JPH1094286A - 動力発生装置 - Google Patents

動力発生装置

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Publication number
JPH1094286A
JPH1094286A JP8247363A JP24736396A JPH1094286A JP H1094286 A JPH1094286 A JP H1094286A JP 8247363 A JP8247363 A JP 8247363A JP 24736396 A JP24736396 A JP 24736396A JP H1094286 A JPH1094286 A JP H1094286A
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JP
Japan
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signal
output
circuit
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position detection
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Application number
JP8247363A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Asada
和彦 麻田
Hideki Morozumi
英樹 両角
Hidekazu Yamashita
秀和 山下
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の構成の動力発生装置は、特に高速域で
の制御が不自由であるという課題を有している。 【解決手段】 本発明は、第2の物体2が有している永
久磁石3・4の位置を検知する位置検知手段34〜36
の出力信号が、所定の周波数以上の場合には、位置検知
手段の出力信号に対して所定の位相差を持った信号を出
力し、所定の周波数未満の場合には、位置検知手段の出
力信号をそのまま出力するようにして、制御幅を広げた
動力発生装置としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用や産業用に
使用されるモータやリニアモータ等の動力発生装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来使用している動力発生装置を図17
に示す。この動力発生装置は、第1の物体1を構成する
固定子と、第1の物体1の内側に回転自在に設けた第2
の物体2を構成する回転子と、磁極の位置を検知する位
置検知手段33と、位置検知手段33の信号によって第
2の物体2の回転を制御する制御回路30と、制御回路
30の信号によって第2の物体2を回転させるインバー
タ17とを備えている。
【0003】第2の物体2は、磁性体5と、磁性体5の
表面に設けた永久磁石3および永久磁石4と、出力軸6
を有している。永久磁石3は磁性体5の表面にN極が外
側になるように接着しており、永久磁石4は磁性体5の
表面にS極が外側になるように接着している。第1の物
体1は、珪素鋼板等を積層して構成した鉄心7と、鉄心
7に構成したスロットの中に設けた巻線8a・9a・1
0a・8b・9b・10bを有している。巻線8a・8
bと、巻線9a・9bと、巻線10a・10bとはそれ
ぞれ直列に接続しており、3相巻線を構成するように6
0゜ずつ離れた位置に配置している。
【0004】前記各巻線は、インバータ17とインバー
タ17を制御する制御回路30によって駆動されてい
る。またインバータ17は、商用交流電源11を整流す
る全波の整流回路12と、この出力を波形成形するフィ
ルタ回路40から電力の供給を受けている。整流回路1
2は、ダイオード13・14・15・16をブリッジ接
続して構成している。フィルタ回路40は、電解式の平
滑コンデンサ41とチョークコイル42によって構成し
ており、整流回路12の出力をリプルが少ない、ほぼ完
全な直流に波形成形している。インバータ17は、6個
のトランジスタ18〜23と、6個のダイオード24〜
29とを3相に接続した構成としている。
【0005】また制御回路30は、駆動回路31と論理
回路32とを有しており、前記各トランジスタのベース
端子は、すべて駆動回路31に接続されている。位置検
