JPH10964A - 自動変速機の制御方法及び装置 - Google Patents
自動変速機の制御方法及び装置Info
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- JPH10964A JPH10964A JP8154289A JP15428996A JPH10964A JP H10964 A JPH10964 A JP H10964A JP 8154289 A JP8154289 A JP 8154289A JP 15428996 A JP15428996 A JP 15428996A JP H10964 A JPH10964 A JP H10964A
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- control
- shift
- torque
- automatic transmission
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- Control Of Transmission Device (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ライン圧のフィードバック制御をベースとす
る自動変速機の変速制御システムにおいて、トルクダウ
ン制御を併用することによる不具合の解決を目的とす
る。 【解決手段】 変速時には、ライン圧をまず初期圧力P
iに設定する(ステップ210〜240)。そして、フ
ィードバック制御の開始条件となったら、まず、トルク
ダウンが必要なエンジン高出力領域にあるか判定し、ト
ルクダウン領域にある場合はトルクダウン要求を出力す
る(ステップ250〜300)。そして、通常よりもゲ
インを低下させたフィードバック制御を実行する(ステ
ップ310,320)。一方、トルクダウン領域でなけ
れば、通常のゲインによるフィードバック制御を行う
(ステップ340〜360)。これにより、ライン圧の
過剰な低下による駆動トルクの変動を低減し、変速終了
時の変速ショックを和らげる。
る自動変速機の変速制御システムにおいて、トルクダウ
ン制御を併用することによる不具合の解決を目的とす
る。 【解決手段】 変速時には、ライン圧をまず初期圧力P
iに設定する(ステップ210〜240)。そして、フ
ィードバック制御の開始条件となったら、まず、トルク
ダウンが必要なエンジン高出力領域にあるか判定し、ト
ルクダウン領域にある場合はトルクダウン要求を出力す
る(ステップ250〜300)。そして、通常よりもゲ
インを低下させたフィードバック制御を実行する(ステ
ップ310,320)。一方、トルクダウン領域でなけ
れば、通常のゲインによるフィードバック制御を行う
(ステップ340〜360)。これにより、ライン圧の
過剰な低下による駆動トルクの変動を低減し、変速終了
時の変速ショックを和らげる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の制御
方法及び装置に関する。
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機では、変速歯車機構の各種摩
擦要素(クラッチやブレーキ等)をライン圧により選択
的に油圧作動させることによって変速段を選択してい
る。そして、油圧作動する摩擦要素を変更することによ
り他の変速段への変速を行うようになっている。
擦要素(クラッチやブレーキ等)をライン圧により選択
的に油圧作動させることによって変速段を選択してい
る。そして、油圧作動する摩擦要素を変更することによ
り他の変速段への変速を行うようになっている。
【0003】アップシフトを例に変速の様子を説明する
と、図12に実線で示すように、変速開始によって摩擦
要素が切り換えられると、新たに係合されることとなっ
た摩擦要素の作動油圧P1が上昇し始め、最終的にはラ
イン圧PLと一致するようになる。この間、入力軸回転
数Ntは摩擦要素の係合の進行と共に低下し、係合完了
により再び上昇に転ずる。すると、変速機出力軸の駆動
トルクTは、変速開始時に一旦低下した後で係合の進行
に伴って右上がりに上昇し、係合完了時にピークを迎え
る。ここで、図中斜線で示した部分は、変速前後におけ
るイナーシャエネルギーの差に相当し、これらが変速過
渡状態であるイナーシャ相期間において摩擦熱として放
出される。ところで、図示の状態では、変速完了時の駆
動トルクTの変動量が大きいので、このままでは大きな
変速ショックが発生する。
と、図12に実線で示すように、変速開始によって摩擦
要素が切り換えられると、新たに係合されることとなっ
た摩擦要素の作動油圧P1が上昇し始め、最終的にはラ
イン圧PLと一致するようになる。この間、入力軸回転
数Ntは摩擦要素の係合の進行と共に低下し、係合完了
により再び上昇に転ずる。すると、変速機出力軸の駆動
トルクTは、変速開始時に一旦低下した後で係合の進行
に伴って右上がりに上昇し、係合完了時にピークを迎え
る。ここで、図中斜線で示した部分は、変速前後におけ
るイナーシャエネルギーの差に相当し、これらが変速過
渡状態であるイナーシャ相期間において摩擦熱として放
出される。ところで、図示の状態では、変速完了時の駆
動トルクTの変動量が大きいので、このままでは大きな
変速ショックが発生する。
【0004】このため、従来の自動変速機では、同図に
一点鎖線で示す様に、変速所要時間を設定しておき、こ
の間に入力軸回転数を一定勾配で緩やかに変化させるよ
うにライン圧をフィードバック制御することで駆動トル
クTの変動幅を抑え、変速ショックをなくす方法が採用
されるようになっている(例えば、特開昭63−928
61号公報)。
一点鎖線で示す様に、変速所要時間を設定しておき、こ
の間に入力軸回転数を一定勾配で緩やかに変化させるよ
うにライン圧をフィードバック制御することで駆動トル
クTの変動幅を抑え、変速ショックをなくす方法が採用
されるようになっている(例えば、特開昭63−928
61号公報)。
【0005】ところで、最近では、変速ショックを低減
する方法として、イナーシャ相期間において点火遅角や
燃料カットなどのトルクダウン制御を行ってエンジンの
出力を低下させる方法が採用されている(例えば、特公
昭63−53388号公報)。こうすることにより、図
12に二点鎖線で示す様に、変速過渡状態における駆動
トルクTを全体に低下させ、変速完了時の変動幅を小さ
くしているのである。
する方法として、イナーシャ相期間において点火遅角や
燃料カットなどのトルクダウン制御を行ってエンジンの
出力を低下させる方法が採用されている(例えば、特公
昭63−53388号公報)。こうすることにより、図
12に二点鎖線で示す様に、変速過渡状態における駆動
トルクTを全体に低下させ、変速完了時の変動幅を小さ
くしているのである。
【0006】しかしながら、変速時にいつもトルクダウ
ンを行うというわけではないので、このトルクダウン制
御を採用しただけでは、トルクダウン制御を行わない条
件の場合には実線で示した通り変速ショックを低減する
ことができない状態ができてしまう。
ンを行うというわけではないので、このトルクダウン制
御を採用しただけでは、トルクダウン制御を行わない条
件の場合には実線で示した通り変速ショックを低減する
ことができない状態ができてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このため、発明者ら
は、フィードバック制御をベースとしておき、エンジン
負荷の高い状態において変速を行う場合には、さらにト
ルクダウン制御をも行うシステムの採用を考えた。
は、フィードバック制御をベースとしておき、エンジン
負荷の高い状態において変速を行う場合には、さらにト
ルクダウン制御をも行うシステムの採用を考えた。
【0008】しかしながら、かかるシステムについてシ
ミュレーションをして見ると、図13に示す様に、変速
完了時に駆動トルクTに小山が発生し、これによる変速
ショックが気になるという問題が生じてきた。即ち、ト
ルクダウン制御を実行しない場合には、入力軸回転数の
低下はフィードバック制御により目標とする軌跡によく
一致されるが、トルクダウン制御を実行する場合には、
入力軸トルクの低下が入力軸回転数の低下を支配する。
そのため、トルクダウン制御とフィードバック制御が同
時に実行されるシステムでは、入力軸回転数の変化(変
速の進行)が目標値からずれた分をフィードバック系が
補正しようとするが、回転数変化はトルクダウン制御が
支配しているので、フィードバック系が過剰な補正出力
を出すこととなり、トルクダウン制御終了時に極端な圧
力過剰、または圧力不足の状態となって大きな変速ショ
ックを発生させてしまうのである。
ミュレーションをして見ると、図13に示す様に、変速
完了時に駆動トルクTに小山が発生し、これによる変速
ショックが気になるという問題が生じてきた。即ち、ト
ルクダウン制御を実行しない場合には、入力軸回転数の
低下はフィードバック制御により目標とする軌跡によく
一致されるが、トルクダウン制御を実行する場合には、
入力軸トルクの低下が入力軸回転数の低下を支配する。
そのため、トルクダウン制御とフィードバック制御が同
時に実行されるシステムでは、入力軸回転数の変化(変
速の進行)が目標値からずれた分をフィードバック系が
補正しようとするが、回転数変化はトルクダウン制御が
支配しているので、フィードバック系が過剰な補正出力
を出すこととなり、トルクダウン制御終了時に極端な圧
力過剰、または圧力不足の状態となって大きな変速ショ
ックを発生させてしまうのである。
【0009】なお、フィードバック制御に関しては、例
えば、特開平2−3768号公報に提案されるように、
変速完了前のある時点を検知して、そこからはフィード
バック制御に代えて見込み制御を行い、ライン圧をステ
ップ的に低下せしめるという方法がある。しかし、この
制御方法では、変速終期にライン圧を見込み制御でさら
に低下させるので、摩擦要素の係合完了を遅らせ、変速
期間を長引かせるという不具合が生じ得る。また、変速
終期の判定はあくまでも予測となるため、ばらつきや誤
差が考えられ、制御が安定しないという不具合もある。
特に、トルクダウン制御を行うと変速期間が短縮される
ので、かかる見込み制御では安定した特性を発揮するこ
とができない。
えば、特開平2−3768号公報に提案されるように、
変速完了前のある時点を検知して、そこからはフィード
バック制御に代えて見込み制御を行い、ライン圧をステ
ップ的に低下せしめるという方法がある。しかし、この
制御方法では、変速終期にライン圧を見込み制御でさら
に低下させるので、摩擦要素の係合完了を遅らせ、変速
期間を長引かせるという不具合が生じ得る。また、変速
終期の判定はあくまでも予測となるため、ばらつきや誤
差が考えられ、制御が安定しないという不具合もある。
特に、トルクダウン制御を行うと変速期間が短縮される
ので、かかる見込み制御では安定した特性を発揮するこ
とができない。
【0010】また、トルクダウン制御に関しては、例え
ば、トルクダウン時にはライン圧を低下させてトルク変
化を緩やかにする方法(特開平3−168469号公
報)、さらにトルクダウン量に応じてライン圧の低下量
を変える様にする方法(特公平6−15308号公
