JP2004354416A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着温度センサで検出できない部分での熱量の蓄積による高温部分が発生するのを防止すること。
【解決手段】定着ニップの温度を検出する温度センサSN1,SN2と、画像記録動作時に温度センサSN1,SN2により検出される検出温度が所定の加熱定着温度に保持されるように前記ヒータをオン、オフ制御するヒータ制御手段と、画像記録動作時のヒータのオンオフ制御を行った時間に対するヒータオンの時間の割合であるデューティ比dを測定するデューティ比測定手段と、前記デューティ比に対する閾値d0を記憶するデューティ比閾値記憶手段C4Cと、測定したデューティ比dがデューティ比閾値d0よりも小さい場合に前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する冷却動作実行手段C7とを備えた画像形成装置。
【選択図】 図5
【解決手段】定着ニップの温度を検出する温度センサSN1,SN2と、画像記録動作時に温度センサSN1,SN2により検出される検出温度が所定の加熱定着温度に保持されるように前記ヒータをオン、オフ制御するヒータ制御手段と、画像記録動作時のヒータのオンオフ制御を行った時間に対するヒータオンの時間の割合であるデューティ比dを測定するデューティ比測定手段と、前記デューティ比に対する閾値d0を記憶するデューティ比閾値記憶手段C4Cと、測定したデューティ比dがデューティ比閾値d0よりも小さい場合に前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する冷却動作実行手段C7とを備えた画像形成装置。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート上に未定着トナー像を形成し、前記未定着トナー像が形成された未定着シートを、互いに圧接しながら回転する一対の定着用回転部材を有する定着装置に搬送し、前記一対の定着用回転部材の圧接領域により形成される定着ニップを通過する未定着シート上の未定着トナー像を加熱定着する画像形成装置に関し、特に、定着用回転部材の温度が上昇して過熱状態となるのを効果的に防止することが可能な画像形成装置に関する。
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で使用される。
【0002】
【従来の技術】
前記種類の従来の画像形成装置においては、前記定着ニップの温度をシート上の未定着トナー像を定着するのに適した温度に制御するため、定着ニップの中央部や端部などに配置した温度センサの検出温度が所定の範囲内になるように、定着用のヒータをオンオフ制御している。
前記種類の画像形成装置では、前記温度センサを配置した部分の温度が高温になるのを防止することができるが、温度センサが配置されていない部分の温度が高温に上昇している場合にはその高温状態を検出することが不可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記定着ニップの温度制御を行う際に通紙範囲に配置された温度センサの検出温度のみによりヒータをオンオフする従来の温度制御方法では、幅の狭いシートを連続プリントした場合、前記温度センサでは検出できない部分(温度センサが配置されていない部分)の温度が過熱状態となって高温となり、場合によっては定着用回転部材や周辺の部品が損傷するおそれがあった。
【0004】
これを回避するために、特開平8−286552号公報や特許第1789197のように配熱パターンの異なる2つのヒータを設けて、これを軸方向の異なる位置に配置された2つの温度センサの検出温度で点灯制御することにより、過熱状態を防ぐ技術が発明されていた。
しかしこのような発明を用いても、2つの温度センサの中間部分が過熱するようなケースが発生し、完全とは言えなかった。
【0005】
従来、大サイズシート用ヒータおよび小サイズシート用ヒータを使用して、小サイズシート用ヒータのサイズとほぼ同サイズ以下のシート(小サイズシート)を定着する際には小サイズシート用ヒータを使用し、小サイズシート用ヒータのサイズよりも大きいサイズのシート(大サイズシート)を定着する際には、小サイズシート用ヒータおよび大サイズシート用ヒータを使用する画像形成装置において、給紙トレイに収容した定型サイズ以外のシートまたは手差トレイから給紙するシートのサイズを設定する機能を備えた画像形成装置が知られている。
前記種類の画像形成装置において、実際には小サイズシート用ヒータのサイズ以下の小サイズシート(例えば幅80mmのシート)を使用する際に、誤操作により、大サイズシートのサイズを設定した場合、本来ならば小サイズシート用ヒータのみで定着動作を行うべきであるのに、小サイズシート用ヒータおよび大サイズシート用ヒータの両ヒータを交互にに点灯することになる。
【0006】
その場合、定着ニップの中央部および端部にそれぞれ温度センサを配置して、中央部の温度センサの検出温度が所定範囲となるようにヒータをオンオフ制御し、且つ端部温度センサの温度が所定値以下の場合に大サイズシート用ヒータを使用し、所定値以上の場合に小サイズシート用ヒータを使用しているときに、第1温度センサの位置と第2温度センサの位置との中間部分の温度が高温になって前記中間部分に熱量が蓄積される。
本発明者の研究によれば、前記中間部分に熱量が蓄積されてくると、小サイズシート用ヒータがオンの時間をta、大サイズシート用ヒータがオンの時間をtbとすると、tb/(ta+tb)の値が、シートサイズが適切に設定している場合に比較して、小さくなっていることが分かった。
したがって、定着ニップの温度制御中のヒータオンの時間(ta+tb)に対する大サイズシート用ヒータオンの時間(tb)の比(以下制御用デューティ比という)が、設定値よりも小さくなったときに、定着ニップを冷却する処理を実行することにより、定着温度センサで検出できない部分での熱量の蓄積による高温部分が発生するのを防止することができる。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)定着温度センサで検出できない部分での熱量の蓄積による高温部分が発生するのを防止すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の要素との対応を容易にするため、実施の形態の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施の形態の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施の形態に限定するためではない。
【0009】
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A01)〜(A015)を備えたことを特徴とする。
(A01)互いに圧接しながら回転し且つ互いに圧接する部分により定着ニップ(Q5)を形成する一対の定着用回転部材(Fh,Fp)と、前記定着ニップ(Q5)を加熱する発熱量分布または加熱範囲が異なる複数のヒータ(h1,h2)であって設定されたシート幅未満の小サイズシートの定着時に必ず使用される小サイズシート用ヒータ(h1)および設定されたシート幅を越える大サイズシートの定着時に必ず使用される大サイズシート用ヒータ(h2)を含む前記複数のヒータ(h1,h2)とを有し、前記定着ニップ(Q5)を通過するシート上に形成されている未定着トナー像を加熱定着する定着装置(F)、
(A02)未定着トナー像が形成されたシートである未定着シートを前記定着ニップ(Q5)に搬送するシート搬送装置(SH)、
(A03)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートの通紙域の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の前記小サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)を含む複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A04)画像記録動作時に前記第1温度センサ(SN1)の検出温度(T1)が所定の加熱定着温度(T1ja≦T1≦T1jb)に保持されるように前記複数のヒータ(h1,h2)を選択点灯させるヒータ制御手段(C8)、
(A05)画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する点灯時間検出手段(TMa,TMb)
(A06)前記検出されたヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)に応じて前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する冷却動作実行手段(C7)。
【0010】
(第1発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A015)を備えた第1発明の画像形成装置では、互いに圧接しながら回転し且つ互いに圧接する部分により定着ニップ(Q5)を形成する一対の定着用回転部材(Fh,Fp)と前記定着ニップ(Q5)を加熱する発熱量分布または加熱範囲が異なる複数のヒータ(h1,h2)であって設定されたシート幅未満の小サイズシートの定着時に必ず使用される小サイズシート用ヒータ(h1)および設定されたシート幅を越える大サイズシートの定着時に必ず使用される大サイズシート用ヒータ(h2)を含む前記複数のヒータ(h1,h2)とを有する定着装置(F)は、前記定着ニップ(Q5)を通過するシート上に形成されている未定着トナー像を加熱定着する。シート搬送装置(SH)は、未定着トナー像が形成されたシートである未定着シートを前記定着ニップ(Q5)に搬送する。
複数の温度センサ(SN1,SN2)の中の第1温度センサ(SN1)は、前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートの通紙域の温度を検出し、第2温度センサ(SN2)は定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する。
ヒータ制御手段(C8)は、画像記録動作時に前記第1温度センサ(SN1)の検出温度(T1)が所定の加熱定着温度(T1ja≦T1≦T1jb)に保持されるように前記複数のヒータ(h1,h2)を選択点灯する。
点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
冷却動作実行手段(C7)は、前記検出されたヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)に応じて前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する。
【0011】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A07),(A08)を備えることが可能である。
(A07)設定されたシート幅未満の小サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記小サイズシート用ヒータ(h1)および最大シート幅のシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記大サイズシート用ヒータ(h2)とを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A08))ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A07),(A08)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する。
【0012】
前記構成要件(A07),(A08)を備えた画像形成装置は、下記の構成要件(A09),(A010)を備えることが可能である。
(A09)小サイズシートの幅よりも広く最大サイズ幅シートのシート幅よりも狭く設定された中間サイズ幅の中間サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記中間サイズシート用ヒータ(h3)を有する前記複数のヒータ(h1,h2,h3)、
(A010))前記中間幅シートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A09),(A010)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも小さく且つ前記小サイズ幅よりも大きい幅の中間サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,(h3))の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する。
なお、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも大きい大サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,(h3))の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)または中間サイズシート用ヒータ(h3)のいずれかを選択して点灯するように構成することができる。
【0013】
前記構成要件(A07),(A08)を備えた画像形成装置は、下記の構成要件(A09),(A011),(A012)を備えることが可能である。
(A09)小サイズシートの幅よりも広く最大サイズ幅シートのシート幅よりも狭く設定された中間サイズ幅の中間サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記中間サイズシート用ヒータ(h3)を有する前記複数のヒータ(h1,h2,h3)、
(A011)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の中間幅シートの通紙域の幅方向外端部の温度を検出する第3温度センサ(SN3)および定着用回転部材(Fh,Fp)の前記中間サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する前記第2温度センサを含む前記複数の温度センサ(SN1,SN2,SN3)、
(A012))前記中間幅シートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第3温度センサ(SN3)の検出温度が所定値未満の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A09),(A011),(A012)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも小さく且つ前記小サイズ幅よりも大きい幅の中間サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第3温度センサ(SN3)の検出温度が所定値以下の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する。
なお、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも大きい大サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,(h3))の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)または中間サイズシート用ヒータ(h3)のいずれかを選択して点灯するように構成することができる。
【0014】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A013),(A014)を備えることが可能である。
(A013)設定されたシート幅未満の小サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記小サイズシート用ヒータ(h1)および最大シート幅のシートの通紙域内であって前記小サイズシートの通紙域以外の領域に対応して配置された発熱部分を有する前記大サイズシート用ヒータ(h2)とを有する前記複数のヒータ(h1,h2)。
(A014)ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)および小サイズシート用ヒータ(h1)を同時に選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)のみを選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A013),(A014)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)および小サイズシート用ヒータ(h1)を同時に選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)のみを選択して点灯する。
【0015】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A015)を備えることが可能である。
(A015)ヒータ(h1,h2)の点灯時に充電され且つ非点灯時に放電するヒータ点灯時間検出用コンデンサを有するタンク回路により構成された前記点灯時間検出手段。
前記構成要件(A015)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記点灯時間検出手段はのヒータ点灯時間検出用コンデンサの充電電圧の検出値からヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
【0016】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A016)〜(A019)を備えることが可能である。
(A016)小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)の2個のヒータ(h1,h2)のみを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A017)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)の2個の温度センサ(SN1,SN2)のみを有する前記複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A018)画像記録動作時に所定の期間(Tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)、
(A019)前記小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、(ta+tb)に対するtaまたはtbの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0017】
前記構成要件(A016)〜(A019)を備えた第1発明の画像形成装置では、第1温度センサ(SN1)は前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出し、第2温度センサ(SN2)は定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する。
前記ヒータ制御手段(C8)は、画像記録動作時に前記第1温度センサ(SN1)の検出温度(T1)が所定の加熱定着温度(T1ja≦T1≦T1jb)に保持されるように前記小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)を選択点灯する。
前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する。
前記冷却動作実行手段(C7)は、前記小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、(ta+tb)に対するtaまたはtbの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する。
【0018】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A016)〜(A018),(A020)を備えることが可能である。
(A016)小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)の2個のヒータ(h1,h2)のみを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A017)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)の2個の温度センサのみを有する前記複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A018)画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)、
(A020)前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、tcに対する、(ta+tb)、taまたはtbのいずれかの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0019】
前記構成要件(A016)〜(A018),(A020)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、tcに対する、(ta+tb)、taまたはtbのいずれかの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する。
【0020】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A016)〜(A018),(A021)をることが可能である。
(A016)小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)の2個のヒータ(h1,h2)のみを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A017)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)の2個の温度センサのみを有する前記複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A018)画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)、
(A021)前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、taおよびtbの中の一方の検出時間に対する他方の検出時間の比の値が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0021】
前記構成要件(A016)〜(A018),(A021)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、taおよびtbの中の一方の検出時間に対する他方の検出時間の比の値が設定値から外れた場合に、前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0022】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A022)を備えることが可能である。
(A022)連続して給紙されるシートがシート搬送路中の所定の設定位置を所定枚数通過する期間が設定された前記所定期間。
前記構成要件(A022)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に、連続して給紙されるシートがシート搬送路中の所定の設定位置を所定枚数通過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
【0023】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A023)を備えることが可能である。
(A023)画像記録動作時に一定時間経過する度に区切られて設定された前記所定期間。
前記構成要件(A023)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に、一定時間経過する度に区切られて設定された前記所定期間経過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
【0024】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A024)を備えることが可能である。
(A024)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻と後の所定期間の開始時刻とが一致している前記複数の所定期間。
前記構成要件(A024)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻と後の所定期間の開始時刻とが一致しているので、連続する前後の所定期間には互いに重複して検出する期間が存在せず且つ連続する前後の所定期間の間に検出しない期間が存在しない。この場合、画像記録動作中のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を、重複したり検出漏れする期間無しに検出することが可能となる。
【0025】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A025)を備えることが可能である。
(A025)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が遅れて設定されている前記複数の所定期間。
前記構成要件(A025)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が遅れて設定されているので、連続する前後の所定期間の間に検出しない期間が存在しない期間が存在する。
【0026】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A026)を備えることが可能である。
(A026)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が前に設定されている前記複数の所定期間。
前記構成要件(A026)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が前に設定されているので、連続する前後の所定期間には互いに重複して検出する期間が存在する。
【0027】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A027)を備えることが可能である。
(A027)前記複数のヒータ(h1,h2)をオフまたは定着動作中よりも低い温度に制御して定着用回転部材(Fh,Fp)を回転させることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる前記冷却動作実行手段(C7)。
前記構成要件(A027)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記ヒータ(h1,h2)をオフまたは定着動作中よりも低い温度に制御し且つ前記一対の定着用回転部材(Fh,Fp)を空回転させることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる。
【0028】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A028)を備えることが可能である。
(A028)前記シートの搬送間隔を長くすることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる前記冷却動作実行手段(C7)。
前記構成要件(A028)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記シートの搬送間隔を長くする。この場合、定着用回転部材(Fh,Fp)内部の熱伝動により温度ムラが解消され。このとき、定着用回転部材(Fh,Fp)の高温部分の温度を低下させることができる。
【0029】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A029)を備えることが可能である。
(A029)画像記録動作の速度を低下させることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる前記冷却動作実行手段(C7)。
前記構成要件(A029)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、画像記録動作の速度を低下させる。この場合、定着用回転部材(Fh,Fp)内部の熱伝動により温度ムラが解消され。このとき、定着用回転部材(Fh,Fp)の高温部分の温度を低下させることができる。また、画像記録動作の速度が低下すると、シートが定着ニップ(Q5)を通過する時間が長くなるので、低い温度で定着が可能となる。このため、定着温度の目標温度を低く設定することにより、定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の説明図である。
図1において、実施の形態1の画像形成装置(デジタル複写機)Uは、プリンタ(画像形成装置本体)U1、イメージスキャナU2、自動原稿搬送装置U3を有している。
前記自動原稿搬送装置U3は、イメージスキャナU2上面のプラテンガラスPG上に支持されている。
【0032】
前記自動原稿搬送装置U3は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置(プラテンロールGR1の圧接位置)を通過して原稿排出ロールGR2から原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
前記自動原稿搬送装置U3は、その後端部(−X端部)に設けた左右方向(Y軸方向)に延びるヒンジ軸(図示せず)により前記プラテンガラスPG上面に対して回動可能であり、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置く場合に上方に回動される。
【0033】
前記イメージスキャナU2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)(図1、図5参照)を有している。
前記透明なプラテンガラスPGの下方には原稿画像を読み取るための露光光学系Aが配置されている。
前記自動原稿搬送装置U3でプラテンガラスPG上面に搬送されて前記複写位置を通過する原稿または手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)で電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力されるR,G,B(レッド、グリーン、ブルー)の電気信号をY,M,C,K(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の画像データ(デジタルデータ)に変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号をROS(潜像形成装置)のレーザダイオード(図示せず)に出力する。なお、前記UI(ユーザインタフェース)、IPSおよびレーザ駆動回路DLと、後述の現像ロールR0、転写ロールT1,2次転写ロール(シート転写部材)T2b等にバイアス電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
【0034】
前記IPSが出力するYMCKの4色の画像データ(レーザ駆動データ)が入力されたレーザ駆動回路DLは、入力された前記各色の画像データに応じた各色のレーザ駆動信号を所定のタイミングで、各色のROS(潜像形成装置)に出力する。
【0035】
各像担持体(感光体)Py,Pm,Pc,Pkはそれぞれの帯電ロール(帯電部材)CRにより一様に帯電された後、前記各色のROS(潜像形成装置)の出力する光ビームによりその表面に静電潜像が形成される。前記像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像はそれぞれ、各現像器Gy,Gm,Gc,Gkと対向する現像領域において各色YMCKのトナー像に現像される。なお、前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkは、各色のトナーを収容した現像容器と、前記現像容器に回転可能に支持され且つ前記像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像にトナーを搬送してトナー像に現像する現像ロールR0を有している。なお、前記各色の現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像容器にはトナーカートリッジTy〜Tkから各色のトナーが補給されるように構成されている。
