JPH1095968A - 有機高分子塗料および金属ガスケット材の製造方法 - Google Patents

有機高分子塗料および金属ガスケット材の製造方法

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JPH1095968A
JPH1095968A JP25134496A JP25134496A JPH1095968A JP H1095968 A JPH1095968 A JP H1095968A JP 25134496 A JP25134496 A JP 25134496A JP 25134496 A JP25134496 A JP 25134496A JP H1095968 A JPH1095968 A JP H1095968A
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JP
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organic polymer
rubber
paint
viscosity
gasket
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JP25134496A
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Mamoru Sato
護 佐藤
Katsuhide Fujisawa
勝秀 藤沢
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Nippon Reinz Co Ltd
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Nippon Reinz Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続的に走行する長尺金属シートの両面に有
機高分子塗料を部分的に塗布する金属ガスケット材の製
造方法において用いる有機高分子塗料、並びに該有機高
分子塗料を用いた金属ガスケット材の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 室温における粘度が103 〜105 セン
チポイズであることを特徴とする有機高分子塗料。およ
び連続的に走行する長尺金属シートの両面に前記の有機
高分子塗料を部分的に塗布する部分塗布工程を有するこ
とを特徴とする金属ガスケット材の製造方法。 【効果】 自動車用エンジンの金属製シリンダーヘッド
ガスケットなどの高品質の各種金属ガスケットを高歩留
りにて製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機高分子塗料お
よびそれを用いた自動車用エンジンのシリンダーヘッド
ガスケットなどの金属ガスケット材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図2は、自動車用エンジンの代表的な金
属製のシリンダーヘッドガスケット(以下、CHG)の
平面図であり、図3は図2のX−X部の断面図である。
CHGは、平板状のステンレス鋼板体2が膨らみ加工部
(以下、ビード)Pを有する2枚のステンレス鋼板体1
にてサンドイッチされた三層構造を有し、三層構造を貫
通する多数のガスケット孔、即ち燃焼室孔B1、ボルト
孔B2、その他の孔が明けられている。その他の孔とし
ては水孔や油孔があるが、図の煩雑化を回避するために
図2ではそれらの孔の記載は省略している。ステンレス
鋼板体1は、多くの場合、各ガスケット孔、例えば燃焼
室孔B1の周囲においてビードPを有し、かつビードP
およびその近傍部における両面上にフッ素ゴムなどの耐
熱性ゴムの層R1、R2が形成されている。ビードPお
よびゴム層R1、R2は、CHGのシール機能を高める
作用をなす。CHGは、一枚のステンレス鋼板体1のみ
からなる場合、ステンレス鋼板体と一枚のステンレス鋼
板体2の2層構造からなる場合などがある。
【0003】いずれにせよ、CHGはステンレス鋼板体
1を有するが、これは従来、つぎに示す極めて煩雑な工
程を経て製造されてきた。即ち、長尺のステンレス鋼板
に燃焼室孔B1、ボルト孔B2、その他のガスケット孔
を明ける工程1、各ガスケット孔の周囲にビードPを形
成する工程2、長尺のステンレス鋼板から図2に示す如
き形状のステンレス鋼板体1を打抜く工程3、耐熱性ゴ
ムの層R1を形成するために耐熱性ゴムの塗料を塗布し
乾燥する工程4、工程4と同じことをもう一度行う工程
5、耐熱性ゴムの層R2を形成するために耐熱性ゴムの
塗料を塗布し乾燥する工程6、乾燥した耐熱性ゴム層R
1、R2を架橋する工程7の7工程である。
【0004】一般的に、ビードPのような曲面部の両側
に耐熱性ゴム層R1、R2を塗料塗布にて均一厚みに形
成することは極めて困難である。その理由は、板の平坦
