JPH1097674A - 自動販売機の搬出機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下に互いに間隔を隔てて積層された複数の
商品棚と、押片を有し各商品棚に取り付けられた商品駆
動装置とを備える自動販売機の搬出機構であって、各商
品駆動装置毎に駆動源を配設する必要が無く、特開平８
−８６７６２号の搬出機構に比べて製造コストの安価な
自動販売機の搬出機構を提供する。 【解決手段】 上下に互いに間隔を隔てて積層された複
数の商品棚と、商品棚上で延在し一端がバネを介して商
品棚または自動販売機のケーシングに固定され他端部が
商品棚の一端から垂下するワイヤーと、一方向クラッチ
を介して動力伝達可能にワイヤーに係合する押片と、ワ
イヤーの他端に取り付けられた係合片とを有し各商品棚
に取り付けられた商品駆動装置と、商品棚の前記一端に
隣接して配設され上下に移動可能な商品受け部材と、商
品受け部材に取り付けられ、稼働位置と退避位置との間
で移動可能であり、稼働位置にある時に商品駆動装置の
係合片と係合可能な係合爪とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上下に互いに間隔
を隔てて積層された複数の商品棚と、押片を有し各商品
棚に取り付けられた商品駆動装置とを備える自動販売機
の搬出機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上下に互いに間隔を隔てて積層された複
数の商品棚と、押片を有し各商品棚に取り付けられた商
品駆動装置とを備える自動販売機の搬出機構が特開平８
−８６７６２号に開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】特開平８−８６７６２
号に開示された自動販売機の搬出機構においては、各商
品駆動装置毎に駆動源が必要であり、製造コストが高い
という問題があった。本発明は上記の問題に鑑みてなさ
れたものであり、上下に互いに間隔を隔てて積層された
複数の商品棚と、押片を有し各商品棚に取り付けられた
商品駆動装置とを備える自動販売機の搬出機構であっ
て、各商品駆動装置毎に駆動源を配設する必要が無く、
特開平８−８６７６２号の搬出機構に比べて製造コスト
の安価な自動販売機の搬出機構を提供することを目的と
する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、上下に互いに間隔を隔てて積層
された複数の商品棚と、商品棚上で延在し一端がバネを
介して商品棚または自動販売機のケーシングに固定され
他端部が商品棚の端部から垂下するワイヤーと、一方向
クラッチを介して動力伝達可能にワイヤーに係合する押
片と、ワイヤーの他端に取り付けられた係合片とを有し
各商品棚に取り付けられた商品駆動装置と、商品棚に隣
接して配設され上下に移動可能な商品受け部材と、商品
受け部材に取り付けられ、稼働位置と退避位置との間で
移動可能であり、稼働位置にある時に商品駆動装置の係
合片と係合可能な係合爪とを備えることを特徴とする自
動販売機の搬出機構を提供する。

【０００５】本発明の好ましい態様においては、自動販
売機の搬出機構は、 一方向クラッチとワイヤーとの係
合状態を解除する部材を備える。

【０００６】本発明の好ましい態様においては、商品棚
上に複数の商品駆動装置が互いに平行に取り付けられ、
商品受け部材に複数の係合爪が取り付けられている。

【０００７】本発明の好ましい態様においては、上下に
互いに間隔を隔てて積層された複数の商品棚が、商品受
け部材を間に挟んで二組向かい合わせに配設されてい
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以降の説明において、図１〜４の
矢印Ｉ、ＩＩ、ＩＩＩ、ＩＶ、Ｖ、ＶＩの方向をそれぞ
れ前方、後方、左方、右方、上方、下方と呼ぶ。本発明
の実施例に係る自動販売機の搬出機構を図１〜４に基づ
いて説明する。図１に示すように、略水平に延在する複
数の長方形板状の商品棚１が上下に互いに間隔を隔てて
積層されている。図１、２に示すように、商品棚１上で
ワイヤー２が左右に延在している。ワイヤー２の左端は
バネ３を介して商品棚１または図示しない自動販売機の
ケーシングの側壁に固定されている。ワイヤー３の右端
部は商品棚の右端から垂下している。

【０００９】図１、２に示すように、前後に延在し後端
部４ａが鉤型に折り返された押片４が商品棚１上に載置
されている。ワイヤー２は押片４の後端部４ａを遊動可
能に貫通している。図１〜３に示すように、溝型部材５
が上端部を通り前後に延在する軸線Ｘ１回りに揺動可能
に押片４の後端部４ａに取り付けられている。図２、３
に示すように、溝型部材５は上端から下端へ向けて左斜
め下方へ傾斜しており、溝型部材５の下端右角部は上方
からワイヤー２に当接している。溝型部材５によって一
方向クラッチが構成されている。溝型部材５によって構
成される一方向クラッチは、右向きの動力のみを、ワイ
ヤー２から押片４ヘ伝達することができる。