【0036】
前記現像された各色YMCKのトナー像は、前記各像担持体Py,Pm,Pc,Pkとエンドレスの中間転写ベルト(像担持体)Bとが接触する1次転写領域Q3に搬送される。前記各1次転写領域Q3において中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写ロールT1には、コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで現像剤の帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。前記各像担持体Py〜Pk上のトナー像は前記各1次転写ロールT1に対向する1次転写領域Q3において中間転写ベルトBに重ねて1次転写される。1次転写後の像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の残留トナーは、像担持体クリーナCLpで除去される。
【0037】
前記各像担持体Py〜Pk、各色のROS(潜像形成装置)、各色の現像器Gy〜Gkによって、前記各像担持体Py〜Pk上に各色のトナー像を形成する各色のトナー像形成装置UY(Py+ROS+Gy),UM(Pm+ROS+Gm),UC(Pc+ROS+Gc),UK(Pk+ROS+Gk)が構成される。
【0038】
前記各色の像担持体Py,Pm,Pc,Pkの下方には左右一対のスライドレールSR,SRによりスライドフレームF1が前後方向(紙面に垂直な方向、すなわち、X軸方向)にスライド移動可能に支持されている。スライドフレームF1にはベルトモジュールBMのベルトフレームF2が上昇した動作位置(像担持体Py〜Pkに接触する位置)と下方に移動したメンテナンス位置(像担持体Py〜Pkから下方に離れた位置)との間で昇降可能に支持されている。前記ベルトモジュールBMが前記ベルトメンテナンス位置に下降した状態では、前記スライドフレームF1およびこれに支持されたベルトモジュールBMを、前記像担持体PRと摩擦接触させることなく、画像形成装置本体U1に対して出入させることができるように構成されている。
前記スライドフレームF1を前後移動させる構成およびベルトモジュールBMを昇降させる構成は、従来公知(例えば、特開平8−171248号公報参照)であり、従来公知の種々の構成を採用することが可能である。
【0039】
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、ベルト駆動ロールRd、テンションロールRt、ウォーキングロールRw、複数のアイドラロール(フリーロール)RfおよびバックアップロールT2aを含むベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記4個の1次転写ロールT1とを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0040】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写ロール(シート転写部材)T2bが配置されており、中間転写ベルトBおよび2次転写ロールT2bの対向する領域には2次転写領域(シート転写領域)Q4が形成される。前記2次転写ロールT2bにはコントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで現像剤の帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。前記2次転写ロールT2bに対向して配置された前記バックアップロールT2aはアース(接地)されており、前記2次転写ロールT2bに2次転写電圧が印加されたときには、前記2次転写ロールT2bおよびバックアップロールT2a間には2次転写電界が形成される。前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成される。
前記4個の1次転写ロールT1および中間転写ベルトBを含むベルトモジュールBMと、2次転写器T2等により、トナー像形成装置(UY,UM,UC,UK)の像担持体Py〜Pk表面に形成されたトナー像を記録シートSに転写する転写装置(BM+T2)が構成されている。
【0041】
プリンタ(画像形成装置本体)U1の下部には、シートSを収容した給紙トレイTR1〜TR3および給紙用搬送路SH1が設けられている。また、前記給紙用搬送路SH1には手差トレイTR4から給紙できるように構成されている。前記給紙トレイTR1〜TR3に収容されたシートSは、所定のタイミングでピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsで1枚づつ分離されて、搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。また、手差トレイTR4から給紙されたシートは搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、前記中間転写ベルトBに1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、2次転写領域Q4に搬送される。
前記2次転写領域Q4を記録シートSが通過する際、2次転写ロールT2bに前記2次転写電圧が印加されるので、前記中間転写ベルトBに重ねて1次転写されたカラートナー像は、前記2次転写領域Q4において一括して記録シートSに2次転写される。
2次転写後の中間転写ベルトBはベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去される。
【0042】
トナー像が2次転写された前記記録シートSは、転写後シートガイドSG、シート搬送ベルトHBにより定着ニップQ5に搬送され、定着ニップQ5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、シート排出路SH2または両面記録用搬送路SH3に搬送される。シート排出路SH2に搬送されたシートは記排紙トレイTRhに排出され、シート反転路SH3に搬送されたシートは表裏反転されてから前記レジロールRrに再送される。
前記符号Rp,Rs,Rr,SG,BH,SH1,SH2,SH3等で示された要素によりシート搬送装置SHが構成されている。
【0043】
(定着装置)
図2は前記図1に示す定着装置の拡大図である。
図3は前記図2のIII−III線断面図である。
図2、図3において、加熱ロールFhは内部に小サイズシート用ヒータh1および大サイズ紙使用ヒータh2を内蔵しており、そのロール軸方向両端部は軸受Fha,Fhaを介して図示しないフレームに回転可能に支持されている。また、加圧ロールFpのロール軸方向両端部は軸受Fpa,Fpaを介して図示しないフレームに回転可能に支持されている。
【0044】
(小サイズシート用ヒータh1)
小サイズシート用ヒータh1は小サイズシート(シート搬送方向に垂直な方向のシート幅がA4SEF以下のシート)の通過する領域である小サイズシート定着領域R1(図3参照)とほぼ同じ幅を加熱するように構成され、LetterSE(レターサイズシートショートエッジ)の幅以下のシートを定着する際には小サイズシート用ヒータh1のみがオンオフ制御される。
(大サイズシート用ヒータh2)
ヒータh2は大サイズシート(シート搬送方向に垂直な方向のシート幅がA4SEFより長いシート)の通過する領域である大サイズシート定着領域R2(図3参照)とほぼ同一の幅を有しており、LetterSE(レターサイズシートショートエッジ)の幅よりも大きい幅のシートを定着する際には大サイズシート用ヒータh2および前記小サイズシート用ヒータh1が交互に使用される。
【0045】
なお、前記A4LEFの「LEF」は、ロングエッジフィードの略語であり、用紙の長辺(ロング)を前端(エッジ)にして搬送する(フィードする)シートの意味であり、前記A3SEFの「SEF」は、ショートエッジフィードの略語であり、用紙の短辺(ショート)を前端(エッジ)にして搬送する(フィードする)シートの意味である。
【0046】
図4は加熱ロールおよび前記加熱ロール内部のヒータh1、h2の発熱量分布図である。
図4において、小サイズシート用ヒータh1の発熱量分布L1は小サイズシート用ヒータh1の長さに沿って一定とされているが大サイズシート用ヒータh2の発熱量分布L2は両端部が中央部よりも大きくなっている。この理由は、ヒータh2の端部の通紙域の熱量が軸受部を通して外側に逃げて、通紙域の端部の温度が低下するのを防止するためである。
【0047】
(本実施例の制御部の説明)
図5は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図6は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロックで示した機能ブロック図であり、前記図5の続きの部分を示す図である。
図5においてコントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0048】
(前記コントローラCに接続された信号入力要素)
図5において、前記コントローラCは、電源スイッチSWと、UI(ユーザインタフェース)、第1温度センサSN1、第2温度センサSN2(第2図〜第4図参照)、シート排出センサSN3、その他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記UIは、表示器UI1、コピースタートキー(ジョブ開始入力キー)UI2,コピー枚数設定キーUI3、倍率設定キーUI4、テンキーUI5、シート種類入力モード選択キーUI6、シートサイズ入力モード選択キーUI7等を備えている。
第1温度センサSN1は、加熱ロールFh表面部分の最小幅シートの通紙領域(シートが通過する領域)の温度T1を検出する。
第2温度センサSN2は、加熱ロールFhの小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度T2を検出する。
シート排出センサSN3は、シート排出トレイTR2に排出される記録シートSを検出する。
電源スイッチSWは、画像形成装置Uの電源を手動でオンおよびオフにするスイッチである。
【0049】
(前記コントローラCに接続された制御要素)
また、コントローラCは、IPS(イメージプロセッシングシステムすなわち、画像処理システム)、DL(レーザドライバすなわちレーザ駆動回路)、電源回路E、加熱ロール・シート搬送ロール駆動回路D1およびヒータ駆動回路D2、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。前記電源回路Eは各種の駆動回路、モータ、ヒータ等に電力を供給する。
前記加熱ロール・シート搬送ロール回転駆動回路D1はロール回転駆動モータM1を介して加熱ロールFhを回転駆動する。
ヒータ駆動回路D2は加熱ロールFhに内蔵されたヒータh1,h2を駆動する。
【0050】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、前記信号出力要素UI,SN1〜SN3等からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素IPS,DL,E等に制御信号を出力する機能を有している。
すなわち、コントローラCは次の機能を有している。
C1:ジョブ実行手段
ジョブ実行手段C1は次の手段C1a〜C1cを有し、コピースタートキー(ジョブ開始入力キー)UI2の入力に応じてジョブ中の各頁の画像記録を実行する。
C1a:PSKパルス間隔記憶手段
PSKパルス間隔記憶手段C1aは、各シートサイズ毎のプリントスタート基準信号PSKのパルス間隔を記憶する。
C1b:PSKパルス出力手段
PSKパルス出力手段C1bは、シートサイズに応じた時間間隔でプリントスタート基準信号PSKのパルスを出力する。
C1c:各頁の画像記録動作開始指示信号出力手段
各頁の画像記録動作開始指示信号出力手段C1cは、出力されたPSKパルスに応じて、各頁の画像記録動作開始指示信号を出力する。
【0051】
C2:待機動作実行手段
待機動作実行手段C2は、ジョブ終了後にイレーズモードが終了した後、一定期間、定着ニップQ5の温度を待機温度に維持する。
C3:イレーズ動作実行手段
イレーズ動作実行手段C3は、ジョブ終了後の一定期間、帯電ロールに帯電バイアスを印加しながら、像担持体Py〜Pk、中間転写ベルトB、加熱ロールFh等を回転させて、像担持体PRの帯電ムラの除去およびクリーニング等を実行する。
【0052】
C4:定着ニップ温度制御パラメータ記憶手段
定着ニップ温度制御パラメータ記憶手段C4は、次の手段C4A〜C4Jを有する。
C4A:ジョブ時制御温度記憶手段
ジョブ時制御温度記憶手段C4Aは、ジョブ時下限設定温度T1ja(183℃)およびジョブ時上限定着温度T1jb(187℃)を記憶している。
【0053】
図7はコントローラCの不揮発性メモリに記憶されているデューティ比測定枚数基準設定値およびデューティ比閾値記憶テーブルである。
C4B:デューティ比測定枚数基準設定値記憶手段
デューティ比測定枚数基準設定値記憶手段C4Bは、デューティ比が異常か否かを判断するまでのデューティ比測定期間を定める画像記録枚数nの設定値n0(図7参照)を記憶する。
C4C:デューティ比閾値値記憶手段
デューティ比閾値値記憶手段C4Cは、測定したデューティ比dが異常か否かを判断するためのデューティ比閾値d0(図7参照)を記憶する。
【0054】
C4D:待機時制御温度記憶手段
待機時制御温度記憶手段C4Dは、待機時下限設定温度T1ta(170℃(図24参照))および待機時上限設定温度T1tb(173℃(図24参照))を記憶している。
C4E:第1イレーズ期間記憶手段
第1イレーズ期間記憶手段C4Eは、ジョブ終了時に後続ジョブが無い場合に行う第1イレーズモード継続時間の設定値T4a(=5秒間)を記憶している。
C4F:第2イレーズ期間記憶手段
第2イレーズ期間記憶手段C4Fは、ジョブ終了時に後続ジョブが有る場合に行う第2イレーズモード継続時間の設定値T4b(=15秒間)を記憶している。
【0055】
C4G:冷却制御期間決定用データ記憶手段
冷却制御期間決定用データ記憶手段C4Gは、図8に示す冷却制御期間決定用データ記憶テーブルを記憶する。
図8は冷却制御期間決定用データ記憶テーブルの説明図である。
図8において、定着ニップQ5の冷却動作を実行する際の冷却制御期間(冷却動作期間)の長さを定める最大待ち時間t3aおよび給紙許可温度T2aは、各種シートサイズに対応して設定されている。各種シートサイズに対応して設定された最大待ち時間t3aおよび給紙許可温度T2aは次のとおりである。
A4LEF、A3SEF…t3a=40秒、T2a=180℃
Letter LEF ………… t3a=40秒、T2a=160℃
Ledger SEF ………… t3a=80秒、T2a=150℃
冷却制御期間(冷却動作期間)の長さを定める最大待ち時間t3aおよび給紙許可温度T2aが上記のように設定されている場合、例えば前記A4LEFのシートに画像記録している場合の冷却動作の最大期間t3aは40秒であり、給紙許可温度T2aは180℃以下であることを意味する。
【0056】
C5:デューティ比測定手段
デューティ比測定手段C5は、h1点灯時間検出手段TMaおよびh2点灯時間検出手段TMbを有し、各検出手段TMa,TMbの検出時間に基づいて、設定期間tc内における小サイズシート用ヒータh1オンの時間taと大サイズシート用ヒータh2オンの時間tbとの合計時間(ta+tb)に対する大サイズシート用ヒータh2オンの時間tbの比dを測定する。、すなわち、d=tb/(ta+tb)を測定する。前記d=tb/(ta+tb)を制御用デューティ比ということにする。
TMa:小サイズシート用ヒータh1点灯時間検出手段
小サイズシート用ヒータh1点灯時間検出手段TMaは、設定期間tc内における小サイズシート用ヒータh1オンの時間taを検出する。
TMb:大サイズシート用ヒータh2点灯時間検出時間
大サイズシート用ヒータh2点灯時間検出手段TMbは、設定期間tc内における大サイズシート用ヒータh2オンの時間tbを検出する。
【0057】
C6:デューティ比異常判別手段
デューティ比異常判別手段C6は、測定されたデューティ比dと設定されたデューティ比閾値d0とを比較してd<d0の場合にデューティ比が異常であると判別する。
FL2:デューティ比異常判別フラグ
デューティ比異常判別フラグFL2は、初期値=「0」であり、デューティ比異常判別手段C6が異常と判断したときにFL2=「1」となり、定着ニップの冷却処理を実行した後でFL2=「0」となる。
【0058】
C7:冷却動作実行手段
冷却動作実行手段C7は、デューティ比異常判別フラグFL2=「1」になると、ジョブを中断して搬送中の全シートを排出してから定着ニップの冷却動作(冷却処理)を実行する。
C8:ヒータ制御手段
ヒータ制御手段C8は、ジョブ動作、待機動作、イレーズ動作、冷却動作時等に、定着ニップ温度制御パラメータ記憶手段C4に記憶されたデータおよび温度センサSN1,SN2の検出温度等に基づいて小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2のオンオフを制御する。
【0059】
(フローチャートの説明)
図9は実施の形態1の画像形成装置の各トレイに収容されたシートの種類およびサイズを設定する処理のフローチャートであり、図9Aはシート種類設定処理、図9Bはシートサイズ設定処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図9Aに示すトレイに収容されたシート種類設定処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図9AのステップST1において、シート種類入力モードが選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST1を繰り返し実行する。前記図5のシート種類入力モード選択キーUI6が入力操作されるとイエス(Y)となる。イエス(Y)の場合は表示器UI1にシート種類入力画面を表示してST2に移る。前記シート種類入力画面には必要な情報および入力ボタン(厚紙またはOHP用紙を選択するボタン、入力モードを終了するボタン等)が表示され、前記表示された入力ボタンを選択することによりシート種類を設定することが可能である。
ST2においてトレイ番号が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6に移り、イエス(Y)の場合はST3に移る。
ST3において選択されたトレイ番号を記憶する。
【0060】
次にST4においてシート種類が入力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6に移り、イエス(Y)の場合はST5に移る。
ST5において、選択されたトレイ番号に対応して、入力されたシート種類(厚紙またはOHP)を記憶する。
次にST6においてシート種類入力モードが終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST2に戻り、イエス(Y)の場合はシート種類設定処理を終了する。
【0061】
図9Bに示すトレイに収容されたシートサイズ設定処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図9BのステップST1′において、シートサイズ入力モードが選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST1′を繰り返し実行する。前記図5のシートサイズ入力モード選択キーUI7が入力操作されるとイエス(Y)となる。イエス(Y)の場合は表示器UI1にシートサイズ入力画面を表示してST2′に移る。前記シートサイズ入力画面にはシートサイズ入力に必要な情報および入力ボタン(シートサイズ選択するボタン、入力モードを終了するボタン等)が表示され、前記表示された入力ボタンやテンキー等を入力することにより各トレイ番号TR1〜TR4に対してシートサイズを設定することが可能である。
ST2′においてトレイ番号が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6′に移り、イエス(Y)の場合はST3′に移る。
ST3′において選択されたトレイ番号を記憶する。
【0062】
次にST4′においてシートサイズが入力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6′に移り、イエス(Y)の場合はST5′に移る。
ST5′において、選択されたトレイ番号に対応して、入力されたシートサイズを記憶する。
次にST6′においてシートサイズ入力モードが終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST2′に戻り、イエス(Y)の場合はシートサイズ設定処理を終了する。
【0063】
図10は実施の形態1の画像形成装置の画像記録処理のメインルーチンのフローチャートである。
図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。図10に示す画像記録処理のメインルーチンの処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図10のST11においてジョブ開始入力有りか否か判断する。イエス(Y)の場合はST12に移る。
ST12においてジョブモード制御処理(画像記録動作の制御処理)を実行する。
【0064】
前記ST11においてノー(N)の場合はST13に移る。
ST13においてTM1(待機モード継続時間計測タイマ)が作動中か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST11に戻る。イエス(Y)の場合はST14に移る。
ST14において待機モード時ヒータ制御処理を実行する。この処理は後で図21に基づいて詳述する。
次にST15において待機モード継続時間計測タイマTM1の計測時間t1≧15分1否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST11に戻る。イエス(Y)の場合はST16に移る。
ST16において次の処理を実行する。
(1)待機モード継続時間計測タイマTM1をオフにする。
(2)全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)をオフにする。
ST16の次に前記ST11に戻る。
【0065】
前記ST12のジョブが終了してから、ST17に移る。
ST17において後続ジョブが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST18に移る。
ST18において第2イレーズモード制御処理を実行する。この処理は後で図23に基づいて詳述する。
前記ST17においてノー(N)の場合はST19に移る。
ST19において第1イレーズモード制御処理を実行する。この処理は後で図22に基づいて詳述する。ST19の次にST20に移る。
ST20において待機モード継続時間計測タイマTM1をオンにする。
前記ST18およびST20の次に前記ST11に戻る。
【0066】
(ジョブモード制御処理)
前記図10のST12のジョブモード制御処理では複数のプログラム(サブルーチン(1)〜(8))が並行してマルチタスクで実行される。
(図11,図12のデューティ比異常判別処理)
図11は前記ST12のサブルーチン(1)であり、デューティ比異常判別処理のフローチャートである。
図12は図11の前記ST12のサブルーチン(1)であり、前記図11の続きのフローチャートである。
前記図10のST12の処理が開始されると、ST12のサブルーチン(1)である図11、図12の処理が開始される。また、ST12のサブルーチン(1)はST12の他のサブルーチン(2)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
【0067】
図11のST31において次の処理を実行する。
(1)デューティ比計測処理用判別フラグFL1=「00」とする。
(2)デューティ比異常判別フラグFL2=「0」とする。
(3)ヒータ点灯時間計測要求フラグFLt=「0」とする。
(4)積算時間リセット要求フラグFLr=「0」とする。
(5)デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nの値をn=0にする。
前記FL1=「00」は、現在シート(現在搬送しようとしているシート)の直前に搬送されたシートが無いことを意味する。したがって、FL1=「00」でない場合は直前シートが有ることを意味する。
なお、前記(1)のカッコ付きの「0」は2進数のゼロであることを示し、(2)のカッコの付かない0は10進数であることを示している。
前記ST31の次にST32に移る。
【0068】
ST32において記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合はST12のサブルーチン(1)(すなわち、図11、図12に示すデューティ比異常判別処理)を終了する。
ST32においてイエス(Y)の場合はST33に移る。
ST33においてデューティ比計測開始時期判別フラグFL1=「00」か否か判断する。イエス(Y)の場合(直前シートが無い場合)はST34に移る。なお、後述するが直前シートが有る場合であっても、現在シートが直前シートと異なるトレイから給紙された場合にはST34を実行する。
ST34において次の処理を実行する。
(1)給紙されるトレイ番号を検出し、その検出したトレイ番号を給紙トレイ番号として設定する。
(2)設定されたトレイ番号のトレイから給紙されるシートのサイズS1を検出して記憶する。
(3)設定されたトレイ番号のトレイから給紙されるシートの種類S2をを検出して記憶する。
(4)前記S1,S2に応じて定まるデューティ比演算用画像記録枚数nの基準設定値n0を、前記図7のデューティ比閾値記憶テーブルから読出して設定する。
(5)前記S1,S2に応じて定まるデューティ比の閾値d0を前記図7のデューティ比閾値記憶テーブルから読出して設定する。
【0069】
ST35においてレジロールRrが回転を開始したか否か判断するノー(N)の場合はST35を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST36に移る。
ST36においてデューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nをn=n+1とする。
【0070】
前記ST33において、ノー(N)の場合はSTA37に移る。
STA37において、給紙されるトレイ番号を検出する。
STA38において検出したトレイ番号は設定されているトレイ番号(直前に給紙された給紙トレイの番号)と同じか否か判断する。前記STA38においてイエス(Y)の場合は、前回給紙されたシートと今回給紙されるシートとが同一であることを意味する。この場合はSTA39に移る。
STA39においてデューティ比計測処理用判別フラグFL1=「01」とする。FL1=「01」は、現在シート(STA35でレジロールRrにより搬送開始されたシート)の直前に搬送されたシートが有ったこと(直前シート有り)を意味する。この場合、直前シートと現在シートとが同一であれば、シートサイズ等の記憶データ(図34参照)を更新する必要がない。STA39の次にSTA35に移る。
前記STA38においてノー(N)の場合は、直前の給紙トレイと、今回の給紙トレイとが異なることを意味する。この場合はSTA40に移る。
【0071】
STA40において次の処理を実行する。
(1)n=0。すなわち、デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nをn=0とする。
(2)FL1=「10」。すなわち、FL1=「10」は今回のシートは直前のシートと異なることを意味する。この場合、ST34に移ってシートサイズS1等の記憶データを更新する必要がある。
(3)d0′=d0とする。すなわち、次のST34に移った時にデューティ比dの閾値が新しく更新されることになるが、現在シート(今回STA35でレジロールRrにより搬送されるシート)とは異なる直前のシートに対して演算されるデューティ比dを直前のシートの閾値d0と比較するために、直前のシートの閾値d0をd0′として記憶する。後でSTA35で現在シートの搬送が開始された直後にST50においてd<d0′か否かを判断する際に前記d0′が使用される。
次に前記STA34に移る。
ST34において、今回給紙される給紙トレイに応じて定まる新しいシートのサイズS1、種類S2、デューティ比演算用画像記録枚数nの設定値n0、デューティ比の閾値d0等を新たに設定する。
【0072】
前記ST36の次に、STA41に移る。
STA41において、FL1=「00」か否か判断する。イエス(Y)の場合は直前シートが無いことを意味する。この場合、ヒータ点灯時間計測要求フラグFLtを「1」にする処理を要求していることを意味する。イエス(Y)の場合ははSTA42に移る。
STA42においてヒータ点灯計測要求フラグFLtをFLt=「1」とする。次にSTA43に移る。
STA43においてデューティ比演算用画像記録枚数nが図7に示す基準設定枚数n0に対してn<n0か否か判断する。イエス(Y)の場合は前記デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nが図7に設定されている基準設定枚数に達していないことを意味する。この場合はSTA44に移る。
【0073】
STA44において、デューティ比計測処理用判別フラグFL1=「01」とする。FL1=「01」はnがn0に達しておらず且つ今回のシートと直前のシートとが同一であることを意味している。この場合、デューティ比の測定値dと閾値d0の記憶値d0′(前述したように、d0′は直前のシートに対して設定されている閾値d0の記憶値である)との比較を行わずに、デューティ比の計測を続行する。次にSTA45に移る。
STA45においてレジロールRrの回転が停止したか否か判断するノー(N)の場合はSTA45を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合は前記STA32に戻る。
【0074】
前記STA41においてノー(N)の場合(FL1=「00」でない場合、すなわち、直前シート有りの場合)はSTA46に移る。
STA46においてFL1=「01」か否か判断する。イエス(Y)の場合(直前シート有りで且つ直前シートと現在シートが同一の場合)は前記STA43に移る。
前記STA43において、ノー(N)の場合はn≧n0であることを意味し、デューティ比dを閾値d0と比較する時期になったことを意味する。この場合、STA47に移る。
STA47において、次の処理を実行する。
(1)d0′=d0
(2)n=0
前記(1)の処理は、現在のデューティ比(後述する図15のST77で測定されるデューティ比d)と比較する閾値d0′に前記ST34で設定されたd0を記憶させる処理である。
前記(2)の処理は前記STA43でn≧n0となったので、前記デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nをリセットする処理である。
次にSTA48に移る。
【0075】
前記STA46においてノー(N)の場合は、FL1がFL1=「10」であることを意味している。FL1=「10」は直前シート有りで且つ直前シートと現在シートとが異なることを意味しており、また、前記STA40が実行されたことを意味している。前記STA40は、図A38で今回のシートと直前のシートとが異なると判断された場合に実行された処理(ジョブの途中で給紙トレイが変更された場合の処理)である。このSTA40では、直前のシートに対して設定されたデューティ比dの閾値d0がd0′=d0として記憶されている。この場合(STA46でノー(N)の場合)はSTA48に移る。
STA48において、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」とする。
前記STA48の次にSTA49に移る。
STA49において積算時間リセット要求フラグFLr=「0」になったか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA49を繰り返し実行する。
【0076】
前記STA48において、FLr=「1」になると、後述する図13のSTA69および図14のSTA69′が実行されて小サイズシート用ヒータh1の積算点灯時間taおよび大サイズシート用ヒータh2の積算点灯時間tbがリセットされてta=tb=0となる。この時同時に、後述する図15のSTA77が実行されて、デューティ比計測時間tcがリセットされ且つ現在のデューティ比dが計測されてから、FLr=「0」とされる。
