JPH1095951A - 表面コート剤及びその硬化膜を被覆した合成樹脂成形品 - Google Patents

表面コート剤及びその硬化膜を被覆した合成樹脂成形品

Info

Publication number
JPH1095951A
JPH1095951A JP25448496A JP25448496A JPH1095951A JP H1095951 A JPH1095951 A JP H1095951A JP 25448496 A JP25448496 A JP 25448496A JP 25448496 A JP25448496 A JP 25448496A JP H1095951 A JPH1095951 A JP H1095951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
coating agent
surface coating
synthetic resin
resin molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP25448496A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Tokuyama
恒一 徳山
Yoshio Tadokoro
義雄 田所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP25448496A priority Critical patent/JPH1095951A/ja
Publication of JPH1095951A publication Critical patent/JPH1095951A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂本来の光学物性を損なうことなく、良好
な耐擦傷性と帯電防止性を有し、かつ耐久性が優れた硬
化膜を形成できる表面コート剤を提供する。 【解決手段】 分子中に少なくとも2個の(メタ)アク
リロイルオキシ基を有する重合性化合物100重量部、
下記の一般式 化1で示される重合性酸性リン酸エステ
ル0.1〜30.0重量部、コロイド状シリカ10.0
〜50.0重量部を含有してなる表面コート剤およびそ
の硬化膜を形成した合成樹脂成型品。 【化1】 〔式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は−(CH2)
m −(ただし、mは1〜5の整数を表わす)、−CH(C
H3)-CH2 −、−CH(CH2CH3)-CH2−であり、nは1〜2の
整数を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐擦傷性及び帯電
防止性に優れた表面コート剤及びその硬化膜を被覆した
合成樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト、塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂は、易成形性、軽量
性、耐衝撃性などの特徴を有し、そのためにいろいろな
用途に幅広く使用されている。しかし、これらの合成樹
脂表面は、傷が付きやすく、帯電しやすいため、傷や付
着したホコリなどにより外観が著しく悪くなり、透明性
樹脂の場合、透明性が低下するなどの欠点がある。その
ため、従来、界面活性剤等の帯電防止剤を合成樹脂成形
品表面に塗布するなどの帯電防止処理が行われてきた。
しかし、これらは帯電防止性が付与されるものの耐水性
がなく、水浸漬あるいは水洗いすることによって帯電防
止性は急速に失われる。
【0003】耐水性を高める目的で、特公昭57-65671号
公報には、ポリエチレングリコール縮合型ノニオン界面
活性剤及び重合性酸性リン酸エステルからなる帯電防止
性被覆組成物として提案されている。特公昭31-6533 号
には、4官能性珪素化合物、例えば四塩化珪素とアルコ
ールの反応物が耐水性を有する帯電防止塗料として提案
されている。表面硬度を高める目的で、特開昭50-14382
2 号公報には、アルコキシシラン等のシリコーン系樹
脂、例えばアルキルトリアルコキシシランの加水分解縮
合物の被膜を合成樹脂成型品表面に形成させることが提
案されている。さらに、特開昭61-76563号公報には、多
官能(メタ)アクリレート単量体、リン酸エステル系単
量体及びコロイダルシリカを含有する防曇性塗装剤が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
57-65671号公報に記載の帯電防止性被覆組成物は、帯電
防止性は付与されるものの耐水性は十分ではなく、水洗
いすると徐々にではあるが帯電防止性は失われていく。
特公昭31-6533 号公報に記載の帯電防止塗料は、4官能
性珪素化合物の縮合物の塗膜は脆く曲げ加工などによっ
てひび割れが生じたり、表面を爪で引っかくと塗膜剥離
などの現象が生じる。特開昭50-143822 号公報に記載の
方法は、帯電防止性能が十分ではなく、アルキルトリア
ルコキシシラン中に帯電防止剤を混合しておくと被膜の
帯電防止性能は発現されても表面硬度は低下してしま
う。さらに、特開昭61-76563号公報に記載の防曇性塗装
剤は、透明性、耐久性などが必ずしも充分でない。
【0005】本発明者はかかる事情に鑑み、表面コート
剤について鋭意検討した結果、分子中に少なくとも2個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物
に特定量の重合性酸性リン酸エステル及びコロイド状シ
リカを配合することによって、樹脂本来の光学物性を損
なうことなく、良好な耐擦傷性と帯電防止性を有し、か
つ耐久性が優れた硬化膜を形成できる表面コート剤が得
られることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、分子
中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を
有する重合性化合物100重量部、下記の一般式 化2
で示される重合性酸性リン酸エステル0.1〜30.0
重量部、コロイド状シリカ10.0〜50.0重量部を
含有してなる表面コート剤である。
【0007】
【化2】 〔式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は−(CH2)
m −(ただし、mは1〜5の整数を表わす)、−CH(C
H3)-CH2 −、−CH(CH2CH3)-CH2−であり、nは1〜2の
整数を表す。〕
【0008】さらに本発明は、上記の表面コート剤を重
合硬化させた硬化膜、この硬化膜が表面に形成された合
成樹脂成型品である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の分子中に少なくとも2個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物
