JPH1094444A - 免震台装置 - Google Patents

免震台装置

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JPH1094444A
JPH1094444A JP17214297A JP17214297A JPH1094444A JP H1094444 A JPH1094444 A JP H1094444A JP 17214297 A JP17214297 A JP 17214297A JP 17214297 A JP17214297 A JP 17214297A JP H1094444 A JPH1094444 A JP H1094444A
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JP
Japan
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support frame
frame
rail
roller
lower support
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Withdrawn
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JP17214297A
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Masaaki Miki
政明 三木
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Itoki Crebio Corp
Original Assignee
Itoki Crebio Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンパクトなローラ式免震台装置を提供する。 【手段】床に設置した下支持枠5の下レール8と、家具
1を直接に支持する上支持枠6に設けた上レール9との
間に、遊動枠7に設けた遊動コロ13を介在させる。上下
下レール8,9 のコロ受け面8a,9a のうち少なくとも一方
を側面視で凹状に形成する。上下レール8,9 の内側面
に、遊動枠7に設けたガイドローラ14を当てることによ
り、上支持枠6の横ずれを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具等の設置物が
地震に際して転倒することを防止するために当該設置物
の下面に設けるコロ式の免震台装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】免震台装置には種々のものが考えられて
おり、その中に、図15に単純化して示すようなコロを使
用したものがある。すなわちこの従来の免震台装置は、
設置物40の下面に設けたブラケット41にベアリングを介
して複数対ずつコロ42を取付け、これのコロ42の対を地
面に設けたレール43で支持したもので、地震に際して地
面が揺れると、設置物40は慣性力によって殆ど静止して
いる一方、レール43は各コロ42を転動させつつ地面と一
体に揺れ動くことになり、コロ42を介して設置物40とレ
ール43との相対動が許容されることによって免震され
る。
【0003】このようにコロ42を使用したものは、例え
ば実開昭64-43129号公報や実開平2-45038 号公報、実開
平3-98348 号公報等に記載されているボールを使用した
ものに比べて、部材の変形を起こしにくい利点がある
(ボールによって支持すると、ボールが部材に対して点
接触になるため、ボールの接触した箇所が変形しやす
い)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コロ42を設
置物40に位置固定的に取付けた従来技術では、地震に際
してのコロ42の位置は一定であるから、地震に際してレ
ール43の移動を許容するためには、コロ42は、設置物40
の両端から地震の振幅Lよりも内側に入り込んだ位置に
取付けなければならない。換言すると、設置物20の端と
両コロ42との間に、地震の振幅Lよりも大きい寸法の余
裕を取らねばならない。
【0005】この場合、建物のような設置物40の場合は
その全長Wが長く、地震の振幅Lに対する設置物20の全
長Wの比率L/W はごく小さいため、両コロ42間の間隔寸
法Sと全長Wとの比率S/W を1に近い値に設定すること
ができ、従って、設置物40の端とコロ42との間に地震の
振幅Lよりも大きい寸法の余裕をとっても、設置物40を
