JPH1095484A - 納豆包装体およびその製造方法 - Google Patents

納豆包装体およびその製造方法

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JPH1095484A
JPH1095484A JP8252099A JP25209996A JPH1095484A JP H1095484 A JPH1095484 A JP H1095484A JP 8252099 A JP8252099 A JP 8252099A JP 25209996 A JP25209996 A JP 25209996A JP H1095484 A JPH1095484 A JP H1095484A
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JP
Japan
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natto
container body
layer
package
soybeans
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Application number
JP8252099A
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English (en)
Inventor
Shuichi Hara
修 一 原
Kazuko Yamase
勢 和 子 山
Yoko Nakajima
島 洋 子 中
Fumihisa Kubota
文 久 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Takano Foods Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Takano Foods Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した発酵工程を進行させることにより品
質のバラツキが少ない納豆を得ることができ、かつ使用
後の容器本体を容易に処理することができる納豆包装体
を提供する。 【解決手段】 納豆包装体10は胴部11aと底部11
cとを有する容器本体11と、この容器本体11内に収
納され納豆菌が接種された煮豆からなる納豆12とを備
えている。容器本体11の胴部11aは紙を含む基材層
と、この基材層の外側に設けられた熱可塑性発泡層を有
し、高い保温性をもっている。胴部11aが高い保温性
を有するので、発酵工程において容器本体11内の煮豆
は外部の温度の影響を受けることなく発酵して品質の良
好な納豆となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器本体と容器本
体内に収納された納豆とを備えた納豆包装体およびその
製造方法に係り、とりわけ品質の良好な納豆を得ること
ができる納豆包装体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】納豆は歴史のある伝統的な発酵食品の一
つである。納豆の作製方法は次のとおりである。まず洗
浄、浸漬した後、蒸煮した大豆に納豆菌を接種し、この
大豆を容器本体内に収納する。次に大豆が収納された容
器本体を30〜50℃の温度の発酵室内に配置し、大豆
を発酵させることにより納豆が得られる。従って、納豆
用の容器本体に要求される機能は、まず第一に、保温
性、保湿性、そして通気性など、発酵に適するという機
能である。さらに、衛生性、充填機適性、販売促進適性
などの機能も要求される。納豆用の容器本体としては、
従来から、わらまたは経木などの容器が使用されていた
が、最近では、種々の点で利点のある発泡ポリスチレン
樹脂のトレイが主に使われている。また、容器本体とし
て小型の紙カップも使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら多く使われている発泡ポリスチレン樹脂の容器本体
は、保温性などでは優れているが、使用後処理しにく
く、環境対策の点で問題がある。また、表面の平滑性が
低く、印刷適性に劣るなどの欠点もある。また、最近使