報)、あるいはトルクダウン量に応じてライン圧の低下
時期及び低下量を決定するようにした方法(特開平3−
84259号公報)が知られている。これらは、トルク
ダウン制御時の変速期間を長くとることで変速ショック
をさらに和らげようというものである。
ば、トルクダウン時にはライン圧を低下させてトルク変
化を緩やかにする方法(特開平3−168469号公
報)、さらにトルクダウン量に応じてライン圧の低下量
を変える様にする方法(特公平6−15308号公
報)、あるいはトルクダウン量に応じてライン圧の低下
時期及び低下量を決定するようにした方法(特開平3−
84259号公報)が知られている。これらは、トルク
ダウン制御時の変速期間を長くとることで変速ショック
をさらに和らげようというものである。
【0011】これとは逆に、トルクダウンと同期してラ
イン圧をアップする方法も提案されている(特開平2−
189238号公報)。これは、トルクダウンによる駆
動トルクの低下を相殺し、変速過渡時におけるトルク変
化を少なくしようというものである。
イン圧をアップする方法も提案されている(特開平2−
189238号公報)。これは、トルクダウンによる駆
動トルクの低下を相殺し、変速過渡時におけるトルク変
化を少なくしようというものである。
【0012】しかし、これらトルクダウン制御に関する
提案は、いずれもフィードバック制御をベースにしたも
のではなく、発明者らが問題とする上記の課題とは異質
の課題を解決するための技術であって、参考にならな
い。そこで、本発明は、ライン圧のフィードバック制御
をベースとするシステムにおいて、トルクダウン制御を
併用することによる不具合の解決を目的とする。
提案は、いずれもフィードバック制御をベースにしたも
のではなく、発明者らが問題とする上記の課題とは異質
の課題を解決するための技術であって、参考にならな
い。そこで、本発明は、ライン圧のフィードバック制御
をベースとするシステムにおいて、トルクダウン制御を
併用することによる不具合の解決を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による自動変速機
の制御方法は、イナーシャ相期間におけるライン圧のフ
ィードバック制御をベースとし、変速実行時にエンジン
側でトルクダウン制御が実行される場合には、フィード
バック制御の作用を低下せしめることを特徴とする。こ
うすることで、トルクダウン制御時にはフィードバック
制御による過剰な補正をなくし、変速終了時の駆動トル
ク変化を小さくすることができる。しかも、フィードバ
ック制御をベースとするシステムなので、トルクダウン
制御を行わない状態では目標とする変速期間で変速ショ
ックの生じない制御を実施できる。また、トルクダウン
制御であるか否かによりフィードバック制御の作用を低
下するか否かを決定するので、変速終期の判定を行う必
要がなく、特開平2−3768号公報の提案に関して前
述したような制御の不安定化を招くおそれもない。
の制御方法は、イナーシャ相期間におけるライン圧のフ
ィードバック制御をベースとし、変速実行時にエンジン
側でトルクダウン制御が実行される場合には、フィード
バック制御の作用を低下せしめることを特徴とする。こ
うすることで、トルクダウン制御時にはフィードバック
制御による過剰な補正をなくし、変速終了時の駆動トル
ク変化を小さくすることができる。しかも、フィードバ
ック制御をベースとするシステムなので、トルクダウン
制御を行わない状態では目標とする変速期間で変速ショ
ックの生じない制御を実施できる。また、トルクダウン
制御であるか否かによりフィードバック制御の作用を低
下するか否かを決定するので、変速終期の判定を行う必
要がなく、特開平2−3768号公報の提案に関して前
述したような制御の不安定化を招くおそれもない。
【0014】ここで、前記フィードバック制御の作用を
低下せしめる方法としては、例えば、フィードバック制
御ゲインを低下させる方法を採用することができる。フ
ィードバックゲインを低下することで、トルクダウンに
支配されている入力軸回転数変化をいたずらに補正し過
ぎなくなり、ライン圧の著しい過剰や不足を招くことが
ない。
低下せしめる方法としては、例えば、フィードバック制
御ゲインを低下させる方法を採用することができる。フ
ィードバックゲインを低下することで、トルクダウンに
支配されている入力軸回転数変化をいたずらに補正し過
ぎなくなり、ライン圧の著しい過剰や不足を招くことが
ない。
【0015】また、トルクダウン制御時にはフィードバ
ック制御を行わない様にしてもよい。こうすることで、
ライン圧は一定に保たれ、ライン圧の過剰や不足が生じ
ない。なお、フィードバック制御とトルクダウン制御と
の切り換えではなく、フィードバック制御のゲインを0
にすることで実質的にフィードバック制御を行わないの
と同じにしてもよい。この場合、システム全体をフィー
ドバック系として構成できるという利点がある。
ック制御を行わない様にしてもよい。こうすることで、
ライン圧は一定に保たれ、ライン圧の過剰や不足が生じ
ない。なお、フィードバック制御とトルクダウン制御と
の切り換えではなく、フィードバック制御のゲインを0
にすることで実質的にフィードバック制御を行わないの
と同じにしてもよい。この場合、システム全体をフィー
ドバック系として構成できるという利点がある。
【0016】また、システム全体をフィードバック系と
して構成するに当たっては、ゲインを低下させる方法で
はなく、トルクダウン制御実行時にフィードバック制御
を行わなかったとした場合の入力軸回転数の変化を目標
軌跡としてフィードバック制御を行うようにしてもよ
い。
して構成するに当たっては、ゲインを低下させる方法で
はなく、トルクダウン制御実行時にフィードバック制御
を行わなかったとした場合の入力軸回転数の変化を目標
軌跡としてフィードバック制御を行うようにしてもよ
い。
【0017】この方法を採用することで、トルクダウン
制御時には実質的にフィードバック制御を行わないのと
同じ結果が得られる。しかし、フィードバック制御によ
ってライン圧を増減するので、車両の個体としての特性
のばらつきや経年変化を吸収し、どの車両でも、常に、
理想的なトルクダウン制御を実現することができるとい
う効果がある。従って、この方法は、上述のフィードバ
ック制御をやめてしまうという方法や、ゲインを0にす
るという方法よりも優れたものといえる。
制御時には実質的にフィードバック制御を行わないのと
同じ結果が得られる。しかし、フィードバック制御によ
ってライン圧を増減するので、車両の個体としての特性
のばらつきや経年変化を吸収し、どの車両でも、常に、
理想的なトルクダウン制御を実現することができるとい
う効果がある。従って、この方法は、上述のフィードバ
ック制御をやめてしまうという方法や、ゲインを0にす
るという方法よりも優れたものといえる。
【0018】一方、トルクダウン制御を実行するか否か
とは無関係に、変速過渡時におけるライン圧の変化量が
所定範囲を外れない様にフィードバック制御を制限する
方法としてもよい。こうすることで、トルクダウン制御
が実行された場合に様に、フィードバック制御により大
きな補正がなされてライン圧が変化するとき、この変化
量を著しく増大させることがない。よって、トルクダウ
ン制御時における変速ショックを有効に低減することが
できる。この制御では、変速終了時の予測等を特に行う
必要がなく、ばらつきのない変速低減制御を可能にする
ことができる。
とは無関係に、変速過渡時におけるライン圧の変化量が
所定範囲を外れない様にフィードバック制御を制限する
方法としてもよい。こうすることで、トルクダウン制御
が実行された場合に様に、フィードバック制御により大
きな補正がなされてライン圧が変化するとき、この変化
量を著しく増大させることがない。よって、トルクダウ
ン制御時における変速ショックを有効に低減することが
できる。この制御では、変速終了時の予測等を特に行う
必要がなく、ばらつきのない変速低減制御を可能にする
ことができる。
【0019】この制御方法において、前記所定範囲は、
トルクダウン制御が実行されない変速時にはフィードバ
ック制御を制限することとならない範囲として定めるこ
とができる。また、本発明による自動変速機の制御装置
は、請求項に記載したような入力軸回転数検出手段、目
標軌跡付与手段及びライン圧制御手段を用いて、変速過
渡時においては、目標軌跡に沿って入力軸回転数が変化
するようにライン圧をフィードバック制御し、エンジン
側でトルクダウン制御が実行されるか否かをトルクダウ
ン判定手段で判定し、トルクダウン制御が実行される場
合には、フィードバック制御の作用を低下せしめる作用
低下手段を作動させるようにしたものである。
トルクダウン制御が実行されない変速時にはフィードバ
ック制御を制限することとならない範囲として定めるこ
とができる。また、本発明による自動変速機の制御装置
は、請求項に記載したような入力軸回転数検出手段、目
標軌跡付与手段及びライン圧制御手段を用いて、変速過
渡時においては、目標軌跡に沿って入力軸回転数が変化
するようにライン圧をフィードバック制御し、エンジン
側でトルクダウン制御が実行されるか否かをトルクダウ
ン判定手段で判定し、トルクダウン制御が実行される場
合には、フィードバック制御の作用を低下せしめる作用
低下手段を作動させるようにしたものである。
【0020】この装置の作用効果は、方法について上述
した通りである。また、作用低下手段としては、これも
また制御方法について説明したと同様に、フィードバッ
ク制御ゲインを低下させる手段、フィードバック制御を
行わない様にする手段などとして構成することができ
る。
した通りである。また、作用低下手段としては、これも
また制御方法について説明したと同様に、フィードバッ
ク制御ゲインを低下させる手段、フィードバック制御を
行わない様にする手段などとして構成することができ
る。
【0021】また、トルクダウン制御実行時にフィード
バック制御を行わなかったとした場合の入力軸回転数の
変化を目標軌跡として付与する手段として構成すること
もできる。この場合、前記作用低下手段を、トルクダウ
ン制御実行時にフィードバック制御を行わなかったとし
た場合の入力軸回転数の変化に関する情報を、変速及び
トルクダウンの条件毎に予め記憶しておき、該記憶内容
に基づいて前記目標軌跡を付与する手段として構成する
とよい。
バック制御を行わなかったとした場合の入力軸回転数の
変化を目標軌跡として付与する手段として構成すること
もできる。この場合、前記作用低下手段を、トルクダウ
ン制御実行時にフィードバック制御を行わなかったとし
た場合の入力軸回転数の変化に関する情報を、変速及び
トルクダウンの条件毎に予め記憶しておき、該記憶内容
に基づいて前記目標軌跡を付与する手段として構成する
とよい。
【0022】さらに、これら装置において、特に、エン
ジン制御と変速機制御とを別々のコンピュータで実行す
るシステムである場合には、変速時のエンジン負荷に応
じて、エンジン側に対してトルクダウン制御を要求する
トルクダウン要求手段を備え、前記トルクダウン判定手
段は、該要求に応じてエンジン側がトルクダウンを実際
に実行することを確認する手段として構成するとよい。
ジン制御と変速機制御とを別々のコンピュータで実行す
るシステムである場合には、変速時のエンジン負荷に応
