JPH1097136A - ファーブラシ現像ローラのブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性一成分トナーを用いたファーブラシ現
像法を使用することによって、トナーへの摩擦帯電量の
増加及び感光体へのトナーの搬送量の増加を図ることが
できながらも、余分なトナーの飛散やカブリを確実に回
避できるファーブラシ現像ローラのブラシを提供する点
にある。 【解決手段】 芯体５表面に現像ブラシ８を構成するブ
ラシ繊維７を植毛保持するための接着剤層６を設けてな
るファーブラシ現像ローラにおいて、前記ブラシ繊維７
を長さの異なる複数種の繊維７Ａ，７Ｂ，７Ｃから構成
していることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真式
の複写機、プリンター、ファクシミリ等の静電像現像方
式を利用する電子写真装置に用いられるファーブラシ現
像ローラ等のファーブラシ現像ローラのブラシに関し、
詳しくは、高電圧を利用して現像ブラシを構成するブラ
シ繊維を帯電し、クーロン力により飛翔させて、芯体表
面にブラシ繊維を接着剤により植毛保持してなるファー
ブラシ現像ローラのブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】上記電子写真装置に用いられる現像装置
には、各種のものが提案され、例えば磁気ローラにより
吸着した磁性トナーを感光体に転写することが行われて
いる。

【０００３】しかしながら、このような磁気ローラを用
いて磁性トナーを供給する方式では、磁気ローラが高価
であるだけでなく、磁気ローラと転写体との間隙の調整
が微妙であり、しばしば0.1mm 単位の精度を必要とし、
その精度を満たすための機構が複雑になる不都合もあっ
た。特に、二成分トナーを用いた場合には、キャリア自
体に寿命があり、例えば１万コピーなしい２万コピー毎
に定期的に交換をする必要があり、その交換作業が手間
のかかる煩わしいものである。また、磁性トナー自身に
異色に近い磁性体を内添することから、非磁性一成分ト
ナーのカラートナー化には技術的に困難であった。

【０００４】上記不都合を解消するために、非磁性トナ
ーを用いた現像法がいくつか提案されている。例えば、
ビーバーの毛のような柔らかい毛を円筒状のブラシにし
て、これに現像剤を付着させて用いるファーブラシ現像
法が知られている。このファーブラシ現像法は、高価な
現像剤を用いる必要がなく、しかもキャリア粒子を用い
て常に一定の現像剤粒子とキャリア粒子との割合に保た
なければならないような複雑な装置を必要としないもの
である。

【０００５】上記ファーブラシ現像法を利用して現像す
る場合には、現像濃度を上げてより鮮明なものを現像す
ることが重要である。このためには、例えばブラシの毛
の長さを長くして毛を柔らかくすることが提案される。
このように長い毛とすれば、摩擦帯電量を増加させて、
トナーへの帯電量を増加させることができるだけでな
く、ブラシ間に入るトナーの量が多くなるとともに、感
光体との接触面積も増加することから、感光体へのトナ
ーの搬送量が増加し、現像ローラのスピードアップを図
ることができる。

【０００６】しかしながら、上記のように長い毛を用い
ることによって、摩擦帯電量を増加させることができる
とともに、感光体へのトナーの搬送量も増加させること
ができるのであるが、感光体へのトナーの搬送量が必要
以上に増加すると、余分なトナーが飛散してしまった
り、未帯電トナーが増えることにより、「カブリ」が発
生することがあり、感光体へのトナーの搬送量をある程
度抑える必要が発生していた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、非磁性一成分トナー
を用いたファーブラシ現像法を使用することによって、
トナーへの摩擦帯電量の増加及び感光体へのトナーの搬
送量の増加を図ることができながらも、余分なトナーの
飛散やカブリを確実に回避できるファーブラシ現像ロー
ラのブラシを提供する点にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、芯体表面に現像ブラシを構成するブラシ繊
維を植毛保持するための接着剤層を設けてなるファーブ
ラシ現像ローラにおいて、前記ブラシ繊維を長さの異な
る複数種の繊維からファーブラシ現像ローラのブラシを
構成している。このように長いブラシ繊維を用いること
によって、摩擦帯電量を多くすることができる。そし
て、これら長いブラシ繊維間に短いブラシ繊維を配置す
ることによって、長いブラシ繊維の横側部と短いブラシ
繊維の先端部とで形成される空間内に安定よくトナーを
入り込み保持することができるとともに、これら長いブ
ラシ繊維間に配置された短いブラシ繊維が感光体との接
触幅が少ないため、短いブラシ繊維によるトナーの搬送
量を少なくすることができ、全体のトナーの搬送量が不
必要に増加することを抑えることができる。つまり、ブ
ラシ繊維の長さを変更することによって、トナーの搬送
量を調整することができるのである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１に、ファーブラシ現像装置が
示されている。このファーブラシ現像装置は、時計周り
に回転自在な感光体１と、この感光体１の表面に接触さ
せて現像するために反時計周りに回転自在な現像ローラ
２と、この現像ローラ２にトナー３を供給するためのト
ナー供給ボックス４とから構成している。前記感光体１
及び現像ローラ２の回転方向は、前記方向に限定される
ものではない。