用され始めた紙カップ製の容器本体は、保温性の点が不
十分であり、発酵室内の上段に載置された容器本体内の
納豆と、下段に載置された容器本体内の納豆とでは品質
にバラツキが生じてしまう。
【0004】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、使用後、処理しやすく、かつ良質の納豆を
得ることができる容器本体を用いた納豆包装体およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
紙を含む基材層と、この基材層の外側に設けられた熱可
塑性発泡層とを有する胴部と、紙を含む基材層を有する
底部とを有する容器本体と、この容器本体内に収納され
るとともに、納豆菌が接種された煮豆からなる納豆と、
を備えたことを特徴とする納豆包装体である。
【0006】請求項2記載の発明は、胴部の基材層およ
び底部の基材層の各々の内側に熱可塑性樹脂層が設けら
れていることを特徴とする請求項1記載の納豆包装体で
ある。
【0007】請求項3記載の発明は、胴部の基材層と熱
可塑性発泡層との間に、印刷層が設けられていることを
特徴とする請求項1および2のいずれか記載の納豆包装
体である。
【0008】請求項4記載の発明は、胴部の印刷層と熱
可塑性発泡層との間に、透明ニス層が設けられているこ
とを特徴とする請求項3記載の納豆包装体である。
【0009】請求項5記載の発明は、底部の基材層の外
側に熱可塑性発泡層が設けられていることを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか記載の納豆包装体である。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5記
載の容器本体と、この容器本体内に収納されるとともに
納豆菌が接種された煮豆とを準備する工程と、納豆菌が
接種された煮豆が内部に収納された容器本体を発酵室内
に配置し、容器本体内の煮豆を発酵させて納豆を製造す
る工程と、を備えたことを特徴とする納豆包装体の製造
方法である。
【0011】請求項7記載の発明は、煮豆を発酵させて
納豆を製造する工程の後、納豆が収納された容器本体を
冷蔵庫内に配置し、納豆を熟成する工程、を更に備えた
ことを特徴とする請求項6記載の納豆包装体の製造方法
である。
【0012】請求項8記載の発明は、煮豆を発酵させて
納豆を製造する工程の前に、容器本体内の煮豆を熱可塑
性フィルムで覆い、この熱可塑性フィルム上に添加物を
配置した後、容器本体をカバーフィルムで覆う工程を更
に備えたことを特徴とする請求項6および7に記載の納
豆包装体の製造方法である。
【0013】請求項1記載の発明によれば、容器本体の
胴部は発泡層を有し保温性をもつので、容器本体内に収
納され納豆菌が接種された煮豆が発酵して納豆を製造す
る際、容器本体内の煮豆は外部の温度に影響を受けるこ
となく適正な発酵工程を受けることができる。
【0014】請求項2記載の発明によれば、容器本体の
胴部は内面に熱可塑性樹脂層を有しているので、納豆が
胴部にこびり付いたり、煮汁が紙に浸透することを防止
することができる。
【0015】請求項3記載の発明によれば、胴部に設け
られた印刷層により所定の標識を胴部に表示することが
できる。
【0016】請求項4記載の発明によれば、胴部に透明
ニス層を設けたことにより、発泡層の表面を印刷層の位
置にかかわりなく平坦に仕上げることができる。
【0017】請求項5記載の発明によれば、底部に発泡
層を設けることにより、保温性をより高めることができ
る。
【0018】請求項6記載の発明によれば、容器本体の
胴部は発泡層を有し保温性をもつので、容器本体内に収
納され納豆菌が接種された煮豆を発酵して納豆を製造す
る際、容器本体内の煮豆は外部の温度に影響を受けるこ
となく、適正な発酵工程を受けることができる。
【0019】請求項7記載の発明によれば、発酵された
納豆を冷蔵庫内で確実に熟成することができる。
【0020】請求項8記載の発明によれば、発酵工程前
に容器本体内の煮豆を熱可塑性フィルムで覆い、この熱
可塑性フィルム上に添付品を配置した後、容器本体をカ
バーフィルムで覆うことにより、添付品入りの納豆包装