したがって、前記STA77でFLr=「0」とされると、STA49においてイエス(Y)となる。STA49でイエス(Y)の場合はSTA50に移る。
【0077】
次にSTA50において計測したデューティ比dがd0′に対してd<d0′か否か判断する。STA35のレジロールの回転開始により搬送開始された今回のシート(現在シート)が直前のシートと異なる場合は、前記d0′の値は、直前のシートに対して設定されている図7の閾値記憶テーブルに設定された閾値d0の値である。なお前記d0の値は、今回のシートおよび直前のシートが同一の場合はその同一シートに対して設定されている図7の閾値記憶テーブルに設定された閾値d0の値である。
STA50においてノー(N)の場合は計測したデューティ比dが閾値よりも高いので、定着ニップQ5を形成する定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されていないと判断できる。この場合はSTA51に移る。
STA51において次の処理を実行する。
(1)デューティ比異常判別フラグFL2=「0」とする。FL2=「0」は、定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されていない状態(正常状態)であることを意味する。
(2)デューティ比計測処理用判別フラグFL1=「01」とする。すなわち、直前シート有りとする。
【0078】
前記STA50においてイエス(Y)の場合は計測したデューティ比dが閾値よりも低いので、定着ニップQ5を形成する定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されていると判断できる。この場合はSTA52に移る。
STA52において次の処理を実行する。
(1)デューティ比異常判別フラグFL2=「1」とする。FL2=「1」は、定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されている状態(異常状態)であることを意味する。この場合、画像記録が開始されていないシートが残っている場合には新たなシートの搬送を中止して画像記録動作を中断し、搬送中の全シートを排出した後に冷却処理を実行する必要がある。したがって、FL2=「1」になると、後述する図19のSTA111においてイエス(Y)となり、図19、図20のSTA120〜STA133の冷却処理を実行する。これについては後述する。
(2)FL1=「00」とする。FL1=「00」は直前シート無しを意味する。すなわち、冷却処理が完了するまで新たなシートの給紙が開始されないので、次に給紙するシートに対しては直前シート無しであることを意味する。
(3)ヒータ点灯時間計測要求フラグFLt=「0」とする。すなわち、冷却処理を行う間はヒータ点灯時間の計測は実行しない。
前記STA51、STA52の次に前記ST32に戻る。
【0079】
(図13の小サイズシート用ヒータh1オン時間積算処理)
図13は前記ST12のサブルーチン(2)であり、小サイズシート用ヒータh1のオン時間(ta)の積算処理のフローチャートである。
ST12のサブルーチン(2)である図13の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、ST12のサブルーチン(2)はST12の他のサブルーチン(1),(3)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
図13のST61において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST62に移る。
ST62において、ヒータオンオフ時間計測要求フラグFLt=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST63に移る。ST63において次の処理を実行する。
(1)小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を停止する。
(2)小サイズシート用ヒータh1オン時間taをta=0とする。
次に前記ST61に戻る。
【0080】
前記ST62においてイエス(Y)の場合はST64に移る。
ST64において積算時間リセット要求フラグFLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST65に移る。
ST65において、小サイズシート用ヒータh1がオンの状態か否か判断する。イエス(Y)の場合はST66に移り、ノー(N)の場合はST67に移る。
ST66において、小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を行って小サイズシート用ヒータh1のオン時間taを積算する。
ST67において、小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を停止する。なおこのときは、TMaの積算時間taの値を保持する。
前記ST66およびST67の次に、前記ST61に戻る。
【0081】
前記ST64においてイエス(Y)の場合(すなわち、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」の場合)はST68に移る。
ST68においてta′=taとする。このとき記憶されたta′の値は後述する図15のST77においてデューティ比d=tb′/(ta′+tb′)を演算する際に使用される。
次にST69において、小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの計測時間(小サイズシート用ヒータh1オンの積算時間)ta=0とする。
次に前記ST61に戻る。
前記ST61においてノー(N)の場合はST70に移る。
ST70において次の処理を実行する。
(1)小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を停止する。
(2)小サイズシート用ヒータh1オン時間taをta=0とする。
次にST12のサブルーチン(2)を終了する。
【0082】
(図14の大サイズシート用ヒータh2オン時間積算処理)
図14は前記ST12のサブルーチン(3)であり、大サイズシート用ヒータh2のオン時間(tb)の積算処理のフローチャートである。
ST12のサブルーチン(3)である図14の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、ST12のサブルーチン(3)はST12の他のサブルーチン(1),(2),(4)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
図14のST61′において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST62′に移る。
ST62′において、ヒータオンオフ時間計測要求フラグFLt=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST63′に移る。ST63′において次の処理を実行する。
(1)大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を停止する。
(2)大サイズシート用ヒータh2オン時間tbをtb=0とする。
次に前記ST61′に戻る。
【0083】
前記ST62′においてイエス(Y)の場合はST64′に移る。
ST64′において積算時間リセット要求フラグFLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST65′に移る。
ST65′において、大サイズシート用ヒータh2がオンの状態か否か判断する。イエス(Y)の場合はST66′に移り、ノー(N)の場合はST67′に移る。
ST66′において、大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を行って大サイズシート用ヒータh2のオン時間tbを積算する。
ST67′において、大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を停止する。なおこのときは、TMbの積算時間tbの値を保持する。
前記ST66′およびST67′の次に、前記ST61′に戻る。
【0084】
前記ST64′においてイエス(Y)の場合(すなわち、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」の場合)はST68′に移る。
ST68′においてtb′=tbとする。このとき記憶されたtb′の値は後述する図15のST77においてデューティ比d=tb′/(ta′+tb′)を演算する際に使用される。
次にST69′において、大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの計測時間(大サイズシート用ヒータh2オンの積算時間)tb=0とする。
次に前記ST61′に戻る。
前記ST61においてノー(N)の場合はST70′に移る。
ST70′において次の処理を実行する。
(1)大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を停止する。
(2)大サイズシート用ヒータh2オン時間tbをtb=0とする。
次にST12のサブルーチン(3)を終了する。
【0085】
(図15のデューティ比計測時間(tc)の計測処理およびデューティ比dの計測処理)
図15は前記ST12のサブルーチン(4)であり、デューティ比計測時間(tc)の計測処理およびデューティ比dの計測処理のフローチャートである。
ST12のサブルーチン(4)である図15の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、ST12のサブルーチン(4)はST12の他のサブルーチン(1)〜(3),(5)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
図15のST71において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST72に移る。
ST72において、ヒータオンオフ時間計測要求フラグFLt=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST73に移る。ST73において次の処理を実行する。
(1)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの時間計測を停止する。
(2)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの計測時間tc=0とする。
次に前記ST71に戻る。
【0086】
前記ST72においてイエス(Y)の場合はST74に移る。
ST74において、デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcを作動させて経過時間tcを計測する。
次にST75において積算時間リセット要求フラグFLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST71に戻るる。
前記ST75においてイエス(Y)の場合(すなわち、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」の場合)はST76に移る。
ST76においてtc′=tcとする。このとき記憶されたtc′の値は本実施の形態1では使用しない。
【0087】
次にST77において、次の処理を実行する。
(1)制御用デューティ比dを次式により演算する。
d=tb′/(ta′+tb′)
(2)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの計測時間tcをtc=0とする。
(3)積算時間リセット要求フラグFLr=「0」とする。
なお、前記ST77の処理(1)を前記図14のST68′で実行し、且つ前記ST77の処理(3)を前記図14のST69′で実行することにより、図15のST12のサブルーチン(4)は省略することが可能である。
また、前記ST76において記憶したtc′を使用して制御用デューティ比dを次式(1)または(2)により演算し、式(1)または(2)で演算した制御用デューティ比dによりヒータ制御を行うことも可能である。これについては図25により後述する。
(1)d=ta′/tc′
(2)d=tb′/tc′
【0088】
前記ST77の次に前記ST71に戻る。
前記ST71においてノー(N)の場合はST78に移る。
ST78において次の処理を実行する。
(1)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの時間計測を停止する。
(2)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの計測時間tc=0とする。
ST78処理を終了するとST12のサブルーチン(4)が終了する。
【0089】
(図16のプリントスタート基準信号PSKの出力制御処理)
図16は前記ST12のサブルーチン(5)であり、プリントスタート基準信号PSKの出力制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(5)はST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。
ST12が開始されると、図16のSTA81において、ジョブ中の画像記録頁番号m=0する。
次にSTA82においてm=m+1とする。
次にSTA83において記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合はST12のサブルーチン(5)(すなわち、図16に示すプリントスタート基準信号PSK出力制御処理)を終了する。
STA83においてイエス(Y)の場合はSTA84に移る。
STA84においてm≧2か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA86に移り、イエス(Y)の場合はSTA85に移る。
【0090】
STA85において、直前の頁{(m−1)頁}の画像記録時のシートサイズS1に対応して設定されたプリントスタート基準信号PSKのパルス間隔を記憶する。次にSTA86に移る。
STA86において、次の処理を実行する。
(1)給紙されたシートサイズS1を記憶する。
(2)m,S1に応じたプリントスタート基準信号PSK(パルス信号)のパルス間隔を設定する。
【0091】
STA87においてジョブ中の画像記録頁番号mがm≧2か否か判断する。ノー(N)の場合はジョブの頁番号m=1の画像記録であることを意味する。この場合はSTA88に移る。
STA88においてm=1(ジョブ中の画像記録頁番号)、S1(シートサイズ)に対して設定されたパルス間隔でPSKパルスの出力を開始する。
STA87においてイエス(Y)の場合はジョブの頁番号mがm=2以降の画像記録であることを意味する。この場合はSTA89に移る。
STA89においてジョブ中の画像記録頁番号(m−1)頁の画像記録時のシートサイズS1に対して設定されたパルス間隔(前頁のパルス間隔)でPSKパルスの出力を開始する。
STA90において、頁番号mの画像記録が開始されたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA90を繰り返し実行する。
後述するST12のサブルーチン(6)のSTA97(図17参照)の処理が実行されると、STA97の処理に応じて、ST12のサブルーチン(7)のSTA103(図18参照)で頁番号mの画像記録動作が開始される。このときに、STA90においてイエス(Y)となる。イエス(Y)の場合は前記STA82に戻る。
【0092】
(図17のジョブ実行時の各頁mの画像記録動作開始指示信号出力制御処理)
図17は前記ST12のサブルーチン(6)であり、ジョブ実行時の各頁m(m=1,2,…)の画像記録動作開始指示信号出力制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(6)はST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。
図17のSTA91においてジョブ中の画像記録頁番号mをm=0とする。
STA92においてm=m+1とする。
STA93において記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合は図17の画像記録動作開始指示信号出力制御処理を終了する。イエス(Y)の場合はSTA94に移る。
STA94においてプリントスタート基準信号PSKのパルスが出力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA94を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はSTA95に移る。
【0093】
STA95において定着ニップ中央温度センサSN1の検出温度T1がジョブ時下限定着温度T1jaに対してT1≧T1jaか否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA94に戻る。イエス(Y)の場合はSTA96に移る。
STA96においてデューティ比異常判別フラグFL2=「0」か否か判断する。ノー(N)の場合は制御用デューティ比dがd<d0すなわち、(FL2=「1」)であり異常状態であるので、前記STA94に戻る。d<d0すなわち、(FL2=「1」)になった場合には、新たな頁の画像記録開始信号を出力せずに、画像記録中のシートの排出を待ってから定着装置の冷却処理を実行して(FL2=「0」)になるのを待つ。
STA94、STA95、STA96が同時にイエス(Y)になった場合には、STA97に移る。
STA97において頁番号mの画像記録動作開始指示信号を出力する。
次に前記STA92に戻る。
【0094】
(図18のジョブ実行時の各頁番号mの画像記録動作の制御処理)
図18は前記ST12のサブルーチン(7)であり、ジョブ実行時の各頁番号mの画像記録動作の制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(7)は異なる各頁に対して別々に実行されるサブルーチンであり、頁が異なる複数のサブルーチン(7)が平行して同時に実行され、且つST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。なお、この図18に示す各頁番号mの画像記録動作の制御処理は、各頁番号mの画像毎に独立して実行される。また、複数の各頁番号mの画像記録動作は並行してマルチタスクで実行される。
図18のSTA101において、記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合は頁番号mの画像記録動作の制御処理を終了する。
STA102において、頁番号mの画像記録動作開始指示信号が出力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA102を繰り返し実行する。前記図17のSTA97において頁番号mの画像記録動作開始指示信号が出力されると、STA102においてイエス(Y)となる。イエス(Y)になった場合はSTA103に移る。
【0095】
STA103において次の処理を実行する。
(1)画像記録動作制御用タイマTM2をオンにする。
(2)タイマTM2がオンした時を基準にして頁番号mの画像記録動作を開始する。
次にSTA104において頁番号mの画像記録動作を実行して画像記録したシートを排紙トレイTRh(図1参照)に排紙する。
前記シートを排紙トレイTRh(図1参照)に排紙してから、頁番号mの画像記録動作の制御処理を終了する。
【0096】
(図19、図20のジョブ実行時のヒータ制御処理)
図19は前記ST12のサブルーチン(8)であり、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(8)はST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。
図19のST107において画像記録に使用するシートサイズが設定されているか否か判断する。一般的には給紙トレイに収容されているシートサイズが定型サイズシートの場合は画像記録に使用するシートサイズは自動的に検出されるが、非定型サイズシートが給紙トレイに収容されている場合や、手差トレイから給紙する場合等にはシートサイズが設定される。
前記ST107においてノー(N)の場合はST108に移る。
【0097】
ST108において、シートサイズ設定無しの場合のヒータ制御処理を実行する。なお、シートサイズ設定無しの場合、画像データサイズに応じたサイズのシートを使用したり、1頁目の画像記録に使用したシートサイズのシートを全ジョブに対して使用したりするシート選択方法が従来公知である。したがって、前記シート選択方法に応じてST108のヒータ制御処理は異なるが、本実施の形態1では画像データサイズが異なる頁の画像は、1頁目のシートと同じサイズのシートに縮尺または拡大して記録する方法を採用する。その場合のヒータ制御のフローチャートはシートサイズを設定した場合と同様になる。ST108を終了するとST12のサブルーチン(8)を終了する。
【0098】
前記ST107においてイエス(Y)の場合はST109に移る。ST109において画像記録されるシートの幅方向サイズSSの設定値がA4シートのショートエッジの長さA4SEに対して、SS≧A4SEか否か判断する。ノー(N)の場合は画像記録されるシートの幅方向サイズSSがA4SE(A4ショートエッジ長さ)未満の小サイズシートであることを意味する。この場合、ST110に移る。
ST110において、シートサイズSSがA4SEよりも小さい場合のヒータ制御を実行する。この場合、大サイズシート用ヒータh2を使用せずに、小サイズシート用ヒータh1のみをオンオフ制御して、第1温度センサSN1の検出温度T1がジョブ時下限定着温度T1ja(183℃)とジョブ時上限定着温度T1jb(187℃)に対してT1ja≦T1≦T1jbとなるように小サイズシート用ヒータh1を点灯制御する。ST110を終了するとST12のサブルーチン(8)を終了する。
【0099】
前記ST109においてイエス(Y)の場合は画像記録されるシートの幅方向サイズSSがA4SE(A4ショートエッジ長さ)以上の大サイズシートであることを意味する。この場合、ST111に移る。
STA111において、デューティ比異常判別フラグFL2=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合(正常の場合)はSTA112に移る。
STA112においてT1≧T1jaか否か判断する。T1は中央部定着温度センサSN1の検出温度であり、T1jaはジョブ時の定着部中央部の下限設定温度である。STA112においてノー(N)の場合はSTA113に移る。
STA113においてT2≦170℃か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA114に移る。
STA114において小サイズシート用ヒータh1をオンにする。次にSTA118に移る。
前記STA113においてイエス(Y)の場合はSTA115に移る。
STA115において大サイズシート用ヒータh2をオンにしてSTA118に移る。
【0100】
前記STA112においてイエス(Y)の場合はSTA116に移る。
STA116においてT1≦T1jbか否か判断する。T1jbはジョブ時の定着部中央部の上限設定温度である。STA116においてノー(N)の場合はSTA117において小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2をオフにしてSTA118に移る。STA116においてイエス(Y)の場合はSTA118に移る。
STA118においてジョブ終了か否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA111に戻る。イエス(Y)の場合はSTA119において全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)をオフにして、図19、図20のジョブモード時のヒータ制御処理を終了する。
【0101】
前記STA111においてイエス(Y)の場合(デューティ比異常判別フラグFL2=「1」の場合、すなわち、制御用デューティ比が異常の場合)は、新規シートの給紙を中止して搬送中の全シートを排出する必要がある。STA111においてイエス(Y)の場合はSTA120に移る。
STA120において搬送中のシート有りか否か判断する。イエス(Y)の場合はSTA121に移る。
STA121においてT1≧T1jaか否か判断する。STA121においてノー(N)の場合はSTA122に移る。
STA122においてT2≦170℃か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA123に移る。
STA123において小サイズシート用ヒータh1をオンにする。次に前記STA120に戻る。
【0102】
前記STA122においてイエス(Y)の場合はSTA124に移る。
STA124において大サイズシート用ヒータh2をオンにして前記STA120に戻る。
前記STA121においてイエス(Y)の場合はSTA125に移る。
STA125においてT1≦T1jbか否か判断する。STA125においてノー(N)の場合はSTA126においてヒータオフにして前記STA120に戻る。
STA120においてノー(N)の場合は図20のSTA127に移る。
【0103】
図20は前記ST12のサブルーチン(8)で、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートであり、前記図19の続きのフローチャートである。
図20のST127において全ヒータh1,h2をオフにする。
次にSTA128においてジョブ終了か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA129に移り冷却処理(ST129〜ST133)を実行する。
STA129において冷却処理経過時間計測タイマTM3をオンにする。このとき、定着ロールの回転は続行する。
次にSTA130において、直前に画像記録して排紙したシートのシートサイズS1、シート種類S2に対応する冷却処理期間の長さの最大値を設定する最大待ち時間t3a(図8のテーブル参照)および、給紙許可温度k設定値T2a(図8のテーブル参照)を読み込む。
STA131においてタイマTM3の計測時間t3が最大設定待ち時間t3a(図8参照)に対してt3≧t3aか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA132に移る。
STA132において第2温度センサSN2の検出温度T2が給紙可能設定温度T2a(図8参照)に対して、T2≦T2aか否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA131に移る。
【0104】
前記STA131またはSTA132においてイエス(Y)の場合は次のことを意味する。すなわち、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2をオフにした後、図8の最大待ち時間t3aが経過したか、または第2温度センサSN2の検出温度T2が給紙可能設定温度T2a以下になったことを意味する。この場合は、STA133に移る。
STA133において次の処理を実行する。
(1)冷却処理経過時間計測タイマTM3をオフにする。
(2)デューティ比異常判別フラグFL2=「0」とする。
次に前記図19のSTA111に戻る。
前記STA128において、イエス(Y)の場合は図19および図20のジョブモード時のヒータ制御処理すなわち、ST12のサブルーチン(8)の処理を終了する。
【0105】
(図21の待機モード時ヒータ制御処理)
図21は前記図10のST14のサブルーチンであり、待機モード時ヒータ制御処理のサブルーチンである。
図21のSTA141においてT1≧T1taか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA142においてヒータオンにする。
前記STA141においてイエス(Y)の場合はSTA143に移る。
STA143においてT1≦T1tbか否か判断する。STA143においてノー(N)の場合はSTA144においてヒータオフする。
前記STA142、STA144の後、またはSTA143でイエス(Y)の場合は図21の待機モード時ヒータ制御処理のサブルーチンを終了する。
【0106】
(図22の第1イレーズモードの制御処理)
図22は前記図10のST19のサブルーチンであり、第1イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
図10のST19の第1イレーズモードの制御処理が開始されると、図22のSTA151において、次の処理を実行する。
(1)回転部材(感光体(像担持体)、定着ロール等)の回転継続。
(2)帯電ロールに帯電バイアス(−500V)印加。
(3)全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)オフ。
(4)タイマTM4に時間t4a(t4a=4〜5sec)セット。
次にSTA152においてタイマTM4はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA152を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はSTA153に移る。
STA153において次の処理を実行する。
(1)回転部材の回転停止。
(2)帯電バイアス印加停止。
次に図22の第1イレーズモードの制御処理を終了する。
【0107】
(図23の第2イレーズモードの制御処理)
図23は前記図10のST18のサブルーチンであり、第2イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
図10のST18の第2イレーズモードの制御処理が開始されると、図23のSTA161において、次の処理を実行する。
(1)回転部材(感光体(像担持体)、定着ロール等)の回転継続。
(2)帯電ロールに帯電バイアス(−500V)印加。
(3)全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)オフ。
(4)タイマTM4に時間t4b(t4b=t4a+10sec=14〜15sec)をセット。
次にSTA162においてタイマTM4はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA162を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合は図23の第2イレーズモードの制御処理を終了する。
【0108】
(実施の形態1の作用)
図24は前記構成を備えた実施の形態1のタイムチャートである。
図24において、電源オン時の定着ニップの温度(第1温度センサSN1の検出温度)は室温である。
ジョブ開始入力が有ると、第1温度センサSN1の検出温度T1が、ジョブ時下限設定温度T1ja以上に上昇するまで大サイズシート用ヒータh2または小サイズシート用ヒータh1がオンとされる。そして、ジョブ期間中は中央部検出温度T1がジョブ時下限設定温度T1ja以上且つジョブ時上限定着温度T1jb以下となるようヒータh1またはh2のオンオフ制御が行われる。
前記ヒータh1またはh2のいずれをオンにするかは、次のようにして決定する。すなわち、第2温度センサSN2の検出温度T2が170℃以下の場合は大サイズシート用ヒータh2をオンにし(点灯し)、170℃よりも大きい場合には小サイズシート用ヒータh1をオンにする(点灯する)。
すなわち、このときのヒータのオンオフ制御は、図19、図20のフローチャートの処理により実行される。
【0109】
ジョブ実行期間中にデューティ比異常判別フラグFL2がFL2=「1」になると、ジョブを中断する。FL2=「1」場合には、図17のSTA96でイエス(Y)とならないので、PSKパルスが出力されても、STA97に移ることはない。前記STA97に移らない限り、新たな頁の画像記録動作は開始されない。
前記FL2=「1」の状態では、図19、図20のジョブモード時のヒータ制御処理のSTA120において、搬送中の全シートが排出されると、STA128でジョブが終了したか否か判断される。STA128でノー(N)の場合はSTA129〜STA133の冷却処理(冷却動作)が実行される。図24に示すように、冷却処理を実行すると、定着ニップQ5の温度が低下する。
【0110】
