JPH1098015A - ワイヤーソーのエンドレス接合方法 - Google Patents
ワイヤーソーのエンドレス接合方法Info
- Publication number
- JPH1098015A JPH1098015A JP25130696A JP25130696A JPH1098015A JP H1098015 A JPH1098015 A JP H1098015A JP 25130696 A JP25130696 A JP 25130696A JP 25130696 A JP25130696 A JP 25130696A JP H1098015 A JPH1098015 A JP H1098015A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire saw
- wire
- diameter
- welded
- endless
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D—PLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D61/00—Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
- B23D61/18—Sawing tools of special type, e.g. wire saw strands, saw blades or saw wire equipped with diamonds or other abrasive particles in selected individual positions
- B23D61/185—Saw wires; Saw cables; Twisted saw strips
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 エンドレス状に接合されるワイヤーソーの接
合部強度を向上させ、これによって例えばシリコンウェ
ハーのような硬脆性材料のスライシングにおいて高能率
かつ高精度加工を実現する。 【解決手段】 中央部1aに対し両端部1bが太径のワ
イヤーソー1を冷間加工により成形し、この成形された
ワイヤーソー1の両端面を、端面傾きがそのワイヤーソ
ー1の両端部1bの径の1/10以下になるように研磨
し、この研磨されたワイヤーソー1の端面同士を接当さ
せて真空中にて高エネルギービームにより溶接し、この
溶接されたワイヤーソー1の太径部を細径部と同径にな
るまで引抜きダイスを用いて冷間加工にて加工硬化させ
る。
合部強度を向上させ、これによって例えばシリコンウェ
ハーのような硬脆性材料のスライシングにおいて高能率
かつ高精度加工を実現する。 【解決手段】 中央部1aに対し両端部1bが太径のワ
イヤーソー1を冷間加工により成形し、この成形された
ワイヤーソー1の両端面を、端面傾きがそのワイヤーソ
ー1の両端部1bの径の1/10以下になるように研磨
し、この研磨されたワイヤーソー1の端面同士を接当さ
せて真空中にて高エネルギービームにより溶接し、この
溶接されたワイヤーソー1の太径部を細径部と同径にな
るまで引抜きダイスを用いて冷間加工にて加工硬化させ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に硬質砥粒が
固着された鋼線よりなる長尺のワイヤーソーをエンドレ
ス状に接合するワイヤーソーのエンドレス接合方法に関
するものである。
固着された鋼線よりなる長尺のワイヤーソーをエンドレ
ス状に接合するワイヤーソーのエンドレス接合方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコンウェハーの需要が年々増
加してきており、併せてウェハーの大径化も進展してき
ている。これに伴いそのシリコンウェハーの製造技術に
ついて、大径化への対応,平坦度の向上および歩留りの
向上等が要請されている。
加してきており、併せてウェハーの大径化も進展してき
ている。これに伴いそのシリコンウェハーの製造技術に
ついて、大径化への対応,平坦度の向上および歩留りの
向上等が要請されている。
【0003】ところで、このシリコンウェハーの製造工
程中のスライシング工程において採られているスライシ
ング法として、従来最も多く用いられている方式に、図
5(a)に示されているようなID(内周刃)ブレード
ソーによる方法がある。この方法は、内周部にダイヤモ
ンド砥粒50が電着されたリング状のIDブレード51
によってスライシングを行うものである。
程中のスライシング工程において採られているスライシ
ング法として、従来最も多く用いられている方式に、図
5(a)に示されているようなID(内周刃)ブレード
ソーによる方法がある。この方法は、内周部にダイヤモ
ンド砥粒50が電着されたリング状のIDブレード51
によってスライシングを行うものである。
