JPH1098356A - 電圧制御発振器 - Google Patents

電圧制御発振器

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JPH1098356A
JPH1098356A JP9138210A JP13821097A JPH1098356A JP H1098356 A JPH1098356 A JP H1098356A JP 9138210 A JP9138210 A JP 9138210A JP 13821097 A JP13821097 A JP 13821097A JP H1098356 A JPH1098356 A JP H1098356A
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JP
Japan
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power supply
current
inverter
controlled oscillator
output
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JP9138210A
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Inventor
Hideaki Nagasawa
秀昭 長澤
Atsuhiko Ishibashi
敦彦 石橋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期ジッタを抑制する。 【解決手段】 インバータ20・(n+1)の出力のレ
ベルは常にハイレベルである。この出力が、差動増幅器
35、PMOS23・(n+1)、およびPMOS22
・(n+1)で構成される負帰還ループの働きにより、
外部から入力される基準電位Vrefと同一の値に保持
される。電流制御遅延回路26・1〜n、およびレプリ
カ回路36は、互いに同一に構成されるので、インバー
タ20・1〜nのハイレベルの出力も、基準電位Vre
fと同一の値に保持される。すなわち、インバータ20
・1〜nの出力は、接地側電源線12の電位と基準電位
Vrefとの間を遷移する。このため、電源線11,1
2の間の電圧の変動に由来するクロック信号VOUTの
周期ジッタが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PLL回路への
応用に好適な電圧制御発振器に関し、特に、出力クロッ
ク信号の周期への電源電圧の変動の影響を抑制するため
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図29は、この発明の背景となる米国特
許5,075,640号公報に掲載の従来の電圧制御発振器(V
CO;Voltage Controlled Oscillator)の構成を示す
回路図である。図29に示すように、このVCO151
は、電流制御遅延回路26・1〜n(n=奇数)と電流
制御回路121とを備えている。
【0003】電流制御遅延回路26・k(k=1〜n)
には、高電位側電源線11から接地側電源線12へと順
に、PMOS21・k、PMOS22・k、NMOS2
4・k、およびNMOS25・kが直列に接続されてい
る。そして、PMOS22・kのゲート電極とNMOS
24・kのゲート電極とが互いに接続されることによっ
て、PMOS22・kとNMOS24・kが、インバー
タ20・kを構成している。インバータ20・1〜n
は、一つの段の出力が次段の入力へと接続される形式
で、循環的に(環状に)縦続接続されている。
【0004】電流制御回路121には、PMOS27,
28およびNMOS29,30が備わっている。NMO
S30のゲート電極には、入力電圧信号VINを入力す
るための入力端子13が接続されており、入力電圧信号
VINの高さに比例した電流がNMOS30を流れる。
【0005】NMOS30には、ゲート電極とドレイン
電極とが短絡されたPMOS28が直列に接続されてお
り、さらに、PMOS28と、PMOS27およびPM
OS21・1〜nとは、カレントミラー回路を構成して
いる。このため、NMOS30を流れる電流に比例した
大きさの電流が、PMOS27およびPMOS21・1
〜nを流れる。
【0006】PMOS27には、ゲート電極とドレイン
電極とが短絡されたNMOS29が直列に接続されてお
り、さらに、NMOS29と、NMOS25・1〜nと
は、カレントミラー回路を構成している。このため、N
MOS25・1〜nにも、NMOS30を流れる電流に
比例した大きさの電流が流れる。このように、電流制御
回路121は、PMOS21・1〜nおよびNMOS2
5・1〜nに対して、入力電圧信号VINに比例した大
きさの電流を流すように制御する働きをなす。これらの
PMOS21・1〜nおよびNMOS25・1〜nは、
インバータ20・1〜nの電流源として機能する。
【0007】インバータ20・1〜nの各々は、ロウレ
ベルおよびハイレベルの信号が入力されると、ある遅延
時間を経て、それらのレベルを反転させた信号を出力す
る。出力がロウレベルからハイレベルへと立ち上がると
きの遅延時間は、PMOS21・1〜nを流れる電流の
大きさに反比例する。一方、出力がハイレベルからロウ
レベルへと立ち下がるときの遅延時間は、NMOS25
・1〜nを流れる電流の大きさに反比例する。
【0008】インバータ20・1〜nは、個数が奇数で
あり、しかもリング状に接続されているので、各段ごと
にロウレベルとハイレベルとが交互に伝播して発振す
る。しかも、発振の周期は、インバータ20・1〜nの
各々の遅延値の合計となる。特に、立ち上がりと立ち下
がりの遅延値が等しければ、発振の周期は各々の遅延値
の2n倍となる。
【0009】すなわち、インバータ20・1〜nは、入
力電圧信号VINに比例した周波数で発振する。そし
て、電流制御遅延回路26・nに接続された出力端子1
4を通じて、発振する電流制御遅延回路26・nの出力
が、クロック信号VOUTCとして外部へと取り出され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のVC
O151は、以上のように構成されているので、インバ
ータ20・1〜nの遅延時間が、高電位側電源線11の
電位、言い替えると高電位側電源線11と接地側電源線
12の間の電位差に大きく左右されるという問題点があ
った。図30は、この問題点を説明するためにクロック
信号VOUTCの波形を模式的に示すグラフである。
【0011】電流制御遅延回路26・1〜nに属するP
MOS21・1〜nおよびNMOS25・1〜nは、入
力電圧信号VINの値に応じて、自己のドレイン・ソー
ス間電流(主電流)の量を変化させているにすぎない。
このため、図30に示すように、インバータ20・1〜
nの各々の出力の電位は、接地側電源線12の電位から
高電位側電源線11の電位VDDまでの範囲で遷移す
る。このため、インバータ20・1〜nの各々の遅延時
間は、高電位側電源線11の電位VDDの影響を受けて
変動する。
【0012】その結果、クロック信号VOUTCをハイ
レベルとロウレベルとに判別する基準値である閾電圧V
Tの直線とクロック信号VOUTCの曲線とは、必ずし
も一定の時間間隔をもって交差せず、交差する周期には
変動が現れる。すなわち、VCO151では、クロック
信号VOUTCに、電位VDDの変動に由来する周期の
変動すなわち周期ジッタが現れるという問題点があっ
た。図30の例では、周期T1と周期T2との間の関係
が、T1<T2となる。周期ジッタは、電位VDDの変
動の周期が、クロック信号VOUTCの周期に近いとき
に、特に顕著に現れることが知られている。
【0013】この発明は、従来の装置における上記した
問題点を解決するためになされたもので、電源電圧の変
動に由来する出力クロック信号の周期ジッタを抑制する
ことのできる電圧制御発振器を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の装置は、出力
される信号の周波数が入力電圧信号に応じて可変である
電圧制御発振器に関する。そして、第1の発明の装置
は、循環的に縦続接続され、互いに同一に構成されるn
(n=奇数)個の第1ないし第nインバータと、前記第
1ないし第nインバータと同一に構成され、入力が一方
電源線に接続された第(n+1)インバータと、互いに
同一に構成され、他方電源線と前記第1ないし第(n+
1)インバータの電源入力端との間にそれぞれ介挿さ
れ、制御信号に応じた大きさの電流を供給する第1ない
し第(n+1)電流源と、を備える。さらに、前記入力
電圧信号に応じて前記制御信号を前記第1ないし第(n
+1)電流源へ供給する電流制御回路と、互いに同一に
構成され、前記第1ないし第(n+1)インバータの前
記電源入力端と、前記一方電源線との間にそれぞれ介挿
されており、導通することによって前記第1ないし第
(n+1)電流源の電流をバイパス可能な第1ないし第
(n+1)バイパス回路と、を備える。さらに加えて、
前記第(n+1)インバータの出力と前記一方電源線と
の電位差が、前記他方および一方電源線の間の電圧より
も小さく設定された所定値を超えると、前記第1ないし
第(n+1)バイパス回路を導通させることによって、
前記電位差を前記所定値に保持するバイパス制御回路を
備えている。
【0015】第2の発明の装置は、第1の発明の電圧制
御発振器において、前記バイパス制御回路が、差動増幅
器を備え、前記第1ないし第(n+1)バイパス回路の
各々が、前記差動増幅器の出力に応答してオン、オフす
るスイッチング素子を備えており、前記差動増幅器は、
前記第(n+1)インバータの出力と、前記一方電源線
に対して一定高さの基準電位との差を、増幅することを
特徴とする。
【0016】第3の発明の装置は、第1の発明の電圧制
御発振器において、前記バイパス制御回路が、差動増幅
器を備え、前記第1ないし第(n+1)バイパス回路の
各々が、前記差動増幅器の出力に応答してオン、オフす
るスイッチング素子を備えており、前記差動増幅器は、
前記第(n+1)インバータの前記電源入力端の電位
と、前記一方電源線に対して一定高さの基準電位との差
を、増幅することを特徴とする。
【0017】第4の発明の装置は、第2または第3の発
明の電圧制御発振器において、前記スイッチング素子が
トランジスタ素子であり、前記第1ないし第(n+1)
バイパス回路の各々が、前記トランジスタ素子と直列に
接続されたもう一つのトランジスタ素子と、前記第1な
いし第(n+1)インバータの各々の出力が、前記トラ
ンジスタをオンする値を超えてさらに前記所定値に近接
したときに、前記もう一つのトランジスタ素子をオンす
る駆動部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0018】第5の発明の装置は、第2ないし第4のい
ずれかの発明の電圧制御発振器において、前記差動増幅
器と前記第1ないし前記第(n+1)バイパス回路の各
々に属する前記スイッチング素子との間に介挿され、電
流を増幅するドライバ回路を、さらに備えることを特徴
とする。
【0019】第6の発明の装置は、第5の発明の電圧制
御発振器において、前記ドライバ回路が、互いに相補的
で直列に接続されるとともに前記一方および他方電源線
の間に介挿された一対のトランジスタを備えており、前
記電位差が前記所定値を超えたときに前記一対のトラン
ジスタの一方がオフするように、当該一方の制御電極へ
前記差動増幅器の出力が入力され、前記一対のトランジ
スタの他方はつねにオンするように、当該他方の制御電
極は前記一方または他方電源線へ接続され、前記一対の
トランジスタの接続部が前記スイッチング素子へ接続さ
れていることを特徴とする。
【0020】第7の発明の装置は、第1ないし第6のい
ずれかの発明の電圧制御発振器において、前記第1ない
し第(n+1)インバータを第1群とし、当該第1群と
同一に構成された第2群の第1ないし第(n+1)イン
バータを、さらに備えている。そして、前記第2群の前
記第1ないし第nインバータは、前記第1群の前記第1
ないし第(n+1)インバータとは独立に、互いに循環
的に縦続接続されており、前記第1ないし第(n+1)
電流源は、前記第1群に属する前記第1ないし第(n+
1)インバータと、前記第2群に属する前記第1ないし
第(n+1)インバータとの双方に、それぞれ接続され
ており、前記第2群に属する前記第(n+1)インバー
タの入力には、前記所定値が入力されている。
【0021】第8の発明の装置は、第1ないし第6のい
ずれかの発明の電圧制御発振器において、前記第1ない
し第(n+1)電流源を第1群とするとともに前記制御
信号を第1制御信号とし、互いに同一に構成され、前記
一方電源線と前記第1ないし第(n+1)インバータの
もう一つの電源入力端との間にそれぞれ介挿され、第2
制御信号に応じた大きさの電流を供給する第2群の第1
ないし第(n+1)電流源を、さらに備えている。そし
て、前記電流制御回路は、前記入力電圧信号に応じて、
前記第1および第2群の電流源が供給する電流の大きさ
が、互いに同一となるように、前記第1および第2制御
信号を前記第1および第2群の電流源へそれぞれ供給す
る。
【0022】第9の発明の装置では、第1ないし第6の
いずれかの発明の電圧制御発振器において、前記一方電
源線と前記第1ないし第(n+1)インバータのもう一
つの電源入力端とが、これらの間に流れる電流の大きさ
の前記第1ないし第(n+1)電流源が供給する電流の
大きさに対する比率である電源電流比が値”1”を超え
るように、互いに結ばれている。
【0023】第10の発明の装置は、第9の発明の電圧
制御発振器において、前記第1ないし第(n+1)電流
源を第1群とするとともに前記制御信号を第1制御信号