図19、図20のSTA130〜133の冷却処理が終了するとSTA133においてデューティ比異常判別フラグFL2=「0」となるので、図19のSTA111においてノー(N)となり、STA111〜STA118のジョブ時温度制御が行われる。また、図17のSTA96においてイエス(Y)となり、STA97において、新たにm頁の画像記録動作開始信号が出力される。このとき、図18のSTA102においてイエス(Y)となり、STA103、STA104のm頁目の画像記録が実行される。すなわち、STA133においてデューティ比異常判別フラグFL2=「0」になると、中断していたジョブが再開される。
【0111】
(実験例1)
図25は制御用デューティ比の検出値によりヒータのオンオフ制御をする場合の有効性を説明するために、使用するシートサイズがA4LEFである場合(大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯して定着温度制御するシートサイズの場合)に、シートサイズを正常にA4LEFに設定した場合(正常操作の場合)と、誤操作によりシート幅80mm(小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御して定着温度制御すべきシート幅)に設定した場合の定着温度推移およびデューティ比推移を示す図であり、図25Aは正常操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Aは誤操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Cは正常操作の場合のデューティ比推移を示す図、図25Dは誤操作の場合のデューティ比推移を示す図である。
図25A、図25Bにおいて、横軸はプリント枚数、縦軸は定着ロールの温度を示しており、実線は第1温度センサSN1の検出温度、破線は第2温度センサSN2の検出温度、2点鎖線は前記センサSN1およびSN2の中間位置に配置した温度センサの検出温度である。前記中間位置に配置した温度センサは図25の実験データを得るために配置した温度センサである。
【0112】
図25Aおよび図25Bから分かるように、シートサイズをA4LEFと正常に設定した場合は、前記各温度センサSN1により検出される部分の温度はほぼ一定温度に保持されている。
しかしながら、実際のシート幅が80mmのシートであって小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御すべきシートを使用した際に、誤操作によりシートサイズをA4LEFに設定すると、大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯制御して第1温度センサSN1の検出温度T1がT1ja≦T1≦T1jbとなるように温度制御を行うことになる。この場合、第1温度センサSN1と第2温度センサSN2との中間部分の温度が異常に高くなる。
【0113】
図25C、図25Dにおいて、横軸はプリント枚数、縦軸はデューティ比を示しており、図25C、図25Dにおいて、実線、破線、2点鎖線の値は次の値である。
実線………tb/(ta+tb)の値(制御用デューティ比d)
破線………tb/tc(大サイズシート用ヒータh2のデューティ比)
2点鎖線…ta/tc(小サイズシート用ヒータh1のデューティ比)
なお、tc,ta,tbの意味は次の通りである。
tc:デューティ比計測時間
ta:時間tc内の小サイズシート用ヒータh1の点灯時間の積算値
tb:時間tc内の大サイズシート用ヒータh2の点灯時間の積算値
【0114】
図25C、図25Dから分かるように、実際のシート幅が80mmのシートであって小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御すべきシートを使用した際に、誤操作によりシートサイズをA4LEFに設定すると、大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯制御して第1温度センサSN1の検出温度T1がT1ja≦T1≦T1jbとなるように温度制御を行うことになる。この場合、正常操作の場合の制御用デューティ比d=tb/(ta+tb)の値に比較して、誤操作の場合の制御用デューティ比d=tb/(ta+tb)の値はかなり低くなってしまう。
したがって、制御用デューティ比dを監視することにより定着ロールの異常な温度上昇を防止することができる。
すなわち、本実施の形態1では、制御用デューティ比dが閾値以下になると、冷却処理が実行されるので、温度センサにより検出できない領域に熱量が蓄積されて高温になるのを防止することができる。
【0115】
なお、図25C、図25Dに示す、破線で示すtb/tc(大サイズシート用ヒータh2のデューティ比)および、2点鎖線で示すta/tc(小サイズシート用ヒータh1のデューティ比)も、正常操作の場合(図25Cの場合)と誤操作の場合(図25Dの場合)とで値が異なるので、それらの値ta/tc、tb/tcを監視することによっても、定着ロールの異常な温度上昇を防止することが可能である。
したがって、制御用デューティ比として、tb/tcまたはta/tcを採用して、定着温度制御を行うことが可能である。
【0116】
(実施の形態2)
図26は本発明の画像形成装置の実施の形態2の要部説明図であり、制御デューティ比を演算するための大サイズシート用ヒータおよび小サイズシート用ヒータのデューティ比を検出するデューティ比検出回路の説明図である。
なお、この実施の形態2の説明において、前記実施の形態1と同一の構成については、説明を省略する。
この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
図26において、デューティ比検出回路CTは、小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1および大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2を有している。
【0117】
小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1は、小サイズシート用ヒータ駆動回路のヒーダオンオフスイッチSW1aと連動してオンオフするスイッチSW1bを有している。前記小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1では、基準電圧源Vrefは直列接続された抵抗R12、コンデンサC12およびコンデンサC11を介してアースされている。直列接続されたスイッチSW1bおよび抵抗R11は、前記直列接続された抵抗R12およびコンデンサC12と、並列に接続されている。
前記コンデンサC11とコンデンサC12との接続点の電圧V1はADC1(アナログ/デジタルコンバータ1)に入力されており、ADC1でA/D変換(アナログ/デジタル変換)された前記接続点の電圧V1のデジタル値V1dは、コントローラCに入力されている。
【0118】
前記互いに連動してオンオフするスイッチSW1aおよびスイッチSW1bは、コントローラCにより制御されるスイッチ作動回路によって作動する。前記スイッチSW1a,SW1bをオンにして小サイズシート用ヒータh1をオンにするとコンデンサC11が充電され、前記スイッチSW1a,SW1bをオフにして小サイズシート用ヒータh1をオフにするとコンデンサC11が放電される。
前記小サイズシート用ヒータh1のオンオフに応じて充電、放電されるコンデンサC11の電圧は、小サイズシート用ヒータh1のデューティ比(計測期間中のオン時間の割合)に応じて変化する。したがって、前記コンデンサC11,C12の容量および抵抗R11,R12の値を適当に設定することにより前記ADC1の出力値V1dを小サイズシート用ヒータh1のデューティ比として使用可能である。
なお、小サイズシート用ヒータh1が点灯し続けた時は、V1=Vrefとなり、小サイズシート用ヒータh1が点灯しない状態が続いた時はV1={C12/(C11+C12)}Vrefとなる。
【0119】
大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2は、大サイズシート用ヒータ駆動回路のヒーダオンオフスイッチSW2aと連動してオンオフするスイッチSW2bを有している。前記大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2では、基準電圧源Vrefは直列接続された抵抗R22、コンデンサC22およびコンデンサC21を介してアースされている。直列接続されたスイッチSW2bおよび抵抗R21は、前記直列接続された抵抗R22およびコンデンサC22と、並列に接続されている。
前記コンデンサC11とコンデンサC12との接続点の電圧V2はADC2(アナログ/デジタルコンバータ1)に入力されており、ADC2でA/D変換(アナログ/デジタル変換)された前記接続点の電圧V2のデジタル値V2dは、コントローラCに入力されている。
前記大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2の電圧V2のデジタル値V2dは、前記小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1の電圧V1のデジタル値V1dと同様に、前記コンデンサC21,C22の容量および抵抗R21,R22の値を適当に設定することにより前記ADC2の出力値V2dを大サイズシート用ヒータh2のデューティ比として使用可能である。
なお、大サイズシート用ヒータh2が点灯し続けた時は、V2=Vrefとなり、大サイズシート用ヒータh2が点灯しない状態が続いた時はV2={C22/(C21+C22)}Vrefとなる。
【0120】
この実施の形態2の前記V1dおよびV2dは前記実施の形態1の小サイズシート用ヒータデューティ比taおよび大サイズシート用ヒータデューティ比tbとして使用可能である。したがって、前記実施の形態1のta,tbを計測する図13、図14のフローチャートを省略して、その代わりにこの実施の形態2のデューティ比検出回路CTを使用することが可能である。その場合、実施の形態1の図15のフローチャートの代わりに、実施の形態2では図27をフローチャートを使用すればよい。また、この実施の形態2では、前記実施の形態1のデューティ比計測時間tcを計測する必要が無いので、前記実施の形態1のヒータオンオフ時間計測要求フラグFLtを省略される。また、前記実施の形態1の積算時間リセット要求フラグFLrはこの実施の形態2では、デューティ比測定要求フラグFLrとして使用される。
その他の構成は前記実施の形態1と同様である。
【0121】
(実施の形態2のフローチャートの説明)
図27は実施の形態2の画像形成装置のデューティ比計測処理のフローチャートで、前記実施の形態1の図15に対応するフローチャートであり、前記図10のST12のサブルーチン(4′)である。
ST12のサブルーチン(4′)である図27の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、図27のST12のサブルーチン(4′)はST12の他のサブルーチン(1),(5)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
なお、図27のST(ステップ)番号は前記実施の形態1の図15のST(ステップ)番号に対応して付けられている。
【0122】
図27のST71において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST75に移る。
ST75において、デューティ比測定要求フラグ(実施の形態1では積算時間リセット要求フラグ)FLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST71に戻るる。
前記ST75においてイエス(Y)の場合(すなわち、デューティ比測定要求フラグFLr=「1」の場合)はST76′に移る。
ST76′においてV1d,V2dを記憶する。
次にST77′において、次の処理を実行する。
(1)制御用デューティ比dを次式により演算する。
d=V2d/(V1d+V2d)
(2)デューティ比測定要求フラグFLr=「0」とする。
前記ST77の次に前記ST71に戻る。
前記ST71においてノー(N)の場合はST12のサブルーチン(4′)が終了する。
【0123】
前述のように、この実施の形態2では制御用デューティ比dはV2d/(V1d+V2d)により演算することが可能である。そして、制御用デューティ比dを監視することにより、前記実施の形態1と同様に定着ロールの異常な温度上昇を防止することができる。
すなわち、本実施の形態2では、前記実施の形態1と同様に制御用デューティ比dが閾値以下になると、冷却処理が実行されるので、温度センサにより検出できない領域に熱量が蓄積されて高温になるのを防止することができる。
【0124】
(ヒータおよび温度センサの配置例の説明)
図28は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図28Aは前記本発明の実施の形態1と同様の配置例を示す図、図28Bはヒータおよび温度センサの配置例の変更例1の説明図、図28Cは同変更例2の説明図、図28Dは同変更例3の説明図である。
図28Aにおいて、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例は前記実施の形態1で説明したものと同じ配置例である。この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅とほぼ同一長さの小サイズシート用ヒータh1と最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2とを使用している。そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯している。
【0125】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例1の説明)
図28Bにおいて、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向端部に偏って配置されている。この配置はシートを端部揃えで搬送する場合の配置例である。この配置例の場合も前記図28Aの配置例と同様に、設定された小サイズシート幅とほぼ同一長さの小サイズシート用ヒータh1と最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2とを使用している。そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯させる。
【0126】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例2の説明)
図28Cにおいて、小サイズシート用ヒータh1の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されており、大サイズシート用ヒータh2の発熱部は前記小サイズシート用ヒータh1の両側に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例の場合は、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1の両方を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯させる。
【0127】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例3の説明)
図28Dにおいて、小サイズシート用ヒータh1の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向端部に偏って配置されており、大サイズシート用ヒータh2の発熱部は前記小サイズシート用ヒータh1とは反対側に偏って配置されている。この配置はシートを端部揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例の場合は、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1の両方を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯させる。
【0128】
図29は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図29Aは前記図28Aの配置例に中間サイズシート用ヒータおよび第3温度センサを付加した配置例の変更例4の説明図、図29Bは小サイズシート用ヒータの発熱部の長さが設定した小サイズシート幅よりも長く設定し且つその両端部の発熱部の発熱量は少なく設定されているヒータ配置例の変更例5の説明図である。(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例4の説明)
図29Aにおいて、小サイズシート用ヒータh1、大サイズシート用ヒータh2および前記両ヒータh1,h2の中間の長さを有する中間サイズシート用ヒータh3の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅とほぼ同一長さの小サイズシート用ヒータh1と、最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2と、設定された中間シートサイズ幅とほぼ同一長さの中間サイズシート用ヒータh3とを使用している。
【0129】
そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅で且つ設定された中間サイズシート幅より狭い幅の中間サイズシートを定着する場合には第3温度センサSN3の検出温度T3が設定値より小さい場合には中間サイズシート用ヒータh3を点灯し、前記検出温度T3が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯している。また、前記設定された中間サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1または中間サイズシート用ヒータh3のいずれかを選択して点灯する。
【0130】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例5の説明)
図29Bにおいて、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例である。この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅よりも少し長い小サイズシート用ヒータh1と最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2とを使用している。そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯している。
この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅よりも少し長い小サイズシート用ヒータh1の端部の発熱量は、中央部分に比較して小さく設定されている。このような発熱量の少ない端部を設けることにより、小サイズシートの端部の定着不良の発生を防止することができる。
【0131】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施の形態を下記に例示する。
(H01)デューティ比の計測は実施の形態1のようにレジロールの回転開始時にデューティ比計測を終了すると同時に次のデューティ比計測開始を行っているが、レジロール、転写領域Q4、定着ニップQ5の上流側または下流側等のシート搬送路の途中に配置したシートセンサがシート先端または後端を検出した時、給紙開始時等に、デューティ比計測を終了すると同時に次のデューティ比計測開始を行うように構成することが可能である。
(H02)前記デューティ比の計測の終了時および開始時を同時に実行する代わりに、デューティ比の計測終了時から所定時間経過後にデューティ比計測を開始することが可能である。その場合例えば、次のようにすることが可能である。
(H02a)レジロールの上流側に配置したセンサがシート前端を検出した時にデューティ比の計測を終了し、レジロールが回転開始した時に次のデューティ比の計測を開始する。
(H02b)シート搬送路途中に配置したセンサがシート前端を検出した時にデューティ比の計測を終了し、前記シート前端を検出したセンサの下流側に配置した他のセンサが前記シート前端をを検出した時に次のデューティ比の計測を開始する。
(H02c)給紙開始時にデューティ比の計測を終了し、シート搬送路途中に配置したセンサがシート前端を検出した時に次のデューティ比の計測を開始する。
(H03)待機モードの経過後に全ヒータをオフにする代わりに、定着ニップの温度を80℃に保持するようにヒータをオンオフ制御するスリープモードを設けることが可能である。
(H04)本発明は複写機以外の画像形成装置、例えばプリンタ、FAX等にも適用することが可能である。プリンタに適用した場合には、複写機のコピースタートキーUI2の入力信号の代わりに、プリントスタートコマンドが入力されたか否かによりジョブ開始信号の入力が有ったか否かを判断することができる。
(H05)前記実施の形態1においては、デューティ比が閾値以下になったときにジョブを中断して冷却処理を実行しているが、ジョブの中断および冷却処理を実行する代わりに、シートの搬送間隔を長く(PSKパルスの出力間隔を長く)設定して画像記録速度を低下させることにより定着ニップの温度上昇を防止することも可能である。
【0132】
【発明の効果】
前述の本発明の画像形成装置は、下記の効果(E01)を奏することができる。
(E01)定着温度センサで検出できない部分での熱量の蓄積による高温部分が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の説明図である。
【図2】図2は前記図1に示す定着装置の拡大図である。
【図3】図3は前記図2のIII−III線断面図である。
【図4】図4は加熱ロールおよび前記加熱ロール内部のヒータh1、h2の発熱量分布図である。
【図5】図5は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロックで示した機能ブロック図である。
【図6】図6は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロックで示した機能ブロック図であり、前記図5の続きの部分を示す図である。
【図7】図7はデューティ比測定枚数基準設定値およびデューティ比閾値記憶テーブルである。
【図8】図8は冷却制御期間決定用データ記憶テーブルの説明図である。
【図9】図9は実施の形態1の画像形成装置の各トレイに収容されたシートの種類およびサイズを設定する処理のフローチャートであり、図9Aはシート種類設定処理、図9Bはシートサイズ設定処理のフローチャートである。
【図10】図10は実施の形態1の画像形成装置の画像記録処理のメインルーチンのフローチャートである。
【図11】図11は前記ST12のサブルーチン(1)であり、デューティ比異常判別処理のフローチャートである。
【図12】図12は図11の前記ST12のサブルーチン(1)であり、前記図11の続きのフローチャートである。
【図13】図13は前記ST12のサブルーチン(2)であり、小サイズシート用ヒータh1のオン時間(ta)の積算処理のフローチャートである。
【図14】図14は前記ST12のサブルーチン(3)であり、大サイズシート用ヒータh2のオン時間(tb)の積算処理のフローチャートである。
【図15】図15は前記ST12のサブルーチン(4)であり、デューティ比計測時間(tc)の計測処理およびデューティ比dの計測処理のフローチャートである。
【図16】図16は前記ST12のサブルーチン(5)であり、プリントスタート基準信号PSKの出力制御処理のフローチャートである。
【図17】図17は前記ST12のサブルーチン(6)であり、ジョブ実行時の各頁m(m=1,2,…)の画像記録動作開始指示信号出力制御処理のフローチャートである。
【図18】図18は前記ST12のサブルーチン(7)であり、ジョブ実行時の各頁番号mの画像記録動作の制御処理のフローチャートである。
【図19】図19は前記ST12のサブルーチン(8)であり、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートである。
【図20】図20は前記ST12のサブルーチン(8)で、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートであり、前記図19の続きのフローチャートである。
【図21】図21は前記図10のST14のサブルーチンであり、待機モード時ヒータ制御処理のサブルーチンである。
【図22】図22は前記図10のST19のサブルーチンであり、第1イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
【図23】図23は前記図10のST18のサブルーチンであり、第2イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
【図24】図24は前記構成を備えた実施の形態1のタイムチャートである。
【図25】図25は制御用デューティ比の検出値によりヒータのオンオフ制御をする場合の有効性を説明するために、使用するシートサイズがA4LEFである場合(大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯して定着温度制御するシートサイズの場合)に、シートサイズを正常にA4LEFに設定した場合(正常操作の場合)と、誤操作によりシート幅80mm(小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御して定着温度制御すべきシート幅)に設定した場合の定着温度推移およびデューティ比推移を示す図であり、図25Aは正常操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Aは誤操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Cは正常操作の場合のデューティ比推移を示す図、図25Dは誤操作の場合のデューティ比推移を示す図である。
【図26】図26は本発明の画像形成装置の実施の形態2の要部説明図であり、制御デューティ比を演算するための大サイズシート用ヒータおよび小サイズシート用ヒータのデューティ比を検出するデューティ比検出回路の説明図である。
【図27】図27は実施の形態2の画像形成装置のデューティ比計測処理のフローチャートで、前記実施の形態1の図15に対応するフローチャートであり、前記図10のST12のサブルーチン(4′)である。
【図28】図28は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図28Aは前記本発明の実施の形態1と同様の配置例を示す図、図28Bはヒータおよび温度センサの配置例の変更例1の説明図、図28Cは同変更例2の説明図、図28Dは同変更例3の説明図である。
【図29】図29は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図29Aは前記図28Aの配置例に中間サイズシート用ヒータおよび第3温度センサを付加した配置例の変更例4の説明図、図29Bは小サイズシート用ヒータの発熱部の長さが設定した小サイズシート幅よりも長く設定し且つその両端部の発熱部の発熱量は少なく設定されているヒータ配置例の変更例5の説明図である。
【符号の説明】
C4C…デューティ比閾値記憶手段、
C5…デューティ比測定手段、
C7…冷却動作実行手段、
C8…ヒータ制御手段、
d…デューティ比、
d0…デューティ比閾値、
F…定着装置、
Fh,Fp…定着用回転部材、
h1,h2…ヒータ、
Q5…定着ニップ、
SH…シート搬送装置、
SN1,SN2…温度センサ、
T1…検出温度、
(T1ja≦T1≦T1jb)…所定の加熱定着温度、
TMa:小サイズシート用ヒータh1点灯時間検出手段
TMb:大サイズシート用ヒータh2点灯時間検出時間
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート上に未定着トナー像を形成し、前記未定着トナー像が形成された未定着シートを、互いに圧接しながら回転する一対の定着用回転部材を有する定着装置に搬送し、前記一対の定着用回転部材の圧接領域により形成される定着ニップを通過する未定着シート上の未定着トナー像を加熱定着する画像形成装置に関し、特に、定着用回転部材の温度が上昇して過熱状態となるのを効果的に防止することが可能な画像形成装置に関する。
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で使用される。
【0002】
【従来の技術】
前記種類の従来の画像形成装置においては、前記定着ニップの温度をシート上の未定着トナー像を定着するのに適した温度に制御するため、定着ニップの中央部や端部などに配置した温度センサの検出温度が所定の範囲内になるように、定着用のヒータをオンオフ制御している。
前記種類の画像形成装置では、前記温度センサを配置した部分の温度が高温になるのを防止することができるが、温度センサが配置されていない部分の温度が高温に上昇している場合にはその高温状態を検出することが不可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記定着ニップの温度制御を行う際に通紙範囲に配置された温度センサの検出温度のみによりヒータをオンオフする従来の温度制御方法では、幅の狭いシートを連続プリントした場合、前記温度センサでは検出できない部分(温度センサが配置されていない部分)の温度が過熱状態となって高温となり、場合によっては定着用回転部材や周辺の部品が損傷するおそれがあった。
【0004】
これを回避するために、特開平8−286552号公報や特許第1789197のように配熱パターンの異なる2つのヒータを設けて、これを軸方向の異なる位置に配置された2つの温度センサの検出温度で点灯制御することにより、過熱状態を防ぐ技術が発明されていた。
しかしこのような発明を用いても、2つの温度センサの中間部分が過熱するようなケースが発生し、完全とは言えなかった。
【0005】
従来、大サイズシート用ヒータおよび小サイズシート用ヒータを使用して、小サイズシート用ヒータのサイズとほぼ同サイズ以下のシート(小サイズシート)を定着する際には小サイズシート用ヒータを使用し、小サイズシート用ヒータのサイズよりも大きいサイズのシート(大サイズシート)を定着する際には、小サイズシート用ヒータおよび大サイズシート用ヒータを使用する画像形成装置において、給紙トレイに収容した定型サイズ以外のシートまたは手差トレイから給紙するシートのサイズを設定する機能を備えた画像形成装置が知られている。
前記種類の画像形成装置において、実際には小サイズシート用ヒータのサイズ以下の小サイズシート(例えば幅80mmのシート)を使用する際に、誤操作により、大サイズシートのサイズを設定した場合、本来ならば小サイズシート用ヒータのみで定着動作を行うべきであるのに、小サイズシート用ヒータおよび大サイズシート用ヒータの両ヒータを交互にに点灯することになる。
【0006】
その場合、定着ニップの中央部および端部にそれぞれ温度センサを配置して、中央部の温度センサの検出温度が所定範囲となるようにヒータをオンオフ制御し、且つ端部温度センサの温度が所定値以下の場合に大サイズシート用ヒータを使用し、所定値以上の場合に小サイズシート用ヒータを使用しているときに、第1温度センサの位置と第2温度センサの位置との中間部分の温度が高温になって前記中間部分に熱量が蓄積される。
本発明者の研究によれば、前記中間部分に熱量が蓄積されてくると、小サイズシート用ヒータがオンの時間をta、大サイズシート用ヒータがオンの時間をtbとすると、tb/(ta+tb)の値が、シートサイズが適切に設定している場合に比較して、小さくなっていることが分かった。
したがって、定着ニップの温度制御中のヒータオンの時間(ta+tb)に対する大サイズシート用ヒータオンの時間(tb)の比(以下制御用デューティ比という)が、設定値よりも小さくなったときに、定着ニップを冷却する処理を実行することにより、定着温度センサで検出できない部分での熱量の蓄積による高温部分が発生するのを防止することができる。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)定着温度センサで検出できない部分での熱量の蓄積による高温部分が発生するのを防止すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の要素との対応を容易にするため、実施の形態の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施の形態の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施の形態に限定するためではない。
