JPH1097241A - 音板打楽器用音板 - Google Patents

音板打楽器用音板

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Publication number
JPH1097241A
JPH1097241A JP8249922A JP24992296A JPH1097241A JP H1097241 A JPH1097241 A JP H1097241A JP 8249922 A JP8249922 A JP 8249922A JP 24992296 A JP24992296 A JP 24992296A JP H1097241 A JPH1097241 A JP H1097241A
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JP
Japan
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vibration
sound
sound plate
percussion instrument
frequency
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Application number
JP8249922A
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English (en)
Inventor
Minoru Nakano
実 中野
Hiroaki Omuro
裕昭 大室
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
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Priority to US08/932,283 priority patent/US5902945A/en
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Priority to DE69719889T priority patent/DE69719889T2/de
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10DSTRINGED MUSICAL INSTRUMENTS; WIND MUSICAL INSTRUMENTS; ACCORDIONS OR CONCERTINAS; PERCUSSION MUSICAL INSTRUMENTS; AEOLIAN HARPS; SINGING-FLAME MUSICAL INSTRUMENTS; MUSICAL INSTRUMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10D13/00Percussion musical instruments; Details or accessories therefor
    • G10D13/01General design of percussion musical instruments
    • G10D13/08Multi-toned musical instruments with sonorous bars, blocks, forks, gongs, plates, rods or teeth

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな音量でより明るく遠達性のある音色と
より長い減衰時間をもち、明確な音程感と協和性の優れ
た音板を提供する。 【解決手段】 音板2の長手方向中央を取付ねじ4によ
って揺動自在に支持するとともに、幅を変化させると、
撓み振動の2次振動V1 と捩り振動の1次振動t0 の振
動数の比をV1 :t0 =1:2の整数倍の関係にするこ
とができる。また、裏面の端部に凹部11を形成する
と、撓み振動の2次振動V1 、捩り振動の1次振動t0
および撓み振動の4次振動V3 の振動数の比をV1 :t
0 :V3 =1:2:3の整数倍の関係に調律することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビブラフォン、マ
リンバ等の音板打楽器の音板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木琴、マリンバ、シロフォン、ビ
ブラフォン等の音板打楽器においては、それぞれ固有振
動数を有する複数の音板を配列し、これらの音板をマレ
ットで叩いて演奏するようになっている。これらの音板
打楽器は、音板の1次振動(V0) の節点を紐やフェルト
などで支持することにより、マレットで叩いたときに音
板が振動して所定の音を発音させるようにしている。
【0003】音板の振動には、縦振動、横振動、
