JPH11100330A - パズフロキサシン細粒剤 - Google Patents

パズフロキサシン細粒剤

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JPH11100330A
JPH11100330A JP10216723A JP21672398A JPH11100330A JP H11100330 A JPH11100330 A JP H11100330A JP 10216723 A JP10216723 A JP 10216723A JP 21672398 A JP21672398 A JP 21672398A JP H11100330 A JPH11100330 A JP H11100330A
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pazfloxacin
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polyethylene glycol
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Tetsunori Yamakawa
哲規 山川
Kazumi Iguro
和美 井黒
Kiyoko Tsuritani
清子 釣谷
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Toyama Chemical Co Ltd
Welfide Corp
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Toyama Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の(a)〜(f)の成分を含むパズフ
ロキサシン細粒剤。 (a)パズフロキサシン又はその塩 (b)核 (c)ショ糖脂肪酸エステル (d)ポリエチレングリコール又は/及びポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンコポリマー (e)崩壊剤 (f)流動化剤 【効果】 薬効成分の溶出の遅延が防止され、安定した
溶出性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速やかで安定した
溶出特性を有するパズフロキサシンの細粒剤に関する。
【0002】
【従来の技術】経口投与用の固形医薬製剤としては、錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などが広く用いられてい
る。散剤のうち、粒度規格の厳密な細粒剤は、調剤が容
易で、服用しやすいことから広く採用されている。
【0003】細粒剤の造粒工程において、結合剤は、水
溶液として用いられる場合が多い。そのため、製剤化の
工程において水と接触することで、容易に水和物を生成
したり、あるいは、加水分解等の化学的な分解を受けや
すい薬物の造粒法として、乾式圧縮造粒法及び加熱によ
り溶融する結合剤を用いて造粒する加熱撹拌造粒法(以
下、溶融造粒)が知られている。この溶融造粒におい
て、結合剤としてショ糖脂肪酸エステル等のポリヒドロ
キシ化合物のエステルを用い得ることが知られている。
(特表平2−502729号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融造
粒の結合剤にショ糖脂肪酸エステルを用いた場合、製造
時の溶出性は良好であるが、経時的に溶出が遅延するこ
とが判明した。
【0005】本発明の目的は、ショ糖脂肪酸エステルを
用い、溶融造粒法により造粒されるパズフロキサシン固
形製剤において、経時的に溶出性の低下しない細粒剤を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題を解決すべく種々検討した結果、核、パズフロキ
サシン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ル又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
コポリマー及び流動化剤により調製される細粒剤は、経
時による溶出の遅延が防止されることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、次の成分(a)〜
(f): (a)パズフロキサシン又はその塩、(b)核、(c)
ショ糖脂肪酸エステル、(d)ポリエチレングリコール
又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコ
ポリマー、(e)崩壊剤、(f)流動化剤を含有するパ
ズフロキサシン細粒剤を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるパズフロキサ
シンは水和物が存在するが、これらはいずれも本発明に
用いられる。
【0009】パズフロキサシンの配合量は特に制限され
ないが、0.1〜40重量%が好ましく、10〜20重
量%が特に好ましい。また、パズフロキサシンは、塩の
形態でも使用でき、パズフロキサシンの塩としては、通
常知られているアミノ基などの塩基性基またはカルボキ
シル基などの酸性基における塩を挙げることができる。
塩基性基における塩としては、例えば、塩酸、臭化水素
酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、クエン
酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機
カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスル
ホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸と
の塩が、酸性基における塩としては、例えば、ナトリウ
ムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウ
ムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;
アンモニウム塩;並びにトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチ
ルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホ
リン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロ
カイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネ
チルアミン、1−エフェナミンおよびN,N' −ジベン
ジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩など
の薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0010】本発明のパズフロキサシン細粒剤に使用さ
れる核としては、その大きさが50〜400μm、好ま
しくは、150〜250μmに整粒若しくは造粒され
た、結晶セルロース、乳糖・結晶セルロース、結晶乳
糖、精製白糖、食塩及び酒石酸等が挙げられ、特に精製
白糖が好ましい。かかる核の配合量は特に限定されない
が、35〜75重量%が好ましく、45〜65重量%が
特に好ましい。
【0011】本発明のパズフロキサシン細粒剤に使用さ
れるショ糖脂肪酸エステルとしては、HLB値(Hydroph
ilic Lipophilic Balance)が3〜15のもの、特に3〜
7のものが好ましく、さらにHLB値が3のショ糖ステ
アリン酸エステルが好ましい。また、きめ細かい造粒を
行うために、このショ糖脂肪酸エステルは微粉砕された
ものであることが好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの配
合量は、3〜15重量%が好ましく、6〜8重量%が特
に好ましい。
【0012】本発明のパズフロキサシン細粒剤に使用さ
れるポリエチレングリコールとしては、平均分子量が2
600〜25000のものが好ましく、平均分子量73
00〜9300のものが特に好ましい。また、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンコポリマーとしては、
具体的には、ポリオキシエチレン[160]ポリオキシ
プロピレン[30]グリコールなどが挙げられる。ま
た、ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンコポリマーは、それぞれ単独で用い
ても、併用してもよく、また、溶融造粒で形成した粒子
の表面に被覆する際に用いられるため、分散・混合され
やすい粉末状のものであることが好ましい。ポリエチレ
ングリコール及び/又はポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンコポリマーの配合量は、溶出遅延防止効果の
点から、2〜10重量%が好ましく、3〜7重量%が特
に好ましい。
【0013】本発明のパズフロキサシン細粒剤に使用さ
れる崩壊剤としては、部分アルファー化デンプン(部分
α化デンプン)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビ
ドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカ
ルシウムなどが挙げられ、それらを一種または二種以上
組み合わせて使用してもよい。好ましいものとして、部
分α化デンプンが挙げられる。崩壊剤の配合量は、溶出
遅延防止効果の点から、5〜25重量%が好ましく、8
〜18重量%が特に好ましい。
【0014】本発明のパズフロキサシン細粒剤に使用さ
れる流動化剤としては、含水二酸化ケイ素及びタルクが
挙げられ、含水二酸化ケイ素がより好ましい。流動化剤
の配合量は、0.3〜3重量%が好ましく、0.75〜
1.5重量%が特に好ましい。
【0015】次に、本発明のパズフロキサシン細粒剤の
製造法について説明する。本発明のパズフロキサシン細
粒剤の製造法は、溶融造粒法が好ましい。すなわち、成
分(b)に成分(a)、(c)、(e)を加えて加熱す
ることにより粒子を形成し、さらに加熱しながら、その
粒子の表面に成分(d)を被覆し、冷却後、成分(f)
を添加することにより調製される。より詳細には、核
を、ジャケット付きの撹拌造粒機及び転動流動造粒乾燥
機などの造粒機に投入し、造粒機のジャケット温度をシ
ョ糖脂肪酸エステルの融点以上に設定して加熱、撹拌す
る。核を十分加温した後、パズフロキサシン、崩壊剤及
びショ糖脂肪酸エステルの混合物を徐々に投入する。こ
のときショ糖脂肪酸エステルが溶融し、核にパズフロキ
サシン及び崩壊剤が付着する。その後十分に造粒が進ん
だことを確認した後、造粒機にポリエチレングリコール
又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコ
ポリマーを徐々に投入する。このときポリエチレングリ
コール又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンコポリマーが溶融し、先の造粒物の表面に被覆され
る。十分に被覆が進んだことを確認した後、造粒機から
造粒物を排出し、徐冷しながら篩過する。この後、流動
化剤を添加し、混合して目的とするパズフロキサシン細
粒剤を得る。
【0016】
【実施例】以下に本発明を比較例、実施例及び試験例で
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0017】実施例1 転動流動造粒乾燥機(マルチプレックス MP-10:パウレ
ック製)に、精製白糖(シュクレーヌ30,80/10
0:塩水港製糖製)562.5gを投入し、撹拌しなが
ら加熱する(ジャケット温度を85℃に設定)。品温が
80℃に達した後、パズフロキサシン200g、部分α
化デンプン(PCS, PC-10:旭化成製)50g、クロスカ
ルメロースナトリウム(Ac-Di-sol:旭化成製)50g
およびショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエス
テルS-370F:三菱化成製)80gの混合したものを徐々
に投入する。その後十分に造粒が進んだことを確認した
後、次にジャケット温度設定は85℃のままで撹拌させ
ながら、造粒機にポリエチレングリコール(マクロゴー
ル6000P:日本油脂製)50gを徐々に投入する。十分
に被覆が進んだことを確認した後、造粒機から排出し、
徐冷しながら30M篩過する。得られた造粒物に含水二
酸化ケイ素(カープレックス♯80:塩野義製薬製)
7.5gを混合し、細粒剤を得た。
【0018】実施例2〜6 実施例1と同様の方法で表1に示す処方の細粒剤を得
た。
【0019】
【表1】
【0020】比較例1〜2 実施例1と同様の方法で表2に示す処方の細粒剤を得
た。
【0021】
【表2】
【0022】試験例1 実施例1および比較例1〜2の細粒剤を40℃,75%
RH(相対湿度)の条件下で3ヶ月保存したときの、各々
の溶出試験を行った。溶出試験条件はJP13溶出試験
法第2法に準じた。試験液には0.1M酢酸・酢酸ナト
リウム緩衝液を用い、回転数は75回転とした。細粒剤
0.5g、6試料につき試験を行い、試験開始10分後
における6試料の溶出率の平均値を求めた。製造時の溶
出率を100としたときの40℃,75%RH、3ヶ月保
存後の値を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3から明らかなように、成分(c)ショ
糖脂肪酸エステルに加えて、成分(e)崩壊剤と成分
(d)ポリオキシエチレングリコール又は/及びポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーの両者を
併用して得られる本発明のパズフロキサシン細粒剤は、
良好な溶出性が長期間にわたり維持されることがわか
る。
【0025】
【発明の効果】本発明のパズフロキサシン細粒剤は、パ
ズフロキサシンの溶出の遅延が防止され、安定した溶出
性を示す製剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/535 A61K 31/535 31/54 31/54 47/30 47/30 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)〜(f): (a)パズフロキサシン又はその塩、(b)核、(c)
    ショ糖脂肪酸エステル、(d)ポリエチレングリコール
    又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコ
    ポリマー、(e)崩壊剤、(f)流動化剤を含有するパ
    ズフロキサシン細粒剤。
  2. 【請求項2】 成分(b)が、50〜400μmに整粒
    又は造粒された粒子である請求項1記載のパズフロキサ
    シン細粒剤。
  3. 【請求項3】 成分(c)のHLB値が、3〜15であ
    る請求項1又は2記載のパズフロキサシン細粒剤。
  4. 【請求項4】 成分(d)が、ポリエチレングリコール
    である請求項1〜3のいずれか1項記載のパズフロキサ
    シン細粒剤。
  5. 【請求項5】 成分(e)が、部分アルファー化デンプ
    ン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
    シメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、クロス
    カルメロースナトリウム及びカルメロースカルシウムか
    ら選ばれる一種以上である請求項1〜4のいずれか1項
    記載のパズフロキサシン細粒剤。
  6. 【請求項6】 成分(f)が、含水二酸化ケイ素又はタ
    ルクである請求項1〜5のいずれか1項記載のパズフロ
    キサシン細粒剤。
  7. 【請求項7】 成分(b)に、成分(a)、(c)、
    (e)を加えて加熱することにより粒子を形成し、さら
    に加熱しながら、その粒子の表面に成分(d)を被覆
    し、冷却後、成分(f)を添加することにより調製され
    る請求項1〜6のいずれか1項記載のパズフロキサシン
    細粒剤。
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