じて、エンジン側に対してトルクダウン制御を要求する
トルクダウン要求手段を備え、前記トルクダウン判定手
段は、該要求に応じてエンジン側がトルクダウンを実際
に実行することを確認する手段として構成するとよい。
【0023】この様に別々のコンピュータでエンジンと
変速機とを制御するとき、トルクダウン要求は変速機側
コンピュータが判断するけれども、実際のトルクダウン
制御はエンジン側コンピュータが行う。そして、エンジ
ン側では、例えば、暖機中などの場合にはトルクダウン
要求があってもこれを実行しない。このため、トルクダ
ウン要求を出しただけでトルクダウン実行と判定してし
まうと本来通常のフィードバック制御を行わねばならな
いときにこれが行われなくなってしまって変速ショック
を生じるおそれがある。上述の如くトルクダウン要求に
応じて実際にトルクダウンを実行することを確認する構
成を採用することで、この問題を解決することができ
る。
変速機とを制御するとき、トルクダウン要求は変速機側
コンピュータが判断するけれども、実際のトルクダウン
制御はエンジン側コンピュータが行う。そして、エンジ
ン側では、例えば、暖機中などの場合にはトルクダウン
要求があってもこれを実行しない。このため、トルクダ
ウン要求を出しただけでトルクダウン実行と判定してし
まうと本来通常のフィードバック制御を行わねばならな
いときにこれが行われなくなってしまって変速ショック
を生じるおそれがある。上述の如くトルクダウン要求に
応じて実際にトルクダウンを実行することを確認する構
成を採用することで、この問題を解決することができ
る。
【0024】また、本発明では、トルクダウン実行の有
無の判定とは特に関係なしに、変速過渡時におけるライ
ン圧の変化量が所定範囲を外れない様にフィードバック
制御を制限する制限手段を備える制御装置も完成してい
る。この場合、前記所定範囲は、トルクダウン制御が実
行されない変速時にはフィードバック制御を制限するこ
ととならない範囲として定めるとよい。
無の判定とは特に関係なしに、変速過渡時におけるライ
ン圧の変化量が所定範囲を外れない様にフィードバック
制御を制限する制限手段を備える制御装置も完成してい
る。この場合、前記所定範囲は、トルクダウン制御が実
行されない変速時にはフィードバック制御を制限するこ
ととならない範囲として定めるとよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、いくつかの実施例を説明する。 [実施例1]図1は、本発明のライン圧制御装置を内蔵
した自動変速機制御系の全体構成を示している。
き、いくつかの実施例を説明する。 [実施例1]図1は、本発明のライン圧制御装置を内蔵
した自動変速機制御系の全体構成を示している。
【0026】電子制御エンジン1は、自動変速機2とデ
ファレンシャルギア3を介して駆動車輪4に接続され
る。エンジン1はエンジン制御コンピュータ5を備え、
このコンピュータにはエンジン回転数を検出するエンジ
ン回転センサ6、車速(自動変速機の出力軸回転数)を
検出する車速センサ7、エンジンのスロットル開度を検
出するスロットルセンサ8、及び吸入空気量を検出する
吸入空気量センサ9の各信号が入力される。
ファレンシャルギア3を介して駆動車輪4に接続され
る。エンジン1はエンジン制御コンピュータ5を備え、
このコンピュータにはエンジン回転数を検出するエンジ
ン回転センサ6、車速(自動変速機の出力軸回転数)を
検出する車速センサ7、エンジンのスロットル開度を検
出するスロットルセンサ8、及び吸入空気量を検出する
吸入空気量センサ9の各信号が入力される。
【0027】コンピュータ5は、これら入力情報を基に
燃料噴射量を決定してエンジン1に指令を出し、また図
示しないが点火信号をエンジン1に供給する。この指令
に応じて、図示しない燃料供給装置、点火装置が作動
し、エンジン1の回転に合わせて燃料の供給と燃焼が行
われ、エンジンを運転する。
燃料噴射量を決定してエンジン1に指令を出し、また図
示しないが点火信号をエンジン1に供給する。この指令
に応じて、図示しない燃料供給装置、点火装置が作動
し、エンジン1の回転に合わせて燃料の供給と燃焼が行
われ、エンジンを運転する。
【0028】また自動変速機2は、トルクコンバータ1
0、変速歯車機構11を備え、エンジン1から供給され
る動力は、トルクコンバータ10を経て変速歯車機構1
1の入力軸12に伝達される。入力軸12への変速機入
力回転は変速歯車機構11の選択変速段に応じ増減速さ
れて出力軸13に至り、この出力軸13からデファレン
シャルギア3を経て駆動車輪4に達して、自動車を走行
させる事が出来る。
0、変速歯車機構11を備え、エンジン1から供給され
る動力は、トルクコンバータ10を経て変速歯車機構1
1の入力軸12に伝達される。入力軸12への変速機入
力回転は変速歯車機構11の選択変速段に応じ増減速さ
れて出力軸13に至り、この出力軸13からデファレン
シャルギア3を経て駆動車輪4に達して、自動車を走行
させる事が出来る。
【0029】この自動変速機2の詳細な構成は図2に示
す如く公知の物であるため、その詳細な説明は省略する
が、変速歯車機構11は、入力軸12から出力軸13へ
の動力伝達経路(変速段)を決定するクラッチやブレー
キなどの各種摩擦要素を内蔵している。
す如く公知の物であるため、その詳細な説明は省略する
が、変速歯車機構11は、入力軸12から出力軸13へ
の動力伝達経路(変速段)を決定するクラッチやブレー
キなどの各種摩擦要素を内蔵している。
【0030】変速歯車機構11には、変速制御コンピュ
ータ14からの指令に基づき駆動されるコントロールバ
ルブ15から適宜油圧が供給され、その油圧を各種摩擦
要素に作動させることで変速を実現している。コントロ
ールバルブ15には、コンピュータ14の指令で変速段
毎に油圧を供給する経路を切り換える変速制御ソレノイ
ド15a,b、油圧の大きさを制御するライン圧制御ソ
レノイド16がある。本実施例においては、2本の変速
制御ソレノイドを用いる構成としたが、変速段数やコン
トロールバルブ15内部の構成に応じて、ソレノイドの
本数を増やしても良い。また変速過渡時の作動油の急速
な充填、排出のためのタイミングを調節するソレノイド
を追加しても良い。さらにライン圧制御ソレノイド16
としては、本実施例では以下デューティソレノイドとし
て説明するが、油圧を可変に出来る機構の物であればリ
ニアソレノイドなど他の手段を用いても良い。
ータ14からの指令に基づき駆動されるコントロールバ
ルブ15から適宜油圧が供給され、その油圧を各種摩擦
要素に作動させることで変速を実現している。コントロ
ールバルブ15には、コンピュータ14の指令で変速段
毎に油圧を供給する経路を切り換える変速制御ソレノイ
ド15a,b、油圧の大きさを制御するライン圧制御ソ
レノイド16がある。本実施例においては、2本の変速
制御ソレノイドを用いる構成としたが、変速段数やコン
トロールバルブ15内部の構成に応じて、ソレノイドの
本数を増やしても良い。また変速過渡時の作動油の急速
な充填、排出のためのタイミングを調節するソレノイド
を追加しても良い。さらにライン圧制御ソレノイド16
としては、本実施例では以下デューティソレノイドとし
て説明するが、油圧を可変に出来る機構の物であればリ
ニアソレノイドなど他の手段を用いても良い。
【0031】また変速制御コンピュータ14は、図示し
ないがCPU,ROM,RAM,I/O装置からなるマ
イクロコンピュータで構成され、入力軸12の回転数を
計測する入力軸回転センサ17、車速センサ7、スロッ
トルセンサ8の各信号が入力される。
ないがCPU,ROM,RAM,I/O装置からなるマ
イクロコンピュータで構成され、入力軸12の回転数を
計測する入力軸回転センサ17、車速センサ7、スロッ
トルセンサ8の各信号が入力される。
【0032】さらにエンジン制御コンピュータ5と変速
制御コンピュータ14は、通信ライン18で結ばれ、制
御情報や指令を双方向に通信できるようになっている。
この通信ライン18は、LAN(Local Area
Network)の様な多重通信機構を用いても良い
し、必要な通信毎に制御コンピュータの入出力ポートを
接続する配線でも良い。
制御コンピュータ14は、通信ライン18で結ばれ、制
御情報や指令を双方向に通信できるようになっている。
この通信ライン18は、LAN(Local Area
Network)の様な多重通信機構を用いても良い
し、必要な通信毎に制御コンピュータの入出力ポートを
接続する配線でも良い。
【0033】次に、実施例においてエンジン制御コンピ
ュータ5と変速制御コンピュータ14が実行する制御内
容について説明する。まず、変速制御コンピュータ14
による変速機制御について説明する。変速制御コンピュ
ータ14は、まず、図3に示す様に、変速判断に必要な
スロットル開度θacc 、車速V、入力軸回転数Ntを読
み込む(ステップ210)。そして、変速線図に基づい
て変速の有無を判定する(ステップ220)。
ュータ5と変速制御コンピュータ14が実行する制御内
容について説明する。まず、変速制御コンピュータ14
による変速機制御について説明する。変速制御コンピュ
ータ14は、まず、図3に示す様に、変速判断に必要な
スロットル開度θacc 、車速V、入力軸回転数Ntを読
み込む(ステップ210)。そして、変速線図に基づい
て変速の有無を判定する(ステップ220)。
【0034】変速線図としては、車速とスロットル開度
をパラメータとしたマップを変速制御コンピュータ14
が予め記憶している。このマップは、図4に示す様に、
変速段決定の際のチャタリング防止のため、第n速(n
=1,2,3)から第n+1速への変速(アップシフ
ト)と第m速(m=2,3,4)から第m−1速への変
速(ダウンシフト)で、アップシフトの場合は実線で、
ダウンシフトの場合は破線で示すように異なる判定線を
用いるように構成されている。
をパラメータとしたマップを変速制御コンピュータ14
が予め記憶している。このマップは、図4に示す様に、
変速段決定の際のチャタリング防止のため、第n速(n
=1,2,3)から第n+1速への変速(アップシフ
ト)と第m速(m=2,3,4)から第m−1速への変
速(ダウンシフト)で、アップシフトの場合は実線で、
ダウンシフトの場合は破線で示すように異なる判定線を
用いるように構成されている。
【0035】変速制御コンピュータ14は、この変速線
図を用いて、前回の演算における車速一スロットル開度
の関係位置と今回の演算におけるその関係位置とを結ん
だ線が、実線または破線の変速線を横切った場合に変速
有りと判定する。変速有りと判定された場合には、変速
線図から求められる新たな変速段に対応するように、変
速制御ソレノイド15a,bのON/OFF状態を切り
換える(ステップ230)。
図を用いて、前回の演算における車速一スロットル開度
の関係位置と今回の演算におけるその関係位置とを結ん
だ線が、実線または破線の変速線を横切った場合に変速
有りと判定する。変速有りと判定された場合には、変速
線図から求められる新たな変速段に対応するように、変
速制御ソレノイド15a,bのON/OFF状態を切り
換える(ステップ230)。
【0036】変速制御ソレノイド15a,bのON/O
FF状態は、例えば下記表1の様に制御される。この関
