JP4299384B2 - 溶出遅延防止細粒剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、速やかで安定した溶出特性を有する細粒剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
経口投与用の固形医薬製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などが広く用いられている。散剤のうち、粒度規格の厳密な細粒剤は、調剤が容易で、服用しやすいことから広く採用されている。
【0003】
細粒剤の造粒工程において、結合剤は、水溶液として用いられる場合が多い。そのため、製剤化の工程において水と接触することで、容易に水和物を生成したり、あるいは、加水分解等の化学的な分解を受けやすい薬物の造粒法として、乾式圧縮造粒法及び加熱により溶融する結合剤を用いて造粒する加熱撹拌造粒法(以下、溶融造粒)が知られている。
この溶融造粒において、結合剤としてショ糖脂肪酸エステル等のポリヒドロキシ化合物のエステルを用い得ることが知られている。(特表平2−502729号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶融造粒の結合剤にショ糖脂肪酸エステルを用いた場合、製造時の溶出性は良好であるが、経時的に溶出が遅延することが判明した。
【0005】
従って、本発明の目的は、ショ糖脂肪酸エステルを用い、溶融造粒法により造粒される固形製剤において、経時的に溶出性の低下しない細粒剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討した結果、核、薬物、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー及び流動化剤により調製される細粒剤は、経時による溶出の遅延が防止されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(a)〜(f):
(a)薬物(パズフロキサシン又はその塩を除く)、
(b)核、
(c)ショ糖脂肪酸エステル、
(d)ポリエチレングリコール又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、
(e)崩壊剤、
(f)流動化剤
を含有する、溶出の遅延が防止された細粒剤を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の細粒剤に配合される成分(a)の薬物としては、ヒト又は動物の疾患の予防又は治療を目的として用いられる薬物であれば特に限定されないが、製剤化の工程において水と接触することで、容易に水和物を生成したり、あるいは、加水分解等の化学的な分解を受けやすい薬効成分を用いるのがより好ましい。かかる薬物としては、キノロン系抗菌剤(パズフロキサシン又はその塩を除く)、β−ラクタム系抗菌剤、消炎鎮痛剤、中枢神経用薬が好ましい。
【0009】
キノロン系抗菌剤(パズフロキサシン又はその塩を除く)としては、具体的に、次の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【0010】
【化3】
【0011】
〔式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基又はアミノ基を;R2は、置換されていてもよいシクロアルキル、ビニル又は環状アミノ基を;R3は、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール又は複素環式基を;Aは、窒素原子又はC−R4(式中、R4は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキルもしくはアルコキシ基、またはR3と一緒になって式;
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R5は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルキリデン基およびR5と結合する炭素原子とともにシクロアルカン環を形成する基から選ばれる一つ以上の基を;Dは、酸素原子、硫黄原子又は置換されていてもよいイミノ基を示す。)で表される基を;Bは、窒素原子又はC−X(式中、Xは、水素原子又はハロゲン原子を示す。)をそれぞれ示す。〕で表されるピリドンカルボン酸又はその塩(パズフロキサシン又はその塩を除く)が挙げられる。
【0014】
一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、D及びXの各記号において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル及びオクチルなどの直鎖状又は分岐鎖状C1−12アルキル基が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘプテニル及びオクテニルなどの直鎖状又は分岐鎖状C2−12アルケニル基が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ及びオクチルオキシなどの直鎖状又は分岐鎖状C1−12アルキルオキシ基が挙げられる。アリール基としては、フェニル及びナフチルが挙げられる。アルアルキル基としては、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル及びフェネチルなどが挙げられる。ハロゲノアルキル基としては、クロロメチル、ジクロロメチル、クロロエチル、ブロモエチル、クロロプロピル及びクロロオクチルなどのハロゲン原子が置換した直鎖状又は分岐鎖状C1−12アルキル基が挙げられる。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、オクチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ及びメチルエチルアミノなどの直鎖状又は分岐鎖状モノ−もしくはジ−C1−12アルキルアミノ基が挙げられる。アシル基としては、ホルミル基、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどのC2−12アルカノイル基およびベンゾイルもしくはナフトイルなどのアロイル基が挙げられる。アルキリデン基としては、メチレン、エチリデン、プロピリデン及びイソプロピリデンなどのC1−6アルキリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなどのC3−6シクロアルキル基が挙げられる。シクロアルカン環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロプロパン及びシクロペンタンなどのC3−6シクロアルカン環が挙げられる。
