JPH1095614A - 結晶性酸化第二セリウムの製造方法 - Google Patents
結晶性酸化第二セリウムの製造方法Info
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- JPH1095614A JPH1095614A JP9196954A JP19695497A JPH1095614A JP H1095614 A JPH1095614 A JP H1095614A JP 9196954 A JP9196954 A JP 9196954A JP 19695497 A JP19695497 A JP 19695497A JP H1095614 A JPH1095614 A JP H1095614A
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Abstract
た粒子径を有する結晶性酸化第二セリウム粒子を製造す
る方法を提供しようとするものである。 【解決手段】 本願発明は、不活性ガス雰囲気下に水性
媒体中でセリウム(III)塩とアルカリ性物質を3〜3
0の(OH)/(Ce3+)モル比で反応させて水酸化セ
リウム(III)の懸濁液を生成した後、直ちに該懸濁液
に大気圧下、10〜95℃の温度で酸素又は酸素を含有
するガスを吹き込むことを特徴とする0.005〜5μ
mの粒子径を有する結晶性酸化第二セリウム粒子の製造
方法である。
Description
セリウムの製造方法に関するものである。酸化第ニセリ
ウムは、研磨剤、紫外線吸収材料、触媒用材料及び燃料
電池用材料等に利用されているが、本願発明の結晶性酸
化第ニセリウムは、これらの中でも、特に研磨剤、紫外
線吸収材料として優れた材料を供与するものである。
硝酸セリウム(III)または硝酸セリウム(IV)水溶液
を密封容器内で200〜600℃の温度と40気圧以上
の圧力に保持する事による0.05〜10μmの粒子径
を有する酸化第二セリウム粒子の製造方法が開示されて
いる。
リウム塩化合物とアルカリ金属の水酸化物またはアンモ
ニアとを反応させたゲルを洗浄して不純物を除去した
後、硝酸または酢酸などの酸を添加した後、100℃以
上で水熱処理することにより粒子径が300オングスト
ローム以下の粒子径を有する結晶性酸化第二セリウム粒
子の製造方法が開示されている。
第二セリウムと硝酸塩をアルカリ性物質を用いて8〜1
1のpHに調製した後、100〜200℃の温度で加圧
下に加熱する事により0.03〜5μmの粒子径を有す
る酸化第二セリウム粒子の製造方法が開示されている。
また、セリウムはランタノイド元素中でも容易に(II
I)価から(IV)価に酸化される元素である事は知られ
ている。例えば、廣川書店、昭和57年4月25日発行
のサンダーソン 無機化学〔上〕 第348頁には、水酸
化セリウム(III)のアルカリ性の懸濁液を空気にさら
すとセリウム(IV)を生ずる事が記載されている。
56号公報、特公平6−2582号公報、及び特開平8
−81218号公報では、いずれの方法も硝酸、酢酸な
どの腐食性の物質を含有する条件で100℃以上の温度
で水熱処理を行うため、それらの反応条件に合った高圧
容器が必要となり、更に高圧容器の材質を耐酸性のテフ
ロン、ガラスまたはハステロイ等の耐食合金にしなけれ
ばならない。
ルカリ性の懸濁液を空気などの酸化剤にさらすとセリウ
ム(IV)を生ずるという反応機構を基に、セリウム(II
I)塩を原料にして結晶性酸化第二セリウムを製造する
方法に於いて、結晶性酸化第二セリウム粒子の核生成及
び結晶生成速度を制御し、0.005〜5μmの範囲で
任意に制御された粒子径を有する結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を製造する方法を提供しようとするものである。
この方法では、常圧下(大気圧下)で結晶性酸化第二セ
リウム粒子を製造する事で大掛かりな高圧容器を必要と
しないため、操業上安全でしかも低コストで結晶性酸化
第二セリウム粒子を製造する事が出来る。