【００１０】右方向へ突出する湾曲部６ａを有する湾曲
棒状部材６が、前後に延在する軸線Ｘ２回りに揺動可能
に、溝型部材５の右方で、押片４の後端部４ａに取り付
けられている。図３に示すように、湾曲部６ａは押片４
の右端部４ａに形成された開口を通り開口の右方へ突出
している。無負荷状態では、湾曲棒状部材６の左端部は
溝型部材５から右方向へ離れている。湾曲棒状部材６の
湾曲部６ａに左向きの力を印加すると、湾曲棒状部材６
は前方から見て反時計方向へ揺動し、湾曲棒状部材６の
左端部が溝型部材５に当接して、溝型部材５を左方へ押
し、溝型部材５を前方から見て反時計方向へ揺動させ
る。この結果、溝型部材５によって構成される一方向ク
ラッチとワイヤーとの係合状態が解除される。

【００１１】図２に示すように、押片４の後端部４ａ
は、商品棚１上に固定され左右に延在する溝型断面を有
する押片ガイド７内に載置されている。押片ガイド７の
前側壁７ａは、押片４の中央部に形成されたスリット４
ｂを貫通している。押片ガイド７の左端部と右端部に、
案内板８が取り付けられている。押片ガイド７の右端
は、商品棚１の右端から僅かに右方へ突出している。押
片ガイド７の右端にプーリー９が取り付けられている。
押片ガイド７の右端下面から案内板１０が垂下してい
る。スライド部材１１が案内板１０に外嵌している。ス
ライド部材１１の上端に、右方ヘ突出するピン状の係合
片１２が固定されている。ワイヤー２は、案内板８を遊
動可能に貫通している。ワイヤー２の右端は係合片１２
に係止されている。係合片１２に負荷が印加されていな
い時、バネ３の付勢力により係合片１２は押片ガイド７
の右端直下に位置している。

【００１２】ワイヤー２、バネ３、押片４、溝型部材５
によって構成される一方向クラッチ、案内板１０、スラ
イド部材１１、係合片１２によって、商品駆動装置Ａが
構成されている。図１に示すように、各商品棚１上に、
前後に互いに間隔を隔てて、商品駆動装置Ａが３列取り
付けられている。

【００１３】図１に示すように、商品棚１の右端の右方
に、上端が開放された箱状の商品受け部材１３が配設さ
れている。商品受け部材１３は商品棚１の前後方向の略
全長に対峙して前後に延在している。商品受け部材１３
は、図示しない駆動装置により、上下に移動可能であ
る。

【００１４】図４に示すように、商品受け部材１３の左
側面に、３列の商品駆動装置Ａの各々に対峙して、ソレ
ノイド１４が固定されている。ソレノイド１４の上方ヘ
延びるピストン１４ａの上端部に、カム１５の右端部が
回動可能に連結されている。カム１５は、左端部を通り
前後に延在する軸線Ｘ３回りに回動可能に商品受け部材
１３によって支持されている。カム１５の上方に配設さ
れたアーム１６が、高さ方向の中央部を通り前後に延在
する軸線Ｘ４回りに回動可能に商品受け部材１３によっ
て支持されている。商品受け部材１３の上端の上方ヘ突
出するアーム１６の上部左側に係合爪１６ａが形成され
ている。アーム１６の下端部に回転子１７が、前後に延
在する軸線回りに回動可能に取り付けられている。回転
子１７はカム１５に当接している。アーム１６はバネ１
８によって、前方から見て反時計方向へ付勢され、回転
子１７はカム１５に押しつけられている。

【００１５】ソレノイド１４が作動停止している時、ソ
レノイド１４のピストン１４ａが、図４に示すように上
方ヘ突出し、カム１５は図４に示す回転位置にあり、ア
ーム１６はバネ１８の付勢力の下で直立し、アーム１６
の係合爪１６ａは、図４で実線で示す、商品受け部材１
３の左側壁近傍の退避位置にある。退避位置にある時、
アーム１６の係合爪１６ａは係合片１２に係合しない。
ソレノイド１４が作動すると、ソレノイド１４のピスト
ン１４ａが下方へ後退し、カム１５が軸線Ｘ３回りに前
方から見て反時計方向へ揺動し、アーム１６がバネ１８
の付勢力に逆らって、前方から見て時計方向ヘ回動し、
アーム１６の係合爪１６ａは、図４で一点鎖線で示す、
商品受け部材１３の左側壁から左方へ離れた稼働位置へ
移動する。稼働位置にある時、係合爪１６ａは係合片１
２に係合可能である。