【0015】
複素環式としては、該環を形成する異項原子として酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1つ以上の異項原子を含む5員もしくは6員またはそれらの縮合環である、フリル、ピロニル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ピリジル、キノリル、ピリミジニル及びモルホニルなどが挙げられる。環状アミノ基としては、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホニル及び1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクチル、5−アザスピロ[2.4]ヘプチル、2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、1,4−ジアゼピン及びヘキサヒドロアゼピンなどの4〜10員環状アミノ基が挙げられる。
【0016】
アルアルキルオキシ基としては、アルアルキル−O−基(アルアルキルは、上記のアルアルキル基と同じ。)が挙げられ、アルアルキルオキシカルボニル基としては、アルアルキルオキシ−CO−基(アルアルキルオキシは、上記のアルアルキルオキシ基と同じ。)が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、アルコキシ−CO−基(アルコキシは、上記のアルコキシ基と同じ。)が挙げられ、アルコキシカルボニルアミノ基としては、アルコキシ−CO−NH−基(アルコキシは、上記のアルコキシ基と同じ。)が挙げられ、アシルアルキル基とは、上記したアシル基が置換したアルキル基(アルキル基は、上記のアルキル基と同じ。)が挙げられる。
【0017】
一般式(1)中、R2、R3、R4、R5及びDの各記号における、シクロアルキル基、ビニル基、環状アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、複素環式基及びイミノ基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアルキル基、アシル基、アルアルキルオキシカルボニル基、アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基及びテトラピラニルオキシ基などから選ばれる基が挙げられる。
【0018】
また、一般式(1)で表される化合物においては、各種異性体、水和物が存在するが、これらはいずれも本発明に用いられる。
【0019】
薬物として具体的には、キノロン系抗菌剤としては、例えば、ナリジクス酸、ピロミド酸、シノキサシン、エノキサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、スパフロキサシン、ナジフロキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、プルリフロキサシン、スピフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、AT−4140、OPC−17116、CS−940、HSR−903、SS732、SS734、WQ−2128、WQ−2756、WQ−2765、T−3811並びに国際公開WO96/05192、同WO97/29102および特願平9−227619号に記載の化合物などが挙げられる。
【0020】
β−ラクタム剤としては、例えば、アンピシリン、アモキシシリン、スルタミシリンなどのペニシリン;セファクロル、セフジニル、セフポドキシム・プロキセチル、セフィキシム、セフォチアム・ヘキシル、セフロキサジン、セフロキシム・アキセチル、セファドロキシル、セフチブテン、セフジトレン・ピボキシルなどのセファロスポリンが挙げられる。
【0021】
消炎鎮痛剤としては、例えば、ピロキシカム、アンピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム及びロルノキシカムなどのオキシカム系抗炎症剤が挙げられる。
【0022】
中枢神経用薬としては、例えば、ジアゼパム、ブロチゾラム、トリアゾラム、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ニトラゼパム、ゾピクロン、リルマザホン、フェノバルビタールなどの催眠鎮静剤・抗不安剤;クロナゼパム、ゾニサミド、バルプロ酸などの抗てんかん剤;ドロキシドパ、レオドパ、メシル酸ブロモクリプチンなどの抗パーキンソン剤;ブロムペリドール、ハロペリドール、ゾラピン、モサプラミン、スルピリド、チミペロン、クロルプロマジンなどの精神神経用剤;イデベノン、チアプリド、タクリン、ドネベジルなどが挙げられる。
【0023】
かかる薬物の配合量は特に制限されないが、0.1〜40重量%が好ましく、10〜20重量%が特に好ましい。また、薬物は、塩の形態でも使用でき、薬物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。塩基性基における塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩が、酸性基における塩としては、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などの薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0024】