【0004】しかし、このIDブレードソーによる方法
では、シリコンインゴット52が大径化(特に8インチ
以上)したときにブレード51の剛性が不足し、これに
対処するためにブレード51の厚みを増やすと切断ロス
が増えるという問題点がある。このような問題点に対し
て、ブレードを揺動させることにより切刃とブレード支
持点との距離を減らすようにした所謂揺動加工法も提案
されているが、この揺動加工法では、加工精度が今一つ
であって加工変質層も多くなり、かつ加工能率も低いと
いった問題点がある。
では、シリコンインゴット52が大径化(特に8インチ
以上)したときにブレード51の剛性が不足し、これに
対処するためにブレード51の厚みを増やすと切断ロス
が増えるという問題点がある。このような問題点に対し
て、ブレードを揺動させることにより切刃とブレード支
持点との距離を減らすようにした所謂揺動加工法も提案
されているが、この揺動加工法では、加工精度が今一つ
であって加工変質層も多くなり、かつ加工能率も低いと
いった問題点がある。
【0005】このようなことから、最近では、表面に硬
質砥粒が固着されたワイヤーソーを用いる所謂ワイヤー
ソー方式が注目されてきている。ここで、このワイヤー
ソー方式の代表的なものに、表面に硬質砥粒を固着した
ワイヤー工具をマルチ化し、このワイヤー工具を往復動
させてスライシングを行う往復動マルチワイヤー切断法
(図5(b)参照)と、同ワイヤー工具をエンドレス化
し、このワイヤー工具を一方向に送ってスライシングを
行うエンドレスマルチワイヤー切断法(図5(c)参
照)とがある。このうち、前者の往復動マルチワイヤー
切断法においては、加減速が必要なため複雑なワイヤ
ー駆動機構が必要で、また加工能率が低い、ワイヤー
の送り方向が変わる際にワイヤー張力が変動するため
に、ウェハー表面に往復動マークが付き加工精度を悪化
させる、加減速時にワイヤー断線を防ぐために特別な
張力制御機構が必要である、といった問題点がある。こ
れに対して後者のエンドレスマルチワイヤー切断法によ
れば、機構の簡素化および高速化の面で優れており、し
かも一方向送りでも加工面がテーパにならないといった
利点を有している。
質砥粒が固着されたワイヤーソーを用いる所謂ワイヤー
ソー方式が注目されてきている。ここで、このワイヤー
ソー方式の代表的なものに、表面に硬質砥粒を固着した
ワイヤー工具をマルチ化し、このワイヤー工具を往復動
させてスライシングを行う往復動マルチワイヤー切断法
(図5(b)参照)と、同ワイヤー工具をエンドレス化
し、このワイヤー工具を一方向に送ってスライシングを
行うエンドレスマルチワイヤー切断法(図5(c)参
照)とがある。このうち、前者の往復動マルチワイヤー
切断法においては、加減速が必要なため複雑なワイヤ
ー駆動機構が必要で、また加工能率が低い、ワイヤー
の送り方向が変わる際にワイヤー張力が変動するため
に、ウェハー表面に往復動マークが付き加工精度を悪化
させる、加減速時にワイヤー断線を防ぐために特別な
張力制御機構が必要である、といった問題点がある。こ
れに対して後者のエンドレスマルチワイヤー切断法によ
れば、機構の簡素化および高速化の面で優れており、し
かも一方向送りでも加工面がテーパにならないといった
利点を有している。
【0006】ただ、このエンドレスマルチワイヤー切断
法の場合、長尺のワイヤーソー60の端面同士をエンド
レス状に接合させることが必要となる。この接合方法と
しては、端部同士を接当させて溶接し、この後に熱処理
を行って破断強度の向上を図る方法が考えられている。
法の場合、長尺のワイヤーソー60の端面同士をエンド
レス状に接合させることが必要となる。この接合方法と
しては、端部同士を接当させて溶接し、この後に熱処理
を行って破断強度の向上を図る方法が考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワイヤ
ーソーをエンドレス状に形成するのに、単に端部同士を
溶接して熱処理を行うだけでは、加工の信頼性が低く、
接合部の強度を向上させることが極めて困難であるとい
う問題点がある。
ーソーをエンドレス状に形成するのに、単に端部同士を
溶接して熱処理を行うだけでは、加工の信頼性が低く、
接合部の強度を向上させることが極めて困難であるとい
う問題点がある。
【0008】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、エンドレス状に接合されるワイヤ
ーソーの接合部強度を向上させることができ、これによ
って例えばシリコンウェハーのような硬脆性材料のスラ
イシングにおいて高能率かつ高精度加工を実現すること
のできるワイヤーソーのエンドレス接合方法を提供する
ことを目的とするものである。
めになされたもので、エンドレス状に接合されるワイヤ
ーソーの接合部強度を向上させることができ、これによ
って例えばシリコンウェハーのような硬脆性材料のスラ
イシングにおいて高能率かつ高精度加工を実現すること