部と大いに異なって、曲面部は耐熱性ゴムの塗料の塗布
性が悪くしかも曲面部の内外でその塗布の困難性の程度
が異なるからである。
【0005】CHGにおいては、ガスケット孔の両面に
形成される耐熱性ゴム層R1とR2とは、通常、両者の
各パターン形状、厚み、パターンの形成位置などが互い
に同じである場合が多いが、場合によっては両者の厚み
が異なるなど、互いに部分的に多少異なる場合もある。
なお上記した両面パターンの形成位置の同一性とは、例
えば両面の各パターンが寸法や形状が互いに同じである
場合、切り絵の関係にあることを言う。切り絵の関係と
は、片面のパターンに沿ってシートを切断すれば、他面
のパターンが同時に過不足なく切断される関係である。
またパターンの中心点について言えば、片面に形成され
たパターンの中心点にシートに垂直に貫通孔を穿ったと
き、該貫通孔は他面に形成されたパターンの中心点に達
する関係を言う。
【0006】ところで、両面の各パターンの形状、厚
み、パターンの形成位置関係などに種々の組み合わせ要
求のある耐熱性ゴム層R1とR2などを従来の方法で設
計通りに誤りなく形成することは頻る手間と注意力を要
し、工場の作業員の注意力が低下するとたちまち製品の
歩留りが悪くなる問題がある。かかる問題に鑑みて、本
発明者らは上記したステンレス鋼板体1の如き金属シー
トの両面に耐熱性ゴム層を有するような金属ガスケット
材を一層簡単な工程にて歩留りよく製造する目的から、
連続的に走行する長尺金属シートの両面に有機高分子塗
料を部分的に塗布する金属ガスケット材の製造方法を開
発した。図1は、この製造方法における工程の正面図で
ある。
【0007】図1に示すように、送出しドラム3から金
属シート4は、洗浄装置5、プライマー処理槽6、乾燥
機7をそれぞれ経由してその両面をプライマー処理され
たのち、塗料塗布装置8にて両面に耐熱性ゴム層R1や
R2などの層を形成するために有機高分子塗料が部分塗
布される。部分塗布された塗料は、架橋装置9において
架橋される。金属シート4は、ついでガスケット孔明け
機10、およびビード立て機11を順次経由して最後に
ガスケット打抜き機12に到る。塗料塗布装置8は、一
対のロータリスクリーンコータ81と82とからなり、
ロータリスクリーンコータ81は金属シート4の上側面
を、一方ロータリスクリーンコータ82は金属シート4
の下側面を、それぞれ塗布する。
【0008】塗料塗布装置8として他の装置、例えば平
板状のスクリーンコータを使用する場合には、金属シー
ト4は、その両面が地表に対して垂直に立ち且つ金属シ
ート全体としては地表に対して平行となるように送出し
ドラム3から送出され、一対の該平板状スクリーンコー
タは、垂直に立って走行する金属シートの両側に互いに
同じ高さの位置に設置される。
【0009】いずれの塗料塗布装置を使用するにせよ、
この両面塗布方法において新たに認識された問題は、有
機高分子塗料の粘度が金属ガスケット材の製造能率や製
造された該材の性能に大きく影響することである。即
ち、有機高分子塗料の粘度が過少であると、塗布後から
架橋に到るまでの間に、その低粘度に基づく易流動性に
より変形する問題があり、一方、有機高分子塗料の粘度
が過大であると、パターン印刷、特にスクリーン印刷す
る際に、均一塗布性が悪い、スクリーンに目詰りを起こ
し易いなどの問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、連続
的に走行する長尺金属シートの両面に有機高分子塗料を
部分的に塗布する金属ガスケット材の製造方法において
生じる上記問題のない有機高分子塗料、並びに該有機高
分子塗料を用いた金属ガスケット材の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、つぎの特徴を
有する。 1.室温における粘度が103 〜105 センチポイズで
あることを特徴とする金属ガスケット材製造用の有機高
分子塗料。 2.室温における粘度が5×103 〜5×104 センチ
ポイズである上記1記載の有機高分子塗料。 3.有機高分子が耐熱性ゴムであり、該耐熱性ゴムを親
溶媒に溶解してなる上記1または2記載の有機高分子塗
料。 4.連続的に走行する長尺金属シートの両面に上記1〜
3のいずれかに記載の有機高分子塗料を一対のスクリー
ンコータにより部分的に塗布する部分塗布工程を有する
ことを特徴とする金属ガスケット材の製造方法。 5.長尺金属シートが鋼シートである上記4記載の金属
ガスケット材の製造方法。 6.金属ガスケット材が自動車用エンジンのシリンダー
ヘッドガスケットである上記4または5記載の金属ガス
ケット材の製造方法。
【0012】
【作用】室温における粘度が103 〜105 センチポイ
ズの有機高分子塗料は、その粘性が過少でないので、塗
布後から架橋に到るまでの間での変形の問題が軽度であ
り、また粘性が過大でないのでスクリーン印刷する際に