本発明の細粒剤に使用される核としては、その大きさが50〜400μm、好ましくは、150〜250μmに整粒若しくは造粒された、結晶セルロース、乳糖・結晶セルロース、結晶乳糖、精製白糖、食塩及び酒石酸等が挙げられ、特に精製白糖が好ましい。かかる核の配合量は特に限定されないが、35〜75重量%が好ましく、45〜65重量%が特に好ましい。
【0025】
本発明の細粒剤に使用されるショ糖脂肪酸エステルとしては、HLB値(Hydrophilic Lipophilic Balance)が3〜15のもの、特に3〜7のものが好ましく、さらにHLB値が3のショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。また、きめ細かい造粒を行うために、このショ糖脂肪酸エステルは微粉砕されたものであることが好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの配合量は、3〜15重量%が好ましく、6〜8重量%が特に好ましい。
【0026】
本発明の細粒剤に使用されるポリエチレングリコールとしては、平均分子量が2600〜25000のものが好ましく、平均分子量7300〜9300のものが特に好ましい。また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーとしては、具体的には、ポリオキシエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グリコールなどが挙げられる。また、ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーは、それぞれ単独で用いても、併用してもよく、また、溶融造粒で形成した粒子の表面に被覆する際に用いられるため、分散・混合されやすい粉末状のものであることが好ましい。
ポリエチレングリコール及び/又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーの配合量は、溶出遅延防止効果の点から、2〜10重量%が好ましく、3〜7重量%が特に好ましい。
【0027】
本発明の細粒剤に使用される崩壊剤としては、部分アルファー化デンプン(部分α化デンプン)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムなどが挙げられ、それらを一種または二種以上組み合わせて使用してもよい。好ましいものとして、部分α化デンプンが挙げられる。
崩壊剤の配合量は、溶出遅延防止効果の点から、5〜25重量%が好ましく、8〜18重量%が特に好ましい。
【0028】
本発明の細粒剤に使用される流動化剤としては、含水二酸化ケイ素及びタルクが挙げられ、含水二酸化ケイ素がより好ましい。
流動化剤の配合量は、0.3〜3重量%が好ましく、0.75〜1.5重量%が特に好ましい。
【0029】
次に、本発明の細粒剤の製造法について説明する。
本発明の細粒剤の製造法は、溶融造粒法が好ましい。すなわち、成分(b)に成分(a)、(c)、(e)を加えて加熱することにより粒子を形成し、さらに加熱しながら、その粒子の表面に成分(d)を被覆し、冷却後、成分(f)を添加することにより調製される。より詳細には、核を、ジャケット付きの撹拌造粒機及び転動流動造粒乾燥機などの造粒機に投入し、造粒機のジャケット温度をショ糖脂肪酸エステルの融点以上に設定して加熱、撹拌する。核を十分加温した後、薬物、崩壊剤及びショ糖脂肪酸エステルの混合物を徐々に投入する。このときショ糖脂肪酸エステルが溶融し、核に薬物及び崩壊剤が付着する。その後十分に造粒が進んだことを確認した後、造粒機にポリエチレングリコール又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーを徐々に投入する。このときポリエチレングリコール又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーが溶融し、先の造粒物の表面に被覆される。十分に被覆が進んだことを確認した後、造粒機から造粒物を排出し、徐冷しながら篩過する。この後、流動化剤を添加し、混合して目的とする細粒剤を得る。
【0030】
【実施例】
以下に本発明を比較例、実施例及び試験例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
実施例1
転動流動造粒乾燥機(マルチプレックスMP−10:パウレック製)に、精製白糖(シュクレーヌ30,80/100:塩水港製糖製)662.5gを投入し、撹拌しながら加熱する(ジャケット温度を85℃に設定)。品温が80℃に達した後、トスフロキサシン100g、部分α化デンプン(PCS,PC−10:旭化成製)50g、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−sol:旭化成製)50g、及びショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS−370F:三菱化成製)80gの混合したものを徐々に投入する。その後十分に造粒が進んだことを確認した後、次にジャケット温度設定は85℃のままで撹拌させながら、造粒機にポリエチレングリコール(マクロゴール6000P:日本油脂製)50gを徐々に投入する。十分に被覆が進んだことを確認した後、造粒機から排出し、徐冷しながら30M篩過する。得られた造粒物に含水二酸化ケイ素(カープレックス♯80:塩野義製薬製)7.5gを混合し、細粒剤を得た。
【0032】
実施例2
トスフロキサシンの代わりにシプロフロキサシンを用い、実施例1と同様にしてシプロフロキサシンの細粒剤を得た。
【0033】
実施例3
トスフロキサシンの代わりにアンピロキシカムを用い、実施例1と同様にしてアンピロキシカムの細粒剤を得た。
【0034】
実施例4