安定した状態に支持できる。
【0006】ところが、家具類の場合は、揺動方向に沿
った長さ(一般に奥行き寸法)が設置物20に比べて遙か
に小さいため、地震の振幅Lと全長Wとの比率L/W が設
置物40の場合に比べて著しく大きくなる。このため、こ
の従来技術を家具に適用したに過ぎない場合は、両コロ
42間の間隔寸法Sと全長Wとの比率S/W が設置物40の場
合に比べて著しく大きくなり、従って、地震に際して家
具を安定した状態に支持することができない、換言する
と家具類の場合には的確に免震できない場合があると言
う問題があった。
【0007】また、ブラケット41の分だけ嵩高になるた
め、大型化して体裁が悪化する虞があると共に、家具の
荷重はベアリングに作用するため、頑丈なベアリングを
使用しなければならない点も問題もあった。本発明は、
上記各問題を解消すると共に、地震が終わった後に家具
等の設置物が惰性で揺れることも効果的に抑制できるよ
うにしたコロ式の免震装置を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の免震台装置は、「床や地面に設置する下支持
枠と、該下支持枠の上方において家具等の設置物を支持
する上支持枠と、これら上下支持枠の間に配置した遊動
枠とを備え、 .前記上支持枠と下支持枠とに、互いに対向した状態
で延びるレールを、平面視で設置物の重心を挟んだ両側
に振り分けて複数対設ける、 .前記遊動枠に、前記上下支持枠のレールの間に転動
自在に介在するコロを、前記レールの長手方向に沿って
複数個ずつ設ける、 .前記上支持枠におけるレールの下面と下支持枠にお
けるレールの上面とのうちいずれか一方又は両方を、コ
ロが上下動しながら転動するようにレールと直交した側
面方向から見て凹状に形成する、 .遊動枠のコロがレールから離脱することを防止する
ためのガイド手段を設ける、」の構成にした。
【0009】また、請求項2の免震台装置は本質的には
請求項1と同じで、「床や地面に設置する下支持枠と、
該下支持枠の上方において家具等の設置物を支持する上
支持枠と、上下支持枠の間に配置した中間支持枠と、下
支持枠と中間支持枠との間に配置した第1遊動枠と、中
間支持枠と上支持枠との間に配置した第2遊動枠とを備
え、 .下支持枠と中間支持枠と第1遊動枠とを、請求項1
と同じレールとコロとからなる相対動機構によってレー
ルと同じ方向に相対動可能ならしめる、 .中間支持枠と上支持枠と第2遊動枠とを、請求項1
と同じレールとコロとから成る相対動機構により、平面
視で下支持枠のレールと直交した方向に相対動可能とな
るように構成する、 .各遊動枠のコロが各支持枠のレールから離脱するの
を防止するためのガイド手段を設ける、」の構成にし
た。
【0010】なお、本発明は家具に好適であるが、設置
物や各種施設、各種物品等の各種の設置物の免震に適用
できる。
【0011】
【発明の作用・効果】これらの構成において、家具等の
設置物とこれに取付いた上支持枠はそれらの自重によっ
て位置を保持しようとする慣性力が作用しているため、
地震に際しては、下支持枠(及び中間支持枠)はコロの
転動を介して床や地面と一緒に揺れ動くことになり、こ
の各支持枠の相対動によって家具等が免震される。
【0012】また、支持枠における相対向したレールの
うち少なくとも一方をコロが上下動しながら転動するよ
うに側面視で凹状に形成しているから、コロはコロ受け
面の最も深い箇所に移動し勝手になっており、従って、
ばね等の付勢手段を設けなくても、通常の状態では設置
物を所定の位置に保持できると共に、地震が終わった後
には元の位置に自然復帰させることができる。
【0013】そして、コロを介して下支持枠が揺動する
に際して、コロは下支持枠に載った状態で転動しながら
移動するため、コロは、下支持枠と同じ方向に移動しつ
つ、下支持枠に対しては、下支持枠の移動方向と反対方
向に移動するように相対動することになり、換言する
と、コロは、下支持枠の移動速度の半分の速度で下支持
枠と同じ方向に移動することになり、よって、家具に対
するコロの移動距離は地震の振幅(下支持枠の移動距
離)の半分の距離になる。
【0014】従って、本発明の免震装置は、従来技術よ
りもコロを家具の端部寄りに位置させることができる。
換言すると、コロとコロとの間隔を従来技術よりも広げ
て安定性を向上できるのであり、従って、家具のように
高さに対して幅寸法や長さ寸法が小さい設置物であって
も的確に免震することができる(或いは、免震機能を損
なうことなく免震台装置をコンパクト化できる)。ま
た、頑丈なベアリングを必要としない利点もある。