のできるワイヤーソーのエンドレス接合方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述の
目的を達成するために、第一発明によるワイヤーソーの
エンドレス接合方法は、表面に硬質砥粒が埋め込まれ、
もしくは電着にて固着された鋼線よりなる長尺のワイヤ
ーソーをエンドレス状に接合するワイヤーソーのエンド
レス接合方法であって、(a)1本のワイヤーソーの両
端面を研磨等により成形する第一工程、(b)この第一
工程により成形されたワイヤーソーの端面同士を接当さ
せて高エネルギービームにより溶接する第二工程および
(c)この第二工程により溶接されたワイヤーソーの溶
接部を冷間加工にて加工硬化させる第三工程を備えるこ
とを特徴とするものである。
目的を達成するために、第一発明によるワイヤーソーの
エンドレス接合方法は、表面に硬質砥粒が埋め込まれ、
もしくは電着にて固着された鋼線よりなる長尺のワイヤ
ーソーをエンドレス状に接合するワイヤーソーのエンド
レス接合方法であって、(a)1本のワイヤーソーの両
端面を研磨等により成形する第一工程、(b)この第一
工程により成形されたワイヤーソーの端面同士を接当さ
せて高エネルギービームにより溶接する第二工程および
(c)この第二工程により溶接されたワイヤーソーの溶
接部を冷間加工にて加工硬化させる第三工程を備えるこ
とを特徴とするものである。
【0010】この第一発明によるワイヤーソーのエンド
レス接合方法においては、まず第一工程で、ワイヤーソ
ーの両端面が研磨等により成形され、次いで第二工程
で、前記ワイヤーソーの端面同士が接当されて例えばY
AGレーザもしくは電子ビーム等の高エネルギービーム
により溶接され、次に第三工程で、前記ワイヤーソーの
溶接部が引抜きダイスによって冷間加工にて加工硬化さ
れる。こうして、接合部を母材強度相当の十分な接合強
度(破断強度)にすることが可能となる。したがって、
ワイヤーソー自体が十分な切削能力を有し、またエンド
レス化によって一方向送りが可能となるため、このワイ
ヤーソーによって例えばシリコンウェハー等のスライシ
ングにおいて高能率な加工を行うことができるととも
に、ワイヤーの加減速時の張力制御機構が不要となって
制御,装置構造を簡易化することができる。
レス接合方法においては、まず第一工程で、ワイヤーソ
ーの両端面が研磨等により成形され、次いで第二工程
で、前記ワイヤーソーの端面同士が接当されて例えばY
AGレーザもしくは電子ビーム等の高エネルギービーム
により溶接され、次に第三工程で、前記ワイヤーソーの
溶接部が引抜きダイスによって冷間加工にて加工硬化さ
れる。こうして、接合部を母材強度相当の十分な接合強
度(破断強度)にすることが可能となる。したがって、
ワイヤーソー自体が十分な切削能力を有し、またエンド
レス化によって一方向送りが可能となるため、このワイ
ヤーソーによって例えばシリコンウェハー等のスライシ
ングにおいて高能率な加工を行うことができるととも
に、ワイヤーの加減速時の張力制御機構が不要となって
制御,装置構造を簡易化することができる。
【0011】前記第一工程において、ワイヤーソーの中
央部に対し両端部を太径に塑性加工した後、両端面を研
磨等により成形するのが好ましい。また、前記第二工程
において、ワイヤーソーの端面同士を加圧しながら接当
させて高エネルギービームにより溶接するのが好まし
い。さらに、前記第三工程において、第二工程により溶
接されたワイヤーソーの太径部を細径部と同径になるま
で引抜きダイスを用いて冷間加工にて加工硬化させるの
が好ましい。
央部に対し両端部を太径に塑性加工した後、両端面を研
磨等により成形するのが好ましい。また、前記第二工程
において、ワイヤーソーの端面同士を加圧しながら接当
させて高エネルギービームにより溶接するのが好まし
い。さらに、前記第三工程において、第二工程により溶
接されたワイヤーソーの太径部を細径部と同径になるま
で引抜きダイスを用いて冷間加工にて加工硬化させるの
が好ましい。
【0012】前記ワイヤーソーのワイヤー素材として
は、オーステナイト系ステンレス鋼線を用いるのが好ま
しい。また、前記ワイヤーソーの表面に固着する硬質砥
粒としてダイヤモンドまたはCBNを用いることができ
る。
は、オーステナイト系ステンレス鋼線を用いるのが好ま
しい。また、前記ワイヤーソーの表面に固着する硬質砥
粒としてダイヤモンドまたはCBNを用いることができ
る。
【0013】さらに、前記第一工程における両端面の成
形は、端面傾きがそのワイヤーソーの両端部の径の1/
10以下になるように行われるのが良い。また、前記第
二工程において、高エネルギービームによる溶接は真空
中においてなされるか、あるいは不活性ガス雰囲気中に
おいてなされるのが良い。
形は、端面傾きがそのワイヤーソーの両端部の径の1/
10以下になるように行われるのが良い。また、前記第
二工程において、高エネルギービームによる溶接は真空