とは、1分子中にアクリロイル基またはメタクリロイル
基を2個以上有し、活性エネルギー線で重合して硬化す
る化合物である。例えば、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ト
リペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、ジエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ートもしくはヘキサメタクリレート、トリペンタエリス
リトールヘプタ(メタ)アクリレート等の多価アルコー
ルのポリ(メタ)アクリレート、マロン酸/トリメチ
ロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメ
チロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グ
リセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリ
スリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチ
ロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメ
チロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グ
リセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリ
スリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメ
チロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ト
リメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン
酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジ
ピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸
/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタ
ル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、
グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタ
ル酸ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セパ
シン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、
セパシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリ
ル酸、セパシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、
セパシン酸ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリ
ル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)ア
クリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/
(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロール
エタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸等の組み合わせによる飽和ま
たは不飽和ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、
トリレジンイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、あるいはこれ
らジイソシアネート化合物のうち芳香族のイソシアネー
ト類を水添えして得られるジイソシアネート化合物(例
えば、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニ
ルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合
物)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチ
レントリフェニルトリイソシアネートなどのような2価
あるいは3価のポリイソシアネート化合物あるいはジイ
ソシアネート化合物を多量化させて得られるポリイソシ
アネート化合物等のイソシアネート含有化合物と活性水
素を有する(メタ)アクリルモノマー、例えば、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3
−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)
アクリルアミド等をイソシアネート1分子あたり2モル
以上を常法により反応させて得られるウレタン(メタ)
アクリレート、その他トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等を挙
げることが出来るが、なかでも表面硬度、耐候性よりウ
レタンアクリレートを主成分とするものが好ましい。
【0010】上記の一般式 化2で示される重合性酸性
リン酸エステルとしては、(メタ)アクリロイルオキシ
メチルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオキシ
メチルフォスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエ
チルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエ
チルフォスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルフォスフェート、(メタ)アクリロイルオキシイ
ソプロピルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオ
キシイソプロピルフォスフェート、(メタ)アクリロイ
ルオキシブチルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロイ
ルオキシブチルフォスフェート、(メタ)アクリロイル
オキシイソブチルフォスフェート、ジ(メタ)アクリロ
イルオキシイソブチルフォスフェート、(メタ)アクリ