おける均一塗布性が良好であり、更にスクリーンに目詰
りを起こす問題も実際的に改善される。
【0013】本発明で用いられる有機高分子塗料は、B
型粘度計(BL型あるいはBH型)で測定した室温にお
ける粘度が103 〜105 センチポイズのもの、好まし
くは同温における粘度が5×103 〜5×104 センチ
ポイズのものである。
【0014】有機高分子塗料の一例は、室温で固体、半
固体、あるいは液体などの各種の有機高分子を有機溶媒
に溶解乃至均一に分散したものである。該有機高分子種
に関しては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミ
ド乃至ポリイミド、含ハロゲン系樹脂、シリコン樹脂、
その他各種のエンジニアリングプラスチックなどのプラ
スチック類、フッ素ゴム、シリコンゴム、その他のゴム
類が対象となる。ポリオレフィンとしては、架橋性ポリ
エチレン、ポリ4−メチルペンテン−1などが例示され
る。ポリエステルとしては、熱可塑性ポリエステルや熱
硬化性ポリエステルなどが例示される。ポリアミド乃至
ポリイミドとしては、ポリアミド、ポリイミド、ポリア
ミドイミドなどが例示される。含ハロゲン系樹脂として
は、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、PT
FE、PFA、PCTTEなどが例示される。シリコー
ン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニルメ
チルシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂などが例示さ
れる。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリア
セタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドなどが例
示される。フッ素ゴムとしては、ビニリデンフロライド
−ヘキサフロロプロピレン系ゴム、ビニリデンフロライ
ド−ヘキサフロロプロピレン−テトラフロロエチレン系
ゴム、テトラフロロエチレン−プロピレン系ゴム、テト
ラフロロエチレン−プロピレン−ビニリデンフロライド
系ゴムなどが例示される。シリコーンゴムとしては、ジ
メチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴ
ム、フルオロシリコーンゴム、変性シリコーンゴムなど
の熱架橋性ゴム、LPSやRTVなどの液状シリコーン
ゴムなどが例示される。その他のゴム類としては、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム、水素添加アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴムなどが例示される。それら有機高分子
は、各有機高分子毎に周知の架橋剤(加硫剤、あるいは
硬化剤)と共に用いられる。
【0015】なお本発明において製造対象とする金属ガ
スケット材が、自動車のエンジン用CHGのような高温
度で使用されるものである場合、上記有機高分子のうち
でもフッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムなどの耐熱性ゴムが特に好ましい。
【0016】これらの有機高分子と共に用いられる有機
溶媒としては、該有機高分子を溶解し得る親溶媒、ある
いは有機高分子を少なくとも実質的に均一に分散し得る
良溶媒などが用いられる。なお有機溶媒は、有機高分子
に対して不活性な単なる物理的溶解乃至分散の作用のみ
をなす非反応性溶媒であってもよく、あるいは有機高分
子に対し架橋作用などの活性作用をも具備する反応性溶
媒であってもよい。なお金属ガスケット材の製造の際
に、ガスケット原材料上への塗料塗布にスクリーン印刷
方法を採用する場合、スクリーンの目詰まりを極力防止
する観点からは、有機高分子を溶解し得る非反応性ある
いは反応性の親溶媒、就中、非反応性親溶媒が特に好ま
しい。
【0017】若干の有機高分子について、非反応性親溶
媒の好ましい例を挙げると、フッ素ゴムに対してはメチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類、エチルフェニルエーテルなどのエーテル類、エチル
アセテート、シクロヘキシルアセテートなどのエステル
類など、シリコーンゴムに対してはトルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類など、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムに対してはメチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類、エチルアセテートなどの
エステル類、などである。