中においてなされるか、あるいは不活性ガス雰囲気中に
おいてなされるのが良い。
【0014】次に、第二発明によるワイヤーソーのエン
ドレス接合方法は、表面に硬質砥粒を電着で固着された
鋼線よりなる長尺のワイヤーソーをエンドレス状に接合
するワイヤーソーのエンドレス接合方法であって、
(a)1本のワイヤーソーの両端面を研磨等により成形
する第一工程、(b)この第一工程により成形されたワ
イヤーソーの端面同士を加圧しながら接当させて高エネ
ルギービームにより溶接する第二工程および(c)この
第二工程により溶接されたワイヤーソーの太径となった
溶接部を加工成形して均一な直径とする第三工程および
(d)この第三工程により溶接部が均一な直径となった
ワイヤーソーの溶接部に焼き戻し処理を施す第四工程を
備えることを特徴とするものである。
ドレス接合方法は、表面に硬質砥粒を電着で固着された
鋼線よりなる長尺のワイヤーソーをエンドレス状に接合
するワイヤーソーのエンドレス接合方法であって、
(a)1本のワイヤーソーの両端面を研磨等により成形
する第一工程、(b)この第一工程により成形されたワ
イヤーソーの端面同士を加圧しながら接当させて高エネ
ルギービームにより溶接する第二工程および(c)この
第二工程により溶接されたワイヤーソーの太径となった
溶接部を加工成形して均一な直径とする第三工程および
(d)この第三工程により溶接部が均一な直径となった
ワイヤーソーの溶接部に焼き戻し処理を施す第四工程を
備えることを特徴とするものである。
【0015】この第二発明によるワイヤーソーのエンド
レス接合方法においては、まず第一工程で、ワイヤーソ
ーの両端面が研磨等により成形され、次いで第二工程
で、前記ワイヤーソーの端面同士が加圧されながら接当
されて例えばYAGレーザもしくは電子ビーム等の高エ
ネルギービームにより溶接され、次いで第三工程で、ワ
イヤーソーの太径となった溶接部が加工成形されて均一
な直径とされ、最後に第四工程で、溶接部が均一な直径
となったワイヤーソーの溶接部に焼戻し処理が施されて
強度向上が図られる。こうして、第一発明と同様、接合
部を母材強度相当の十分な接合強度(破断強度)にする
ことが可能となる。
レス接合方法においては、まず第一工程で、ワイヤーソ
ーの両端面が研磨等により成形され、次いで第二工程
で、前記ワイヤーソーの端面同士が加圧されながら接当
されて例えばYAGレーザもしくは電子ビーム等の高エ
ネルギービームにより溶接され、次いで第三工程で、ワ
イヤーソーの太径となった溶接部が加工成形されて均一
な直径とされ、最後に第四工程で、溶接部が均一な直径
となったワイヤーソーの溶接部に焼戻し処理が施されて
強度向上が図られる。こうして、第一発明と同様、接合
部を母材強度相当の十分な接合強度(破断強度)にする
ことが可能となる。
【0016】本発明において、前記ワイヤーソーのワイ
ヤー素材として、ピアノ線系材料を用いるのが好まし
い。また、前記ワイヤーソーの表面に固着する硬質砥粒
としてダイヤモンドまたはCBNを用いることができ
る。
ヤー素材として、ピアノ線系材料を用いるのが好まし
い。また、前記ワイヤーソーの表面に固着する硬質砥粒
としてダイヤモンドまたはCBNを用いることができ
る。
【0017】また、前記第一工程における両端面の成形
は、端面傾きがそのワイヤーソーの両端部の径の1/1
0以下になるように行われるのが好ましい。また、前記
第二工程において、高エネルギービームによる溶接は真
空中においてなされるか、あるいは不活性ガス雰囲気中
においてなされるのが良い。
は、端面傾きがそのワイヤーソーの両端部の径の1/1
0以下になるように行われるのが好ましい。また、前記
第二工程において、高エネルギービームによる溶接は真
空中においてなされるか、あるいは不活性ガス雰囲気中
においてなされるのが良い。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明によるワイヤーソー
のエンドレス接合方法の具体的な実施の形態につき、図
面を参照しつつ説明する。
のエンドレス接合方法の具体的な実施の形態につき、図
面を参照しつつ説明する。
【0019】(第1実施例)本実施例は、ワイヤーソー
の素材として、冷間加工によって加工硬化されるととも
に、表面にダイヤモンド粒子(もしくはCBN粒子)が
圧入されたオーステナイト系ステンレス鋼(SUS30
4)を用いるものである。以下に、このワイヤーソーの
接合方法を手順毎に説明する。
の素材として、冷間加工によって加工硬化されるととも
に、表面にダイヤモンド粒子(もしくはCBN粒子)が
圧入されたオーステナイト系ステンレス鋼(SUS30
4)を用いるものである。以下に、このワイヤーソーの
接合方法を手順毎に説明する。
【0020】(1)図1に示されるように、中央部1a
の径d(0.15mm〜0.20mm)に対して両端部
1bの径Dが太径(例えばD=1.3d〜1.8d)の
ワイヤーソー1を分割型引き抜きダイスにより作製す
