JPH1097155A - 熱定着装置の電力制御装置 - Google Patents

熱定着装置の電力制御装置

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JPH1097155A
JPH1097155A JP8252020A JP25202096A JPH1097155A JP H1097155 A JPH1097155 A JP H1097155A JP 8252020 A JP8252020 A JP 8252020A JP 25202096 A JP25202096 A JP 25202096A JP H1097155 A JPH1097155 A JP H1097155A
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JP
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heater
control
control signal
signal
power
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Application number
JP8252020A
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English (en)
Inventor
Satoru Kawada
哲 河田
Atsushi Yamaguchi
山口  淳
Masao Naito
雅夫 内藤
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源電圧の変動に対する規格をクリアすると
ともに、高調波電流を増加させず、さらにハロゲンラン
プ等からなる加熱装置の寿命低下を防止することを目的
とする。 【解決手段】 熱定着ローラを加熱する熱定着ヒータの
ON信号発生期間中に、半サイクルごとに規則的に所定
回数のONと所定回数のOFFからなるヒータ駆動信号
を発生する電力制御装置を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機、プリンタおよびファクシミリなどに用いられる熱定
着装置において、この熱定着装置を一定の温度に温度調
節するための電子制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真式の複写機などには、記
録媒体である記録紙ないし転写材などのシート上に転写
されたトナー像をシートに定着させる熱定着装置が設け
られている。この熱定着装置は、一般的には、例えば、
シート上のトナーを熱溶融させる定着ローラと、当該定
着ローラに圧接してシートを挟持する加圧ローラとを有
している。熱定着ローラは、円筒状に形成され、この熱
定着ローラの中心軸上には、ヒータ等の加熱装置が保持
手段により保持されている。この加熱装置は、定着ロー
ラの中心軸に位置し、加熱装置から発せられた熱は定着
ローラ内壁に輻射される。定着ローラの外壁は、その温
度が定着に適した温度(例えば、150〜200℃)に
なるまで加熱される。この状態で定着ローラと加圧ロー
ラは摺接しながら互いに逆方向へ回転し、トナーが付着
したシートを挟持する。定着ローラと加圧ローラとの摺
接部(以下、ニップ部という)において、シート上のト
ナーは、定着ローラにより溶解し、両ローラから作用す
る圧力によりシートに定着される。トナーが定着した
後、定着ローラ及び加圧ローラの回転に伴い、シート
は、排紙ローラによって搬送され、排紙トレイ上に排出
される。このような従来の熱定着装置では、定着ローラ
の外壁を定着動作に必要な一定の温度に温度調節する必
要がある。
【0003】熱定着装置を一定の温度に温度制御するた
めの装置の第1の例が、特公昭60−46710号公報
に開示されている。この第1の例に係る温度制御装置
は、交流電源と、通電により発熱する単一の発熱素子
と、発熱素子を通電制御する第1スイッチング素子と、
発熱素子による温度を検知する素子と、検知温度が所定
温度以下の場合に略全電力を、所定温度に達すると所定
の部分電力を発熱素子に供給するべく温度検知素子の検
知信号により第1スイッチング素子の通電タイミングを
制御する回路とを有し、制御回路は、検知温度が所定温
度以下の場合、一連の第1制御パルスを発生して第1ス
イッチング素子に付与する第2スイッチング素子を有
し、更に、第1制御パルスとは周期の異なる一連の第2
制御パルスを発生する第3スイッチング素子とを有し、
所定温度以下の場合、第1制御パルスを第1スイッチン