【0015】また、請求項2のように構成すると、中間
支持枠と上支持枠とが平面視で交叉した方向に相対動し
得るため、地震の揺れの方向に関係なく的確に免震でき
る利点がある。ところで、コロとレールとの間には摩擦
抵抗が生じるため完全には免震し切れず、地震の揺れが
設置物に作用することがある。すなわち、地震終了後
(場合によっては地震の最中)に設置物が揺動(振動)
することがある。従って、免震機能を向上するために
は、設置物が揺動した場合にこれを効果体に減衰させる
ことが必要で、そのためには、設置物の揺動の周期を地
震の揺れの周期よりも長くすることが必要である(換言
すると、設置物の固有振動数を地震の振動数よりも小さ
くする必要がある)。
【0016】そこで本願発明の構成について検討する
に、本願発明では、コロはレールの凹面に沿って上下動
しながら移動するため、設置物は振り子運動と同様の運
動を行うことになるが、設置物がコロの移動距離の2倍
だけ往復動することに起因して、設置物の揺動の周期を
地震の揺れの周期よりも長くすることができ、その結
果、設置物の揺動を効果的に減衰して免震機能を向上で
きるのである。
【0017】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。図1〜図8はキャビネットの免震台装
置に適用した第1実施形態を示しており、図1は抽斗2
及び観音開き式扉3を備えたキャビネット1の斜視図、
図2は図1の部分正面図、図3は免震台装置の分離斜視
図、図4は図2のIV−IV視平面図、図5は図4の V-V視
断面図、図6は図4のVI−VI視断面図、図7は作用を示
す図である。
【0018】図3に示すように、免震台装置4は、床F
に設置する下支持枠5と、該下支持枠5の上方に位置し
た上支持枠6と、上下支持枠5,6 の間に配置した遊動枠
7とを備えている。上下支持枠5,6 は、平面視でキャビ
ネット1と同じ外形となるように形成されており、両支
持枠5,6 とも断面C型の型鋼を素材として製作してい
る。上支持枠6にキャビネット1をねじ止め等の適宜手
段で固着している。
【0019】上下支持枠5,6 の左右両端寄り部位には、
平面視で互いに重なり合うように延びる上下レール8,9
を一対ずつ設けている。これら上下レール8,9 は、支持
枠5,6 に装架したステー部材10に取付けられている。遊
動枠7は、上下レール8,9 の内側面に沿って延びる左右
の縦部材11とこれを連結する横部材12とで平面視略矩形
に形成されており、上下支持枠5,6 の間で前後方向に移
動し得る前後幅寸法に形成されている。上下支持枠5,6
と遊動枠7はそれぞれ前後左右対称状に形成されてい
る。
【0020】図3〜図6に示すように、前記遊動枠7に
おける左右縦部材11の前後両端には、前記上支持枠6と
下支持枠5との間に転動自在に介在するコロ13を横向き
に突設している。従って、上下支持枠5,6 は、各コロ13
を介して前後方向に相対動し得る。各コロ13は前後左右
に対称状に配置している。更に遊動枠7における左右縦
部材11の前後両端には、上下支持枠5,6 が間口(左右)
方向に相対動することを防止するためのガイド手段とし
て、ガイドローラ14を上下両方向に突設し、各ガイドロ
ーラ14を上下各レール8,9 の内側面に転動自在に接触さ
せている。
【0021】そして、図3及び図6に示すように、下レ
ール8の上面において各コロ13が転動し得るコロ受け面
8aを、側面視で上向き凹の緩い円弧状に形成している。
なお、コロ受け面8aは円弧状には限らず、緩い角度で広
がるく字状に形成しても良い。また、上レール9のコロ
受け面9aを下向き凹状に形成したり、上下レール8,9の
コロ受け面8a,9a の両方を相対向する状態で凹状に形成
しても良い。
【0022】また、上支持枠6はキャビネット1の下端
に一体的に形成しても良い。以上の構成において、上支
持枠6及びキャビネット1にはその自重が下向きの慣性
力として作用しているのに対して、下支持枠5はコロ13
を介して容易に移動し得る状態にある。従って、図7(B)
に示すように地震によって床Fが白抜き矢印方向に揺れ
動くと、下支持枠5は、コロ13を転動させながら実線で
示すように床Fと一緒に揺動することになり、このよう
に下支持枠5がコロ13及び遊動枠体4と一緒に揺動する
ことにより、キャビネット1が大きく揺れ動くことが阻
止される。
【0023】この場合、コロ13は下支持枠5に載ってい
るため、下支持枠5と共に同じ方向に移動するが、コロ
13は転動するため、下支持枠5に対しては当該下支持枠