る。ここで、このワイヤーソーの中央部1aの引張強度
は180〜240kgf/mm2 である。また、両端部
1bの径Dは、後述する各工程によって端部同士を接合
したときに中央部1aと同程度の径と強度とが得られる
ように決定される。
の径d(0.15mm〜0.20mm)に対して両端部
1bの径Dが太径(例えばD=1.3d〜1.8d)の
ワイヤーソー1を分割型引き抜きダイスにより作製す
る。ここで、このワイヤーソーの中央部1aの引張強度
は180〜240kgf/mm2 である。また、両端部
1bの径Dは、後述する各工程によって端部同士を接合
したときに中央部1aと同程度の径と強度とが得られる
ように決定される。
【0021】(2)前述のようにして作製されたワイヤ
ーソー1の両端面を例えば#400ペーパにより研磨
し、端面の傾きが端部径Dの1/10以下になるように
仕上げる。
ーソー1の両端面を例えば#400ペーパにより研磨
し、端面の傾きが端部径Dの1/10以下になるように
仕上げる。
【0022】(3)ビデオマイクロを使用するととも
に、XYZステージ等の位置合わせ装置を用いて端面同
士を精密に位置合わせして接当させる。この際の位置決
め精度は例えば10μm程度とするのが望ましい。
に、XYZステージ等の位置合わせ装置を用いて端面同
士を精密に位置合わせして接当させる。この際の位置決
め精度は例えば10μm程度とするのが望ましい。
【0023】(4)こうして端部同士が接当された箇所
を真空中(約1Torr)にてYAGレーザを用いて溶
接する(図2参照)。この溶接は、予熱および後熱を与
えて溶接部の体積減少率を5%以下に抑えるようにして
行う。なお、この溶接によって接合した部分は、加工硬
化が抜けるために引張強度が約50kgf/mm2 へと
低下する。
を真空中(約1Torr)にてYAGレーザを用いて溶
接する(図2参照)。この溶接は、予熱および後熱を与
えて溶接部の体積減少率を5%以下に抑えるようにして
行う。なお、この溶接によって接合した部分は、加工硬
化が抜けるために引張強度が約50kgf/mm2 へと
低下する。
【0024】(5)低下した引張強度を向上させるため
に、分割型引き抜きダイスで太径部のワイヤー径Dが細
径部のワイヤー径dになるまで冷間加工して加工硬化さ
せる。これによって、接合部を母材と同等の引張強度
(180〜240kgf/mm 2 )にすることができ
る。なお、図3に、SUS304における冷間加工率
(%)に対する引張強度(kgf/mm2 )の関係を示
すグラフが示されている。
に、分割型引き抜きダイスで太径部のワイヤー径Dが細
径部のワイヤー径dになるまで冷間加工して加工硬化さ
せる。これによって、接合部を母材と同等の引張強度
(180〜240kgf/mm 2 )にすることができ
る。なお、図3に、SUS304における冷間加工率
(%)に対する引張強度(kgf/mm2 )の関係を示
すグラフが示されている。
【0025】(第2実施例)本実施例は、ワイヤーソー
の素材として、銅メッキもしくはニッケルメッキによっ
て表面にダイヤモンド粒子(もしくはCBN粒子)が固
定されたピアノ線系材料を用いるものである。以下に、
このワイヤーソーの接合方法を手順毎に説明する。
の素材として、銅メッキもしくはニッケルメッキによっ
て表面にダイヤモンド粒子(もしくはCBN粒子)が固
定されたピアノ線系材料を用いるものである。以下に、
このワイヤーソーの接合方法を手順毎に説明する。
【0026】(1)線径が0.2mm程度のSWPA種
のピアノ線の両端面を例えば#400ペーパにより研磨
し、端面の傾きが線径の1/10以下になるように仕上
げる。
のピアノ線の両端面を例えば#400ペーパにより研磨
し、端面の傾きが線径の1/10以下になるように仕上
げる。
【0027】(2)ビデオマイクロを使用するととも
に、XYZステージ等の位置合わせ装置を用いて端面同
士を精密に位置合わせして接当させる。この際の位置決
め精度は例えば10μm程度とするのが望ましい。
に、XYZステージ等の位置合わせ装置を用いて端面同
士を精密に位置合わせして接当させる。この際の位置決
め精度は例えば10μm程度とするのが望ましい。
【0028】(3)こうして端部同士が接当された箇所
を真空中(約1Torr)にてYAGレーザを用いて溶
接する。この溶接は、予熱および後熱を与えて溶接部の
体積減少率を5%以下に抑えるようにして行う。
を真空中(約1Torr)にてYAGレーザを用いて溶
接する。この溶接は、予熱および後熱を与えて溶接部の
体積減少率を5%以下に抑えるようにして行う。
【0029】(4)溶接により低下した引張強度を向上
させるために、溶接部に焼戻し処理を施す。ここで、焼
戻温度と引張強度(破断強度)との関係を測定するため
に、焼戻温度を150〜500℃まで50度おきに設定
し、YAGレーザ接合したピアノ線を1時間保持したと
きの引張試験結果が図4に示されている。なお、引張試
験は、JISZ2241(金属材料引張試験方法)によ