グ素子に付与して略全電力を単一発熱素子に供給し、所
定温度に達すると第2制御パルスを第2スイッチング素
子に付与して所定の部分電力を単一の発熱素子に供給す
ることを特徴としている。
【0004】すなわち、熱定着装置を一定の温度に温度
制御するための装置の第1の例は、所定温度で発熱素子
に対する電力制御を切り替えるもので、発熱素子の温度
が所定温度以下の場合には、通常制御を行い、発熱素子
の温度が所定温度以上の場合には、位相制御あるいは半
サイクル制御を行うようにしている。
【0005】また、熱定着装置を一定の温度に温度制御
するための装置の第2の例が、特公昭63−48349
号公報に開示されている。この第2の例に係る複写機
は、加熱定着装置を備えた複写機において、パルス幅制
御により加熱定着装置の発熱手段への給電を制御するパ
ルス幅制御手段と、位相制御により加熱定着装置の発熱
手段への給電を制御する位相制御手段と、待機時及び露
光ランプが消灯している時には、パルス幅制御手段を作
動させ、露光ランプが点灯している時には、位相制御手
段を作動させるように切り換える切換手段とを設けたこ
とを特徴としている。
【0006】すなわち、熱定着装置を一定の温度に温度
制御するための装置の第2の例では、発熱手段に対する
電力制御の方式を、位相制御により電力制御を行う方式
と、交流電力のゼロクロス点を基準に半サイクルごとに
電力制御を行う方式とを、露光ランプの消灯及び点灯に
基づいて切り換えている。
【0007】また、複写機等の熱定着装置では、一般的
に、ユーザ側の生産性向上の要望に応えるために、ウォ
ームアップ時間の短縮が図られるとともに、定着ローラ
を薄肉ローラにすることにより熱容量ダウンが行われて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した一般
的な熱定着装置では、加熱装置の容量アップは、加熱装
置への突入電流を増加し、加熱装置のON時に電源電圧
の低下を発生させ、同一ライン上に設置された他の機器
に悪影響を与えるという第1の問題点があった。また、
定着ローラの熱容量ダウンは、定着ローラの温度の変動
が大きくなるため、加熱装置のON/OFF回数を増加
させ、電圧変動の回数を増加させるという第2の問題点
があった。
【0009】また、上記した第1及び第2の例に示した
従来の熱定着装置を一定の温度に温度制御するための装
置は、位相制御を行う場合には、高調波電流を発生する
ために、高調波電流の規格を大きく逸脱し、半サイクル
ごとに制御を行う場合には、加熱装置の通電電流が正側
又は負側に偏りがあると、偶数次高調波を発生するとい
う第3の問題点があった。このような高調波電流は、ス
イッチング電源や位相制御の電流に多く含まれていて、
特に複写機においては、加熱装置の消費電力が大きいた
め、スイッチング電源や位相制御の部品からの高調波電
流はともかくとして、加熱装置からの高調波電流の発生
は極力避けなければならない。
【0010】さらに、加熱装置にハロゲンランプを使用
した場合には、ハロゲンランプに対するDC通電は、ハ
ロゲンランプの寿命を低下させることが一般的に知られ
ている。
【0011】そこで、本発明は、上記した従来の技術の
有する問題点に鑑み提案されたもので、電源電圧の変動
に対する規格をクリアするとともに、高調波電流を増加
させず、さらにハロゲンランプ等からなる加熱装置の寿
命低下を防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の本発明は、一定の温度となるよう温度
調節可能な加熱装置を備え、該加熱装置に対する電力制
御を行って、熱定着装置を一定の温度に温度調節するた
めの電力制御装置において、前記加熱装置に交流電圧を
印加するための加熱装置ON信号を出力する第1の制御
手段と、当該加熱装置ON信号と前記交流電圧の波形か
ら得られるゼロクロス信号とに基づいて、前記加熱装置
に対する通電電流の正側又は負側の偏りを無くすべく前
記交流電圧の波形の半サイクルごとに規則的に所定回数
ON及び所定回数OFFする制御信号を発生する第2の
制御手段と、当該制御信号に基づいて前記加熱装置に交
流電圧を印加する交流電圧印加手段と、を有することを
特徴とする熱定着装置の電力制御装置である。
【0013】また、上記目的を達成するための請求項2
記載の本発明は、前記請求項1記載の熱定着装置の電力
制御装置であって、前記第2の制御手段は、前記制御信
号の1サイクル中における前記交流電圧の波形の半サイ
クルごとのOFF回数をカウントし、当該OFF回数が
予め設定された所定回数に達すると、次のゼロクロス信