雰囲気下に水性媒体中でセリウム(III)塩とアルカリ
性物質を3〜30の(OH)/(Ce3+)モル比で反応
させて水酸化セリウム(III)の懸濁液を生成した後、
直ちに該懸濁液に大気圧下、10〜95℃の温度で酸素
又は酸素を含有するガスを吹き込むことを特徴とする
0.005〜5μm(ミクロンメートル)の粒子径を有
する結晶性酸化第二セリウム粒子の製造方法である。
活性ガス雰囲気下に水性媒体中でセリウム(III)塩と
アルカリ性物質を3〜30の(OH)/(Ce3+)モル
比で反応させて水酸化セリウム(III)、即ち水酸化第
一セリウムの懸濁液を生成する事である。
ガス置換可能な撹拌機と温度計を装備した反応容器を用
いて、水性媒体中でセリウム(III)塩とアルカリ性物
質を反応させるものである。水性媒体とは、通常、水が
用いられるが、少量の水溶性有機溶媒を含有させること
もできる。ガス置換は水性媒体中に細管状のガス導入口
を水没させて、不活性ガスを水性媒体中に吹き込み反応
容器の水性媒体上部に取り付けられた排出口よりガスを
流出させて、反応容器内に不活性ガスを充満させる。不
活性ガスの置換が終了後に反応を開始することが好まし
い。この反応容器はステンレス鋼、グラスライニング等
の材質を使用する事が出来る。この時、反応容器内は大
気圧下とする事が望ましく、従ってガスの流入量と流出
量はほぼ同一量である事が好ましい。ガスの流入量及び
流出量は、反応槽の容積1リットルに対して0.01〜
20リットル/分とする事が好ましい。
ガス等が挙げられるが、特に窒素ガスが好ましい。セリ
ウム(III)塩としては、例えば、硝酸第一セリウム、
塩化第一セリウム、硫酸第一セリウム、炭酸第一セリウ
ム、硝酸アンモニウムセリウム(III)等が挙げられ
る。上記のセリウム(III)塩は、単独または混合物と
して使用することができる。
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはアンモニ
ア、アミン、水酸化第四級アンモニウム等の有機塩基が
挙げられるが、特にアンモニア、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムが好ましく、これらを単独または混合物と
して使用することができる。上記のセリウム(III)塩
及びアルカリ性物質を水性媒体に添加して反応容器中で
反応させることもできるが、セリウム(III)塩水溶液
とアルカリ性物質水溶液を作成して、この両水溶液を混
合して反応する事もできる。セリウム(III)塩は水性
媒体中で1〜50重量%濃度で使用することが好まし
い。
合は、(OH)/(Ce3+)モル比で3〜30、好まし
くは6〜12である。(OH)/(Ce3+)モル比が3
より小さい場合は、セリウム(III)塩が完全に水酸化
セリウム(III)に中和されず、一部セリウム(III)塩
として懸濁液中に残存する為に好ましくない。このセリ
ウム(III)塩は、水酸化セリウム(III)よりもセリウ
ム(IV)への酸化反応速度が非常に遅いため、水酸化セ
リウム(III)とセリウム(III)塩が共存した場合、結
晶性酸化第ニセリウムの核生成速度及び結晶成長速度の
制御ができなくなるため、粒子径分布が広くなり粒子径
が均一にならないので好ましくない。また、(OH)/
(Ce3+)モル比が30より大きい場合は、得られる結
晶性酸化第ニセリウム粒子の結晶性が低下し、研磨剤と
して利用した場合は研磨速度の低下が起こるので好まし
くない。また、得られる粒子の粒子径分布が広くなり粒
子径が均一にならないので好ましくない。
きさにより異なり概ね1分〜24時間である。上記の第
1工程で、不活性ガスの代わりに、空気等の酸素を含有
するガス中でセリウム(III)塩とアルカリ性物質を反
応させると、生成した水酸化セリウム(III)が酸素と
接触し、次々にセリウム(IV)塩や酸化第二セリウムに
変化するために、水性媒体中に酸化第二セリウムの核が
多数発生して、得られる酸化第二セリウム粒子の粒子径
分布が広くなり粒子径が均一にならないので好ましくな