捩り振動がある。また、横振動には、板厚方向の振動で
ある鉛直面内振動(撓み振動)と、幅方向の振動である
水平面内振動(水平撓み振動)がある。
【0004】図6〜図8に撓み振動V、水平撓み振動h
および捩り振動tのモード形状を示す。図6において、
V0 は1次振動、V1 は2次振動、V2 は3次振動、V
3 は4次振動である。なお、5次以降の振動については
図示を省略する。図7において、h0 は1次振動、h1
は2次振動、図8において、t0 は1次振動、t1 は1
次振動である。なお、図7および図8において3次以降
の振動については図示を省略する。ビブラフォンやマリ
ンバといった従来の音板打楽器では、水平撓み振動hと
捩り振動tは、振動振幅が板厚方向の撓み振動Vに比べ
て小さいので、一般的には厚み方向の撓み振動Vを主と
して考慮した設計や調律が行われる。
【0005】これらの振動モードのうち、V0 モードだ
けを調律した音板打楽器として、グロッケンシュピール
が知られている。この音板打楽器における音板の断面形
状は基本的には一様であり、その全長を調整することに
より1次モードの振動数のみが調整される。この音板の
各モードの振動数は、1:2.757:5.404:
8.933……となり、2次以降のモードの振動数は1
次モードの振動数の整数倍とはならない。このことは、
上記したような音板打楽器が発生する音は完全な楽音で
はないことを表している。なお、楽音とは、周期的振動
をする音をいい、非楽音は周期的振動しない音をいう。
【0006】これに対して、ビブラフォンやマリンバ、
シロフォンといった音板打楽器では、図9に示すように
音板の断面形状を変化させている。すなわち、図9
(A)、(B)は音板Aの裏面中央部をアーチ状にえぐ
って凹部Atを形成することによって調律を行い、各モ
ードにおける振動数の比をV0 :V1 =1:4、または
V0 :V1 :V2 =1:4:10としている。図8
(C)、(D)に示す音板Bは、裏面中央部と節点Qと
の間に2つの凹部Btを形成することにより、各モード
における振動数の比をV0 :V1 :V2 =1:3:6ま
たは1:3:7になるように調律している。このように
振動数の比が整数倍になるように調律すると、音板の発
生する音は楽音に近くなり、より明確な音の高低感(音
程感)とより高い協和性が得られる。協和性とは、複数
の音の要素が干渉して緩やかな唸りを生じることで、振
動数の差が小さいときに得られる。
【0007】図9に示す音板AとBとを比較すると、2
次モードにおける振動数が1次モードにおける振動数の
n 倍となる音板Aでは、ある程度は協和性および音程
感のある音を得ることができる。とはいえ、弦、管楽器
と比べると、音の協和性および音程感は未だ十分ではな
い。
【0008】そこで、音の高低感をよりクリアに感じる
ことができ音程感のある音を発生させるために、例えば
音板の側面中央部に凹部を設けて各モードにおける振動
数の比を整数倍とした音板打楽器(特公昭60−159
894号公報)や、音板の裏面中央部と端部側に凹部を
設けて撓み振動の1次振動、2次振動および3次振動の
比をV0 :V1 :V2 =1:4:8とすることにより和
音の協和性と音程感を向上させるようにした音板打楽器
(特開平8−202351号)が本出願人によって既に
提案されている。
【0009】上記した従来の音板において、調律の対象
となるのはすべて撓み振動であった。それ以外の振動モ
ード、例えば水平面内振動は、調律の対象とされること
はなかった。そのため、場合によっては周波数が近接し
て唸りを生じたり、協和性の悪い不快な音を生じるとい
った問題が生じることがあり、音板調律の上では「じゃ
まな音」とされてきた。特に、捩り振動は、横振動に比
較して減衰時間が長いため、場合によって問題となるこ
とがあった。従来、音板打楽器の設計においては、これ
らの「じゃまな音」が、なるべく問題にならないように
その周波数を調整するという程度の、いわば「消極的
な」調律が行われてきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した通り従来の横
振動(撓み振動)のみを調律した音板打楽器は、ブラス
バンドなどの合奏で他の楽器と同時に使用する場合、音
が埋もれやすく、聴衆に聞こえずらいとされてきた。そ
のため、明確な音程感と協和性に優れ、またより大きな
音量と、トライアングルやシンバルなどの打楽器のよう
に遠達性の高い音、すなわち音に埋もれることのない
「通る音」をもつ音板打楽器の出現が望まれている。ま
た、音の減衰に関しては、基本的に時間が長いことが望
ましく(例えば材料の選定においてはなるべく減衰時間
の長い材料がよいとされる)、そのような音板をもつ打
楽器が望まれている。
【0011】本発明は、上記した従来の問題点および要
望に応えるべくなされたもので、その目的とするところ
は、大きな音量でより明るく遠達性のある音色とより長
い減衰をもち、明確な音程感と優れた協和性を有する音
