JPH06199580A - 超硬合金とステンレス鋼との接合方法及び超硬合金とステンレス鋼からなる治療器具 - Google Patents

超硬合金とステンレス鋼との接合方法及び超硬合金とステンレス鋼からなる治療器具

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JPH06199580A
JPH06199580A JP35781292A JP35781292A JPH06199580A JP H06199580 A JPH06199580 A JP H06199580A JP 35781292 A JP35781292 A JP 35781292A JP 35781292 A JP35781292 A JP 35781292A JP H06199580 A JPH06199580 A JP H06199580A
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JP
Japan
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stainless steel
cemented carbide
joining
carbide
shank
Prior art date
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Application number
JP35781292A
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English (en)
Inventor
Masaaki Matsutani
正明 松谷
Masahiko Saito
雅彦 斉藤
Hideo Matsumoto
英夫 松本
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Matsutani Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Matsutani Seisakusho Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】炭化タングステンを主成分とする超硬合金とス
テンレス鋼を接合する。歯科用治療器具の品質の安定性
と切削性を向上させる。 【構成】突き合わせ面の寸法,形状を一致させた超硬合
金のバー材Aとステンレス鋼のバー材Bを所定の面圧の
下に突き合わせる。接合部位を低酸素雰囲気とし突き合
わせ面を溶接温度まで上昇させて保持する。これによ
り、超硬合金とステンレス鋼を接合することが出来る。
治療器具20は、上記の如くして接合された複合材Cの超
硬合金部分を機械加工して切削部21を形成すると共に、
ステンレス鋼部分を機械加工してシャンク22を形成する
ことで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭化タングステンを主成
分とする超硬合金とステンレス鋼を接合する方法と、切
刃を超硬合金によって構成し且つシャンクをステンレス
鋼によって構成した治療器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化タングステンを主成分とする超硬合
金は高い硬度を有しており、金属や他の材料を加工する
際の切削工具として利用されている。前記超硬合金を切
削工具として使用する場合、所定の寸法及び形状に成形
したチップを鋼等によって構成した台金にロー付によっ
て接合するか、或いはソリッドタイプとして使用するの
が一般である。
【0003】一方、歯科用の治療器具にあっては、高い
硬度を持った層を有する歯牙を穿孔,切削或いは研削し
て治療することが要求される。このため、前記治療器具
では、エアモーター等のチャックに把持されるシャンク
と台金とからなるバーを形成し、前記台金にメッキ法に
よりダイヤモンド砥粒を固着して切削部を構成している
(特開昭62-49485号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記超硬合金は他の材
料と溶接接合することが困難であり、このような材料の
接合方法の開発が望まれている。
【0005】歯科用の治療器具では、砥粒の固着密度を
厳密に管理して安定した品質を有する治療器具を生産す
ることは困難な技術に属する。また砥粒を固着した治療
器具では、使用中に固着した砥粒が剥離して切削性が低
下するという問題を有している。
【0006】本発明の目的は、炭化タングステンを主成
分とする超硬合金とステンレス鋼との接合方法を提供
し、合わせて安定した品質の確保とコストの低減をはか
り且つ切削性を向上させた治療器具を提供せんとするも
のである。
【0007】上記課題を解決するために本発明に係る超
硬合金とステンレス鋼との接合方法は、炭化タングステ
ンを主成分とする超硬合金とステンレス鋼との接合方法
であって、前記超硬合金とステンレス鋼を低酸素雰囲気
中で所定の押圧力を持って突き合わせると共に突き合わ
せ部を所定の温度に上昇させて接合することを特徴とす
るものである。
【0008】また超硬合金とステンレス鋼からなる治療
器具は、炭化タングステンを主成分とする超硬合金のバ
ー材とステンレス鋼のバー材を低酸素雰囲気中で突き合