体を迅速に製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図13は本発明の
実施の形態を示す図である。
【0022】図1に示すように、納豆包装体10は容器
本体11と、この容器本体11内に収納された納豆12
とを備えている。
【0023】このうち納豆12は、納豆菌が接種された
煮豆(煮大豆)を発酵させたものである。
【0024】また容器本体11は、フランジ部11bを
有する胴部11aと、底部11cとを有している。容器
本体11内に収納された納豆12は、多孔性の熱可塑性
フィルム15によって覆われており、この熱可塑性フィ
ルム15上にはタレ16およびカラシ18が載置されて
いる。さらにフランジ部11bには多孔性のカバーフィ
ルム17がシールされ、このカバーフィルム17によっ
て容器本体11が封緘されている。
【0025】次に図2および図3により、容器本体11
の各部における材料構成について述べる。図2(a)に
示すように、容器本体11の胴部11aは、内面から順
に高密度ポリエチレン層21(HDPE)(20μ)/
カップ原紙22(250g/m2 )/印刷層23/透明
ニス層24/低密度ポリエチレン層25(LDPE)
(20μ)の層構成となっており、このうち低密度ポリ
エチレン層25は容器本体11を作製した後、加熱され
て発泡層となる。胴部11aはその層構成中に透明ニス
層24を含んでいるので、この透明ニス層24によっ
て、発泡層25表面を胴部11a全域にわたって平坦で
均一化することができる。
【0026】なお、胴部11aとして、図2(b)に示
すように、内面から順に高密度ポリエチレン層21(H
DPE)(20μ)/カップ原紙22(250g/
2 )/印刷層23/低密度ポリエチレン層25(LD
PE)(20μ)の層構成とし、透明ニス層を取除いて
もよい。胴部11aの層構成を図2(b)に示すように
した場合は、発泡層25表面のうち印刷層23に対応す
る部分が他の部分に対して突出する。
【0027】また容器本体11の底部11cは、図3
(a)に示すように内面から順に、高密度ポリエチレン
層26(HDPE)(20μ)/カップ原紙27(21
0g/m2 )/透明ニス層28/低密度ポリエチレン層
29(LDPE)(20μ)の層構成からなっており、
このうち低密度ポリエチレン層29は容器本体11を作
製した後、加熱されて発泡層となる。
【0028】図3(a)に示す底部11cの発泡層とな
る低密度ポリエチレン層29は、図2(a)(b)に示
す胴部11aの低密度ポリエチレン層25に合わせて2
0μとなっているが、胴部11aの低密度ポリエチレン
層25を40μとした場合は、これに合わせて底部11
cの低密度ポリエチレン層29を40μとしてもよい。
【0029】なお、底部11cとして、図3(b)に示
すように内面から順に、低密度ポリエチレン層30(L
DPE)(20μ)/カップ原紙27(210g/
2 )の層構成としてもよく、この場合低密度ポリエチ
レン層30は発泡されない。このように底部11cを低
密度ポリエチレン層30とカップ原紙27とから構成す
ることにより、底部11cの通気性を高め納豆12の発
酵工程をスムースに進行させることができる。
【0030】上記胴部11aおよび底部11cのカップ
原紙22,27は各々胴部11aおよび底部11cの基
材層を構成するものであるが、基材層はカップ原紙2
2,27の他に、ガスバリア性を向上させるためアルミ
ニウム等の金属蒸着層、またはシリカ等の無機蒸着層を
含んでもよい。また胴部11aおよび底部11cの内面
に設けられた高密度ポリエチレン層21,26および低
密度ポリエチレン層30は、納豆12が胴部11aおよ
び底部11cにこびり付くことを防止するとともに、煮
汁が紙に浸透することを防止するものである。
【0031】次に容器本体11の胴部11aおよび底部
11cを構成する各層につき、以下詳述する。
【0032】まず基材層を構成するカップ原紙22,2
7は、坪量が100〜500g/m2 の範囲が、容器本
体11を製造する上で好ましい。また、紙の含水率は、
3〜10%、好ましくは、5〜8%の範囲であることが
望ましい。紙の中の水分を蒸発させ、その蒸気圧の力で
表面の低密度ポリエチレン層25,29を発泡させる際