知手段33は、第1の物体1と第2の物体2との間の空
隙部に設けたホールIC34・35・36によって構成
しており、第2の物体2が回転運動する際に、永久磁石
3・永久磁石4の位置を検知しているものであり、N極
と対向している状態においてはハイの論理を出力し、S
極と対向している状態においてはロウの論理を出力する
ものである。
【0006】以上の構成で、制御回路30が位置検知手
段33の信号を受けて6個のトランジスタ18〜23を
順次駆動し、第2の物体2を回転させるものである。
【0007】図18は図1の動力発生装置各部の電圧波
形を示したものである。図18において、(ア)はホー
ルIC34の信号波形、(イ)はホールIC35の信号
波形、(ウ)はホールIC36の信号波形、(エ)はト
ランジスタ18への信号波形、(オ)はトランジスタ1
9への信号波形、(カ)はトランジスタ20への信号波
形、(キ)はトランジスタ21への信号波形、(ク)は
トランジスタ22への信号波形、(ケ)はトランジスタ
23への信号波形を示したものである。
【0008】すなわち論理回路32は、位置検知手段3
3を構成するホールIC33・34・35の3つの信号
を論理演算することによって、3相インバータを構成す
る6個のトランジスタ18〜23を駆動するハイ・ロウ
の信号を作成しているものである。
【0009】駆動回路31はこの信号が、ハイ信号の場
合には当該トランジスタにベース電流を供給してオンさ
せ、ロウ信号の場合にはベースに逆バイアスを印加して
オフ状態とするものである。
【0010】このとき論理回路32としては例えばTT
LやCMOS式のロジック回路などを使用するものであ
ることから、遅れ時間は、各ホールICから入力される
信号の周期に比して極めて短い時間となっている。つま
り、各ホールICの信号の立ち上がりのエッジもしくは
立ち下がりのエッジと、各トランジスタの駆動信号のエ
ッジ(立ち上がりもしくは立ち下がり)との時間差は、
数十ナノ秒〜数100ナノ秒となっているものである。
従って図18(エ)〜(ケ)に示しているように、ほぼ
同時にトランジスタの切り替えが行われるものとなって
いる。
【0011】これによって、第1の物体1に設けている
3相に配置した巻線8a・9a・10a・8b・9b・
10bには、順次電流が流れるものである。この電流に
よって、第2の物体2を構成する永久磁石3または永久
磁石4との間に力が発生し、図17の状態では反時計方
向のトルクが発生するものである。このトルクは出力軸
6を使用して、外部の負荷に供給することができるもの
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成の動力
発生装置は、特に高速域での制御が不自由であるという
課題を有している。つまり、永久磁石を使用しているこ
とによって磁束値が固定され、速度制御のためには電圧
制御(PWMによる実効入力電圧の加減、静止形レオナ
ード制御等)によらざるを得ないものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、位置検知手段
の出力信号が所定の周波数以上の場合には位置検知手段
の出力に対して所定の位相差を持った信号を出力し、位
置検知手段の信号が所定の周波数未満の場合には、位置
検知手段の信号をそのまま出力する制御を行って、制御
幅を広めた動力発生装置としている。
【0014】
【発明の実施の形態】請求項1に記載した発明は、第2
の物体が有している永久磁石の位置を検知する位置検知
手段の出力信号が、所定の周波数以上の場合には、位置
検知手段の出力信号に対して所定の位相差を持った信号
を出力し、所定の周波数未満の場合には、位置検知手段
の出力信号をそのまま出力する動力発生装置としてい
る。
【0015】請求項2に記載した発明は、移相回路は、
位置検知手段が出力する信号から所定の時間遅延した時
点で信号を出力するようにして、特に起動時の加速性能
を良好にした動力発生装置としている。
【0016】請求項3に記載した発明は、移相回路は、
位置検出手段が出力する信号に同期した鋸波を発生する
鋸波発生回路と、前記鋸波の振幅をほぼ一定に保つ振幅
制御回路と、前記鋸波と所定値とを比較する比較器とを
有して、同様に起動時の加速性能を良好にした動力発生
装置としている。
【0017】請求項4に記載した発明は、位置検知手段
が出力する信号の周波数が所定値以上の場合には、位置
検知手段の信号に対して進み位相差を有するように制御