とし、互いに同一に構成され、前記一方電源線と前記第
1ないし第(n+1)インバータの前記もう一つの電源
入力端との間にそれぞれ介挿され、第2制御信号に応じ
た大きさの電流を供給する第2群の第1ないし第(n+
1)電流源を、さらに備えている。そして、前記電流制
御回路は、前記入力電圧信号に応じて、前記第2群の電
流源が供給する電流が、前記第1群の電流源が供給する
電流よりも、大きくなるように、前記第1および第2制
御信号を、前記第1および第2群の電流源へそれぞれ供
給する。
【0024】第11の発明の装置では、第10の発明の
電圧制御発振器において、前記第1群に属する前記第1
ないし第(n+1)電流源の各々が、前記第1制御信号
をゲート電極へ受信する第1MOSトランジスタ素子を
備え、前記第2群に属する前記第1ないし第(n+1)
電流源の各々が、前記第2制御信号をゲート電極へ受信
する第2MOSトランジスタ素子を備え、前記第2MO
Sトランジスタ素子のチャネル幅は、前記第1MOSト
ランジスタ素子と電流等価なチャネル幅よりも、大きく
設定されている。
【0025】第12の発明の装置では、第10の発明の
電圧制御発振器において、前記第1群に属する前記第1
ないし第(n+1)電流源の各々が、前記第1制御信号
をゲート電極へ受信する第1MOSトランジスタ素子を
備え、前記第2群に属する前記第1ないし第(n+1)
電流源の各々が、前記第2制御信号をゲート電極へ受信
する第2MOSトランジスタ素子を備えている。そし
て、前記第2MOSトランジスタ素子が、ゲート電極ど
うし、ドレイン電極どうし、および、ソース電極どうし
が互いに接続された複数個の第3MOSトランジスタ素
子を備え、前記複数個の第3MOSトランジスタ素子の
各々のチャネル幅は、前記第1MOSトランジスタと電
流等価なチャネル幅と、同一の大きさに設定されてい
る。
【0026】第13の発明の装置では、第9の発明の電
圧制御発振器において、前記一方電源線と前記第1ない
し第(n+1)インバータの前記もう一つの電源入力端
とが、抵抗素子を介して接続されている。
【0027】第14の発明の装置では、第9の発明の電
圧制御発振器において、前記一方電源線と前記第1ない
し第(n+1)インバータの前記もう一つの電源入力端
とが、短絡されている。
【0028】第15の発明の装置では、第9ないし第1
4のいずれかの発明の電圧制御発振器において、前記第
1ないし第(n+1)インバータの各々の出力が前記他
方電源線の電位の側のレベルへと到達可能である範囲内
に、前記電源電流比が設定されている。
【0029】第16の発明の装置では、第15の発明の
電圧制御発振器において、前記第1ないし第(n+1)
インバータの各々の出力が前記一方電源線の電位の側の
第1レベルから前記他方電源線の電位の側の第2レベル
へと遷移する際の遷移時間Tmaxならびに遷移速度
θ、前記第1ないし第(n+1)インバータの各々の閾
電圧と前記第1レベルの間の電位差Vt、前記閾電圧と
前記第2レベルの間の電位差aVt、前記電源電流比
b、および、n=2k+1で定義される自然数kに対し
て、Tmax≦(k+1)Vt/θ+kaVt/(b
θ)、の関係が成り立つ範囲内に、前記電源電流比bが
設定されている。
【0030】
【発明の実施の形態】
<1.実施の形態1>はじめに、実施の形態1の電圧制御
発振器(VCO)について説明する。
【0031】<1-1.構成>図1は、この実施の形態の電
圧制御発振器(VCO)の構成を示す回路図である。図
1に示すように、このVCO101は、n(n=奇数)
個の電流制御遅延回路26・1〜nを備えている。電流
制御遅延回路26・1〜nは、互いに同一に構成され
る。
【0032】電流制御遅延回路26・k(以下におい
て、k=1〜n)には、PMOS21・k、22・k、
および、NMOS24・k、25・kが備わっている。
そして、PMOS22・kとNMOS24・kとの間
で、各々のドレイン電極どうしが接続されており、しか
も、各々のゲート電極どうしも接続されている。すなわ
ち、PMOS22・kとNMOS24・kは、一つのイ
ンバータ20・kを構成する。
【0033】互いに接続された各々のドレイン電極は、
インバータ20・kの出力に相当し、ゲート電極は入力
に相当する。PMOS21・kのソース電極は高電位側
電源線11に接続され、ドレイン電極はPMOS22・
kのソース電極に接続されている。同様に、NMOS2
5・kのソース電極は接地側電源線12に接続され、ド
レイン電極はNMOS24・kソース電極に接続されて
いる。
【0034】電流制御遅延回路26・1の出力すなわち
インバータ20・1の出力は、次段の電流制御遅延回路
26・2の入力すなわちインバータ20・2の入力に接
続され、以下同様に、各段の出力が次段の入力へと接続
されている。また、電流制御遅延回路26・nの出力
は、電流制御遅延回路26・1の入力へと接続されてい
る。
【0035】このようにして、電流制御遅延回路26・
1〜nは、循環的に(環状に)縦続接続されている。し
たがって、電流制御遅延回路26・1〜nの中で、いず
れの一つも他と等価である。そして、電流制御遅延回路
26・1〜nの中の一つ(図1の例では、電流制御遅延
回路26・n)の出力には、出力端子14が接続されて
いる。この出力端子14を通じて、クロック信号VOU
Tが出力される。
【0036】VCO101は、さらに、電流制御遅延回
路26・1〜nの任意の一つと同一に構成されるレプリ
カ回路36を備えている。すなわち、レプリカ回路36
には、PMOS21・kと同一構造のPMOS21・
(n+1)、PMOS22・kと同一構造のPMOS2
2・(n+1)、NMOS24・kと同一構造のNMO
S24・(n+1)、およびNMOS25・kと同一構
造のNMOS25・(n+1)が備わっている。
【0037】そして、PMOS22・(n+1)とNM
OS24・(n+1)と間で、各々のドレイン電極どう
しが接続されており、しかも、各々のゲート電極どうし
も接続されている。すなわち、PMOS22・(n+
1)とNMOS24・(n+1)とによって、インバー
タ20・(n+1)が構成されている。
【0038】PMOS21・(n+1)のソース電極は
高電位側電源線11に接続され、ドレイン電極はPMO
S22・(n+1)のソース電極に接続されている。同
様に、NMOS25・(n+1)のソース電極は接地側
電源線12に接続され、ドレイン電極はNMOS24・
(n+1)ソース電極に接続されている。
【0039】インバータ20・(n+1)の入力、すな
わち互いに接続されたPMOS22・(n+1)とNM
OS24・(n+1)のゲート電極は、接地側電源線1
2へ接続されている。すなわち、電流制御遅延回路26
・1〜nとは異なり、レプリカ回路36の入力の電位は
接地電位に固定されている。
【0040】VCO101には、さらに、差動増幅器3
5が備わっている。そして、差動増幅器35の反転入力
には、インバータ20・(n+1)の出力、すなわち互
いに接続されたPMOS22・(n+1)とNMOS2
4・(n+1)のドレイン電極が接続されている。差動
増幅器35のもう一方の入力、すなわち非反転入力に
は、基準電位Vrefを入力するための基準電位入力端
子15が接続されている。
【0041】電流制御遅延回路26・1〜nおよびレプ
リカ回路36には、PMOS23・1〜(n+1)が、
それぞれ接続されている。PMOS23・m(以下にお
いて、m=1〜n+1)のソース電極は接地側電源線1
2に接続され、ドレイン電極は、PMOS21・mのド
レイン電極とPMOS22・mのソース電極に共通に接
続されている。また、PMOS23・1〜(n+1)の
ゲート電極には、共通に差動増幅器35の出力が接続さ
れている。
【0042】電流制御遅延回路26・1〜nおよびレプ
リカ回路36には、さらに、PMOS27,28および
NMOS29,30を備える電流制御回路121が接続
されている。電流制御回路121において、NMOS3
0のゲート電極には、入力電圧信号VINを入力するた
めの入力端子13が接続されており、ソース電極には接
地側電源線12が接続されている。また、PMOS28
のドレイン電極は、NMOS30のドレイン電極に接続
されており、ソース電極は高電位側電源線11に接続さ
れている。さらに、PMOS28において、ゲート電極
とドレイン電極とが、互いに接続されている。
【0043】もう一つのNMOS29のソース電極に
は、接地側電源線12が接続されている。そして、PM
OS27のドレイン電極は、NMOS29のドレイン電
極に接続されており、ソース電極は高電位側電源線11
に接続されている。また、NMOS29において、ゲー
ト電極とドレイン電極とが、互いに接続されている。さ
らに、PMOS28のゲート電極とPMOS27のゲー
ト電極とが、互いに接続されている。
【0044】すなわち、電流制御回路121は、高電位
側電源線11と接地側電源線12の間に介挿される2つ
の直列回路、すなわち、PMOS28とNMOS30と
が直列に接続されて成る第1の直列回路と、PMOS2
7とNMOS29とが直列に接続されて成る第2の直列
回路とを備えている。しかも、PMOS28とPMOS
27とは、カレントミラー回路を構成するように結合し
ている。
【0045】PMOS28のゲート電極には、PMOS
27だけでなく、PMOS21・1〜(n+1)のすべ
てのゲート電極が、共通に接続されている。同様に、N
MOS29のゲート電極には、NMOS25・1〜(n
+1)のすべてのゲート電極が、共通に接続されてい
る。すなわち、PMOS28と、PMOS27、PMO
S22・1〜(n+1)とは、カレントミラー回路を構
成しており、同様に、NMOS29とNMOS25・1
〜(n+1)とは、カレントミラー回路を構成してい
る。好ましくは、PMOS27,28は、PMOS21
・1〜(n+1)と同一に構成され、NMOS29は、
NMOS25・1〜(n+1)と同一に構成される。
【0046】図2は、VCO101の代表的な使用形態
を示す模式図である。図2の例では、VCO101は、
PLL回路3の構成要素として半導体チップ1の中に作
り込まれている。そして、半導体チップ1の中には、P
LL回路3とともに、PLL回路3を用いて動作する応
用回路2が作り込まれている。また、半導体チップ1に
は、さらに、VCO101に基準電位Vrefを供給す
るための基準電位生成部5が形成されている。
【0047】VCO101の使用形態は、図2の形態に
限られるものではなく、例えば、基準電位生成部5がV
CO101と共通の半導体チップ1に作り込まれること
なく、半導体チップ1に接続されるピンを通じて、外部
から基準電位Vrefが供給される形態も有り得る。あ
るいは、VCO101のみが半導体チップ1に作り込ま
れた形態、すなわち、独立した半導体装置としてVCO
101を製造することも可能である。
【0048】<1-2.動作>VCO101は、つぎのよう
に動作する。図1に戻って、入力端子13を通じて入力
される入力電圧信号VINは、NMOS30のゲート電
圧(ゲート電極とソース電極の間の電圧)として寄与す
る。このため、入力電圧信号VINの高さに比例して、
NMOS30を流れる主電流(すなわち、ドレイン電極
とソース電極の間を流れるドレイン電流)の大きさが変
化する。
【0049】PMOS28とNMOS30とは直列に接
続されているので、NMOS30を流れる主電流は、P
MOS28をも主電流として流れる。そして、PMOS
28のゲート電極とドレイン電極が短絡されているの
で、PMOS28のゲート電極とソース電極の間には、
PMOS28を流れる主電流の大きさに応じたゲート電
圧が発生する。
【0050】PMOS28のゲート電極と、PMOS2
7およびPMOS21・1〜(n+1)のゲート電極と
は、互いに接続されているので、PMOS28のゲート
電圧は、PMOS27およびPMOS21・1〜(n+
1)にもそのまま伝達される。したがって、PMOS2
7およびPMOS21・1〜(n+1)には、つねにP
MOS28の主電流に比例した大きさの主電流が流れ
る。
【0051】すなわち、PMOS28と、PMOS27
およびPMOS21・1〜(n+1)とで構成されるカ
レントミラー回路の効果(カレントミラー効果)によっ
て、PMOS27およびPMOS21・1〜(n+1)
を流れる主電流の大きさが、PMOS28を流れる主電
流に比例した大きさに制御される。特に、PMOS2
8,27、およびPMOS21・1〜(n+1)が、互
いに同一に構成されるときには、互いに同一の大きさの
主電流が流れる。
【0052】また、PMOS27とNMOS29とは直
列に接続されているので、PMOS27を流れる主電流
は、NMOS29をも主電流として流れる。そして、N
MOS29のゲート電極とドレイン電極が短絡されてい
るので、NMOS29のゲート電極とソース電極の間に
は、PMOS27を流れる主電流の大きさに応じたゲー
ト電圧が発生する。
【0053】NMOS29のゲート電極と、NMOS2
5・1〜(n+1)のゲート電極とは、互いに接続され
ているので、NMOS29のゲート電圧は、NMOS2
5・1〜(n+1)にもそのまま伝達される。したがっ
て、NMOS25・1〜(n+1)には、つねにNMO
S29の主電流に比例した大きさの主電流が流れる。
【0054】すなわち、NMOS29と、NMOS25
・1〜(n+1)とで構成されるカレントミラー回路の
効果によって、NMOS25・1〜(n+1)を流れる
主電流の大きさが、NMOS29を流れる主電流に比例
した大きさに制御される。特に、NMOS29およびN
MOS25・1〜(n+1)が、互いに同一に構成され
るときには、互いに同一の大きさの主電流が流れる。
【0055】したがって、PMOS21・1〜(n+
1)、およびNMOS25・1〜(n+1)の各々に
