JPH109863A - レーザー光線利用の位置確認及び距離計測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 レーザー光線を利用して、基準点となる光線
の発射位置と水平同高位置又は垂直同位置の確認、柱、
壁と光線通過位置との距離測定による傾斜度の計測、境
界杭の埋設工事において測量器械等による測点位置の確
認及び再現を、一台で行う。 【解決手段】 短中筒３を外筒２の上端側の対向点に設
けた外側支点軸５により揺動自在に支持すると共に、短
中筒３と内筒４の上端側を、外側支点軸５と９０度異な
る対向点に設けた内側支点軸６により揺動自在に支持
し、内筒４の上端側に、投光器７の外周に投光器７と並
行及び直角方向に設けた複数の嵌合筒部８の一筒を選択
して嵌着することにより、光線により水平又は垂直方向
の同位置を確認する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［産業上の利用分野］本発明は、レーザー
光線を利用して、基準点となる光線の発射位置と水平同
高位置あるいは垂直同位置の確認、又は、柱、壁と光線
通過位置との距離測定による垂直、傾斜度の計測、測量
機等による測点位置の確認及び再現に使用することを目
的とした建設工事用の位置確認及び距離計測装置に関す
る。

【０００２】［従来の技術］従来、建設工事において、
平面状の床面の１点と天井の垂直同位置の確認や、立面
の柱、壁等の垂直、傾斜の測定は、吊下げ用重錐を使用
していた。又、立面の柱、壁等の１点と対向する柱、壁
等の面の水平同高位置の確認は、目盛を有するスケール
や測量機等を使用していた。近年、床面の１点から垂直
あるいは水平方向にレーザー光線を投射して、天井の水
平同位置や柱、壁面の垂直同高さ位置を測定して、光源
位置と同じ水平、垂直位置を確認する方法が講じられて
いるが、柱、壁等の傾斜の計測や、境界杭の埋設位置を
確認して再現する用途には適するものではなかった。

【０００３】［発明が解決しようとする課題］天井の１
点を基準にして、床面の垂直同位置の確認や柱、壁等の
傾斜測定は、従来、吊下げ用重錐を使用していたので、
用具は廉価であったが、重錐の基点を天井に固定するこ
とが必要であり、また、吊り下げ距離が長い場合は重錐
が静止するまでの所要時間が長くかかり、作業効率を低
下していた。また、吊下げ用重錐では、床面の１点を基
準にして天井の垂直同位置の確認は、天井の基準点を選
定するのに著しく不便であり、柱、壁等の１点と対向す
る柱、壁等の面の水平同高位置を確認することはできな
かった。

【０００４】近年、開発されたレーザー光線利用のこの
種装置は、床面の１点を基準にして天井の垂直同位置を
確認することや、柱、壁等の１点と対向する柱、壁等の
面の同高位置の確認は、床面の１点を基準にしてレーザ
ー光線を垂直または水平に投射することにより、従来の
吊下げ用重錐の使用に比べて著しく能率的になったが、
柱、壁等の立面の垂直、傾斜の計測は不可能であり、境
界杭の埋設工事の際の測量機による測点の確認及び埋設
作業時の再現は全くできなかった。特に、その装置はき
わめて高価であり、建設現場で道具や工具として安直に
使用できるものでは無かった。

【０００５】［課題を解決するための手段］本発明は、
垂直方向の床面と天井面の同位置の確認、水平方向の対
向する柱、壁面の同高位置の確認、測量機による境界杭
の埋設位置測点の確認及び再現、柱、壁等の傾斜状態の
計測に、共用できるものである。即ち、装置本体は外筒
と短中筒と内筒により構成し、短中筒を外筒の上端側の
対向点に設けた外側支点軸により揺動自在に支持すると
共に、短中筒と内筒の上端側を外側支点軸と９０度異な
る対向点に設けた内側支点軸により揺動自在に支持し、
前記内筒の上端側に、投光器の外周に投光器と並行及び
直角方向に設けた複数の嵌合筒部の一筒を選択して嵌着
することにより、投光器を水平状又は垂直状に装着し
て、光線により水平方向の同高位置、垂直方向の同位置
を確認することができ、更に、水平状態の投光器を適宜
傾斜させて固定し、斜め下方向位置も確認できるもので
ある。

