JP2971393B2 - 蒸留灌水装置 - Google Patents

蒸留灌水装置

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JP2971393B2 JP8121061A JP12106196A JP2971393B2 JP 2971393 B2 JP2971393 B2 JP 2971393B2 JP 8121061 A JP8121061 A JP 8121061A JP 12106196 A JP12106196 A JP 12106196A JP 2971393 B2 JP2971393 B2 JP 2971393B2
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    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/22Improving land use; Improving water use or availability; Controlling erosion

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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の使用効率に優
れた蒸留灌水装置に関し、詳しくは少量の水で灌漑を可
能にすると共に、溶解塩分が多く及び又は固形状の異物
を含む水であっても灌水として用いることができる蒸留
灌水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、全世界の人口は、急激に増加して
いる一方、農作物の単位当りの収穫量は頭打ちの状態に
あり、今後食糧問題は大きな課題となることが予想され
る。
【0003】農作物の増収のためには、農耕地の拡大が
必要とされるが、今後開拓されるべき土地の条件は農耕
にとっては厳しいものになると考えられる。例えば多雨
地帯における森林伐採による焼畑農業は空気清浄化機能
の低下、特に二酸化炭素の濃度低下機能が損なわれるた
め好ましくない。
【0004】従って、今後の開拓地は寡雨地帯の不毛の
土地に求めることが必要となる。寡雨地帯において農耕
を行うためには灌漑が必要となる。灌漑は一般に貯水池
から運河や側溝等を介して農耕地に水を通して灌水させ
る方法が採用されている。
【0005】しかしながら、かかる方法では、水の消費
量が多く、寡雨地帯では水の確保が難しい。また砂漠化
した不毛の地では土砂中に塩分含有量が多いため、多量
の水をもって塩分を流去させねばならないが、土壌中に
浸透した塩分を溶解した水は地表面に再び毛管現象によ
って上昇し蒸散する。その結果、塩分は地表面に濃縮さ
れて塩害が生じ、農耕が不可能となる。
【0006】これを防ぐために、農耕地の畝に添って小
孔が設けられたパイプを敷設し、該パイプの小孔から作
物に必要な最小限の水のみを付与して点滴灌水を行う方
法が望ましい。この方法は水の使用量が少なく、また地
中到達深度が浅いため、土中の塩分を引き上げる問題も
少なく、優れた灌水方法と言える。
【0007】しかし、従来の点滴灌水方法はパイプの小
孔から極少量の水を付与する方法であるため、固形状の
異物を含む水を灌水すると、小孔に目詰まりが生じやす
い問題がある。
【0008】またこの方法においても、灌漑用水に塩分
を含む水を使用すると、塩害を避けることができない。
特に現在、不毛の地として放置されている地域では塩分
の少ない水を確保することは難しく、溶解塩分の多い水
を利用せざるを得ないのが実情である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、使用効率が高く、少量の水でも灌漑を可能にすると
共に、溶解塩分が多く及び又は固形状の異物を含む水で
あっても、灌水として用いることができる蒸留灌水装置
を提供することにある。本発明のその他の課題は、以下
の記載によってより明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の蒸留灌水装置は、原水の上部に形成された閉鎖系空
間内の空気の中の水蒸気密度を太陽光の熱により上昇さ
せる構成を有する第一の手段と、該空気を冷却して水蒸
気を凝縮させて蒸留水を生成する構成を有する第二の手
段と、該蒸留水を取り出す構成を有する第三の手段と、
取り出された蒸留水を育成する植物の株元に供給して灌
水する構成を有する第四の手段とを有する蒸留灌水装置
において、前記第一の手段の閉鎖系空間が、原水と該原
水の上部を被覆する透光性の被覆材によって形成され、
該被覆材の内面に防曇剤を塗布することを特徴とする。
【0011】本発明の第一の手段の好ましい態様として
は、原水が流水路に存在し、流水路が不透水性の樋体で
形成され、樋体の上方を覆う透光性の被覆材が蓋体であ
ることである。樋体の好ましい態様として (1)樋体の少なくとも内面が吸熱性のよい色彩を有す
ること (2)樋体の内面に吸熱性のよい色彩に着色された不透
水性フィルムを敷設すること (3)樋体が不透水性フィルムを敷設することによって
形成されること (4)樋体がコンクリートによって形成されることが挙
げられる。
【0012】また、本発明の第一の手段は、原水が原水
タンク内に存在し、原水タンクの上方に透光性の被覆材
を被覆してなることも好ましい態様である。
【0013】本発明の第二の手段の好ましい態様として
は、原水の上部を被覆する被覆材の外面を外気によって