【００１０】図２及び図３に示すように、前記現像ロー
ラ２は、回転自在な芯体５と、この芯体５の表面に塗布
される接着剤層６と、この接着剤層６に静電植毛される
多数のブラシ繊維７・・からなる現像ブラシ８とから構
成されている。

【００１１】前記ブラシ繊維７を、長さの異なる複数種
（図では２種類）の繊維７Ａ，７Ｂから構成している。
つまり、長いブラシ繊維７Ａ，７Ａ間に１本又は２本の
短いブラシ繊維７Ｂを配置することによって、長いブラ
シ繊維７Ａの横側部７ａと短いブラシ繊維７Ｂの先端部
７ｂとで形成される空間９内に安定よくトナーを入り込
み保持することができるとともに、短いブラシ繊維７Ａ
によるトナーの搬送量を少なくすることができるのであ
る。従って、短いブラシ繊維７Ａの長さ及び接着剤層６
に植毛する本数を変更することによって、トナーの搬送
量を調整することができる。又、図４及び図５に示すよ
うに、前記ブラシ繊維７を、長さの異なる３種類の繊維
７Ａ，７Ｂ，７Ｃから構成してもよいし、長さの異なる
４種類以上の繊維から構成してもよい。

【００１２】前記芯体５は、鉄、アルミ、ステンレス、
黄銅等の金属から構成する他、前記接着剤層６を導電性
の接着剤にて構成した場合、静電植毛時にアースが取れ
る構造とするためにメッキ処理等の導電性処理を施した
プラスチックや紙等でもよい。また、芯体５の表面をガ
ラスビーズやアルミ粉等を高速で衝突させて表面を粗す
ブラスト処理を行うことにより、接着剤との接着性を向
上させることができる。また、芯体５を中空円筒状に
し、両端にフランジを取り付けた構造にすることによっ
て、軽量化を図り、製造コスト及び回転のためのランニ
ングコストを下げることができる。

【００１３】前記接着剤層６を構成する接着剤の種類と
しては、酢酸ビニール系、アクリル系、ウレタン系、エ
ポキシ系等の接着剤が利用できる。また、現像ローラ２
の抵抗を制御するために前記構成の接着剤にカーボンや
金属粉等の導電付与剤を添加することも可能である。前
記接着剤自体を弾性を有したもので構成することによっ
て、接着剤層６に弾性機能を有するように構成して、毛
が動き易く柔らかな現像ブラシ７になるし、感光体１と
の接触幅が広くなる等の利点もある。この弾性体層に代
えて、接着剤自体を弾性を有したもので構成することに
よって、接着剤層６に弾性機能を有するように構成して
もよい。この弾性機能を有する接着剤層６を構成する樹
脂組成物としては、導電性又は半導電性を有し、且つ、
反応性有機材料を含む樹脂組成物が使用できる。この樹
脂組成物としては、主成分がオキシアルキレン系、飽和
炭化水素系、ウレタン系、又はシロキサン系であり、且
つ、硬化反応により液状物から固体になる反応性有機材
料を含むものが挙げられる。前記接着剤の粘度を３００
０ＣＰＳ〜１００００ＣＰＳの範囲に設定することが好
ましい。