板打楽器用音板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、打撃されることにより発音する音板打楽器
用音板において、撓み振動の2次振動(V1 )と捩り振
動の1次振動(t0 )の振動数の比をV1 :t0 =1:
2としたことを特徴とする。また、本発明は、打撃され
ることにより発音する音板打楽器用音板において、撓み
振動の2次振動(V1 )、捩り振動の1次振動(t0 )
および撓み振動の4次振動(V3 )の振動数の比をV1
:t0 :V3 =1:2:3としたことを特徴とする。
また、本発明は、打撃されることにより発音する音板打
楽器用音板において、音板の長手方向中央を揺動自在に
支持し、音板の幅を低音側から高音側に向かって狭くな
るように漸次減少させたことを特徴とする。さらに、本
発明は上記発明において、撓み振動の2次振動(V1 )
の節よりも端部側の部分に肉厚方向へくぼむ凹部を形成
したことを特徴とする。
【0013】本発明においては、V1 :t0 =1:2の
整数倍の関係を満足するように調律している。このよう
に調律すると、V1 が基本ピッチで、t0 はその1オク
ターブ上である。そのため、周波数が近接して唸りを生
じたり、協和性の悪い不快な音を生じることがなく、ま
た、t0 は振動の減衰が長いので、より長い持続音を得
ることができる。V1 を基本ピッチとし、t0 をその2
倍とするには、幅を低音側から高音側に向かって漸次減
少するように変化させればよい。V1 ,V2 を自由に振
動させるには、音板の長手方向中央を揺動自在に支持す
ればよい。
【0014】また、本発明においては、V1 :t0 :V3
=1:2:3の整数倍の関係を満足するように調律し
ている。そのために、音板の中央を揺動自在に支持する
とともに、音板の端部に肉厚方向の凹部を形成してい
る。このような整数倍の関係においては、上記したV1
:t0 =1:2の関係に比べて音程感がより一層明確
になり、また協和性も高くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る音
板を備えた音板打楽器の要部の斜視図、図2(a)、
(b)、(c)は、同音板の平面図、取付構造の分解図
および取付構造を示す図である。図1および図2におい
て、1はフレームを構成する基台であり、この基台1は
左右方向に長い板状体に形成され、上面に複数本の音板
2が5本の長枠3(3A〜3E)を介して前後2段に配
列されている。音板2は、それぞれ断面形状が矩形で長
さおよび厚みが低音側から高音側に向かって漸次減少す
る幹音側音板2Aおよび派生音側音板2Bとで構成され
ている。
【0016】長枠3は、基台1の前後方向に離間して左
右方向に互いに平行に伸びるように設けられている。演
奏者側から数えて2番目の長枠3Bの上面には各幹音側
音板2Aが長手方向中央を取付ねじ4によって支持され
ることにより前後方向に揺動自在に配設されている。こ
のため、音板2Aの長手方向および幅方向の中央には、
前記取付ねじ4が挿通されるねじ取付孔7が上下面に貫
通して形成されている。この場合、取付ねじ4を直接長
枠3Bの上面にねじ込んでしまうと、音板2Aに対する
拘束力が強くなるため、音板2Aの振動を阻害するおそ
れがある。そのため、フェルト等の比較的柔らかい材質
からなる音板座5および音板押え6を介してねじ込む。
また、完全には締め込まず、ある程度自由に揺動し得る
状態にしておく。前記長枠3Bの前後に位置する1番目
および3番目の長枠3A,3Cは、長枠3Bよりも低く
設定され、上面に音板2Aが当たったときに雑音が発生
するのを防止するフェルト等の音板枕8が固着されると
ともに、各音板2Aの水平方向の回動を阻止する仕切ピ
ン9が突設されている。
【0017】手前側から4番目の長枠3Dは、幹音側音
板2Aの後端に近接して音板2Aより高く突設され、上
面に前記派生音側音板2Bが、幹音側音板2Aと同様に
長手方向中央を取付ねじ4によって支持されることによ
り前後方向に揺動自在に配設され、かつ前端部が幹音側
音板2Aの後端部上方に延在している。また、この音板
2Bは、5番目の長枠3E上に突設した仕切ピン9によ
って水平方向の回動を阻止されている。なお、仕切ピン
9としては、金属等の硬いものであると、音板2が接触
したとき雑音を発生するおそれがあるので、表面に柔ら
かい材質を用いることが望ましい。
【0018】音板2の中央を揺動自在に支持した理由
は、撓み振動の2次振動V1 を基音とし、捩り振動の1
次振動t0 を自由に振動させ、V1 :t0 =1:2の整
数倍の関係に調律するためである。すなわち、音板2の
長さ方向および幅方向の中央で支持すると、撓み振動V
のうち、中央に振動の腹をもつ偶関数モードV0 ,V
2,……は振動を押さえられるために殆ど音が発生しな
くなる。一方、V1 ,V3,……といった奇関数モード
は、長さ方向の中央に節をもつため、これらは自由に振