冷却し、被覆材の昇温を抑制し、被覆材の内面を低温に
維持して、水滴状又は膜状の結露水を蒸留水として生成
する手段であることや、第二の手段が閉鎖系空間内の空
気を外部に誘導し、冷却して水蒸気を凝縮させて蒸留水
を生成する手段であることである。
【0014】また、第二の手段が、蒸留水の生成量を増
加する手段を具有することも好ましく、更に好ましく
は、蒸留水の生成量を増加する手段が (1)蒸留水の生成場所の面積を増加する手段 (2)原水で育成する水生植物を具有すること (3)原水に少なくとも一部を浸漬すると共に前記閉鎖
系空間に突出させて閉鎖系空間の空気と原水との接触面
積を増加させる保水材を具有すること である。
【0015】本発明の第三の手段の好ましい態様として
は、第三の手段として、蒸留水を取り出す取出部を具有
し、該取出部が流水路と被覆材との間に設けられた間隙
を具有することである。
【0016】また、第三の手段として、蒸留水を取り出
す取出部を具有し、第四の手段として、取り出された蒸
留水を土壌表面から横移動させて植物の株元に供給する
手段を具有することや、第三の手段として、蒸留水を取
り出す取出部を具有し、第四の手段として、取り出され
た蒸留水を土壌の内部から植物の株元に供給する保水材
を具有することも好ましい態様である。
【0017】更に、第三の手段として、取り出された蒸
留水を貯留する貯留タンクを具有し、第四の手段とし
て、貯留タンク内の蒸留水を植物の株元に供給する保水
材を具有することや、第三の手段として、取り出された
蒸留水を貯留する貯留タンク及び該貯留タンク内の蒸留
水を導入する補助タンクを具有し、第四の手段として、
補助タンク内の蒸留水を植物の株元に供給する保水材を
具有することも好ましい態様である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
【0019】本発明の第一の手段は、原水の上部に形成
される閉鎖系空間内の空気の中の水蒸気密度を太陽光の
熱により上昇させる構成を有する。
【0020】原水は、塩類や、固形状の異物等を含有し
ていてもよく、具体的には塩湖水や海水又は汚泥等が挙
げられる。従って、これらの原水を農業用水として利用
し得る可能性が生まれる。
【0021】閉鎖系空間は、太陽光の熱によって上昇し
た水蒸気密度を保ち、水蒸気が漏出することがないよう
な空間であればよく、完全な密閉状態を意味するもので
はない。
【0022】閉鎖系空間の上部を形成する部材は不透光
性であってもよいし、透光性であってもよい。不透光性
の部材で閉鎖系空間の上部が形成される場合には、太陽
光の吸熱性のよい色彩で、かつ熱伝導性のよい部材であ
ることが好ましい。
【0023】閉鎖系空間の上部を形成する部材が透光性
の場合には、太陽光は、直接原水を昇温する。従って、
原水が存在する流水路等の少なくとも内部は、太陽光の
吸熱性のよい色彩に着色されることが好ましい。
【0024】原水は流水路を流れていてもよいし、また
原水タンク等の貯水槽に静止状態で貯留されていてもよ
いし、あるいは保水材に浸透している状態であってもよ
い。原水が流れている場合に、流水路の形態は、水平な
水路、起伏のある水路、階段状の水路等のいずれでもよ
い。
【0025】また蒸留灌水装置における原水の深さは、
太陽光による昇温に影響するので、深水より浅水の方が
好ましい。
【0026】本発明における第二の手段は、閉鎖系空間
内の空気を冷却して水蒸気を凝縮させて蒸留水を生成す
る構成を有する。
【0027】本発明においては、第二の手段は閉鎖系空
間内で行われてもよいし、また空間内の空気を外部に誘
導し、蒸留水を生成してもよい。
【0028】第二の手段が閉鎖系空間内で行われる場合
には、原水の上部を被覆する透光性の被覆材の外面を外
気によって冷却し、被覆材の昇温を抑制し、被覆材の内
面を低温に維持して、水滴状又は膜状の結露水を蒸留水
として生成する。
【0029】第二の手段が閉鎖系空間外で行われる場合
は、水蒸気が飽和した閉鎖系空間の空気を吸引ファン等
の手段を介して外部に誘導し、冷却タンク内で結露し、
蒸留水を生成することも好ましい。
【0030】更に、本発明の第二の手段は、蒸留水の生
成量を増加する手段として (1)蒸留水の生成場所の面積を増加する手段 (2)原水で育成する水性植物 (3)閉鎖系空間の空気と原水との接触面積を増加させ
る保水材 を具有することも好ましい。尚、以下、閉鎖系空間の空
気と原水との接触面積を原水の水面表面積と称する。こ
れらの手段は、個別にあるいは組み合わせて採用するこ
とも好ましい。上記の蒸留水の生成量を増加する手段の
実施態様については、後述する。
【0031】次に本発明の第三の手段は、生成した蒸留
水を取り出す構成を有し、また第四の手段は育成する植
物の株元に灌水可能な構成を有する。かかる第三の手段
及び第四の手段は、種々の形態を取り得る。生成した蒸
留水を随時連続的に取り出すような形態であってもよい
し、また一時的に貯留タンクに溜めた後に取り出すよう
な形態であってもよい。
【0032】次に、本発明の蒸留灌水装置の一態様につ
いて図1及び図2に基づいて説明する。図1は蒸留灌水
装置の一例を示す分解斜視図であり、第一の手段を構成
する閉鎖系空間を形成する部材が示されている。同図に
おいて、101 は原水が存在する流水路であり、該流水路
101 は不透水性の樋体102 の内部に形成されている。20
1 は樋体102 の上方を覆う透光性の被覆材であり、同図
においては、蓋体で形成されている。以後、透光性の被