号が検出された時に前記制御信号をONすることを特徴
とする請求項1記載の熱定着装置の電力制御装置であ
る。
【0014】さらに、上記目的を達成するための請求項
3記載の本発明は、前記請求項1記載の熱定着装置の電
力制御装置であって、前記第2の制御手段は、前記制御
信号の1サイクル中における前記交流電圧の波形の半サ
イクルごとのOFF回数をカウントする一方、前記制御
信号の前回OFF時のゼロクロス信号が正側検出である
か負側検出であるかを判別し、当該OFF回数が奇数回
数の場合には、前記制御信号の次回のONは、前回OF
F時のゼロクロス信号の正負側検出とは逆の側の検出時
点から始め、前記制御信号の前記OFF回数が偶数回数
の場合には、前記制御信号の次回のONは、前回OFF
時のゼロクロス信号の正負側検出と同一の側の検出時点
から始めることを特徴とする請求項1記載の熱定着装置
の電力制御装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。本発明に係る熱定着装
置は、電子写真式の複写機、プリンタおよびファクシミ
リなどにおいて、記録用紙等からなる記録媒体上の現像
剤であるトナーを溶融して定着させるための装置であ
り、電力制御装置は、この熱定着装置に備えた加熱装置
に対して供給される電力を制御することにより、熱定着
装置を一定の温度で温度調節するための装置である。
【0016】図1は、本発明を適用した複写機を示す中
央断面図である。本発明に係る熱定着装置の電力制御装
置は、例えば、図1に示すような複写機1に用いられ
る。この複写機1は、図1に示すように、記録用紙を蓄
積した用紙トレイ2と、記録用紙にトナー像を転写する
ための感光体3と、記録用紙にトナー像を定着させるた
めの定着ローラ4と、この定着ローラ4に回転可能に圧
力接触された加圧ローラ5等を主な構成要素としてい
る。
【0017】このように構成された複写機1は、以下の
ように動作する。図1に示すように、用紙トレイ2から
搬送された記録用紙(図示せず)は、搬送路6を経て感
光体3に搬送され、未定着のトナー像が転写される。そ
して、トナー像が転写された記録用紙は、定着ローラ4
と加圧ローラ5との間のニップ部に向けて送り込まれ
る。記録用紙は、加熱された定着ローラ4の熱と、加圧
ローラ5から作用する圧力とが加えられながら、ニップ
部を通過する。このとき、未定着トナーが溶融して記録
用紙上に定着し、用紙上に定着トナー像が形成される。
【0018】ニップ部を通過した記録用紙は、定着ロー
ラ4から自然に剥離し、あるいは先端部が定着ローラ4
の表面に摺接するように設けられた分離爪ないし分離ガ
イド7によって定着ローラ4から強制的に剥離され、排
紙トレイ8上に排出される。上記した定着ローラ4は、
熱定着装置として機能する装置で、その回転軸上にハロ
ゲンランプ等からなる熱定着ヒータ9が設けられてい
る。この熱定着ヒータ9が、定着ローラ4の外周表面を
所定の温度に加熱するための加熱装置として機能する。
そして、熱定着ヒータ9をON/OFFすることによ
り、定着ローラ4の外周表面を一定の温度に保ってい
る。
【0019】図2に基づき、上記した熱定着ヒータ9及
びその周辺機器をさらに詳しく説明する。図2は、熱定
着ヒータ及びその周辺機器の概略構成を示したブロック
図である。
【0020】本発明に用いる熱定着ヒータ9は、図2に
示すように、交流電源10に接続されて駆動されるとと
もに、熱定着ヒータ9と交流電源10との間には、熱定
着ヒータ9をON/OFFするためのスイッチ素子11
が直列に接続され、さらに、スイッチ素子11には、ス
イッチ素子11を制御するためのスイッチ素子制御回路
12が接続されている。また、図2に示すように、スイ
ッチ素子制御回路12は、CPU(中央演算装置)13
を備えている。
【0021】前記したスイッチ素子11が、熱定着ヒー
タ9を駆動するための加熱装置駆動手段として機能し、
前記したスイッチ素子制御回路12が、熱定着ヒータ9
に交流電源10を供給するための加熱装置ON信号を発
生する第1の制御手段及び、後に詳述する第2の制御手
段として機能する。
【0022】したがって、スイッチ素子制御回路12
は、CPU13からの制御信号を受けて、スイッチ素子
11に対して加熱装置ON信号であるヒータ温調信号及
び加熱装置である熱定着ヒータ9への駆動信号を出力
し、スイッチ素子11では、これらの信号に基づいて熱
定着ヒータ9をON/OFFさせて、定着ローラ4の外
周表面を一定の温度に温度調整する。
【0023】図3に基づき、上記した熱定着ヒータ9の