5の移動方向と逆方向に相対移動することになる。換言
すると、コロ13は、下支持枠5の半分の速度で下支持枠
5と同じ方向に移動するのであり、このため、コロ13が
キャビネット1に対して移動する距離は、地震の振幅L
の半分の寸法L/2 になる。
【0024】従って、図15の従来技術に比べて、前後コ
ロ13をL/2 の寸法だけキャビネット1の端に寄せること
ができる、換言すると、前後コロ13間の間隔Sを従来よ
りも地震の振幅Lだけ大きくすることができるのであ
り、その結果、キャビネット1のように奥行き寸法Wが
小さい場合であっても安定した状態に設置して的確に免
震できるのである。言い換えと、コンパクトな免震台装
置4でありながら的確に免震できるのである。
【0025】また、下レール8のコロ受け面8aが上向き
凹状であるため、コロ13はコロ受け面8aの中間部に戻り
勝手になっており、従って、ばね等の付勢手段を設けな
くても、通常の状態ではキャビネット1を所定の位置に
保持できると共に、地震終了時には元の位置に自然復帰
させることができる。なお、上下のコロ受け面8a,9aを
凹状に形成するとキャビネット1の位置保持機能をより
向上できる。
【0026】キャビネット1が横ずれするのを防止する
ガイド手段としては種々の構造を採用できるが、実施形
態のようにローラ14を使用し、このローラ14を上下レー
ル8,9 に当てると、上下レール8,9 を上支持枠6の前後
ガイドに兼用できるため、簡単な構造でスムースにガイ
ドできる利点がある。ところで、コロ13と上下レール8,
9 との間には多少なりとも摩擦があるため、地震に際し
てキャビネット1が完全に静止しているとは言えず、地
震の揺れがキャビネット1に作用して、地震が終了して
もキャビネット1が揺動することがある。この揺動は、
コロ13が下レール8の円弧状コロ受け面8aに沿って上下
動しながら往復動するものであるため、図8に模式的な
軌跡Aとして示すように、キャビネット1の重心Gは振
り子運動(単振動)を行う。
【0027】この場合、仮にキャビネット1が単純な振
り子運動を行うと過程すると、その周期Tは、振り子の
半径Sとすると、T=2π√(S/g)の式で求められ
る(gは重力加速度)。実際にキャビネット1が揺動す
るに当たってもこの式に類似した周期で運動を行い、摩
擦によって徐々に減衰していく。そして、図8(B)のよう
に、キャビネット1にブラケットを介してコロ13を取付
けたに過ぎない場合には、コロ13とキャビネット1とは
Lの振幅で同時に往復動するため、キャビネット1の重
心Gは、軌跡Bに示すように、下レール8におけるコロ
受け面8aの曲率半径Rと同じ半径で、且つ、Lの振幅で
振動する。従って、図8(B)の場合のキャビネット1の振
動(揺動)の周期T1は、T1=2π√(R/g)となり、
自然状態では(B')に示すように減衰していく。
【0028】この式から分かるように、下レール8のコ
ロ受け面8aの曲率半径Rを大きくすると周期T1は長くな
り、周期T1を地震の揺れの周期よりも長くするとキャビ
ネット1の揺れを効果的に減衰できる。地震の揺れの周
期は最大で4秒程度であり、従って、理論的には、図8
(B)の形態でも、周期T1が4秒を越えるようにコロ受け
面8aの曲率半径Rを大きくすれば良いと考えられるが、
コロ受け面8aの曲率半径Rを大きくし過ぎるとコロ受け
面8aが平坦面に近くなるため、地震に際してコロ13が往
復動できくなる。このためコロ受け面8aの曲率半径Rの
寸法に限度がある。
【0029】本発明者の実験によると、L= 150mmの
場合の曲率半径Rは3300mm程度が限界であり、この場
合の図8(B)の状態での固有の周期T1は3秒程度であった
(他の様々な免震装置でも、周期を4秒以上にすること
は困難である)。そして、地震の周期は4秒以内である
ことが多いため、図8(B)の状態では、キャビネット1の
揺動の固有の周期(或いは固有振動数)と地震によって
キャビネット1に付与される揺れの周期(或いは振動
数)とが一致して共振してしまい、キャビネット1の揺
動が図8(B') のようには減衰せずにかえって増幅されて
しまい、キャビネット1が下レール8から脱落してしま
う虞がある。
【0030】他方、本願発明の構成によると、図8(A)に
示すように、キャビネット1が振動する場合の振幅は図
8(B)の場合の2倍の2Lとなり、しかも、キャビネット1
の上下動寸法は図8(B)の場合と同じであるから、図8(A)
の状態で単振動(振り子運動)する場合の半径は2Rとな
り、従って、固有の周期T2は、T2=2π√(2R/g)と