係も、予め変速制御コンピュータ14に記憶してある。
FF状態は、例えば下記表1の様に制御される。この関
係も、予め変速制御コンピュータ14に記憶してある。
【0037】
【表1】
【0038】こうしてソレノイド15a,bのON/O
FF状態を新たな変速段に対応するように切り換える
と、コントロールバルブ15を介して変速歯車機構11
内部の各種摩擦要素に加えられる油圧が変化し、必要な
クラッチやブレーキが作動して、変速段が切り換えられ
る。
FF状態を新たな変速段に対応するように切り換える
と、コントロールバルブ15を介して変速歯車機構11
内部の各種摩擦要素に加えられる油圧が変化し、必要な
クラッチやブレーキが作動して、変速段が切り換えられ
る。
【0039】次に、ライン圧制御ソレノイド16の駆動
デューティを制御して、ライン圧を変速時用の初期圧力
Piに設定する(ステップ240)。この初期圧力Pi
は、例えば、図5に示す様に、スロットル開度に対する
マップとして予め関係を求めておき、これを変速制御コ
ンピュータ14に記憶させておく。本実施例では、この
関係は、点線で示される変速時用と、実線で示される変
速時以外用の2つが記憶されている。そして、さらに、
図6に示す様に、ライン圧とソレノイド16への駆動デ
ューティとの関係を表すマップもコンピュータ14に記
憶しておく。これら二つのマップを用いることにより、
変速時のスロットル開度から初期圧力Piを求め、さら
に、このPiを維持するため駆動デューティを求め、ソ
レノイド16の駆動デューティを制御するのである。な
お、本実施例では図5,図6の二つのマップを用いた
が、これらを一体化して、スロットル開度からデューテ
ィ値を直接求める構成としても良いことは言うまでもな
い。
デューティを制御して、ライン圧を変速時用の初期圧力
Piに設定する(ステップ240)。この初期圧力Pi
は、例えば、図5に示す様に、スロットル開度に対する
マップとして予め関係を求めておき、これを変速制御コ
ンピュータ14に記憶させておく。本実施例では、この
関係は、点線で示される変速時用と、実線で示される変
速時以外用の2つが記憶されている。そして、さらに、
図6に示す様に、ライン圧とソレノイド16への駆動デ
ューティとの関係を表すマップもコンピュータ14に記
憶しておく。これら二つのマップを用いることにより、
変速時のスロットル開度から初期圧力Piを求め、さら
に、このPiを維持するため駆動デューティを求め、ソ
レノイド16の駆動デューティを制御するのである。な
お、本実施例では図5,図6の二つのマップを用いた
が、これらを一体化して、スロットル開度からデューテ
ィ値を直接求める構成としても良いことは言うまでもな
い。
【0040】こうしてライン圧を初期圧力Piに設定で
きたら、次に、ライン圧に対するフィードバック制御の
開始条件となったか否かを判定する(ステップ25
0)。この開始条件の判定は、新たな変速段に対応する
摩擦係合要素がトルクの伝達を始めると、入力軸回転数
Ntが低下を始めるので、このNtの低下を検出するこ
とによって行っている。フィードバック開始条件になる
までは、ステップ240へ戻ってライン圧をPiに維持
し続ける。
きたら、次に、ライン圧に対するフィードバック制御の
開始条件となったか否かを判定する(ステップ25
0)。この開始条件の判定は、新たな変速段に対応する
摩擦係合要素がトルクの伝達を始めると、入力軸回転数
Ntが低下を始めるので、このNtの低下を検出するこ
とによって行っている。フィードバック開始条件になる
までは、ステップ240へ戻ってライン圧をPiに維持
し続ける。
【0041】一方、入力軸回転数Ntの低下により、フ
ィードバック開始点と判定したときには、上述のループ
を抜け、トルクダウンが必要なエンジン高出力領域にあ
るか否かの判定を行う(ステップ260)。この判定
は、スロットル開度が25%以上であるか否かによって
行う。スロットル開度が25%以上の場合をトルクダウ
ンが必要な領域(トルクダウン領域)にあると判定す
る。
ィードバック開始点と判定したときには、上述のループ
を抜け、トルクダウンが必要なエンジン高出力領域にあ
るか否かの判定を行う(ステップ260)。この判定
は、スロットル開度が25%以上であるか否かによって
行う。スロットル開度が25%以上の場合をトルクダウ
ンが必要な領域(トルクダウン領域)にあると判定す
る。
【0042】そして、エンジン制御コンピュータ5に対
してトルクダウン制御の指令値を算出する(ステップ2
70)。この指令値は、表2に示す様に、スロットル開
度に応じて予めコード値を設定されている。この関係
は、変速制御コンピュータ14が記憶している。各コー
ド値は、それぞれ、同表に示したトルクダウン制御の内
容と1対1に対応している。
してトルクダウン制御の指令値を算出する(ステップ2
70)。この指令値は、表2に示す様に、スロットル開
度に応じて予めコード値を設定されている。この関係
は、変速制御コンピュータ14が記憶している。各コー
ド値は、それぞれ、同表に示したトルクダウン制御の内
容と1対1に対応している。
【0043】
【表2】
【0044】こうしてトルクダウン制御の指令コードを
求めたら、次に、トルクダウン制御が禁止中か否かの確
認を行う(ステップ280)。これは、エンジン制御コ
ンピュータ5から送信されて来るトルクダウン禁止フラ
グによって確認する。エンジン制御コンピュータ5は、
暖気制御中、フェールセーフ制御中など、トルクダウン
の実行が不可能な場合には、トルクダウン禁止の情報を
トルクダウン禁止フラグとして送信するようになってい
るのである。このフラグを検出して、トルクダウン禁止
中と判定した場合は、ステップ340以下に進んで、ト
ルクダウン禁止中の変速油圧制御を実行する。
求めたら、次に、トルクダウン制御が禁止中か否かの確
認を行う(ステップ280)。これは、エンジン制御コ
ンピュータ5から送信されて来るトルクダウン禁止フラ
グによって確認する。エンジン制御コンピュータ5は、
暖気制御中、フェールセーフ制御中など、トルクダウン
の実行が不可能な場合には、トルクダウン禁止の情報を
トルクダウン禁止フラグとして送信するようになってい
るのである。このフラグを検出して、トルクダウン禁止
中と判定した場合は、ステップ340以下に進んで、ト
ルクダウン禁止中の変速油圧制御を実行する。
【0045】一方、トルクダウン禁止中でないと判断さ
れた場合には、まず変速の進行具合からトルクダウン制
御を終了するタイミングであるか否かを判定する(ステ
ップ290)。このタイミングは、エンジンの特性やト
ルクダウン制御の応答速度等に応じて、トルクダウン開
始からの時間や入力軸回転数の値、変速過渡中のギア比
による変速終了割合等によって設定される。この判定で
終了タイミングに達していないと判断されたときには、
通信ライン18を通してエンジン制御コンピュータ5に
トルクダウン要求を行う(ステップ300)。即ち、ス
テップ270で求めた指令コードをエンジン制御コンピ
ュータ5に送信するのである。
れた場合には、まず変速の進行具合からトルクダウン制
御を終了するタイミングであるか否かを判定する(ステ
ップ290)。このタイミングは、エンジンの特性やト
ルクダウン制御の応答速度等に応じて、トルクダウン開
始からの時間や入力軸回転数の値、変速過渡中のギア比
による変速終了割合等によって設定される。この判定で
終了タイミングに達していないと判断されたときには、
通信ライン18を通してエンジン制御コンピュータ5に
トルクダウン要求を行う(ステップ300)。即ち、ス
テップ270で求めた指令コードをエンジン制御コンピ
ュータ5に送信するのである。
【0046】一方、変速過渡制御が十分進行して、トル
クダウンの終了タイミングを経過していると判断された
ときには、ステップ300をパスする。その後ステップ
310に進んで、入力軸回転数Ntが所定の変化をする
ようにフィードバック制御を行うための入力軸回転数の
目標値Ntrの算出を行う。具体的には、まず現在の入
力軸回転数Ntと変速の前後におけるギア比の関係か
ら、変速にともなう入力軸回転数の変化幅△Ntrを算
出し、これを摩擦係合要素の熱容量やエンジン特性など
から定まる目標時間Ttで除して、目標とする軌跡の勾
配値を求める。そして、この勾配値から1演算周期間の
入力軸回転数の変化量△ntrを計算し、数1によっ
て、目標値Ntr(n)を求める。
クダウンの終了タイミングを経過していると判断された
ときには、ステップ300をパスする。その後ステップ
310に進んで、入力軸回転数Ntが所定の変化をする
ようにフィードバック制御を行うための入力軸回転数の
目標値Ntrの算出を行う。具体的には、まず現在の入
力軸回転数Ntと変速の前後におけるギア比の関係か
ら、変速にともなう入力軸回転数の変化幅△Ntrを算
出し、これを摩擦係合要素の熱容量やエンジン特性など
から定まる目標時間Ttで除して、目標とする軌跡の勾
配値を求める。そして、この勾配値から1演算周期間の
入力軸回転数の変化量△ntrを計算し、数1によっ
て、目標値Ntr(n)を求める。
【0047】
【数1】
【0048】ここで、nは演算周期を表し、Ntr(n
−1)は、1演算周期前の目標値を表す。こうして目標
入力軸回転数Ntr(n)が求められたら、次に、入力
軸回転数Ntのフィードバック制御を行う(ステップ3
20)。この制御対象は、ライン圧制御ソレノイド16
である。即ち、Nt<Ntr(n)の場合にはライン圧
を低下させることによって変速の進行を抑制してNtを
Ntr(n)に近づけ、逆に、Nt>Ntr(n)場合
にはライン圧を高めることによって変速の進行を推進し
てNtをNtr(n)に近づけるのである。
−1)は、1演算周期前の目標値を表す。こうして目標
入力軸回転数Ntr(n)が求められたら、次に、入力
軸回転数Ntのフィードバック制御を行う(ステップ3
20)。この制御対象は、ライン圧制御ソレノイド16
である。即ち、Nt<Ntr(n)の場合にはライン圧
を低下させることによって変速の進行を抑制してNtを
Ntr(n)に近づけ、逆に、Nt>Ntr(n)場合
にはライン圧を高めることによって変速の進行を推進し
てNtをNtr(n)に近づけるのである。
【0049】具体的には、目標入力軸回転数Ntrと実
際の入力軸回転数Ntとを用いて得られる偏差△Nt=
Ntr(n)−Nt(n)に基づく、周知のフィードバ
ック演算により制御を行う様に構成される。例えばPI
D制御では、フィードバック補償油圧DFB(n)は、
次式で計算される。
際の入力軸回転数Ntとを用いて得られる偏差△Nt=
Ntr(n)−Nt(n)に基づく、周知のフィードバ
ック演算により制御を行う様に構成される。例えばPI
D制御では、フィードバック補償油圧DFB(n)は、
次式で計算される。
【0050】
【数2】
【0051】ただし、nは現在の入力、出力の状態を示
し、n−1は1演算周期前の状態を示す。また、Kp,
Ki,Kdは、PID制御におけるP項(比例項)、I
項(積分項)、D項(微分項)のゲインを示す。kは、
ゲインの低下係数で、エンジンの特性などによって適切
な値が選ばれる。例えば、0(ゼロ)〜1/2程度の範
囲で適切な値を選び、予め設定しておく。
し、n−1は1演算周期前の状態を示す。また、Kp,
Ki,Kdは、PID制御におけるP項(比例項)、I