は、入力電圧信号VINに比例した大きさの主電流が流
れる。すなわち、PMOS21・1〜(n+1)、およ
びNMOS25・1〜(n+1)は、電流制御回路12
1と結合することによって、入力電圧信号VINに比例
した電流をインバータ20・1〜(n+1)へそれぞれ
供給する電流源として機能する。
【0056】インバータ20・1〜(n+1)は、それ
ぞれの入力のレベル(ハイレベルまたはロウレベル)を
反転させて出力する。しかも、入力が一方レベルから他
方レベルへと遷移した時点から、ある遅延時間を経た後
に出力が反転する。そして、インバータ20・mの出力
がロウレベルからハイレベルへと立ち上がる際の遅延時
間は、PMOS21・mの主電流、すなわちPMOS2
1・mを通じて高電位側電源線11からインバータ20
・mへと供給される(正の)電源電流の大きさに反比例
する。
【0057】また、インバータ20・mの出力がハイレ
ベルからロウレベルへと立ち下がる際の遅延時間は、N
MOS25・mの主電流、すなわちNMOS25・mを
通じて接地側電源線12からインバータ20・mへと供
給される(負の)電源電流の大きさに反比例する。した
がって、出力が立ち上がる際、および立ち下がる際のイ
ンバータ20・mの遅延時間は、いずれも入力電圧信号
VINに反比例する。
【0058】奇数個のインバータ20・1〜nは、環状
に縦続接続されているので、インバータ20・1〜nの
中の、任意の一つに注目すると、その他の縦続接続され
た偶数個のインバータで構成される遅延回路を通じて、
その一つのインバータに負帰還が印加されているものと
みなすことができる。すべてのインバータが同一に構成
されるため、注目しているインバータの出力は、インバ
ータ一個当たりの遅延時間のn倍の時間間隔をもって、
立ち上がりと立ち下がりを交互に反復する。
【0059】したがって、立ち上がりと立ち下がりの遅
延時間が同等であれば、インバータ20・1〜nは、い
ずれもインバータ一個当たりの遅延時間の2n倍の周期
をもって発振する。その結果、出力端子14からは、イ
ンバータ一個当たりの遅延時間の2n倍の周期をもって
発振するクロック信号VOUTが得られる。
【0060】そして、遅延時間は入力電圧信号VINに
反比例するので、クロック信号VOUTの周期は入力電
圧信号VINに反比例する。言い替えると、クロック信
号VOUTの周波数は、入力電圧信号VINに比例す
る。立ち上がりと立ち下がりの遅延時間が同等でなくて
も、周波数と入力電圧信号VINとの比例関係には変わ
りがない。
【0061】レプリカ回路36では、インバータ20・
(n+1)の入力が、接地側電源線12に接続されてい
るので、その出力のレベルは常にハイレベルである。ま
た、レプリカ回路36は、電流制御遅延回路26・1〜
(n+1)と同一構造を有するので、インバータ20・
(n+1)の出力の高さ(電圧値)は、インバータ20
・1〜nがハイレベルを出力するときの出力の高さ(電
圧値)と同一である。すなわち、インバータ20・(n
+1)の出力は、インバータ20・1〜nのハイレベル
の出力を映し出している。
【0062】差動増幅器35は、非反転入力に入力され
る基準電位Vrefと反転入力に入力されるインバータ
20・(n+1)の出力とを比較し、前者が高ければ出
力を上げ、低ければ出力を下げる。すなわち、差動増幅
器35は、インバータ20・(n+1)の出力を基準電
位Vrefと比較し、その差を反転させて増幅する。
【0063】PMOS23・1〜(n+1)は、オンす
ることによって、PMOS21・1〜(n+1)を流れ
る主電流をVSS電源12へとバイパスする働きをな
す。すなわち、PMOS23・1〜(n+1)は、バイ
パス回路として機能する。
【0064】差動増幅器35の出力は、PMOS23・
1〜(n+1)のゲート電圧として寄与するので、PM
OS23・1〜(n+1)へと分流する電流成分の大き
さは、差動増幅回路35の出力電位が上昇すれば減少
し、下降すれば増加する。すなわち、差動増幅器35
は、バイパス回路を制御するバイパス制御回路として機
能する。
【0065】したがって、差動増幅器35の反転入力に
入力されるインバータ20・(n+1)の出力(電位)
が基準電位Vrefよりも低ければ、PMOS23・1
〜(n+1)は、オフ状態(遮断状態)となって、それ
らに分流する電流成分はゼロとなる。その結果、インバ
ータ20・(n+1)の出力は、高電位側電源線11の
電位へ向かって上昇する。
【0066】逆に、インバータ20・(n+1)の出力
が基準電位Vrefよりも高ければ、PMOS23・1
〜(n+1)は、オン状態(導通状態)となって、PM
OS21・1〜(n+1)を流れる電流は、PMOS2
3・1〜(n+1)へとバイパスされる。その結果、イ
ンバータ20・(n+1)の出力は、接地側電源線12
の電位へ向かって低下する。
【0067】このように、差動増幅器35、PMOS2
3・1〜(n+1)、およびPMOS22・(n+1)
で構成される負帰還ループによる負帰還作用のために、
インバータ20・(n+1)の出力は基準電位Vref
と同一の値に保持される。電流制御遅延回路26・1〜
nおよびレプリカ回路36は同一に構成され、しかも、
同一構成のPMOS23・1〜(n+1)がそれぞれ接
続されている。
【0068】このため、インバータ20・1〜nのハイ
レベルの出力(電位)も、基準電位Vrefと同一の値
に保持される。基準電位Vrefは、高電位側電源線1
1の電位からは独立した一定値であるので、インバータ
20・1〜nのハイレベルの出力は、高電位側電源線1
1の電位とは無関係に一定値に保持される。
【0069】したがって、クロック信号VOUTの波形
は、図3のグラフで描かれる。図3に示すように、高電
位側電源線11と接地側電源線12の間の電位差、すな
わち高電位側電源線11の電位VDDが変動しても、ク
ロック信号VOUTに代表されるインバータ20・1〜
nの出力のハイレベルの電位は、基準電位Vrefと同
一の値に保持される。すなわち、クロック信号VOUT
は、高電位側電源線11の電位VDDとは無関係に、接
地側電源線12と基準電位Vrefの間を遷移する。
【0070】その結果、クロック信号VOUTの曲線
は、クロック信号VOUTをハイレベルとロウレベルと
に判別する基準値である閾電圧VTを、高電位側電源電
位VDDの変動に影響されることなく、一定の時間間隔
をもって横切る。したがって、クロック信号VOUTの
周期は、一定に保持される。すなわち、図3に例示され
るように、二つの周期T1、T2は互いに等しくなり、
クロック信号VOUTの周期の揺らぎ、すなわち周期ジ
ッタが抑制される。
【0071】なお、立ち上がりの際のクロック信号VO
UTの波形を微細に観測すると、図3に模式的に示すよ
うに、あるレベルAを超えた後には、クロック信号VO
UTの上昇は緩やかとなる。すなわち、曲線の折れ曲が
り部分に丸みが現れる。これは、PMOS23・mが、
固有のゲート閾電圧Vthを境として、オン状態とオフ
状態とを厳密な意味で不連続的に実現するのではなく、
オフ状態とオン状態とをつなぐ遷移状態が存在し、この
状態の下では、PMOS21・mを流れる電流が、PM
OS22・mとPMOS23・mとに分流することに由
来する。ただし、この特性は、基準電位Vrefを閾電
圧Vthよりも十分に高く設定すれば、周期ジッタを抑
制する上で重大な影響を及ぼすことはない。
【0072】<2.実施の形態2>図4は実施の形態2の
VCOの構成を示す回路図である。なお、以下の図にお
いて、図1に示した実施の形態1の装置と同一部分につ
いては、同一符号を付してその詳細な説明を略する。
【0073】この実施の形態のVCO102は、差動増
幅器35の反転入力に、インバータ20・(n+1)の
出力ではなく、PMOS21・(n+1)、PMOS2
2・(n+1)、およびPMOS23・(n+1)の3
つの素子の接続部の電位、言い替えるとPMOS22・
(n+1)のソース電極の電位が入力されている点にお
いて、図1のVCO101とは特徴的に異なっている。
すなわち、VCO102では、PMOS22・(n+
1)のソース電極の電位が、基準電位Vrefと同一の
値に維持される。
【0074】その結果、インバータ20・(n+1)の
出力、さらに、インバータ20・1〜nのハイレベルの
出力は、基準電位Vrefとほぼ同一である一定値に保
持される。したがって、VCO102においても、VC
O101と同様に、高電位側電源線11の電位の変動に
起因する周期ジッタが抑制される。
【0075】しかも、図1のVCO101とは異なり、
差動増幅器35とPMOS23・(n+1)とによって
負帰還ループが構成されており、負帰還ループの中にP
MOS22・(n+1)が含まれない。このため、負帰
還ループの応答時間が短いので、図1のVCO101に
比べて、より高い周波数の範囲にわたって、高電位側電
源線11の電位の変動の影響を抑えることができる。
【0076】<3.実施の形態3>図5は、実施の形態3
のVCOの構成を示す回路図である。このVCO103
は、差動増幅器35の出力と、PMOS23・1〜(n
+1)のゲート電極との間に、PMOS37とNMOS
38とを有するドライバ回路が介挿されている点におい
て、図1のVCO101とは、特徴的に異なっている。
それにともなって、インバータ20・(n+1)の出力
は差動増幅器35の非反転入力へと入力され、基準電位
Vrefは、反転入力へと入力されている。
【0077】PMOS37のソース電極は高電位側電源
線11へ接続され、ドレイン電極はNMOS38のドレ
イン電極へと接続されている。また、PMOS37のゲ
ート電極には差動増幅器35の出力が入力されている。
NMOS38のソース電極は接地側電源線12へ接続さ
れ、ゲート電極は高電位側電源線11へ接続されてい
る。すなわち、NMOS38は、常時オン状態にあり、
PMOS37に対しては、オン抵抗に相当する抵抗値を
有する負荷として機能する。そして、PMOS37のド
レイン電極は、PMOS23・1〜(n+1)のゲート
電極へも接続されている。
【0078】インバータ20・(n+1)の出力が基準
電位Vrefよりも高ければ、差動増幅器35の出力は
高くなる。その結果、PMOS37の主電流は小さくな
り、PMOS23・1〜(n+1)のゲート電極の電位
が引き下げられる。そうして、PMOS23・1〜(n
+1)がオンし、PMOS21・1〜(n+1)の電流
がバイパスされるので、インバータ20・(n+1)の
出力の電位が引き下げられる。
【0079】逆に、インバータ20・(n+1)の出力
が基準電位Vrefよりも低ければ、差動増幅器35の
出力は低くなる。その結果、PMOS37の主電流は大
きくなり、PMOS23・1〜(n+1)のゲート電極
の電位が引き上げられる。そうして、PMOS23・1
〜(n+1)がオフするので、インバータ20・(n+
1)の出力の電位が引き上げられる。
【0080】このように、差動増幅器35、PMOS3
7、NMOS38、およびPMOS22・(n+1)で
構成される負帰還ループの働きによって、図1のVCO
101と同様に、インバータ20・(n+1)の出力が
基準電位Vrefと同一の値に保持される。
【0081】さらに、PMOS23・1〜(n+1)の
ゲート電極は、PMOS37を介して高電位側電源線1
1に接続され、NMOS38を介して接地側電源線12
に接続されている。このため、ドライバ回路は、差動増
幅器35が出力する電流を増幅する機能を果たす。その
結果、多数のPMOS23・1〜(n+1)を、より高
い速度で駆動することが可能である。このことは、周波
数の高い高電位側電源線11の電位の変動に対しても、
負帰還ループが負帰還機能を発揮することを可能にす
る。その結果、より高い周波数の電位の変動に対して
も、クロック信号VOUTの周期の変動が抑えられる。
【0082】さらに、NMOS38のゲート電極が高電
位側電源線11に接続されているので、高電位側電源線
11の電位が上昇または下降するのにともなって、NM
OS38のオン抵抗は、それぞれ減少または増加する。
高電位側電源線11の電位の変動の周波数が、差動増幅
器35の出力が追随し得ないほどに高い場合には、オン
抵抗の減少および増加は、NMOS38のドレイン電極
の電位、言い替えるとPMOS23・1〜(n+1)の
ゲート電極の電位の下降または上昇を、それぞれもたら
す。
【0083】PMOS23・1〜(n+1)のゲート電
極の電位が下降または上昇するのにともなって、それら
を流れる主電流がそれぞれ増加または減少する。このた
め、インバータ20・(n+1)の出力の変動、言い替
えるとインバータ20・1〜nのハイレベルの出力の変
動が、小さく抑えられる。すなわち、差動増幅器35が
もはや追随し得ないほどの高い周波数で、高電位側電源
線11の電位が変動するときにも、NMOS38の負帰
還作用によって、インバータ20・1〜nのハイレベル
の出力の変動が抑えられ、それにともなって、クロック
信号VOUTの周期ジッタが抑制される。
【0084】図6〜図8は、VCO103の変形例を示
す回路図である。まず、図6に示すVCO104は、ド
ライバ回路を構成するPMOS37とNMOS38の中
で、差動増幅器35の出力は、NMOS38のゲート電
極へ入力され、PMOS37のゲート電極は接地側電源
線12へ接続されている点において、図5のVCO10
3とは特徴的に異なっている。
【0085】すなわち、差動増幅器35はNMOS38
を駆動し、他方のPMOS37は常時オン状態にあり、
そのオン抵抗がNMOS38の負荷として機能するよう
に構成されている。そして、負帰還作用を実現するため
に、インバータ20・(n+1)の出力は差動増幅器3
5の反転入力へ入力され、基準電位Vrefは非反転入
力へと入力されている。
【0086】VCO104においても、差動増幅器3
5、NMOS38、PMOS23・(n+1)、および