い。
程で生成した懸濁液に大気圧下、10〜95℃の温度で
酸素又は酸素を含有するガスを吹き込むことによって
0.005〜5μmの粒子径を有する結晶性酸化第二セ
リウム粒子を製造するものである。第1工程で得られた
懸濁液中の水酸化セリウム(III)を酸素又は酸素を含
有するガスの存在下に、セリウム(IV)塩を経て結晶性
の高い酸化第二セリウム粒子を製造する工程である。酸
素又は酸素を含有するガスとは、ガス状の酸素、又は空
気、若しくは酸素と不活性ガスとの混合ガスが挙げられ
る。不活性ガスは窒素、アルゴン等が挙げられる。混合
ガスを用いる場合は混合ガス中での酸素の含有量は1体
積%以上が好ましい。本願第2工程では製法上の容易さ
から特に空気を用いることが好ましい。
応容器内で行われ、第1工程の不活性ガスの導入に続
き、その不活性ガスを直ちに酸素又は酸素を含有するガ
スに代えて連続してガスを導入するものである。即ち、
第1工程で得られた懸濁液中に、該懸濁液中に水没した
細管状のガス導入口から酸素又は酸素を含有するガスを
吹き込むことによって行われる。
液中に導入された量とほぼ同量のガスが反応容器内の懸
濁液上部に取り付けられた排出口より排出される。本願
発明の第二工程では、懸濁液中に吹き込む酸素又は酸素
を含有するガスの総量は、水酸化セリウム(III)を酸
化第二セリウムに変化させる事が可能な量であり、(O
2 )/(Ce3+)のモル比で1以上とする事が好まし
い。上記モル比が1未満の場合は懸濁液中に水酸化セリ
ウム(III)が残り、これが第2工程の終了後の洗浄中に
空気中の酸素に接触することで、微少粒子が生成する事
があり、得られる酸化第二セリウム粒子の粒子径分布が
広くなり粒子径が均一と成らないので好ましくない。
及び流出量は、反応槽の容積1リットルに対して0.0
1〜50リットル/分とする事が好ましい。第1工程で
の不活性ガスの吹き込みと第2工程での酸素又は酸素を
含有するガスの吹き込みとが時間的に連続していない場
合は、第1工程で得られた懸濁液の表面が空気と接触す
ることになり、表面層に粒子径が大小さまざまな酸化第
二セリウム粒子を含む層が生成するので、その後行われ
る第2工程で得られる酸化第二セリウム粒子の粒子径が
均一にならないので好ましくない。
を含有するガスが均一に存在するように懸濁液をディス
パー等の撹拌機で撹拌しながら行うことが好ましい。ガ
スの吹き込みによって懸濁液自体が撹拌される場合は、
撹拌機での撹拌は必ずしも必要ではない。本願発明の水
酸化セリウム(III)を酸化して結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を生成させることは、結晶性酸化第二セリウム粒
子の核生成とその結晶成長が行われることであり、核生
成速度及び結晶成長速度は、セリウム塩の濃度、アルカ
リ性物質の濃度、反応温度、酸化性水溶液の濃度及び供
給量などで制御することができる。また本願発明では、
核生成及び結晶成長時のセリウム塩の濃度、アルカリ性
物質の濃度、反応温度、酸化性水溶液の濃度及び供給量
などを互いに自由に変えることができる。これらの要因
を調整することにより、0.005〜5μmの粒子径範
囲で任意に粒子径を制御することが出来る。
に大きく寄与する。例えば、30℃の温度で核生成及び
結晶成長を行った場合、5nm〜10nm(ナノメート
ル)の粒子径を有する結晶性酸化第二セリウム粒子が得
られ、また80℃の温度で核生成及び結晶成長を行った
場合は、80nm〜100nmの粒子径を有する結晶性
酸化第二セリウム粒子が得られる。そして、本願発明は
第二方法として、80nm〜100nmの粒子径を有す
る結晶性酸化第二セリウム粒子を種結晶にして、滋養物
として水酸化セリウム(III)を供給しながら結晶成長
させることにより、1μm〜3μmの結晶性酸化第二セ
リウム粒子が得られる。即ち、第二方法では第1工程で
原料を仕込む際に、80nm〜100nmの粒子径を有
する結晶性酸化第二セリウム粒子を最初から添加して第
