JPH1099344A - マチ付き覆布の連続製造方法 - Google Patents

マチ付き覆布の連続製造方法

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JPH1099344A
JPH1099344A JP8254953A JP25495396A JPH1099344A JP H1099344 A JPH1099344 A JP H1099344A JP 8254953 A JP8254953 A JP 8254953A JP 25495396 A JP25495396 A JP 25495396A JP H1099344 A JPH1099344 A JP H1099344A
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Atsushi Aida
淳 合田
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育雄 橘
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長方形の覆布に対して、マチの取り付け工程
を工夫することによって、マチ付き覆布を簡単に連続高
速製造する方法を提供する。 【解決手段】 立体的なマチ付き覆布の製造方法であっ
て、(a)長手方向に走行する長尺シートの手術台幅に
相当する中央帯部を除く両側方部に、直角二等辺三角形
状の2枚のマチ用部材を、該二等辺三角形の底辺が長尺
シートの端縁に沿わせるように前記二等辺三角形の頂点
からその底辺に向かう垂線部を長尺シートの前記両側方
部の幅方向に合わせて接着する工程、(b)接着された
マチ用部材と長尺シートの両方を、マチ用部材の三角形
の前記垂線上に沿って、前記頂点を超えないように切断
する工程、(c)前記工程(b)で互いに切り離された
両マチ用部材のいずれか一方を折り返して他方に重ね、
両マチ用部材の斜辺同士を接着する工程、および(d)
前記長尺シートを所定間隔で切り離して個々のマチ付き
覆布を製造する工程を含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マチ付きの覆布を
連続的に効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、手術の際には、手術部位のみ
が露出するように切欠きが設けられた覆布(手術用ドレ
ープ)を患者の体にかぶせ、覆布を手術台の下方に垂ら
すことによって、清潔野と不潔野が隔てられる。頭部の
手術以外の場合は、麻酔医が患者の頭部側に位置し、患
者の顔色や容態をチェックするため、患者の頭部は覆布
には覆われない。通常は、手術台にアーチ部が設けら
れ、覆布をこのアーチ部に引っ掛けることによって、患
者の頭部と胴体を隔てる壁としている。従って、このよ
うな覆布は、単なる一枚の長方形のシートではなく、直
立部と手術台の下方側部の間にマチが設けられている。
すなわち、図1に示したように、覆布1は、直立部10
と、手術台上の患者(図示しない)を覆う覆い部12
と、覆い部から手術台の両側を覆うように下垂する側部
手術台の両側を覆う側部11だけではなく、直立部10
の幅方向両下端11aと前記側部11との間に正方形の
マチ13が設けられ、患者の首部から上方部分と下方の
胴体部分を隔てる壁(直立部11)を形成すると共に、
医者が手術台に隣接して立っても覆布が邪魔にならない
ように、覆布側部11がひきつることなく手術台の両側
へ下垂するようになっている。
【0003】ところで、上記したような立体的な形状で
あるマチ付き覆布を製造する方法としては、例えば実開
昭60−104114号には、長方形のシートに直線状
またはL字形の切り込みを入れ、縫製技術の応用によっ
てマチ布を取り付けることが開示されており、また特開
昭64−40042号には、2枚の長方形のシートをT
字形に重ねて接合することによってマチ付きの覆布を製
造することが開示されている。しかしながら、いずれの
方法も、高速で製造するには不適当な形態および製造方
法であり、覆布のコスト高につながるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、長
方形の覆布に対するマチの取り付け工程を工夫すること
によって、マチ付き覆布を簡単に連続高速製造する方法
を提供することを課題として掲げたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、手術台上の患
者を首部より上方および下方に仕切るように手術台幅方
向に形成される直立部と、手術台上の患者を覆う覆い
部、覆い部から手術台の両側を覆うように下垂する側部
からなり、かつ前記直立部の幅方向両下端と前記側部と
の間に正方形のマチが設けられた立体的なマチ付き覆布
の製造方法であって、(a)長手方向に走行する長尺シ
ートの手術台幅に相当する中央帯部を除く両側方部に、
直角二等辺三角形状の2枚のマチ用部材を、該二等辺三
角形の底辺が長尺シートの端縁に沿わせるように前記二
等辺三角形の頂点からその底辺に向かう垂線部を長尺シ
ートの前記両側方部の幅方向に合わせて接着する工程、
(b)接着されたマチ用部材と長尺シートの両方を、マ
チ用部材の三角形の前記垂線上に沿って、前記頂点を超
えないように切断する工程、(c)前記工程(b)で互
いに切り離された両マチ用部材のいずれか一方を折り返