項(積分項)、D項(微分項)のゲインを示す。kは、
ゲインの低下係数で、エンジンの特性などによって適切
な値が選ばれる。例えば、0(ゼロ)〜1/2程度の範
囲で適切な値を選び、予め設定しておく。
【0052】なお、このフィードバック演算は、PD,
PI,Pの構成だけでも良いし、他の制御理論の何れの
手段でもかまわない。また上記実施例では、ゲイン低下
係数を1つだけ設定したが、より細かな調整を可能なよ
うにkp,ki,kdなどと制御要素毎に設定しても良
い。
PI,Pの構成だけでも良いし、他の制御理論の何れの
手段でもかまわない。また上記実施例では、ゲイン低下
係数を1つだけ設定したが、より細かな調整を可能なよ
うにkp,ki,kdなどと制御要素毎に設定しても良
い。
【0053】このフィードバック制御は、変速終了と判
定されるまで繰り返し実行される(ステップ330)。
変速終了判定は、今説明しているアップシフトの場合に
は、入力軸回転数Ntの変化の向きが反対になる点、つ
まり変速の進行によって回転数が低下していたものが再
び増加に転じる点を検出すればよい。あるいは、入力軸
回転数と車速に変速歯車機構11の変速が進行している
段のギア比を掛けた値との差が所定値(例えば50rp
m)以下になったときを検出するといった方法で判定し
ても良い。
定されるまで繰り返し実行される(ステップ330)。
変速終了判定は、今説明しているアップシフトの場合に
は、入力軸回転数Ntの変化の向きが反対になる点、つ
まり変速の進行によって回転数が低下していたものが再
び増加に転じる点を検出すればよい。あるいは、入力軸
回転数と車速に変速歯車機構11の変速が進行している
段のギア比を掛けた値との差が所定値(例えば50rp
m)以下になったときを検出するといった方法で判定し
ても良い。
【0054】次に、ステップ260でトルクダウン領域
ではないと判定された場合、及びステップ280でトル
クダウン禁止中と判定された場合の制御を説明する。こ
れらの場合には、ステップ340以下に進み、フィード
バック制御の目標値算出(ステップ340)、フィード
バック制御(ステップ350)が実行される。ステップ
340はステップ310と全く同一内容の処理である。
ステップ350は、ステップ320と若干異なり、次式
の様に、ゲイン低下係数の掛かっていない式によりフィ
ードバック補償油圧DFB(n)を求めるように構成さ
れている。
ではないと判定された場合、及びステップ280でトル
クダウン禁止中と判定された場合の制御を説明する。こ
れらの場合には、ステップ340以下に進み、フィード
バック制御の目標値算出(ステップ340)、フィード
バック制御(ステップ350)が実行される。ステップ
340はステップ310と全く同一内容の処理である。
ステップ350は、ステップ320と若干異なり、次式
の様に、ゲイン低下係数の掛かっていない式によりフィ
ードバック補償油圧DFB(n)を求めるように構成さ
れている。
【0055】
【数3】
【0056】n,n−1,Kp,Ki,Kdは、数2と
同じ意味である。また、このフィードバック演算も、P
D,PI,Pの構成だけでも良いし、他の制御理論の何
れの手段でもかまわないことは、言うまでもない。そし
て、このフィードバック制御は、ステップ360の変速
終了判定において、変速終了と判定されるまで繰り返し
実行される。ステップ360の終了判定は、ステップ3
30と同一条件で行われる。
同じ意味である。また、このフィードバック演算も、P
D,PI,Pの構成だけでも良いし、他の制御理論の何
れの手段でもかまわないことは、言うまでもない。そし
て、このフィードバック制御は、ステップ360の変速
終了判定において、変速終了と判定されるまで繰り返し
実行される。ステップ360の終了判定は、ステップ3
30と同一条件で行われる。
【0057】前に戻って、ステップ220の判定で変速
開始と判断されなかった場合には、図5のマップの実線
の関係からライン圧を求め、図6のマップにて駆動デュ
ーティに換算し、このデューティでライン圧制御ソレノ
イド16を制御することにより、スロットル開度に見合
った一定のライン圧を維持する変速時以外のライン圧制
御を実行する(ステップ370)。なお、この場合は、
変速制御ソレノイド15a,bのON/OFFは現在の
状態を維持することになる。
開始と判断されなかった場合には、図5のマップの実線
の関係からライン圧を求め、図6のマップにて駆動デュ
ーティに換算し、このデューティでライン圧制御ソレノ
イド16を制御することにより、スロットル開度に見合
った一定のライン圧を維持する変速時以外のライン圧制
御を実行する(ステップ370)。なお、この場合は、
変速制御ソレノイド15a,bのON/OFFは現在の
状態を維持することになる。
【0058】以上の制御フローは、次の変速に備えてコ
ンピュータ14に電源が投入されている間中操り返し実
行される。そのときステップ250,290,330や
360の判断処理は、例えば8msec〜25msec
の間の適当な演算周期で繰り返される。
ンピュータ14に電源が投入されている間中操り返し実
行される。そのときステップ250,290,330や
360の判断処理は、例えば8msec〜25msec
の間の適当な演算周期で繰り返される。
【0059】次に、エンジン制御コンピュータ5で実行
される制御内容について図7に基づいて説明する。図7
(a)はメインルーチンで実行される制御のフローチャ
ート、同(b)はエンジン1の回転に同期した割り込み
ルーチンで実行される制御のフローチャートである。
される制御内容について図7に基づいて説明する。図7
(a)はメインルーチンで実行される制御のフローチャ
ート、同(b)はエンジン1の回転に同期した割り込み
ルーチンで実行される制御のフローチャートである。
【0060】まずメインルーチンについて説明すると、
吸入空気量,エンジン回転数を読み込み(ステップ41
0)、吸入空気量に比例する値として、燃料噴射量すな
わちインジェクタへの通電時間を算出する(ステップ4
20)。そして、さらにエンジン回転数の関数として点
火時期を求める(ステップ430)。点火時期は、シリ
ンダの大きさによって決まる火炎伝搬時間に相当するエ
ンジンクランク軸の回転角度(進角量)として求められ
る。
吸入空気量,エンジン回転数を読み込み(ステップ41
0)、吸入空気量に比例する値として、燃料噴射量すな
わちインジェクタへの通電時間を算出する(ステップ4
20)。そして、さらにエンジン回転数の関数として点
火時期を求める(ステップ430)。点火時期は、シリ
ンダの大きさによって決まる火炎伝搬時間に相当するエ
ンジンクランク軸の回転角度(進角量)として求められ
る。
【0061】以上の演算を各燃料噴射タイミング及び点
火タイミングに間に合うように繰り返し実行する。一方
図7(b)に示したルーチンは、エンジン回転に同期し
た割り込み処理としてエンジンクランク軸の回転角度1
20度(6気筒エンジンの場合)毎に起動される。
火タイミングに間に合うように繰り返し実行する。一方
図7(b)に示したルーチンは、エンジン回転に同期し
た割り込み処理としてエンジンクランク軸の回転角度1
20度(6気筒エンジンの場合)毎に起動される。
【0062】このルーチンでは、最初に噴射気筒の判別
を行う(ステップ510)。本実施例の直列6気筒エン
ジンの場合、エンジンの前面側から#1,#2,・・・
#6として、#1,#5,#3,#6,#2,#4の順
序で噴射を行う。この順序で、現在のクランク軸の回転
位置から吸入工程が始まる直前の気筒番号を選ぶ。
を行う(ステップ510)。本実施例の直列6気筒エン
ジンの場合、エンジンの前面側から#1,#2,・・・
#6として、#1,#5,#3,#6,#2,#4の順
序で噴射を行う。この順序で、現在のクランク軸の回転
位置から吸入工程が始まる直前の気筒番号を選ぶ。
【0063】次に、メインルーチンで求めたインジェク
タ通電時間が、所定のクランク角位置までに終了するよ
うに、インジェクタ通電開始タイミングを求める(ステ
ップ520)。そして、変速制御コンピュータ14から
トルクダウン指令コードとして、0〜3のいずれが送信
されてきたかを判定する(ステップ530)。指令コー
ドは、変速制御コンピュータ14の制御フロー中のステ
ップ270で決定され、ステップ300でエンジン制御
コンピュータ5に送信されたものである。何も送信され
てこない場合は、ステップ530でコード=0と判定す
ることとしている。
タ通電時間が、所定のクランク角位置までに終了するよ
うに、インジェクタ通電開始タイミングを求める(ステ
ップ520)。そして、変速制御コンピュータ14から
トルクダウン指令コードとして、0〜3のいずれが送信
されてきたかを判定する(ステップ530)。指令コー
ドは、変速制御コンピュータ14の制御フロー中のステ
ップ270で決定され、ステップ300でエンジン制御
コンピュータ5に送信されたものである。何も送信され
てこない場合は、ステップ530でコード=0と判定す
ることとしている。
【0064】この判定で、指令コード=3と判定された
場合には、全気筒に対して燃料カットが必要なので、今
回の燃料噴射量すなわちインジェクタ通電時間をゼロと
する(ステップ540)。また、指令コード=2と判定
された場合には、1/2の気筒数(本実施例では3気
筒)の燃料カットを行う必要があり、今回の燃料噴射気
筒が#1,#2,#3の時は、燃料噴射量すなわちイン
ジェクタ通電時間をゼロとし、燃料噴射気筒が#4,#
5,#6の場合は、メインルーチンで求めた値のままと
する(ステップ550)。
場合には、全気筒に対して燃料カットが必要なので、今
回の燃料噴射量すなわちインジェクタ通電時間をゼロと
する(ステップ540)。また、指令コード=2と判定
された場合には、1/2の気筒数(本実施例では3気
筒)の燃料カットを行う必要があり、今回の燃料噴射気
筒が#1,#2,#3の時は、燃料噴射量すなわちイン
ジェクタ通電時間をゼロとし、燃料噴射気筒が#4,#
5,#6の場合は、メインルーチンで求めた値のままと
する(ステップ550)。
【0065】指令コードが0または1の時には、このよ
うなインジェクタ通電時間の変更を行わない。こうして
指令コードに応じてインジェクタ通電時間の変更等を行
ったら、いよいよインジェクタへの通電を実行する(ス
テップ560)。この処理では、今回の燃料噴射気筒と
判別された気筒のインジェクタに対して通電を開始し、
設定された通電時間が経過した後は、マイクロコンピュ
ータのI/Oのタイマ機能により、通電を終了する。
うなインジェクタ通電時間の変更を行わない。こうして
指令コードに応じてインジェクタ通電時間の変更等を行
ったら、いよいよインジェクタへの通電を実行する(ス
テップ560)。この処理では、今回の燃料噴射気筒と
判別された気筒のインジェクタに対して通電を開始し、
設定された通電時間が経過した後は、マイクロコンピュ
ータのI/Oのタイマ機能により、通電を終了する。
【0066】次に、エンジンクランク軸の回転位置から
点火する気筒を判別する(ステップ570)。そして、
点火遅角要求の有無を指令コードによって判定する(ス
テップ580)。指令コードが点火遅角要求に対応する
1である場合だけ、ステップ590に進み、それ以外の