わせ接合した材料を素材とし、前記材料の超硬合金部分
に所定の切刃を形成すると共にステンレス鋼部分に所定
の径を持ったシャンクを形成したものである。
【0009】
【作用】上記接合方法によれば、炭化タングステンを主
成分とする超硬合金とステンレス鋼を良好な状態で接合
することが出来る。
【0010】本件発明者等の実験によれば、超硬合金と
ステンレス鋼を大気中で突き合わせ溶接した場合、接合
部が脆くなり実質的に接合が不可能であった。この原因
は、大気中の酸素の影響により脱炭層の成長が促進さ
れ、接合部位の炭化タングステンの組成が変化した結果
であると判断される。本発明は、前記判断に基づいて種
々の実験を試みた結果なされたものである。
【0011】即ち、接合作業を行う際に作業部周辺の空
気をアルゴンガス或いは窒素ガス等の不活性ガスによっ
て置換して低酸素雰囲気とし、超硬合金とステンレス鋼
を突き合わせて該突き合わせ部を所定の溶接温度に上昇
させることによって、これ等の材料を良好な状態で接合
することが出来る。
【0012】また上記治療器具によれば、高い硬度を持
った超硬合金によって切刃を構成することが出来、且つ
該切刃を機械加工により均一な寸法と形状を持って形成
することが出来る。このため、個々の治療器具に性能上
のバラツキが生じることがなく、従って、切削性を向上
させると共に該切削性を安定して維持することが出来
る。またステンレス鋼によってシャンクを構成すること
が出来るため、耐錆性を向上させることが出来る。
【0013】また治療器具の切刃部を超硬合金とし且つ
シャンク部をステンレス鋼として構成することによっ
て、ソリッドタイプのものに比較してコストの低減をは
かることが出来る。
【0014】
【実施例】以下上記接合方法の実施例について図を用い
て説明する。図1は接合方法を説明する模式図、図2は
接合された複合材の強度を測定する測定方法を説明する
模式図である。
【0015】図1に示す溶接室1は気密性を有する密閉
された筐体によって構成され、真空ポンプ2及びアルゴ
ンガス又は窒素ガス或いは他の不活性ガスの供給源3が
接続されている。また溶接室1の内部には超硬合金のバ
ー材Aを把持して通電する電極4、及びステンレス鋼の
バー材Bを把持して通電する電極5が配置されている。
前記電極4は図示しないベース上に固定されており、ま
た電極5は図示しない装置によって電極4の方向に離接
可能に、且つ所望の力で押圧し得るように構成されてい
る。
【0016】バー材Aは炭化タングステンを主成分とす
る超硬合金によって構成され、且つバー材BはSUS440C,
SUS420F,SUS410等のマルテンサイト系ステンレス鋼によ
って構成されている。そして各バー材A,Bの突き合わ
せ面は、夫々同一形状,同一寸法を持って形成されてい
る。
【0017】上記バー材Aを電極4によって把持すると
共にバー材Bを電極5によって把持し、電極5を電極4
側に移動させてバー材A,Bを突き合わせると共に1平
方センチメートル当たり1kg程度の荷重を付与する。そ
して真空ポンプ2を作動させて溶接室1内の空気を吸引
すると共に、供給源3からアルゴンガス或いは窒素ガス
等の不活性ガスを供給する。
【0018】溶接室1の内部にある空気が不活性ガスに
置換され、略低酸素雰囲気となった後、電極4,5に通
電してバー材A,Bを所定の温度まで加熱することで、
これ等のバー材A,Bを接合することが可能である。
【0019】上記の如くしてバー材A,Bを接合して構
成した複合材Cの接合強度を測定するには種々の方法が
ある。本実施例では図2に示す試験装置6を用いて接合
面に曲げモーメントを付与し、接合部位が破損したとき
の曲げモーメントを接合面の断面積で除した値を算出し
て接合強度を測定した。
【0020】試験装置6は外周にワイヤ7を巻き付ける
と共に中心から半径5mmの位置に複合材Cと当接して荷
重を作用させるピン8を設けた外径20mmのドラム9と、
ドラム9の回転中心と一致した把持部を有するバイス10
とによって構成され、複合材Cに於ける接合部位をドラ
ム9の回転中心と一致させてバイス10に把持し、ワイヤ
7に所望の荷重を作用させて引っ張ることで、複合材C
に所望の曲げモーメントを作用させることが可能なよう
に構成されている。
【0021】また実験的に、通電時に於ける電極4,5
間の距離を 2.9mm〜 4.3mmの間で変化させると共に、バ
ー材A,Bの突き合わせ面の位置を前記距離の範囲内で
電極4側から電極5側にかけて変化させて接合したとき
の接合強度を測定した。またバー材A,Bの突き合わせ
面に超硬合金の粉末を添加して接合する実験を行い、こ
のときの接合強度を測定した。
【0022】上記実験の結果、大気中で接合した複合材
では接合部位が脆く、接合強度を測定するには至らなか
った。然し、低酸素雰囲気中で接合した場合、1平方ミ
リメートル当たり1783.1 g・cm〜3096.0 g・cmの曲げ強
度を有する複合材Cを得ることが可能であった。またバ
ー材A,Bの突き合わせ面に超硬合金の粉末を添加した
場合の接合強度は、添加しない場合の接合強度と顕著な
変化はないことが判明した。
【0023】本実施例では、バー材A,Bを接合するに
際しこれ等のバー材A,Bに通電して接合面を加熱した
が、この加熱方法に限定するものではなく、要するに接