に、含水率が3%未満であると発泡不足となり、所望の
発泡層の厚さが得られない。他方、含水率が10%を越
えると発泡表面が破裂した状態となるので好ましくな
い。
【0033】印刷層23は、所定の標識を表示するもの
であり、カップ原紙22の表面に印刷されるが、透明ニ
ス層24の上に印刷してもよい。この印刷層23は、部
分的に着色インキで印刷される場合と、全面的に着色イ
ンキで印刷される場合とがある。印刷の位置、印刷面積
の大小、印刷の方法、使用されるインキなどは、従来の
公知の技術を適宜選択して用いることができる。
【0034】透明ニス層24は、カップ原紙22上また
は、印刷層23上に設けられる。透明ニスを塗布する方
法としては、印刷やコーティングによる方法がある。中
でも、グラビア印刷による方法が好ましい。透明ニス2
4の組成は、体質顔料を含んだ合成樹脂が主成分となっ
ている。合成樹脂としては、硝化綿、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、アクリル
樹脂、これらの2種類以上を混合した樹脂などを用いる
ことができる。また、体質顔料としては、酸化チタン、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、これらの2種類以
上からなる混合物などを用いることができる。
【0035】透明ニス24の塗布量は、塗布後の乾燥状
態で2〜3g/m2 が好ましい。上記実施の形態におい
て、胴部11aの内面に高密度ポリエチレン21を設け
外面に低密度ポリエチレン25を設けるとともに、底部
11cの内面に高密度ポリエチレン26または低密度ポ
リエチレン30を設け外面に低密度ポリエチレン27を
設けた例を示したが、胴部11aおよび底部11cの内
面・外面に以下のような熱可塑性樹脂層を設けてもよ
い。すなわち、胴部11aおよび底部11cの内面・外
面に、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレ
ン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、エチレン・
酢酸ビニール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合
体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン
・ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリスチレン
樹脂などおよびこれらの組合体を設けてもよい。
【0036】これらの熱可塑性樹脂層21,25,2
6,29,30は、印刷層23および透明ニス層24が
設けられたカップ原紙22の外面と内面の両面に積層さ
れる。積層する方法には、熱可塑性樹脂を熱溶融して塗
布する押し出しコーティング法、あるいはフィルムにな
ったものを貼り合わせるラミネート法などがある。発泡
層となる外面の熱可塑性樹脂層25,29の厚さは、1
5〜50μmの範囲が好ましい。すなわち熱可塑性樹脂
層25,29が15μm未満または50μmを越える
と、発泡しにくくなる。一方、内面の熱可塑性樹脂層2
1,26,30の厚さは、特に限定されない。
【0037】また、内面の熱可塑性樹脂層21,26,
30を発泡させずに、外面の熱可塑性樹脂層25,29
だけを発泡させるために、内面からの水蒸気の蒸発を防
ぐ方法として、カップ原紙22と内面の熱可塑性樹脂層
21,26,30との間に、アルミニウム箔などのバリ
ア層を設ける方法や、あるいは内面の熱可塑性樹脂層2
1,26,30としては外面の熱可塑性樹脂層25,2
9より軟化点の高い熱可塑性樹脂を用いる方法がある。
図2(a)(b)および図3(a)に示すように、本実
施の形態によれば内面に軟化点の高い高密度ポリエチレ
ン層21,26を配置し外面に低密度ポリエチレン層2
5,29を配置したので、外面の低密度ポリエチレン層
25,29のみを効果的に発泡させることができる。
【0038】次に容器本体の製造方法について述べる。
上記のような層構成の胴部11a用材料および底部11
c用材料を各々打抜いてブランク材を成形し、このブラ