場合には、直接ステップ600に進む。ステップ590
では、メインルーチンで求めた点火時期を所定値θdde
g だけ遅角側に変更する。
点火する気筒を判別する(ステップ570)。そして、
点火遅角要求の有無を指令コードによって判定する(ス
テップ580)。指令コードが点火遅角要求に対応する
1である場合だけ、ステップ590に進み、それ以外の
場合には、直接ステップ600に進む。ステップ590
では、メインルーチンで求めた点火時期を所定値θdde
g だけ遅角側に変更する。
【0067】そして、最後に、点火制御を実行する(ス
テップ600)。具体的には、設定された点火時期に点
火が実行されるように、イグナイタへの通電を開始する
と共に、マイクロコンピュータに内蔵された終了タイマ
を起動する。終了タイマがタイムアップすると通電が停
止される。こうして、このタイマによって、所定時間だ
けイグナイタへの通電が行われ、点火が実行されるので
ある。
テップ600)。具体的には、設定された点火時期に点
火が実行されるように、イグナイタへの通電を開始する
と共に、マイクロコンピュータに内蔵された終了タイマ
を起動する。終了タイマがタイムアップすると通電が停
止される。こうして、このタイマによって、所定時間だ
けイグナイタへの通電が行われ、点火が実行されるので
ある。
【0068】次に、本実施例による作用効果についてタ
イミングチャートを用いて説明する。まず、図8を用い
て、トルクダウン制御領域ではない状態での変速制御に
ついて、1速から2速へのシフトアップを例に説明す
る。
イミングチャートを用いて説明する。まず、図8を用い
て、トルクダウン制御領域ではない状態での変速制御に
ついて、1速から2速へのシフトアップを例に説明す
る。
【0069】この場合、変速指令と共に、表1の関係に
従って変速制御ソレノイド15bがOFFからONへと
変更される。なお、変速制御ソレノイド15aはONを
維持し続ける。また、このソレノイド制御状態の変更と
同時にライン圧を初期値Piに設定する。その後、入力
軸12の実回転数が所定量低下した点Aに至ると、フィ
ードバック制御の開始点と判断されることになる(ステ
ップ250参照)。そして、この時点から、入力軸回転
数の低下を目標回転数で示される軌跡に沿わせるよう
に、ライン圧を制御する。図示の場合は、ライン圧を下
げていく。そして、さらにB点に進んだ所で、入力軸1
2の回転数が上昇に転じるので、これをもって終了と判
定し、フィードバック制御を終える。なお、本実施例で
は、フィードバック制御を終えてから所定時間To後に
変速時以外のライン圧に戻す様にしている。
従って変速制御ソレノイド15bがOFFからONへと
変更される。なお、変速制御ソレノイド15aはONを
維持し続ける。また、このソレノイド制御状態の変更と
同時にライン圧を初期値Piに設定する。その後、入力
軸12の実回転数が所定量低下した点Aに至ると、フィ
ードバック制御の開始点と判断されることになる(ステ
ップ250参照)。そして、この時点から、入力軸回転
数の低下を目標回転数で示される軌跡に沿わせるよう
に、ライン圧を制御する。図示の場合は、ライン圧を下
げていく。そして、さらにB点に進んだ所で、入力軸1
2の回転数が上昇に転じるので、これをもって終了と判
定し、フィードバック制御を終える。なお、本実施例で
は、フィードバック制御を終えてから所定時間To後に
変速時以外のライン圧に戻す様にしている。
【0070】次に、エンジンの出力が大きい状態での変
速制御について、図9を用いて説明する。まず時点aに
おいて変速と判断されると、変速制御ソレノイド15
a,15bの制御状態を切り換え、ライン圧を変速初期
油圧Piに設定する。その後油圧応答の特性から決まる
所定の時間tT(≧0sec)が経過した後で通信ライ
ン18により、エンジン制御コンピュータ5にトルクダ
ウンの開始を要求するための指令コードを送信する。
速制御について、図9を用いて説明する。まず時点aに
おいて変速と判断されると、変速制御ソレノイド15
a,15bの制御状態を切り換え、ライン圧を変速初期
油圧Piに設定する。その後油圧応答の特性から決まる
所定の時間tT(≧0sec)が経過した後で通信ライ
ン18により、エンジン制御コンピュータ5にトルクダ
ウンの開始を要求するための指令コードを送信する。
【0071】すると、エンジン制御コンピュータ5で
は、通信遅延と実行遅延の時間遅れの後に、トルクダウ
ンの指示に従って、点火遅角制御又は燃料カット制御が
実行される。そして、エンジン制御コンピュータ5は、
このトルクダウンの実行を示すフラグあるいは実行状態
を表すRAM値を、通信ライン18により変速制御コン
ピュータ14へと送信する。
は、通信遅延と実行遅延の時間遅れの後に、トルクダウ
ンの指示に従って、点火遅角制御又は燃料カット制御が
実行される。そして、エンジン制御コンピュータ5は、
このトルクダウンの実行を示すフラグあるいは実行状態
を表すRAM値を、通信ライン18により変速制御コン
ピュータ14へと送信する。
【0072】変速制御コンピュータ14では、トルクダ
ウンの実行後から通信遅延の時間経過後の時点bにおい
て、エンジン制御コンピュータ5からのこのトルクダウ
ン実行信号を受信して、変速機入力軸12の回転数を所
定の勾配に合わせるフィードバック制御を開始する。こ
のとき、本実施例では、フィードバック制御の制御ゲイ
ンをトルクダウンを実行しない場合よりも低下させる。
このとき入力軸12の回転数低下は、基本的にはトルク
ダウン制御による駆動トルクの減少に支配される。その
ため、フィードバック制御の制御ゲインを変更しても入
力軸12の回転数低下は大きく変化しない。ただ、トル
クダウン制御が終了して、エンジンの駆動トルクが復帰
した時点から、全くフィードバック制御を実行しない場
合(図示1点鎖線)では、高い油圧のため入力軸回転数
は急速に低下し、通常ゲインでフィードバック制御を実
行する場合(図示2点鎖線)には、図13に示した如く
油圧が低すぎて復帰トルクを伝達しきれず、再度の滑り
とそれにともなう駆動トルクの振動(上昇)が、発生す
る。一方、フィードバックゲインを低下させた場合に
は、油圧の過度の低下がないため、両者の中間の挙動と
なる。
ウンの実行後から通信遅延の時間経過後の時点bにおい
て、エンジン制御コンピュータ5からのこのトルクダウ
ン実行信号を受信して、変速機入力軸12の回転数を所
定の勾配に合わせるフィードバック制御を開始する。こ
のとき、本実施例では、フィードバック制御の制御ゲイ
ンをトルクダウンを実行しない場合よりも低下させる。
このとき入力軸12の回転数低下は、基本的にはトルク
ダウン制御による駆動トルクの減少に支配される。その
ため、フィードバック制御の制御ゲインを変更しても入
力軸12の回転数低下は大きく変化しない。ただ、トル
クダウン制御が終了して、エンジンの駆動トルクが復帰
した時点から、全くフィードバック制御を実行しない場
合(図示1点鎖線)では、高い油圧のため入力軸回転数
は急速に低下し、通常ゲインでフィードバック制御を実
行する場合(図示2点鎖線)には、図13に示した如く
油圧が低すぎて復帰トルクを伝達しきれず、再度の滑り
とそれにともなう駆動トルクの振動(上昇)が、発生す
る。一方、フィードバックゲインを低下させた場合に
は、油圧の過度の低下がないため、両者の中間の挙動と
なる。
【0073】この結果、変速終了時期における駆動トル
クの増加は通常ゲインのままのフィードバック制御に比
べて小さくなり、その分だけ変速ショックが低減され
る。ゲインを0とするフィードバック制御を行うことと
しておけば、図示1点鎖線の様に、イナーシャ相期間に
おいてもライン圧は初期圧力Piをそのまま維持するこ
ととなる。
クの増加は通常ゲインのままのフィードバック制御に比
べて小さくなり、その分だけ変速ショックが低減され
る。ゲインを0とするフィードバック制御を行うことと
しておけば、図示1点鎖線の様に、イナーシャ相期間に
おいてもライン圧は初期圧力Piをそのまま維持するこ
ととなる。
【0074】即ち、本実施例によれば、トルクダウン制
御時にはライン圧のフィードバック制御ゲインを低下さ
せることにより、ライン圧の急激な変更を抑制し、トル
クダウン制御が終了する時点での摩擦要素の係合力が十
分に維持されるようにし、駆動トルクの変動を小さくす
ることで不要な変速ショックを生じること無く変速を終
了することができるのである。
御時にはライン圧のフィードバック制御ゲインを低下さ
せることにより、ライン圧の急激な変更を抑制し、トル
クダウン制御が終了する時点での摩擦要素の係合力が十
分に維持されるようにし、駆動トルクの変動を小さくす
ることで不要な変速ショックを生じること無く変速を終
了することができるのである。
【0075】こうして、エンジン制御コンピュータ5と
変速制御コンピュータ14の制御により、エンジン1と
自動変速機2との協調制御を実現しつつ変速ショックの
低減が達成される。 [実施例2]次に第2の実施例について、説明する。
変速制御コンピュータ14の制御により、エンジン1と
自動変速機2との協調制御を実現しつつ変速ショックの
低減が達成される。 [実施例2]次に第2の実施例について、説明する。
【0076】この実施例は、実施例1のようにフィード
バック制御系を複数設ける代わりに、フィードバック制
御の目標値設定をトルクダウンの有り無しで、変える事
により、トルクダウン中の変速過渡制御を好適に実現し
ようとするものである。変速過渡中のイナーシャ相時間
は、変速開始時の入力軸回転数と変速の前後におけるギ
ア比の関係や、摩擦係合要素の熱容量やエンジン特性な
どから決定される。通常この結果に従って、フィードバ
ック制御の目標値を設定している。しかしトルクダウン
制御中にはその影響力が加わるため、入力軸回転数の変
化はトルクダウンがないときとは異なり、個別に設定す
る必要がある。その設定方法について具体的に示す。ま
ず、予め実験室等において、実施例1で示したのと同様
の構成、プログラムを有するシステムを作成し、数2の
ゲイン低下係数kを0(ゼロ)に設定して変速制御を実
行させる。実行条件は、1速→2速、2速→3速、…の
各変速条件毎にトルクダウン指令コードが1、2、3の
ぞれぞれの場合についてとする。そして、その時の入力
軸回転数の変化を記録する。
バック制御系を複数設ける代わりに、フィードバック制
御の目標値設定をトルクダウンの有り無しで、変える事
により、トルクダウン中の変速過渡制御を好適に実現し
ようとするものである。変速過渡中のイナーシャ相時間
は、変速開始時の入力軸回転数と変速の前後におけるギ
ア比の関係や、摩擦係合要素の熱容量やエンジン特性な
どから決定される。通常この結果に従って、フィードバ
ック制御の目標値を設定している。しかしトルクダウン
制御中にはその影響力が加わるため、入力軸回転数の変
化はトルクダウンがないときとは異なり、個別に設定す
る必要がある。その設定方法について具体的に示す。ま
ず、予め実験室等において、実施例1で示したのと同様
の構成、プログラムを有するシステムを作成し、数2の
ゲイン低下係数kを0(ゼロ)に設定して変速制御を実
行させる。実行条件は、1速→2速、2速→3速、…の
各変速条件毎にトルクダウン指令コードが1、2、3の
ぞれぞれの場合についてとする。そして、その時の入力
軸回転数の変化を記録する。