って行い、つかみの間隔は約100mmとした。この場
合、試験片がつかみの部分から破断したときにはその試
験を無効とし更に同一の線から試験片を採り試験をやり
直した。この試験結果から明らかなように、250℃で
1時間の焼戻し処理によって1850MPa(58N)
の引張強度が得られることがわかる。これは非熱処理品
の5.3倍,ピアノ線母材強度(2600MPa)の約
71%に相当する。
させるために、溶接部に焼戻し処理を施す。ここで、焼
戻温度と引張強度(破断強度)との関係を測定するため
に、焼戻温度を150〜500℃まで50度おきに設定
し、YAGレーザ接合したピアノ線を1時間保持したと
きの引張試験結果が図4に示されている。なお、引張試
験は、JISZ2241(金属材料引張試験方法)によ
って行い、つかみの間隔は約100mmとした。この場
合、試験片がつかみの部分から破断したときにはその試
験を無効とし更に同一の線から試験片を採り試験をやり
直した。この試験結果から明らかなように、250℃で
1時間の焼戻し処理によって1850MPa(58N)
の引張強度が得られることがわかる。これは非熱処理品
の5.3倍,ピアノ線母材強度(2600MPa)の約
71%に相当する。
【0030】前記各実施例において、YAGレーザの接
合条件として、レーザのパルス波形を矩形波から階段状
にし、最大出力と予熱,後熱の出力を最適化することで
良好な接合部を得ることができる。また、レーザスポッ
ト径としては0.3mm程度が好適である。
合条件として、レーザのパルス波形を矩形波から階段状
にし、最大出力と予熱,後熱の出力を最適化することで
良好な接合部を得ることができる。また、レーザスポッ
ト径としては0.3mm程度が好適である。
【0031】前記各実施例においては、YAGレーザに
より溶接するものとしたが、この他に、炭酸ガスレー
ザ,電子ビーム等の高エネルギービームを用いることも
可能である。
より溶接するものとしたが、この他に、炭酸ガスレー
ザ,電子ビーム等の高エネルギービームを用いることも
可能である。
【図1】図1は、第1実施例におけるワイヤーソーの素
材形状を示す図である。
材形状を示す図である。
【図2】図2は、第1実施例におけるワイヤーソーを溶
接後の状態で示す図である。
接後の状態で示す図である。
【図3】図3は、SUS304における冷間加工率
(%)に対する引張強度(kgf/mm2 )の関係を示
すグラフである。
(%)に対する引張強度(kgf/mm2 )の関係を示
すグラフである。
【図4】図4は、第2実施例における焼戻温度と引張強
度(破断強度)との関係を示すグラフである。
度(破断強度)との関係を示すグラフである。
【図5】図5(a)(b)(c)は、シリコンウェハー
のスライシング方式説明図である。
のスライシング方式説明図である。
1 ワイヤーソー 1a 中央部 1b 両端部
Claims (15)
- 【請求項1】 表面に硬質砥粒が埋め込まれ、もしくは
電着にて固着された鋼線よりなる長尺のワイヤーソーを
エンドレス状に接合するワイヤーソーのエンドレス接合
方法であって、(a)1本のワイヤーソーの両端面を研
磨等により成形する第一工程、(b)この第一工程によ
り成形されたワイヤーソーの端面同士を接当させて高エ
ネルギービームにより溶接する第二工程および(c)こ
の第二工程により溶接されたワイヤーソーの溶接部を冷
間加工にて加工硬化させる第三工程を備えることを特徴
とするワイヤーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項2】 前記第一工程において、ワイヤーソーの
中央部に対し両端部を太径に塑性加工した後、両端面を
研磨等により成形することを特徴とする請求項1に記載
のワイヤーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項3】 前記第二工程において、ワイヤーソーの
端面同士を加圧しながら接当させて高エネルギービーム
により溶接することを特徴とする請求項1に記載のワイ
ヤーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項4】 前記第三工程において、第二工程により
溶接されたワイヤーソーの太径部を細径部と同径になる
まで引抜きダイスを用いて冷間加工にて加工硬化させる
ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーソーのエン
ドレス接合方法。 - 【請求項5】 前記ワイヤーソーのワイヤー素材として
オーステナイト系ステンレス鋼線を用いることを特徴と
する請求項1〜4のうちのいずれかに記載のワイヤーソ
ーのエンドレス接合方法。 - 【請求項6】 前記ワイヤーソーの表面に固着する硬質
砥粒としてダイヤモンドまたはCBNを用いることを特
徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載のワイヤ
ーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項7】 前記第一工程における両端面の成形は、
端面傾きがそのワイヤーソーの両端部の径の1/10以
下になるように行われることを特徴とする請求項1〜6
のうちのいずれかに記載のワイヤーソーのエンドレス接
合方法。 - 【請求項8】 前記第二工程において、高エネルギービ
ームによる溶接は真空中においてなされることを特徴と
する請求項1〜7のうちのいずれかに記載のワイヤーソ
ーのエンドレス接合方法。 - 【請求項9】 前記第二工程において、高エネルギービ
ームによる溶接は不活性ガス雰囲気中においてなされる
ことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載
のワイヤーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項10】 表面に硬質砥粒を電着で固着された鋼
線よりなる長尺のワイヤーソーをエンドレス状に接合す
るワイヤーソーのエンドレス接合方法であって、(a)
1本のワイヤーソーの両端面を研磨等により成形する第
一工程、(b)この第一工程により成形されたワイヤー
ソーの端面同士を加圧しながら接当させて高エネルギー
ビームにより溶接する第二工程および(c)この第二工
程により溶接されたワイヤーソーの太径となった溶接部
を加工成形して均一な直径とする第三工程および(d)
この第三工程により溶接部が均一な直径となったワイヤ
ーソーの溶接部に焼き戻し処理を施す第四工程を備える
ことを特徴とするワイヤーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項11】 前記ワイヤーソーのワイヤー素材とし
てピアノ線系材料を用いることを特徴とする請求項10
に記載のワイヤーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項12】 前記ワイヤーソーの表面に固着する硬
質砥粒としてダイヤモンドまたはCBNを用いることを
特徴とする請求項10または11に記載のワイヤーソー
のエンドレス接合方法。 - 【請求項13】 前記第一工程における両端面の成形
は、端面傾きがそのワイヤーソーの両端部の径の1/1
0以下になるように行われることを特徴とする請求項1
0〜12のうちのいずれかに記載のワイヤーソーのエン
ドレス接合方法。 - 【請求項14】 前記第二工程において、高エネルギー
ビームによる溶接は真空中においてなされることを特徴
とする請求項10〜13のうちのいずれかに記載のワイ
ヤーソーのエンドレス接合方法。 - 【請求項15】 前記第二工程において、高エネルギー
ビームによる溶接は不活性ガス雰囲気中においてなされ
ることを特徴とする請求項10〜13のうちのいずれか
に記載のワイヤーソーのエンドレス接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25130696A JPH1098015A (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | ワイヤーソーのエンドレス接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25130696A JPH1098015A (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | ワイヤーソーのエンドレス接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1098015A true JPH1098015A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=17220853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25130696A Withdrawn JPH1098015A (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | ワイヤーソーのエンドレス接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1098015A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005523584A (ja) * | 2002-04-17 | 2005-08-04 | ラム リサーチ コーポレーション | プラズマ反応チャンバ用シリコン部品 |
US7517803B2 (en) | 2002-04-17 | 2009-04-14 | Lam Research Corporation | Silicon parts having reduced metallic impurity concentration for plasma reaction chambers |