【0009】
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A01)〜(A015)を備えたことを特徴とする。
(A01)互いに圧接しながら回転し且つ互いに圧接する部分により定着ニップ(Q5)を形成する一対の定着用回転部材(Fh,Fp)と、前記定着ニップ(Q5)を加熱する発熱量分布または加熱範囲が異なる複数のヒータ(h1,h2)であって設定されたシート幅未満の小サイズシートの定着時に必ず使用される小サイズシート用ヒータ(h1)および設定されたシート幅を越える大サイズシートの定着時に必ず使用される大サイズシート用ヒータ(h2)を含む前記複数のヒータ(h1,h2)とを有し、前記定着ニップ(Q5)を通過するシート上に形成されている未定着トナー像を加熱定着する定着装置(F)、
(A02)未定着トナー像が形成されたシートである未定着シートを前記定着ニップ(Q5)に搬送するシート搬送装置(SH)、
(A03)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートの通紙域の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の前記小サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)を含む複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A04)画像記録動作時に前記第1温度センサ(SN1)の検出温度(T1)が所定の加熱定着温度(T1ja≦T1≦T1jb)に保持されるように前記複数のヒータ(h1,h2)を選択点灯させるヒータ制御手段(C8)、
(A05)画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する点灯時間検出手段(TMa,TMb)
(A06)前記検出されたヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)に応じて前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する冷却動作実行手段(C7)。
【0010】
(第1発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A015)を備えた第1発明の画像形成装置では、互いに圧接しながら回転し且つ互いに圧接する部分により定着ニップ(Q5)を形成する一対の定着用回転部材(Fh,Fp)と前記定着ニップ(Q5)を加熱する発熱量分布または加熱範囲が異なる複数のヒータ(h1,h2)であって設定されたシート幅未満の小サイズシートの定着時に必ず使用される小サイズシート用ヒータ(h1)および設定されたシート幅を越える大サイズシートの定着時に必ず使用される大サイズシート用ヒータ(h2)を含む前記複数のヒータ(h1,h2)とを有する定着装置(F)は、前記定着ニップ(Q5)を通過するシート上に形成されている未定着トナー像を加熱定着する。シート搬送装置(SH)は、未定着トナー像が形成されたシートである未定着シートを前記定着ニップ(Q5)に搬送する。
複数の温度センサ(SN1,SN2)の中の第1温度センサ(SN1)は、前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートの通紙域の温度を検出し、第2温度センサ(SN2)は定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する。
ヒータ制御手段(C8)は、画像記録動作時に前記第1温度センサ(SN1)の検出温度(T1)が所定の加熱定着温度(T1ja≦T1≦T1jb)に保持されるように前記複数のヒータ(h1,h2)を選択点灯する。
点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
冷却動作実行手段(C7)は、前記検出されたヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)に応じて前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する。
【0011】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A07),(A08)を備えることが可能である。
(A07)設定されたシート幅未満の小サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記小サイズシート用ヒータ(h1)および最大シート幅のシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記大サイズシート用ヒータ(h2)とを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A08))ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A07),(A08)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する。
【0012】
前記構成要件(A07),(A08)を備えた画像形成装置は、下記の構成要件(A09),(A010)を備えることが可能である。
(A09)小サイズシートの幅よりも広く最大サイズ幅シートのシート幅よりも狭く設定された中間サイズ幅の中間サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記中間サイズシート用ヒータ(h3)を有する前記複数のヒータ(h1,h2,h3)、
(A010))前記中間幅シートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A09),(A010)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも小さく且つ前記小サイズ幅よりも大きい幅の中間サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,(h3))の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する。
なお、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも大きい大サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,(h3))の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)または中間サイズシート用ヒータ(h3)のいずれかを選択して点灯するように構成することができる。
【0013】
前記構成要件(A07),(A08)を備えた画像形成装置は、下記の構成要件(A09),(A011),(A012)を備えることが可能である。
(A09)小サイズシートの幅よりも広く最大サイズ幅シートのシート幅よりも狭く設定された中間サイズ幅の中間サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記中間サイズシート用ヒータ(h3)を有する前記複数のヒータ(h1,h2,h3)、
(A011)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の中間幅シートの通紙域の幅方向外端部の温度を検出する第3温度センサ(SN3)および定着用回転部材(Fh,Fp)の前記中間サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する前記第2温度センサを含む前記複数の温度センサ(SN1,SN2,SN3)、
(A012))前記中間幅シートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第3温度センサ(SN3)の検出温度が所定値未満の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A09),(A011),(A012)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも小さく且つ前記小サイズ幅よりも大きい幅の中間サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第3温度センサ(SN3)の検出温度が所定値以下の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する。
なお、前記ヒータ制御手段(C8)は、前記中間サイズ幅よりも大きい大サイズシートを定着する際のヒータ(h1,h2,(h3))の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値以下の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)または中間サイズシート用ヒータ(h3)のいずれかを選択して点灯するように構成することができる。
【0014】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A013),(A014)を備えることが可能である。
(A013)設定されたシート幅未満の小サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記小サイズシート用ヒータ(h1)および最大シート幅のシートの通紙域内であって前記小サイズシートの通紙域以外の領域に対応して配置された発熱部分を有する前記大サイズシート用ヒータ(h2)とを有する前記複数のヒータ(h1,h2)。
(A014)ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)および小サイズシート用ヒータ(h1)を同時に選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)のみを選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。
前記構成要件(A013),(A014)を備えた画像形成装置では、前記ヒータ制御手段(C8)は、ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)および小サイズシート用ヒータ(h1)を同時に選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)のみを選択して点灯する。
【0015】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A015)を備えることが可能である。
(A015)ヒータ(h1,h2)の点灯時に充電され且つ非点灯時に放電するヒータ点灯時間検出用コンデンサを有するタンク回路により構成された前記点灯時間検出手段。
前記構成要件(A015)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記点灯時間検出手段はのヒータ点灯時間検出用コンデンサの充電電圧の検出値からヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
【0016】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A016)〜(A019)を備えることが可能である。
(A016)小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)の2個のヒータ(h1,h2)のみを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A017)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)の2個の温度センサ(SN1,SN2)のみを有する前記複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A018)画像記録動作時に所定の期間(Tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)、
(A019)前記小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、(ta+tb)に対するtaまたはtbの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0017】
前記構成要件(A016)〜(A019)を備えた第1発明の画像形成装置では、第1温度センサ(SN1)は前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出し、第2温度センサ(SN2)は定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する。
前記ヒータ制御手段(C8)は、画像記録動作時に前記第1温度センサ(SN1)の検出温度(T1)が所定の加熱定着温度(T1ja≦T1≦T1jb)に保持されるように前記小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)を選択点灯する。
前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する。
前記冷却動作実行手段(C7)は、前記小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、(ta+tb)に対するtaまたはtbの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する。
【0018】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A016)〜(A018),(A020)を備えることが可能である。
(A016)小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)の2個のヒータ(h1,h2)のみを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A017)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)の2個の温度センサのみを有する前記複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A018)画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)、
(A020)前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、tcに対する、(ta+tb)、taまたはtbのいずれかの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0019】
前記構成要件(A016)〜(A018),(A020)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、tcに対する、(ta+tb)、taまたはtbのいずれかの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する。
【0020】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A016)〜(A018),(A021)をることが可能である。
(A016)小サイズシート用ヒータ(h1)および大サイズシート用ヒータ(h2)の2個のヒータ(h1,h2)のみを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A017)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサ(SN1)および定着用回転部材(Fh,Fp)の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサ(SN2)の2個の温度センサのみを有する前記複数の温度センサ(SN1,SN2)、
(A018)画像記録動作時に所定の期間(tc)経過する度に前記小サイズシート用ヒータ(h1)の点灯時間(ta)および大サイズシート用ヒータ(h2)の点灯時間(tb)を検出する前記点灯時間検出手段(TMa,TMb)、
(A021)前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、taおよびtbの中の一方の検出時間に対する他方の検出時間の比の値が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0021】
前記構成要件(A016)〜(A018),(A021)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータ(h1)の検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータ(h2)の検出点灯時間をtbとした場合に、taおよびtbの中の一方の検出時間に対する他方の検出時間の比の値が設定値から外れた場合に、前記定着装置(F)が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置(F)の動作を制御する前記冷却動作実行手段(C7)。
【0022】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A022)を備えることが可能である。
(A022)連続して給紙されるシートがシート搬送路中の所定の設定位置を所定枚数通過する期間が設定された前記所定期間。
前記構成要件(A022)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に、連続して給紙されるシートがシート搬送路中の所定の設定位置を所定枚数通過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
【0023】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A023)を備えることが可能である。
(A023)画像記録動作時に一定時間経過する度に区切られて設定された前記所定期間。
前記構成要件(A023)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、画像記録動作時に、一定時間経過する度に区切られて設定された前記所定期間経過する度に前記複数のヒータ(h1,h2)の中の1以上のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を検出する。
【0024】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A024)を備えることが可能である。
(A024)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻と後の所定期間の開始時刻とが一致している前記複数の所定期間。
前記構成要件(A024)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻と後の所定期間の開始時刻とが一致しているので、連続する前後の所定期間には互いに重複して検出する期間が存在せず且つ連続する前後の所定期間の間に検出しない期間が存在しない。この場合、画像記録動作中のヒータ(h1,h2)の点灯時間(ta,tb)を、重複したり検出漏れする期間無しに検出することが可能となる。
【0025】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A025)を備えることが可能である。
(A025)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が遅れて設定されている前記複数の所定期間。
前記構成要件(A025)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が遅れて設定されているので、連続する前後の所定期間の間に検出しない期間が存在しない期間が存在する。
【0026】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A026)を備えることが可能である。
(A026)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が前に設定されている前記複数の所定期間。
前記構成要件(A026)を備えた第1発明の画像形成装置では、点灯時間検出手段(TMa,TMb)は、複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が前に設定されているので、連続する前後の所定期間には互いに重複して検出する期間が存在する。
【0027】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A027)を備えることが可能である。
(A027)前記複数のヒータ(h1,h2)をオフまたは定着動作中よりも低い温度に制御して定着用回転部材(Fh,Fp)を回転させることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる前記冷却動作実行手段(C7)。
前記構成要件(A027)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記ヒータ(h1,h2)をオフまたは定着動作中よりも低い温度に制御し且つ前記一対の定着用回転部材(Fh,Fp)を空回転させることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる。
【0028】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A028)を備えることが可能である。
(A028)前記シートの搬送間隔を長くすることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる前記冷却動作実行手段(C7)。
前記構成要件(A028)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、前記シートの搬送間隔を長くする。この場合、定着用回転部材(Fh,Fp)内部の熱伝動により温度ムラが解消され。このとき、定着用回転部材(Fh,Fp)の高温部分の温度を低下させることができる。
【0029】
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A029)を備えることが可能である。
(A029)画像記録動作の速度を低下させることにより定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させる前記冷却動作実行手段(C7)。
前記構成要件(A029)を備えた第1発明の画像形成装置では、前記冷却動作実行手段(C7)は、画像記録動作の速度を低下させる。この場合、定着用回転部材(Fh,Fp)内部の熱伝動により温度ムラが解消され。このとき、定着用回転部材(Fh,Fp)の高温部分の温度を低下させることができる。また、画像記録動作の速度が低下すると、シートが定着ニップ(Q5)を通過する時間が長くなるので、低い温度で定着が可能となる。このため、定着温度の目標温度を低く設定することにより、定着用回転部材(Fh,Fp)の温度を低下させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の説明図である。
図1において、実施の形態1の画像形成装置(デジタル複写機)Uは、プリンタ(画像形成装置本体)U1、イメージスキャナU2、自動原稿搬送装置U3を有している。
前記自動原稿搬送装置U3は、イメージスキャナU2上面のプラテンガラスPG上に支持されている。
【0032】
前記自動原稿搬送装置U3は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置(プラテンロールGR1の圧接位置)を通過して原稿排出ロールGR2から原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
前記自動原稿搬送装置U3は、その後端部(−X端部)に設けた左右方向(Y軸方向)に延びるヒンジ軸(図示せず)により前記プラテンガラスPG上面に対して回動可能であり、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置く場合に上方に回動される。
【0033】
前記イメージスキャナU2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)(図1、図5参照)を有している。
前記透明なプラテンガラスPGの下方には原稿画像を読み取るための露光光学系Aが配置されている。
前記自動原稿搬送装置U3でプラテンガラスPG上面に搬送されて前記複写位置を通過する原稿または手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)で電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力されるR,G,B(レッド、グリーン、ブルー)の電気信号をY,M,C,K(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の画像データ(デジタルデータ)に変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号をROS(潜像形成装置)のレーザダイオード(図示せず)に出力する。なお、前記UI(ユーザインタフェース)、IPSおよびレーザ駆動回路DLと、後述の現像ロールR0、転写ロールT1,2次転写ロール(シート転写部材)T2b等にバイアス電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
【0034】
前記IPSが出力するYMCKの4色の画像データ(レーザ駆動データ)が入力されたレーザ駆動回路DLは、入力された前記各色の画像データに応じた各色のレーザ駆動信号を所定のタイミングで、各色のROS(潜像形成装置)に出力する。
【0035】
各像担持体(感光体)Py,Pm,Pc,Pkはそれぞれの帯電ロール(帯電部材)CRにより一様に帯電された後、前記各色のROS(潜像形成装置)の出力する光ビームによりその表面に静電潜像が形成される。前記像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像はそれぞれ、各現像器Gy,Gm,Gc,Gkと対向する現像領域において各色YMCKのトナー像に現像される。なお、前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkは、各色のトナーを収容した現像容器と、前記現像容器に回転可能に支持され且つ前記像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像にトナーを搬送してトナー像に現像する現像ロールR0を有している。なお、前記各色の現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像容器にはトナーカートリッジTy〜Tkから各色のトナーが補給されるように構成されている。
【0036】
前記現像された各色YMCKのトナー像は、前記各像担持体Py,Pm,Pc,Pkとエンドレスの中間転写ベルト(像担持体)Bとが接触する1次転写領域Q3に搬送される。前記各1次転写領域Q3において中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写ロールT1には、コントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで現像剤の帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。前記各像担持体Py〜Pk上のトナー像は前記各1次転写ロールT1に対向する1次転写領域Q3において中間転写ベルトBに重ねて1次転写される。1次転写後の像担持体Py,Pm,Pc,Pk表面の残留トナーは、像担持体クリーナCLpで除去される。
【0037】
前記各像担持体Py〜Pk、各色のROS(潜像形成装置)、各色の現像器Gy〜Gkによって、前記各像担持体Py〜Pk上に各色のトナー像を形成する各色のトナー像形成装置UY(Py+ROS+Gy),UM(Pm+ROS+Gm),UC(Pc+ROS+Gc),UK(Pk+ROS+Gk)が構成される。
【0038】
前記各色の像担持体Py,Pm,Pc,Pkの下方には左右一対のスライドレールSR,SRによりスライドフレームF1が前後方向(紙面に垂直な方向、すなわち、X軸方向)にスライド移動可能に支持されている。スライドフレームF1にはベルトモジュールBMのベルトフレームF2が上昇した動作位置(像担持体Py〜Pkに接触する位置)と下方に移動したメンテナンス位置(像担持体Py〜Pkから下方に離れた位置)との間で昇降可能に支持されている。前記ベルトモジュールBMが前記ベルトメンテナンス位置に下降した状態では、前記スライドフレームF1およびこれに支持されたベルトモジュールBMを、前記像担持体PRと摩擦接触させることなく、画像形成装置本体U1に対して出入させることができるように構成されている。
前記スライドフレームF1を前後移動させる構成およびベルトモジュールBMを昇降させる構成は、従来公知(例えば、特開平8−171248号公報参照)であり、従来公知の種々の構成を採用することが可能である。
【0039】
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、ベルト駆動ロールRd、テンションロールRt、ウォーキングロールRw、複数のアイドラロール(フリーロール)RfおよびバックアップロールT2aを含むベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記4個の1次転写ロールT1とを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0040】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写ロール(シート転写部材)T2bが配置されており、中間転写ベルトBおよび2次転写ロールT2bの対向する領域には2次転写領域(シート転写領域)Q4が形成される。前記2次転写ロールT2bにはコントローラCにより制御される電源回路Eから所定のタイミングで現像剤の帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。前記2次転写ロールT2bに対向して配置された前記バックアップロールT2aはアース(接地)されており、前記2次転写ロールT2bに2次転写電圧が印加されたときには、前記2次転写ロールT2bおよびバックアップロールT2a間には2次転写電界が形成される。前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成される。
前記4個の1次転写ロールT1および中間転写ベルトBを含むベルトモジュールBMと、2次転写器T2等により、トナー像形成装置(UY,UM,UC,UK)の像担持体Py〜Pk表面に形成されたトナー像を記録シートSに転写する転写装置(BM+T2)が構成されている。
【0041】
プリンタ(画像形成装置本体)U1の下部には、シートSを収容した給紙トレイTR1〜TR3および給紙用搬送路SH1が設けられている。また、前記給紙用搬送路SH1には手差トレイTR4から給紙できるように構成されている。前記給紙トレイTR1〜TR3に収容されたシートSは、所定のタイミングでピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsで1枚づつ分離されて、搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。また、手差トレイTR4から給紙されたシートは搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、前記中間転写ベルトBに1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、2次転写領域Q4に搬送される。
前記2次転写領域Q4を記録シートSが通過する際、2次転写ロールT2bに前記2次転写電圧が印加されるので、前記中間転写ベルトBに重ねて1次転写されたカラートナー像は、前記2次転写領域Q4において一括して記録シートSに2次転写される。
2次転写後の中間転写ベルトBはベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去される。
【0042】