ロイルオキシペンチルフォスフェート、ジ(メタ)アク
リロイルオキシペンチルフォスフェート等が挙げられ
る。
【0011】コロイド状シリカとしては、通常市販され
ているものを使用することができ、平均粒子径が1〜2
00nmで、有機溶媒に分散されているものである。有
機溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ
ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルコール化合物、エチレングリコール−モノ
−プロピルエーテル、エチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテル等のエーテル化合物、アセトアミド、メチ
ルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジメチルアセト
アミド、ジエチルアセトアミド、メチルエチルアセトア
ミド等のアミド化合物、キシレン、トルエン等の芳香
族化合物、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチル
ケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケト
ン、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン
等のカルボニル化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル化合物などが挙げ
られ、これらの2種類以上の混合溶媒も用いられる。
【0012】有機溶媒に分散されているシリカの固形分
濃度は0.1〜50重量%のものである。また、これら
コロイド状シリカは一般に市販されている界面活性剤と
併用されているものであってもよい。
【0013】本発明において、分子中に少なくとも2個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物
と重合性リン酸エステルの混合割合(固形分として)
は、重合性化合物100重量部に対して、重合性リン酸
エステルは0.1〜30重量部、コロイド状シリカは1
0.0〜50.0重量部である。重合性リン酸エステル
の量が0.1重量部未満の場合には、帯電防止効果が十
分ではなく、100重量部を越える場合には、帯電防止
効果は十分であるが表面硬度が低下し好ましくない。ま
た、コロイド状シリカが10.0重量部未満の場合に
は、表面硬度が十分でなく、50重量部をを越える場合
には、塗膜が形成せず好ましくない。
【0014】本発明における表面コート剤中には、物性
を損なわない程度に、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加
物が含まれていても構わない。紫外線吸収剤としては、
例えばチヌビンP(チバガイギ社製)、スミソーブ34
0(住友化学工業社製)等のベンゾトリアゾール系化合
物や、シーソーブ101S(シプロ化成社製)、スミソ
ーブ110(住友化学工業社製)等のベンゾフェノン系
化合物が挙げられ、光安定剤としてはチヌビン770
(チバガイギ社製)、サノールLS2626(三共社
製)等のヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
【0015】表面コート剤の塗布方法については特に限
定されないが、例えば浸漬、噴霧、塗布などの方法が挙
げられる。この際、作業性を向上させるために表面コー
ト剤を、種々の溶剤により希釈しても構わない。溶剤と
しては、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、キシレン等の芳香族化合物、
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチ
ルプロピルケトン、エチルプロピルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルシクロヘキサノン等のカルボニル化合物、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサノール等の
アルコール化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸
メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル等のエステル
化合物、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート等のエーテル化合物、アセトア
ミド、メチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、メチルエチ
ルアセトアミド等のアミド化合物、クロロホルム、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化合物等
が挙げられる。
【0016】表面コート剤の硬化方法は特に限定されな
いが、装置が比較的簡単なこと、生産性が高いことか
ら、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射によ
る光重合で行うことが好ましい。従って、硬化樹脂材料
に重合開始剤として光増感剤が含まれていても構わな
い。光増感剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾイン
メチルエチルエーテル、ベンゾインエチルエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベ
ンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン
等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスル
フィド、テトラメチルチラウムジスルフィド等の硫黄化
合物を挙げることができる。これらの光増感剤の添加量
は表面コート剤の固形分100重量部に対して0.1〜
10重量部であることが好ましい。光増感剤の量が少な
すぎると被膜の重合硬化が遅いため生産性が低く、添加
量が多すぎると硬化膜の物性低下を引き起こしやすい。
【0017】合成樹脂成形品の表面に形成する硬化膜の
厚みは0.1〜30μm、好ましくは1〜10μmであ
る。膜厚が0.1μm以下のときには、耐擦傷性が十分
でなく、30μmを越えるときには剥離が起きるなど耐
久性に問題を生じることや、硬化膜が形成された合成樹
脂成形品が脆くなることがある。
【0018】本発明に使用される合成樹脂成形品は、透
明で室温で剛性を持つものが好ましい。具体的にはポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルを主構成