【0077】次に、こうやって記録した入力軸回転数の
変化を用いて、実際の変速制御プログラムのフィードバ
ック制御の目標値を設定する。すなわち、摩擦係合要素
の油圧調節によらず、エンジンのトルクダウンのみで変
速を進行させた時の入力軸回転数変化を、トルクダウン
制御時におけるフィードバック制御の目標値とするので
ある。これによって、トルクダウン制御実行中に入力軸
回転数変化を決定する支配的要素であるトルクダウンの
効果を見積もることができ、フィードバック制御系に前
述した過剰な油圧制御出力を発生させない目標値の設定
ができる。
変化を用いて、実際の変速制御プログラムのフィードバ
ック制御の目標値を設定する。すなわち、摩擦係合要素
の油圧調節によらず、エンジンのトルクダウンのみで変
速を進行させた時の入力軸回転数変化を、トルクダウン
制御時におけるフィードバック制御の目標値とするので
ある。これによって、トルクダウン制御実行中に入力軸
回転数変化を決定する支配的要素であるトルクダウンの
効果を見積もることができ、フィードバック制御系に前
述した過剰な油圧制御出力を発生させない目標値の設定
ができる。
【0078】この実施例のフローチャートは、図3に示
したのと同じ様に構成すればよい。相違点としては、ス
テップ310の目標値算出処理が実施例1とは異なり、
変速条件(1−2、2−3、3−4変速)及びトルクダ
ウン指令コード(1、2、3)に対応する目標勾配を記
憶したテーブルを参照して、△ntrを求める。なお、
この記憶テーブルのデータは、上記の予備実験によって
求めた値で構成され、変速制御コンピュータ14に記憶
しておく。また、ステップ320のフィードバック制御
の演算は、ステップ350と同じく、数3により実行さ
れる点も実施例1と相違する。この実施例によれば、ト
ルクダウン制御時には、それ以外の通常時に比べて勾配
のきつい目標軌跡が設定されるのである。
したのと同じ様に構成すればよい。相違点としては、ス
テップ310の目標値算出処理が実施例1とは異なり、
変速条件(1−2、2−3、3−4変速)及びトルクダ
ウン指令コード(1、2、3)に対応する目標勾配を記
憶したテーブルを参照して、△ntrを求める。なお、
この記憶テーブルのデータは、上記の予備実験によって
求めた値で構成され、変速制御コンピュータ14に記憶
しておく。また、ステップ320のフィードバック制御
の演算は、ステップ350と同じく、数3により実行さ
れる点も実施例1と相違する。この実施例によれば、ト
ルクダウン制御時には、それ以外の通常時に比べて勾配
のきつい目標軌跡が設定されるのである。
【0079】実施例2によれば、トルクダウンの有無に
よってフィードバック制御の目標値を変えるだけでよ
く、フィードバック制御系を複数設ける必要がないので
制御の簡略化を図ることができる。即ち、プログラム上
での計算が複雑になり、またゲイン設定にも手間のかか
るフィードバック制御系を複数設ける必要がないのであ
る。
よってフィードバック制御の目標値を変えるだけでよ
く、フィードバック制御系を複数設ける必要がないので
制御の簡略化を図ることができる。即ち、プログラム上
での計算が複雑になり、またゲイン設定にも手間のかか
るフィードバック制御系を複数設ける必要がないのであ
る。
【0080】また、結果的には実施例1においてゲイン
低下係数k=0と設定したのと同様の制御となるのであ
るが、トルクダウン制御時にもフィードバック制御を行
うことにより、車両の個体毎の特性のばらつきを吸収し
て、予備実験による最適な状態を維持することができる
という効果もある。
低下係数k=0と設定したのと同様の制御となるのであ
るが、トルクダウン制御時にもフィードバック制御を行
うことにより、車両の個体毎の特性のばらつきを吸収し
て、予備実験による最適な状態を維持することができる
という効果もある。
【0081】さらに、変速が開始されてから、システム
の異常によってトルクダウンが実行できない事態が発生
した場合であっても、上述のきつい目標勾配に追従させ
るフィードバック制御が実行されるので、変速時間が長
引いて摩擦係合要素の耐久性を損なうことを防ぐ利点も
ある。 [実施例3]次に第3の実施例について、説明する。こ
の実施例は、摩擦係合要素の働きが油圧制御に対して余
り敏感でない場合に適している。
の異常によってトルクダウンが実行できない事態が発生
した場合であっても、上述のきつい目標勾配に追従させ
るフィードバック制御が実行されるので、変速時間が長
引いて摩擦係合要素の耐久性を損なうことを防ぐ利点も
ある。 [実施例3]次に第3の実施例について、説明する。こ
の実施例は、摩擦係合要素の働きが油圧制御に対して余
り敏感でない場合に適している。
【0082】上述した2つの実施例は、フィードバック
制御による油圧の補償量が過剰になることに起因する変
速ショックを低減するために、フィードバック制御器に
よる反応を低下させるための処理を行うものである。こ
れに対し、実施例3は、フィードバック制御器の出力に
増減圧の制限機構を付加することで、補償出力の過剰分
を制限するものである。
制御による油圧の補償量が過剰になることに起因する変
速ショックを低減するために、フィードバック制御器に
よる反応を低下させるための処理を行うものである。こ
れに対し、実施例3は、フィードバック制御器の出力に
増減圧の制限機構を付加することで、補償出力の過剰分
を制限するものである。
【0083】実施例3における変速制御コンピュータ1
4による処理内容を、図10に示す。スロットル開度θ
acc 等を読み込み、変速の有無を判定して変速制御ソレ
ノイド15a,bのON/OFF状態を切り換え、ライ
ン圧を変速時用の初期圧力Piに設定し、フィードバッ
ク制御の開始条件となったらさらに、トルクダウンが必
要なエンジン高出力領域にあるか否かの判定を行い、表
2からトルクダウン制御の指令コードを求め、トルクダ
ウン制御が禁止される状態でないことを確認し、トルク
ダウン制御を終了するタイミングになるまでトルクダウ
ン要求を行う点は、実施例1と同様である(ステップ6
10〜700)。
4による処理内容を、図10に示す。スロットル開度θ
acc 等を読み込み、変速の有無を判定して変速制御ソレ
ノイド15a,bのON/OFF状態を切り換え、ライ
ン圧を変速時用の初期圧力Piに設定し、フィードバッ
ク制御の開始条件となったらさらに、トルクダウンが必
要なエンジン高出力領域にあるか否かの判定を行い、表
2からトルクダウン制御の指令コードを求め、トルクダ
ウン制御が禁止される状態でないことを確認し、トルク
ダウン制御を終了するタイミングになるまでトルクダウ
ン要求を行う点は、実施例1と同様である(ステップ6
10〜700)。
【0084】しかし、トルクダウン領域か否かでフィー
ドバック制御を2系統に分けず、ステップ660又はス
テップ680で「NO」と判定された場合も「YES」
と判定された場合も一つのフィードバック制御系に進
む。そして、ゲインを低下させていない数3に従ってフ
ィードバック補償油圧DFB(n)を算出する(ステッ
プ710)。ここからが実施例3の特徴部分であり、算
出したフィードバック補償油圧DFB(n)がδD以内
に収まるようにDFB(n)にガードをかけてから、デ
ューティ出力を行う(ステップ720〜740)。この
処理を終了判定が成立するまで繰り返し実行する(ステ
ップ750)。なお、変速時以外の制御(ステップ76
0)は、実施例1と全く同様である。
ドバック制御を2系統に分けず、ステップ660又はス
テップ680で「NO」と判定された場合も「YES」
と判定された場合も一つのフィードバック制御系に進
む。そして、ゲインを低下させていない数3に従ってフ
ィードバック補償油圧DFB(n)を算出する(ステッ
プ710)。ここからが実施例3の特徴部分であり、算
出したフィードバック補償油圧DFB(n)がδD以内
に収まるようにDFB(n)にガードをかけてから、デ
ューティ出力を行う(ステップ720〜740)。この
処理を終了判定が成立するまで繰り返し実行する(ステ
ップ750)。なお、変速時以外の制御(ステップ76
0)は、実施例1と全く同様である。
【0085】こうして、本実施例によれば、|DFB
(n)|≧δDの場合には、±DFB(n)=±δD
(複号同順)にされ、それ以上はフィードバック制御に
よってライン圧が変化しないようにされるのである。な
お、δDは、トルクダウン制御時以外の場合における|
DFB(n)|の最大値よりも大きく、トルクダウン制
御時における|DFB(n)|の過剰状態での値よりも
小さい値が設定される。数3は、前回と今回の補償量の
差分を求めているのではなく、毎回の補償量全体を求め
ている。
(n)|≧δDの場合には、±DFB(n)=±δD
(複号同順)にされ、それ以上はフィードバック制御に
よってライン圧が変化しないようにされるのである。な
お、δDは、トルクダウン制御時以外の場合における|
DFB(n)|の最大値よりも大きく、トルクダウン制
御時における|DFB(n)|の過剰状態での値よりも
小さい値が設定される。数3は、前回と今回の補償量の
差分を求めているのではなく、毎回の補償量全体を求め
ている。
【0086】従って、トルクダウン制御時には、図11
に示す様に、フィードバック制御の総補償出力|DFB
|をδDに制限することで、不必要な減圧を防いで他の
実施例と同様に変速ショックの発生を防いでいる。 [その他]なお以上の実施例においては、エンジン制御
コンピュータ5と変速制御コンピュータ14とを別体と
し、その間を双方向の通信ライン18で結ぶ構成とした
が、エンジンの制御と変速機の制御を一つのコンピュー
タで処理する構成としても良い。その場合通信ライン1
8によってやりとりされていた情報は、コンピュータ内
部で予め定められた番地に割り付けられたRAMのデー
タを、適当な間隔で繰り返し実行されるエンジン制御と
変速機制御のそれぞれのプログラムで、最新の値に書き
換えたり読み出して使用したりする処理に置き換えられ
る。
に示す様に、フィードバック制御の総補償出力|DFB
|をδDに制限することで、不必要な減圧を防いで他の
実施例と同様に変速ショックの発生を防いでいる。 [その他]なお以上の実施例においては、エンジン制御
コンピュータ5と変速制御コンピュータ14とを別体と
し、その間を双方向の通信ライン18で結ぶ構成とした
が、エンジンの制御と変速機の制御を一つのコンピュー
タで処理する構成としても良い。その場合通信ライン1
8によってやりとりされていた情報は、コンピュータ内
部で予め定められた番地に割り付けられたRAMのデー
タを、適当な間隔で繰り返し実行されるエンジン制御と
変速機制御のそれぞれのプログラムで、最新の値に書き
換えたり読み出して使用したりする処理に置き換えられ
る。
【0087】また、トルクダウン制御についても、点火
遅角や燃料カット以外に、吸入空気量を低下させる方法
であってもよいし、例えば特開平5−164225号公
報に開示されるように、燃料カットと点火遅角とを併用
する制御としてもよい。
遅角や燃料カット以外に、吸入空気量を低下させる方法
であってもよいし、例えば特開平5−164225号公
報に開示されるように、燃料カットと点火遅角とを併用
する制御としてもよい。
【図1】 実施例のシステムを示す概略構成図である。
【図2】 実施例における自動変速機の概略構成図であ