動することができる。同様に、捩り振動の1次振動t0
も音板2の中央に節点をもつため、自由に振動すること
ができる。
【0019】図3は撓み振動の2次振動V1 、捩り振動
の1次振動t0 および撓み振動の4次振動V3 の変位、
変位角を示す図である。この図からも明らかなように、
V1,t0 ,V3 のモードは、音板2の中央に節がある
ため振動を阻害されず、大きな音量と長い減衰時間が得
られる。ビブラフォンやマリンバでは、V0 の節で紐を
通しており、これはV0 の4倍に調律されたV1 の振動
を阻害するが、本発明においては中央で支持しているの
でそのおそれが全くない。また同時に、他に比較して拘
束の少ない支持方法であるため、直接音程感に影響しな
い高次のモードも振動し易くなり、明るく鋭い音色が得
られる。
【0020】<V1 :t0 =1:2>V1 とt0 の振動
数の比を1:2の整数倍の関係とする。すなわち、V1
が基本ピッチで、t0 はその1オクターブ上である。上
記した通り捩り振動は従来調律の対象とされておらず、
そのため周波数が近接して唸りを生じたり、協和性の悪
い不快な音を生じるという問題があったが、本発明にお
いては、撓み振動の2次振動V1 と捩り振動の1次振動
(t0 )の振動モードが位相を一致させたオクターブ違
いの同音となるように調律しているので、上記した問題
を解消することができる。また、t0 は振動の減衰時間
が長いので、より長い持続音を得ることができる。ま
た、V0 ではなく、V1 を基音としているため、同じ音
高でも発音体の面積が大きくなり、従来の音板に比べて
大きな音を出すことができる。
【0021】一般に、一様な矩形断面をもつ棒の横振動
Vn、捩り振動tnは、次式によって表すことができ
る。
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】ここで、L:棒の長さ、b:断面の幅、
h:断面の厚さ、E:ヤング率、G:剪断弾性率、ρ:
密度、mn :nによって決まる定数、γ:b/hによっ
て決まる定数である。
【0025】矩形断面の棒においては、横振動の周波数
は、厚みに比例するが、幅には無関係である。一方、捩
り振動の周波数はγに依存する。γは断面の幅bと厚さ
hの比によって決まる定数であり、b/h=1のとき最
大値をとり、1から離れるにしたがい減少していく。す
なわち、捩り振動の周波数は、断面が正方形の時最大値
となり、断面が薄く平たくなるにしたがい減少する。こ
れより、V1 :t0 =1:2となるような形状を決定す
ることができる。すなわち、V1 が基本のピッチとなる
ような長さと厚みとをまず決定する。そして、決まった
長さと厚みの元で幅bを変化させ、V1 :t0 =1:2
となるような幅bを決定すればよい。具体的には、音板
2の幅bを低音側から高音側に向かって狭くなるように
漸次減少させる。
【0026】また、音板2は、断面が矩形の棒状体に形
成され、裏面の端部に肉厚方向へくぼむ側面視アーチ状
の凹部11が形成されている。この凹部11は、V1 :
t0:V3 =1:2:3の整数倍の関係を満足するよう
に調律するために形成されるもので、撓み振動の2次振
動V1 の節より端部側の位置に形成されている。
【0027】<V1 :t0 :V3 =1:2:3>前述し
た通り、撓み振動の周波数は、V0 :V1 :V2 :V3
……=1.000:2.757:5.404:8.93
3……となる。音板の中央を支持することによってV0
,V2 は鳴らなくなるが、V3 は自由に振動できるた
め、この状態では、 V1 :t0 :V3 =1:2:3.240 となっており、音程感及び協和性にとって好ましくな
い。そこで、このV3 を制御することによって、整数倍
の並びである V1 :t0 :V3 =1:2:3 とする。そのため、V3 を選択的に下げる。そのために
は、断面一様な矩形棒のままでは不可能であり、ヴィブ
ラフォンやマリンバのように、えぐりを入れ(肉厚方向
へくぼむ凹部を設け)、断面を変化させればよい。
【0028】えぐりによる調律の基本的考え方 撓み振動Vでは曲げモーメントが、捩り振動tでは捩り
トルクが、それぞれ大である部分をえぐると、そのモー
ドの周波数は大きく下がる。一方、端部付近(変位曲線
のもっとも端部に近い振動の節のさらに外側)をえぐる
と、そのモードの周波数は上昇する。このような性質に
よりある部分をえぐったときの周波数に及ぼす変化の大
きさは、モードによって異なる。
【0029】図4はV1 ,t0 ,V3 の曲げモーメント
と捩りトルクを示す図である。同図から明らかなよう
に、長さ方向の中央ではt0 の捩りトルクが最大である
のに対し、V1 とV3 の曲げモーメントは零である。し
たがって、この部分をえぐれば、t0 は下がり、V1 と
V3 には殆ど影響はない。つまり、t0 を選択的に下げ
ることができる。また、V1 を選択的に下げるには、V
1 の曲げモーメントが最大となる中央からX/L=0.