CN103722626A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-04-16 | 镇江市港南电子有限公司 | 一种硅片切割钢丝 |
-
1996
- 1996-09-24 JP JP25130696A patent/JPH1098015A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005523584A (ja) * | 2002-04-17 | 2005-08-04 | ラム リサーチ コーポレーション | プラズマ反応チャンバ用シリコン部品 |
US7517803B2 (en) | 2002-04-17 | 2009-04-14 | Lam Research Corporation | Silicon parts having reduced metallic impurity concentration for plasma reaction chambers |
KR100954711B1 (ko) * | 2002-04-17 | 2010-04-23 | 램 리써치 코포레이션 | 플라즈마 반응 챔버용 실리콘 부품 |
JP2010157754A (ja) * | 2002-04-17 | 2010-07-15 | Lam Res Corp | プラズマ反応チャンバ用シリコン部品 |
JP4837894B2 (ja) * | 2002-04-17 | 2011-12-14 | ラム リサーチ コーポレーション | シリコン部品の形成方法 |
CN103722626A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-04-16 | 镇江市港南电子有限公司 | 一种硅片切割钢丝 |
CN103722626B (zh) * | 2013-12-30 | 2016-04-13 | 福能科技江苏有限公司 | 一种硅片切割钢丝 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6311684B1 (en) | Continuous wire saw loop and method of manufacture thereof | |
CN110026683B (zh) | 一种双金属带锯条焊接装置及方法 | |
US4144777A (en) | Circular saw blade and method for making the same | |
WO2010034603A1 (en) | A fiber laser cutting process with multiple foci | |
KR20160022300A (ko) | 팁 부착 원형톱의 제조 방법 | |
JP2000301364A (ja) | 異種金属材料の回転摩擦圧接方法 | |
US7763826B2 (en) | System and method for cutting and applying metal configurations to another metal surface | |
JPH1098015A (ja) | ワイヤーソーのエンドレス接合方法 | |
JP3261432B2 (ja) | 前処理を含む接合装置及び接合方法 | |
JPH03279277A (ja) | タービンロータの接合構造 | |
JPS5865588A (ja) | 接合超硬合金の製造法 | |
JP2010105043A (ja) | 金属の低温接合方法 | |
JPH0569337A (ja) | 切削工具 | |
JPH06199580A (ja) | 超硬合金とステンレス鋼との接合方法及び超硬合金とステンレス鋼からなる治療器具 | |
EP1232819A2 (en) | Methods for manufacturing band saw blades | |
JPH0379264A (ja) | カツティングワイヤー工具 | |
EP2801433A2 (en) | Method for manufacturing cutting tool | |
JPH1177338A (ja) | 摩擦接合方法 | |
JPH0346268B2 (ja) | ||
JP3584716B2 (ja) | 刃物の製造方法 | |
WO2009107594A1 (ja) | 超硬合金とステンレス鋼との接続方法 | |
JPS62207590A (ja) | 小径ドリルの製造法 | |
JP2003117837A (ja) | 切断用ブレード | |
JP2005271184A (ja) | ソーブレード、ビット及びバンドソー | |
JPS6025616A (ja) | 複合ブランクの製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031202 |