【０００６】また、基準点となる床、天井等の平面や
壁、柱等の立面の１点から、投光器により垂直又は水平
方向にレーザー光線を投射すると共に、光線の投射方向
となる壁柱等の立面や床、天井等の平面に、１端側の基
準部を直角状に設置した透光性スケールの１部に光線を
当射させ、透光性スケールの基準部より光線当射点まで
の距離を測定することにより、柱、壁面等の垂直状態や
床面の水平状態を計測することができるものである。

【０００７】また、伸縮三脚等の架台を利用して、伸縮
三脚を連設した水平全方向又は水平、垂直、斜めの全方
向に回動できる取付台に嵌着筒を装着し、この嵌着筒に
装置本体の外筒の下部又は投光器の外周の直角方向に突
設した嵌合筒部を嵌合して固定することにより、投光器
からのレーザー光線を任意方向に投射し、その位置を確
認し、以後、容易に再現することができるものである。

【０００８】［作用］先ず、図１及び図３、図４により
作用を説明する。装置本体１の内筒４は、下端側に筒状
の重錐１２が連設され、かつ内側支点軸６により短中筒
３に揺動自在に支持され、短中筒３は、図２に示す通り
内側支点軸６と９０度異なる位置の外側支点軸５により
外筒２に揺動自在に支持されるので、内筒４は常に垂直
状態を維持する。従って、この内筒４の上端側に嵌着さ
れたレーザー光線を投射する投光器７は、直角状に突設
した嵌合筒部８嵌着した時は、図１に示す通り投光器７
が水平状態となってレーザー光線が水平方向に投射され
るので、投光器７の光線投射位置を基準点として、柱１
９、壁面等の同高位置を確認することができる。

【０００９】投光器７に平行状の嵌合筒部８が内筒４の
上端側に嵌着されると、投光器７は垂直状態となる。従
って、図３に示す通り投光器７が下向きにした時は、床
１８に投射されるレーザー光線を、外筒２の底面に設け
た図５に示す透明板１０の十字線１１に合致させること
により、投光器７を配置した床１８面の位置を正確に確
認することができる。また、図４に示す通り投光器７を
上向きにした時は、光線投射位置を基準点として垂直上
方向の天井面の同位置を確認することができる。更に、
図６に示す通り水平状態の投光器７の１端側を上昇させ
て傾斜させ、レーザー光線を斜め下方向に投射すること
により、投光器７より離れた横方向の任意位置を確認す
ることができる。

【００１０】また、装置本体１を床１８面に配置し、投
光器７を垂直状にしてレーザー光線を垂直上方向に投
射、又は装置本体１を柱１９面に配置し、投光器７を水
平状にしてレーザー光線を水平方向に投射する状態にお
いて、光線投射方向の柱１９や壁面、又は床１８面の任
意位置に透明性スケール１５の１端側の基準部１６を直
角状に当接し、図８に例示する通り通過するレーザー光
線を透明性スケール１５の目盛面に当射することによ
り、透光性スケール１５の基準部１６より光線当射点１
７までの距離を測定することができる。従って、柱１９
や壁面、床１８面の１点以上で測定し、装置本体１の基
準点と比較することにより、柱１９や壁面の垂直状態、
傾斜度、又は床１８面の水平状態を計測することができ
る。

【００１１】また、伸縮三脚等の架台に装設した水平全
方向、又は水平、垂直、斜めの全方向に回動できる取付
台２２に嵌着筒２３を装着し、この嵌着筒２３に、図６
に示す通り装置本体１の外筒２下部、又は図８に示す通
り投光器７の直角状に突設した嵌合筒部８を嵌合して固
定することにより、投光器７を任意方向に向けることが
できるので、境界杭の埋設工事等の際は、測量機による
測点を確認し、工事中にその位置を再現することができ
る。