覆材が蓋体201 である場合について説明する。
【0033】樋体102 は、例えば図示の凹型の長尺体が
好ましい。図示の例では樋体102 の外面103 にリブ104
、104 が縦方向に突出している。樋体102 の形状は図
示に限定されず原水が存在する流水路を形成するもので
あればよく、例えば半円湾曲形状でもよい。
【0034】樋体102 の材料としては、不透水性、耐水
性、耐塩性(原水に塩を含む場合)を有するものであれ
ばいずれでも用いることができるが、一般には金属、コ
ンクリート、陶器、セラミック、プラスチック等が用い
られ、プラスチックとしてはポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いる
ことができる。樋体はその少なくとも内面は、太陽光の
吸熱性のよい色彩、一般的には黒色であることが好まし
く、あるいは吸熱性のよい色彩に着色された不透水性の
フィルムを敷設してもよい。
【0035】蓋体201 は、透光性を有する材料で形成さ
れ、例えばプラスチック、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリアクリル、ポリスチレン、ポリプロピレン等で
製造される。
【0036】図2は図1の装置の使用例を示す断面図で
ある。同図は第二の手段が、閉鎖系空間105 内で実施さ
れる態様を示す例である。
【0037】即ち、樋体102 に存在する原水100 は、照
射される太陽光106 によって温められ、閉鎖系空間105
内で水蒸気化する。蓋体201 の外面は外気に接触してい
るため蓋体201 の昇温は抑制され、空間105 内より温度
が低い。このため空間105 内の水蒸気が蓋体201 の内面
202 に接触すると、水蒸気は蓋体201 の内面202 に接触
し、凝縮し、水滴状又は膜状の結露水200 を形成する。
この結露水は蒸留水である。
【0038】樋体を連結して長尺状の流水路を形成する
には、複数の樋体102 の端部同士を漏水等がないように
連結する。複数の樋体102 の連結を密にするには融着あ
るいは同種樹脂又は他のホットメルト剤で接着したり、
あるいは端部同士をテープで漏水止めをしたりすること
もできる。また樋体102 の内部に不透水性フィルムを敷
設することによって、連結加工の不備による漏水の心配
をすることがなく簡単に長尺状の樋体102 を作成するこ
とができる。本装置の設置に際しては、例えば土壌を水
路状に掘り、その水路に樋体102 を挿入し、蓋体201 を
樋体の上部に設け、蓋体201 の両端部を土中に埋設する
ことによって設置することができる。その他装置の形状
によって、種々の設置態様を取り得る。
【0039】また本装置は、例えば、装置を農耕地の畝
に沿って敷設したり、また、川などから引いた水路など
を利用して、土壌に水分を供給することができるという
利点がある。
【0040】蓋体201 はフィルム状に形成されてもよ
く、樋体102 の上部のみならず、該樋体102 の両側の土
壌の表面まで延出していてもよい。また、蓋体201 の内
面に不透水性フィルムを設け、前記フィルムを土壌の表
面まで延出していてもよい。
【0041】次に、第三の手段を構成する取出部301
には、図2に示した例では、蓋体201の両縁部302
(図1参照)に設けられた段差を有する係合部303
(図1参照)と、樋体102のリブ104(図1参照)
の存在によって、樋体102の上端縁と蓋体201の内
面との間に間隙が形成されている。
【0042】本発明における取出部301 は、上記に限定
されず、樋体と蓋体の形状によって、様々な他の形状を
取り得る。
【0043】取出部301 から取出された蒸留水は、第四
の手段によって育成する植物402 の株元に供給される。
図2の例では蒸留水は土壌401 内を土壌の毛管作用によ
って横移動させる態様を示している。
【0044】次に閉鎖系空間105 を形成する樋体と蓋体
の他の態様を図3に基づいて説明する。樋体102 は、図
3及び図4に示すように、その上部を外部及び又は内部
に湾曲させて、樋体カール部304 を形成させた形状のも
のであり、蓋体201 は、蓋体両側縁を内方に湾曲させて
蓋体カール部305 を形成させた形状のものである。取出
部301 には、蓋体カール部305 に設けられた蒸留水誘導
小孔306 が形成される。このような形状の装置は、樋体
カール部304 と蓋体カール部305 とが弾性的に嵌合する
め、取り付け、取り外しが自由になり、また取り付け後
に蓋体が風等で飛ばされることを防止できる。
【0045】また、取出部301 が、樋体の少なくとも両
側縁を波状に形成し、樋体の両側縁上部と蓋体との間に
設けた蒸留水誘導間隙であってもよいし、蓋体の少なく
とも両側縁を波状に形成し、樋体の両側縁上部と蓋体と
の間に設けた蒸留水誘導間隙であってもよい。
【0046】本発明の装置を傾斜した土壌に適用する際
には、流水路に間隔をあけて堰体を設けることができ
る。堰体の形状は、上端部が平らな形状のものや、液深
を規制する上端部にVノッチを形成したり、流水路上部
を仕切る仕切壁を設けた形状であってもよい。堰体に仕
切壁を設けた場合には、流水路上部に風が入って流水路
の上部空間の温度を低下させたり、蒸発した水分が外部
に放出されることを防止することができるので好まし
い。
【0047】また、本発明の装置は、流水路に連続して
原水が供給されない場合にも、図5に示すように、流水
路101 に貯水部107 を設けることによって適用できる。