1工程に続き第2工程を行うものである。
I)の懸濁液を空気などの酸化剤を用いて常圧下で10
〜95℃の温度で反応する代わりに、硝酸等の酸化性物
質を含有する水酸化セリウム(III)の懸濁液を不活性
ガス雰囲気下で100℃以上の温度で水熱処理した場合
は、所望とする粒子径範囲以下(例えば、30nm以
下)の結晶性酸化第ニセリウム粒子しか得られず、そし
て硝酸等の酸化性物質を含有する水酸化セリウム(II
I)の懸濁液を不活性ガス雰囲気下で100℃以下の温
度で処理した場合は、反応が不十分で未反応物が残る。
ウム(III)の懸濁液を100℃以上で水熱処理した場
合、結晶性酸化第ニセリウム粒子は得られない。上記の
製造方法によって得られた酸化第ニセリウム粒子は、反
応装置よりスラリーとして取り出し、限外濾過法または
フィルタープレス洗浄法などにより洗浄することによ
り、不純物を除去することが出来る。
ム粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行ったと
ころ0.005〜5μmの粒子径であり、また酸化第二
セリウム粒子を110℃で乾燥して、X線回折装置によ
り回折パターンを測定したところ、回折角度2θ=2
8.6°、47.5°、及び56.4°、に主ピークを
有し、ASTMカードNo34−394に記載の立方晶
系の結晶性の高い酸化第二セリウム粒子である。また酸
化第二セリウム粒子のガス吸着法(BET法)による比
表面積値は、2〜200m2/gである。
セリウム粒子は、水媒体、水溶性有機溶媒または水と水
溶性有機溶媒の混合溶媒に再分散させる事により、酸化
第二セリウムのゾルとして研磨剤、紫外線吸収材料、触
媒用材料及び燃料電池用材料等に用いることが出来る。
しかも上記の酸化第二セリウムゾルは、酸化第二セリウ
ムの濃度を60重量%まで高めることができる。本願発
明によって得られた酸化第二セリウムゾルは、長時間放
置すると粒子の一部が沈降するが、攪拌により容易に再
分散することができ製造時の分散状態に戻るため、常温
に保存して1年以上安定である。
として利用する場合に、焼成と粉砕によって製造した酸
化第二セリウム粉末スラリーからなる研磨剤と比較し
て、得られる研磨面の表面の凹凸が小さくなり表面性が
大幅に向上し最終的な仕上げ用の研磨剤として優れた研
磨剤となる。しかも、従来の水熱処理で製造した酸化第
二セリウムゾルからなる研磨剤と比較すると、研磨面の
表面性は同様に良好であると共に研磨速度が数倍に向上
する。この理由は、本願発明の酸化第二セリウム粒子の
製造温度が低いので粒子表面が化学的に活性である為と
考えられる。
ウムゾルを使用した場合、研磨工程の時間の短縮と良質
な研磨面を得る事が可能である。本願発明で得られた酸
化第二セリウムゾルは、洗浄により不純物を取り除いた
後、第4級アンモニウムイオン(NR4 +、但しRは有機
基である。)を、(NR 4 +)/(CeO2)のモル比で
0.001〜1の範囲に含有させる事により研磨液の安
定性が向上するので好ましい。第4級アンモニウムイオ
ンは、第4級アンモニウムシリケート、ハロゲン化第4
級アンモニウム、水酸化第4級アンモニウム、又はこれ
らの混合物を添加する事によって与えられ、特に第4級
アンモニウムシリケート、水酸化第4級アンモニウムの
添加が好ましい。Rはメチル基、エチル基、プロピル
基、ヒドロキシエチル基、及びベンジル基等が挙げられ
る。この第4級アンモニウム化合物としては、例えばテ
トラメチルアンモニウムシリケート、テトラエチルアン
モニウムシリケート、テトラエタノールアンモニウムシ
リケート、モノエチルトリエタノールアンモニウムシリ
ケート、トリメチルベンジルアンモニウムシリケート、
水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチル
アンモニウムが挙げられる。
できる。上記研磨液(ゾル)は、水溶性酸を〔H+〕/
〔CeO2〕モル比で0.001〜1の範囲に含有させ
ることにより酸性研磨液(ゾル)にする事が出来る。こ
の酸性ゾルは、1〜6のpH、好ましくは2〜6のpH