なり、周期T2が図8(B)の場合に比べて倍増する。実際に
本発明者の実験によると、図8(B)と同じ条件の下で本願
発明品の周期は6秒強あり、地震波の最大周期(約4
秒)よりも遙かに大きかった。このため、共振現象を確
実に防止して、図8(A') のグラフのように振動を確実に
減衰できるのである。
【0031】次に、請求項2を具体化した第2実施形態
を図9〜図14に基づいて説明する。図9は各部材を単純
化して表示した分離斜視図、図10は分離した状態での縦
断正面図、図11のうち (A)は図10の XIA-XIA視平面図、
(B)は (A)の B-B視断面図、図12は図11の XII-XII視断
面図、図13は図10のXIII−XIII視平面図、図14は図13の
XIV-XIV視断面図である。
【0032】この実施形態の免震台装置4は、下支持枠
5と、その上方に配置した第1遊動枠7aと、その上方に
配置した中間支持枠16と、その上方に配置した第2遊動
枠7bと、その上方に配置した上支持枠6とを備えてい
る。図10に示すように、下支持枠5は角形の枠材5aによ
って矩形に形成されており、その左右両側部の上面に前
後方向(図10で紙面と直交した方向、図11で上下方向)
に延びる下レール8を固着している。下レール8は第1
実施形態と同様に上向き凹状の一対のコロ受け面8aを形
成している。下支持枠5の外周には、下レール8よりも
高い高さのカバー17を装着している。
【0033】下支持枠5の左右中央部には一対の補強部
材18を差し渡し固定し、この補強部材18の間に下レール
8と同じ前後方向に延びる下タンク19を固着している。
この下タンク19は上向きに開口しており、内部にはシリ
コーン樹脂のような粘度の高い流体20を適当な深さで入
れている。第1遊動枠7aは、前後方向に延びる左右一対
の側枠材21と、両者の間に装架した3本の連結部材22と
を備えており、左右側枠21に、前記下レール8と中間支
持枠16における左右枠材16aの下面との間に転動自在に
介在するコロ13を横向き突設している。また、第1遊動
枠7aには、下支持枠5における左右枠材5aの内側面並び
に中間支持枠16における左右枠材16aの内側面に当接す
るガイドローラ14を設けている。
【0034】第1遊動枠7aにおける中央部の連結部材22
には、前記下支持枠5に設けた下タンク19内に入り込む
ロッド23を下向き突設し、ロッド23の下端に、流体20に
浸漬する円盤状の抵抗移動体23を固着している。流体20
と抵抗移動体23との機能については後述する。ロッド23
には、下タンク19に被さるカバー25を取付けいる。中間
支持枠16は下支持枠5と同様の構成であり、角形の枠材
16a,16b によって構成されており、カバー17も設けてい
る。中間支持枠16は、その左右枠材16a自体を下レール
8に対するレールに兼用している(別にレールを取付け
ても良い)。
【0035】図10や図13,14 に示すように、中間支持枠
16の前後枠材16bの上面には左右方向に延びる中間レー
ル26を固着している。中間レール26には、下レール8と
同様に上向き凹状の一対のコロ受け面26aを形成してい
る。また、左右枠材16a間に前後一対の補強部材18を装
架し、両補強部材18の間に左右方向に延びる上タンク27
を固着している。上タンク27の内部には前記したタンク
19と同様に粘度の高い流体が適当な深さまで入れられて
いる。また、上タンク27の上面には左右方向に延びるス
リット28が形成されている。
【0036】第2遊動枠7bは第1遊動枠7aと同じ構造で
あり、コロ13とガイドレール14とロッド23及び抵抗移動
体24とを備えている。この第2遊動枠7bは、そのコロ13
が前後方向に位置するような姿勢にしており、コロ13
を、中間支持枠16の中間レール26と上支持枠6の前後枠
材6aとの間に介在させている。また、第2遊動枠7bに設
けた抵抗移動体24は、スリット28を介して中間支持枠16
に設けた上タンク27に浸漬している。なお、第2遊動体
24のロット23にカバー25を設けてもよい。
【0037】上支持枠6は角パイプから成る枠材6a,6b
によって矩形に構成されており、前後枠材6aをレールに
兼用して、これを第1遊動枠7bのコロ13に載置してい
る。また、第2遊動枠7bのガイドローラ14を前後枠材6a
の内側面に当てている。上支持枠6には家具や陳列ケー
ス等の設置物29がねじ止めや嵌め込み等の適当な手段で
ずれ不能に取付けられており、設置物29の外面板29aは
上支持枠6を覆う位置まで延びている。
【0038】この実施形態では、下支持枠5と中間支持