貯水部107 は、例えば図に示すように連続した仕切り壁
108 によって形成することができる。仕切り壁108 の形
状は、同図には、流水路の壁面に対して直角、平行又は
傾斜した板材の組み合わせによるハニカム状のものが例
示されている。また、仕切り壁108 の他の形状として
は、格子状のものや円筒状のものが好ましく挙げられ
る。
【0048】さらに、本発明において、図6に示すよう
に、流水路に原水誘導材109を敷設することによっ
て、傾斜地又は起伏がある土地でも水が途切れることな
く、灌水を行うことができる。起伏がある土地におい
て、原水100はA点及びB点では流水路上に存在す
る。しかしC点はA点及びB点より高地なので原水10
0は存在することができない。しかしかかる場合にも、
原水誘導材109は、毛管作用によってB点の原水を吸
い上げ、C点やそれよりも端末側にも原水100が存在
することとなる利点がある。
【0049】原水誘導材109としては、吸水性織布又
は不織布シート又は吸水性の連続発泡体を用いることが
できる。吸水性の連続発泡体としては、軟質ウレタン発
泡体、硬質ウレタン発泡体、フェール樹脂製発泡体
ウレア製発泡体が挙げられるまた、干し草ゴムに
無機フィラーを含有させたスポンジも使用することがで
きる。上記連続発泡体及び干し草等から少なくとも1種
又は2種以上を選択使用でき、例えば連続発泡体から1
種又は2種以上を選んで1層に構成してもよいし、また
2種以上を選んで2層以上の多層構成にしてもよい。ま
た吸水性織布又は不織布シートと吸水性連続発泡体及び
干し草等と組み合わせて使用することもできる。
【0050】本発明において、流水路は、前述した樋体
の他に、例えば水路状に掘った土壌面に不透水性フィル
ムを敷設して形成されてもよいし、前記土壌面にコンク
リートを流込して形成されてもよい。いずれにしても流
水路は不透水性及び耐水性を有する水路であればその他
の態様であってもよい。
【0051】本発明において、図2及び図3に示す蓋体
201 の内面202 に水が水滴又は結露水膜状に付着して太
陽光線の透過を低下させないようにするために、蓋体20
1 の内面202 に防曇性を付与することもできる。防曇性
を付与する方法としては、多価アルコール(例えばソル
ビトール、グリセリン、ペンタエリスリトール等)の部
分エステル化合物で代表される界面活性剤(防曇剤)を
蓋体201 の内面202 に塗布してもよく、特に、無機親水
性コロイド物質と親水性有機化合物を主体とする表面塗
布型無滴剤(防曇剤)をコーティングすることが望まし
い。
【0052】本発明における樋体と蓋体の形状は上記に
限定されず、本発明の課題を解決する範囲であれば、さ
まざまな他の形状を取り得る。
【0053】以上の態様では、閉鎖系空間内で結露水を
蒸留水として得る手段を説明したが、閉鎖系空間の外部
で蒸留水を得る手段を図7に基づいて説明する。即ち、
図7の(A)に示すように、水蒸気が飽和した閉鎖系空
間の空気を図示しない吸引ファン等の手段を介して外部
に誘導し、土壌401 中に埋設した冷却タンク203 の導入
部204 から導入し、冷却タンク203 内で結露し、蒸留水
200 を生成する。冷却タンク203 は貯留の役割も果た
す。また図7の(B)及び(C)に示すように、冷却タ
ンクへの導入途中あるいは冷却タンク203 内に、結露部
材205 を設けることも好ましい態様である。結露部材20
5 としては、石、ネット、不織布、多孔質体等が挙げら
れる。余剰の空気は排出部206 より排出される。図7の
(C)に示したように、冷却タンク203 内に結露部材20
5 を設ける際には、例えば、冷却タンク203 内に設けら
れた架台207 上に、結露部材205 の入ったタンクを載置
することができる。
【0054】次に、本発明の蒸留灌水装置の他の実施態
様について、図8に基づいて説明する。図8において、
110 は原水100 が存在する原水タンクであり、原水タン
ク110 の上部には透光性の被覆材201 が設けられてい
る。
【0055】原水タンク110 は不透水性、耐水性を有す
るものであればいずれでも用いることができる。また、
冬季に使用していないプールなどを利用して原水タンク
とすることもできる。原水タンクは蒸留効果を増すため
に、少なくとも内面は、太陽光の吸熱性のよい色彩を有
し、一般的には黒色であることが好ましい。被覆材201
は前述した蓋体と同様の材料で形成される。
【0056】製造した蒸留水200 を取出す第三の手段
は、同図には、取り出された蒸留水を貯留する貯留タン
クを具有する例が示されている。貯留タンク111 は、原
水タンク110 とは仕切り壁112 を隔てて設けられ、被覆
材201 の内面202 に生成された蒸留水200 は、被覆材20
1 の内面202 を伝わり取出部301 を通って、貯留タンク
111 に溜まるような構造となっている。
【0057】本装置は、例えば大型の原水タンクで大量
に蒸留水を製造し、その後、蒸留水を原水タンクとは離
れた場所にある補助タンクに、任意の手段により移送し
て貯留し、必要な時期に必要量供給することができると
いう利点がある。
【0058】図9は図8の装置の変形例である。図示の
装置は、原水タンク110を太陽光106が当たる南側
(図のS方向)に設け、貯留タンク111を太陽光10
6の当たらない北側(図のN方向)に設けたものであ
る。被覆材201は、南側Sより北側Nの部分がより昇
温が抑制され、結露水が多く形成される。従って南側の
空間105内に存在する水蒸気を含む空気は、より温度