して、第1の物体と第2の物体との間に発生する電磁力
が第2の物体の移動方向に対して逆極性となる瞬間が発
生せず、出力のリプルが小さくまた出力パワーが大きい
動力発生装置としている。
【0018】請求項5に記載した発明は、位置検知手段
の出力周波数が所定値以上の場合には、前記位置検知手
段の出力信号に対して遅れの位相差を設定し、3相巻線
による電流ベクトルが正の直軸成分を有するようにし
て、加速性能の良好な動力発生装置としている。
【0019】請求項6に記載した発明は、第2の物体が
突極特性を有することによって、特に遅れの位相差を設
定している状態においてリラクタンストルクを発生さ
せ、より高トルクを発生できる動力発生装置としてい
る。
【0020】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の実施例について説明する。
【0021】図1は本実施例の動力発生装置の構成を示
すブロック図である。本実施例の動力発生装置は、第1
の物体1である固定子と、第1の物体1の内側に回転自
在に設けた第2の物体2である回転子と、磁極の位置を
検知する位置検知手段33と、位置検知手段33の信号
によって第2の物体2の回転を制御する制御回路50
と、制御回路50の信号によって第1の物体1を構成す
る巻線に電流を供給するインバータ17とを備えてい
る。
【0022】第2の物体2は、図17で述べた従来の技
術と同様に、磁性体5と、磁性体5の表面に設けた永久
磁石3および永久磁石4と、出力軸6を有している。永
久磁石3は磁性体5の表面にN極が外側になるように接
着しており、永久磁石4は磁性体5の表面にS極が外側
になるように接着している。第1の物体1は、珪素鋼板
等を積層して構成したスロットを有する鉄心7と、スロ
ットの中に設けた巻線8a・9a・10a・8b・9b
・10bを有している。巻線8a・8bと、巻線9a・
9bと、巻線10a・10bとはそれぞれ直列に接続し
ており、3相巻線を構成するように60゜ずつ離れた位
置に配置している。
【0023】前記各巻線は、インバータ17とインバー
タ17を制御する制御回路50によって駆動されてい
る。またインバータ17には、商用交流電源11を整流
する全波の整流回路12と、整流回路12の出力波形を
成形するフィルタ回路40が電源を供給している。整流
回路12は、ダイオード13・14・15・16をブリ
ッジ接続して構成している。フィルタ回路40は、電解
式の平滑コンデンサ41とチョークコイル42によって
構成しており、整流回路12の出力をリプルが少ない、
ほぼ完全な直流に波形成形している。インバータ17
は、6個のスイッチング素子18〜23と、6個のダイ
オード24〜29とを有している。制御回路50は、駆
動回路31と、移相回路51と、論理回路32とを有し
ており、前記各スイッチング素子のベース端子は、すべ
て駆動回路31に接続されている。
【0024】位置検知手段33は、第1の物体1と第2
の物体2との間の空隙部に設けたホールIC34・35
・36によって構成しており、第2の物体2が回転運動
する際に、永久磁石3・永久磁石4の位置を検知してい
るものである。つまり、N極と対向している状態におい
てはハイの論理信号を、S極と対向している状態におい
てはロウの論理信号を出力している。
【0025】以上の構成で制御回路50は、位置検知手
段33の信号を受けて6個のスイッチング素子18〜2
3を順次駆動し、第2の物体2を構成する巻線8a・9
a・10a・8b・9b・10bに電流を供給してい
る。
【0026】図2は、図1の動力発生装置を24000
r/mで運転させている状態における各部の動作波形を
示している。(ア)・(イ)・(ウ)は、それぞれホー
ルIC34の出力a、ホールIC35の出力b、ホール
IC36の出力cの電圧波形を示している。この信号は
移相回路51に伝達されている。この信号の繰り返し周
期は、1/400秒、すなわち2.5ミリ秒となってい
るものである。また、(エ)・(オ)・(カ)はそれぞ
れ本実施例の移相回路51の出力電圧波形d・e・fを
示している。
【0027】図2に示しているように、本実施例の移相
回路51の出力信号d・e・fは、ホールIC34の出
力a・ホールIC35の出力b・ホールIC36の出力
cの周波数が200Hz、すなわち周期にして5ミリ秒
よりも短い場合には、前記各信号に対してTβだけ進ん
だ進み移相となる信号としている。
【0028】この進み時間Tβは、本実施例ではホール