して他方に重ね、両マチ用部材の斜辺同士を接着する工
程、および(d)前記長尺シートを所定間隔で切り離し
て個々のマチ付き覆布を製造する工程を含むところに要
旨を有するものである。手術部位を露出するための切欠
き部を覆い部に形成する工程を含むことは本発明法の好
ましい実施態様である。
【0006】本発明法は、正方形のマチを覆布に取り付
けるにあたり、マチと同面積の直角二等辺三角形を長尺
シート上へ部分接着し、さらに該直角二等辺三角形を2
つの二等辺三角形へ切り離し、これらの斜辺同士を接着
するという簡単な工程の採用によって、立体的なマチ付
き覆布を煩雑な工程を経ることなく連続的に高速生産す
ることができるようになった。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
製造方法の実施形態に付いて説明する。まず、本発明に
おいて製造されるマチ付きの覆布とは、前記図1に示し
たように、手術台上の患者を首部より上方および下方に
仕切るように手術台幅方向に形成される直立部10と、
手術台上の患者を覆う覆い部12、覆い部から手術台の
両側を覆うように下垂する側部11からなり、直立部1
0の幅方向両下端11aと前記側部11との間に、正方
形のマチ13,13が設けられた立体的なマチ付き覆布
1である。
【0008】図2および図3には、図1の覆布の斜視図
および平面図を示した。なお、図1と図2は、上下方向
は同じであるが、図3では覆布を下から見た(マチを上
面にした)図であり、図1および図2とは上下が逆にな
っている。図3の13がマチの部分であり、本発明法で
は、覆布1の側部11に、直立部幅方向下端11aに沿
って、別部材の2枚のマチを取り付けるところに特徴を
有する。図3に示すように、側部11と覆い部12は、
仮想線P1 ,P2 によって区分けされ、覆い部12の幅
は、手術台幅に相当することになる。覆布の長さや幅は
手術の部位に応じて適宜変更されるため特に限定されな
いが、本発明の製造方法の対象となるマチ付き覆布の場
合は、一般的には長さ2.0〜4.0m程度であり、幅
は1.5〜2.5m程度である。手術台の幅は約60〜
80cmであるので、覆い部の幅を手術台の幅に相当さ
せ、マチの大きさを設定するとよい。
【0009】本発明法では、(a)長手方向に走行する
長尺シートの手術台幅に相当する中央帯部を除く両側方
部に、直角二等辺三角形状の2枚のマチ用部材を、該二
等辺三角形の底辺が長尺シートの端縁に沿わせるように
前記二等辺三角形の頂点からその底辺に向かう垂線部を
長尺シートの前記両側方部の幅方向に合わせて接着する
工程、(b)接着されたマチ用部材と長尺シートの両方
を、マチ用部材の三角形の前記垂線上に沿って、前記頂
点を超えないように切断する工程、(c)前記工程
(b)で互いに切り離された両マチ用部材のいずれか一
方を折り返して他方に重ね、両マチ用部材の斜辺同士を
接着する工程、および(d)前記長尺シートを所定間隔
で切り離して個々のマチ付き覆布を製造する工程を必須
工程として含むものである。それぞれの工程をさらに詳
しく説明する。
【0010】図4には、工程(a)を実施するための一
例の説明図を示した。図4(a1)では、矢印で示した
長手方向に向かって搬送手段により走行する長尺シート
部材S上に、マチ用部材を接着するための接着域2が、
個々の覆布としたときの直立部下端11aに相当する線
上にほぼ線対称に設けられる。このとき、接着域2は、
長尺シートの手術台幅に相当する中央帯部(覆い部12
に相当する)を除く両側方部(側部11に相当する)
に、長尺シートの幅方向端縁から中央帯部へ向かって延
びるように中央帯部に達するまで設けられる。接着域2
は、例えばホットメルト接着剤を、接着域2の全面に塗
布するか、またはドット状、スパイラル状、網状等の間
欠塗布によって形成される。
【0011】図4(a2)は、図4(a1)で形成され
た接着域2上に、2枚の直角二等辺三角形状のマチ用部
材13,13を接着する工程である。この直角二等辺三
角形は、設けるべき正方形のマチと同面積であり、該三
角形の垂線132が正方形の一辺と同じ長さとなってい
る。マチ用部材13は、直角二等辺三角形の底辺を長尺
シートの端縁S1 に沿わせながら、二等辺三角形の頂点
からその底辺に向かう垂線(132)部を長尺シートの
前記両側方部の幅方向に合わせ、上記接着域2の対称軸
11aと三角形の垂線132がほぼ重なるように、接着
される。実操業上は、別ラインで作製したマチ用部材を
真空ドラム等で吸引しながら、走行する長尺シート上の
所定位置(接着剤2上)に載置する等の方法を採用する
ことができる。
【0012】工程(a)は、図4において示した例だけ
でなく、マチ用部材に予め接着剤を塗布しておく方法、
マチ用部材と長尺シートを重ねてからヒートシールや超
音波溶着する方法等が挙げられる。いずれの方法におい
ても、接着域の全幅を0.5〜3cm程度とすると、マ
チを強固にかつ美麗に取り付けることができるため好ま
しい。
【0013】図5には、工程(b)の説明図を示した。
工程(a)でマチ用部材の垂線近傍において接着された
長尺シートSとマチ用部材13の両方を、この工程
(b)では、垂線132に沿った切断線C上で切断す
る。切断線Cは、マチ用部材13の頂点を超えないよう
に、かつマチ用部材13のほぼ頂点付近まで達するよう
に設ける。マチ用部材の頂点を超えてしまうと、長尺シ