の低い北側の冷気溜208に移動し、冷却され、結露
し、蒸留水200となる。図9において、北側Nの被覆
材201は波形に形成された態様が例示されている。
【0059】被覆材201 を波形に形成することによっ
て、蒸留水の生成場所の面積を増加することができる。
波形にする部分は、被覆材の全体でもよいし、一部分で
あってもよいが、特に図9に示すように、北側が好まし
い。また、波形のかわりにジャバラ状にすると、蒸留水
が必ず円周方向に流下するので効率がよい。
【0060】また、図9に示すように、原水タンク11
0の北側に傾斜面209を形成し、傾斜面209に沿っ
て不透水性フィルム210を敷設すると、不透水性フィ
ルム210の表面上でも水蒸気が結露し、蒸留水200
が得られる。即ち蒸留水の生成場所の面積の増加とな
る。この際、傾斜面209が例えば土壌層で形成されて
いると、土壌層が不透水性フィルム210を冷却するの
で、好ましい。
【0061】本発明では、図2、図3、図8、図9等の
原水中において、水生植物212(図9参照)を育成す
ると、太陽光によって植物の蒸散作用が促進され、前記
空間内の空気中の水蒸気密度の上昇を促進し、蒸留水製
造効率を高め、蒸留水の生成量を更に増加し得る。水生
植物の例としては、浮葉性植物(ヒシ、オニバス、スイ
レン、ジュンサイ、トカガミ、ヒルムシロ等)や、浮
漂性植物(ウキクサ、アオウキクサ、ヒンジモ、サンシ
ョウモ、オオアカウキクサ等)が挙げられ、これらの植
物の中から、原水の水質に応じて広く選択することが望
まれる。
【0062】これらの水生植物は、葉の上面に気孔を有
し、クチクラ層が発達せず、蒸散機能が極めて大きいこ
とが知られている。
【0063】図10には、蒸留水の生成量を増加するた
めに、原水の水面表面積を増加させる保水材の一態様が
示されている。図10において、213 は、保水材211 を
空間105 に突出させる支持部材であり、傾斜面214 を有
し、ブロック形態をなしている。保水材211 はシート状
に形成され、その両端を原水100 に浸漬し、支持部材21
3 の傾斜面214 上を被覆するように設けられる。原水10
0 は保水材211 に浸漬され、原水の蒸発面積、即ち、実
質的な水面表面積が増加する。従って、閉鎖系空間内の
空気中の水蒸気密度の上昇を促進することができ、蒸留
水の生成量が増加する。保水材211 を黒色にしたり、黒
色フィルムを保水材の内面に設けたり、あるいは傾斜面
214 を黒色にすることにより、太陽光をより集熱でき、
原水の蒸発率が良くなる。支持部材213 の水面からの高
さhは保水材211 が原水を吸い上げ可能な高さであるこ
とが好ましい。原水を吸い上げ可能な高さhは保水材の
材質によって決定されるので、傾斜面214 と水面との角
度θを決めれば、支持部材213 の厚みWを決めることが
できる。角度θを決める際には、太陽高度等を参考にで
きる。
【0064】図10には、支持部材213 として非吸水性
発泡体や木材等を用いて原水に浮かせ使用する例が示さ
れている。非吸水性発泡体の材質としては、発泡スチロ
ール、ポリエチレン等が挙げられる。
【0065】また、他の例としてコンクリートブロック
のように原水に浮かないものを用いてもよい。コンクリ
ートブロックを支持部材として用いる場合には、保水材
に吸い上げられた原水の水温低下を防止するために、傾
斜面214 に断熱作用を有する資材を敷設することが好ま
しい。断熱作用を有する資材としては、わら、こも、非
吸水性発泡体、ロックウール等が挙げられる。また、ブ
ロック形態の支持部材のかわりに上記と同様の傾斜面を
有するフレーム構造のものを用いることができる。フレ
ーム構造を作るには、金属材、木材、竹材、プラスチッ
ク等の棒状の材料を単独であるいは組み合わせたり、あ
るいは前記の材料とひも、ロープ等を組み合わせて作る
こともできる。
【0066】上記のように原水の実質的な水面表面積を
増加すると、空間内の空気中の水蒸気密度の上昇を促進
することができる。
【0067】更に、図11に図9に示す装置の他の改良
例を示す。
【0068】図11のように、まず保水材211 を空間に
突出させる蒸発棚215 を設ける。蒸発棚215 は図11に
おいては、階段状である。前記蒸発棚215 の上に、布、
わら等の断熱材216 を敷設し、その上に黒色フィルム21
7 を敷設し、更に保水材211を敷設する。断熱材216 は
原水100 の水温低下を防止し、黒色フィルム217 は太陽
光106 を集熱し、原水100 の蒸発率を高める役割を果た
す。蒸発棚215 は、前述のブロック形態の支持部材と同
様の材質でもよいし、またフレーム構造であってもよ
い。同図においては、蒸発棚215 は、土壌層で形成され
ている。
【0069】蒸発棚215 の最上段部に原水槽113 を設
け、原水槽113 に保水材211 の一端を入れ、原水100 を
吸水させ順次下方に移動し、最下段部の原水槽114 に溜
る。上記の方法は、原水100 を保水材211 に吸水させ、
順次下方に移動させる過程で原水の水面表面積を増加さ
せ、これにより原水の上部の空間内の空気中の水蒸気密
度の上昇を促進し、冷気部208 で、蒸留水200 の生成量
の更なる増量が図られる。最下段部の原水槽114 に溜っ
た原水は、適当な時期に最上段部の原水槽113に汲み上
げられる。
【0070】尚、蒸留水200 は北側の貯留タンク111 の
方で主として生成されるが、南側の貯留タンク111 にも
生成可能である。
【0071】なお前述の水生植物は図11の階段状の蒸