を持つ。上記水溶性酸は、例えば塩化水素、硝酸等の無
機酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、クエン酸、乳酸等の
有機酸、これらの酸性塩、又はこれらの混合物が挙げら
れる。また、水溶性塩基を〔OH-〕/〔CeO2〕モル
比で0.001〜1の範囲に含有させる事によりアルカ
リ性ゾルにする事が出来る。このアルカリ性研磨液(ゾ
ル)は、8〜13のpH、好ましくは9〜13のpHを
持つ。上記水溶性塩基は、上記記載の第4級アンモニウ
ムシリケート、及び水酸化第4級アンモニウムの他に、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N
−ジメチルエタノールアミン、N−メチルエタノールア
ミン、モノプロパノールアミン、及びモルホリン等のア
ミン類や、アンモニアが挙げられる。
タンと比べ紫外線吸収特性が良好である。
=6(モル比)に相当する9重量%のアンモニア水溶液
37.0kgを仕込み、液温を30℃に保ちながらのガ
ラス製のノズルより2Nm3 /時間の窒素ガスを吹き込
み反応槽内を窒素ガスで置換した。反応槽内に硝酸セリ
ウム(III)14.0kgを純水40kgに溶かした溶
液を徐々に添加して水酸化セリウム(III)の懸濁液を
得た。続いてこの懸濁液を80℃まで昇温させた後、ガ
ラス製のノズルからの吹き込みを窒素ガスから4Nm3
/時間の空気に切り替えセリウム(III)をセリウム(I
V)にする酸化反応を開始した。3時間で酸化反応が終
了した。反応が終了した液を室温に戻し、淡黄色の微粒
子を有するpH=7.2の反応液が得られた。
過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ80〜10
0nmの粒子径を有する粒子であった。この粒子の収率
は、ほぼ100%であった。また、微粒子を乾燥して粉
末X線回折を測定したところ、回折角度2θ=28.6
°、47.5°、及び56.4°、に主ピークを有し、
ASTMカードNo34−394に記載の立方晶系の結
晶性酸化第二セリウムの特性ピークと一致した。また、
酸化第二セリウム粒子のガス吸着法(BET法)による
比表面積値は、30m2/gであった。
溶液を〔HNO3/CeO2〕モル比で0.01になる様
に添加して、CeO2濃度を5重量%、pHを5.0に
調製した。このゾルを研磨液として、次のような研磨条
件で研磨試験を行った。実施例1の研磨剤を市販の修正
リング型研磨機で研磨した。研磨速度は水晶基盤に溝を
付け、溝の深さを触針式表面粗さ測定装置で測定するこ
とにより求めた。 a.研磨布:ポリウレタン含浸不織布(φ250m
m)、 b.被研磨物:ATカット水晶基盤(φ14×1.0m
m)、 c.回転数:70rpm、 d.研磨圧力:400g/cm2、及び e.研磨時間:60分 表1に研磨特性(研磨速度及び表面粗さRmaxの値)
を示す。
ゾルを、0.01mmのクリアランスを有するアプリケ
ーターを用いて石英ガラス上に膜厚が0.5μmになる
ようにコーティングした。110℃で1時間乾燥後、コ
ーティングガラスの紫外から可視領域の光吸収を測定す
る為に、紫外線吸収測定装置を用いて200nm〜60
0nmの波長領域の光透過率を測定し図1に示した。ま
た、比較のために市販の酸化チタンゾルを同様に石英ガ
ラス上にコーティングして、紫外から可視領域の光透過
率を測定し図1に示した。図1中で、横軸は光の波長
(nm)、縦軸は光の透過率(%)で示して有り、透過
率の低いサンプルほど光吸収能が高い。
(モル比)に相当する9重量%のアンモニア水溶液74
0gを仕込み、液温を30℃に保ちながらのガラス製の
ノズルより2リットル/分の窒素ガスを吹き込みフラス
コ内を窒素ガスで置換した。このフラスコに硝酸セリウ
ム(III)76.8gを純水500gに溶解させた溶液
を徐々に添加して水酸化セリウム(III)の懸濁液を得
た。続いてこの懸濁液を30℃に保ちながらガラス製の
ノズルからのガスの吹き込みを、窒素ガスから4リット