枠7aとが前後方向(図9のX方向で設置物29の奥行き方
向)に相対動し、中間支持枠16と上支持枠6とが左右方
向(図9のY方向で設置物29の間口方向)に相対動する
ため、地震によって床面がどの方向に揺れても的確に免
震できる。ところで、地震の揺れが小さい場合には設置
物16が倒れることはないため免震させる必要はなく、あ
る程度以上の強さの地震のときのみ免震機能が発揮され
るように構成したら良い。前記流体20と抵抗移動体24と
は、弱い揺れのときには設置物29が床面と一緒に揺れる
ようにするブレーキ手段として機能する。すなわち、弱
い地震のときには流体20の抵抗によって抵抗移動体24が
移動し難いため、設置物29は免震されることなく床面及
び各支持枠5,6,16と一緒に揺動し、地震の強さがある程
度以上に大きくなると、抵抗移動体24の速度(加速度)
が大きくなって流体20内を移動するため免震される。
【0039】高層建築物の場合、下層階では地面と同じ
ように揺れるのに対して、中・上層階はしなり作用によ
って長い周期でゆっくり揺れる傾向を呈し、高さ位置に
よって揺れの程度が異なる。そこで、地面と同じ加速度
で揺れる下層階に設置する設置物については、流体20及
び抵抗移動体24のようなブレーキ手段を設けずに、中・
上層階に設置する設置物に対してはブレーキ手段のつい
た免震台装置を使用すると効果的である。
【0040】ブレーキ手段として流体20を使用する場
合、抵抗作動体24は円盤状に限らず櫛歯状等の種々の形
態を採用できる。また、流体20の粘度や抵抗作動体24の
形状等を変更することにより、ブレーキ作用の感度をさ
まざまに変更できる。実施形態のような板状の抵抗作動
体24を使用する場合、抵抗作動体24をタンク19,27 の底
に近づけると抵抗は大きくなってブレーキ機能は向上す
る。ブレーキ手段は、地震の後の設置物29の揺動を減衰
させる機能も備えている。
【0041】上述のように、地震に際して支持枠5,16,6
が相対動することによって免震されるが、通常の状態で
人がもたれかかったり手をついたりしただけで設置物29
が簡単に移動してしまうのは好ましくない。このため第
2実施形態では、通常時には設置物29を移動不能に保持
するロック手段を設けている。すなわち、先ず、図13及
び図14に示すように、上支持枠6の内周縁の適当な部位
に第1ブラケット30を固着し、この第1ブラケット30
に、可動ピン31を下向きにした第1電磁ソレノイド32を
取付ける一方、中間支持枠16の内周縁には電磁ソレノイ
ド32と平面視で重なり合う第1ストッパー片33を固着
し、このストッパー片33に、前記電磁ソレノイド32のO
N・OFFによって可動ピン31が嵌脱する穴34を穿設し
ている。上支持枠6には、電磁ソレノイド32の可動ピン
31の傾きを防止するためのガイド片34を設けている。
【0042】また、図11及び図12に示すように、中間支
持枠16の内周縁のうち左右連結部材22の間の箇所等の適
当な部位に第2ブラケット35を固着し、この第2ブラケ
ット35に、可動ピン36を下向きにした状態で第2電磁ソ
レノイド37を固着する一方、下支持枠5の内周縁には、
第2電磁ソレノイド37の可動ピン36が嵌脱する第2スト
ッパー片38を固着している。
【0043】上記の両電磁ソレノイド32,37 は、室内又
は室外の適当な場所に設けた地震計等の地震検知手段39
に制御回路を介して接続されている。前記両電磁ソレノ
イド32,37 は、平常時には可動ピン31,36 が突出してい
てストッパー片33,38 に嵌まっており、これにより、設
置物29は前後・左右のいずれの方向にも移動不能に保持
される。従って、人が設置物29にもたれ掛かったり手で
押したり物を立てかけたりしても、設置物29は不動の状
態に保持される。
【0044】他方、地震が起きると地震感知手段30から
の信号が制御回路に入力されて電磁ソレノイド32,37 が
作動し、可動ピン31,36 が後退する。これにより、各支
持枠5,16,6は相対動し得る状態になるため設置物29は免
震される。なお、地震の強さがある程度以上の場合のみ
電磁ソレノイド32,37 が作動するように設定しても良
い。
【0045】地震時のみ免震機能が発揮されるようにす
るためのロック手段としては実施形態のような電磁ソレ
ノイドを使用したものには限らない。第1実施形態のよ
うに設置物29を前後・左右方向の揺れに対して免震する
ように構成した場合、一方向についての揺れに対しての
みロック機能が発揮されるように構成しても良い。
【0046】また、複数の免震台装置を並設し、複数台
の免震台装置で一つの設置物を支持するように構成して