発棚215 の一部又は全部において育成することもでき
る。
【0072】次に、本発明の蒸留灌水装置における、第
四の手段の一例について更に詳細に説明する。取り出さ
れた蒸留水を植物の株元に供給するには、何らかの手段
で移動させる必要がある。具体的には、土壌表面から
横移動させて植物の株元に供給する手段と、土壌の内
部から植物の株元に供給する保水材を具有することが好
ましく、これらの手段は個別にあるいは組み合わせて採
用することもできる。土壌表面から横移動させて植物の
株元に供給する手段としては、図12に例示するように
実施できる。即ち、土壌401 の表面に重量部材403 を敷
設し、蒸留水を、重量部材403 の下面404 に供給する
(矢符W参照)。土壌401 の表面と重量部材403 との密
着によって表層面の土壌密度を上昇させることによっ
て、供給された蒸留水は重量部材403 周辺に育成する植
物の株元に向けて横移動(図12x方向)する。
【0073】重量部材403 下面404 の表層土は日光に曝
されず日陰状態にあり、常に低温(重量部材下の表層土
の日中地温はいつも重量部材のない裸の表層土より低
い)で水分蒸発が少なく、結露しやすい環境にあるため
湿潤状態を保ちやすい。湿潤状態は、図12のx方向及
びy方向に広がり、湿潤領域405 を形成する。
【0074】土壌表面から横方向に移動させるので、蒸
留水を供給した周辺のみに限らず、広範囲に渡って灌水
することができる。しかも土壌表層面での移動のため、
動力を必要とせず、無動力で効率的に植物の株元に水分
を供給することができる。
【0075】また土壌の内部から植物の株元に供給する
保水材としては、土壌の内部に、蒸留水を移動させる保
水材を設ける態様が好ましいが、更に保水材の下方に不
透水性フィルムを設けることもより好ましい態様であ
る。
【0076】この手段によれば、植物は必要な量の水分
を受け取ることができ、また土壌の内部の保水力が高め
られる。保水材の下方に不透水性フィルムを設けること
によって、蒸留水が土壌の深部へ無用に浸透するのを防
止できる。また、土壌の深部からの塩類が、土壌の表層
に集積することを防止できる。
【0077】図13及び図14に示した装置は、蒸留水
を土壌の内部から供給可能な装置例である。樋体102 の
長手方向の両側に、蒸留水を誘導する蒸留水流路115 を
形成し、蒸留水流路の底面又は側面底部に透孔307 を設
ける。この流路115 及び透孔307 は第三の手段の一例を
構成する。
【0078】図14において、406a、406bは土
壌内部から植物の株元に蒸留水を供給する保水材であ
る。本発明において、保水材としては、親水性及び又は
吸水性を有する樹脂製品又は、天然繊維を用いることが
好ましい。親水性及び又は吸水性を有する樹脂製品とし
ては、耐蝕性の高いポリエステル、ポリアミド等の合成
樹脂を用いた不織布に親水性処理を施した資材が望まし
く、スンド紡糸等によって形成できる。また、表
面を親水処理したポリエチレン、ポリプロピレン繊維等
を用いて形成することもできる。
【0079】保水材として天然繊維を用いる場合には、
藁桿類(例えば稲わら、麦わら等)、しゅろ、干し草、
リンタ、バガス、ピートモス等を用いることができ、こ
れらは単独で又は2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0080】保水材はシート状(図14の406a)に形成
して用いてもよく、また土壌中に分散(図14の406b)
して用いてもよいし、あるいは、シート状の保水材を土
壌中の上層に埋設し、その下層に保水材分散土壌を用い
ることもできる。
【0081】図14において、407aは不透水性フィルム
であり、蓋体201 上に設けられ、土壌401 まで延出し埋
設されている。
【0082】図14において、土壌401 の表面には重量
部材403 が設けられている。重量部材403 は土壌401 の
表層面からの水分の蒸発を防止するため、重量部材403
の下面404 即ち土壌401 の表層に接する面が不透水性で
あることが好ましい。この場合には、例えばレンガのよ
うな透水性のものの底面に不透水性フィルムを固着して
もよいし、あるいは、防水モルタル、防水樹脂(防水塗
料等)を塗設してもよい。また、例えば不透水性のコン
クリートブロック等のように、全体が不透水性であるブ
ロックを用いてもよい。また、重量部材403 は、土壌40
1 の表面に、不透水性フィルム407bを介して敷設するこ
ともできる。
【0083】不透水性フィルム407a及び407bとしては、
ポリ塩化ビニル、ポリエステル、低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることが
できる。
【0084】次に、第四の手段の他の例について説明す
る。上述した装置等によって生成された蒸留水を、貯留
タンクに貯留し、貯留タンク内の蒸留水を育成する植物
の株元に送液する場合及び貯留タンクに貯留した後、任
意の手段により補助タンクに移送し、補助タンクから育
成する植物の株元に送液する場合には、図15に示すよ
うに、保水材409を充填した小孔つきのチューブ41
0の一方を貯留タンク111又は補助タンク408に入
れ、他方を土壌の表面に設け、小孔を下方に向けて配置
し、育成する植物の株元に送液することや、小孔つきの
チューブ410の一方を貯留タンク111又は補助タン
ク408に入れ、他方を土中に埋設し、育成する植物の
株元に送液することができる。植物は、チューブ410