【００１６】上記構成を有する本実施例に係る自動販売
機の搬出機構の作動を以下に説明する。各商品棚１上に
は、各商品駆動装置Ａ毎に、押片４の右方に同一の商品
１００が左右に整列して複数個載置されている。ソレノ
イド１４は作動停止状態にあり、係合爪１６ａは図４で
実線で示す退避位置にある。ユーザーは、所望の商品１
００を選択し、図示しない商品選択ボタンを押す。自動
販売機が内蔵する図示しない制御装置が作動し、商品受
け部材１３が上下に移動して指定された商品１００が載
置された商品棚に接近する。商品受け部材１３が下方か
ら目的の商品棚１へ向かって移動する場合には、商品受
け部材１３は一旦目的の商品棚１を高速で通過し、次い
で減速して下降し、目的の商品棚１に接近する。商品受
け部材１３が上方から目的の商品棚１ヘ向かって移動す
る場合には、高速で目的の商品棚１の近傍まで下降し、
次いで減速して下降し、目的の商品棚１に接近する。係
合爪１６ａは退避位置にあるので、商品受け部材１３が
高速移動中に係合爪１６ａと係合片１２とが干渉するお
それは無い。

【００１７】商品受け部材１３が減速を開始するのに同
期して、目的の商品１００の列に対峙するソレノイド１
４が作動し、ピストン１４ａが後退し、図４で一点鎖線
で示すように、アーム１６が軸線Ｘ４回りに回動し、係
合爪１６ａが稼働位置ヘ移動し、目的の商品棚１ヘ向か
って突出する。

【００１８】商品受け部材１６が更に下降すると、係合
爪１６ａが目的の商品１００の列を駆動する商品駆動装
置Ａの係合片１２に係合し、係合片１２を下方ヘ移動さ
せる。ワイヤー２が、バネ３の付勢力に抗しつつ、右方
ヘ移動する。溝型部材５によって構成される一方向クラ
ッチを介して、右向きの動力がワイヤー２から押片４ヘ
伝達され、押片４が右方向へ移動する。右方向へ移動す
る押片４に押されて商品１００の列が右方向ヘ移動し、
商品１００の列の右端の商品１００が、商品棚１の右端
部から商品受け部材１３内ヘ落下する。商品１００の列
の右端の商品１００が商品棚１の右端部から落下するの
に同期して、具体的には商品受け部材１３が商品棚１を
所定距離通過すると、作動していたソレノイド１４が停
止し、係合爪１６ａが稼働位置から退避位置ヘ移動す
る。係合爪１６ａと係合片１２との係合状態が解除さ
れ、ワイヤー２はバネ３の付勢力の下で左方ヘ移動し、
係合片１２は押片ガイド７の右端直下の位置に戻る。溝
型部材５によって構成される一方向クラッチは、左向き
の動力はワイヤー２から押片４ヘ伝達しないので、押片
４は係合爪１６ａと係合片１２との係合状態が解除され
た時点での位置に停まる。この結果、商品１００の列の
右端の商品１００を除く残りの商品１００は商品棚１上
に停まる。商品１００を収容した商品受け部材１３は増
速して上昇又は下降し、自動販売機の中央部又は下部に
形成された図示しない商品取り出し口に到達する。ユー
ザーは商品取り出し口を介して、所望の商品１００を取
り出す。

【００１９】次にユーザーが同一の商品１００を選択す
ると、押片４が更に右方ヘ移動し、商品１００の列の右
端の商品１００が商品棚１の右端から落下して商品受け
部材１３に収容され、商品取り出し口へ搬送される。押
片４が商品棚１の右端近傍に到達し、押片４によって押
されるべき商品１００が無くなった場合には、湾曲棒状
部材６の突出部６ａを左方へ押し、溝型部材５によって
構成される一方向クラッチとワイヤー２との係合状態を
解除しつつ、押片４を商品棚１の左端部ヘ押し戻し、商
品棚１上に商品１００を載置する。

【００２０】上記説明から分かるごとく、本実施例に係
る自動販売機の搬出機構においては、商品駆動装置Ａ
は、上下に移動する商品受け部材１３に取り付けられ
た、稼働位置と退避位置との間で進退可能であり稼働位
置にある時に商品駆動装置Ａの係合片１２と係合可能な
係合爪１６ａによって駆動される。従って、本実施例に
係る自動販売機の搬出機構においては、係合爪１６ａを
駆動するソレノイド１４を商品受け部材１３に取り付け
れば良く、各商品駆動装置Ａに駆動源を取り付ける必要
は無い。従って、本実施例に係る自動販売機の搬出機構
は、実開平８−８７６７２号公報に開示さた自動販売機
の搬出機構に比べて、製造コストが安価である。