も良いし、複数の免震台装置を連結した状態で使用して
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】設置物の一例としてのキャビネットの斜視図で
ある。
【図2】図1の部分正面図である。
【図3】免震台装置の分離斜視図である。
【図4】図2のIV−IV視平面図である。
【図5】図4のV−V視断面図である。
【図6】図4のVI−VI視断面図である。
【図7】作用を示す図である。
【図8】作用を示す図である。
【図9】第2実施形態において各部材を単純化して表示
した分離斜視図である。
【図10】第2実施形態の分離した状態での縦断正面図
である。
【図11】(A)は図10の XIA-XIA視平面図、 (B)は (A)
の B-B視断面図である。
【図12】図11の XII-XII視断面図である。
【図13】図10のXIII−XIII視平面図である。
【図14】図13の XIV-XIV視断面図である。
【図15】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1 設置物の一例としてのキャビネット 4 免震台装置 5 下支持枠 6 上支持枠 7,7a,7b 遊動枠 8 下レール 8a 下レールのコロ受け面 9 上レール 9a 上レールのコロ受け面 13 コロ 14 ガイドローラ 16 中間支持枠 26 中間レール 29 設置物 32,37 電磁ソレノイド 33,38 ストッパー片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床や地面に設置する下支持枠と、該下支持
    枠の上方において家具等の設置物を支持する上支持枠
    と、これら上下支持枠の間に配置した遊動枠とを備え、 前記上支持枠と下支持枠とに、互いに対向した状態で延
    びるレールを、平面視で設置物の重心を挟んだ両側に振
    り分けて複数対設ける一方、 前記遊動枠に、前記上下支持枠のレールの間に転動自在
    に介在するコロを、前記レールの長手方向に沿って複数
    個ずつ設け、 前記上支持枠におけるレールの下面と下支持枠における
    レールの上面とのうちいずれか一方又は両方を、コロが
    上下動しながら転動するようにレールと直交した側面方
    向から見て凹状に形成し、 更に、遊動枠のコロがレールから離脱することを防止す
    るためのガイド手段を設けていること、を特徴とするの
    免震台装置。
  2. 【請求項2】床や地面に設置する下支持枠と、該下支持
    枠の上方において家具等の設置物を支持する上支持枠
    と、上下支持枠の間に配置した中間支持枠と、下支持枠
    と中間支持枠との間に配置した第1遊動枠と、中間支持
    枠と上支持枠との間に配置した第2遊動枠とを備え、 下支持枠と中間支持枠と第1遊動枠とを、請求項1と同
    じレールとコロとからなる相対動機構によってレールと
    同じ方向に相対動可能ならしめ、中間支持枠と上支持枠
    と第2遊動枠とを、請求項1と同じレールとコロとから
    成る相対動機構により、平面視で下支持枠のレールと直
    交した方向に相対動可能となるように構成し、 更に、各遊動枠のコロが各支持枠のレールから離脱する
    のを防止するためのガイド手段を設けたこと、を特徴と
    するの免震台装置。
JP17214297A 1996-07-31 1997-06-27 免震台装置 Withdrawn JPH1094444A (ja)

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JP20182496 1996-07-31
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100456782B1 (ko) * 2001-08-21 2004-11-10 주식회사 케이.알 지진충격 방지장치
JP2006150045A (ja) * 2004-11-02 2006-06-15 Kongo Co Ltd 免震装置
JP2013117287A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Toshiba Corp 防振システム
CN104819244A (zh) * 2015-04-24 2015-08-05 盐城工学院 基于液压悬置的齿轮箱用减振安装架

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