【００１２】［実施例］図１及び図２について説明す
る。装置本体１は外筒２と短中筒３と内筒４により構成
し、短中筒３を外筒２の上端側の対向点に設けた外側支
点軸５により揺動自在に支持すると共に、短中筒３と内
筒４の上端側を外側支点軸５と９０度異なる位置の対向
点に設けた内側支点軸６により揺動自在に支持し、内筒
４が常に垂直状に吊り下げられるように構成する。前記
内筒４の上端側には、投光器７の外周に投光器７と並行
及び直角方向に設けた複数の嵌合筒部８のうちの一筒を
選択して嵌着し、使用目的に応じて、投光器７を図１に
示す通り水平状、又は図３に示す通り垂直状下向き、あ
るいは図４に示す通り垂直状上向きに嵌着する。

【００１３】前記外筒２には内部の底面が視認できるよ
うに側面に窓９を設け、底面には中心点が判るように十
字線１１を設けた透明板１０を装着し、また、鉄製の床
１８、天井、柱１９等へ装置本体１の底面及び側面を容
易に設置させるために、外筒２の底面及び側面に磁石１
３を装着する。また、前記内筒４は筒状の重錐１２を下
端に連着することにより、投光器７を装着した内筒４の
垂直状停止に要する時間を短縮し、内筒４の長さを短縮
して装置本体１を小型化することができ、かつ、下向き
のレーザー光線を底面に設けた透明板１０の十字線１１
に合致させ、その位置を正確に確認することができる。

【００１４】図６及び図７は、三脚等の架台を利用し、
投光器７を傾斜させてレーザー光線を投射し、斜め下方
向位置の確認及び再現に使用する実施例である。図６
は、装置本体１の外筒２の外側に傾斜操作部１４を装設
すると共に、伸縮三脚２１等の架台に水平全方向に回動
する取付台２２を装設し、この取付台２２に装設した嵌
着筒２３に、装置本体１の外筒２の下部を嵌合して固定
ネジ２６により固定するものである。内筒４の上端部に
は、投光器７の外周直角方向に突設した嵌合筒部８を嵌
着し、投光器７を水平状にして方向を定め固定具２７に
より固定した後、前記傾斜操作部１４を操作して投光器
７の後端側を上昇させ、外側支点軸５を支軸として投光
器７を斜め下方向に向けて光線を投射することにより、
斜め下方向の位置を確認するものである。

【００１５】図７は伸縮三脚２１を連設した水平、垂
直、斜めの全方向に回動し１方向に固定できる取付台２
２に、嵌着筒２３を螺着し、この嵌着筒２３に投光器７
の外周直角方向に突設した嵌合筒部８を嵌合して固定ネ
ジ２６で固定し、投光器７の方向を定めて固定具２７に
より固定し、投光器７からの光線を任意の一方向に向け
て投射することにより、任意の位置を確認する実施例で
ある。従って、図６及び図７に示すように、レーザー光
線を斜め下方向の任意位置に投射することにより、境界
杭２４の埋設工事においては、先ず、測量器械により測
量した測点を斜め下向きのレーザー光線で確認し、工事
中または工事後にレーザー光線によりその測点を再現し
て、穴２５に埋設した境界杭２４の中心を正確に確認す
ることができる。

【００１６】図８は柱１９、壁等の垂直、傾斜状態及び
床１８の水平状態を測定する実施例である。基準点とな
る床１８、天井等の平面や柱１９、壁等の立面に装置本
体１を設置し、その位置から、投光器７により垂直又は
水平方向にレーザー光線を投射すると共に、光線投射方
向に沿った柱１９、壁等の立面や床１８、天井等の平面
に、透光性スケール１５の１端側の基準部１６を直角状
に当接し、この透光性スケール１５の目盛りの１部に光
線を当射することにより、透光性スケール１５の基準部
１６より光線当射点１７までの距離を測定するものであ
る。従って、１点以上の距離を測定し、その距離を基準
点の位置と比較することにより、柱１９等の立面の傾斜
状態、又は床１８等の平面の水平状態を計測することが
できる。この場合、基準部１６に磁石２０を装着するこ
とにより、鉄製の柱１９や床１８への透光性スケール１
５の当接、固定が容易になる。

【００１７】［発明の効果］本発明は、レーザー光線の
投射により、基準点となるレーザー光線の発射位置と水
平同高位置又は垂直同位置の確認、柱、壁面又は床面
と、その面に沿った垂直、水平方向の光線通過位置との
距離の測定による、垂直状態、傾斜度又は水平状態の計
測、測量器械等による測点位置の確認及び再現、等の多
機能を備えたものであるから、建設工事現場において広
く利用できるものである。また、構造が簡単であるか
ら、小型軽量かつ廉価に構成することが容易であり、建
設工事の際は道具、工具として安直に使用できるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例において、投光器を装置本体
に水平状に嵌着した状態の縦断面図である。