2付近をえぐればよい。V3 を選択的に下げるには、中
央からX/L=0.4〜0.5程度の位置をえぐって凹
部11を形成すればよい。この部分は、V3 の曲げモー
メントが比較的大きく、またV1 とt0 にとっては端部
付近であるため、ピッチを上げる効果も働く。そのた
め、この部分をえぐった場合、V3 の周波数の下降量が
もっとも大きい。
【0030】このようにして、V1 ,t0 ,V3 の関係
を1:2:3の整数倍の関係にすると、上記したV1 :
t0 =1:2の関係に比べて音程感がより明確になり、
また協和性も高くなる。
【0031】変形例 本発明は、上記した実施の形態に限られるものではな
く、種々の変更が可能である。例えば、図5の変形例
1,2,3に示す形状の音板であってもよい。変形例1
の音板aは、凹部10が中央付近に形成されている点に
おいて、上記した実施の形態と異なる。また、変形例2
の音板bは、凹部10’が音板の中央と端部との中間位
置に形成されている点で上記した実施の形態と異なる。
変形例3の音板cは、凹部10,10’が形成されてい
る点で上記した実施の形態と異なる。これら変形例1,
2,3に示す音板ei、b,cでも、V1 ,t0 ,V3
の振動数の比は1:2:3となり、上記した実施の形態
と同様の効果を奏することができる。また、上記音板
2,a,b,cは、いずれも凹部の凹曲面と音板の裏面
との境界部にエッジが残されているが、エッジを円弧状
に削って仕上げの調律を行なってもよい。また、凹部を
機械加工する際に、エッジを除去してもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る音板打
楽器用音板は、撓み振動の2次振動(V1 )と捩り振動
の1次振動(t0 )の振動数の比をV1 :t0 =1:2
としたので、V1 とt0 の振動が位相を一致させたオク
ターブ違いの同音とすることができる。したがって、周
波数が近接して唸りを生じたり、協和性の悪い不快な音
を生じることがなく、明確な音程感と高い協和性を得る
ことができる。また、V1 を基音としているため、同じ
音高でも発音体の面積が大きくなり、従来のV0を基音
とする音板に比べて大きな音を出すことができる。
【0033】また、本発明は、V1 :t0 :V3 =1:
2:3の整数倍の関係にしたので、より一層明確な音程
感と協和性を得ることができる。また、音板を中央で支
持しているので、音板に対する拘束が少なく、直接音程
感に影響しない高次のモードも振動し易くなり、明るく
鋭い音色が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音板を備えた音板打楽器の要部の
斜視図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は、同音板の平面図、
取付構造の分解図および取付構造を示す図である。
【図3】 V1 ,t0 ,V3 の変位、変位角を示す図で
ある。
【図4】 V1 ,t0 ,V3 の曲げモーメントと捩りト
ルクを示す図である。
【図5】 本発明の変形例を示す図である。
【図6】 (a)、(b)、(c)、(d)は撓み振動
V0 〜V3 のモード形状を示す図である。
【図7】 (a)、(b)は水平面内振動h0 ,h1 の
モード形状を示す図である。
【図8】 (a)、(b)は捩り振動t0 ,t1 のモー
ド形状を示す図である。
【図9】 (A)、(B)、(C)、(D)は従来の音
板を示す図である。
【符号の説明】
A,B…音板打楽器用音板、1…基台、2…音板、3…
長枠、4…取付ねじ、10,10’11…凹部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 打撃されることにより発音する音板打楽
    器用音板において、撓み振動の2次振動(V1 )と捩り
    振動の1次振動(t0 )の振動数の比をV1:t0 =
    1:2としたことを特徴とする音板打楽器用音板。
  2. 【請求項2】 打撃されることにより発音する音板打楽
    器用音板において、撓み振動の2次振動(V1 )、捩り
    振動の1次振動(t0 )および撓み振動の4次振動(V
    3 )の振動数の比をV1 :t0 :V3 =1:2:3とし
    たことを特徴とする音板打楽器用音板。
  3. 【請求項3】 打撃されることにより発音する音板打楽
    器用音板において、音板の長手方向中央を揺動自在に支
    持し、音板の幅を低音側から高音側に向かって狭くなる
    ように漸次減少させたことを特徴とする音板打楽器用音
    板。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の音板打楽器用音板におい
    て、撓み振動の2次振動(V1 )の節よりも端部側部分
    に肉厚方向へくぼむ凹部を形成したことを特徴とする音
    板打楽器用音板。
JP8249922A 1996-09-20 1996-09-20 音板打楽器用音板 Pending JPH1097241A (ja)

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EP97116488A EP0831454B1 (en) 1996-09-20 1997-09-22 Percussion instrument having tone bars for generating clear tones exactly tuned along scale
DE69719889T DE69719889T2 (de) 1996-09-20 1997-09-22 Schlaginstrument mit Klangstaben zur klare Tonerregung einer exakten Tonskale

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