転動流動造粒乾燥機(マルチプレックスMP−10:パウレック製)に、精製白糖(シュクレーヌ30,80/100:塩水港製糖製)582.5gを投入し、撹拌しながら加熱する(ジャケット温度を85℃に設定)。品温が80℃に達した後、ピロキシカム100g、部分α化デンプン(PCS,PC−10:旭化成製)180g、及びショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS−370F:三菱化成製)80gの混合したものを徐々に投入する。その後十分に造粒が進んだことを確認した後、次にジャケット温度設定は85℃のままで撹拌させながら、造粒機にポリエチレングリコール(マクロゴール6000P:日本油脂製)50gを徐々に投入する。十分に被覆が進んだことを確認した後、造粒機から排出し、徐冷しながら30M篩過する。得られた造粒物に含水二酸化ケイ素(カープレックス♯80:塩野義製薬製)7.5gを混合し、細粒剤を得た。
【0035】
比較例1
転動流動造粒乾燥機(マルチプレックスMP−10:パウレック製)に、精製白糖(シュクレーヌ30,80/100:塩水港製糖製)712.5gを投入し、撹拌しながら加熱する(ジャケット温度を85℃に設定)。品温が80℃に達した後、トスフロキサシン100g、部分α化デンプン(PCS,PC−10:旭化成製)50g、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−sol:旭化成製)50g、及びショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS−370F:三菱化成製)80gの混合したものを徐々に投入する。その後十分に造粒が進んだことを確認した後造粒機から排出し、徐冷しながら30M篩過する。得られた造粒物に含水二酸化ケイ素(カープレックス♯80:塩野義製薬製)7.5gを混合し、細粒剤を得た。
【0036】
比較例2
トスフロキサンの代わりにアンピロキシカムを用い、比較例1と同様の方法で細粒剤を得た。
【0037】
比較例3
転動流動造粒乾燥機(マルチプレックスMP−10:パウレック製)に、精製白糖(シュクレーヌ30,80/100:塩水港製糖製)632.5gを投入し、撹拌しながら加熱する(ジャケット温度を85℃に設定)。品温が80℃に達した後、ピロキシカム100g、部分α化デンプン(PCS,PC−10:旭化成製)180g、及びショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS−370F:三菱化成製)80gの混合したものを徐々に投入する。その後十分に造粒が進んだことを確認した後、造粒機から排出し、徐冷しながら30M篩過する。得られた造粒物に含水二酸化ケイ素(カープレックス♯80:塩野義製薬製)7.5gを混合し、細粒剤を得た。
【0038】
試験例1
実施例1及び比較例1の細粒剤を50℃の条件下で1ヶ月保存したときの、各々の溶出試験を行った。溶出試験条件はJP13溶出試験法第2法に準じた。試験液にはJP13第1液を用い、回転数は50回転とした。
細粒剤0.5g、3試料につき試験を行い、試験開始15分後における3試料の溶出率の平均値を求めた。製造時の溶出率を100としたときの50℃,1ヶ月保存後の値を表1示す。
【0039】
【表1】
【0040】
試験例2
実施例3、4及び比較例2、3の細粒剤を50℃の条件下で1ヶ月保存したときの、各々の溶出試験を行った。溶出試験条件はJP13溶出試験法第2法に準じた。試験液にはJP13第1液を用い、回転数は50回転とした。
細粒剤0.5g、3試料につき試験を行い、試験開始30分後における3試料の溶出率の平均値を求めた。製造時の溶出率を100としたときの50℃,1ヶ月保存後の値を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
表1及び2から明らかなように、成分(c)ショ糖脂肪酸エステルに加えて、成分(e)崩壊剤と成分(d)ポリオキシエチレングリコール又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーの両者を併用して得られる本発明の細粒剤は、良好な溶出性が長期間にわたり維持されることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の細粒剤は、薬物の溶出の遅延が防止され、安定した溶出性を示す製剤である。
Claims (10)
- 次の成分(a)〜(f):
(a)薬物(パズフロキサシン又はその塩を除く)、
(b)核、
(c)ショ糖脂肪酸エステル、
(d)ポリエチレングリコール又は/及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、
(e)崩壊剤、
(f)流動化剤
を含有し、成分(d)が表面に被覆した、溶出の遅延が防止された細粒剤。 - 成分(a)が、キノロン系抗菌剤(パズフロキサシン又はその塩を除く)、β−ラクタム系抗菌剤、消炎鎮痛剤又は中枢神経用薬である請求項1記載の細粒剤。
- 成分(a)が、次の一般式(1)
- 成分(a)が、オキシカム系抗炎症剤である請求項1又は2記載の細粒剤。
- 成分(b)が、50〜400μmに整粒又は造粒された粒子である請求項1〜4のいずれか1項記載の細粒剤。
- 成分(c)のHLB値が、3〜15である請求項1〜5のいずれか1項記載の細粒剤。
- 成分(d)が、ポリエチレングリコールである請求項1〜6のいずれか1項記載の細粒剤。
- 成分(e)が、部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルメロースカルシウムから選ばれる一種以上である請求項1〜7のいずれか1項記載の細粒剤。
- 成分(f)が、含水二酸化ケイ素又はタルクである請求項1〜8のいずれか1項記載の細粒剤。
- 成分(b)に、成分(a)、(c)、(e)を加えて加熱することにより粒子を形成し、さらに加熱しながら、その粒子の表面に成分(d)を被覆し、冷却後、成分(f)を添加することにより調製される請求項1〜9のいずれか1項記載の細粒剤。
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