ートが切断されて、覆い部に開口部ができてしまうた
め、好ましくない。なお、切断線Cの内端がマチ用部材
の頂点にちょうど達していなくても、後工程でマチ用部
材の斜辺近傍を接着するのでマチの作製は可能である。
この切断工程は、前記工程(a)においてヒートシール
や超音波溶着を採用する際には、接着と同時に行っても
よい。
【0014】図6には、工程(c)の説明図を示した。
工程(c)では、前記工程(b)において半分に切り離
された(13a,13b)マチ用部材のいずれか一方を
他方の上に折り返して重ね、両マチ用部材を接着する。
図6の図中下方のマチ用部材においては、切り離された
マチ用部材のうち図右側の13aとして示した部材の斜
辺133に接着域21を設け、もう一方の部材13bを
折り返し、13a上に重ね、両者を斜辺133,134
に沿って接着している。図6の上方のマチは、接着後の
状態である。折り返すマチ用部材は、13a,13bの
いずれでもよいが、走行方向側の13aであれば、ガイ
ド等を長尺シートとマチ用部材の間に挟み入れ、走行さ
せながら同時に折り返すことが容易である。
【0015】図7には、でき上ったマチ部の拡大図を示
した。切断線Cに沿って2つに切り離されたマチ用部材
13a,13bは、それぞれ接着域2のところで長尺シ
ートSに接着されており、また両者は重ね合わされて斜
辺133,134のところで接着されているので、この
マチ部を広げると、斜辺133,134が正方形の対角
線に相当する正方形状のマチ部になるのである。なお、
マチ用部材13aの折り返し線は、厳密には、工程
(a)で形成した接着域2の外端縁となるので、斜辺1
34の方に接着域を形成するときには、斜辺より若干内
側に接着域を設けることが好ましい。マチ部が形成され
た後は、所定間隔で長尺シートを切り離せば、個々の覆
布を製造することができる…工程(d)。
【0016】本発明法では、患部に合わせて覆布の覆い
部に手術部位を露出するための切欠き部を形成する工程
を組合せることもできる。覆布材料としては、使い捨て
を前提として安価な不織布であることが好ましく、中で
も、肌ざわりの良いクロスライクなスパンレース不織布
やSMS不織布(スパンボンド−メルトブローン−スパ
ンボンド)等や、液不透過性のプラスチックフィルムと
これらの不織布を積層したシート状物が利用できる。ヒ
ートシールで接着を行うときは、熱可塑性樹脂素材を選
択するとよい。また、マチ用部材と長尺シートが異なる
部材であってもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明の製造方法は、正方形のマチが設
けられた立体的なマチ付き覆布を簡単に製造することが
できるので、高速連続製造が可能になり、マチ付き覆布
を安価に提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】マチ付き覆布の使用状態を示す斜視説明図であ
る。
【図2】図1に示す覆布の未使用状態の斜視説明図であ
る。
【図3】マチ付き覆布の平面図である。
【図4】本発明法の工程(a)の一例を示す説明図であ
る。
【図5】本発明法の工程(b)の一例を示す説明図であ
る。
【図6】本発明法の工程(c)の一例を示す説明図であ
る。
【図7】本発明法によって製造されたマチ部の拡大図で
ある。
【符号の説明】
1 マチ付き覆布 2 接着域 10 直立部 11 側部 11a 直立部幅方向下端 12 覆い部 13 マチ用部材 13a,13b 切断後のマチ用部材 21 接着域 131 底辺 132 垂線 133,134斜辺 S 長尺シート S1 長尺シート幅方向端縁 C 切断線 P1 ,P2 覆い部と側部を分ける仮想線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手術台上の患者を首部より上方および下
    方に仕切るように手術台幅方向に形成される直立部、手
    術台上の患者を覆う覆い部、覆い部から手術台の両側を
    覆うように下垂する側部からなり、かつ前記直立部の幅
    方向両下端と前記側部との間に正方形のマチが設けられ
    ている立体的なマチ付き覆布の製造方法であって、 (a)長手方向に走行する長尺シートの手術台幅に相当
    する中央帯部を除く両側方部に、直角二等辺三角形状の
    2枚のマチ用部材を、該二等辺三角形の底辺が長尺シー
    トの端縁に沿わせるように前記二等辺三角形の頂点から
    その底辺に向かう垂線部を長尺シートの前記両側方部の
    幅方向に合わせて接着する工程、 (b)接着されたマチ用部材と長尺シートの両方を、マ
    チ用部材の三角形の前記垂線上に沿って、前記頂点を超
    えないように切断する工程、 (c)前記工程(b)で互いに切り離された両マチ用部
    材のいずれか一方を折り返して他方に重ね、両マチ用部
    材の斜辺同士を接着する工程、および (d)前記長尺シートを所定間隔で切り離して個々のマ
    チ付き覆布を製造する工程を含むことを特徴とするマチ
    付き覆布の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 手術部位を露出するための切欠き部を覆
    い部に形成する工程を含むものである請求項1に記載の
    連続製造方法。
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