【0018】上記有機溶媒の使用量は、使用する有機高
分子の室温における相状、重合度などによって全く異な
るが、有機高分子と有機溶媒とが特定されれば得られる
溶液あるいは分散液の室温における粘度が103 〜10
5 センチポイズ、特に5×103 〜5×104 センチポ
イズとなるように試行錯誤的に決定することができる。
【0019】本発明で用いられる有機高分子塗料の他の
例は、室温で103 〜105 センチポイズあるいはその
極く近傍の粘度を有する液体の有機高分子からなるもの
である。かかる有機高分子は、架橋剤などの硬化剤のほ
かに必要な粘度調節のために、有機溶媒あるいはそれ以
外の減粘剤、あるいは増粘剤を必要量添加して使用する
ことができる。かかる有機高分子としては、エポキシ樹
脂、液状クロロプレンゴム、液状シリコーンゴムなどが
例示できる。
【0020】これまでに説明した本発明の種々の有機高
分子塗料には、必要により他の薬剤、例えば老化防止
剤、充填剤、カーボンブラック、可塑剤、滑剤、各種助
剤などを通常量添加してよい。
【0021】つぎに本発明の有機高分子塗料を使用した
金属ガスケット材の製造方法について説明する。本発明
の方法は、図1について前記したように、送出しドラム
3から供給される金属シート4は、洗浄装置5、プライ
マー処理槽6、乾燥機7、塗料塗布装置8、架橋装置
9、ガスケット孔明け機10、およびビード立て機11
を順次経由して連続的に走行しており、最後にガスケッ
ト打抜き機12に到る。
【0022】金属シート4としては、各種の金属、例え
ば鉄系金属、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはその
他の金属からなるシートが使用できる。就中製造対象の
金属ガスケット材が図2、3のようなCHGあるいはそ
の部品である場合、シートの構成金属は、耐熱性の金
属、特に鉄系金属が好ましい。鉄系金属の例を挙げる
と、Fe−C合金、フェライト系ステンレス、マルテン
サイト系ステンレス、オーステナイト系ステンレスなど
のステンレス鋼、フェロマンガン、フェロシリコン、フ
ェロニッケル、フェロクロムあるいはその他の、鉄を主
成分とする、特に鉄の含有量が少なくとも80重量%の
フェロアロイである。かかる鉄合金のシートのうちで
も、ステンレス鋼シート、特にSUS301−CSP、
SUS304−CSP、SUS420J2−CSP、S
US631−CSPなどのばね用ステンレス鋼帯が好ま
しい。金属シートの厚みは、0.05〜1mm、特に
0.1〜0.5mmが適当である。
【0023】金属シート4は、洗浄装置5、プライマー
処理槽6、および乾燥機7を経由する間にその両面が水
や有機溶剤で洗浄され、シランカップリング剤などのプ
ライマーにて処理され、さらに温風にて乾燥された後に
塗料塗布装置8に到る。塗料塗布装置8としては、図示
するロータリスクリーンコータ81、82の他にも各種
の塗布装置、例えば平板状スクリーンコータ、ディスペ
ンサーなどが用いられ、その塗料として前記した粘度を
有する本発明の有機高分子塗料が用いられる。
【0024】図1に示す工程の最後において、金属シー
ト4から例えば図2、3に示すステンレス鋼板体1のよ
うな構造の金属ガスケット材が多数枚打抜かれるが、通
常は打抜カスが最小となるように、別言すると金属シー
ト4の単位長から最大枚数の金属ガスケット材を打抜け
るように金属ガスケット材の取得デザインが最初に決定
される。したがって、金属シート4の両面には、予め決
定された上記の取得デザインに即応するように有機高分
子の塗料が一定間隔をおいて部分塗布される。また塗料
塗布装置8は、そのような塗布を行えるように金属シー
ト4の上下に設置される。塗料塗布装置8として、例え
ばロータリスクリーンコータを使用した場合について説
明すると、金属シート4の上側に上側スクリーンコータ
81が設置され、金属シート4の下に下側スクリーンコ
ータ82が設置される。各コータ81、82共に、その
塗布面は金属シート4に対向して設置され、金属シート
4のライン速度に追随して一定の速度で回転している。
金属シート4の上下側面に予め設定された部分塗布する
位置や塗布パターンに合致するように、各スクリーンコ
ータのコーティングパターンが設定されている。なお上
側スクリーンコータ81と下側スクリーンコータ82と
は、金属シート4の両面に所望のパターンが形成される
限り、互いに同時に塗布を行う必要はなく、多少の時間
的なズレがあってもよい。また設置位置に関しても多少
ズレがあってもよい。
【0025】架橋装置9は、その入口側に設けた乾燥室
91と後続の架橋室92とからなる。金属シート4の上
下両面に部分塗布された塗布層は、乾燥室91において
50〜120℃程度の温度で乾燥される。この際、塗布
層の発泡の問題がないようであれば、つぎの加熱架橋に
要する所要時間を短縮するために温度を今少し高めとし
て、例えば100〜150℃として乾燥の後に予備架橋