ル/分の空気に切り替えセリウム(III)をセリウム(I
V)にする酸化反応を開始し、12時間で酸化反応が終
了した。反応が終了した液を室温に戻し、黄色の微粒子
を有するpH=6.5の反応液が得られた。
過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ5〜10n
mの粒子径を有する粒子であった。また、微粒子を乾燥
して粉末X線回折を測定したところ、立方晶系の結晶性
酸化第二セリウムの特性ピークと一致した。また、酸化
第二セリウム粒子のガス吸着法(BET法)による比表
面積値は、94m2/gであった。
6(モル比)に相当する21重量%の水酸化ナトリウム
水溶液740gを仕込み、液温を30℃に保ちながらの
ガラス製のノズルより2リットル/分の窒素ガスを吹き
込みフラスコ内を窒素置換した。このフラスコに硝酸セ
リウム(III)216gを純水500gに溶解した溶液
を徐々に添加して水酸化セリウム(III)の懸濁液を得
た。続いてこの懸濁液を80℃まで昇温させた後、ガラ
ス製のノズルからのガスの吹き込みを窒素ガスから4リ
ットル/分の空気に切り替えセリウム(III)をセリウ
ム(IV)にする酸化反応を開始した。12時間で酸化反
応が終了した。反応が終了した液を室温に戻し、淡黄色
の微粒子を有するpH=8.5の反応液が得られた。反
応が終了した液を室温に戻し微粒子を濾別、洗浄した
後、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ10
〜20nmの粒子径を有する粒子であった。また、微粒
子を乾燥して粉末X線回折を測定したところ、立方晶系
の結晶性酸化第二セリウムの特性ピークと一致した。
カーに仕込み、攪拌しながらNH3 /Ce4+=1(モル
比)に相当する様に、28重量%のアンモニア水60g
添加することにより、水酸化セリウム(IV)のコロイド
状沈澱物を含むスラリーを得た。このスラリーを内容量
3リットルのグラスライニング製オートクレーブ装置に
仕込み、温度150℃、圧力4kg/cm2 で20時間
水熱処理した。反応が終了した液を室温、大気圧に戻
し、淡黄色の微粒子を有するpH=1.4の反応液が得
られた。
施例1と同様の分析を行ったところ15〜25nmの粒
子径を有する結晶性酸化第二セリウム粒子であった。ま
た、酸化第二セリウム粒子のガス吸着法(BET法)に
よる比表面積は54m2/gであった。この比較例1で
得られた粒子について、洗浄後のCeO2粒子に10重
量%硝酸水溶液を〔HNO3/CeO2〕モル比で0.0
1になる様に添加して、CeO 2濃度を5重量%、pH
を5.0に調製した。このゾルを研磨液として、実施例
1と同一条件で研磨特性(研磨速度及び表面粗さRma
xの値)を評価し表1に記載した。
末(成分は酸化第二セリウム、平均粒子径は0.7μ
m)を用いて、この粉末を純水に分散して、10重量%
硝酸水溶液を〔HNO3/CeO2〕モル比で0.01に
なる様に添加して、CeO2濃度を5重量%、pHを
5.0に調製した。このスラリーを研磨液として、実施
例1と同一条件で研磨特性(研磨速度及び表面粗さRm
axの値)を評価し表1に記載した。
に仕込み、攪拌しながら煮沸状態まで昇温させた後、3
5重量%の過酸化水素水29gを突沸しないように徐々
に添加して、セリウム(III)をセリウム(IV)に酸化
して塩基性硝酸セリウム(IV)にした水溶液を冷却後、
攪拌しながらNH3/Ce4+=4(モル比)に相当する
28重量%のアンモニア水を24g添加することによ
り、NO3/Ce4+=3(モル比)の硝酸アンモニウム
とNH3/Ce4+=1(モル比)のアンモニア及び水酸
化セリウム(IV)のコロイド状沈澱物を含むスラリーを
得た。このコロイド状沈降物を分離、純水で洗浄後、再
分散させた後、希硝酸でpH=5.0に調製した。この
スラリー85gを120ccのテフロン製オートクレー
ブ装置に仕込み、温度180℃、圧力10kg/cm2
で15時間水熱処理した。反応が終了した液を室温、大