る。
る。
【図3】 実施例1における変速制御コンピュータによ
る制御処理の内容を示すフローチャートである。
る制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 実施例において使用する変速線マップに相当
するグラフである。
するグラフである。
【図5】 実施例において使用するライン圧算出用マッ
プに相当するグラフである。
プに相当するグラフである。
【図6】 実施例において使用するライン圧制御デュー
ティ算出用マップに相当するグラフである。
ティ算出用マップに相当するグラフである。
【図7】 実施例におけるエンジン制御コンピュータに
よる制御処理の内容を示すフローチャートである。
よる制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】 実施例1の作用効果を説明するタイミングチ
ャートである。
ャートである。
【図9】 実施例1の作用効果を説明するタイミングチ
ャートである。
ャートである。
【図10】 実施例3における変速制御コンピュータに
よる制御処理の内容を示すフローチャートである。
よる制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】 実施例3の作用効果を説明するタイミング
チャートである。
チャートである。
【図12】 従来の問題点を説明するタイミングチャー
トである。
トである。
【図13】 本発明の前提として発明者が考えたシステ
ム(公知ではない)の問題点を説明するタイミングチャ
ートである。
ム(公知ではない)の問題点を説明するタイミングチャ
ートである。
【符号の説明】 1・・・電子制御エンジン、2・・・自動変速機、3・
・・デファレンシャルギア、5・・・エンジン制御コン
ピュータ、6・・・エンジン回転センサ、7・・・車速
センサ、8・・・スロットルセンサ、9・・・吸入空気
量センサ、10・・・トルクコンバータ、11・・・変
速歯車機構、12・・・変速機入力軸、13・・・出力
軸、14・・・変速制御コンピュータ、15・・・コン
トロールバルブ、15a,15b・・・変速制御ソレノ
イド、16・・・ライン圧制御ソレノイド、17・・・
入力軸回転センサ、18・・・通信ライン。
・・デファレンシャルギア、5・・・エンジン制御コン
ピュータ、6・・・エンジン回転センサ、7・・・車速
センサ、8・・・スロットルセンサ、9・・・吸入空気
量センサ、10・・・トルクコンバータ、11・・・変
速歯車機構、12・・・変速機入力軸、13・・・出力
軸、14・・・変速制御コンピュータ、15・・・コン
トロールバルブ、15a,15b・・・変速制御ソレノ
イド、16・・・ライン圧制御ソレノイド、17・・・
入力軸回転センサ、18・・・通信ライン。
Claims (14)
- 【請求項1】 変速過渡時の入力軸回転数を所定の目標
軌跡に沿って変化させるように、自動変速機内の摩擦係
合装置に加えるライン圧をフィードバック制御する自動
変速機の制御方法において、 変速実行時にエンジン側でトルクダウン制御が実行され
る場合には、前記フィードバック制御の作用を低下せし
めることを特徴とする自動変速機の制御方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機の制御方法に
おいて、前記フィードバック制御の作用を低下せしめる
方法として、フィードバック制御ゲインを低下させるこ
とを特徴とする自動変速機の制御方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の自動変速機の制御方法に
おいて、前記フィードバック制御の作用を低下せしめる
方法として、フィードバック制御を行わない様にするこ
とを特徴とする自動変速機の制御方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の自動変速機の制御方法に
おいて、前記フィードバック制御の作用を低下せしめる
方法として、トルクダウン制御実行時にフィードバック
制御を行わなかったとした場合の入力軸回転数の変化を
目標軌跡としてフィードバック制御を行うことを特徴と
する自動変速機の制御方法。 - 【請求項5】 変速過渡時の入力軸回転数を所定の目標
軌跡に沿って変化させるように、自動変速機内の摩擦係
合装置に加えるライン圧をフィードバック制御する自動
変速機の制御方法において、 変速過渡時におけるライン圧の変化量が所定範囲を外れ
ない様に前記フィードバック制御を制限することを特徴
とする自動変速機の制御方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の自動変速機の制御方法に
おいて、前記所定範囲は、トルクダウン制御が実行され
ない変速時にはフィードバック制御を制限することとな
らない範囲として定められていることを特徴とする自動
変速機の制御方法。 - 【請求項7】 変速過渡時の入力軸回転数を検出する入
力軸回転数検出手段と、 変速前後の入力軸回転数の差と変速所要時間との関係か
ら、変速過渡時における入力軸回転数の目標軌跡を与え
る目標軌跡付与手段と、 変速過渡時においては、該目標軌跡に沿って入力軸回転
数が変化するように、自動変速機内の摩擦係合装置に加
えるライン圧をフィードバック制御するライン圧制御手
段と、 変速実行時にエンジン側でトルクダウン制御が実行され
るか否かを判定するトルクダウン判定手段とを備える自
動変速機の制御装置において、 前記トルクダウン判定手段によってトルクダウン制御が
実行されると判定された場合には、前記フィードバック
制御の作用を低下せしめる作用低下手段とを備えること
を特徴とする自動変速機の制御装置。 - 【請求項8】 請求項7記載の自動変速機の制御装置に
おいて、前記作用低下手段は、フィードバック制御ゲイ
ンを低下させる手段であることを特徴とする自動変速機
の制御方法。 - 【請求項9】 請求項7記載の自動変速機の制御装置に
おいて、前記作用低下手段は、フィードバック制御を行
わない様にする手段であることを特徴とする自動変速機
の制御装置。 - 【請求項10】 請求項7記載の自動変速機の制御装置
において、前記作用低下手段は、トルクダウン制御実行
時にフィードバック制御を行わなかったとした場合の入
力軸回転数の変化を目標軌跡として付与する手段である
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 【請求項11】 請求項10記載の自動変速機の制御装
置において、前記作用低下手段は、トルクダウン制御実
行時にフィードバック制御を行わなかったとした場合の
入力軸回転数の変化に関する情報を、変速及びトルクダ
ウンの条件毎に予め記憶しておき、該記憶内容に基づい
て前記目標軌跡を付与する手段であることを特徴とする
自動変速機の制御装置。 - 【請求項12】 請求項6〜11のいずれか記載の自動
変速機の制御装置において、 変速時のエンジン負荷に応じて、エンジン側に対してト
ルクダウン制御を要求するトルクダウン要求手段を備
え、 前記トルクダウン判定手段は、該要求に応じてエンジン
側がトルクダウンを実際に実行することを確認する手段
として構成されることを特徴とする自動変速機の制御装
置。 - 【請求項13】 変速過渡時の入力軸回転数を検出する
入力軸回転数検出手段と、 変速前後の入力軸回転数の差と変速所要時間との関係か
ら、変速過渡時における入力軸回転数の目標軌跡を与え
る目標軌跡付与手段と、 変速過渡時においては、該目標軌跡に沿って入力軸回転
数が変化するように、自動変速機内の摩擦係合装置に加
えるライン圧をフィードバック制御するライン圧制御手
段とを備える自動変速機の制御装置において、 変速過渡時におけるライン圧の変化量が所定範囲を外れ
ない様に前記フィードバック制御を制限する制限手段を
備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 【請求項14】 請求項13記載の自動変速機の制御装
置において、前記所定範囲は、トルクダウン制御が実行
されない変速時にはフィードバック制御を制限すること
とならない範囲として定められていることを特徴とする
自動変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8154289A JPH10964A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 自動変速機の制御方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8154289A JPH10964A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 自動変速機の制御方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10964A true JPH10964A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15580897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8154289A Pending JPH10964A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 自動変速機の制御方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10964A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019167818A1 (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-06 | ジヤトコ株式会社 | 自動変速機の制御装置 |
JP2020085072A (ja) * | 2018-11-20 | 2020-06-04 | いすゞ自動車株式会社 | 制御装置及び、制御方法 |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP8154289A patent/JPH10964A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019167818A1 (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-06 | ジヤトコ株式会社 | 自動変速機の制御装置 |
JPWO2019167818A1 (ja) * | 2018-02-27 | 2020-12-03 | ジヤトコ株式会社 | 自動変速機の制御装置 |
US11110930B2 (en) | 2018-02-27 | 2021-09-07 | Jatco Ltd. | Control device for automatic transmission |
JP2020085072A (ja) * | 2018-11-20 | 2020-06-04 | いすゞ自動車株式会社 | 制御装置及び、制御方法 |
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