トナー像が2次転写された前記記録シートSは、転写後シートガイドSG、シート搬送ベルトHBにより定着ニップQ5に搬送され、定着ニップQ5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、シート排出路SH2または両面記録用搬送路SH3に搬送される。シート排出路SH2に搬送されたシートは記排紙トレイTRhに排出され、シート反転路SH3に搬送されたシートは表裏反転されてから前記レジロールRrに再送される。
前記符号Rp,Rs,Rr,SG,BH,SH1,SH2,SH3等で示された要素によりシート搬送装置SHが構成されている。
【0043】
(定着装置)
図2は前記図1に示す定着装置の拡大図である。
図3は前記図2のIII−III線断面図である。
図2、図3において、加熱ロールFhは内部に小サイズシート用ヒータh1および大サイズ紙使用ヒータh2を内蔵しており、そのロール軸方向両端部は軸受Fha,Fhaを介して図示しないフレームに回転可能に支持されている。また、加圧ロールFpのロール軸方向両端部は軸受Fpa,Fpaを介して図示しないフレームに回転可能に支持されている。
【0044】
(小サイズシート用ヒータh1)
小サイズシート用ヒータh1は小サイズシート(シート搬送方向に垂直な方向のシート幅がA4SEF以下のシート)の通過する領域である小サイズシート定着領域R1(図3参照)とほぼ同じ幅を加熱するように構成され、LetterSE(レターサイズシートショートエッジ)の幅以下のシートを定着する際には小サイズシート用ヒータh1のみがオンオフ制御される。
(大サイズシート用ヒータh2)
ヒータh2は大サイズシート(シート搬送方向に垂直な方向のシート幅がA4SEFより長いシート)の通過する領域である大サイズシート定着領域R2(図3参照)とほぼ同一の幅を有しており、LetterSE(レターサイズシートショートエッジ)の幅よりも大きい幅のシートを定着する際には大サイズシート用ヒータh2および前記小サイズシート用ヒータh1が交互に使用される。
【0045】
なお、前記A4LEFの「LEF」は、ロングエッジフィードの略語であり、用紙の長辺(ロング)を前端(エッジ)にして搬送する(フィードする)シートの意味であり、前記A3SEFの「SEF」は、ショートエッジフィードの略語であり、用紙の短辺(ショート)を前端(エッジ)にして搬送する(フィードする)シートの意味である。
【0046】
図4は加熱ロールおよび前記加熱ロール内部のヒータh1、h2の発熱量分布図である。
図4において、小サイズシート用ヒータh1の発熱量分布L1は小サイズシート用ヒータh1の長さに沿って一定とされているが大サイズシート用ヒータh2の発熱量分布L2は両端部が中央部よりも大きくなっている。この理由は、ヒータh2の端部の通紙域の熱量が軸受部を通して外側に逃げて、通紙域の端部の温度が低下するのを防止するためである。
【0047】
(本実施例の制御部の説明)
図5は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図6は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロックで示した機能ブロック図であり、前記図5の続きの部分を示す図である。
図5においてコントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0048】
(前記コントローラCに接続された信号入力要素)
図5において、前記コントローラCは、電源スイッチSWと、UI(ユーザインタフェース)、第1温度センサSN1、第2温度センサSN2(第2図〜第4図参照)、シート排出センサSN3、その他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記UIは、表示器UI1、コピースタートキー(ジョブ開始入力キー)UI2,コピー枚数設定キーUI3、倍率設定キーUI4、テンキーUI5、シート種類入力モード選択キーUI6、シートサイズ入力モード選択キーUI7等を備えている。
第1温度センサSN1は、加熱ロールFh表面部分の最小幅シートの通紙領域(シートが通過する領域)の温度T1を検出する。
第2温度センサSN2は、加熱ロールFhの小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度T2を検出する。
シート排出センサSN3は、シート排出トレイTR2に排出される記録シートSを検出する。
電源スイッチSWは、画像形成装置Uの電源を手動でオンおよびオフにするスイッチである。
【0049】
(前記コントローラCに接続された制御要素)
また、コントローラCは、IPS(イメージプロセッシングシステムすなわち、画像処理システム)、DL(レーザドライバすなわちレーザ駆動回路)、電源回路E、加熱ロール・シート搬送ロール駆動回路D1およびヒータ駆動回路D2、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。前記電源回路Eは各種の駆動回路、モータ、ヒータ等に電力を供給する。
前記加熱ロール・シート搬送ロール回転駆動回路D1はロール回転駆動モータM1を介して加熱ロールFhを回転駆動する。
ヒータ駆動回路D2は加熱ロールFhに内蔵されたヒータh1,h2を駆動する。
【0050】
(前記コントローラCの機能)
前記コントローラCは、前記信号出力要素UI,SN1〜SN3等からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素IPS,DL,E等に制御信号を出力する機能を有している。
すなわち、コントローラCは次の機能を有している。
C1:ジョブ実行手段
ジョブ実行手段C1は次の手段C1a〜C1cを有し、コピースタートキー(ジョブ開始入力キー)UI2の入力に応じてジョブ中の各頁の画像記録を実行する。
C1a:PSKパルス間隔記憶手段
PSKパルス間隔記憶手段C1aは、各シートサイズ毎のプリントスタート基準信号PSKのパルス間隔を記憶する。
C1b:PSKパルス出力手段
PSKパルス出力手段C1bは、シートサイズに応じた時間間隔でプリントスタート基準信号PSKのパルスを出力する。
C1c:各頁の画像記録動作開始指示信号出力手段
各頁の画像記録動作開始指示信号出力手段C1cは、出力されたPSKパルスに応じて、各頁の画像記録動作開始指示信号を出力する。
【0051】
C2:待機動作実行手段
待機動作実行手段C2は、ジョブ終了後にイレーズモードが終了した後、一定期間、定着ニップQ5の温度を待機温度に維持する。
C3:イレーズ動作実行手段
イレーズ動作実行手段C3は、ジョブ終了後の一定期間、帯電ロールに帯電バイアスを印加しながら、像担持体Py〜Pk、中間転写ベルトB、加熱ロールFh等を回転させて、像担持体PRの帯電ムラの除去およびクリーニング等を実行する。
【0052】
C4:定着ニップ温度制御パラメータ記憶手段
定着ニップ温度制御パラメータ記憶手段C4は、次の手段C4A〜C4Jを有する。
C4A:ジョブ時制御温度記憶手段
ジョブ時制御温度記憶手段C4Aは、ジョブ時下限設定温度T1ja(183℃)およびジョブ時上限定着温度T1jb(187℃)を記憶している。
【0053】
図7はコントローラCの不揮発性メモリに記憶されているデューティ比測定枚数基準設定値およびデューティ比閾値記憶テーブルである。
C4B:デューティ比測定枚数基準設定値記憶手段
デューティ比測定枚数基準設定値記憶手段C4Bは、デューティ比が異常か否かを判断するまでのデューティ比測定期間を定める画像記録枚数nの設定値n0(図7参照)を記憶する。
C4C:デューティ比閾値値記憶手段
デューティ比閾値値記憶手段C4Cは、測定したデューティ比dが異常か否かを判断するためのデューティ比閾値d0(図7参照)を記憶する。
【0054】
C4D:待機時制御温度記憶手段
待機時制御温度記憶手段C4Dは、待機時下限設定温度T1ta(170℃(図24参照))および待機時上限設定温度T1tb(173℃(図24参照))を記憶している。
C4E:第1イレーズ期間記憶手段
第1イレーズ期間記憶手段C4Eは、ジョブ終了時に後続ジョブが無い場合に行う第1イレーズモード継続時間の設定値T4a(=5秒間)を記憶している。
C4F:第2イレーズ期間記憶手段
第2イレーズ期間記憶手段C4Fは、ジョブ終了時に後続ジョブが有る場合に行う第2イレーズモード継続時間の設定値T4b(=15秒間)を記憶している。
【0055】
C4G:冷却制御期間決定用データ記憶手段
冷却制御期間決定用データ記憶手段C4Gは、図8に示す冷却制御期間決定用データ記憶テーブルを記憶する。
図8は冷却制御期間決定用データ記憶テーブルの説明図である。
図8において、定着ニップQ5の冷却動作を実行する際の冷却制御期間(冷却動作期間)の長さを定める最大待ち時間t3aおよび給紙許可温度T2aは、各種シートサイズに対応して設定されている。各種シートサイズに対応して設定された最大待ち時間t3aおよび給紙許可温度T2aは次のとおりである。
A4LEF、A3SEF…t3a=40秒、T2a=180℃
Letter LEF ………… t3a=40秒、T2a=160℃
Ledger SEF ………… t3a=80秒、T2a=150℃
冷却制御期間(冷却動作期間)の長さを定める最大待ち時間t3aおよび給紙許可温度T2aが上記のように設定されている場合、例えば前記A4LEFのシートに画像記録している場合の冷却動作の最大期間t3aは40秒であり、給紙許可温度T2aは180℃以下であることを意味する。
【0056】
C5:デューティ比測定手段
デューティ比測定手段C5は、h1点灯時間検出手段TMaおよびh2点灯時間検出手段TMbを有し、各検出手段TMa,TMbの検出時間に基づいて、設定期間tc内における小サイズシート用ヒータh1オンの時間taと大サイズシート用ヒータh2オンの時間tbとの合計時間(ta+tb)に対する大サイズシート用ヒータh2オンの時間tbの比dを測定する。、すなわち、d=tb/(ta+tb)を測定する。前記d=tb/(ta+tb)を制御用デューティ比ということにする。
TMa:小サイズシート用ヒータh1点灯時間検出手段
小サイズシート用ヒータh1点灯時間検出手段TMaは、設定期間tc内における小サイズシート用ヒータh1オンの時間taを検出する。
TMb:大サイズシート用ヒータh2点灯時間検出時間
大サイズシート用ヒータh2点灯時間検出手段TMbは、設定期間tc内における大サイズシート用ヒータh2オンの時間tbを検出する。
【0057】
C6:デューティ比異常判別手段
デューティ比異常判別手段C6は、測定されたデューティ比dと設定されたデューティ比閾値d0とを比較してd<d0の場合にデューティ比が異常であると判別する。
FL2:デューティ比異常判別フラグ
デューティ比異常判別フラグFL2は、初期値=「0」であり、デューティ比異常判別手段C6が異常と判断したときにFL2=「1」となり、定着ニップの冷却処理を実行した後でFL2=「0」となる。
【0058】
C7:冷却動作実行手段
冷却動作実行手段C7は、デューティ比異常判別フラグFL2=「1」になると、ジョブを中断して搬送中の全シートを排出してから定着ニップの冷却動作(冷却処理)を実行する。
C8:ヒータ制御手段
ヒータ制御手段C8は、ジョブ動作、待機動作、イレーズ動作、冷却動作時等に、定着ニップ温度制御パラメータ記憶手段C4に記憶されたデータおよび温度センサSN1,SN2の検出温度等に基づいて小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2のオンオフを制御する。
【0059】
(フローチャートの説明)
図9は実施の形態1の画像形成装置の各トレイに収容されたシートの種類およびサイズを設定する処理のフローチャートであり、図9Aはシート種類設定処理、図9Bはシートサイズ設定処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図9Aに示すトレイに収容されたシート種類設定処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図9AのステップST1において、シート種類入力モードが選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST1を繰り返し実行する。前記図5のシート種類入力モード選択キーUI6が入力操作されるとイエス(Y)となる。イエス(Y)の場合は表示器UI1にシート種類入力画面を表示してST2に移る。前記シート種類入力画面には必要な情報および入力ボタン(厚紙またはOHP用紙を選択するボタン、入力モードを終了するボタン等)が表示され、前記表示された入力ボタンを選択することによりシート種類を設定することが可能である。
ST2においてトレイ番号が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6に移り、イエス(Y)の場合はST3に移る。
ST3において選択されたトレイ番号を記憶する。
【0060】
次にST4においてシート種類が入力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6に移り、イエス(Y)の場合はST5に移る。
ST5において、選択されたトレイ番号に対応して、入力されたシート種類(厚紙またはOHP)を記憶する。
次にST6においてシート種類入力モードが終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST2に戻り、イエス(Y)の場合はシート種類設定処理を終了する。
【0061】
図9Bに示すトレイに収容されたシートサイズ設定処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図9BのステップST1′において、シートサイズ入力モードが選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST1′を繰り返し実行する。前記図5のシートサイズ入力モード選択キーUI7が入力操作されるとイエス(Y)となる。イエス(Y)の場合は表示器UI1にシートサイズ入力画面を表示してST2′に移る。前記シートサイズ入力画面にはシートサイズ入力に必要な情報および入力ボタン(シートサイズ選択するボタン、入力モードを終了するボタン等)が表示され、前記表示された入力ボタンやテンキー等を入力することにより各トレイ番号TR1〜TR4に対してシートサイズを設定することが可能である。
ST2′においてトレイ番号が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6′に移り、イエス(Y)の場合はST3′に移る。
ST3′において選択されたトレイ番号を記憶する。
【0062】
次にST4′においてシートサイズが入力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はST6′に移り、イエス(Y)の場合はST5′に移る。
ST5′において、選択されたトレイ番号に対応して、入力されたシートサイズを記憶する。
次にST6′においてシートサイズ入力モードが終了したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST2′に戻り、イエス(Y)の場合はシートサイズ設定処理を終了する。
【0063】
図10は実施の形態1の画像形成装置の画像記録処理のメインルーチンのフローチャートである。
図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。図10に示す画像記録処理のメインルーチンの処理のフローチャートは電源オンにより開始される。
図10のST11においてジョブ開始入力有りか否か判断する。イエス(Y)の場合はST12に移る。
ST12においてジョブモード制御処理(画像記録動作の制御処理)を実行する。
【0064】
前記ST11においてノー(N)の場合はST13に移る。
ST13においてTM1(待機モード継続時間計測タイマ)が作動中か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST11に戻る。イエス(Y)の場合はST14に移る。
ST14において待機モード時ヒータ制御処理を実行する。この処理は後で図21に基づいて詳述する。
次にST15において待機モード継続時間計測タイマTM1の計測時間t1≧15分1否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST11に戻る。イエス(Y)の場合はST16に移る。
ST16において次の処理を実行する。
(1)待機モード継続時間計測タイマTM1をオフにする。
(2)全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)をオフにする。
ST16の次に前記ST11に戻る。
【0065】
前記ST12のジョブが終了してから、ST17に移る。
ST17において後続ジョブが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST18に移る。
ST18において第2イレーズモード制御処理を実行する。この処理は後で図23に基づいて詳述する。
前記ST17においてノー(N)の場合はST19に移る。
ST19において第1イレーズモード制御処理を実行する。この処理は後で図22に基づいて詳述する。ST19の次にST20に移る。
ST20において待機モード継続時間計測タイマTM1をオンにする。
前記ST18およびST20の次に前記ST11に戻る。
【0066】
(ジョブモード制御処理)
前記図10のST12のジョブモード制御処理では複数のプログラム(サブルーチン(1)〜(8))が並行してマルチタスクで実行される。
(図11,図12のデューティ比異常判別処理)
図11は前記ST12のサブルーチン(1)であり、デューティ比異常判別処理のフローチャートである。
図12は図11の前記ST12のサブルーチン(1)であり、前記図11の続きのフローチャートである。
前記図10のST12の処理が開始されると、ST12のサブルーチン(1)である図11、図12の処理が開始される。また、ST12のサブルーチン(1)はST12の他のサブルーチン(2)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
【0067】
図11のST31において次の処理を実行する。
(1)デューティ比計測処理用判別フラグFL1=「00」とする。
(2)デューティ比異常判別フラグFL2=「0」とする。
(3)ヒータ点灯時間計測要求フラグFLt=「0」とする。
(4)積算時間リセット要求フラグFLr=「0」とする。
(5)デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nの値をn=0にする。
前記FL1=「00」は、現在シート(現在搬送しようとしているシート)の直前に搬送されたシートが無いことを意味する。したがって、FL1=「00」でない場合は直前シートが有ることを意味する。
なお、前記(1)のカッコ付きの「0」は2進数のゼロであることを示し、(2)のカッコの付かない0は10進数であることを示している。
前記ST31の次にST32に移る。
【0068】
ST32において記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合はST12のサブルーチン(1)(すなわち、図11、図12に示すデューティ比異常判別処理)を終了する。
ST32においてイエス(Y)の場合はST33に移る。
ST33においてデューティ比計測開始時期判別フラグFL1=「00」か否か判断する。イエス(Y)の場合(直前シートが無い場合)はST34に移る。なお、後述するが直前シートが有る場合であっても、現在シートが直前シートと異なるトレイから給紙された場合にはST34を実行する。
ST34において次の処理を実行する。
(1)給紙されるトレイ番号を検出し、その検出したトレイ番号を給紙トレイ番号として設定する。
(2)設定されたトレイ番号のトレイから給紙されるシートのサイズS1を検出して記憶する。
(3)設定されたトレイ番号のトレイから給紙されるシートの種類S2をを検出して記憶する。
(4)前記S1,S2に応じて定まるデューティ比演算用画像記録枚数nの基準設定値n0を、前記図7のデューティ比閾値記憶テーブルから読出して設定する。
(5)前記S1,S2に応じて定まるデューティ比の閾値d0を前記図7のデューティ比閾値記憶テーブルから読出して設定する。
【0069】
ST35においてレジロールRrが回転を開始したか否か判断するノー(N)の場合はST35を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST36に移る。
ST36においてデューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nをn=n+1とする。
【0070】
前記ST33において、ノー(N)の場合はSTA37に移る。
STA37において、給紙されるトレイ番号を検出する。
STA38において検出したトレイ番号は設定されているトレイ番号(直前に給紙された給紙トレイの番号)と同じか否か判断する。前記STA38においてイエス(Y)の場合は、前回給紙されたシートと今回給紙されるシートとが同一であることを意味する。この場合はSTA39に移る。
STA39においてデューティ比計測処理用判別フラグFL1=「01」とする。FL1=「01」は、現在シート(STA35でレジロールRrにより搬送開始されたシート)の直前に搬送されたシートが有ったこと(直前シート有り)を意味する。この場合、直前シートと現在シートとが同一であれば、シートサイズ等の記憶データ(図34参照)を更新する必要がない。STA39の次にSTA35に移る。
前記STA38においてノー(N)の場合は、直前の給紙トレイと、今回の給紙トレイとが異なることを意味する。この場合はSTA40に移る。
【0071】
STA40において次の処理を実行する。
(1)n=0。すなわち、デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nをn=0とする。
(2)FL1=「10」。すなわち、FL1=「10」は今回のシートは直前のシートと異なることを意味する。この場合、ST34に移ってシートサイズS1等の記憶データを更新する必要がある。
(3)d0′=d0とする。すなわち、次のST34に移った時にデューティ比dの閾値が新しく更新されることになるが、現在シート(今回STA35でレジロールRrにより搬送されるシート)とは異なる直前のシートに対して演算されるデューティ比dを直前のシートの閾値d0と比較するために、直前のシートの閾値d0をd0′として記憶する。後でSTA35で現在シートの搬送が開始された直後にST50においてd<d0′か否かを判断する際に前記d0′が使用される。
次に前記STA34に移る。
ST34において、今回給紙される給紙トレイに応じて定まる新しいシートのサイズS1、種類S2、デューティ比演算用画像記録枚数nの設定値n0、デューティ比の閾値d0等を新たに設定する。
【0072】
前記ST36の次に、STA41に移る。
STA41において、FL1=「00」か否か判断する。イエス(Y)の場合は直前シートが無いことを意味する。この場合、ヒータ点灯時間計測要求フラグFLtを「1」にする処理を要求していることを意味する。イエス(Y)の場合ははSTA42に移る。
STA42においてヒータ点灯計測要求フラグFLtをFLt=「1」とする。次にSTA43に移る。
STA43においてデューティ比演算用画像記録枚数nが図7に示す基準設定枚数n0に対してn<n0か否か判断する。イエス(Y)の場合は前記デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nが図7に設定されている基準設定枚数に達していないことを意味する。この場合はSTA44に移る。
【0073】
STA44において、デューティ比計測処理用判別フラグFL1=「01」とする。FL1=「01」はnがn0に達しておらず且つ今回のシートと直前のシートとが同一であることを意味している。この場合、デューティ比の測定値dと閾値d0の記憶値d0′(前述したように、d0′は直前のシートに対して設定されている閾値d0の記憶値である)との比較を行わずに、デューティ比の計測を続行する。次にSTA45に移る。
STA45においてレジロールRrの回転が停止したか否か判断するノー(N)の場合はSTA45を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合は前記STA32に戻る。
【0074】
前記STA41においてノー(N)の場合(FL1=「00」でない場合、すなわち、直前シート有りの場合)はSTA46に移る。
STA46においてFL1=「01」か否か判断する。イエス(Y)の場合(直前シート有りで且つ直前シートと現在シートが同一の場合)は前記STA43に移る。
前記STA43において、ノー(N)の場合はn≧n0であることを意味し、デューティ比dを閾値d0と比較する時期になったことを意味する。この場合、STA47に移る。
STA47において、次の処理を実行する。
(1)d0′=d0
(2)n=0
前記(1)の処理は、現在のデューティ比(後述する図15のST77で測定されるデューティ比d)と比較する閾値d0′に前記ST34で設定されたd0を記憶させる処理である。
前記(2)の処理は前記STA43でn≧n0となったので、前記デューティ比演算用画像記録枚数カウンタCTnのカウント値nをリセットする処理である。
次にSTA48に移る。
【0075】
前記STA46においてノー(N)の場合は、FL1がFL1=「10」であることを意味している。FL1=「10」は直前シート有りで且つ直前シートと現在シートとが異なることを意味しており、また、前記STA40が実行されたことを意味している。前記STA40は、図A38で今回のシートと直前のシートとが異なると判断された場合に実行された処理(ジョブの途中で給紙トレイが変更された場合の処理)である。このSTA40では、直前のシートに対して設定されたデューティ比dの閾値d0がd0′=d0として記憶されている。この場合(STA46でノー(N)の場合)はSTA48に移る。
STA48において、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」とする。
前記STA48の次にSTA49に移る。
STA49において積算時間リセット要求フラグFLr=「0」になったか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA49を繰り返し実行する。
【0076】
前記STA48において、FLr=「1」になると、後述する図13のSTA69および図14のSTA69′が実行されて小サイズシート用ヒータh1の積算点灯時間taおよび大サイズシート用ヒータh2の積算点灯時間tbがリセットされてta=tb=0となる。この時同時に、後述する図15のSTA77が実行されて、デューティ比計測時間tcがリセットされ且つ現在のデューティ比dが計測されてから、FLr=「0」とされる。
したがって、前記STA77でFLr=「0」とされると、STA49においてイエス(Y)となる。STA49でイエス(Y)の場合はSTA50に移る。
【0077】
次にSTA50において計測したデューティ比dがd0′に対してd<d0′か否か判断する。STA35のレジロールの回転開始により搬送開始された今回のシート(現在シート)が直前のシートと異なる場合は、前記d0′の値は、直前のシートに対して設定されている図7の閾値記憶テーブルに設定された閾値d0の値である。なお前記d0の値は、今回のシートおよび直前のシートが同一の場合はその同一シートに対して設定されている図7の閾値記憶テーブルに設定された閾値d0の値である。
STA50においてノー(N)の場合は計測したデューティ比dが閾値よりも高いので、定着ニップQ5を形成する定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されていないと判断できる。この場合はSTA51に移る。
STA51において次の処理を実行する。
(1)デューティ比異常判別フラグFL2=「0」とする。FL2=「0」は、定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されていない状態(正常状態)であることを意味する。
(2)デューティ比計測処理用判別フラグFL1=「01」とする。すなわち、直前シート有りとする。
【0078】
前記STA50においてイエス(Y)の場合は計測したデューティ比dが閾値よりも低いので、定着ニップQ5を形成する定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されていると判断できる。この場合はSTA52に移る。
STA52において次の処理を実行する。
(1)デューティ比異常判別フラグFL2=「1」とする。FL2=「1」は、定着用回転部材Fh,Fpに多くの熱が蓄積されている状態(異常状態)であることを意味する。この場合、画像記録が開始されていないシートが残っている場合には新たなシートの搬送を中止して画像記録動作を中断し、搬送中の全シートを排出した後に冷却処理を実行する必要がある。したがって、FL2=「1」になると、後述する図19のSTA111においてイエス(Y)となり、図19、図20のSTA120〜STA133の冷却処理を実行する。これについては後述する。
(2)FL1=「00」とする。FL1=「00」は直前シート無しを意味する。すなわち、冷却処理が完了するまで新たなシートの給紙が開始されないので、次に給紙するシートに対しては直前シート無しであることを意味する。
(3)ヒータ点灯時間計測要求フラグFLt=「0」とする。すなわち、冷却処理を行う間はヒータ点灯時間の計測は実行しない。
前記STA51、STA52の次に前記ST32に戻る。
【0079】
(図13の小サイズシート用ヒータh1オン時間積算処理)
図13は前記ST12のサブルーチン(2)であり、小サイズシート用ヒータh1のオン時間(ta)の積算処理のフローチャートである。
ST12のサブルーチン(2)である図13の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、ST12のサブルーチン(2)はST12の他のサブルーチン(1),(3)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
図13のST61において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST62に移る。
ST62において、ヒータオンオフ時間計測要求フラグFLt=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST63に移る。ST63において次の処理を実行する。
(1)小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を停止する。
(2)小サイズシート用ヒータh1オン時間taをta=0とする。
次に前記ST61に戻る。
【0080】
前記ST62においてイエス(Y)の場合はST64に移る。
ST64において積算時間リセット要求フラグFLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST65に移る。
ST65において、小サイズシート用ヒータh1がオンの状態か否か判断する。イエス(Y)の場合はST66に移り、ノー(N)の場合はST67に移る。
ST66において、小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を行って小サイズシート用ヒータh1のオン時間taを積算する。
ST67において、小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を停止する。なおこのときは、TMaの積算時間taの値を保持する。
前記ST66およびST67の次に、前記ST61に戻る。
【0081】
前記ST64においてイエス(Y)の場合(すなわち、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」の場合)はST68に移る。
ST68においてta′=taとする。このとき記憶されたta′の値は後述する図15のST77においてデューティ比d=tb′/(ta′+tb′)を演算する際に使用される。
次にST69において、小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの計測時間(小サイズシート用ヒータh1オンの積算時間)ta=0とする。
次に前記ST61に戻る。
前記ST61においてノー(N)の場合はST70に移る。
ST70において次の処理を実行する。
(1)小サイズシート用ヒータh1オン時間積算タイマTMaの時間計測を停止する。
(2)小サイズシート用ヒータh1オン時間taをta=0とする。
次にST12のサブルーチン(2)を終了する。
【0082】
(図14の大サイズシート用ヒータh2オン時間積算処理)
図14は前記ST12のサブルーチン(3)であり、大サイズシート用ヒータh2のオン時間(tb)の積算処理のフローチャートである。