単位とする共重合体、ポリスチレン、スチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチ
レート樹脂等が好ましい例として挙げることができる。
また、これらの樹脂中には紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、着色剤等の添加剤が含まれていても構わな
い。紫外線吸収剤、光安定剤としては前述した化合物が
挙げられる。酸化防止剤としては、例えばスミライザー
BP101(住友化学工業社製)、スミライザーGM
(住友化学工業社製)等のフェノール化合物、マークP
EP−8(アデカ社製)、マークPEP−24(アデカ
社製)等のリン系化合物等が挙げられる。着色剤として
は、例えばスミプラストOrangeHRP(住友化学
工業社製)等のペノリン系染料等が挙げられる。合成樹
脂成形品の形状は特に限定されるものではないが、厚さ
0.1〜50mmの板状品が具体的な例として挙げられ
る。
【0019】
【発明の効果】本発明の表面コート膜を塗布、硬化させ
て表面に硬化膜を形成させた合成樹脂成型品は、耐擦傷
性、帯電防止性、透明性、防汚性及び耐久性に優れてお
り、建材、屋外建造物、パーテンション、看板、ディス
プレイ、照明器具その他様々な用途への使用が可能であ
る。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例における評価は下記の通り行った。 (1)全光線透過率:ASTM D 1003 に従って、可視光線
の入射光量に対する全光線透過量の百分率であらわされ
る材料の明るさを測定した。 (2)曇価:ASTM D 1003 に従って、材料の鮮明さを測
定した。 (3)表面抵抗率:JIS K 6911に従って、単位表面積あ
たりの抵抗値を測定した。 (4)鉛筆硬度試験:JIS K 5400に準拠して鉛筆硬度試
験を行った。 (5)塗膜密着性試験:JIS K 5400に従って、碁盤目テ
ープ法により塗面の碁盤目100目盛数の残存数を測定
した。 (6)耐久性試験:80℃の熱水浸漬試験を1時間行
い、その後に上記の物性を測定して評価した。
【0021】実施例1 板厚3mmのメタアクリル樹脂板(スミペックスE、住
友化学工業社製)上に、コーエイハードM101(広
栄化学工業社製、ウレタンアクリレート系ハードコート
剤、固形分濃度80wt%)100g、オルガノシリ
カゾル(日産化学工業社製、XBT−ST、粒子径10
〜15nm、固形分濃度30wt%)80g、キシレ
ン:n−ブタノールが45:25の混合溶媒20g、
AR−100(大八化学社製:モノアクリロイルオキシ
エチルフォスフェート)8gからなる表面コート剤を、
引き上げ速度0.20cm/secで浸漬塗布し、室温
で30分放置した後、120Wのメタルハライドランプ
(アイグラフィックス社製)を20cmの距離から10
秒間照射することにより、表面に硬化膜を形成せしめ
た。表面に硬化膜を形成した樹脂板を評価した。固形分
組成比と評価結果を表1に示す。表1中の実施例及び比
較例の上段は初期、下段は熱水浸漬試験後の結果であ
る。
【0022】実施例2 コーエイハードM101を100g、オルガノシリ
カゾルを54g、キシレン:n−ブタノールが45:2
5の混合溶媒を46g、AR−100を12gとした
以外は実施例1と同様に行った。固形分組成比と評価結
果を表1に示す。
【0023】比較例1 コーエイハードM101を100g、オルガノシリ
カゾルを80g、キシレン:n−ブタノールが45:2
5の混合溶媒を20g、AR−100を未添加とした
以外は実施例1と同様に行った。固形分組成比と評価結
果を表1に示す。
【0024】比較例2 コーエイハードM101を100g、オルガノシリ
カゾルを未添加、キシレン:n−ブタノールが45:2
5の混合溶媒100g、AR−100を8gとした以
外は実施例1と同様に行った。固形分組成比と評価結果
を表1に示す。
【0025】比較例3 コーエイハードM101を100g、オルガノシリ
カゾル13.3g、キシレン:n−ブタノールが45:
25の混合溶媒80g、AR−100を12gとした
以外は実施例1と同様に行った。固形分組成比と評価結
果を表1に示す。
【0026】
【表1】 (外 観) ◎:良好、△:やや白化、□:白化、×:かなり白化
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 230:02)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリ
    ロイルオキシ基を有する重合性化合物100重量部、下
    記の一般式 化1で示される重合性酸性リン酸エステル
    0.1〜30.0重量部、コロイド状シリカ10.0〜
    50.0重量部を含有してなる表面コート剤。 【化1】 〔式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は−(CH2)
    m −(ただし、mは1〜5の整数を表わす)、−CH(C
    H3)-CH2 −、−CH(CH2CH3)-CH2−であり、nは1〜2の
    整数を表す。〕
  2. 【請求項2】請求項1に記載の表面コート剤を重合硬化
    させた硬化膜。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の硬化膜が表面に形成され
    た合成樹脂成形品。
JP25448496A 1996-09-26 1996-09-26 表面コート剤及びその硬化膜を被覆した合成樹脂成形品 Withdrawn JPH1095951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25448496A JPH1095951A (ja) 1996-09-26 1996-09-26 表面コート剤及びその硬化膜を被覆した合成樹脂成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25448496A JPH1095951A (ja) 1996-09-26 1996-09-26 表面コート剤及びその硬化膜を被覆した合成樹脂成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1095951A true JPH1095951A (ja) 1998-04-14

Family

ID=17265704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25448496A Withdrawn JPH1095951A (ja) 1996-09-26 1996-09-26 表面コート剤及びその硬化膜を被覆した合成樹脂成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1095951A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001021717A1 (en) * 1999-09-24 2001-03-29 Dsm N.V. Resin composition comprising inorganic particles and polymerizable phosphates and the products prepared therefrom