PMOS22・(n+1)によって、負帰還ループが形
成されるので、VCO103と同様に、インバータ20
・(n+1)の出力は、基準電位Vrefと同一の値に
保持される。また、差動増幅器35とPMOS23・1
〜(n+1)との間にドライバ回路が介挿されているた
めに、多数のPMOS23・1〜(n+1)を、より高
い速度で駆動することが可能である点も、VCO103
と同様である。
【0087】さらに、PMOS37のゲート電極が接地
側電源線12へと接続されているので、高電位側電源線
11の電位が上昇または下降するのにともなって、PM
OS37のオン抵抗が、それぞれ増加または減少する。
このため、VCO103と同様に、差動増幅器35が追
随し得ないほどの高い周波数で、高電位側電源線11の
電位が変動するときにも、PMOS37の負帰還作用に
よって、インバータ20・1〜nのハイレベルの出力の
変動が抑えられ、それにともなって、クロック信号VO
UTの周期ジッタが抑制される。
【0088】図7に示すVCO105は、NMOS38
が抵抗素子7へと置き換えられている点で、図5に示し
たVCO103とは特徴的に異なっている。このVCO
105においても、差動増幅器35、PMOS37、P
MOS23・(n+1)、およびPMOS22・(n+
1)によって、負帰還ループが形成されるので、VCO
103と同様に、インバータ20・(n+1)の出力
は、基準電位Vrefと同一の値に保持される。また、
抵抗素子7の抵抗値を差動増幅器35の出力抵抗に比べ
て十分に低く設定することによって、VCO103と同
様に、多数のPMOS23・1〜(n+1)を、より高
い速度で駆動することが可能である。
【0089】図8に示すVCO106は、PMOS37
が抵抗素子8へと置き換えられている点で、図6に示し
たVCO104とは特徴的に異なっている。このVCO
106においても、差動増幅器35、NMOS38、P
MOS23・(n+1)、およびPMOS22・(n+
1)によって、負帰還ループが形成されるので、VCO
104と同様に、インバータ20・(n+1)の出力
は、基準電位Vrefと同一の値に保持される。
【0090】また、抵抗素子8の抵抗値を差動増幅器3
5の出力抵抗に比べて十分に低く設定することによっ
て、VCO104と同様に、多数のPMOS23・1〜
(n+1)を、より高い速度で駆動することが可能であ
る。さらに、PMOS37が構造の簡単な抵抗素子8に
置き換えられている分だけ、装置の製造が容易化され
る。さらに加えて、ドライバ回路に含まれるMOSトラ
ンジスタが、同一の素子サイズでPMOS37よりも主
電流が約2倍大きいNMOS38であるので、VCO1
05と比較して、同一サイズの装置でPMOS23・1
〜(n+1)の駆動能力を高く設定することができる。
あるいは、同一の駆動能力で、装置のサイズを小さくす
ることができる。
【0091】また、図示を略するが、VCO105,1
06において、PMOS37またはNMOS38を、バ
イポーラトランジスタで構成してもよい。
【0092】<4.実施の形態4>図9は、実施の形態4
のVCOの構成を示す回路図である。このVCO107
は、電流制御遅延回路26・1〜nが電流制御遅延回路
70・1〜nに置き換えられ、レプリカ回路36がレプ
リカ回路71へと置き換えられている点において、図5
のVCO103とは特徴的に異なっている。電流制御遅
延回路70・1〜nの各1とレプリカ回路71は、互い
に同一に構成されている。
【0093】電流制御遅延回路70・kには、PMOS
21・k、72・k、および、抵抗素子75・kが備わ
っている。そして、PMOS72・kのドレイン電極と
抵抗素子75・kの一端とが、互いに接続されている。
すなわち、PMOS72・kと抵抗素子75・kとによ
って、インバータ60・kが構成されている。
【0094】PMOS72・kと抵抗素子75・kの接
続部、言い替えるとPMOS72・kのドレイン電極
は、インバータ60・kの出力に相当し、PMOS72
・kのゲート電極は入力に相当する。PMOS21・k
のソース電極は高電位側電源線11に接続され、ドレイ
ン電極はPMOS72・kのソース電極に接続されてい
る。
【0095】すなわち、PMOS21・kは、PMOS
28とカレントミラー回路を構成するので、インバータ
20・kに電流を供給する高電位側の電流源として機能
する。これに対して、抵抗素子75・kの他方電極は接
地側電源線12に接続されており、電流制御遅延回路2
6・1〜nとは異なり、低電位側の電流源は設けられて
いない。
【0096】電流制御遅延回路70・1〜nは、電流制
御遅延回路26・1〜Nと同様に、循環的に(環状に)
縦続接続されている。すなわち、電流制御遅延回路70
・1の出力すなわちインバータ60・1の出力は、次段
の電流制御遅延回路70・2の入力すなわちインバータ
60・2の入力に接続され、以下同様に、各段の出力が
次段の入力へと接続されている。また、電流制御遅延回
路70・nの出力は、電流制御遅延回路70・1の入力
へと接続されている。
【0097】したがって、インバータ60・1〜nは、
インバータ20・1〜nと同様に発振する。そして、電
流制御遅延回路70・1〜nの中の一つ(図9の例で
は、電流制御遅延回路70・n)の出力信号が、出力端
子14を通じてクロック信号VOUTとして、外部へ取
り出される。
【0098】レプリカ回路71には、PMOS21・k
と同一構造のPMOS21・(n+1)、PMOS72
・kと同一構造のPMOS72・(n+1)、および抵
抗素子75・kと同一構造の抵抗素子75・(n+1)
が備わっている。そして、それらの素子は互いに、電流
制御遅延回路70・kにおけると同様に接続されてい
る。すなわち、レプリカ回路71は、電流制御遅延回路
70・kと同一に構成されている。
【0099】インバータ60・(n+1)の入力、すな
わちPMOS72・(n+1)のゲート電極は、接地側
電源線12へ接続されている。すなわち、レプリカ回路
71の入力の電位は、レプリカ回路36と同様に、接地
電位に固定されている。
【0100】インバータ60・1〜(n+1)には、低
電位側の電流源が存在せず、高電位側の電流源、すなわ
ちPMOS21・1〜(n+1)のみが設けられている
ことに対応して、電流制御回路122は、電流制御回路
121よりも簡素に構成されている。すなわち、電流制
御回路122には、電流制御回路121における第1の
直列回路のみが設けられている。
【0101】そして、電流制御回路121と同様に、第
1の直列回路に属するPMOS28のゲート電極が、P
MOS21・1〜(n+1)のすべてのゲート電極に共
通に接続されている。このため、入力電圧信号VINに
比例した大きさの電流が、高電位側電源線11からイン
バータ60・1〜(n+1)へと供給される。
【0102】PMOS21・1〜(n+1)のドレイン
電極には、PMOS23・1〜(n+1)が、それぞれ
接続されており、しかも、差動増幅器35、PMOS3
7、NMOS38、PMOS23・(n+1)、および
PMOS72・(n+1)で負帰還ループが構成されて
いる点は、図5のVCO103と同様である。したがっ
て、インバータ60・(n+1)の出力、すなわちPM
OS72・(n+1)のドレイン電極の電位は、基準電
位Vrefと同一の値に保持される。
【0103】VCO107では、VCO103とは異な
り、入力電圧信号VINで制御される低電位側の電流源
が存在しないために、インバータ60・1〜nの出力が
ハイレベルからロウレベルへと立ち下がる際の遅延時間
は、入力電圧信号VINに依存しない一定値である。そ
して、入力電圧信号VINは、インバータ60・1〜n
の出力がロウレベルからハイレベルへと立ち上がる際の
遅延時間のみを調節し、そのことによって、クロック信
号VOUTの周波数を可変としている。
【0104】クロック信号VOUTの周波数は、VCO
101〜106と同様に、入力電圧信号VINに比例す
る。ただし、その比例係数、すなわち周波数の変動幅の
入力電圧信号VINの変化量に対する感度は、VCO1
01〜106と比べると、約半分の大きさとなる。
【0105】VCO107におけるクロック信号VOU
Tの波形は、図10のグラフで描かれる。すなわち、図
10に示すように、高電位側電源線11の電位VDDが
変動しても、インバータ60・1〜nの一つの出力であ
るクロック信号VOUTのハイレベルの電位は、基準電
位Vrefと同一の値に保持される。したがって、比較
のために例示する従来装置のクロック信号VOUTCの
波形とは対照的に、クロック信号VOUTの波形は、電
位VDDの影響を受けない。
【0106】その結果、クロック信号VOUTの周期
は、高電位側電源電位VDDの変動に影響されることな
く、一定に保持される。すなわち、図10に例示される
ように、二つの周期T1、T2は互いに等しくなり、ク
ロック信号VOUTの周期の揺らぎ、すなわち周期ジッ
タが抑制される。このように、低電位側の電流源として
機能するNMOS25・1〜(n+1)がなくても、V
CO101〜106と同様に、周期ジッタを抑制すると
いう効果は同様に得られる。
【0107】図11および図12は、このことをさらに
詳細に説明するためのPMOS21・mの出力特性を示
すグラフである。すなわち、図11は、負帰還ループが
存在しないときの特性、すなわち従来装置の特性を比較
のために示しており、図12はVCO107の特性を示
している。これらの図において、曲線C1,C2,C3
は、入力電圧信号VINが高くなるのにともなって、順
次この順で変化する出力特性を表している。
【0108】図11に示すように、従来装置では、入力
電圧信号VINが高くなるのにともなってドレイン電流
(主電流)Idが大きくなるほど、黒丸で描かれる動作
点は、ドレイン・ソース間電圧Vdの低い方向へと移動
する。また、動作点は、ドレイン・ソース間電圧Vdに
重畳する電気的ノイズによって、矢印で描かれる範囲を
変動する。したがって、ドレイン電流Idが大きいとき
には、図中に符号Pで示すように、電気的ノイズによっ
て動作点が非飽和領域へと侵入し、ドレイン電流Idに
も変動が現れる。その結果、ハイレベルの電位が変動す
ることと相俟って、クロック信号VOUTCには、図1
0に示したように周期ジッタが現れる。
【0109】一方、VCO107では、図12に示すよ
うに、負帰還ループの働きによって、動作点は、入力電
圧信号VINの高さに依存せずに、ドレイン・ソース間
電圧Vdが一定となる点に維持される。このため、電気
的ノイズによって動作点が変動しても、ドレイン電流I
dには変動が現れず、ハイレベルの電位が一定の保持さ
れることと相俟って、クロック信号VOUTには、図1
0に示したように周期ジッタが現れない。
【0110】なお、実施の形態1〜3では、説明を略し
たが、図12で説明したVCO107の動作は、VCO
101〜106でも同様である。
【0111】<5.実施の形態5>図13は、実施の形態
5のVCOの構成を示す回路図である。このVCO10
8は、あたかも、図9のVCO107を差動型のVCO
へと拡張するようにして得られる。すなわち、VCO1
07の電流制御遅延回路70・1〜nが電流制御遅延回
路76・1〜nに置き換えられ、レプリカ回路71がレ
プリカ回路78へと置き換えられている。電流制御遅延
回路76・1〜nの各1とレプリカ回路78は、互いに
同一に構成されている。また、差動型であるために、出
力端子14には、差動増幅器79が接続されている。
【0112】電流制御遅延回路76・kでは、高電位側
の電流源として機能するPMOS21・kと接地側電源
線12との間に、PMOS72・kと抵抗素子75・k
との直列回路で構成されるインバータ61・kと、PM
OS74・kと抵抗素子77・kとの直列回路で構成さ
れるインバータ62・kとが、介挿されている。しか
も、PMOS74・kおよび抵抗素子77・kは、PM
OS72・kおよび抵抗素子75・kと、それぞれ同一
に構成される。すなわち、PMOS21・kと接地側電
源線12の間には、互いに同一の構造を有する二つのイ
ンバータ61・k,62・kが、互いに並列となるよう
に接続されている。
【0113】電流制御遅延回路76・1〜nは、電流制
御遅延回路70・1〜nと同様に、循環的に(環状に)
縦続接続されている。すなわち、電流制御遅延回路76
・1に属するインバータ61・1,62・1の出力は、
それぞれ、次段の電流制御遅延回路76・1に属するイ
ンバータ61・2,62・2の入力に接続されている。
以下同様に、各段の二つのインバータの出力が次段の二
つのインバータの入力へと、それぞれ個別に接続されて
いる。また、電流制御遅延回路76・nのインバータ6
1・n,62・nの出力は、電流制御遅延回路76・1
のインバータ61・1,62・1の入力へと、それぞれ
接続されている。
【0114】したがって、各段の二つのインバータ61
・k,62・k(k=1〜n)は、互いに逆相となるよ
うに発振する。電流制御遅延回路76・1〜nの中の一
つ(図13の例では、電流制御遅延回路76・n)に属
する二つのインバータの出力は、差動増幅器79の非反
転入力および反転入力へ、それぞれ入力されている。そ
して、差動増幅器79の出力としてのクロック信号VO
UTが、出力端子14を通じて外部へと出力される。し
たがって、クロック信号VOUTは、逆相で発振する二
つのインバータの差を増幅した信号として得られる。
【0115】図9のVCO107と同様に、電流制御回
路122に属するPMOS28のゲート電極が、PMO
S21・1〜(n+1)のすべてのゲート電極に共通に
接続されている。このため、入力電圧信号VINに比例
した大きさの電流が、高電位側電源線11から電流制御
遅延回路76・k(k=1〜n)に属する二つのインバ
ータ61・k,62・kへと供給される。したがって、