【図２】本発明の１実施例の装置本体の平面図である。

【図３】本発明の実施例において、投光器を垂直下方向
に向けて装置本体に嵌着した状態の１部切開正面図であ
る。

【図４】本発明の実施例において、投光器を垂直上方向
に向けて装置本体に嵌着した状態の１部切開正面図であ
る。

【図５】装置本体の外筒の底面に装着する透明板の平面
図である。

【図６】装置本体に投光器の傾斜操作部を装設し、三脚
に装着した水平方向に回動する取付台の嵌着筒に装置本
体の下部を装着し、投光器を水平状に装着した後、投光
器を傾斜させた状態の１部切開正面図である。

【図７】三脚に装着した全方向に回動する取付台の嵌着
筒に、投光器の直角方向の嵌合筒部を装着して斜め下方
向に向けた使用状態の構成図である。

【図８】投光器を垂直上方向に向け、適宜高さ位置に直
角状に配置した透光性スケールに光線を当射させた使用
状態の構成図である。

【符号の説明】

１． 装置本体 ２． 外筒 ３． 短中筒 ４． 内筒 ５． 外側支点軸 ６． 内側支点軸 ７． 投光器 ８． 嵌合筒部 ９． 窓 １０．透明板 １１．十字線 １２．重錐 １３．磁石 １４．傾斜操作部 １５．透光性スケール １６．基準部 １７．光線当射点 １８．床 １９．柱 ２０．磁石 ２１．伸縮三脚 ２２．取付台 ２３．嵌着筒 ２４．境界杭 ２５．穴 ２６．固定ネジ ２７．固定具

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体は外筒と短中筒と内筒により構
   成し、短中筒を外筒の上端側の対向点に設けた外側支点
   軸により揺動自在に支持すると共に、短中筒と内筒の上
   端側を外側支点軸と９０度異なる対向点に設けた内側支
   点軸により揺動自在に支持し、前記内筒の上端側に、投
   光器の外周に投光器と並行及び直角方向に設けた複数の
   嵌合筒部の一筒を選択して嵌着することにより、投光器
   を水平状又は垂直状に装着して、光線により水平方向同
   高位置、垂直方向同位置を確認することを特徴とするレ
   ーザー光線利用の位置確認装置。
2. 【請求項２】 請求項１の外筒は、側面に窓を設け、底
   面に十字線を設けた透明板を装着したことを特徴とする
   請求項１のレーザー光線利用の位置確認装置。
3. 【請求項３】 請求項１の内筒の下端に筒状の重錘を連
   着したことを特徴とする請求項１のレーザー光線利用の
   位置確認装置。
4. 【請求項４】 請求項１の外筒の底面及び側面に、磁石
   を装設したことを特徴とする請求項１のレーザー光線利
   用の位置確認装置。
5. 【請求項５】 請求項１の外筒の外側に、水平状の投光
   器の１端側を昇降する傾斜操作部を装設したことを特徴
   とする請求項１のレーザー光線利用の位置確認装置。
6. 【請求項６】 基準点となる床、天井等の平面や壁、柱
   等の立面の１点から、投光器により垂直又は水平方向に
   レーザー光線を投射すると共に、壁柱等の立面や床、天
   井等の平面に、１端側の基準部を直角状に設置した透光
   性スケールの１部に光線を当射することにより、透光性
   スケールの基準部より光線当射点までの距離を測定する
   ことを特徴とするレーザー光線利用の距離計測装置。
7. 【請求項７】 請求項６の透光性スケールの基準部に、
   磁石を装着したことを特徴とする請求項６のレーザー光
   線利用の距離計測装置。
8. 【請求項８】 伸縮三脚を連設し任意方向に回動できる
   取付台に嵌着筒を装着し、この嵌着筒に、装置本体の外
   筒下部又は投光器の外周直角方向の嵌合筒部を嵌着し、
   光線により、任意方向位置を確認し再現することを特徴
   とするレーザー光線利用の位置確認装置。