によって送液された水分を、毛管現象により、必要な量
だけ受けとる。重量部材403を土壌401の表面上に
設けると、チューブ410内の送液を促進できる。
【0085】小孔つきのチューブ410 は、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリ
アミド等各種の熱可塑性合成樹脂を用いることができ
る。樹脂の形態は、フィルム状、シート状、又は不透水
性不織布のいずれでもよい。
【0086】チューブ410 の製造方法は、例えば、帯状
の熱可塑性合成樹脂シートを形成し、灌水口となる小孔
を所定の間隔で設ける。次いで、保水材409 を前記熱可
塑性合成樹脂シートに接着又はヒートシールすることに
よって添設し、保水材が添設された帯状の熱可塑性合成
樹脂シートの両縁部をヒールシートすることにより、チ
ューブ410 を形成することができる。
【0087】貯留タンク111 又は補助タンク408 から保
水材を介して蒸留水を植物の株元に供給する場合は、1
つの貯留タンク111 (又は補助タンク408 )から、灌水
が必要な複数の場所に供給してもよい。また、例えば灌
水が必要な複数の場所が各々離れて存在する場合には、
灌水が必要な場所毎に補助タンク408 を設けて、前記貯
留タンク111 から導入された蒸留水を補助タンク408 か
ら保水材を介して複数の灌水が必要な複数の場所に供給
することも本発明の装置の範囲に入り得る。
【0088】本発明の蒸留灌水装置は本発明の課題を解
決する範囲において、前述した装置以外の形態であって
もよい。
【0089】また、本発明の蒸留灌水装置は、固定型、
ユニット型又は可般型にしたり、小型装置化するなど多
様な形態を取り得る。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、固形状の異物を含む水
であっても、蒸留して異物を含まない蒸留水となるた
め、この蒸留水を植物の株元に灌水する際には、従来の
ようにチューブの小孔の目詰まりを起させることもな
く、効率的な灌水が行われる。また塩分を含む原水であ
っても、蒸留して塩分を含まない水となるので、植物に
対し安全に供することができる。また、蒸留には、太陽
光を利用するため、他の動力は要しない。従って電力利
用のしにくい砂漠地帯等でも実施可能となる蒸留灌水装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸留灌水装置の一例を示す分解斜視図
【図2】図1の装置の使用例を示す断面図
【図3】他の蒸留灌水装置の使用例を示す断面図
【図4】第三の手段の他の例を示す要部断面図
【図5】貯水部の一例を示す一部切欠斜視図
【図6】流水路の深さの変動状態を示す説明図
【図7】第二の手段の一例を示す要部断面図
【図8】蒸留灌水装置の他の例を示す断面図
【図9】蒸留灌水装置の他の例を示す断面図
【図10】蒸留水の生成量を増加する手段の一例を示す
要部断面図
【図11】図9の装置の他の改良例を示す断面図
【図12】第四の手段の一例を示す概略断面図
【図13】土壌の内部から蒸留水を排出する樋体の改良
例を示す一部切欠断面図
【図14】図13の樋体の使用例を示す要部断面図
【図15】第四の手段の他の例を示す断面図
【符号の説明】
100:原水 101:流水路 102:樋体 103:樋体の外面 104:リブ 105:閉鎖系空間 106:太陽光 107:貯水部 108:仕切り壁 109:原水誘導材 110:原水タンク 111:貯留タンク 112:仕切り壁 113:原水槽 114:原水槽 115:蒸留水流路 200:結露水(蒸留水) 201:被覆材(蓋体) 202:被覆材の内面 203:冷却タンク 204:導入部 205:結露部材 206:排出部 207:架台 208:冷気溜 209:傾斜面 210:不透水性フィルム 211:保水材 212:水性植物 213:支持部材 214:支持部材の傾斜面 215:蒸発棚 216:断熱材 217:黒色フィルム 301:取出部 302:両端部 303:係合部 304:樋体カール部 305:蓋体カール部 306:蒸留水誘導小孔 307:透孔 401:土壌 402:植物 403:重量部材 404:重量部材の下面 405:湿潤領域 406:保水材 407:不透水性フィルム 408:補助タンク 409:保水材 410:チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 25/00 A01G 31/00

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原水の上部に形成された閉鎖系空間内の空
    気の中の水蒸気密度を太陽光の熱により上昇させる構成
    を有する第一の手段と、該空気を冷却して水蒸気を凝縮
    させて蒸留水を生成する構成を有する第二の手段と、該
    蒸留水を取り出す構成を有する第三の手段と、取り出さ
    れた蒸留水を育成する植物の株元に供給して灌水する構
    成を有する第四の手段とを有する蒸留灌水装置におい
    て、前記第一の手段の閉鎖系空間が、原水と該原水の上
    部を被覆する透光性の被覆材によって形成され、該被覆
    材の内面に防曇剤を塗布することを特徴とする蒸留灌水
    装置。
  2. 【請求項2】原水が流水路に存在し、該流水路が不透水
    性の樋体で形成され、該樋体の上方を覆う透光性の被覆
    材が蓋体であることを特徴とする請求項1記載の蒸留灌
    水装置。