【００２１】本実施例に係る自動販売機の搬出機構にお
いては、溝型部材５によって構成される一方向クラッチ
とワイヤー２との係合状態を解除する湾曲棒状部材６を
配設したので、商品格納時に、溝型部材５によって構成
される一方向クラッチとワイヤー２との係合状態を容易
に解除して押片４を押し戻すことができる。本実施例に
係る自動販売機の搬出機構においては、商品棚上１に複
数の商品駆動装置Ａが互いに平行に取り付けられ、商品
受け部材１３に各商品駆動装置Ａに対峙して複数の係合
爪１６ａと係合爪１６ａを駆動するソレノイド１４とが
取り付けられているので、自動販売機の横幅又は奥行き
を過大にすることなく、多数の商品１００を自動販売機
に格納し、搬出できる。

【００２２】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は上記実施例に限定されない。上下に互いに間隔を隔て
て積層された複数の商品棚１を、商品受け部材１３を間
に挟んで二組向かい合わせに配設し、各商品棚に商品駆
動装置Ａを配設し、商品受け部材の左右両側にソレノイ
ド１４、カム１５、アーム１６、係合爪１６ａ、バネ１
８を取り付けても良い。係る構成によれば、商品受け部
材１３の数と商品取り出し口の数とを増すことなく、格
納商品の数を増すことができる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係る自動
販売機の搬出機構においては、商品駆動装置は、上下に
移動する商品受け部材に取り付けられた、稼働位置と退
避位置との間で進退可能であり稼働位置にある時に商品
駆動装置の係合片と係合可能な係合爪によって駆動され
る。従って、本発明に係る自動販売機の搬出機構におい
ては、係合爪の駆動源を商品受け部材に取り付ければ良
く、各商品駆動装置に駆動源を取り付ける必要は無い。
従って、本発明に係る自動販売機の搬出機構は、実開平
８−８７６７２号公報に開示さた自動販売機の搬出機構
に比べて、製造コストが安価である。

【００２４】本発明に係る自動販売機の搬出機構におい
ては、商品駆動装置の一方向クラッチとワイヤーとの係
合状態を解除する部材を配設したので、商品格納時に、
一方向クラッチとワイヤーとの係合状態を容易に解除し
て商品駆動装置の押片を押し戻すことができる。

【００２５】本発明に係る自動販売機の搬出機構におい
ては、商品棚上に複数の商品駆動装置が互いに平行に取
り付けられ、商品受け部材に各商品駆動装置に対峙して
複数の係合爪と係合爪を駆動するソレノイドとが取り付
けられているので、自動販売機の横幅又は奥行きを過大
にすることなく、多数の商品１００を自動販売機に格納
し、搬出できる。

【００２６】上下に互いに間隔を隔てて積層された複数
の商品棚を、商品受け部材を間に挟んで二組向かい合わ
せに配設することにより、商品受け部材の数と商品取り
出し口の数とを増すことなく、格納商品の数を増すこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る自動販売機の搬出機構の
斜視図である。

【図２】本発明の実施例に係る自動販売機の搬出機構が
備える商品駆動装置の拡大斜視図である。

【図３】本発明の実施例に係る自動販売機の搬出機構が
備える商品駆動装置の押片の後端部の正面図である。

【図４】図１の矢印ａ−ａに沿った断面図である

【符号の説明】

１ 商品棚 ２ ワイヤー ３ バネ ４ 押片 ５、７ 溝型部材 ６ 湾曲棒状部材 ８、１０ 案内部材 ９ プーリー １１ スライド部材 １２ 係合片 １３ 商品受け部材 １４ ソレノイド １６ アーム １６ａ 係合爪

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下に互いに間隔を隔てて積層された複
   数の商品棚と、商品棚上で延在し一端がバネを介して商
   品棚または自動販売機のケーシングに固定され他端部が
   商品棚の一端から垂下するワイヤーと、一方向クラッチ
   を介して動力伝達可能にワイヤーに係合する押片と、ワ
   イヤーの他端に取り付けられた係合片とを有し各商品棚
   に取り付けられた商品駆動装置と、商品棚の前記一端に
   隣接して配設され上下に移動可能な商品受け部材と、商
   品受け部材に取り付けられ、稼働位置と退避位置との間
   で移動可能であり、稼働位置にある時に商品駆動装置の
   係合片と係合可能な係合爪とを備えることを特徴とする
   自動販売機の搬出機構。
2. 【請求項２】 一方向クラッチとワイヤーとの係合状態
   を解除する部材を備えることを特徴とする自動販売機の
   搬出機構。
3. 【請求項３】 商品棚上に複数の商品駆動装置が互いに
   平行に取り付けられ、商品受け部材に複数の係合爪が取
   り付けられていることを特徴とする請求項１又は２に記
   載の自動販売機の搬出機構。
4. 【請求項４】 上下に互いに間隔を隔てて積層された複
   数の商品棚が、商品受け部材を間に挟んで二組向かい合
   わせに配設されていることを特徴とする請求項１乃至３
   の何れか１項に記載の自動販売機の搬出機構。