制御をさらに詳しく説明する。図3は、熱定着ヒータ及
びスイッチ素子制御回路を構成するCPUの概略構成を
示したブロック図である。
【0024】図3に示すように、スイッチ素子制御回路
12を構成するCPU13は、複写機1内に配置された
図示しない他のCPUなどとの間で通信を行いながら、
複写機1における複写動作の制御を行っている。この複
写機1における複写の各動作手段、例えば、図1に示し
た感光体3や、図示しない紙送り装置等は、CPU13
のポートやI/Oユニットに接続され、CPU13から
の制御信号に基づいてタイミング制御されている。
【0025】そして、本発明に用いる電力制御装置は、
図3に示すように、熱定着ヒータ9により加熱される定
着ローラ4の外周表面には、サーミスタ14が取り付け
られていて、このサーミスタ14は、CPU13のA/
Dポートに接続されている。したがって、定着ローラ4
の外周表面の温度が変化すると、この温度変化によりサ
ーミスタ14の電気抵抗値が変化し、CPU13のA/
Dポートに入力される電圧が変化する。CPU13で
は、この電圧変化を予め定められた基準値と比較するこ
とにより、定着ローラ4の外周表面の温度を演算してモ
ニタする。
【0026】また、交流電源10には、ゼロクロス検出
回路15が並列に接続されているとともに、このゼロク
ロス検出回路15は、CPU13に接続されている。
【0027】したがって、ゼロクロス検出回路15が、
交流電流のゼロクロス(正負が切り替わったこと)を検
出するごとに、CPU13に対して所定のゼロクロスパ
ルスを送信し、CPU13はこのゼロクロスパルスの数
をカウントする。なお、負→正:を正側検出、正→負:
を負側検出とする。
【0028】そして、CPU13は、スイッチ素子11
に対して、熱定着ヒータ9をONするための加熱装置O
N信号としてのヒータ温調信号を発信する。さらに、C
PU13は、ヒータ温調信号とゼロクロスパルスとに基
づいて、ヒータ温調信号がON状態の期間中に、熱定着
ヒータ9を制御するための駆動信号であるヒータ制御信
号を発信するための第2の制御手段として機能する。こ
のヒータ制御信号は、半サイクルごとに規則的に変化す
る所定回数のON及び所定回数のOFFからなる信号か
ら構成される。
【0029】図4に基づき、上記したスイッチ素子制御
回路12の構成をさらに詳しく説明する。図4は、スイ
ッチ素子制御回路の概略構成を示したブロック図であ
る。
【0030】スイッチ素子制御回路12は、図4に示す
ように、CPU13を備えていて、このCPU13に
は、変数データを格納するために電池によりバックアッ
プされている制御RAM(ランダムアクセスメモリ)1
6と、制御プログラム等が格納されている制御ROM
(リードオンリメモリ)17と、拡張I/O(入出力制
御回路)18が接続されている。
【0031】そして、拡張I/O18あるいはCPU1
3から、制御RAM16に対して、熱定着ヒータ9へ供
給する電力を低減すべき変数データが入力されると、予
め制御ROM17に格納した制御プログラムに基づい
て、所定回数(m回)のONと、所定回数(n回)のO
FFとからなるヒータ制御信号を、スイッチ素子11に
対して発信する。
【0032】次に、図5、図6に基づき、従来の電力制
御装置により制御を行っている場合の熱定着ヒータ9へ
の通電電流と、本発明に係る電力制御装置により制御を
行っている場合の熱定着ヒータ9への通電電流とを、比
較して説明する。
【0033】図5は、従来の電力制御装置により、電力
が50%低減されるように制御される熱定着装置の通電
電流の変化を示したタイムチャートであり、図6は、本
発明に係る電力制御装置により、電力が50%低減され
るように制御される熱定着装置の通電電流の変化を示し
たタイムチャートである。
【0034】図5に示すように、従来の電力制御装置に
より、電力が50%低減されるよう熱定着ヒータ9の制
御を行う場合には、斜線部のみにより電力が供給される
ように制御されている。すなわち、半サイクルごとに正
側の通電のみを許可し、熱定着ヒータ9に供給する電力
を50%低減している。このように、従来の電力制御装
置による制御では、通電電流が正側あるいは負側に偏っ
てしまい、偶数次高調波を発生するという問題がある。
したがって、このような従来の電力制御装置による制御
方法は、好ましい制御方法とは言えなかった。
【0035】図6に示すように、本発明に係る電力制御
装置により、電力が50%低減されるように熱定着ヒー
タ9の制御を行う場合には、斜線部のみにより電力が供
給されるように制御される。すなわち、本発明に係る電
力制御装置による制御では、連続した一組の正負にわた
