JPH1098951A - 農業用マルチ資材及びその敷設方法 - Google Patents

農業用マルチ資材及びその敷設方法

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JPH1098951A
JPH1098951A JP27552596A JP27552596A JPH1098951A JP H1098951 A JPH1098951 A JP H1098951A JP 27552596 A JP27552596 A JP 27552596A JP 27552596 A JP27552596 A JP 27552596A JP H1098951 A JPH1098951 A JP H1098951A
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JP
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water
ridge
soil
film
holes
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JP27552596A
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Inventor
Shoichi Ishimoto
正一 石本
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ISHIMOTO NOUGIKEN KK
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ISHIMOTO NOUGIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルチフィルムのようなマルチ資材で被覆され
た畦面に降った雨水を、片寄ることなく被覆下畦内に徐
々に取り込んで雨水の有効利用をはかり、マルチ資材下
面の土壌の乾燥を防止し、地温が過度に上昇することを
抑制することにより、植物の栽培を良好に行い、またマ
ルチ資材及びその下面の土壌の散失を防止できる農業用
マルチ資材及びその敷設方法を提供すること。 【解決手段】本発明の農業用マルチ資材は、マルチフィ
ルム1のようなマルチ資材の片面に、底面51と壁面5
2からなる水溜部5を複数設け、水溜部5の各々の少な
くとも底面51に複数の通水孔6を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用マルチ資材
及びその敷設方法に関し、詳しくはマルチフィルムのよ
うなマルチ資材で被覆された畦面に降った雨水を、片寄
ることなく被覆下畦内に徐々に取り込んで雨水の有効利
用をはかり、また雨水による畦間の土壌の流亡を防止で
きる農業用マルチ資材及びその敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多くの農作物(米、麦、トウモロ
コシを始め、野菜、花卉、果樹等)の栽培に、マルチ資
材として一般的なマルチフィルムを用いたマルチ栽培が
行われている。かかるマルチ栽培によって、土中水分保
持、土壌膨軟性の保持、肥料流亡防止、地温の上昇と抑
制、初期成育の促進、初期収量の増加、生産の多収安定
化等の諸効果が達成される。
【0003】一方、近年、耕作地の土壌条件の悪化が問
題となっている。即ち、雨量が多い場合には、排水不良
のため耕土は冠水して水没し、逆に無降雨が続くと土壌
は乾燥し、灰化してしまう状態である。このように「水
はけ」(透水性)が悪く、「水もち」(保水性)の悪い
土壌は、風雨による土壌流出の問題もあり、わが国のみ
ならず米国や他の国でも問題視している。
【0004】元来、わが国は、透水性及び保水性に優れ
た火山灰土性の黒ぼく土を有していた。黒ぼく土は、古
生化植物の根によって形成された根成孔隙(円管状孔
隙)を有しているため、排水性がよく、しかも保水性も
よくわが国の農業に最適の土壌である。しかし、黒ぼく
土を有するわが国でも上述したような透水性及び保水性
の悪い土壌が蔓延しているという原因は、本発明者は大
型農耕機械とロータリー耕法の浸透及び普及によるもの
と考えている。
【0005】大型機械によって行うロータリー耕法は、
土壌の深耕、反転、粉砕を行うもので、その結果、大型
農耕機械のような重量物が耕作地の上を走り回り、地表
から約30〜50cmの地下に堅固な耕盤層を造成してしまう
のである。
【0006】耕盤の上層にある表層土が反転、粉砕され
ると、黒ぼく土壌に造成されていた動植物遺体腐植によ
り構成された団粒構造は完全に壊壊され、固い耕盤層と
の間に大きな孔隙を持つ土壌が作り出される。
【0007】このようにして耕作された土壌は、上層で