WO2007064003A1 (ja) * 2005-12-02 2007-06-07 Mitsui Chemicals, Inc. 単層膜およびこれからなる親水性材料
JP2011208102A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Fujifilm Corp 塗布組成物、光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置
WO2013014733A1 (ja) * 2011-07-25 2013-01-31 三井化学株式会社 単層膜及びこれからなる親水性材料

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001021717A1 (en) * 1999-09-24 2001-03-29 Dsm N.V. Resin composition comprising inorganic particles and polymerizable phosphates and the products prepared therefrom
WO2007064003A1 (ja) * 2005-12-02 2007-06-07 Mitsui Chemicals, Inc. 単層膜およびこれからなる親水性材料
US8617711B2 (en) 2005-12-02 2013-12-31 Mitsui Chemicals, Inc. Single layer film and hydrophilic material comprising the same
JP5638184B2 (ja) * 2005-12-02 2014-12-10 三井化学株式会社 単層膜およびこれからなる親水性材料
JP2011208102A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Fujifilm Corp 塗布組成物、光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置
WO2013014733A1 (ja) * 2011-07-25 2013-01-31 三井化学株式会社 単層膜及びこれからなる親水性材料
CN103703036A (zh) * 2011-07-25 2014-04-02 三井化学株式会社 单层膜及包括该单层膜的亲水性材料
KR20140041848A (ko) * 2011-07-25 2014-04-04 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 단층막 및 이것으로 이루어지는 친수성 재료
JPWO2013014733A1 (ja) * 2011-07-25 2015-02-23 三井化学株式会社 単層膜及びこれからなる親水性材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100404289B1 (ko) 내찰상성유기경질코트층및흐림방지형유기경질코트층을가진수지성형품,그의제조방법및이를사용한피복재
US8507632B2 (en) Composition curable with actinic energy ray and use thereof
US5128389A (en) Hard coating agents comprising fluorine-containing acxylate copolymers
JP5365038B2 (ja) 紫外線硬化型塗料、ハードコート層、透明ポリカーボネートシート
JP2000281935A (ja) 紫外線硬化性被覆用樹脂組成物
JP6574608B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、該組成物から形成される硬化被膜および被膜付き基材、並びに硬化被膜および被膜付き基材の製造方法
JP2018002987A (ja) 光硬化性樹脂組成物、該組成物から形成される硬化被膜および被膜付き基材、並びに硬化被膜および被膜付き基材の製造方法
JP2011256343A (ja) 硬化型コーティング剤組成物
JP2014037453A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびそれを用いた積層体
JP2004244426A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物及びその用途
JPWO2015190553A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、樹脂成形品及び樹脂成形品の製造方法
JP2000080169A (ja) 活性エネルギ―線硬化性被覆組成物
WO2011111428A1 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物、並びに硬化膜付きポリカーボネート樹脂成形体及びその製造方法
JP5150759B1 (ja) 硬化型コーティング剤組成物
WO2000006654A1 (fr) Materiau de revetement et moulage de resine enduit
JP4372268B2 (ja) コーティング剤、および被覆層を有する樹脂成形品
JP2011190299A (ja) 活性エネルギー線硬化性化合物
JP2013234217A (ja) 活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物
JP2013136706A (ja) 硬化型コーティング剤組成物
JPH1095951A (ja) 表面コート剤及びその硬化膜を被覆した合成樹脂成形品
JPH0686581B2 (ja) 塗料組成物
JP4374687B2 (ja) プラスチック製品およびその製造方法
JP3025587B2 (ja) 被覆用組成物および表面被覆成形物
JP3187603B2 (ja) 被覆用組成物および表面被覆成形物
JPH08311366A (ja) 被覆用樹脂組成物及び帯電防止性に優れた合成樹脂成形品並びにその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20040809

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761