VCO107と同様に、クロック信号VOUTの周波数
は、入力電圧信号VINに比例する。
【0116】レプリカ回路78には、PMOS21・k
(k=1〜n)と同一構造のPMOS21・(n+
1)、PMOS72・k,74・kと同一構造のPMO
S72・(n+1),74・(n+1)、および抵抗素
子75・k,77・kと同一構造の抵抗素子75・(n
+1),77・(n+1)が備わっている。そして、そ
れらの素子は互いに、電流制御遅延回路76・kにおけ
ると同様に接続されている。
【0117】すなわち、レプリカ回路78は、電流制御
遅延回路76・kと同一に構成されている。また、PM
OS72・(n+1)のゲート電極は、接地側電源線1
2へ接続されており、PMOS74・(n+1)のゲー
ト電極は、基準電位Vrefへと接続されている。した
がって、インバータ61・(n+1)の出力は、インバ
ータ61・1〜n,62・1〜nのハイレベルの出力を
反映している。
【0118】PMOS21・1〜(n+1)のドレイン
電極には、PMOS23・1〜(n+1)が、それぞれ
接続されており、しかも、差動増幅器35、PMOS3
7、NMOS38、PMOS23・(n+1)、および
PMOS72・(n+1)で負帰還ループが構成されて
いる点は、図7のVCO107と同様である。したがっ
て、インバータ61・(n+1)の出力、すなわちPM
OS72・(n+1)のドレイン電極の電位は、基準電
位Vrefと同一の値に保持される。
【0119】また、インバータ62・(n+1)の入
力、すなわちPMOS74・(n+1)のゲート電極の
電位は、インバータ61・(n+1)の出力と同一であ
る基準電位Vrefに固定されている。このことは、二
つのインバータ61・(n+1),62・(n+1)
は、逆相の状態に固定されていることを意味する。した
がって、レプリカ回路78には、電流制御遅延回路76
・kがハイレベルとロウレベルとを出力している状態
が、正しく反映される。
【0120】インバータ61・n,62・nから差動増
幅器79へと入力される差動出力VO1,VO2の波形
は、図14のグラフで描かれる。すなわち、図14に示
すように、高電位側電源線11の電位VDDが変動して
も、差動出力VO1,VO2のハイレベルの電位は、基
準電位Vrefと同一の値に保持される。したがって、
VCO108から負帰還ループを除去した比較のための
差動型VCOの差動出力VOC1,VOC2の波形とは
対照的に、差動出力VO1,VO2の波形は、電位VD
Dの影響を受けない。
【0121】その結果、差動出力VO1,VO2の差を
増幅して得られるクロック信号VOUTの周期は、高電
位側電源電位VDDの変動に影響されることなく、一定
に保持される。すなわち、図14に例示されるように、
二つの周期T1、T2は互いに等しくなり、クロック信
号VOUTの周期の揺らぎ、すなわち周期ジッタが抑制
される。このように、差動型のVCO108において
も、対応する非差動型のVCO107と同様に、周期ジ
ッタを抑制するという効果が得られる。
【0122】<6.実施の形態6>以上に説明したVCO
101〜108では、クロック信号VOUTの波形に
は、図3に示したような丸みが現れる。図15は、この
丸みを解消するように構成された実施の形態6のVCO
の回路図である。このVCO109は、PMOS23・
mが、PMOS93・mとNMOS94・mとの直列回
路に置き換えられ、さらにインバータ95・mが備わる
点において、VCO101とは特徴的に異なっている。
【0123】すなわち、PMOS21・mのドレイン電
極には、PMOS93・mのソース電極が接続され、P
MOS93・mのドレイン電極には、NMOS94・m
のドレイン電極が接続されている。そして、NMOS9
4・mのソース電極は接地側電源線12へと接続されて
いる。また、NMOS94・1〜(n+1)のゲート電
極には、差動増幅器35の出力が共通に接続されてい
る。
【0124】インバータ95・mの入力は、PMOS2
2・mとNMOS24・mの接続部、すなわちインバー
タ20・mの出力に接続されている。そして、インバー
タ95・mの出力は、PMOS93・mのゲート電極に
接続されている。さらに、インバータ20・(n+1)
の出力は、差動増幅器35の非反転入力へ接続されてお
り、基準電位Vrefが通過する基準電位入力端子15
は、反転入力へと接続されている。
【0125】図16は、インバータ95・mの構成の一
例を示す回路図である。インバータ95・mには、NM
OS43と、互いに並列に接続された複数のPMOS4
4とが備わっている。複数のPMOS44を有する並列
回路とNMOS43とは直列に接続され、この直列回路
が高電位側電源線11と接地側電源線12との間に介挿
されている。
【0126】NMOS43のゲート電極、および複数の
PMOS44のゲート電極は、すべて共通に入力端子4
1へと接続されている。さらに、NMOS43と複数の
PMOS44との接続部は、出力端子42へと接続され
ている。入力端子41はインバータ20・mの出力に接
続され、出力端子42はPMOS93・mのゲート電極
へと接続される(図15)。
【0127】入力端子41に入力される信号がハイレベ
ルであれば、NMOS43がオンし、複数のPMOS4
4がオフするので、出力端子42にはロウレベルの信号
が現れる。逆に、入力端子41に入力される信号がロウ
レベルであれば、NMOS43がオフし、複数のPMO
S44がオンするので、出力端子42にはハイレベルの
信号が現れる。すなわち、インバータ95・mは、イン
バータとして機能する。
【0128】しかも、PMOS44の個数がNMOS4
3の個数よりも多いので、入力端子41に入力される信
号を、ロウレベルとハイレベルとに判別する基準値であ
る閾電圧は、高電位側電源線11と接地側電源線12と
の中間電位よりも高い電位へとシフトしている。すなわ
ち、インバータ95・mは、インバータ20・mの出力
がNMOS94・mの閾電圧を超えて、十分にハイレベ
ルに近づいた時点で、ロウレベルの信号を出力するよう
に構成されている。
【0129】図15に戻って、VCO109の動作につ
いて説明する。インバータ20・mの出力がロウレベル
からハイレベルへと上昇してゆく過程を想定すると、イ
ンバータ95・mの働きによって、インバータ20・m
の出力がNMOS94・mの閾電圧を超えてさらに上昇
し、基準電位Vrefに近接した後に、PMOS93・
mがオンし、PMOS21・mの電流が接地側電源線1
2へとバイパスされる。このため、クロック信号VOU
Tの波形には、図3に示したような「丸み」は殆ど現れ
ない。すなわち、負帰還ループが存在しないときと同様
の、鋭いエッジを有する有用性の高いクロック波形が得
られる。
【0130】さらに、製造工程における、NMOS94
・m(m=1〜n+1)およびPMOS93・mの閾電
圧のばらつきに起因するクロック信号VOUTの波形の
ばらつきが抑制され、均一性の高い波形が得られる。
【0131】<7.変形例>以上のVCO101〜109
に例示した本願発明の特徴は、さらに一般化された形態
として表現することが可能である。図17は、その一例
としてVCO101を拡張した形態を示す回路図であ
る。このVCO110では、電流制御遅延回路26・1
〜nは、電流制御遅延回路50・1〜nへと拡張され、
レプリカ回路36はレプリカ回路51へと拡張されてい
る。
【0132】電流制御遅延回路50・k(k=1〜n)
には、インバータ20・kの一般的な形態であるインバ
ータ52・k、PMOS21・kの拡張でありインバー
タ52・kに電流を供給する高電位側の電流源53・
k、および、NMOS25・kの拡張である低電位側の
電流源54・kが備わっている。インバータ52・1〜
nは、循環的に縦続接続されており、それらの一つの出
力(図17では、インバータ52・nの出力)が、クロ
ック信号VOUTを外部へ取り出すための出力端子14
に接続されている。
【0133】レプリカ回路51は、電流制御遅延回路5
0・kと同一に構成されており、電流源53・kと同一
構成の電流源53・(n+1)、インバータ52・kと
同一構成のインバータ52・(n+1)、および、電流
源54・kと同一構成の電流源54・(n+1)を備え
ている。そして、インバータ52・(n+1)の入力
は、接地側電源線12に接続されている。
【0134】電流源53・1〜(n+1),54・1〜
(n+1)には、電流制御回路123が接続されてい
る。この電流制御回路123は、入力端子13を通じて
入力される入力電圧信号VINに応じた制御信号を、電
流源53・1〜(n+1),54・1〜(n+1)へ供
給する。その結果、電流源53・1〜(n+1),54
・1〜(n+1)は、入力電圧信号VINに応じた大き
さの電流をインバータ52・1〜(n+1)へ供給す
る。したがって、クロック信号VOUTの周波数が、入
力電圧信号VINに応じて変化する。
【0135】電流源53・mとインバータ52・mとの
接続部には、PMOS23・mの一般的形態であるバイ
パス回路55・mの一端が接続されている。バイパス回
路55・mの他端は接地側電源線12へと接続されてお
り、そのことによって、バイパス回路55・mは、電流
源53・mを流れる主電流を接地側電源線12へとバイ
パスすべく機能する。
【0136】バイパス回路55・1〜(n+1)には、
差動増幅器35の出力が共通に接続されている。そし
て、この差動増幅器35の二つの入力の一方と他方は、
インバータ52・(n+1)の出力と、基準電位Vre
fが通過する基準電位入力端子15とに、それぞれ接続
されている。
【0137】バイパス回路55・mは、図18の回路図
で等価的に表現することができる。すなわち、電流源5
3・mとインバータ52・mとの接続部(すなわち、イ
ンバータ52・mの電源入力端)に接続される端子57
と接地側電源線12との間に電流源56が介挿されてお
り、この電流源56は端子58を通じて入力される差動
増幅器35の出力に応じて、電流をオン・オフする。差
動増幅器35に入力されるインバータ52・(n+1)
の出力の電位が、基準電位Vrefよりも低ければ、電
流源56はオフ状態(電流が流れない状態)となり、逆
に、基準電位Vrefを超えると、オン状態(導通状
態)となる。
【0138】このように動作するバイパス回路55・m
は、図19の回路図で表現することも可能である。すな
わち、端子57と接地側電源線12との間には、電流源
59とスイッチとが直列に接続されて成る直列回路が介
挿されている。そして、スイッチは、差動増幅器35に
入力されるインバータ52・(n+1)の出力の電位
が、基準電位Vrefよりも低ければ、オフ状態とな
り、逆に、基準電位Vrefを超えると、オン状態とな
る。図18および図19のいずれにおいても、電流源5
6または59は、オンしたときには、電流源53・mが
供給する電流を接地側電源線12へとバイパスする。
【0139】このように、差動増幅器35およびバイパ
ス回路55・(n+1)によって形成される負帰還ルー
プの働きによって、インバータ52・(n+1)の出力
は、基準電位Vrefと同一の値に保持される。バイパ
ス回路55・1〜nも、バイパス回路55・(n+1)
と同様に動作するので、インバータ52・1〜nのハイ
レベルの出力は、高電位側電源線11の電位とは無関係
に、基準電位Vrefの値に保持される。その結果、ク
ロック信号VOUTにおける周期ジッタが抑制される。
【0140】以上のように、VCO101は、より一般
的なVCO110へと拡張することができ、しかも、V
CO101と同様に、クロック信号VOUTの周期ジッ
タを抑える効果が同様に得られる。他のVCO102〜
109についても、同様に、一般的な形態へと拡張する
ことが可能である。ただし、VCO101〜109は、
一般的な形態の中で、もっとも素子数が少なく、装置の
小型化に寄与するとともに、製造が容易であるという利
点があり、もっとも優れた形態である。
【0141】<8.実施の形態7>つぎに、実施の形態7
の電圧制御発振器について説明する。
【0142】<8-1.周期ジッタの第2の要因>上記各実
施の形態および変形例で述べたように、VCO101〜
110では、高電位側電源線11の電位に変動があって
も、クロック信号VOUTのハイレベルの電位が一定に
保たれ、その結果、クロック信号VOUTの遷移幅(ロ
ウレベルとハイレベルの間のレベル差)が一定に保たれ
る。このため、クロック信号VOUTにおける周期ジッ
タが抑制されるという、従来装置151にはない効果が
得られる。
【0143】ところで、VCO101〜110では、ク
ロック信号VOUTのハイレベルの電位は、高電位側電
源線11の電位の変動の影響を排除し得るが、クロック
信号VOUTの遷移時間は、なお、幾分かの影響を受け
る。図20は、VCO101(図1)において、循環的
に縦続接続されるインバータ20・1〜20・nが5段
である(すなわち、n=5)ときの、クロック信号VO
UTの波形を模式的に示すグラフである。
【0144】図20に示されるように、高電位側電源線
11の電位VDDに変動があっても、クロック信号VO
UTのハイレベルの電位は、一定値である基準電位Vr
efに保持される。したがって、クロック信号VOUT
の遷移幅の変動を要因とする周期ジッタが解消される。
しかしながら、クロック信号VOUTのレベルが一方か
ら他方へと遷移するのに要する時間、すなわち遷移時間
には、ハイレベルからロウレベルへの立ち下がりにおい
て、若干の変動が見られる。
【0145】すなわち、電位VDDが高いときに、クロ
ック信号VOUTが立ち下がる際の遷移時間Td1に比
べて、電位VDDが低いときに立ち下がる際の遷移時間
Td2は長くなる。その結果、電位VDDが低いときの
周期T2は、高いときの周期T1に比べて長くなる。す
なわち、高電位側電源線11の電位VDDの変動にとも