は孔隙が大きいため、排水性は良いが保水性は悪く、上
下及び横方向の毛管作用はほとんど働かず、雨が降って
もほとんどの水分が上層を通過してしまう。逆に下層の
踏み固められた土壌では植成孔隙を押しつぶし、非常に
僅かな孔隙になっているので、上層からの水分の透水浸
透が困難となり上層との間に水を停滞させる結果を現出
させ、現作物の根の活性化を阻害する。
【0008】上層と下層の土壌の孔隙が大きく異なるた
めに、両者間での水の移動、即ち毛管現象による地中深
部(耕盤より深いところ)からの水分移動はほとんど断
絶した状態となり、土壌環境はますます悪化する現状と
なっている。
【0009】このような土壌でマルチフィルムによるマ
ルチ栽培を行っている現状を見ると、図3に示すよう
に、雨水や供給された水(矢符W1)の大部分は、マル
チフィルム91の表面を伝わってフィルムが敷設されて
いない部位(マルチフィルムとマルチフィルムの間の通
路)の土壌面92から土壌層内部に侵入していくが、土
壌の上層95は、上述したように孔隙の大きな土壌なの
で、水分は上層95に保持されずに、速やかに下降し
(矢符W2)、土壌下層96の固い耕盤との境目にまで
移動してしまう。また、畦間を流れる雨水等は大切な耕
土を流失させているのが実情である。畦を構成する土壌
が上記のように毛管作用が働かないことから、畦間を流
れる雨水等を横移動させて畦内に移動させることは不可
能に近いのが現状である。
【0010】雨水等の一部は植物93の植生孔94から
土壌層内部に侵入していくが、前述したように、水分は
上層95に保持されずに、速やかに下降し(矢符W
2)、土壌下層96の固い耕盤との境目にまで移動して
しまう。
【0011】上層95と下層96との間では毛管現象に
よる水分移動はほとんど断絶した状態であるので、植物
体が利用し得る水分、即ち土壌孔隙が保持する水分の確
保ができない。
【0012】従って、マルチフィルム下面の土壌は乾燥
し、地温は過度に上昇するので、植物栽培に非常に悪影
響を与える問題があった。
【0013】また、前記のマルチフィルムとそれに隣接
するマルチフィルムの間の通路の土壌面92を流れる水
を有効に利用しようとして、該通路に堰を設けることも
考えられるが、上層の土壌は孔隙が粗いために、水が土
壌下層96の固い耕盤との境目にまでただちに移動し
て、耕盤でせき止められた水は土中空気を追い出し、こ
れがマルチフィルム下に入り、フィルムを膨らます状態
となって、フィルム押えをゆるめ、たるませ、結果とし
てマルチフィルムや表層土が風で飛びやすくなる問題が
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、マ
ルチフィルムのようなマルチ資材で被覆された畦面に降
った雨水を、片寄ることなく被覆下畦内に徐々に取り込
んで雨水の有効利用をはかり、マルチ資材下面の土壌の
乾燥を防止し、地温が過度に上昇することを抑制するこ
とにより、植物の栽培を良好に行い、またマルチ資材及
びその下面の土壌の散失を防止できる農業用マルチ資材
及びその敷設方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明に係る農業用マルチ資材は、マルチ資材の片面に、底
面と壁面からなる水溜部を複数設け、該水溜部の各々の
少なくとも底面に複数の通水孔を有することを特徴とす
る。
【0016】好ましい態様としては、マルチ資材がマル
チフィルムであり、該フィルムの成形の段階に水溜部を
設けることであり、また、マルチ資材の面に列状に点在
してなる植生孔の片側又は両側に沿って、前記水溜部が
列状に形成されることも好ましい。
【0017】更に、通水孔が、直径0.1mm以上5mm以下
の丸孔であることや、通水孔が、長さ0.5 mm以上5mm以
下のスリットであることも好ましい態様である。更にま
た水溜部の壁面の高さが、0.1〜2mmであり、かつ底面
の面積が、1〜500cm2であることも好ましい。
【0018】また上記課題を解決する本発明に係る農業
用マルチ資材の敷設方法は、マルチ資材上面に底面と壁
面からなる水溜部を複数有し、該水溜部の各々の少なく
とも底面に複数の通水孔を有するマルチ資材を用意し、
該マルチ資材を畦上に被覆し、前記水溜部を予め形成さ
れ又は畦上に被覆後に形成された植生孔の片側又は両側
に配置することを特徴とする。
【0019】更に上記課題を解決する本発明に係る農業
用マルチ資材の他の敷設方法は、マルチ資材面に複数の
通水孔を有するマルチ資材を用意し、該マルチ資材を整
地された畦上に被覆し、前記複数の通水孔の部位を上方
から押圧して畦面に凹部を形成し、該凹部において畦面
とマルチ資材裏面を密着させて水溜部を形成することを
特徴とする。
【0020】更にまた上記課題を解決する本発明に係る