ンク材を組立てることにより容器本体11が得られる。
【0039】次に容器本体11を加熱することにより、
容器本体11の胴部11aおよび底部11cのカップ原
紙22,27中の水分が蒸発する。次に水の蒸発圧と空
気の熱膨張とが加わって作用し、低密度ポリエチレン層
25,29が発泡して発泡層を形成する。発泡させるた
めに加熱する方法としては、熱風、赤外線、遠赤外線、
マイクロ波および高周波等を用いる方法があり、また静
置して加熱する方法、あるいはコンベアにより送りなが
ら加熱する方法がある。加熱条件としては、温度100
〜200℃の範囲が好ましく、時間としては10秒間〜
5分間程度が好ましい。
【0040】なお、ブランク材を組立てて作製された容
器本体11を加熱して発泡させる代わりに、ブランク材
の状態で加熱して発泡させてもよい。
【0041】容器本体11は上述のようにフランジ部1
1bを有する胴部11aと、底部11cとを有している
が、胴部11aは円筒状でもよく(図6参照)、また四
角筒状でもよい(図7参照)。さらにまた容器本体11
は胴部11aと、底部11cと、胴部11aを覆う蓋部
11dを有していてもよい(図8参照)。
【0042】次に図4および図5により、上述した容器
本体11内に納豆12を収納してなる納豆包装体10の
製造方法について述べる。
【0043】まず、図4に示すように納豆12の原料と
なる大豆を入荷し、大豆の品質をチェックする。次に大
豆から異物を除去するとともに、色彩選別機(図示せ
ず)を用いて着色大豆を除去する。その後フルイ(図示
せず)を用いて大豆の粒径を均一化する。
【0044】その後丸大豆の場合、丸大豆を洗浄して、
大豆表面に付着する小さなゴミやホコリを水で洗浄す
る。一方、ひきわりの場合、丸大豆を6〜8つに割り皮
を取り除き、フルイで大きさを揃える。
【0045】次にこれらの大豆を浸漬させる。この場
合、大豆を蒸し易い状態まで十分吸水させる。丸大豆の
場合は12〜20時間浸漬し、ひきわりの場合は3〜5
時間浸漬する。
【0046】次に大豆を軟らかくなるまで圧力釜で蒸煮
する。粒径によって異なるが、丸大豆は約30分間、ひ
きわりは約15分間蒸煮する。この蒸煮によって大豆の
温度は約90℃まで達する。
【0047】次に煮豆に対して希釈された納豆菌液をス
プレーして納豆菌を接種する。
【0048】次に図1に示すように、容器本体11内に
納豆12となる煮豆を充填し、煮豆12上に多孔性の熱
可塑性フィルム15を載置する。その後熱可塑性フィル
ム15上にタレ16およびカラシ18を載置し、フラン
ジ部11bに多孔性のカバーフィルム17をシールして
容器本体11内を封緘する。この時容器本体11内の煮
豆12は80〜90℃となっている。
【0049】なお、煮豆12に対して納豆菌液をスプレ
ーし、煮豆12を容器本体11内に充填する代わりに、
納豆菌の付着していない煮豆12をまず容器本体11内
に充填し、その後容器本体11内の煮豆12に対して納
豆菌液をスプレーしてもよい。
【0050】次に室温が約40℃に保たれた発酵室35
内の台36上に、煮豆12が収納された容器本体11を
載置する(図5参照)。容器本体11を発酵室35内に
約20時間放置しておくと、容器本体11内の煮豆12
は、発酵室35内において発酵し、納豆12となる。納
豆12の温度は醗酵により上昇し約50℃となってい
る。このようにして、図1に示す容器本体11と納豆1
2とからなる納豆包装体10が得られる。
【0051】上述のように容器本体11の胴部11aは
発泡層25を含むので、容器本体11は高い保温性を有
する。このため発酵室35内における煮豆12の発酵中
に、煮豆12が外部の温度の影響を受けて発酵工程に不
均一が生じることはない。
【0052】すなわち発酵室35内は上述のように、室
温が約40℃に保たれているが、発酵室35上部では室
温がやや高く、発酵室35下部では室温がやや低くなっ
ている。このため容器本体が保温性を有しない場合、発
酵中の煮豆が外気により影響を受け、上部の容器本体1
1と下部の容器本体11との間で煮豆12の発酵工程に
ついて不均一が生じる。これに対して本発明によれば、
容器本体11は高い保温性を有するので、発酵工程の不
均一化を防止して、納豆12の品質を均一に維持するこ
とができる。