  3. 【請求項3】樋体の少なくとも内面が吸熱性のよい色彩
    を有することを特徴とする請求項2記載の蒸留灌水装
    置。
  4. 【請求項4】樋体の内面に吸熱性のよい色彩に着色され
    た不透水性フィルムを敷設することを特徴とする請求項
    2記載の蒸留灌水装置。
  5. 【請求項5】樋体が不透水性フィルムを敷設することに
    よって形成されることを特徴とする請求項2記載の蒸留
    灌水装置。
  6. 【請求項6】樋体がコンクリートによって形成されるこ
    とを特徴とする請求項2記載の蒸留灌水装置。
  7. 【請求項7】原水が原水タンク内に存在し、該原水タン
    クの上方に透光性の被覆材を被覆してなることを特徴と
    する請求項1記載の蒸留灌水装置。
  8. 【請求項8】第二の手段が、原水の上部を被覆する被覆
    材の外面を外気によって冷却し、該被覆材の昇温を抑制
    し、該被覆材の内面を低温に維持して、水滴状又は膜状
    の結露水を蒸留水として生成する手段であることを特徴
    とする請求項1記載の蒸留灌水装置。
  9. 【請求項9】第二の手段が、閉鎖系空間内の空気を外部
    に誘導し、冷却して水蒸気を凝縮させて蒸留水を生成す
    る手段であることを特徴とする請求項1記載の蒸留灌水
    装置。
  10. 【請求項10】第二の手段が、蒸留水の生成量を増加す
    る手段を具有することを特徴とする請求項1記載の蒸留
    灌水装置。
  11. 【請求項11】蒸留水の生成量を増加する手段が、蒸留
    水の生成場所の面積を増加する手段であることを特徴と
    する請求項10記載の蒸留灌水装置。
  12. 【請求項12】蒸留水の生成量を増加する手段が、原水
    で育成する水生植物を具有することを特徴とする請求項
    10記載の蒸留灌水装置。
  13. 【請求項13】蒸留水の生成量を増加する手段が、原水
    に少なくとも一部を浸漬すると共に前記閉鎖系空間に突
    出させて閉鎖系空間の空気と原水との接触面積を増加さ
    せる保水材を具有することを特徴とする請求項10記載
    の蒸留灌水装置。
  14. 【請求項14】第三の手段として、蒸留水を取り出す取
    出部を具有し、該取出部が流水路と被覆材との間に設け
    られた間隙を具有することを特徴とする請求項2記載の
    蒸留灌水装置。
  15. 【請求項15】原水の上部に形成された閉鎖系空間内の
    空気の中の水蒸気密度を太陽光の熱により上昇させる構
    成を有する第一の手段と、該空気を冷却して水蒸気を凝
    縮させて蒸留水を生成する構成を有する第二の手段と、
    該蒸留水を取り出す構成を有する第三の手段と、取り出
    された蒸留水を育成する植物の株元に供給して灌水する
    構成を有する第四の手段とを有する蒸留灌水装置におい
    て、第三の手段として、蒸留水を取り出す取出部を具有
    し、第四の手段として、取り出された蒸留水を土壌表面
    から横移動させて植物の株元に供給する手段を具有する
    ことを特徴とする蒸留灌水装置。
  16. 【請求項16】原水の上部に形成された閉鎖系空間内の
    空気の中の水蒸気密度を太陽光の熱により上昇させる構
    成を有する第一の手段と、該空気を冷却して水蒸気を凝
    縮させて蒸留水を生成する構成を有する第二の手段と、
    該蒸留水を取り出す構成を有する第三の手段と、取り出
    された蒸留水を育成する植物の株元に供給して灌水する
    構成を有する第四の手段とを有する蒸留灌水装置におい
    て、第三の手段として、蒸留水を取り出す取出部を具有
    し、第四の手段として、取り出された蒸留水を土壌の内
    部から植物の株元に供給する保水材を具有することを特
    徴とする蒸留灌水装置。
  17. 【請求項17】原水の上部に形成された閉鎖系空間内の
    空気の中の水蒸気密度を太陽光の熱により上昇させる構
    成を有する第一の手段と、該空気を冷却して水蒸気を凝
    縮させて蒸留水を生成する構成を有する第二の手段と、
    該蒸留水を取り出す構成を有する第三の手段と、取り出
    された蒸留水を育成する植物の株元に供給して灌水する
    構成を有する第四の手段とを有する蒸留灌水装置におい
    て、第三の手段として、取り出された蒸留水を貯留する
    貯留タンクを具有し、第四の手段として、貯留タンク内
    の蒸留水を植物の株元に供給する保水材を具有すること
    を特徴とする蒸留灌水装置。
  18. 【請求項18】原水の上部に形成された閉鎖系空間内の
    空気の中の水蒸気密度を太陽光の熱により上昇させる構
    成を有する第一の手段と、該空気を冷却して水蒸気を凝
    縮させて蒸留水を生成する構成を有する第二の手段と、
    該蒸留水を取り出す構成を有する第三の手段と、取り出
    された蒸留水を育成する植物の株元に供給して灌水する
    構成を有する第四の手段とを有する蒸留灌水装置におい
    て、第三の手段として、取り出された蒸留水を貯留する
    貯留タンク及び該貯留タンク内の蒸留水を導入する補助
    タンクを具有し、第四の手段として、補助タンク内の蒸
    留水を植物の株元に供給する保水材を具有することを特
    徴とする蒸留灌水装置。
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