農業用マルチ資材の他の敷設方法は、畦面の植生部位の
片側又は両側に凹部を複数形成し、かつ資材面に複数の
通水孔を有するマルチ資材を用意し、該マルチ資材を畦
上に被覆する際に、前記複数の通水孔の部位を前記凹部
の上方に配置し、該凹部の上部に位置する資材を下方に
向かって押圧して畦面と資材裏面を密着させて水溜部を
形成することを特徴とする。
【0021】なお、特公昭39−29142号には、畦
の両端に位置するマルチフィルムに遮水壁を設け、その
遮水壁問に灌水裂目を設け、マルチフィルム上に雨水を
貯留してマルチフィルム下の土壌にその雨水を灌水する
技術が開示されている。しかし畦面は全体的に傾斜して
いたり、あるいは部分的に凹凸を有しているのが実情で
あり、かかる畦面に上記遮水壁付きのマルチフィルムを
被覆した場合、雨水は低い方向や凹部に流れてしまい、
雨水の存在する場所と存在しない場所ができる。
【0022】また、特公昭39−29142号に開示さ
れるように水圧によって灌水裂目から水を灌水しようと
しても、植物の株元の間の隙間から水が流去してしま
い、例え雨水が大量にあっても水圧をかけて灌水裂目か
ら水分を供給することは困難である。
【0023】更に、かかる特公昭39−29142号の
技術では、土壌の毛管切れの問題については全く考慮し
ていない。前述の如く、毛管切れが生じている土壌では
水分の横移動ができないのであるから、上記マルチフィ
ルムのように雨水が片寄ってしまうフィルムでは、土壌
中に均一に水分が行き渡らず、畦全体の土壌孔隙の回復
が不可能であり、よって土壌の毛管の回復も不可能であ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基いて説明する。
【0025】図1は本発明の一実施例を示す斜視図であ
り、図2は図1の要部拡大断面図である。
【0026】図1において、1は畦2の表面に敷設され
たマルチ資材の代表例として挙げられるマルチフィルム
であり、3は植物4を植生する植生孔である。植生孔3
はマルチフィルムの敷設前に予め形成しておいてもよい
し、あるいは敷設後に形成してもよい。
【0027】5はマルチフィルム1の表面に形成された
水溜部であり、底面51と周囲の壁面52によって構成
される。図示の例では壁面52、52によって方形状の
区画が複数形成されている。
【0028】水溜部5に溜められる水は、雨水以外に散
水された水であってもよい。
【0029】水溜部5は植生孔3の周囲に複数形成され
ればよく、図示のようにフィルム1の長手方向の中心に
沿って列状に点在してなる植生孔3が形成される場合、
その植生孔3の両側に沿って列状に方形状の区画として
複数形成されることが好ましい。 なお図示しないが、
植生孔3がフィルム1の長手方向の片側に形成される場
合には、その植生孔3の片側に列状に複数形成されるこ
とが好ましい。水溜部5は1列だけ形成されるだけでも
よいし、2列以上に形成されてもよい。
【0030】方形状の区画を画定する壁面52の高さは
0.1〜2mmであることが好ましい。壁面の高さが0.1mm
より小さいと水溜め効果がなく、また2mmより大きいと
フィルムに入射する光を遮断したり、土ほこりの堆積を
助長するので好ましくない。また方形状の区画の大きさ
である底面51の面積は1〜500cm2であることが好まし
い。1cm2 より小さいと水溜め効果がなく、また500cm2
より大きいと畦面の凹凸の影響を受けて水溜め効果が少
ない。
【0031】6は水溜部5の底面51に設けられる通水
孔である。通水孔6の形状は丸穴であってもよいし、線
状のスリットであってもよい。丸穴の場合、急激な排出
を防止して水溜部5に水を貯留できるようにするため
に、通水孔の直径は0.1〜5mmであることが好ましい。
あまり小さ過ぎると加工が煩雑となるので、0.1mm以上
が好ましい。また土中水分の蒸発や雑草の発生を防止す
る観点から5mm以下が好ましい。また通水孔がスリット
である場合、その長さは0.5 〜5mmであることが好まし
い。上限下限の数値規定の臨界的意義は丸穴と同様であ
るが更に0.5 mm以上が好ましい理由として、スリットを
開きやすくする意義もある。
【0032】通水孔の個数は、特に限定されないが、1
cm2 当り3〜20個が好ましい。
【0033】以下に、水溜部5から通水孔6を介して水
が移動する機構について、図2に基づいて説明する。
【0034】降雨や灌水によってもたらされた水Wは、
マルチフィルム1の表面に設けられた水溜部5に一旦溜
る。本発明の水溜部5はフィルム1の表面に複数設けら
れているので、フィルム1上で水Wが偏ることがない。
次に、水溜部5の水Wは通水孔6を介して畦2内に移動
する。この時の水の移動は、主に表面土壌の親水力を利