【0053】次に図1に示す納豆包装体10が冷蔵庫
(図示せず)中で熟成され、納豆12の温度は約5℃に
なる。このような熟成工程によって、納豆12独特の旨
味ができる。次に納豆包装体10は帯がけされ、シュリ
ンク包装されて出荷される。その後納豆包装体10はチ
ルド流通される。
【0054】納豆包装体10の容器本体11は、内部に
収納された納豆12が消費された後、処理される。この
場合、容器本体11は上述のように処理に不適な材料、
例えば発泡ポリスチレンを含まないので、容器本体11
の処理を容易に行なうことができる。
【0055】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。 〔実施例1〕材料の層構成が、外面から順に低密度ポリ
エチレン20μm/透明ニス層/印刷層/カップ原紙2
50g/m2 /高密度ポリエチレン+低密度ポリエチン
20μmとなる未発泡の積層材を胴部11aに用い、外
面から順にカップ原紙210g/m2 /低密度ポリエチ
レン20μmである未発泡の積層材を底部11cに用い
て成形を行ない、容量が100cm3 の容器本体11を
作製した。この容器本体11を120℃の条件の熱乾燥
炉内で、3分間加熱して胴部11aの外面を発泡させ、
図6に示すような容器本体11を得た。この容器本体1
1を用いて納豆包装体10を製造したところ、良好な納
豆12が得られた。 〔実施例2〕材料の層構成が、外面から順に低密度ポリ
エチレン20μm/透明ニス層/印刷層/カップ原紙2
50g/m2 /高密度ポリエチレン+低密度ポリエチレ
ン20μmとなる未発泡の積層材を使用し、打ち抜き加
工で、図9に示すような形状のブランク材40を作製し
た。ブランク材40の4個のコーナー部では、ホットエ
アーあるいはインパルスシールによって、ブランク材4
0表面のポリエチレンを溶融して、ブランク材40の面
40a,40b、面40c,40d、面40e,40
f、面40g,40hを互いに接着して組み立て、図7
に示すようなフランジ部11bを有する胴部11aから
なる容器本体11を作製した。この容器本体11を12
0℃の条件の熱乾燥炉内で、3分間加熱すると、容器本
体11の外面が発泡した。このようにして得られた容器
本体11を用いて納豆包装体10を製造したところ、良
好な納豆12が得られた。 〔実施例3〕材料の層構成が、外面から順に低密度ポリ
エチレン20μm/透明ニス層/印刷層/カップ原紙2
50g/m2 /高密度ポリエチレン+低密度ポリエチレ
ン20μmとなる未発泡の積層材を使用し、打ち抜き加
工で、図10に示すような形状のブランク材41を作製
した。4個のコーナー部では、ホットエアーあるいはイ
ンパルスシールによって、表面のポリエチレンを溶融し
て、ブランク材41の面41a,41b、面41c,4
1d、面41e,41f、面41g,41hを互いに接
着して組み立て、図8に示すような胴部11aと、底部
11cと、蓋部11dとを有する容器本体11を作製し
た。この容器本体11を120℃の条件の熱乾燥炉内
で、3分間加熱すると、容器本体11の外面が発泡し
た。このようにして得られた容器本体11を用いて納豆
包装体10を製造したところ、良好な納豆12が得られ
た。 〔実施例4〕洗浄した納豆用極小粒大豆に3倍量の水を
加え、15〜20℃で18時間浸漬した。次に水に浸漬
した大豆を加圧釜に入れ、ゲージ圧2kg/cm2 圧力
で30分蒸煮して取り出した。次に蒸煮大豆がまだ熱い
うちに、殺菌水で1000倍に希釈した宮城野納豆菌を
蒸煮大豆1kgに対し20mlの割合で噴霧した。次に
蒸煮した煮豆12を容器本体11(容量30g)内に充
填し、煮豆12を多孔性ポリエチレンフィルムで覆っ
た。次に容器本体11のフランジ部11bに多孔性のカ
バーフィルム17をシールして容器本体11を封緘し、
40℃前後の発酵室35内で容器本体11を16〜20
時間放置して煮豆12を発酵させた。このようにして煮
豆12を発酵させて納豆を作製した後、容器本体11を
冷蔵庫に入れ納豆12を約5℃まで冷却した。
【0056】実験1 次に外面に発泡層25を有する容器本体11と、容器本
体11内に収納された納豆12とを備えた本発明による
納豆包装体10と、発泡層のない紙製容器本体と、容器