るONと、連続した一組の正負にわたるOFFとを繰り
返しているので、通電電流が正側あるいは負側に偏りな
く配分されている。したがって、偶数次高調波の発生が
防止される。さらに、通電電流が正側あるいは負側に偏
ることがないので、ハロゲンランプ等からなる熱定着ヒ
ータ9の寿命低下を防止することができる。
【0036】次に、図7に基づき、本発明に係る電力制
御装置により制御を行っている場合の熱定着ヒータ9へ
の通電電流の変化をさらに詳しく説明する。図7は、本
発明に係る電力制御装置により制御される熱定着装置の
通電電流の変化を示したタイムチャートであり、(a)
は、100%通電時、(b)は、80%通電時、(c)
は、66%通電時、(d)は、50%通電時、(e)
は、33%通電時、(f)は、20%通電時をそれぞれ
示したタイムチャートである。尚、図7においては、斜
線部分により、熱定着ヒータ9に電力が供給されてい
る。
【0037】図7の各タイムチャートに示すように、制
御波形を適宜選択することにより、熱定着ヒータ9に対
して所望の電力を供給(逆の意味では、電力を低減)す
ることができる。すなわち、CPU13を備えたスイッ
チ素子制御回路12からのヒータ温調信号がONとなっ
ている期間中に、1回目のゼロクロスからm回ON及び
n回OFFからなるサイクル(1サイクル=m+n)を
繰り返すヒータ制御信号を発生してスイッチ素子11を
駆動し、熱定着ヒータ9に対して所望の電力を供給(逆
の意味では、電力を低減)している。
【0038】具体的には、熱定着ヒータ9に対して10
0%の電力供給を行う場合には、図7(a)に示すよう
に、連続してONとなるヒータ制御信号を発生してスイ
ッチ素子11を駆動し、熱定着ヒータ9に対して100
%の電力を供給する。
【0039】また、熱定着ヒータ9に対して80%の電
力供給を行う場合には、図7(b)に示すように、4回
のONと、1回のOFFとを1サイクルとするヒータ制
御信号を発生してスイッチ素子11を駆動し、熱定着ヒ
ータ9に対して80%の電力を供給する。すなわち、n
/(m+n)=1/5(20%)の電力を低減すること
ができる。
【0040】また、熱定着ヒータ9に対して66%の電
力供給を行う場合には、図7(c)に示すように、2回
のONと、1回のOFFとを1サイクルとするヒータ制
御信号を発生してスイッチ素子11を駆動し、熱定着ヒ
ータ9に対して66%の電力を供給する。すなわち、n
/(m+n)=1/3(33%)の電力を低減すること
ができる。
【0041】また、熱定着ヒータ9に対して50%の電
力供給を行う場合には、図7(d)に示すように(先に
示した図6に示した例と同様)、2回のONと、2回の
OFFとを1サイクルとするヒータ制御信号を発生して
スイッチ素子11を駆動し、熱定着ヒータ9に対して5
0%の電力を供給する。すなわち、n/(m+n)=2
/4(50%)の電力を低減することができる。
【0042】また、熱定着ヒータ9に対して33%の電
力供給を行う場合には、図7(e)に示すように、1回
のONと、2回のOFFとを1サイクルとするヒータ制
御信号を発生してスイッチ素子11を駆動し、熱定着ヒ
ータ9に対して33%の電力を供給する。すなわち、n
/(m+n)=2/3(66%)の電力を低減すること
ができる。
【0043】また、熱定着ヒータ9に対して20%の電
力供給を行う場合には、図7(f)に示すように、1回
のONと、4回のOFFとを1サイクルとするヒータ制
御信号を発生してスイッチ素子11を駆動し、熱定着ヒ
ータ9に対して20%の電力を供給する。すなわち、n
/(m+n)=4/5(80%)の電力を低減すること
ができる。
【0044】次に、図8に基づき、従来の電力制御装置
により、熱定着装置に供給する電力が50%低減される
ような制御と、本発明に係る電力制御装置により、熱定
着装置に供給する電力が50%低減されるような制御に
ついて、比較して説明する。図8は、50%電力低減時
の各機器の動作を示したタイムチャートで、図8(1)
は、熱定着ヒータに通電する交流入力電圧のタイムチャ
ート、図8(2)は、ゼロクロス検出回路の検出出力の
タイムチャート、図8(3)は、従来の一般的な通常の
ヒータ温調信号のタイムチャート、図8(4)は、図5
に示した従来技術によるヒータ温調信号のタイムチャー
ト、図8(5)は、本発明の電力制御装置によるヒータ
制御信号のタイムチャート、図8(6)は、本発明の電
力制御装置による熱定着ヒータの通電電流のタイムチャ
ートをそれぞれ示す。
【0045】交流電源10からは、図8(1)に示すよ