用することができる。また畦2の土壌表面とフィルム裏
面が密着している場合には土壌の毛管作用も利用でき
る。
【0035】この理由としては、土壌が必要とするだけ
の水分量つまり土壌の乾燥度に応じて、土壌自らの力に
よって水分を吸い取ることが、良好な植物育成を行う上
で好ましいからである。
【0036】畦2には植物4が育成されており、植物の
成長に従って、畦2の土壌から水分が奪い取られてい
く。また、マルチフィルム1によって畦2の表面が覆わ
れているために、地面の地熱が放出されるのが防止され
るが、季節によっては地温が過度に高温になってしまう
場合がある。よって、畦2の乾燥を補い、また地温の過
度な上昇を積極的に抑制するために水分の補給が必要で
ある。
【0037】そこで、必要な水分を自ら求める畦1の土
壌は、水溜部5に溜った水Wを通水孔6を介して、吸い
取っていくのである。
【0038】このように必要な量の水分を補充すると、
孔隙の大きかった上部の土壌が上から押されるように徐
々に締まり、適当な水分・酸素を保持できるだけの孔隙
が回復し、全体が植物の育成にとって良好な環境を作り
出す。
【0039】また、マルチフィルム1の内面の土壌の孔
隙が回復し、毛管作用が生じるようになれば、土中空気
が自由に流通可能となり、畦間から雨水が侵入して空気
が毛管により等方向に移動するので、フィルム下に集中
しフィルムを膨らますこともない。
【0040】通水孔6は、マルチフィルム1の土留め部
分である両側面11にも設けるとマルチフィルム1の側
面11も畦2と密着するので、フィルム押えの土も湿潤
状態に保つことが可能となり、マルチフィルム1の風に
よる散失防止に役立つ。
【0041】また、植物4を育成する植生孔3の場所と
水溜部5の配置は、図1に示した以外に、他の様々な配
置を取り得る。
【0042】農業用マルチ資材として代表的なマルチフ
ィルムに水溜部を形成するには、例えば、次のような方
法が挙げられる。
【0043】マルチフィルム上に格子状に水溜部の壁
面を構成する樹脂板(棒)を固着する。固着手段として
は、接着、溶着等の方法がある。 マルチフィルム上に予め形成した上部開放の容器の底
面を固着し、その容器を水溜部とする。該容器は連続し
ていても、不連続であってもよい。 インフレーション成形に当たっては、通常成型ダイの
ダイグリップリングに一定間隔をもって凹部を設けてこ
れに円方向に廻転させることにより方形状突起を形成す
ることができる。また、円周面にフィルムの凸状に対応
する凹部を形成した型付ロールによる押出Tダイフィル
ム成形法、エンボス加工等によっても水溜部を形成する
ことが可能である。 2枚のマルチフィルム間に格子状又はハニカム状等の
隔壁を設けて複数の部屋を設け、各部屋の上部を開口に
して、水溜部を形成する。
【0044】上記において、水溜部の底面に通水孔を設
けることによって本発明のマルチフィルムが得られる。
【0045】本発明の農業用マルチ資材としては、塩化
ビニル系樹脂フィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体のようなポリオレフィン系樹脂フィルム
等の不透水性の各種熱可塑性合成樹脂製のマルチフィル
ムを用いることができる。また上記のマルチフィルムは
単層構成であっても多層構成であってもよい。更に農業
用マルチ資材としては、スパンボンド法により形成され
る不透水性不織布シートを用いることもできる。
【0046】上記農業用マルチ資材には、使用目的によ
って着色剤、安定剤、無滴剤等を含有することができ
る。
【0047】マルチフィルム1の厚みは、低密度ポリエ
チレン樹脂製の場合にはコスト、強度、柔軟性、作業性
等を考慮して、10〜30μmが好ましく、より好まし
くは15〜20μmである。
【0048】次に本発明のマルチ資材の敷設方法につい
て説明するが、第1の敷設方法は、図1及び図2に示す
態様によって説明した。以下、第2及び第3の敷設方法
について説明する。
【0049】第2の敷設方法としては、始めに資材面に
複数の通水孔を有するマルチ資材を用意する。次いで、
該マルチ資材を整地された畦上に被覆する。次いで前記
複数の通水孔の部位を上方から押圧して畦面に凹部を形
成する。次いで該凹部において畦面と資材裏面を密着さ
せて水溜部を形成する。この方法では予めマルチ資材に
水溜部を形成する必要がなく、通水孔のみ形成しておけ
ばよく、敷設後に水溜部を形成することによって、結果
として図1及び2と同様の作用を呈することが可能とな
る。
【0050】第3の方法は、始めに整地した畦面の植生
部位の片側又は両側に凹部を複数形成する。一方、資材
面に複数の通水孔を有するマルチ資材を用意する。次い
で該マルチ資材を畦上に被覆する。被覆の際に前記複数
の通水孔の部位を前記凹部の上方に配置する。次いで該