なう遷移時間の変動が、クロック信号VOUTにおける
周期ジッタの第2の要因として作用し、周期ジッタをわ
ずかながら残存させる。なお、ロウレベルからハイレベ
ルへと遷移する際の遷移時間は、電位VDDの変動の影
響を受けにくく、比較的安定している。
【0146】遷移時間の変動は、つぎのような機構に起
因する。図1に示したVCO101において、電流制御
回路121に備わるPMOS27には、他のMOSと同
様に、通常においてチャネル変調効果(channel modula
tion effect)が現れる。すなわち、ゲート電圧(ソース
・ゲート間電圧)が一定であっても、飽和領域における
ドレイン電流は、ソース・ドレイン間電圧の増加/減少
にともなって、わずかながら増加/減少する。
【0147】電位VDDが高くなると、PMOS27に
おけるチャネル変調効果によって、PMOS27および
NMOS29を流れる電流は大きくなる。その結果、P
MOS27とカレントミラー回路を構成するPMOS2
1・mを流れる電流も大きくなる。同様に、NMOS2
9とカレントミラー回路を構成するNMOS25・mを
流れる電流も大きくなる。
【0148】PMOS21・mを流れる電流が増加して
も、増加した分は主としてPMOS23・mへと分流す
るために、PMOS22・mを流れる電流には、ほとん
ど影響はない。すなわち、高電位側電源線11からイン
バータ20・mへと供給される(正の)電源電流には、
目立った変動は現れない。したがって、インバータ20
・mの出力に相当するクロック信号VOUTの、立ち上
がりの際の遷移時間は、ほぼ一定に保たれる。
【0149】これに対して、NMOS25・mを流れる
電流が増加すると、増加した分はすべてNMOS24・
mを流れる。すなわち、接地側電源線12からインバー
タ20・mへと供給される(負の)電源電流(いわゆ
る、インバータ20・mから高電位側電源線11へと”
吸引”される”引抜き電流”)は、NMOS25・mを
流れる電流が増加した分だけ増加する。その結果、クロ
ック信号VOUTが立ち下がる際の遷移時間は短くな
る。
【0150】逆に、電位VDDが低くなるときには、P
MOS27およびNMOS29を流れる電流は小さくな
る。その結果、クロック信号VOUTが立ち下がる際の
遷移時間は長くなる。クロック信号VOUTが立ち上る
際の遷移時間には、電位VDDが高くなるときと同様
に、目立った影響は現れない。以上の機構によって、図
20に示したような、第2の要因に由来する周期ジッタ
が現れる。
【0151】<8-2.装置の構成と動作>図21は、上記
した第2の要因に起因する周期ジッタをも抑制し得るよ
うに構成されたVCOの構成を示す回路図である。この
VCO111は、インバータ20・mに(負の)電源電
流を供給する低電位側の電流源に相当するNMOS22
5・mを流れる主電流が、高電位側の電流源に相当する
PMOS21・mを流れる主電流よりも大きくなるよう
に、NMOS225・mのチャネル幅が設定されている
点において、VCO101(図1)とは特徴的に異なっ
ている。
【0152】インバータ20・k、および、その電流源
として機能するPMOS21・k、NMOS225・k
によって、電流制御遅延回路226・kが構成されてい
る。同様に、インバータ20・(n+1)、および、そ
の電流源として機能するPMOS21・(n+1)、N
MOS225・(n+1)によって、レプリカ回路23
6が構成されている。
【0153】同一の半導体基板の中に作り込まれるNM
OSとPMOSとの間では、電流等価なチャネル幅、す
なわち、主電流の大きさが同一となるチャネル幅は、通
常、前者において後者の約2倍の大きさとなる。NMO
S225・mのチャネル幅は、PMOS21・mと電流
等価なチャネル幅、すなわち、PMOS21・mのチャ
ネル幅の約2倍を、超える大きさに設定される。このた
め、クロック信号VOUTの立ち下がりの際の遷移時間
は、立ち上がりの際の遷移時間に比べて短くなる。
【0154】図22は、電流制御遅延回路226・1の
回路図であり、電流制御遅延回路226・1〜nおよび
レプリカ回路236の好ましい構成を代表して示してい
る。図22に示されるように、NMOS225・1は、
複数のNMOS25・1が並列に接続された回路として
構成されるのが望ましい。複数のNMOS25・1の各
1は、PMOS21・mと電流等価なチャネル幅を有し
ている。
【0155】このように、PMOS21・mと電流等価
なチャネル幅を有するNMOS25・1の複数個が並列
接続された回路としてNMOS225・1を構成するこ
とによって、チャネル幅の精度を高くし、しかも、レイ
アウト工程その他の製造工程を容易化することが可能と
なる。図22の例では、NMOS225・1が、3個の
NMOS25・1で構成されるので、NMOS225・
1を流れる主電流は、PMOS21・1を流れる主電流
の3倍の大きさとなる。
【0156】図23は、VCO111において、循環的
に縦続接続されるインバータ20・1〜20・nが5段
である(すなわち、n=5)ときの、クロック信号VO
UTの波形を示すグラフである。図23に示されるよう
に、クロック信号VOUTの立ち上がりの際の遷移時間
に比べて、立ち下がりの際の遷移時間が短くなってい
る。このため、高電位側電源線11の電位VDDの変動
にともなって遷移時間Td1a,Td2aの大きさが変
動するにもかかわらず、周期T1a,T2aの変動には
大きくは寄与しない。
【0157】すなわち、電位VDDの変動の下でも比較
的安定している立ち上がりの際の遷移時間に比べて、変
動の大きい立ち下がりの際の遷移時間が、短く設定され
ているために、ハイ・ロウそれぞれのレベルに安定して
いる期間に双方の遷移時間を加えた時間に相当する周期
には、電位VDDの変動にともなう変動は大きくは現れ
ない。
【0158】このように、VCO111では、インバー
タ20・mの低電位側の電流源25・mが供給する(負
の)電源電流が、高電位側の電流源21・mが供給する
(正の)電源電流の大きさに比べて、大きく設定されて
いるために、第1の要因としてのクロック信号VOUT
のハイレベルの電位の変動に由来する周期ジッタだけで
なく、第2の要因としてのクロック信号VOUTの遷移
時間の変動に由来する周期ジッタも抑制される。
【0159】<8-3.電源電流の比率の最適化>VCO1
11において、循環的に縦続接続されるインバータ20
・1〜20・nの個数(すなわち、”n”)が、例えば
数個であって、十分に大きく設定されはいないときに
は、PMOS21・mとNMOS25・mとの間の電流
等価なチャネル幅の比率、言い換えると、インバータ2
0・mの高電位側と低電位側の電流源がそれぞれ供給す
る電源電流の大きさの比率を、ある限度を超えて高くす
ると、周期ジッタを抑制する効果が十分に発揮されない
場合がある。ここでは、この問題を考慮した”n”の値
の最適な範囲について説明する。
【0160】図24は、n=3に設定されたVCO11
1における、インバータ20・1〜20・3の出力の波
形を模式的に示すグラフである。ロウレベルにあるイン
バータ20・1の出力は、ある時刻において、直線30
3に沿った立ち上がりを開始する。インバータ20・1
の出力が直線303に沿って遷移する過程の中で、時刻
310において次段のインバータ20・2の閾電圧VT
と交差する。その結果、ロウレベルにあるインバータ2
0・2の出力が、時刻310において直線304に沿っ
た立ち下がりを開始する。
【0161】インバータ20・2の出力が直線304に
沿って遷移する過程の中で、時刻311において次段の
インバータ20・3の閾電圧VTと交差する。その結
果、ロウレベルにあるインバータ20・3の出力が、時
刻311において直線305に沿った立ち上がりを開始
する。
【0162】インバータ20・3の出力が直線305に
沿って遷移する過程の中で、時刻312において次段の
インバータ20・1の閾電圧VTと交差する。もしも、
時刻312において、インバータ20・1の出力がすで
にハイレベルに達しておれば、インバータ20・1の出
力は、時刻312において立ち下がりを開始する。しか
しながら、図24に示すように、時刻312において、
インバータ20・1の出力が立ち上がりの過程にあると
きには、インバータ20・1の出力は、時刻312にお
いて直ちに立ち下がりへと転じるのではなく、時刻31
2を起点とする立ち下がりの直線306と交差した時点
において、直線306に沿った立ち下がりを開始する。
【0163】インバータ20・1の出力が直線306に
沿って遷移する過程の中で、次段のインバータ20・2
の閾電圧VTと交差する時刻313において、インバー
タ20・2の出力が直線307に沿った立ち上がりを開
始する。そして、インバータ20・2の出力が次段のイ
ンバータ20・3の閾電圧VTと交差する時刻313を
起点とする直線308と、直線305とが交差する時点
において、インバータ20・3の出力が、立ち上がりか
ら立ち下がりへと転じる。さらに、インバータ20・3
の出力が直線308に沿って遷移する過程の中で、次段
のインバータ20・1の閾電圧VTと交差する時刻31
5において、インバータ20・1の出力が再び立ち上が
りを開始する。
【0164】以上のように、インバータ20・1の出力
は、太い折れ線で描かれるように、互いに交差する直線
303,306に沿って遷移する。このことは、他のイ
ンバータ20・2,20・3の出力についても同様であ
る。すなわち、図24に示した例では、インバータ20
・1〜20・3の出力は、ハイレベルへ達する前に、立
ち上がりから立ち下がりへと転じる。このことは、個数
nが”3”と小さく設定されている割に、各インバータ
20・1〜20・3の出力の立ち下がりの際の遷移時間
が、過度に短く設定されていることに由来する。
【0165】その結果、クロック信号VOUTの振幅
が、設定通りの大きさとして得られなくなる。このこと
は、さらに、クロック信号VOUTのハイレベルの電位
を一定に保つことによる周期ジッタの低減効果を減殺す
る結果をももたらす。図25は、このことを確認するた
めに行われた実験の結果を示すグラフである。すなわ
ち、図25は、n=5に設定されたVCO111におい
て、図22に示したように並列接続されるNMOS25
・mの個数(並列数)を変えたときの、クロック信号V
OUTの周期と周期ジッタの大きさの変化に関する実験
結果を示すグラフである。図25において、曲線353
は周期対並列数を表し、曲線354は周期ジッタ対並列
数を表している。
【0166】図25が示すように、並列数が増大するの
にともなって周期は減少する。これに対して、周期ジッ
タの大きさは、並列数が”3”以下の範囲では、並列数
とともに減少しており、クロック信号VOUTの立ち下
がりの際の遷移時間を短くすることによる周期ジッタの
低減効果が実証されている。
【0167】しかしながら、並列数が”3”を超える
と、並列数にともなう周期ジッタの変化は、下降から上
昇へと転じる。このことは、図24に沿って説明したよ
うに、並列数が過度に高くなると、周期ジッタの低減効
果が減殺されることを実証している。実験の対象とされ
たVCOでは、並列数、言い換えると、インバータ20
・mの高電位側の電流源が供給する電源電流の大きさに
対する低電位側の電流源が供給する電源電流の大きさの
比率(以下、”電源電流比”と略称する)は、3以下の
範囲で、できるだけ高く設定するのが望ましいといえ
る。
【0168】つぎに、n個のインバータが循環的に縦続
接続された一般的なVCOにおける電源電流比の最適範
囲について説明する。個数nは、3以上の奇数であるか
ら、自然数”k”(k=1,2,3,・・・)を用い
て、数1のように表すことができる。
【0169】
【数1】
【0170】図24に例示するように、インバータの出
力の立ち上がりの速度(出力の上昇率)をθと表し、出
力の立ち下がりの速度(出力の下降率)をbθと表し、
閾電圧VTとロウレベルの出力との間の電位差をVtと
表し、さらに、ハイレベルの出力と閾電圧VTとの間の
電位差をaVtと表すことが、一般に可能である。出力
の上昇率に対する下降率の比率bは、上記した電源電流
比に相当する。また、図24の例では、上昇率θおよび
下降率bθは、それぞれ、直線303(、305,30
7)および直線304(、306,308)の傾きに相
当する。
【0171】また、図24に例示するように、ある一つ
の段(仮に第1段とする)のインバータの出力が上昇中
に閾電圧VTを交差した時点から、第2段のインバータ
の出力が下降中に閾電圧VTを交差するまでの時間をτ
1とする。同様に、第2段のインバータの出力が下降中
に閾電圧VTを交差した時点から、第3段のインバータ
の出力が上昇中に閾電圧VTを交差するまでの時間をτ
2とする。以下同様に、時間τ3,τ4,・・・,τ
(2k+1)を定義する。以上の定義から、時間τ1,τ
3,・・・,τ(2k+1)の群、および、時間τ2,τ
4,・・・,τ(2k)の群は、それぞれ、数2および数
3で与えられる。
【0172】
【数2】
【0173】
【数3】
【0174】さらに、n個のインバータを信号が1周す
るのに要する時間t(n)を、数4のように定義する
と、時間t(n)は数5で与えられる。
【0175】
【数4】
【0176】
【数5】
【0177】一つのインバータの出力の立ち上がりの際
の遷移時間(以下、”立ち上がり遷移時間”と略称す
る)、すなわち、出力が立ち上がりを開始してから、ハ
イレベルの電位へと十分に到達するまでの時間をTma
xと表記する。この立ち上がり遷移時間Tmaxは、図
24の例では、直線303(、305,307)の起点
から終点までの時間に相当する。
【0178】インバータの出力の振幅が設定通りの大き
さとなるためには、立ち上がり遷移時間Tmaxと時間
t(n)との間の関係が数6のとおりであることが、必
要かつ十分である。