【００１４】前記現像ブラシ８としては、ナイロン、レ
ーヨン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、塩ビ等の
樹脂繊維からなり、また、導電性を有する繊維から構成
してもよい。また、前記現像ブラシ８の表面処理とし
て、静電植毛の際に飛翔し易いように電気伝導度、誘電
率、ブラシ繊維の分離性（ほつれ易さ）、繊維の湿度調
整等を目的に無機塩類、界面活性剤等で処理をしてもよ
い。また、ブラシ繊維７が雰囲気湿度で吸湿することに
よりローラ抵抗が変化し、特性が不安定になることを防
ぐために繊維の種類により、防湿処理することもある。

【００１５】前記現像ローラ２の抵抗について説明すれ
ば、例えば現像ローラ２の抵抗が高いと、バイアス電圧
がかかり難いため、トナーへの摩擦帯電が進行されず、
濃度が薄い画像になる。又、現像ローラ２の抵抗が低す
ぎると、感光体１との間で電荷やバイアス電圧がリーク
し、画像ムラや感光体１が破損する。このことから、現
像ローラ２の抵抗値を適度に制御する必要があり、その
手段として前述のように導電性の接着剤やブラシ繊維を
使用することになるのである。この導電性を持たすため
に導電性カーボンや金属粉、金属酸化物粉等を添加した
り、又、界面活性剤や導電性高分子樹脂を添加する方法
がある。いずれも接着剤や繊維の表面処理に使用する。
ブラシ繊維については、市販されている導電繊維を使用
してもよい。

【００１６】現像ブラシ８の植毛方法について説明すれ
ば、高電圧を印加することによりブラシ繊維７が静電誘
導で帯電し、クーロン力により飛翔し、目的物の接着剤
層６表面に投錨されることにより植毛されるのである。
本発明は、ファーブラシ現像ローラだけでなく、電子写
真周辺のローラ、例えば感光体を帯電させる帯電ローラ
や感光体から紙へ転写する際にトナーの電荷を除去、転
写する転写ローラ等にも応用することも可能であり、
又、複写機に限らず、プリンターやファクシミリ等の静
電像現像方式を利用する各種電子写真装置に適応するこ
ともできる。

【００１７】

【発明の効果】非磁性一成分トナーを用いたファーブラ
シ現像法を使用し、長いブラシ繊維を設けることによっ
て、トナーへの摩擦帯電量の増加及び感光体へのトナー
の搬送量の増加を図ることができながらも、短いブラシ
繊維を設けるだけで感光体へのトナーの搬送量の調整を
行うことができるから、余分なトナーの飛散や「カブ
リ」を確実に回避できるファーブラシ現像ローラのブラ
シを提供することができる。しかも、長さの異なるブラ
シ繊維を配置することによって、形成される空間により
トナーを安定よく保持することができ、感光体へのトナ
ーの搬送をより一層確実に行うことができる。従って、
画像濃度を高めながらも、余分なトナーの飛散やカブリ
を確実に回避することを、特別な機構等を用いることな
く、長さの異なるブラシ繊維を用いるだけで達成するこ
とができ、コスト面においても有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】現像装置の構成を示す縦断側面図

【図２】ブラシ繊維の植毛部分の要部を示す縦断正面図

【図３】ブラシ繊維の植毛部分の要部を示す縦断側面図

【図４】ブラシ繊維の植毛部分の要部の別の形態を示す
縦断正面図

【図５】ブラシ繊維の植毛部分の要部の別の形態を示す
縦断側面図

【符号の説明】

１ 感光体 ２ 現像ローラ ３ トナー ４ トナー供給ボックス ５ 芯体 ６ 接着剤層 ７ ブラシ繊維 7A 長いブラシ繊維 7B,7C 短いブラシ繊維 7a 横側部 7b 先端部 ８ 現像ブラシ ９ 空間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯体表面に現像ブラシを構成するブラシ
   繊維を植毛保持するための接着剤層を設けてなるファー
   ブラシ現像ローラにおいて、前記ブラシ繊維を長さの異
   なる複数種の繊維から構成していることを特徴とするフ
   ァーブラシ現像ローラのブラシ。