ST12のサブルーチン(3)である図14の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、ST12のサブルーチン(3)はST12の他のサブルーチン(1),(2),(4)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
図14のST61′において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST62′に移る。
ST62′において、ヒータオンオフ時間計測要求フラグFLt=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST63′に移る。ST63′において次の処理を実行する。
(1)大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を停止する。
(2)大サイズシート用ヒータh2オン時間tbをtb=0とする。
次に前記ST61′に戻る。
【0083】
前記ST62′においてイエス(Y)の場合はST64′に移る。
ST64′において積算時間リセット要求フラグFLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST65′に移る。
ST65′において、大サイズシート用ヒータh2がオンの状態か否か判断する。イエス(Y)の場合はST66′に移り、ノー(N)の場合はST67′に移る。
ST66′において、大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を行って大サイズシート用ヒータh2のオン時間tbを積算する。
ST67′において、大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を停止する。なおこのときは、TMbの積算時間tbの値を保持する。
前記ST66′およびST67′の次に、前記ST61′に戻る。
【0084】
前記ST64′においてイエス(Y)の場合(すなわち、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」の場合)はST68′に移る。
ST68′においてtb′=tbとする。このとき記憶されたtb′の値は後述する図15のST77においてデューティ比d=tb′/(ta′+tb′)を演算する際に使用される。
次にST69′において、大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの計測時間(大サイズシート用ヒータh2オンの積算時間)tb=0とする。
次に前記ST61′に戻る。
前記ST61においてノー(N)の場合はST70′に移る。
ST70′において次の処理を実行する。
(1)大サイズシート用ヒータh2オン時間積算タイマTMbの時間計測を停止する。
(2)大サイズシート用ヒータh2オン時間tbをtb=0とする。
次にST12のサブルーチン(3)を終了する。
【0085】
(図15のデューティ比計測時間(tc)の計測処理およびデューティ比dの計測処理)
図15は前記ST12のサブルーチン(4)であり、デューティ比計測時間(tc)の計測処理およびデューティ比dの計測処理のフローチャートである。
ST12のサブルーチン(4)である図15の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、ST12のサブルーチン(4)はST12の他のサブルーチン(1)〜(3),(5)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
図15のST71において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST72に移る。
ST72において、ヒータオンオフ時間計測要求フラグFLt=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合はST73に移る。ST73において次の処理を実行する。
(1)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの時間計測を停止する。
(2)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの計測時間tc=0とする。
次に前記ST71に戻る。
【0086】
前記ST72においてイエス(Y)の場合はST74に移る。
ST74において、デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcを作動させて経過時間tcを計測する。
次にST75において積算時間リセット要求フラグFLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST71に戻るる。
前記ST75においてイエス(Y)の場合(すなわち、積算時間リセット要求フラグFLr=「1」の場合)はST76に移る。
ST76においてtc′=tcとする。このとき記憶されたtc′の値は本実施の形態1では使用しない。
【0087】
次にST77において、次の処理を実行する。
(1)制御用デューティ比dを次式により演算する。
d=tb′/(ta′+tb′)
(2)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの計測時間tcをtc=0とする。
(3)積算時間リセット要求フラグFLr=「0」とする。
なお、前記ST77の処理(1)を前記図14のST68′で実行し、且つ前記ST77の処理(3)を前記図14のST69′で実行することにより、図15のST12のサブルーチン(4)は省略することが可能である。
また、前記ST76において記憶したtc′を使用して制御用デューティ比dを次式(1)または(2)により演算し、式(1)または(2)で演算した制御用デューティ比dによりヒータ制御を行うことも可能である。これについては図25により後述する。
(1)d=ta′/tc′
(2)d=tb′/tc′
【0088】
前記ST77の次に前記ST71に戻る。
前記ST71においてノー(N)の場合はST78に移る。
ST78において次の処理を実行する。
(1)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの時間計測を停止する。
(2)デューティ比計測時間(ヒータオンオフ制御時間)計測タイマTMcの計測時間tc=0とする。
ST78処理を終了するとST12のサブルーチン(4)が終了する。
【0089】
(図16のプリントスタート基準信号PSKの出力制御処理)
図16は前記ST12のサブルーチン(5)であり、プリントスタート基準信号PSKの出力制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(5)はST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。
ST12が開始されると、図16のSTA81において、ジョブ中の画像記録頁番号m=0する。
次にSTA82においてm=m+1とする。
次にSTA83において記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合はST12のサブルーチン(5)(すなわち、図16に示すプリントスタート基準信号PSK出力制御処理)を終了する。
STA83においてイエス(Y)の場合はSTA84に移る。
STA84においてm≧2か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA86に移り、イエス(Y)の場合はSTA85に移る。
【0090】
STA85において、直前の頁{(m−1)頁}の画像記録時のシートサイズS1に対応して設定されたプリントスタート基準信号PSKのパルス間隔を記憶する。次にSTA86に移る。
STA86において、次の処理を実行する。
(1)給紙されたシートサイズS1を記憶する。
(2)m,S1に応じたプリントスタート基準信号PSK(パルス信号)のパルス間隔を設定する。
【0091】
STA87においてジョブ中の画像記録頁番号mがm≧2か否か判断する。ノー(N)の場合はジョブの頁番号m=1の画像記録であることを意味する。この場合はSTA88に移る。
STA88においてm=1(ジョブ中の画像記録頁番号)、S1(シートサイズ)に対して設定されたパルス間隔でPSKパルスの出力を開始する。
STA87においてイエス(Y)の場合はジョブの頁番号mがm=2以降の画像記録であることを意味する。この場合はSTA89に移る。
STA89においてジョブ中の画像記録頁番号(m−1)頁の画像記録時のシートサイズS1に対して設定されたパルス間隔(前頁のパルス間隔)でPSKパルスの出力を開始する。
STA90において、頁番号mの画像記録が開始されたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA90を繰り返し実行する。
後述するST12のサブルーチン(6)のSTA97(図17参照)の処理が実行されると、STA97の処理に応じて、ST12のサブルーチン(7)のSTA103(図18参照)で頁番号mの画像記録動作が開始される。このときに、STA90においてイエス(Y)となる。イエス(Y)の場合は前記STA82に戻る。
【0092】
(図17のジョブ実行時の各頁mの画像記録動作開始指示信号出力制御処理)
図17は前記ST12のサブルーチン(6)であり、ジョブ実行時の各頁m(m=1,2,…)の画像記録動作開始指示信号出力制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(6)はST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。
図17のSTA91においてジョブ中の画像記録頁番号mをm=0とする。
STA92においてm=m+1とする。
STA93において記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合は図17の画像記録動作開始指示信号出力制御処理を終了する。イエス(Y)の場合はSTA94に移る。
STA94においてプリントスタート基準信号PSKのパルスが出力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA94を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はSTA95に移る。
【0093】
STA95において定着ニップ中央温度センサSN1の検出温度T1がジョブ時下限定着温度T1jaに対してT1≧T1jaか否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA94に戻る。イエス(Y)の場合はSTA96に移る。
STA96においてデューティ比異常判別フラグFL2=「0」か否か判断する。ノー(N)の場合は制御用デューティ比dがd<d0すなわち、(FL2=「1」)であり異常状態であるので、前記STA94に戻る。d<d0すなわち、(FL2=「1」)になった場合には、新たな頁の画像記録開始信号を出力せずに、画像記録中のシートの排出を待ってから定着装置の冷却処理を実行して(FL2=「0」)になるのを待つ。
STA94、STA95、STA96が同時にイエス(Y)になった場合には、STA97に移る。
STA97において頁番号mの画像記録動作開始指示信号を出力する。
次に前記STA92に戻る。
【0094】
(図18のジョブ実行時の各頁番号mの画像記録動作の制御処理)
図18は前記ST12のサブルーチン(7)であり、ジョブ実行時の各頁番号mの画像記録動作の制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(7)は異なる各頁に対して別々に実行されるサブルーチンであり、頁が異なる複数のサブルーチン(7)が平行して同時に実行され、且つST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。なお、この図18に示す各頁番号mの画像記録動作の制御処理は、各頁番号mの画像毎に独立して実行される。また、複数の各頁番号mの画像記録動作は並行してマルチタスクで実行される。
図18のSTA101において、記録すべき画像データが有るか否か判断する。ノー(N)の場合は頁番号mの画像記録動作の制御処理を終了する。
STA102において、頁番号mの画像記録動作開始指示信号が出力されたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA102を繰り返し実行する。前記図17のSTA97において頁番号mの画像記録動作開始指示信号が出力されると、STA102においてイエス(Y)となる。イエス(Y)になった場合はSTA103に移る。
【0095】
STA103において次の処理を実行する。
(1)画像記録動作制御用タイマTM2をオンにする。
(2)タイマTM2がオンした時を基準にして頁番号mの画像記録動作を開始する。
次にSTA104において頁番号mの画像記録動作を実行して画像記録したシートを排紙トレイTRh(図1参照)に排紙する。
前記シートを排紙トレイTRh(図1参照)に排紙してから、頁番号mの画像記録動作の制御処理を終了する。
【0096】
(図19、図20のジョブ実行時のヒータ制御処理)
図19は前記ST12のサブルーチン(8)であり、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートである。
このST12のサブルーチン(8)はST12の他のサブルーチンと並行してマクチタスクで実行される。
図19のST107において画像記録に使用するシートサイズが設定されているか否か判断する。一般的には給紙トレイに収容されているシートサイズが定型サイズシートの場合は画像記録に使用するシートサイズは自動的に検出されるが、非定型サイズシートが給紙トレイに収容されている場合や、手差トレイから給紙する場合等にはシートサイズが設定される。
前記ST107においてノー(N)の場合はST108に移る。
【0097】
ST108において、シートサイズ設定無しの場合のヒータ制御処理を実行する。なお、シートサイズ設定無しの場合、画像データサイズに応じたサイズのシートを使用したり、1頁目の画像記録に使用したシートサイズのシートを全ジョブに対して使用したりするシート選択方法が従来公知である。したがって、前記シート選択方法に応じてST108のヒータ制御処理は異なるが、本実施の形態1では画像データサイズが異なる頁の画像は、1頁目のシートと同じサイズのシートに縮尺または拡大して記録する方法を採用する。その場合のヒータ制御のフローチャートはシートサイズを設定した場合と同様になる。ST108を終了するとST12のサブルーチン(8)を終了する。
【0098】
前記ST107においてイエス(Y)の場合はST109に移る。ST109において画像記録されるシートの幅方向サイズSSの設定値がA4シートのショートエッジの長さA4SEに対して、SS≧A4SEか否か判断する。ノー(N)の場合は画像記録されるシートの幅方向サイズSSがA4SE(A4ショートエッジ長さ)未満の小サイズシートであることを意味する。この場合、ST110に移る。
ST110において、シートサイズSSがA4SEよりも小さい場合のヒータ制御を実行する。この場合、大サイズシート用ヒータh2を使用せずに、小サイズシート用ヒータh1のみをオンオフ制御して、第1温度センサSN1の検出温度T1がジョブ時下限定着温度T1ja(183℃)とジョブ時上限定着温度T1jb(187℃)に対してT1ja≦T1≦T1jbとなるように小サイズシート用ヒータh1を点灯制御する。ST110を終了するとST12のサブルーチン(8)を終了する。
【0099】
前記ST109においてイエス(Y)の場合は画像記録されるシートの幅方向サイズSSがA4SE(A4ショートエッジ長さ)以上の大サイズシートであることを意味する。この場合、ST111に移る。
STA111において、デューティ比異常判別フラグFL2=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合(正常の場合)はSTA112に移る。
STA112においてT1≧T1jaか否か判断する。T1は中央部定着温度センサSN1の検出温度であり、T1jaはジョブ時の定着部中央部の下限設定温度である。STA112においてノー(N)の場合はSTA113に移る。
STA113においてT2≦170℃か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA114に移る。
STA114において小サイズシート用ヒータh1をオンにする。次にSTA118に移る。
前記STA113においてイエス(Y)の場合はSTA115に移る。
STA115において大サイズシート用ヒータh2をオンにしてSTA118に移る。
【0100】
前記STA112においてイエス(Y)の場合はSTA116に移る。
STA116においてT1≦T1jbか否か判断する。T1jbはジョブ時の定着部中央部の上限設定温度である。STA116においてノー(N)の場合はSTA117において小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2をオフにしてSTA118に移る。STA116においてイエス(Y)の場合はSTA118に移る。
STA118においてジョブ終了か否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA111に戻る。イエス(Y)の場合はSTA119において全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)をオフにして、図19、図20のジョブモード時のヒータ制御処理を終了する。
【0101】
前記STA111においてイエス(Y)の場合(デューティ比異常判別フラグFL2=「1」の場合、すなわち、制御用デューティ比が異常の場合)は、新規シートの給紙を中止して搬送中の全シートを排出する必要がある。STA111においてイエス(Y)の場合はSTA120に移る。
STA120において搬送中のシート有りか否か判断する。イエス(Y)の場合はSTA121に移る。
STA121においてT1≧T1jaか否か判断する。STA121においてノー(N)の場合はSTA122に移る。
STA122においてT2≦170℃か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA123に移る。
STA123において小サイズシート用ヒータh1をオンにする。次に前記STA120に戻る。
【0102】
前記STA122においてイエス(Y)の場合はSTA124に移る。
STA124において大サイズシート用ヒータh2をオンにして前記STA120に戻る。
前記STA121においてイエス(Y)の場合はSTA125に移る。
STA125においてT1≦T1jbか否か判断する。STA125においてノー(N)の場合はSTA126においてヒータオフにして前記STA120に戻る。
STA120においてノー(N)の場合は図20のSTA127に移る。
【0103】
図20は前記ST12のサブルーチン(8)で、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートであり、前記図19の続きのフローチャートである。
図20のST127において全ヒータh1,h2をオフにする。
次にSTA128においてジョブ終了か否か判断する。ノー(N)の場合はSTA129に移り冷却処理(ST129〜ST133)を実行する。
STA129において冷却処理経過時間計測タイマTM3をオンにする。このとき、定着ロールの回転は続行する。
次にSTA130において、直前に画像記録して排紙したシートのシートサイズS1、シート種類S2に対応する冷却処理期間の長さの最大値を設定する最大待ち時間t3a(図8のテーブル参照)および、給紙許可温度k設定値T2a(図8のテーブル参照)を読み込む。
STA131においてタイマTM3の計測時間t3が最大設定待ち時間t3a(図8参照)に対してt3≧t3aか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA132に移る。
STA132において第2温度センサSN2の検出温度T2が給紙可能設定温度T2a(図8参照)に対して、T2≦T2aか否か判断する。ノー(N)の場合は前記STA131に移る。
【0104】
前記STA131またはSTA132においてイエス(Y)の場合は次のことを意味する。すなわち、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2をオフにした後、図8の最大待ち時間t3aが経過したか、または第2温度センサSN2の検出温度T2が給紙可能設定温度T2a以下になったことを意味する。この場合は、STA133に移る。
STA133において次の処理を実行する。
(1)冷却処理経過時間計測タイマTM3をオフにする。
(2)デューティ比異常判別フラグFL2=「0」とする。
次に前記図19のSTA111に戻る。
前記STA128において、イエス(Y)の場合は図19および図20のジョブモード時のヒータ制御処理すなわち、ST12のサブルーチン(8)の処理を終了する。
【0105】
(図21の待機モード時ヒータ制御処理)
図21は前記図10のST14のサブルーチンであり、待機モード時ヒータ制御処理のサブルーチンである。
図21のSTA141においてT1≧T1taか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA142においてヒータオンにする。
前記STA141においてイエス(Y)の場合はSTA143に移る。
STA143においてT1≦T1tbか否か判断する。STA143においてノー(N)の場合はSTA144においてヒータオフする。
前記STA142、STA144の後、またはSTA143でイエス(Y)の場合は図21の待機モード時ヒータ制御処理のサブルーチンを終了する。
【0106】
(図22の第1イレーズモードの制御処理)
図22は前記図10のST19のサブルーチンであり、第1イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
図10のST19の第1イレーズモードの制御処理が開始されると、図22のSTA151において、次の処理を実行する。
(1)回転部材(感光体(像担持体)、定着ロール等)の回転継続。
(2)帯電ロールに帯電バイアス(−500V)印加。
(3)全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)オフ。
(4)タイマTM4に時間t4a(t4a=4〜5sec)セット。
次にSTA152においてタイマTM4はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA152を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はSTA153に移る。
STA153において次の処理を実行する。
(1)回転部材の回転停止。
(2)帯電バイアス印加停止。
次に図22の第1イレーズモードの制御処理を終了する。
【0107】
(図23の第2イレーズモードの制御処理)
図23は前記図10のST18のサブルーチンであり、第2イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
図10のST18の第2イレーズモードの制御処理が開始されると、図23のSTA161において、次の処理を実行する。
(1)回転部材(感光体(像担持体)、定着ロール等)の回転継続。
(2)帯電ロールに帯電バイアス(−500V)印加。
(3)全ヒータ(小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2)オフ。
(4)タイマTM4に時間t4b(t4b=t4a+10sec=14〜15sec)をセット。
次にSTA162においてタイマTM4はタイムアップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はSTA162を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合は図23の第2イレーズモードの制御処理を終了する。
【0108】
(実施の形態1の作用)
図24は前記構成を備えた実施の形態1のタイムチャートである。
図24において、電源オン時の定着ニップの温度(第1温度センサSN1の検出温度)は室温である。
ジョブ開始入力が有ると、第1温度センサSN1の検出温度T1が、ジョブ時下限設定温度T1ja以上に上昇するまで大サイズシート用ヒータh2または小サイズシート用ヒータh1がオンとされる。そして、ジョブ期間中は中央部検出温度T1がジョブ時下限設定温度T1ja以上且つジョブ時上限定着温度T1jb以下となるようヒータh1またはh2のオンオフ制御が行われる。
前記ヒータh1またはh2のいずれをオンにするかは、次のようにして決定する。すなわち、第2温度センサSN2の検出温度T2が170℃以下の場合は大サイズシート用ヒータh2をオンにし(点灯し)、170℃よりも大きい場合には小サイズシート用ヒータh1をオンにする(点灯する)。
すなわち、このときのヒータのオンオフ制御は、図19、図20のフローチャートの処理により実行される。
【0109】
ジョブ実行期間中にデューティ比異常判別フラグFL2がFL2=「1」になると、ジョブを中断する。FL2=「1」場合には、図17のSTA96でイエス(Y)とならないので、PSKパルスが出力されても、STA97に移ることはない。前記STA97に移らない限り、新たな頁の画像記録動作は開始されない。
前記FL2=「1」の状態では、図19、図20のジョブモード時のヒータ制御処理のSTA120において、搬送中の全シートが排出されると、STA128でジョブが終了したか否か判断される。STA128でノー(N)の場合はSTA129〜STA133の冷却処理(冷却動作)が実行される。図24に示すように、冷却処理を実行すると、定着ニップQ5の温度が低下する。
【0110】
図19、図20のSTA130〜133の冷却処理が終了するとSTA133においてデューティ比異常判別フラグFL2=「0」となるので、図19のSTA111においてノー(N)となり、STA111〜STA118のジョブ時温度制御が行われる。また、図17のSTA96においてイエス(Y)となり、STA97において、新たにm頁の画像記録動作開始信号が出力される。このとき、図18のSTA102においてイエス(Y)となり、STA103、STA104のm頁目の画像記録が実行される。すなわち、STA133においてデューティ比異常判別フラグFL2=「0」になると、中断していたジョブが再開される。
【0111】
(実験例1)
図25は制御用デューティ比の検出値によりヒータのオンオフ制御をする場合の有効性を説明するために、使用するシートサイズがA4LEFである場合(大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯して定着温度制御するシートサイズの場合)に、シートサイズを正常にA4LEFに設定した場合(正常操作の場合)と、誤操作によりシート幅80mm(小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御して定着温度制御すべきシート幅)に設定した場合の定着温度推移およびデューティ比推移を示す図であり、図25Aは正常操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Aは誤操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Cは正常操作の場合のデューティ比推移を示す図、図25Dは誤操作の場合のデューティ比推移を示す図である。
図25A、図25Bにおいて、横軸はプリント枚数、縦軸は定着ロールの温度を示しており、実線は第1温度センサSN1の検出温度、破線は第2温度センサSN2の検出温度、2点鎖線は前記センサSN1およびSN2の中間位置に配置した温度センサの検出温度である。前記中間位置に配置した温度センサは図25の実験データを得るために配置した温度センサである。
【0112】
図25Aおよび図25Bから分かるように、シートサイズをA4LEFと正常に設定した場合は、前記各温度センサSN1により検出される部分の温度はほぼ一定温度に保持されている。
しかしながら、実際のシート幅が80mmのシートであって小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御すべきシートを使用した際に、誤操作によりシートサイズをA4LEFに設定すると、大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯制御して第1温度センサSN1の検出温度T1がT1ja≦T1≦T1jbとなるように温度制御を行うことになる。この場合、第1温度センサSN1と第2温度センサSN2との中間部分の温度が異常に高くなる。
【0113】
図25C、図25Dにおいて、横軸はプリント枚数、縦軸はデューティ比を示しており、図25C、図25Dにおいて、実線、破線、2点鎖線の値は次の値である。
実線………tb/(ta+tb)の値(制御用デューティ比d)
破線………tb/tc(大サイズシート用ヒータh2のデューティ比)
2点鎖線…ta/tc(小サイズシート用ヒータh1のデューティ比)
なお、tc,ta,tbの意味は次の通りである。
tc:デューティ比計測時間
ta:時間tc内の小サイズシート用ヒータh1の点灯時間の積算値
tb:時間tc内の大サイズシート用ヒータh2の点灯時間の積算値
【0114】
図25C、図25Dから分かるように、実際のシート幅が80mmのシートであって小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御すべきシートを使用した際に、誤操作によりシートサイズをA4LEFに設定すると、大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯制御して第1温度センサSN1の検出温度T1がT1ja≦T1≦T1jbとなるように温度制御を行うことになる。この場合、正常操作の場合の制御用デューティ比d=tb/(ta+tb)の値に比較して、誤操作の場合の制御用デューティ比d=tb/(ta+tb)の値はかなり低くなってしまう。
したがって、制御用デューティ比dを監視することにより定着ロールの異常な温度上昇を防止することができる。
すなわち、本実施の形態1では、制御用デューティ比dが閾値以下になると、冷却処理が実行されるので、温度センサにより検出できない領域に熱量が蓄積されて高温になるのを防止することができる。
【0115】
なお、図25C、図25Dに示す、破線で示すtb/tc(大サイズシート用ヒータh2のデューティ比)および、2点鎖線で示すta/tc(小サイズシート用ヒータh1のデューティ比)も、正常操作の場合(図25Cの場合)と誤操作の場合(図25Dの場合)とで値が異なるので、それらの値ta/tc、tb/tcを監視することによっても、定着ロールの異常な温度上昇を防止することが可能である。
したがって、制御用デューティ比として、tb/tcまたはta/tcを採用して、定着温度制御を行うことが可能である。
【0116】
(実施の形態2)
図26は本発明の画像形成装置の実施の形態2の要部説明図であり、制御デューティ比を演算するための大サイズシート用ヒータおよび小サイズシート用ヒータのデューティ比を検出するデューティ比検出回路の説明図である。
なお、この実施の形態2の説明において、前記実施の形態1と同一の構成については、説明を省略する。
この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
図26において、デューティ比検出回路CTは、小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1および大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2を有している。
【0117】
小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1は、小サイズシート用ヒータ駆動回路のヒーダオンオフスイッチSW1aと連動してオンオフするスイッチSW1bを有している。前記小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1では、基準電圧源Vrefは直列接続された抵抗R12、コンデンサC12およびコンデンサC11を介してアースされている。直列接続されたスイッチSW1bおよび抵抗R11は、前記直列接続された抵抗R12およびコンデンサC12と、並列に接続されている。
前記コンデンサC11とコンデンサC12との接続点の電圧V1はADC1(アナログ/デジタルコンバータ1)に入力されており、ADC1でA/D変換(アナログ/デジタル変換)された前記接続点の電圧V1のデジタル値V1dは、コントローラCに入力されている。