を生ぜしめることが好ましい。該塗布層は、ついで架橋
室92において150〜300℃程度、好ましくは18
0〜250℃程度の高温度で加熱架橋される。なお該塗
料層の架橋は、使用された有機高分子の種類や架橋剤な
どの種類に応じて加熱架橋以外の、例えば、電子線照射
架橋、紫外線照射架橋、あるいはその他の架橋方法によ
り行われることは勿論である。
【0026】かくて架橋工程を経た金属シート4の両側
には、多数のリング状やその他のパターン形状の架橋有
機高分子の層が形成されており、つぎのガスケット孔明
け機10に至って各種のガスケット孔が打抜かれ、CH
Gの燃焼室孔などが形成される。連続工程において打抜
かれるべきガスケット孔の位置は、例えば撮像装置を備
えた孔明け機を使用して各孔明け開始前毎に該撮像装置
にて孔明け位置を瞬時に決定することができる。孔明け
位置を瞬時に決定することができるようにすると、前記
の架橋装置9とガスケット孔明け機10との間にダンサ
ーロールを設置して、金属シート4のライン速度を自由
に調整することができる。
【0027】ガスケット孔明け機10により金属シート
4に形成された燃焼室孔などの各ガスケット孔の周囲に
は、ビード立て機11によりビードが形成される。金属
シート4は、最後にガスケット打抜き機12に到って、
そこから図2、3に示すステンレス鋼板体1のようなガ
スケット材13が打抜かれる。
【0028】本発明は、図1に示す実施例以外にも種々
の変形実施態様を包含する。例えば洗浄装置5、プライ
マー処理槽6、および乾燥機7を経由した金属シート4
は、先ずガスケット孔明け機10により必要なガスケッ
ト孔を打抜かれ、その後に塗料塗布装置8、架橋装置
9、ビード立て機11を順次経由して各装置により前記
した各処理を受け、最後にガスケット打抜き機12に到
ってもよい。また、ガスケット打抜き機12にてガスケ
ットを打抜いた後にビード立てを行ってもよい。さらに
金属シート4は、図1に示すようにそのシート面が地面
に対して水平となるように走行させてよく、あるいは垂
直となるように且つ地面に平行に走行させてよい。垂直
に走行させる場合は、金属シートの両側に同じ高さで塗
料塗布装置を対抗設置してそれぞれから同時に、あるい
は実質的に同時に耐熱性ゴム塗料などを塗布するとよ
い。
【0029】本発明において、金属シート4の両面の各
側に設置された少なくとも2台の塗料塗布装置は、両者
の各塗布パターン形状や厚みなどが互いに同じであって
もよく、また互いに異なっていてもよい。さらに両者の
各塗布パターンは、金属シート4の表裏同位置であって
もよく、互いに異なっていてもよい。しかし、本発明
は、金属シート4の両面の塗布パターンは、形状、並び
に表裏同位置に形成する場合に特に効果的である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により一層詳細に説明
する。
【0031】実施例1 フッ素ゴム(米国デュポン社製の商品名バイトン)、該
フッ素ゴム100重量部あたり5重量部のビスフェノー
ル系架橋剤、20重量部のカーボンブラック(MT)、
3重量部のMgO、および6重量部のCa(OH)2
からなるゴム組成物をシクロヘキシルアセテートに溶解
してなるフッ素ゴム濃度40重量%、25℃における粘
度が35,000センチポイズのもの。
【0032】実施例2 フッ素ゴム(ダイキン工業社製の商品名ダイエル)、該
フッ素ゴム100重量部あたり3重量部のアミン系架橋
剤、20重量部のカーボンブラック(MT)、および1
5重量部のMgOとからなるゴム組成物をシクロヘキシ
ルアセテートに溶解してなるフッ素ゴム濃度30重量
%、25℃における粘度が17,000センチポイズの
もの。
【0033】実施例3 シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製の
商品名SH871uコンパウンド)、該シリコーンゴム
100重量部あたり1重量部の2,4−ジクロルベンゾ
イルパーオキサイド、および1.5重量部の顔料(ペー
スト状ベンガラ)とからなるゴム組成物をトルエンに溶
解してなるシリコーンゴム濃度25重量%、25℃にお
ける粘度が7,000センチポイズのもの。
【0034】実施例4 アクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン社製の
商品名ニポール)、該アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム100重量部あたり4重量部のチウラム系架橋剤、5
0重量部のカーボンブラック(HAF)、2重量部の老
化防止剤、および5重量部の可塑剤とからなるゴム組成
物をメチルイソブチルケトンに溶解してなるアクリロニ
トリル−ブタジエンゴム濃度30重量%、25℃におけ
る粘度が12,000センチポイズのもの。
【0035】比較例1 実施例1と同じゴム組成物並びに溶剤であるが、フッ素