合面を溶接温度まで上昇させると共に、一定時間保持し
得る加熱方法であれば良いことは当然である。このよう
な加熱手段としては、例えばレーザービーム,プラズマ
ビーム等がある。
【0024】また本実施例では溶接室1の内部をアルゴ
ンガス,窒素ガス等の不活性ガスによって置換すること
で低酸素雰囲気としたが、溶接室1の内部を真空状態に
保持することによって低酸素雰囲気としても良い。この
場合、加熱手段として電子ビームを用いることが可能で
ある。
【0025】次に、治療器具の一例を図3により説明す
る。本発明に係る治療器具は、エアモーター及びチャッ
クを備えた回転工具によって回転を付与されて歯牙を切
削或いは研削するものである。このような治療器具とし
ては、スタッドを埋設するために穿孔する治療器具,穿
孔された孔の形状を整える治療器具、表面を切削或いは
研削する治療器具等があり、夫々の目的に応じた形状を
有している。本実施例では、その中の一例として穿孔器
具の構成について説明する。
【0026】図に示す穿孔器具20は歯牙を穿孔する際に
用いられるものであり、切削部21とシャンク22とによっ
て構成されている。切削部21は炭化タングステンを主成
分とした超硬合金によって構成され、またシャンク22は
マルテンサイト系ステンレス鋼によって構成されてい
る。
【0027】穿孔器具20は、超硬合金のバー材Aとステ
ンレス鋼のバー材Bを前述の接合方法によって接合した
複合材Cを素材として用い、これ等のバー材A,Bの接
合面23を境界としてバー材A側に研削加工等を施すこと
によって研削部21を形成すると共に、バー材B側に切削
加工等を施すことによってシャンク22を形成している。
【0028】上記の如く構成した穿孔器具20では、切削
部21が超硬合金によって構成されることから良好な切削
性を有しており、また切削部21が機械加工によって形成
されることから、寸法,形状共にバラツキのない安定し
た品質を有している。
【0029】本実施例に於いて、研削部21はスパイラル
エンドミルと類似の形状を持って構成されている。然
し、研削部の形状は一義的に設定されるものではなく、
目的の作業を遂行するために最も適した形状に設定され
るものである。即ち、研削部21の形状は本実施例に限定
するものではなく、目的に応じて適宜設定すべきもので
ある。
【0030】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
超硬合金とステンレス鋼との接合方法では、接合作業を
行う際に周辺を低酸素雰囲気とし、炭化タングステンを
主成分とする超硬合金とステンレス鋼を突き合わせ、該
突き合わせ部を所定の溶接温度に上昇させることによっ
て、これ等の材料を接合することが出来る。
【0031】本発明に係る超硬合金とステンレス鋼から
なる治療器具では、高い硬度を持った炭化タングステン
を主成分とする超硬合金によって切刃を構成すると共
に、耐錆性に優れたステンレス鋼によってシャンクを構
成することが出来る。また種々の治療器具に要求される
切刃を超硬合金に研削加工を施すことで形成することが
出来る。このため、均一な寸法と形状を持った切刃を形
成することが可能となり、個々の治療器具に性能上のバ
ラツキが生じることがない。また治療器具の切削性を向
上させると共に該切削性を長期間維持することが出来、
且つ耐錆性の向上とコストの低減をはかることが出来る
等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合方法を説明する模式図である。
【図2】接合された複合材の強度を測定する測定方法を
説明する模式図である。
【図3】治療器具の一例としての穿孔器具の正面図であ
る。
【符号の説明】
A 超硬合金のバー材 B ステンレス鋼のバー材 C 複合材 1 溶接室 2 真空ポンプ 3 不活性ガスの供給源 4,5 電極 6 試験装置 7 ワイヤ 8 ピン 9 ドラム 10 バイス 20 穿孔器具 21 切削部 22 シャンク 23 接合面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 103:18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化タングステンを主成分とする超硬合
    金とステンレス鋼との接合方法であって、前記超硬合金
    とステンレス鋼を低酸素雰囲気中で所定の押圧力を持っ
    て突き合わせると共に突き合わせ部を所定の温度に上昇
    させて接合することを特徴とした超硬合金とステンレス
    鋼との接合方法。
  2. 【請求項2】 炭化タングステンを主成分とする超硬合
    金のバー材とステンレス鋼のバー材を低酸素雰囲気中で
    突き合わせ接合した材料を素材とし、前記材料の超硬合
    金部分に所定の切刃を形成すると共にステンレス鋼部分
    に所定の径を持ったシャンクを形成したことを特徴とし
    た超硬合金とステンレス鋼からなる治療器具。
JP35781292A 1992-12-25 1992-12-25 超硬合金とステンレス鋼との接合方法及び超硬合金とステンレス鋼からなる治療器具 Pending JPH06199580A (ja)

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