JPH1094505A - 抗菌性転移シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物の塵埃等の物質を吸着すると同時に、
対象物に抗菌性を付与することのできる抗菌性転移シー
トを提供すること。 【解決手段】 天然繊維、化学繊維の単独もしくは混合
した繊維を、乾式法または湿式法でウェブ状もしくはマ
ット状に配列させ、接着或いは繊維自身の融着力によっ
て繊維相互を接合させて得られる不織布１上に、抗菌性
金属イオンからなる抗菌剤が添加・混合されてなるワッ
クス層３が離型層２を介して積層した抗菌性転移シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テーブル、電気製
品等の表面に付着する塵埃等の物質を化学電気的に吸着
すると同時に、テーブル、電気製品等の表面に抗菌性を
付与することのできる抗菌性転移シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、化学雑巾は通常の繊維からなるシ
ート状物に非イオン系界面活性剤を含んだ鉱物系油剤又
は植物系油剤を含浸させたものであり、テーブル、電気
製品等の表面の塵埃を吸着して清浄化することはできる
ものであるが、その対象物自体に抗菌性を付与し、その
もの自体に雑菌等の繁殖を防ぐという機能を持たせるも
のではなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
のような問題点を解決する為になされたもので、塵埃等
の物質を化学電気的に吸着すると同時に、その対象物の
表面に抗菌剤が転移することを可能とすることにより、
対象物の清浄化と抗菌化とを同時に達成することのでき
る抗菌性転移シートを提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の解決手段は、天然繊維、化学繊維の単独もし
くは混合した繊維を、乾式法又は湿式法でウェブ状もし
くはマット状に配列させ、接着或いは繊維自身の融着力
によって繊維相互を接合させて得られる不織布上に、抗
菌性金属イオンからなる抗菌剤が添加・混合されてなる
ワックス層が離型層を介して積層された抗菌性転移シー
トである。

【０００５】また、天然繊維，化学繊維の単独もしくは
混合した繊維を、溶融状態の離型剤中に浸漬させた後乾
式法または湿式法でウェブ状もしくはマット状に配列さ
せ、接着或いは繊維自身の融着力によって繊維相互を接
合させて得られる不織布上に、抗菌性金属イオンからな
る抗菌剤が添加・混合されているワックス層が積層され
た抗菌性転移シートである。

【０００６】このようにすることにより、塵埃等の物質
を化学電気的に吸着するとと同時に、その対象物の表面
に抗菌剤が転移することを可能とし、対象物の拭き取り
表面が清潔に保たれるものである。

【０００７】また、抗菌剤を抗菌性金属イオンをイオン
交換して担持しているゼオライト粒子、あるいは抗菌性
金属イオンを含有する溶解性ガラス粉末からなるものと
すること、およびワックス樹脂を水性ワックス、油性ワ
ックス、乳化性ワックス、樹脂ワックスのいずれかから
なるものとすることにより、安定した転移が可能となる
ものである。

【０００８】また、抗菌剤をワックスに対して０．１〜
３０重量％添加・混合することにより、拭き取り物表面
の抗菌性を確実に発揮させることが可能となるものであ
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図１
〜図３に従って詳細に説明する。図１は、本発明の抗菌
性転移シートの断面図，図２は、対象物にワックス層が
転移された状態を示す断面図、図３は、他の実施形態の
断面図である。図において、Ａは抗菌性転移シート、Ｂ
は対象物、１は不織布、２は離型層、３はワックス層、
４は抗菌剤である。

【００１０】本発明の抗菌性転移シートは、図１に示す
ように不織布１の表面となる側に離型層２を形成すると
ともに、離型層２上に抗菌性金属イオンからなる抗菌剤
が添加・混合されているワックス層３を形成した積層体
からなるものである。

【００１１】不織布１は、パルプ繊維，ナイロン，レー
ヨン，ビニロン，ポリプロピレン，ポリエチレン、ポリ
エステル，ポリアミド，アクリル，ポリビニルアルコー
ル等の単独または混合した繊維を、スパンレース法，メ
ルトブロー法，スパンボンド法等の乾式法又は湿式法で
ウェブ状もしくはマット状に配列させ、接着剤或いは繊
維自身の融着力によって繊維相互を接合させて得られる
ものである。この不織布を何層にも重ね厚手のものとす
ることにより、塵埃等をより拭き取りやすくなるもので
ある。

【００１２】離型層２は、後述するワックス層に対して
離型性を有するものであればよく、、不織布１上に、グ
ラビアコートやロールコート等の方法で形成される。ま
た、離型層２上に形成されるワックス層は、ロールコー
トや霧状のものを吹き付けてコートするスプレーコート
等の方法により設けることができる。