凹部の上部に位置する資材を下方に向かって押圧して畦
面と資材裏面を密着させて水溜部を形成する。この敷設
方法でも、予めマルチ資材に水溜部を形成する必要がな
く、通水孔のみ形成しておけばよく、水溜部の形状は畦
面に予め形成しておいて、その形状に合わせて資材を敷
設して結果として水溜部を形成する。そして結果として
図1及び2と同様の作用を呈することが可能となる。
【0051】前述した第2及び第3の敷設方法におい
て、畦面の凹部にマルチ資材を密着する方法としては、
適当な刺し込み型抑え材によって密着することや、
適当な間隔で土を凹部資材上に置くことや、凹部資材
上に水入りチューブを置くことが好ましく上げられる。
特に、凹部資材上に水入りチューブ(水枕)を設ける方
法は、保温にも有効である。
【0052】本発明の農業用マルチ資材の敷設の際に、
あるいは本発明の敷設方法の実施の際に、本発明者が先
に提案した、作物栽培用土の造成方法(特許第2514
747号)と組み合わせることによって、毛管作用によ
り水の移動が助長され、本発明の効果を更に効果的に発
揮できる。
【0053】
【発明の効果】以上の如く、本発明はマルチ資材の片面
に、底面と壁面からなる水溜部が複数設けられているの
で、マルチフィルムのようなマルチ資材で被覆された畦
面に降った雨水を、片寄ることなく被覆下畦内に徐々に
取り込んで雨水の有効利用をはかり、マルチ資材下面の
土壌の乾燥を防止し、地温が過度に上昇することを抑制
することにより、植物の栽培を良好に行い、またマルチ
資材及びその下面の土壌の散失を防止できる農業用マル
チ資材及びその敷設方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図
【図2】図1の要部拡大断面図
【図3】従来のマルチフィルムを用いた栽培例を示す断
面図
【符号の説明】
1:マルチフィルム 2:畦 3:穴 4:植物 5:水溜部 51:底面 52:壁面 6:通水孔 11:側面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルチ資材の片面に、底面と壁面からなる
    水溜部を複数設け、該水溜部の各々の少なくとも底面に
    複数の通水孔を有することを特徴とする農業用マルチ資
    材。
  2. 【請求項2】マルチ資材がマルチフィルムであり、該フ
    ィルムの成形の段階に水溜部を設けることを特徴とする
    請求項1記載の農業用マルチ資材。
  3. 【請求項3】マルチ資材の面に列状に点在してなる植生
    孔の片側又は両側に沿って、前記水溜部が列状に形成さ
    れることを特徴とする請求項1又は2記載の農業用マル
    チ資材。
  4. 【請求項4】通水孔が、直径0.1mm以上5mm以下の丸孔
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農業
    用マルチ資材。
  5. 【請求項5】通水孔が、長さ0.5 mm以上5mm以下のスリ
    ットであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    農業用マルチ資材。
  6. 【請求項6】水溜部の壁面の高さが、0.1〜2mmであ
    り、かつ底面の面積が、1〜500cm2であることを特徴と
    する請求項1、2、3、4又は5記載の農業用マルチ資
    材。
  7. 【請求項7】マルチ資材上面に底面と壁面からなる水溜
    部を複数有し、該水溜部の各々の少なくとも底面に複数
    の通水孔を有するマルチ資材を用意し、該マルチ資材を
    畦上に被覆し、前記水溜部を予め形成され又は畦上に被
    覆後に形成された植生孔の片側又は両側に配置すること
    を特徴とする農業用マルチ資材の敷設方法。
  8. 【請求項8】マルチ資材面に複数の通水孔を有するマル
    チ資材を用意し、該マルチ資材を整地された畦上に被覆
    し、前記複数の通水孔の部位を上方から押圧して畦面に
    凹部を形成し、該凹部において畦面とマルチ資材裏面を
    密着させて水溜部を形成することを特徴とする農業用マ
    ルチ資材の敷設方法。
  9. 【請求項9】畦面の植生部位の片側又は両側に凹部を複
    数形成し、かつ資材面に複数の通水孔を有するマルチ資
    材を用意し、該マルチ資材を畦上に被覆する際に、前記
    複数の通水孔の部位を前記凹部の上方に配置し、該凹部
    の上部に位置する資材を下方に向かって押圧して畦面と
    資材裏面を密着させて水溜部を形成することを特徴とす
    る農業用マルチ資材の敷設方法。
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