本体内に収納された納豆とを備えた従来の納豆包装体と
を比較して実験を行なった。この比較実験は、本発明の
納豆包装体10と従来の納豆包装体を発酵室35内で発
酵させ、その後納豆の品質を調査することにより行なわ
れた。納豆包装体は、発酵室35の上方部、中央部、下
方部に配置された。実験結果を表1に示す。
【0057】
【表1】 表1からわかるように、本発明の納豆包装体10は温度
が上がりにくい醗酵室35の下方部においても発酵が進
行し、これにより上方部、中央部、下方部における納豆
12の品質のバラツキが小さくなった。
【0058】すなわち発酵室35の下方部は温度が低
く、容器本体の中から容器本体外への発酵熱の放出が大
きくなる。このため容器本体内では菌の増殖に必要な温
度が確保されず、増殖が鈍り発酵が遅れることから菌の
被りが白くなり易くなるが、本発明による発泡層25を
有する容器本体11ではこの放出が少なくなっている。
【0059】逆に発酵室35の上方部は、熱がこもり温
度が高くなりやすいが為、菌の増殖が活発となり発酵が
進み易くなっている。このため菌の被りが溶菌したよう
になり、ヤケという現象がみられ易くなるが、本発明に
よる発泡層25を有する容器本体11では容器本体11
の外の高温な室温を吸収しにくくなっている。
【0060】このため本発明によれば、発酵室35の上
方部、中央部および下方部という容器本体11の配置位
置によらず、容器本体11内の温度すなわち品温が一定
に保たれ、納豆12の品質コントロールが非常にやり易
くなった。このため、発酵室35内の温度分布の違いに
よる品質のバラツキを少なくすることができ、納豆12
を大量製造する上で品質の安定化を図ることができる。
【0061】また容器本体11内の発酵熱が保温され、
品温上昇しやすくなるので、発酵工程で設定される発酵
室の室温を、約1℃下げることが可能となった。
【0062】実験2 一般に納豆菌が活発に増殖をする対数増殖期にあたる発
酵時間から発酵室内の温度差が大きくなり、5℃前後と
なる(図11参照)。
【0063】図11において、Aは発酵室35内のA地
点の温度を示し、BはB地点の温度を示す。次に、この
ような温度差をもつ発酵室35内のA地点およびB地点
に、外面に発泡層25を有する容器本体11と納豆12
とを備えた本発明による納豆包装体10を配置した場合
の納豆12の品温A,Bを図12に示す。またA地点と
B地点に、外面に発泡層のない紙製容器本体11と納豆
12とを備えた従来の納豆包装体を配置した場合の納豆
12の品温A,Bを図13に示す。
【0064】図12に示すように、従来の納豆包装体の
品温A,Bの差は、図11に示す発酵室35内の室温の
差(5℃)に略一致する。しかしながら、図13に示す
ように、本発明の納豆包装体の品温A,Bの差は、発酵
室35内の室温の差(5℃)に比較すると、かなり小さ
くなり、2〜3℃とすることができる。
【0065】実験3 一般に納豆包装体は、包装装置により包装されて出荷さ
れ、例えば納豆の温度を5℃に保ってチルド流通される
が、包装や流通の際に納豆の温度が上昇し、品質を低下
させてしまうことがある。品温5℃の納豆を20℃条件
下に放置した際の温度上昇について、外面に発泡層25
を有する容器本体11と納豆12とを備えた本発明によ
る納豆包装体10と、外面に発泡層のない紙製容器本体
11と納豆12とを備えた従来の納豆包装体とを比較し
た。この結果を下表に示す。
【0066】
【表2】 本発明の納豆包装体では納豆の品温上昇が、従来の納豆
包装体に較べゆるやかとなり、熟成後の納豆から品質変
化を少なくすることができる。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、保温性の
高い容器本体を用いて納豆包装体を製造することができ
るので、安定した発酵工程を進行させることができ、品
質のバラツキが少ない納豆を得ることができる。また容
器本体は発泡ポリスチレン製容器本体と比較して容器本
体の使用後の処理を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による納豆包装体を示す側断面図。
【図2】納豆包装体の容器本体の胴部における層構成を
示す図。
【図3】納豆包装体の容器本体の底部における層構成を