【0118】
前記互いに連動してオンオフするスイッチSW1aおよびスイッチSW1bは、コントローラCにより制御されるスイッチ作動回路によって作動する。前記スイッチSW1a,SW1bをオンにして小サイズシート用ヒータh1をオンにするとコンデンサC11が充電され、前記スイッチSW1a,SW1bをオフにして小サイズシート用ヒータh1をオフにするとコンデンサC11が放電される。
前記小サイズシート用ヒータh1のオンオフに応じて充電、放電されるコンデンサC11の電圧は、小サイズシート用ヒータh1のデューティ比(計測期間中のオン時間の割合)に応じて変化する。したがって、前記コンデンサC11,C12の容量および抵抗R11,R12の値を適当に設定することにより前記ADC1の出力値V1dを小サイズシート用ヒータh1のデューティ比として使用可能である。
なお、小サイズシート用ヒータh1が点灯し続けた時は、V1=Vrefとなり、小サイズシート用ヒータh1が点灯しない状態が続いた時はV1={C12/(C11+C12)}Vrefとなる。
【0119】
大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2は、大サイズシート用ヒータ駆動回路のヒーダオンオフスイッチSW2aと連動してオンオフするスイッチSW2bを有している。前記大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2では、基準電圧源Vrefは直列接続された抵抗R22、コンデンサC22およびコンデンサC21を介してアースされている。直列接続されたスイッチSW2bおよび抵抗R21は、前記直列接続された抵抗R22およびコンデンサC22と、並列に接続されている。
前記コンデンサC11とコンデンサC12との接続点の電圧V2はADC2(アナログ/デジタルコンバータ1)に入力されており、ADC2でA/D変換(アナログ/デジタル変換)された前記接続点の電圧V2のデジタル値V2dは、コントローラCに入力されている。
前記大サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT2の電圧V2のデジタル値V2dは、前記小サイズシート用ヒータデューティ比検出回路CT1の電圧V1のデジタル値V1dと同様に、前記コンデンサC21,C22の容量および抵抗R21,R22の値を適当に設定することにより前記ADC2の出力値V2dを大サイズシート用ヒータh2のデューティ比として使用可能である。
なお、大サイズシート用ヒータh2が点灯し続けた時は、V2=Vrefとなり、大サイズシート用ヒータh2が点灯しない状態が続いた時はV2={C22/(C21+C22)}Vrefとなる。
【0120】
この実施の形態2の前記V1dおよびV2dは前記実施の形態1の小サイズシート用ヒータデューティ比taおよび大サイズシート用ヒータデューティ比tbとして使用可能である。したがって、前記実施の形態1のta,tbを計測する図13、図14のフローチャートを省略して、その代わりにこの実施の形態2のデューティ比検出回路CTを使用することが可能である。その場合、実施の形態1の図15のフローチャートの代わりに、実施の形態2では図27をフローチャートを使用すればよい。また、この実施の形態2では、前記実施の形態1のデューティ比計測時間tcを計測する必要が無いので、前記実施の形態1のヒータオンオフ時間計測要求フラグFLtを省略される。また、前記実施の形態1の積算時間リセット要求フラグFLrはこの実施の形態2では、デューティ比測定要求フラグFLrとして使用される。
その他の構成は前記実施の形態1と同様である。
【0121】
(実施の形態2のフローチャートの説明)
図27は実施の形態2の画像形成装置のデューティ比計測処理のフローチャートで、前記実施の形態1の図15に対応するフローチャートであり、前記図10のST12のサブルーチン(4′)である。
ST12のサブルーチン(4′)である図27の処理は前記図10のST12の処理が開始されると同時に開始される。また、図27のST12のサブルーチン(4′)はST12の他のサブルーチン(1),(5)〜(8)と並行してマルチタスクで実行される。
なお、図27のST(ステップ)番号は前記実施の形態1の図15のST(ステップ)番号に対応して付けられている。
【0122】
図27のST71において記録すべき画像データが有るか否か判断する。イエス(Y)の場合はST75に移る。
ST75において、デューティ比測定要求フラグ(実施の形態1では積算時間リセット要求フラグ)FLr=「1」か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST71に戻るる。
前記ST75においてイエス(Y)の場合(すなわち、デューティ比測定要求フラグFLr=「1」の場合)はST76′に移る。
ST76′においてV1d,V2dを記憶する。
次にST77′において、次の処理を実行する。
(1)制御用デューティ比dを次式により演算する。
d=V2d/(V1d+V2d)
(2)デューティ比測定要求フラグFLr=「0」とする。
前記ST77の次に前記ST71に戻る。
前記ST71においてノー(N)の場合はST12のサブルーチン(4′)が終了する。
【0123】
前述のように、この実施の形態2では制御用デューティ比dはV2d/(V1d+V2d)により演算することが可能である。そして、制御用デューティ比dを監視することにより、前記実施の形態1と同様に定着ロールの異常な温度上昇を防止することができる。
すなわち、本実施の形態2では、前記実施の形態1と同様に制御用デューティ比dが閾値以下になると、冷却処理が実行されるので、温度センサにより検出できない領域に熱量が蓄積されて高温になるのを防止することができる。
【0124】
(ヒータおよび温度センサの配置例の説明)
図28は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図28Aは前記本発明の実施の形態1と同様の配置例を示す図、図28Bはヒータおよび温度センサの配置例の変更例1の説明図、図28Cは同変更例2の説明図、図28Dは同変更例3の説明図である。
図28Aにおいて、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例は前記実施の形態1で説明したものと同じ配置例である。この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅とほぼ同一長さの小サイズシート用ヒータh1と最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2とを使用している。そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯している。
【0125】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例1の説明)
図28Bにおいて、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向端部に偏って配置されている。この配置はシートを端部揃えで搬送する場合の配置例である。この配置例の場合も前記図28Aの配置例と同様に、設定された小サイズシート幅とほぼ同一長さの小サイズシート用ヒータh1と最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2とを使用している。そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯させる。
【0126】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例2の説明)
図28Cにおいて、小サイズシート用ヒータh1の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されており、大サイズシート用ヒータh2の発熱部は前記小サイズシート用ヒータh1の両側に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例の場合は、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1の両方を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯させる。
【0127】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例3の説明)
図28Dにおいて、小サイズシート用ヒータh1の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向端部に偏って配置されており、大サイズシート用ヒータh2の発熱部は前記小サイズシート用ヒータh1とは反対側に偏って配置されている。この配置はシートを端部揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例の場合は、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1の両方を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯させる。
【0128】
図29は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図29Aは前記図28Aの配置例に中間サイズシート用ヒータおよび第3温度センサを付加した配置例の変更例4の説明図、図29Bは小サイズシート用ヒータの発熱部の長さが設定した小サイズシート幅よりも長く設定し且つその両端部の発熱部の発熱量は少なく設定されているヒータ配置例の変更例5の説明図である。(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例4の説明)
図29Aにおいて、小サイズシート用ヒータh1、大サイズシート用ヒータh2および前記両ヒータh1,h2の中間の長さを有する中間サイズシート用ヒータh3の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例であり、この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅とほぼ同一長さの小サイズシート用ヒータh1と、最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2と、設定された中間シートサイズ幅とほぼ同一長さの中間サイズシート用ヒータh3とを使用している。
【0129】
そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅で且つ設定された中間サイズシート幅より狭い幅の中間サイズシートを定着する場合には第3温度センサSN3の検出温度T3が設定値より小さい場合には中間サイズシート用ヒータh3を点灯し、前記検出温度T3が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯している。また、前記設定された中間サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1または中間サイズシート用ヒータh3のいずれかを選択して点灯する。
【0130】
(ヒータおよび温度センサの配置例の変更例5の説明)
図29Bにおいて、小サイズシート用ヒータh1および大サイズシート用ヒータh2の発熱部は、加熱ロールFhの軸方向中央部に配置されている。この配置はシートを中央揃えで搬送する場合の配置例である。この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅よりも少し長い小サイズシート用ヒータh1と最大シート幅とほぼ同じ長さの大サイズシート用ヒータh2とを使用している。そして、前記設定された小サイズシート幅よりも小さい幅を有する小サイズシートを定着する場合は、小サイズシート用ヒータh1のみを使用し、前記設定された小サイズシート幅よりも大きい幅の大サイズシートを定着する際、第2温度センサSN2の検出温度T2が設定値より小さい場合には大サイズシート用ヒータh2を点灯し、前記検出温度T2が設定値より高い場合には小サイズシート用ヒータh1を選択して点灯している。
この配置例の場合は、設定された小サイズシート幅よりも少し長い小サイズシート用ヒータh1の端部の発熱量は、中央部分に比較して小さく設定されている。このような発熱量の少ない端部を設けることにより、小サイズシートの端部の定着不良の発生を防止することができる。
【0131】
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施の形態を下記に例示する。
(H01)デューティ比の計測は実施の形態1のようにレジロールの回転開始時にデューティ比計測を終了すると同時に次のデューティ比計測開始を行っているが、レジロール、転写領域Q4、定着ニップQ5の上流側または下流側等のシート搬送路の途中に配置したシートセンサがシート先端または後端を検出した時、給紙開始時等に、デューティ比計測を終了すると同時に次のデューティ比計測開始を行うように構成することが可能である。
(H02)前記デューティ比の計測の終了時および開始時を同時に実行する代わりに、デューティ比の計測終了時から所定時間経過後にデューティ比計測を開始することが可能である。その場合例えば、次のようにすることが可能である。
(H02a)レジロールの上流側に配置したセンサがシート前端を検出した時にデューティ比の計測を終了し、レジロールが回転開始した時に次のデューティ比の計測を開始する。
(H02b)シート搬送路途中に配置したセンサがシート前端を検出した時にデューティ比の計測を終了し、前記シート前端を検出したセンサの下流側に配置した他のセンサが前記シート前端をを検出した時に次のデューティ比の計測を開始する。
(H02c)給紙開始時にデューティ比の計測を終了し、シート搬送路途中に配置したセンサがシート前端を検出した時に次のデューティ比の計測を開始する。
(H03)待機モードの経過後に全ヒータをオフにする代わりに、定着ニップの温度を80℃に保持するようにヒータをオンオフ制御するスリープモードを設けることが可能である。
(H04)本発明は複写機以外の画像形成装置、例えばプリンタ、FAX等にも適用することが可能である。プリンタに適用した場合には、複写機のコピースタートキーUI2の入力信号の代わりに、プリントスタートコマンドが入力されたか否かによりジョブ開始信号の入力が有ったか否かを判断することができる。
(H05)前記実施の形態1においては、デューティ比が閾値以下になったときにジョブを中断して冷却処理を実行しているが、ジョブの中断および冷却処理を実行する代わりに、シートの搬送間隔を長く(PSKパルスの出力間隔を長く)設定して画像記録速度を低下させることにより定着ニップの温度上昇を防止することも可能である。
【0132】
【発明の効果】
前述の本発明の画像形成装置は、下記の効果(E01)を奏することができる。
(E01)定着温度センサで検出できない部分での熱量の蓄積による高温部分が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の画像形成装置の実施の形態1の説明図である。
【図2】図2は前記図1に示す定着装置の拡大図である。
【図3】図3は前記図2のIII−III線断面図である。
【図4】図4は加熱ロールおよび前記加熱ロール内部のヒータh1、h2の発熱量分布図である。
【図5】図5は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロックで示した機能ブロック図である。
【図6】図6は本発明の画像形成装置の実施の形態1の制御部分が備えている各機能をブロックで示した機能ブロック図であり、前記図5の続きの部分を示す図である。
【図7】図7はデューティ比測定枚数基準設定値およびデューティ比閾値記憶テーブルである。
【図8】図8は冷却制御期間決定用データ記憶テーブルの説明図である。
【図9】図9は実施の形態1の画像形成装置の各トレイに収容されたシートの種類およびサイズを設定する処理のフローチャートであり、図9Aはシート種類設定処理、図9Bはシートサイズ設定処理のフローチャートである。
【図10】図10は実施の形態1の画像形成装置の画像記録処理のメインルーチンのフローチャートである。
【図11】図11は前記ST12のサブルーチン(1)であり、デューティ比異常判別処理のフローチャートである。
【図12】図12は図11の前記ST12のサブルーチン(1)であり、前記図11の続きのフローチャートである。
【図13】図13は前記ST12のサブルーチン(2)であり、小サイズシート用ヒータh1のオン時間(ta)の積算処理のフローチャートである。
【図14】図14は前記ST12のサブルーチン(3)であり、大サイズシート用ヒータh2のオン時間(tb)の積算処理のフローチャートである。
【図15】図15は前記ST12のサブルーチン(4)であり、デューティ比計測時間(tc)の計測処理およびデューティ比dの計測処理のフローチャートである。
【図16】図16は前記ST12のサブルーチン(5)であり、プリントスタート基準信号PSKの出力制御処理のフローチャートである。
【図17】図17は前記ST12のサブルーチン(6)であり、ジョブ実行時の各頁m(m=1,2,…)の画像記録動作開始指示信号出力制御処理のフローチャートである。
【図18】図18は前記ST12のサブルーチン(7)であり、ジョブ実行時の各頁番号mの画像記録動作の制御処理のフローチャートである。
【図19】図19は前記ST12のサブルーチン(8)であり、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートである。
【図20】図20は前記ST12のサブルーチン(8)で、ジョブ実行時のヒータ制御処理のフローチャートであり、前記図19の続きのフローチャートである。
【図21】図21は前記図10のST14のサブルーチンであり、待機モード時ヒータ制御処理のサブルーチンである。
【図22】図22は前記図10のST19のサブルーチンであり、第1イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
【図23】図23は前記図10のST18のサブルーチンであり、第2イレーズモードの制御処理のサブルーチンである。
【図24】図24は前記構成を備えた実施の形態1のタイムチャートである。
【図25】図25は制御用デューティ比の検出値によりヒータのオンオフ制御をする場合の有効性を説明するために、使用するシートサイズがA4LEFである場合(大サイズシート用ヒータh2および小サイズシート用ヒータh1を交互に点灯して定着温度制御するシートサイズの場合)に、シートサイズを正常にA4LEFに設定した場合(正常操作の場合)と、誤操作によりシート幅80mm(小サイズシート用ヒータh1のみを点灯制御して定着温度制御すべきシート幅)に設定した場合の定着温度推移およびデューティ比推移を示す図であり、図25Aは正常操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Aは誤操作の場合の定着温度推移を示す図、図25Cは正常操作の場合のデューティ比推移を示す図、図25Dは誤操作の場合のデューティ比推移を示す図である。
【図26】図26は本発明の画像形成装置の実施の形態2の要部説明図であり、制御デューティ比を演算するための大サイズシート用ヒータおよび小サイズシート用ヒータのデューティ比を検出するデューティ比検出回路の説明図である。
【図27】図27は実施の形態2の画像形成装置のデューティ比計測処理のフローチャートで、前記実施の形態1の図15に対応するフローチャートであり、前記図10のST12のサブルーチン(4′)である。
【図28】図28は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図28Aは前記本発明の実施の形態1と同様の配置例を示す図、図28Bはヒータおよび温度センサの配置例の変更例1の説明図、図28Cは同変更例2の説明図、図28Dは同変更例3の説明図である。
【図29】図29は本発明が採用可能なヒータおよび温度センサの配置例の説明図で、図29Aは前記図28Aの配置例に中間サイズシート用ヒータおよび第3温度センサを付加した配置例の変更例4の説明図、図29Bは小サイズシート用ヒータの発熱部の長さが設定した小サイズシート幅よりも長く設定し且つその両端部の発熱部の発熱量は少なく設定されているヒータ配置例の変更例5の説明図である。
【符号の説明】
C4C…デューティ比閾値記憶手段、
C5…デューティ比測定手段、
C7…冷却動作実行手段、
C8…ヒータ制御手段、
d…デューティ比、
d0…デューティ比閾値、
F…定着装置、
Fh,Fp…定着用回転部材、
h1,h2…ヒータ、
Q5…定着ニップ、
SH…シート搬送装置、
SN1,SN2…温度センサ、
T1…検出温度、
(T1ja≦T1≦T1jb)…所定の加熱定着温度、
TMa:小サイズシート用ヒータh1点灯時間検出手段
TMb:大サイズシート用ヒータh2点灯時間検出時間
Claims (17)
- 下記の構成要件(A01)〜(A06)を備えたことを特徴とする画像形成装置、
(A01)互いに圧接しながら回転し且つ互いに圧接する部分により定着ニップを形成する一対の定着用回転部材と、前記定着ニップを加熱する発熱量分布または加熱範囲が異なる複数のヒータであって設定されたシート幅未満の小サイズシートの定着時に必ず使用される小サイズシート用ヒータおよび設定されたシート幅を越える大サイズシートの定着時に必ず使用される大サイズシート用ヒータ(h2)を含む前記複数のヒータとを有し、前記定着ニップを通過するシート上に形成されている未定着トナー像を加熱定着する定着装置、
(A02)未定着トナー像が形成されたシートである未定着シートを前記定着ニップに搬送するシート搬送装置、
(A03)前記定着用回転部材表面の最小幅シートの通紙域の温度を検出する第1温度センサおよび定着用回転部材の前記小サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する第2温度センサを含む複数の温度センサ、
(A04)画像記録動作時に前記第1温度センサの検出温度が所定の加熱定着温度に保持されるように前記複数のヒータを選択点灯させるヒータ制御手段、
(A05)画像記録動作時に所定の期間経過する度に前記複数のヒータの中の1以上のヒータの点灯時間を検出する点灯時間検出手段、
(A06)前記検出されたヒータの点灯時間に応じて前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する冷却動作実行手段。 - 下記の構成要件(A07),(A08)を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置、
(A07)設定されたシート幅未満の小サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記小サイズシート用ヒータ(h1)および最大シート幅のシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記大サイズシート用ヒータ(h2)とを有する前記複数のヒータ(h1,h2)、
(A08))ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。 - 下記の(A09),(A010)を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置、
(A09)小サイズシートの幅よりも広く最大サイズ幅シートのシート幅よりも狭く設定された中間サイズ幅の中間サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記中間サイズシート用ヒータ(h3)を有する前記複数のヒータ(h1,h2,h3)、
(A010))前記中間幅シートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。 - 下記の構成要件(A09),(A011),(A012)を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置、
(A09)小サイズシートの幅よりも広く最大サイズ幅シートのシート幅よりも狭く設定された中間サイズ幅の中間サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記中間サイズシート用ヒータ(h3)を有する前記複数のヒータ(h1,h2,h3)、
(A011)前記定着用回転部材(Fh,Fp)表面の中間幅シートの通紙域の幅方向外端部の温度を検出する第3温度センサ(SN3)および定着用回転部材(Fh,Fp)の前記中間サイズシートの通紙域から離れた部分の表面温度を検出する前記第2温度センサを含む前記複数の温度センサ(SN1,SN2,SN3)、
(A012))前記中間幅シートを定着する際のヒータ(h1,h2,h3)の点灯時に、第3温度センサ(SN3)の検出温度が所定値未満の場合には中間幅シート用ヒータ(h3)を選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)を選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。 - 下記の構成要件(A013),(A014)を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置、
(A013)設定されたシート幅未満の小サイズシートの通紙域の幅とほぼ等しい長さの発熱部分を有する前記小サイズシート用ヒータ(h1)および最大シート幅のシートの通紙域内であって前記小サイズシートの通紙域以外の領域に対応して配置された発熱部分を有する前記大サイズシート用ヒータ(h2)とを有する前記複数のヒータ(h1,h2)。
(A014)ヒータ(h1,h2)の点灯時に、第2温度センサ(SN2)の検出温度が所定値未満の場合には大サイズシート用ヒータ(h2)および小サイズシート用ヒータ(h1)を同時に選択して点灯し、所定値よりも高い場合には小サイズシート用ヒータ(h1)のみを選択して点灯する前記ヒータ制御手段(C8)。 - 下記の構成要件(A015)を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の画像形成装置、
(A015)ヒータの点灯時に充電され且つ非点灯時に放電するヒータ点灯時間検出用コンデンサを有するタンク回路により構成された前記点灯時間検出手段。 - 下記の構成要件(A016)〜(A019)を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかにまたは2記載の画像形成装置、
(A016)小サイズシート用ヒータおよび大サイズシート用ヒータの2個のヒータのみを有する前記複数のヒータ、
(A017)前記定着用回転部材表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサおよび定着用回転部材の最小幅シートが通過しない部分の温度を検出する第2温度センサの2個の温度センサのみを有する前記複数の温度センサ、
(A018)画像記録動作時に所定の期間経過する度に前記小サイズシート用ヒータの点灯時間および大サイズシート用ヒータの点灯時間を検出する前記点灯時間検出手段、
(A019)前記小サイズシート用ヒータの検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータの検出点灯時間をtbとした場合に、(ta+tb)に対するtaまたはtbの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段。 - 下記の構成要件(A016)〜(A018),(A020)を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の画像形成装置、
(A016)小サイズシート用ヒータおよび大サイズシート用ヒータの2個のヒータのみを有する前記複数のヒータ、
(A017)前記定着用回転部材表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサおよび定着用回転部材の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサの2個の温度センサのみを有する前記複数の温度センサ、
(A018)画像記録動作時に所定の期間経過する度に前記小サイズシート用ヒータの点灯時間および大サイズシート用ヒータの点灯時間を検出する前記点灯時間検出手段、
(A020)前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータの検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータの検出点灯時間をtbとした場合に、tcに対する、(ta+tb)、taまたはtbのいずれかの割合が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段。 - 下記の構成要件(A016)〜(A018),(A021)を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の画像形成装置、
(A016)小サイズシート用ヒータおよび大サイズシート用ヒータの2個のヒータのみを有する前記複数のヒータ、
(A017)前記定着用回転部材表面の最小幅シートが通過する部分の温度を検出する第1温度センサおよび定着用回転部材の小サイズシート用ヒータより外側部分の表面温度を検出する第2温度センサの2個の温度センサのみを有する前記複数の温度センサ、
(A018)画像記録動作時に所定の期間経過する度に前記小サイズシート用ヒータの点灯時間および大サイズシート用ヒータの点灯時間を検出する前記点灯時間検出手段、
(A021)前記所定の期間をtc、小サイズシート用ヒータの検出点灯時間をta、大サイズシート用ヒータの検出点灯時間をtbとした場合に、taおよびtbの中の一方の検出時間に対する他方の検出時間の比の値が設定値から外れた場合に、前記定着装置が過熱状態になるのを防止するように前記定着装置の動作を制御する前記冷却動作実行手段。 - 下記の構成要件(A022)を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の画像形成装置、
(A022)連続して給紙されるシートがシート搬送路中の所定の設定位置を所定枚数通過する期間が設定された前記所定期間。 - 下記の構成要件(A023)を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の画像形成装置、
(A023)画像記録動作時に一定時間経過する度に区切られて設定された前記所定期間。 - 下記の構成要件(A024)を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の画像形成装置、
(A024)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻と後の所定期間の開始時刻とが一致している前記複数の所定期間。 - 下記の構成要件(A025)を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の画像形成装置、
(A025)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が遅れて設定されている前記複数の所定期間。 - 下記の構成要件(A026)を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の画像形成装置、
(A026)複数の前記所定期間の中の連続する前の所定期間とその後の所定期間とは前の所定期間の終了時刻に対し、後の所定期間の開始時刻が前に設定されている前記複数の所定期間。 - 下記の構成要件(A027)を備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか記載の画像形成装置、
(A027)前記複数のヒータをオフまたは定着動作中よりも低い温度に制御して定着用回転部材を回転させることにより定着用回転部材の温度を低下させる前記冷却動作実行手段。 - 下記の構成要件(A028)を備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか記載の画像形成装置、
(A028)前記シートの搬送間隔を長くすることにより定着用回転部材の温度を低下させる前記冷却動作実行手段。 - 下記の構成要件(A029)を備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか記載の画像形成装置、
(A029)画像記録動作の速度を低下させることにより定着用回転部材の温度を低下させる前記冷却動作実行手段。
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