うな交流電圧が、熱定着ヒータ9に供給されている。ま
た、このとき、図8(2)に示すように、ゼロクロス検
出回路15からは、交流入力電圧のゼロクロスごとに、
ゼロクロスパルスを発生している。
【0046】従来の一般的な制御方法では、図8(3)
に示すように、熱定着ローラ4の外周表面温度が所定温
度未満になると、ヒータ温調信号をONとし、反対に熱
定着ローラ4の外周表面温度が所定温度以上になると、
ヒータ温調信号をOFFとすることにより、熱定着ヒー
タ9をON/OFFし、熱定着ローラ4の外周表面の温
度を一定に保っている。
【0047】また、図5に示した従来の制御方法では、
図8(4)に示すように、所定時間ONとなり、所定時
間OFFとなるヒータ温調信号を発信して、熱定着ヒー
タ9をON/OFFし、熱定着ローラ4の外周表面の温
度を一定に保っている。
【0048】本発明に係る電力制御装置による制御で
は、図8(5)に示すように、交流電圧が正側あるいは
負側に偏らないようなヒータ温調信号を発信して、熱定
着ヒータ9をON/OFFし、熱定着ローラ4の外周表
面の温度を一定に保っている。このヒータ温調信号を受
信したスイッチ素子11は、図8(6)に示すように、
2回のON(斜線部分)と、2回のOFFとを1サイク
ルとして、熱定着ヒータ9に対して50%の電力を供給
する。言い換えれば、熱定着ヒータ9に対する供給電力
を50%低減することができる。
【0049】このように、本発明に係る電力制御装置に
よる制御では、熱定着ヒータ9の通電電流が正側あるい
は負側に偏ることなく配分されているので、偶数次高調
波の発生を防止するとともに、通電電流が正側あるいは
負側に偏った場合に発生するハロゲンランプ等からなる
熱定着ヒータ9の寿命低下を防止することができる。次
に、図9に基づき、本発明に係る電力制御装置を応用し
た制御の手順を説明する。図9は、本発明に係る電力制
御装置を応用した制御の手順を示したフローチャートで
ある。
【0050】図9に示すように、本発明に係る電力制御
装置を応用した制御では、まずヒータ温調信号がONで
あるかどうかを判断し(S1)、ヒータ温調信号がOF
Fの場合には、処理を復帰する。
【0051】一方、ヒータ温調信号がONの場合には、
前回のヒータ制御信号の1サイクル中における交流電圧
の波形の半サイクルごとのOFF回数をカウントして
(S2)、OFF回数が偶数回であるか、奇数回である
かを判断する(S3)。そして、偶数回または奇数回の
いずれに判断された場合にも、ヒータ制御信号が前回O
FFした時点のゼロクロス信号は、「正側検出であった
のか」、または「負側検出であったのか」の判別をする
(S4,S5)。
【0052】OFF回数が奇数回であった場合であっ
て、ゼロクロス信号が正側検出であった場合には、ヒー
タ制御信号の次回のONは、負側のゼロクロスが検出さ
れた時点で行い(S6)、一方、ゼロクロス信号が負側
検出であった場合には、ヒータ制御信号の次回のON
は、正側のゼロクロスが検出された時点で行う(S
7)。また、OFF回数が偶数回であった場合であっ
て、ゼロクロス信号が負側検出であった場合には、ヒー
タ制御信号の次回のONは、正側のゼロクロスが検出さ
れた時点で行い(S7)、一方、ゼロクロス信号が正側
検出であった場合には、ヒータ制御信号の次回のON
は、負側のゼロクロスが検出された時点で行う(S
8)。
【0053】このような制御を行うことにより、従来の
制御方法において発生していた問題点、すなわち、ヒー
タ温調信号のON信号が、交流入力電圧のゼロクロスの
正側あるいは負側にかかわらず入力されることから発生
する微少なゼロクロスの偏りを無くすことができる。
【0054】なお、以上のフローチャートに示した処理
では、OFF回数が奇数回であるか、偶数回であるかを
判断し、さらに、ゼロクロス信号が正側検出であったの
か、負側検出であったのかをも勘案して、ヒータ制御信
号を次回ONさせるタイミングを制御するものを例示し
たが、本発明の装置を用いて電力制御する場合には、電
力の低減度合いを設定する段階でヒータ制御信号の波形
が選択されるため、自ずとOFF回数が決定されてしま
うから、単にこの(決定された)OFF回数が(実際
の)交流電圧の波形のOFF回数と一致したかを判断す
るだけでも、ヒータ制御信号の次回ONのタイミングを
制御することが可能である。
【0055】次に、図10に基づき、上記した図9に示
すような制御を行う場合に、熱定着装置に供給する電力
が66%低減されるような制御について説明する。
【0056】図10は、66%電力低減時の各機器の動
作を示したタイムチャートで、図10(1)は、熱定着
