂より1,2−ジアセトキシブタンを主成
分とする留分350kg/hrを留去し、最上段から1
5段目に相当する部分より純度95%の1,2−ブタン
ジオールを170kg/hrで留出させ、最上段から2
5段目に相当する部分より1,4−ジアセトキシブタ
ン、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタン、1,4−
ブタンジオールを含有する留分2780kg/hrを留
去し一部を第3加水分解反応器に供給し残部をTHFの
原料として使用した。塔底からは1,4−ブタンジオー
ル(純度99.5%、1−ヒドロキシ−4−アセトキシ
ブタン0.03%、2−(4−ヒドロキシブトキシ)テ
トラヒドロフラン0.45%を含む)1600kg/h
rを得た。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、従来焼却廃棄されてい
た粗1,2−ブタンジオールを簡便な方法で精製し、工
業原料として利用可能な高純度の1,2−ブタンジオー
ルとして1,4−ブタンジオールと同時に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフローシート。
【符号の説明】
I 第1加水分解反応器 I′ 第1水酢酸分離塔 II 第2加水分解反応器 II′ 第2水酢酸分離塔 III 第3加水分解反応器 III ′ 第3水酢酸分離塔 IV 未反応物回収塔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−ブタンジオール、1,4−ブタ
    ンジオール及びそれらの酢酸エステル類を含む混合物か
    ら高純度の1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタン
    ジオールを製造する方法において、同一の蒸留塔の頭頂
    部から濃縮された1,2−ブタンジオールの酢酸エステ
    ル類を含む留分を留出させ、上部側流から高純度の1,
    2−ブタンジオールを留出させ、中部側流から濃縮され
    た1,4−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分
    を留出させ、下部側流又は缶出より高純度の1,4−ブ
    タンジオールを得ることを特徴とする1,2−ブタンジ
    オール及び1,4−ブタンジオールの同時製造方法。
  2. 【請求項2】 1,2−ブタンジオール、1,4−ブタ
    ンジオール及びそれらの酢酸エステル類を含む混合物
    が、ブタジエン、酢酸及び分子状酸素をパラジウム系触
    媒の存在下で反応させ、次いで得られたジアセトキシブ
    テン類を貴金属触媒の存在下に水素添加して、次いで得
    られたジアセトキシブタン類を固体酸触媒の存在下に加
    水分解して得られたものである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 高純度の1,2−ブタンジオールを抜き
    出す蒸留塔の上部側流が、蒸留塔の塔頂よりその理論段
    数の約1ないし2割下の段にある請求項1又は2に記載
    の方法。
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