示す図。
【図4】本発明による納豆包装体の製造工程を示す図。
【図5】発酵室の概略図。
【図6】円筒状胴部を有する容器本体を示す図。
【図7】四角筒状胴部を有する容器本体を示す図。
【図8】胴部と底部と蓋部とを有する容器本体を示す
図。
【図9】図7に示す容器本体を作製するためのブランク
材を示す図。
【図10】図8に示す容器本体を作製するためのブラン
ク材を示す図。
【図11】発酵室内のA地点とB地点の室温を示す図。
【図12】本発明による納豆包装体の納豆の温度を示す
図。
【図13】従来の納豆包装体の納豆の温度を示す図。
【符号の説明】
10 納豆包装体 11 容器本体 11a 胴部 11b フランジ部 11c 底部 12 納豆 15 熱可塑性フィルム 16 タレ 17 カバーフィルム 21,26 高密度ポリエチレン層 22,27 カップ原紙 23 印刷層 24,28 透明ニス層 25,29,30 低密度ポリエチレン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 勢 和 子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 中 島 洋 子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 久保田 文 久 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙を含む基材層と、この基材層の外側に設
    けられた熱可塑性発泡層とを有する胴部と、紙を含む基
    材層を有する底部とを有する容器本体と、 この容器本体内に収納されるとともに、納豆菌が接種さ
    れた煮豆からなる納豆と、 を備えたことを特徴とする納豆包装体。
  2. 【請求項2】胴部の基材層および底部の基材層の各々の
    内側に熱可塑性樹脂層が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の納豆包装体。
  3. 【請求項3】胴部の基材層と熱可塑性発泡層との間に、
    印刷層が設けられていることを特徴とする請求項1およ
    び2のいずれか記載の納豆包装体。
  4. 【請求項4】胴部の印刷層と熱可塑性発泡層との間に、
    透明ニス層が設けられていることを特徴とする請求項3
    記載の納豆包装体。
  5. 【請求項5】底部の基材層の外側に熱可塑性発泡層が設
    けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    か記載の納豆包装体。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5記載の容器本体と、この容
    器本体内に収納されるとともに納豆菌が接種された煮豆
    とを準備する工程と、 納豆菌が接種された煮豆が内部に収納された容器本体を
    発酵室内に配置し、容器本体内の煮豆を発酵させて納豆
    を製造する工程と、 を備えたことを特徴とする納豆包装体の製造方法。
  7. 【請求項7】煮豆を発酵させて納豆を製造する工程の
    後、納豆が収納された容器本体を冷蔵庫内に配置し、納
    豆を熟成する工程、を更に備えたことを特徴とする請求
    項6記載の納豆包装体の製造方法。
  8. 【請求項8】煮豆を発酵させて納豆を製造する工程の前
    に、容器本体内の煮豆を熱可塑性フィルムで覆い、この
    熱可塑性フィルム上に添付品を配置する工程を更に備え
    たことを特徴とする請求項6および7に記載の納豆包装
    体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120241436A1 (en) * 2011-03-25 2012-09-27 Gunter Pfaff Apparatus for culturing plant materials as food product

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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