ヒータに通電する交流入力電圧のタイムチャート、図1
0(2)は、ゼロクロス検出回路の正側検出出力のタイ
ムチャート、図10(3)は、ゼロクロス検出回路の負
側検出出力のタイムチャート、図10(4)は、ヒータ
制御信号のタイムチャート、図10(5)は、熱定着ヒ
ータの通電電流のタイムチャートをそれぞれ示す。
【0057】交流電源10からは、図10(1)に示す
ような交流電圧が、熱定着ヒータ9に供給されている。
また、このとき、ゼロクロス検出回路15からは、図1
0(2)に示すように、交流入力電圧の正側のゼロクロ
スごとに、正側ゼロクロスパルスを発生するとともに、
図10(3)に示すように、交流入力電圧の負側のゼロ
クロスごとに、負側ゼロクロスパルスを発生する。
【0058】そして、図10(4)に示すように、交流
電圧が正側あるいは負側に偏らないようなヒータ制御信
号を発信して、熱定着ヒータ9をON/OFFし、熱定
着ローラ4の外周表面の温度を一定に保っている。この
ヒータ温調信号を受信したスイッチ素子11は、図10
(5)に示すように、1回のON(斜線部分)と、2回
のOFFとを1サイクルとして、熱定着ヒータ9に対し
て33%の電力を供給する。言い換えれば、熱定着ヒー
タ9に対する供給電力を66%低減することができる。
【0059】このような制御を行うことにより、さらに
精度良く、熱定着ヒータ9の通電電流が正側あるいは負
側に偏りなく配分されることとなる。
【0060】
【発明の効果】以上説明した本発明は、請求項ごとに以
下のような効果を奏する。
【0061】請求項1および請求項2記載の本発明の熱
定着装置の電力制御装置によれば、熱定着装置を加熱す
る熱定着ヒータのON信号発生期間中に、半サイクルご
とに規則的に所定回数のONと所定回数のOFFからな
るヒータ駆動信号を発生することにより、電源電圧の変
動に対する規格をクリアするとともに、高調波電流を増
加させず、さらにハロゲンランプ等からなる加熱装置の
寿命低下を防止することができる。
【0062】請求項3記載の本発明の熱定着装置の電力
制御装置によれば、上記した請求項1記載の本発明の効
果に加えて、制御信号の1サイクル中における前記交流
電圧の波形の半サイクルごとのOFF回数をカウントす
る一方、前記制御信号の前回OFF時のゼロクロス信号
が正側検出であるか負側検出であるかを判別し、当該O
FF回数が奇数回数の場合には、前記制御信号の次回の
ONは、前回OFF時のゼロクロス信号の正負側検出と
は逆の側の検出時点から始め、前記制御信号の前記OF
F回数が偶数回数の場合には、前記制御信号の次回のO
Nは、前回OFF時のゼロクロス信号の正負側検出と同
一の側の検出時点から始めることにより、ヒータ温調信
号のON信号が、交流入力電圧のゼロクロスの正側ある
いは負側にかかわらず入力されることから発生する微少
なゼロクロスの偏りを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した複写機を示す中央断面図で
ある。
【図2】 熱定着ヒータ及びその周辺機器の概略構成を
示したブロック図である。
【図3】 熱定着ヒータ及びスイッチ素子制御回路を構
成するCPUの概略構成を示したブロック図である。
【図4】 スイッチ素子制御回路の概略構成を示したブ
ロック図である。
【図5】 従来の電力制御装置により、電力が50%低
減されるように制御される熱定着装置の通電電流の変化
を示したタイムチャートである。
【図6】 本発明に係る電力制御装置により、電力が5
0%低減されるように制御される熱定着装置の通電電流
の変化を示したタイムチャートである。
【図7】本発明に係る電力制御装置により制御される熱
定着装置の通電電流の変化を示したタイムチャートであ
り、(a)は、100%通電時、(b)は、80%通電
時、(c)は、66%通電時、(d)は、50%通電
時、(e)は、33%通電時、(f)は、20%通電時
をそれぞれ示したタイムチャートである。
【図8】 50%電力低減時の各機器の動作を示したタ
イムチャートで、(1)は、熱定着ヒータに通電する交
流入力電圧のタイムチャート、(2)は、ゼロクロス検
出回路の検出出力のタイムチャート、(3)は、従来の
一般的なヒータ温調信号のタイムチャート、(4)は、
図5に示した従来技術によるヒータ温調信号のタイムチ
ャート、(5)は、本発明の電力制御装置によるヒータ
制御信号のタイムチャート、(6)は、本発明の電力制
御装置による熱定着ヒータの通電電流のタイムチャート
をそれぞれ示す。
【図9】 本発明に係る電力制御装置を応用した制御の
手順を示したフローチャートである。