気圧に戻し、淡黄色の微粒子を有するpH=0.8の反
応液が得られた。反応液より微粒子を濾別、洗浄した
後、実施例1と同様の分析を行ったところ、5〜10n
mの粒子径を有する結晶性酸化第二セリウム粒子であっ
た。
ウム粒子からなる研磨剤より、本願発明の方法で得られ
た実施例1の酸化第二セリウム粒子からなる研磨剤は、
研磨速度が約2.5倍向上する。また、市販の焼成法で
得られた酸化第二セリウム粒子からなる研磨剤に比べ
て、本願発明で得られた実施例1の酸化第二セリウム粒
子からなる研磨剤は研磨面が滑らかである。
第二セリウムゾルを研磨剤として用いた場合は、加工歪
みが小さいので例えば研磨面をエッチング処理した場合
にも表面の平坦性は変わらない。しかし、リファレンス
として用いた市販セリア粉末を純水に分散して得られた
スラリーを研磨剤として用いた場合は、加工歪みが大き
く研磨面のエッチング処理により研磨面に凹凸を生ずる
ので好ましくない。
ムは、酸化第二チタンよりも優れた紫外線吸収能を有す
ることが判る。
囲気下でセリウム(III)塩にアルカリ性物質を添加し
て得られた水酸化セリウム(III)の懸濁液に、大気圧
下で10〜95℃の温度で酸素又は酸素を含有するガス
を吹き込むことにより、0.005〜5μmの粒子径の
範囲で任意に制御された粒子径を有する結晶性酸化第ニ
セリウム粒子を製造することが出来る。
晶性酸化第二セリウム粒子を製造することができるた
め、大掛かりな高圧容器を必要とせず、操業上安全でし
かも低コストである。また、本方法においてセリウム
(III)塩の濃度、アルカリ性物質の濃度、反応温度、
酸化性水溶液の濃度及び供給量等で結晶性酸化第二セリ
ウム粒子の核生成速度及び結晶成長速度を分離して制御
することが出来るため、0.005〜5μmの粒子径の
範囲で結晶性酸化第ニセリウムの粒子径を任意に制御出
来る。
は、研磨剤、紫外線吸収材料、触媒用材料及び燃料電池
用材料等に利用されているが、これらの利用分野の内、
研磨剤、紫外線吸収材料としての用途に特に優れてい
る。研磨剤としては、半導体デバイスの酸化膜及び有機
膜、ガラス、水晶、ニオブ酸リチウム等の光学結晶材
料、窒化アルミニウム、アルミナ、フェライト、ジルコ
ニア等のセラミックス材料、アルミニウム、銅、タング
ステンなどの金属の研磨に適応できる。
0nmの結晶性酸化第二セリウム粒子は、紫外線吸収ガ
ラス、紫外線吸収高分子フィルム、プラスチックの耐候
性改良等に適応できる。
ウムゾルと、酸化第二チタンゾルを、それぞれコーティ
ングしたガラスの光の波長と光透過率の関係を比較した
図である。
ーティングしたガラスの光の波長と光透過率の関係を示
す曲線 2・・・酸化第二チタンゾルをコーティングしたガラス
の光の波長と光透過率の関係を示す曲線
Claims (3)
- 【請求項1】 不活性ガス雰囲気下に水性媒体中でセリ
ウム(III)塩とアルカリ性物質を3〜30の(OH)
/(Ce3+)モル比で反応させて水酸化セリウム(II
I)の懸濁液を生成した後、直ちに該懸濁液に大気圧
下、10〜95℃の温度で酸素又は酸素を含有するガス
を吹き込むことを特徴とする0.005〜5μmの粒子
径を有する結晶性酸化第二セリウム粒子の製造方法。 - 【請求項2】 アルカリ性物質が、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、又はこれらの混
合物である請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 酸素を含有するガスが空気である請求項
1又は請求項2に記載の製造方法。
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- 1997-07-23 JP JP19695497A patent/JP4019453B2/ja not_active Expired - Fee Related
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