【0179】
【数6】
【0180】この関係は、図24に示したn=3の例で
は、数7に示すとおりとなる。
【0181】
【数7】
【0182】上記した数6から解るように、インバータ
の出力、言い換えると、クロック信号VOUTに対し
て、設定通りの振幅が得られ、その結果、周期ジッタの
抑制効果が十分に発揮されるためには、電源電流比bに
関しては上限が与えられる。また、循環的に縦続接続さ
れるインバータの個数nに関しては、下限が与えられ
る。
【0183】このことは、立ち上がり遷移時間Tmax
を電位差Vt等の変数で表すと、より明確となる。すな
わち、図24に例示するように、インバータの出力の遷
移特性が、一つのレベルから他方のレベルに至るまで、
精度よく直線で表現できる場合には、立ち上がり遷移時
間Tmaxは、数8で与えられる。このとき、数6の関
係は、数9で置き換えることができる。この関係は、さ
らに、数10と等価である。
【0184】
【数8】
【0185】
【数9】
【0186】
【数10】
【0187】数10に示されるように、インバータの個
数nと関係づけられた自然数kが、変数aよりも小さい
ときには、電源電流比bには、個数nおよび変数aで決
まる上限が与えられる。すなわち、循環的に縦続接続さ
れるインバータの個数nが、変数aで決まるある値より
小さいときには、周期ジッタの抑制効果を十分に得る上
で、電源電流比bには上限が存在することが理解され
る。逆に、インバータの個数nが、変数aで決まるある
値以上の大きさであれば、電源電流比bには上限は存在
しない。
【0188】ところで、インバータの出力の遷移特性
は、必ずしも、図24に例示したような直線で精度よく
表現し得るとは限らない。図26は、通常のインバータ
において広く見られる遷移特性を模式的に示すグラフで
ある。すなわち、遷移の最終段階において、出力は目標
のレベルへと直線的に到達するのではなく、漸近的に到
達する。
【0189】しかしながら、遷移の開始から中途までの
範囲では、出力は直線303,304に沿って遷移す
る。すなわち、この範囲では、遷移特性に対して直線近
似が十分に精度よく成り立つ。したがって、各インバー
タの出力の波形は、図27のグラフに示すとおりとな
る。図27から解るように、時間τ1,τ2,・・・τ
(2k+1)に関する数2および数3の関係は十分に精
度よく成立する。
【0190】立ち上がり遷移時間Tmaxは、図26に
示すように、出力が立ち上がりを開始した時点から目標
レベルであるハイレベルへと到達するまでの時間として
一般的に定義されることから、数6の条件式はそのまま
成立する。漸近特性のために、出力がハイレベルへと到
達した時点が必ずしも瞭然としない場合があるが、実用
的観点から出力が十分にハイレベルに接近したと判断し
得る時点を基準として定めるとよい。
【0191】なお、図21では、VCO101(図1)
においてNMOS25・mをNMOS225・mへと置
き換えた例を示したが、他の実施の形態のVCOに対し
ても、同様の置き換えを行うことによって、第2の要因
に由来する周期ジッタを抑制する効果を同様に得ること
ができる。一般に、VCO110(図17)において、
電流源54・mの電源電流を、電流源53・mの電源電
流よりも、(望ましくは、数6の条件の範囲で)大きく
設定することによって、同様の効果を得ることができ
る。
【0192】<9.実施の形態8>図28は、実施の形態
8のVCOの構成を示す回路図である。このVCO11
2は、インバータ20・mへ(負の)電源電流を供給す
る低電位側の電流源としてのNMOS225・mが取り
除かれ、インバータ20・mと接地側電源線12との間
が短絡されている点において、VCO111(図21)
とは特徴的に異なっている。それにともなって、電流制
御回路121(図21)は、電流制御回路122(図
9)へと置き換えられている。
【0193】このVCO112は、インバータ20・m
と接地側電源線12との間が短絡されているので、低電
位側の電流源が供給する電源電流が無限大に設定されて
いるVCOと、理想的には同等に機能する。すなわち、
電源電流比bは十分に高く、インバータの出力の立ち下
がりの際の遷移時間は十分にゼロに近い。
【0194】循環的に縦続接続されるインバータの個数
nが十分に大きいとき、あるいは、閾電圧VTが十分に
高い(すなわち、変数aが十分低い)ときには、電源電
流比bを際限なく大きく設定しても、数6の条件は充足
される。したがって、VCO112は、個数n、あるい
は、閾電圧VTが、十分に高く設定される条件のもとで
の利用に適している。なお、言うまでもなく、インバー
タ20・mは、図17に示した一般のインバータ52・
mへと置き換えることが可能である。
【0195】VCO112では、NMOS225・mな
どの低電位側の電流源を設ける必要がなく、また、電流
制御回路122の構成も簡素化することが可能である。
すなわち、VCO112では、素子の個数が節減され
る。このことは、装置のサイズの縮小化、および、設計
工程等の製造工程に要するコストの節減に寄与する。
【0196】<10.実施の形態8の変形例>VCO11
2において、インバータ20・m(一般には、インバー
タ52・m)と接地側電源線12との間を短絡する代わ
りに、それらの間に抵抗素子を介挿してもよい。このと
き、電源電流比bが値”1”よりも大きくなるように、
抵抗素子の抵抗の大きさを設定するとよい。このように
構成されたVCOでは、抵抗素子の抵抗の大きさを適切
に選択することによって、いつでも数6の条件を充足さ
せることができるという利点がある。
【0197】
【発明の効果】第1の発明の装置では、第(n+1)イ
ンバータの入力が一方電源線に接続されているので、第
(n+1)インバータは、一方電源線の電位の側のレベ
ルである第1レベル(例えばロウレベル)とは異なる第
2レベル(例えばハイレベル)を出力する。しかも、バ
イパス制御回路のはたらきによって、第(n+1)イン
バータの出力が所定値を超えると第(n+1)バイパス
回路が導通して、第(n+1)電流源の電流が一方電源
線へとバイパスされる。
【0198】このため、第(n+1)インバータの出力
が、所定値に保持される。第1〜第(n+1)インバー
タは互いに同一に構成され、同様に、第1〜第(n+
1)電流源、および、第1〜第(n+1)バイパス回路
も、それぞれ互いに同一に構成されるので、第1〜第n
インバータが出力する第2レベルの値も、所定値に保持
される。
【0199】すなわち、第1〜第nインバータの出力
は、一方電源線の電位と所定値の間を遷移する。この所
定値は、二つの電源線の間の電圧、すなわち電源電圧よ
りも小さく設定されているために、電源電圧に多少の変
動があっても、発振する第1〜第nインバータの出力の
第2レベルの値に影響がない。このため、出力信号にお
ける、電源電圧の変動に由来する周期ジッタが抑制され
る。
【0200】第2の発明の装置では、差動増幅器の働き
によって、第(n+1)インバータの出力と基準電位と
の大小関係にもとづいて、スイッチング素子がオン・オ
フし、そのことによって、第(n+1)インバータの出
力が、所定値に保持される。差動増幅器への二つの入力
が一致したときに、その出力は安定するので、第(n+
1)インバータの出力の定常値である所定値は基準電位
と一致する。したがって、基準電位を調節することで、
第1〜第nインバータの出力の振幅を直接に設定するこ
とができる。さらに、バイパス回路およびバイパス制御
回路の構造が簡単であるという利点が得られる。
【0201】第3の発明の装置では、差動増幅器の働き
によって、第(n+1)インバータの電源入力端の電位
と、基準電位との大小関係にもとづいて、スイッチング
素子がオン・オフし、そのことによって、第(n+1)
インバータの出力が、所定値に保持される。また、第
(n+1)インバータの出力を所定値に保持するための
負帰還ループが、第(n+1)インバータ自身を含まな
いので、高い周波数での電源電圧の変動に対しても追随
する。このため、高い周波数での電源電圧の変動に対し
ても、周期ジッタの発生が抑えられる。さらに、バイパ
ス回路およびバイパス制御回路の構造が簡単であるとい
う利点が得られる。
【0202】第4の発明の装置では、バイパス回路が、
スイッチング素子としてのトランジスタ素子に直列に接
続されたもう一つのトランジスタ素子を備え、しかも、
このもう一つのトランジスタは、駆動部の働きで、第1
〜第(n+1)インバータのそれぞれの出力がトランジ
スタ素子をオンする値を超えてさらに所定値に近接した
ときに、オンする。
【0203】このため、エッジの丸みが低減された有用
性の高い出力信号が得られる。さらに、バイパス回路を
構成するトランジスタ素子の閾電圧の製造誤差に起因す
る出力信号の波形のばらつきが抑制され、均一性の高い
波形が得られる。
【0204】第5の発明の装置では、差動増幅器の出力
が、電流を増幅するドライバ回路を介して各バイパス回
路のスイッチング素子へ伝達されるので、スイッチング
素子を高い速度で駆動することができる。したがって、
高い周波数での電源電圧の変動に対しても、バイパス回
路が追随し、周期ジッタの発生が抑えられる。縦続接続
されるインバータの個数nが高いときに、この効果は一
層顕著に現れる。
【0205】第6の発明の装置では、ドライバ回路に備
わる一対のトランジスタの中の他方は、電源電圧の増加
および減少にともなって、オン抵抗がそれぞれ減少およ
び増加する。このことは、スイッチング素子に対して
は、一対のトランジスタの一方のオン抵抗が、相対的に
それぞれ増加および減少することと同等である。
【0206】それにともなって、スイッチング素子は、
それぞれオンおよびオフする。すなわち、他方のトラン
ジスタ自身が負帰還作用をもたらす。したがって、差動
増幅器の出力が追随し得ないほどに電源電圧の変動の周
波数が高い場合にも、他方のトランジスタの負帰還作用
によって、周期ジッタの発生が抑えられる。
【0207】第7の発明の装置では、各電流源に第1群
に属するインバータと第2群に属するインバータとが共
通に接続されており、各群はそれぞれ独立して循環的に
縦続接続されている。このため、共通の電流源に接続さ
れる第1群のインバータと第2群のインバータとは、互
いに逆相で発振する。しかも、バイパス回路およびバイ
パス制御回路の働きにより、第1群、第2群いずれに属
するインバータの出力も、一方電源線の電位と所定値の
間を遷移する。このため、電源電圧の変動に由来する周
期ジッタが抑制された差動型の発振器が実現する。
【0208】第8の発明の装置では、各インバータと一
方電源線との間にも、電流源が備わり、しかも、電流制
御回路の働きによって入力電圧信号に応じた電流が供給
される。このため、各インバータの出力の立ち上がりと
立ち下がりの双方の遅延時間が、入力電圧信号に応じて
変化するので、出力信号の周波数の入力電圧信号に対す
る感度が高い。
【0209】第9の発明の装置では、電源電流比が”
1”を超えるように設定されているので、出力信号の他
方電源線の電位の側のレベルの変動に由来する周期ジッ
タだけでなく、出力信号の遷移時間の変動に由来する周
期ジッタも抑制される。
【0210】第10の発明の装置では、各インバータと
一方電源線との間にも、電流源が備わり、しかも、電流
制御回路の働きによって入力電圧信号に応じた電流が供
給される。このため、各インバータの出力の立ち上がり
と立ち下がりの双方の遅延時間が、入力電圧信号に応じ
て変化するので、出力信号の周波数の入力電圧信号に対
する感度が高い。
【0211】第11の発明の装置では、第1群および第
2群に属する電流源の各々が、MOSトランジスタ素子
によって簡単に構成される。したがって、装置の構成が
簡単であり、製造コストが節減されるという効果が得ら
れる。
【0212】第12の発明の装置では、第2MOSトラ
ンジスタ素子が、第1MOSトランジスタと電流等価な
チャネル幅を有する第3MOSトランジスタ素子の並列
回路で構成されるので、チャネル幅の精度を高くし、し
かも、レイアウト工程その他の製造工程を容易化するこ
とが可能である。
【0213】第13の発明の装置では、一方電源線と各
インバータとが、抵抗素子を介して接続されているの
で、抵抗素子の抵抗の大きさを適切に選択することによ
って、電源電流比bを値”1”よりも大きな値に、容易
に設定することが可能である。しかも、装置の構造が簡
単であり、製造コストも節減される。
【0214】第14の発明の装置では、一方電源線と各
インバータとが短絡されているので、最も簡単な構造
で、電源電流比bを値”1”よりも大きく設定すること
ができる。装置の構造がもっとも簡単であり、製造コス
トも節減される。
【0215】第15の発明の装置では、電源電流比の値
が最適範囲に制限されているので、出力信号の振幅が所
定の大きさに得られるとともに、周期ジッタの抑制効果
が十分に発揮される。
【0216】第16の発明の装置では、電源電流比の値
が、数式で与えられる条件を満たすので、出力信号の振
幅が所定の大きさに得られるとともに、周期ジッタの抑
制効果が十分に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のVCOの回路図である。
【図2】 実施の形態1のVCOを含む半導体チップの
配置図である。
【図3】 実施の形態1のVCOの動作を説明するグラ
フである。
【図4】 実施の形態2のVCOの回路図である。
【図5】 実施の形態3のVCOの回路図である。
【図6】 実施の形態3のVCOの変形例の回路図であ
る。
【図7】 実施の形態3のVCOの別の変形例の回路図
である。
【図8】 実施の形態3のVCOのさらに別の変形例の
回路図である。
【図9】 実施の形態4のVCOの回路図である。
【図10】 実施の形態4のVCOの動作を説明するグ
ラフである。