【図10】 66%電力低減時の各機器の動作を示した
タイムチャートで、(1)は、熱定着ヒータに通電する
交流入力電圧のタイムチャート、(2)は、ゼロクロス
検出回路の正側検出出力のタイムチャート、(3)は、
ゼロクロス検出回路の負側検出出力のタイムチャート、
(4)は、ヒータ制御信号のタイムチャート、(5)
は、熱定着ヒータの通電電流のタイムチャートをそれぞ
れ示す。
【符号の説明】
1…複写機 2…用紙トレイ 3…感光体 4…定着ローラ 5…加圧ローラ 6…搬送路 7…分離ガイド 8…排紙トレイ 9…熱定着ヒータ 10…交流電源 11…スイッチ素子 12…スイッチ素子制御回路 13…CPU 14…サーミスタ 15…ゼロクロス検出回路 16…制御RAM 17…制御ROM 18…拡張I/O
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図7】
【図9】
【図10】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の温度となるよう温度調節可能な加
    熱装置を備え、該加熱装置に対する電力制御を行って、
    熱定着装置を一定の温度に温度調節するための電力制御
    装置において、 前記加熱装置に交流電圧を印加するための加熱装置ON
    信号を出力する第1の制御手段と、 当該加熱装置ON信号と前記交流電圧の波形から得られ
    るゼロクロス信号とに基づいて、前記加熱装置に対する
    通電電流の正側又は負側の偏りを無くすべく前記交流電
    圧の波形の半サイクルごとに規則的に所定回数ON及び
    所定回数OFFする制御信号を発生する第2の制御手段
    と、 当該制御信号に基づいて前記加熱装置に交流電圧を印加
    する交流電圧印加手段と、を有することを特徴とする熱
    定着装置の電力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の制御手段は、前記制御信号の
    1サイクル中における前記交流電圧の波形の半サイクル
    ごとのOFF回数をカウントし、当該OFF回数が予め
    設定された所定回数に達すると、次のゼロクロス信号が
    検出された時に前記制御信号をONすることを特徴とす
    る請求項1記載の熱定着装置の電力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の制御手段は、前記制御信号の
    1サイクル中における前記交流電圧の波形の半サイクル
    ごとのOFF回数をカウントする一方、前記制御信号の
    前回OFF時のゼロクロス信号が正側検出であるか負側
    検出であるかを判別し、当該OFF回数が奇数回数の場
    合には、前記制御信号の次回のONは、前回OFF時の
    ゼロクロス信号の正負側検出とは逆の側の検出時点から
    始め、前記制御信号の前記OFF回数が偶数回数の場合
    には、前記制御信号の次回のONは、前回OFF時のゼ
    ロクロス信号の正負側検出と同一の側の検出時点から始
    めることを特徴とする請求項1記載の熱定着装置の電力
    制御装置。
JP8252020A 1996-09-24 1996-09-24 熱定着装置の電力制御装置 Pending JPH1097155A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7693439B2 (en) 2006-05-26 2010-04-06 Ricoh Company, Ltd. Fixing device, and method and device for heating control used in the same
JP2011164997A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Nagoya Institute Of Technology 交流電力調整装置
JP2011215559A (ja) * 2010-03-18 2011-10-27 Ricoh Co Ltd 出力制御装置、温度制御装置、定着装置、画像形成装置、電気機器および出力制御プログラム
US9703240B2 (en) 2015-08-06 2017-07-11 Konica Minolta, Inc. Fuser control device and image forming apparatus

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