【００１３】ワックス層３は、ワックス樹脂中に、抗菌
性金属イオンからなる抗菌剤４が添加・混合されたもの
であり、ワックス樹脂としては水性ワックス，油性ワッ
クス，乳化性ワックス，樹脂ワックスを使用でき、抗菌
剤４としては、銅イオン，銀イオン，亜鉛イオンの１種
または２種以上をイオン交換により担持した公知のゼオ
ライト固体粒子或いは銀イオン，銅イオン，亜鉛イオン
の単独もしくは２種以上を含有する溶解性硝子を使用す
ることができる。溶解性硝子とは、制御された溶解速度
を持つようにガラスの物理的，化学的特性を考慮して組
成を調整したガラスの総称であり、銀化合物，銅化合
物，亜鉛化合物を含有させた溶解性硝子は数時間から数
年間の任意の期間に渡って定められた一定速度で銀イオ
ン，銅イオン，亜鉛イオンを溶出させることができるも
のである。

【００１４】また、ワックス樹脂中に添加する抗菌剤４
の添加量は、０．１〜３０重量％の範囲とする。抗菌剤
４の添加量を３０重量％以上としても抗菌効果はほとん
ど変化せず、また、０．１重量％以下であると十分な抗
菌効果が得られず好ましくない。

【００１５】図２は、本発明の抗菌性転写シートを用い
て、例えば机等の対象物Ｂを拭いた状態を示したもので
あり、抗菌性転移シートのワックス層３が、不織布１に
剥離層２を残して対象物Ｂに転移しており、対象物Ｂに
抗菌性を付与することができる。

【００１６】また、図３は、本発明の抗菌性転移シート
の他の実施例を示すものであり、不織布１を構成する各
繊維１１を取り囲むように離型層２が形成されている。
例えば、不織布１は、ポリエステル，ポリプロピレン，
ポリアミド等からなる繊維を、溶融状態の離型剤２中に
浸漬させて形成される。このようにすれば、離型性２を
有する不織布１を一度に製造できるため、より安価に抗
菌性転移シートを製造することができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明の抗菌性転移シートは、不織布上
もしくは不織布を形成する繊維表面に離型層を介して抗
菌性金属イオンからなる抗菌剤が添加・混合されたワッ
クス層が形成された積層構成からなり、対象物を本発明
の抗菌性転移シートで拭き取ると、ワックス層が対象物
側に転移し、対象物に抗菌性を付与することができる。
このため、本発明の抗菌性転移シートで拭くだけで、必
要な時に、誰でも簡単に抗菌性を付与することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の抗菌性転移シートの断面図。

【図２】本発明の抗菌性転移シートで対象物を拭いた状
態の模式断面図。

【図３】本発明の抗菌性転移シートの他の実施形態の断
面図。

【符号の説明】

Ａ 抗菌性転移シート Ｂ 対象物 １ 不織布 １１ 繊維 ２ 離型層 ３ ワックス層

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天然繊維、化学繊維の単独もしくは混合
   した繊維を、乾式法又は湿式法でウェブ状もしくはマッ
   ト状に配列させ、接着或いは繊維自身の融着力によって
   繊維相互を接合させて得られる不織布上に、抗菌性金属
   イオンからなる抗菌剤が添加・混合されているワックス
   層が離型層を介して積層されていることを特徴とする抗
   菌性転移シート。
2. 【請求項２】 天然繊維，化学繊維の単独もしくは混合
   した繊維を、溶融状態の離型剤中に浸漬させた後乾式法
   または湿式法でウェブ状もしくはマット状に配列させ、
   接着或いは繊維自身の融着力によって繊維相互を接合さ
   せて得られる不織布上に、抗菌性金属イオンからなる抗
   菌剤が添加・混合されているワックス層が積層されてい
   ることを特徴とする抗菌性転移シート。
3. 【請求項３】 前記抗菌剤が、抗菌性金属イオンをイオ
   ン交換して担持しているゼオライト粒子、あるいは抗菌
   性金属イオンを含有する溶解性ガラス粉末からなること
   を特徴とする請求項１または請求項２記載の抗菌性転移
   シート。
4. 【請求項４】 前記ワックスが水性ワックス、油性ワッ
   クス、乳化性ワックス、樹脂ワックスのいずれかからな
   ることを特徴とする請求項１〜３記載の抗菌性転移シー
   ト。
5. 【請求項５】 前記抗菌剤が前記ワックスに対して０．
   １〜３０重量％添加・混合されていることを特徴とする
   請求項１〜４記載の抗菌性転移シート。