【図11】 実施の形態4のVCOの動作を説明するグ
ラフである。
【図12】 実施の形態4のVCOの動作を説明するグ
ラフである。
【図13】 実施の形態5のVCOの回路図である。
【図14】 実施の形態5のVCOの動作を説明するグ
ラフである。
【図15】 実施の形態6のVCOの回路図である。
【図16】 実施の形態6のインバータ95・mの回路
図である。
【図17】 変形例のVCOの回路図である。
【図18】 変形例のバイパス回路55・mの回路図で
ある。
【図19】 変形例のバイパス回路55・mの回路図で
ある。
【図20】 実施の形態1の動作を模式的に示すグラフ
である。
【図21】 実施の形態7のVCOの回路図である。
【図22】 実施の形態7の電流制御遅延回路226・
1の回路図である。
【図23】 実施の形態7のVCOの動作を示すグラフ
である。
【図24】 実施の形態7のVCOの動作を示すグラフ
である。
【図25】 実施の形態7のVCOの動作を示すグラフ
である。
【図26】 実施の形態7のVCOの動作を示すグラフ
である。
【図27】 実施の形態7のVCOの動作を示すグラフ
である。
【図28】 実施の形態8のVCOの回路図である。
【図29】 従来のVCOの回路図である。
【図30】 従来のVCOの動作を説明するグラフであ
る。
【符号の説明】
7,8 抵抗素子、20・1〜20・(n+1) イン
バータ、21・1〜21・(n+1) PMOS(電流
源)、23・1〜23・(n+1) PMOS(バイパ
ス回路)、25・1〜25・(n+1),225・1〜
225・(n+1) NMOS(電流源)、35 差動
増幅器(バイパス制御回路)、37 PMOS、38
NMOS、52・1〜52・(n+1) インバータ、
53・1〜53・(n+1) 電流源、54・1〜54
・(n+1) 電流源、55・1〜55・(n+1)
バイパス回路、60・1〜60・(n+1),61・1
〜61・(n+1),62・1〜62・(n+1) イ
ンバータ、79 差動増幅器、93・1〜93・(n+
1) PMOS、94・1〜94・(n+1) NMO
S、95・1〜95・(n+1) インバータ、12
1,122,123電流制御回路、VIN 入力電圧信
号、VOUT クロック信号、Vref 基準電位。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力される信号の周波数が入力電圧信号
    に応じて可変である電圧制御発振器において、 循環的に縦続接続され、互いに同一に構成されるn(n
    =奇数)個の第1ないし第nインバータと、 前記第1ないし第nインバータと同一に構成され、入力
    が一方電源線に接続された第(n+1)インバータと、 互いに同一に構成され、他方電源線と前記第1ないし第
    (n+1)インバータの電源入力端との間にそれぞれ介
    挿され、制御信号に応じた大きさの電流を供給する第1
    ないし第(n+1)電流源と、 前記入力電圧信号に応じて前記制御信号を前記第1ない
    し第(n+1)電流源へ供給する電流制御回路と、 互いに同一に構成され、前記第1ないし第(n+1)イ
    ンバータの前記電源入力端と、前記一方電源線との間に
    それぞれ介挿されており、導通することによって前記第
    1ないし第(n+1)電流源の電流をバイパス可能な第
    1ないし第(n+1)バイパス回路と、 前記第(n+1)インバータの出力と前記一方電源線と
    の電位差が、前記他方および一方電源線の間の電圧より
    も小さく設定された所定値を超えると、前記第1ないし
    第(n+1)バイパス回路を導通させることによって、
    前記電位差を前記所定値に保持するバイパス制御回路
    と、 を備えることを特徴とする電圧制御発振器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電圧制御発振器におい
    て、 前記バイパス制御回路が、差動増幅器を備え、 前記第1ないし第(n+1)バイパス回路の各々が、前
    記差動増幅器の出力に応答してオン、オフするスイッチ
    ング素子を備えており、 前記差動増幅器は、前記第(n+1)インバータの出力
    と、前記一方電源線に対して一定高さの基準電位との差
    を、増幅することを特徴とする電圧制御発振器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電圧制御発振器におい
    て、 前記バイパス制御回路が、差動増幅器を備え、 前記第1ないし第(n+1)バイパス回路の各々が、前
    記差動増幅器の出力に応答してオン、オフするスイッチ
    ング素子を備えており、 前記差動増幅器は、前記第(n+1)インバータの前記
    電源入力端の電位と、前記一方電源線に対して一定高さ
    の基準電位との差を、増幅することを特徴とする電圧制
    御発振器。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の電圧制
    御発振器において、 前記スイッチング素子がトランジスタ素子であり、 前記第1ないし第(n+1)バイパス回路の各々が、 前記トランジスタ素子と直列に接続されたもう一つのト
    ランジスタ素子と、 前記第1ないし第(n+1)インバータの各々の出力
    が、前記トランジスタをオンする値を超えてさらに前記
    所定値に近接したときに、前記もう一つのトランジスタ
    素子をオンする駆動部と、 をさらに備えることを特徴とする電圧制御発振器。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4のいずれかに記
    載の電圧制御発振器において、 前記差動増幅器と前記第1ないし前記第(n+1)バイ
    パス回路の各々に属する前記スイッチング素子との間に
    介挿され、電流を増幅するドライバ回路を、さらに備え
    ることを特徴とする電圧制御発振器。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の電圧制御発振器におい
    て、 前記ドライバ回路が、互いに相補的で直列に接続される
    とともに前記一方および他方電源線の間に介挿された一
    対のトランジスタを備えており、 前記電位差が前記所定値を超えたときに前記一対のトラ
    ンジスタの一方がオフするように、当該一方の制御電極
    へ前記差動増幅器の出力が入力され、前記一対のトラン
    ジスタの他方はつねにオンするように、当該他方の制御
    電極は前記一方または他方電源線へ接続され、前記一対
    のトランジスタの接続部が前記スイッチング素子へ接続
    されていることを特徴とする電圧制御発振器。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の電圧制御発振器において、 前記第1ないし第(n+1)インバータを第1群とし、
    当該第1群と同一に構成された第2群の第1ないし第
    (n+1)インバータを、さらに備え、 前記第2群の前記第1ないし第nインバータは、前記第
    1群の前記第1ないし第(n+1)インバータとは独立
    に、互いに循環的に縦続接続されており、 前記第1ないし第(n+1)電流源は、前記第1群に属
    する前記第1ないし第(n+1)インバータと、前記第
    2群に属する前記第1ないし第(n+1)インバータと
    の双方に、それぞれ接続されており、 前記第2群に属する前記第(n+1)インバータの入力
    には、前記所定値が入力されていることを特徴とする電
    圧制御発振器。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の電圧制御発振器において、 前記第1ないし第(n+1)電流源を第1群とするとと
    もに、前記制御信号を第1制御信号とし、互いに同一に
    構成され、前記一方電源線と前記第1ないし第(n+
    1)インバータのもう一つの電源入力端との間にそれぞ
    れ介挿され、第2制御信号に応じた大きさの電流を供給
    する第2群の第1ないし第(n+1)電流源を、さらに
    備え、 前記電流制御回路は、前記入力電圧信号に応じて、前記
    第1および第2群の電流源が供給する電流の大きさが、
    互いに同一となるように、前記第1および第2制御信号
    を前記第1および第2群の電流源へそれぞれ供給するこ
    とを特徴とする電圧制御発振器。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の電圧制御発振器において、 前記一方電源線と前記第1ないし第(n+1)インバー
    タのもう一つの電源入力端とが、これらの間に流れる電
    流の大きさの前記第1ないし第(n+1)電流源が供給
    する電流の大きさに対する比率である電源電流比が値”
    1”を超えるように、互いに結ばれていることを特徴と
    する電圧制御発振器。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電圧制御発振器にお
    いて、 前記第1ないし第(n+1)電流源を第1群とするとと
    もに前記制御信号を第1制御信号とし、互いに同一に構
    成され、前記一方電源線と前記第1ないし第(n+1)
    インバータの前記もう一つの電源入力端との間にそれぞ
    れ介挿され、第2制御信号に応じた大きさの電流を供給
    する第2群の第1ないし第(n+1)電流源を、さらに
    備え、 前記電流制御回路は、前記入力電圧信号に応じて、前記
    第2群の電流源が供給する電流が、前記第1群の電流源
    が供給する電流よりも、大きくなるように、前記第1お
    よび第2制御信号を、前記第1および第2群の電流源へ
    それぞれ供給することを特徴とする電圧制御発振器。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の電圧制御発振器に
    おいて、 前記第1群に属する前記第1ないし第(n+1)電流源
    の各々が、前記第1制御信号をゲート電極へ受信する第
    1MOSトランジスタ素子を備え、 前記第2群に属する前記第1ないし第(n+1)電流源
    の各々が、前記第2制御信号をゲート電極へ受信する第
    2MOSトランジスタ素子を備え、 前記第2MOSトランジスタ素子のチャネル幅は、前記
    第1MOSトランジスタ素子と電流等価なチャネル幅よ
    りも、大きく設定されていることを特徴とする電圧制御
    発振器。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の電圧制御発振器に
    おいて、 前記第1群に属する前記第1ないし第(n+1)電流源
    の各々が、前記第1制御信号をゲート電極へ受信する第
    1MOSトランジスタ素子を備え、 前記第2群に属する前記第1ないし第(n+1)電流源
    の各々が、前記第2制御信号をゲート電極へ受信する第
    2MOSトランジスタ素子を備え、 前記第2MOSトランジスタ素子が、ゲート電極どう
    し、ドレイン電極どうし、および、ソース電極どうしが
    互いに接続された複数個の第3MOSトランジスタ素子
    を備え、 前記複数個の第3MOSトランジスタ素子の各々のチャ
    ネル幅は、前記第1MOSトランジスタと電流等価なチ
    ャネル幅と、同一の大きさに設定されていることを特徴
    とする電圧制御発振器。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載の電圧制御発振器にお
    いて、 前記一方電源線と前記第1ないし第(n+1)インバー
    タの前記もう一つの電源入力端とが、抵抗素子を介して
    接続されていることを特徴とする電圧制御発振器。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載の電圧制御発振器にお
    いて、 前記一方電源線と前記第1ないし第(n+1)インバー
    タの前記もう一つの電源入力端とが、短絡されているこ
    とを特徴とする電圧制御発振器。
  15. 【請求項15】 請求項9ないし請求項14のいずれか
    に記載の電圧制御発振器において、 前記第1ないし第(n+1)インバータの各々の出力が
    前記他方電源線の電位の側のレベルへと到達可能である
    範囲内に、前記電源電流比が設定されていることを特徴
    とする電圧制御発振器。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の電圧制御発振器に
    おいて、 前記第1ないし第(n+1)インバータの各々の出力が
    前記一方電源線の電位の側の第1レベルから前記他方電
    源線の電位の側の第2レベルへと遷移する際の遷移時間
    Tmaxならびに遷移速度θ、前記第1ないし第(n+
    1)インバータの各々の閾電圧と前記第1レベルの間の
    電位差Vt、前記閾電圧と前記第2レベルの間の電位差
    aVt、前記電源電流比b、および、n=2k+1で定
    義される自然数kに対して、Tmax≦(k+1)Vt
    /θ+kaVt/(bθ)、の関係が成り立つ範囲内
    に、前記電源電流比bが設定されていることを特徴とす
    る電圧制御発振器。
JP9138210A 1996-07-15 1997-05-28 電圧制御発振器 Pending JPH1098356A (ja)

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