ゴム濃度が15重量%であり、25℃における粘度が8
50センチポイズであるもの。
【0036】比較例2 実施例1と同じゴム組成物並びに溶剤であるが、フッ素
ゴム濃度が60重量%であり、25℃における粘度が1
5 センチポイズより大であってB型粘度計(BH型)
での粘度測定が不可能のもの。
【0037】実施例5〜8 厚さ0.25mm、幅40cmのSUS301−CSP
のシートをその巻き取りロールから水平に連続送り出し
て洗浄槽、プライマー槽、および乾燥室を順次通過させ
て清浄な両面上にプライマー層を形成した。続いて、該
SUSシートをその上下に設置した同じ構造の一対のロ
ータリスクリーンコータの間、乾燥室、および200℃
〜250℃のオーブンを順次連続通過させてその両面の
予定位置(各ガスケット孔の周囲両面)に実施例1〜4
の有機高分子塗料をそれぞれ塗布し、両面の塗布層を乾
燥し、加熱架橋した。SUSシートを、引き続きダンサ
ーロールによるライン速度調節過程を経由して孔明け
機、ビード立て機、およびCHG打抜き機を順次通過さ
せ、かくして長さ約36cm、幅約15cmで中央に3
ケの燃焼室孔、8ケのボルト孔、21ケの水孔、および
6ケの油孔を有する図2、3に示すステンレス鋼板体1
と同じ構造のCHG用材を連続生産した。
【0038】比較例3〜4 実施例1〜4の有機高分子塗料に代えて比較例1〜2の
有機高分子塗料を使用した以外は実施例5などと同じ方
法並びに条件にてステンレス鋼板体1と同じ構造のCH
G用材を連続生産した。
【0039】この結果、実施例1〜4の有機高分子塗料
を用いた実施例5〜8では、連続8時間の操業を行う
も、スクリーンコータの目詰まり問題は生じなかった。
これに対して比較例3においては、使用した塗料は粘度
が過少であって易流動性であり、またSUSシートは移
送中に振動しているために、SUSシート両面の塗料塗
布体は架橋が完了するまでの間に流動して大きく変形し
た。一方、比較例4においては、使用した塗料は粘度が
過大であるためにSUSシート両面への塗料の均一塗布
が不可能であり、また約30分操業でスクリーンコータ
に目詰まりが生じた。
【0040】
【発明の効果】本発明の有機高分子塗料を使用すること
により、長尺の原料金属シートの両面に必要な部分塗布
を安定して行うことができる。したがって、本発明によ
り、自動車用エンジンの金属製シリンダーヘッドガスケ
ットなどの高品質の各種金属ガスケットを高歩留りにて
製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための工程説明図例で
ある。
【図2】自動車用エンジンの代表的な金属製のシリンダ
ーヘッドガスケットの平面図である。
【図3】図2のX−X部の断面図である。
【符号の説明】
3 送出しドラム 4 金属シート 5 洗浄装置 6 プライマー処理槽 7 乾燥機 8 塗料塗布装置 9 架橋装置 10 ガスケット孔明け機 11 ビード立て機 12 ガスケット打抜き機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温における粘度が103 〜105 セン
    チポイズであることを特徴とする金属ガスケット材製造
    用の有機高分子塗料。
  2. 【請求項2】 室温における粘度が5×103 〜5×1
    4 センチポイズである請求項1記載の有機高分子塗
    料。
  3. 【請求項3】 有機高分子が耐熱性ゴムであり、該耐熱
    性ゴムを親溶媒に溶解してなる請求項1または2記載の
    有機高分子塗料。
  4. 【請求項4】 連続的に走行する長尺金属シートの両面
    に請求項1〜3のいずれかに記載の有機高分子塗料を一
    対のスクリーンコータにより部分的に塗布する部分塗布
    工程を有することを特徴とする金属ガスケット材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 長尺金属シートが鋼シートである請求項
    4記載の金属ガスケット材の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属ガスケット材が自動車用エンジンの
    シリンダーヘッドガスケットである請求項4または5記
    載の金属ガスケット材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013502547A (ja) * 2009-08-19 2013-01-24 フェデラル−モーグル コーポレイション シリンダヘッドガスケットアセンブリ
CN114210531A (zh) * 2021-12-08 2022-03-22 长春蓝天密封技术开发有限公司 一种耐高温的金属密封垫片加工工艺

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