IC34・35・36の出力信号の周波数によって変化
させるものとしている。つまり、第2の物体2の回転速
度に応じて変化させているものである。
【0029】図3は、論理回路32および駆動回路31
の動作を説明する波形図である。すなわち、(ア)・
(イ)・(ウ)は図2に示した信号d・e・fを示して
いる。また(エ)・(オ)・(カ)・(キ)・(ク)・
(ケ)は、スイッチング素子18・19・20・21・
22・23の駆動信号を示す電圧波形である。これらの
信号がハイの期間でスイッチング素子をオンし、ロウの
期間でスイッチング素子をオフしている。
【0030】また図4は、第2の物体2が6000r/
mで回転している状態での移相回路51の動作を示す波
形図である。この信号波形の繰り返し周期は、10ミリ
秒となっている。前記しているように本実施例において
は、各ホールICからの信号の繰り返し周期が5ミリ秒
以下となった場合には、移相回路51は各ホールICか
らの信号よりも位相を進めた出力信号を出力している
が、この場合には周期が10ミリ秒と長いため、各ホー
ルICから入力された信号a・b・cを、そのまま信号
d・信号e・信号fとして出力しているものである。正
確には、信号d・信号e・信号fは、移相回路51内部
の素子(ゲート等)によって信号a・信号b・信号cに
対して数十ナノ秒程度の遅延時間は存在している。しか
しこの程度の時間は、各ホールICからの信号の周期と
比べて無視できる程度のものであり、実質上位相の遅延
なしで動作している。
【0031】以上のように本実施例は、制御回路50が
位置検知手段33の出力信号が所定の周波数以上の場合
には、位置検知手段33が出力する信号に対して所定の
進み位相差Tβを持った信号を出力し、位置検知手段3
3が出力する信号が所定の周波数未満の場合には、位置
検知手段33が出力する信号をそのまま出力する移相回
路51を有する構成として、所定の回転数以上の高速回
転時には直軸電流をゼロにする制御を行わせることがで
き、さらに進み時間Tβを大とすることにより、巻線に
負の直軸電流を供給し、永久磁石による磁束を等価的に
低下させ、無負荷条件付近での速度を高めることも可能
となるものである。
【0032】またこの移相回路51についても、入力信
号の周波数の下限を200Hzとしているために、設計
が容易で、簡単な構成とすることができるものである。
【0033】なお本実施例においてはTβを進み時間と
しているが、遅れ時間としてもよく、この場合には、電
流ベクトルには正の直軸成分が含まれ、永久磁石34・
35による磁束を強める作用が期待できることから、第
2の物体2に対する回転トルクを大きくできる、またイ
ンバータ19を構成するスイッチング素子18〜23の
電流定格の低減等が可能となるものとなる。
【0034】(実施例2)次に本発明の動力発生装置の
第2の実施例について説明する。
【0035】図5は、本実施例の動力発生装置に使用し
ている移相回路の構成を示している。なお図5に示して
いる構成は、図1に示した位置検知手段33を構成する
ホールIC34の出力信号aを処理する部分のみについ
て示している。従って実際には、同様の回路をさらに2
つ設け、それぞれをホールIC35、およびホールIC
36に接続するようにして、移相回路51の全体を構成
しているものである。
【0036】本実施例の移相回路51は、入力端子aに
接続したエッジ検出回路60と、この出力に接続した遅
延回路64、NOT回路68・69、およびDフリップ
フロップ70、Dフリップフロップ70のQ出力端子と
移相回路の入力信号aとを切り換える選択器71、入力
信号aの周波数が200Hz以上か未満かを判定し、選
択器71の切り替え信号を出力する周波数検知器72を
備えている。選択器71の出力は、移相回路51の出力
端子dとしている。
【0037】エッジ検出回路60は、抵抗61・コンデ
ンサ62・EXOR回路63によって構成しており、遅
延回路64は、単安定マルチバイブレータIC65・コ
ンデンサ66・抵抗67によって構成している。
【0038】なお、本実施例においては、Dフリップフ
ロップ70は、CMOS形の集積回路であるμPD40
13Bを使用し、また単安定マルチバイブレータIC6
5については、μPD4538Bで構成しているもので
ある。
【0039】また図7は、前記周波数検知器72の具体
例を示している。この具体例では周波数検知器72は、
単安定マルチバイブレータIC73・コンデンサ74・
抵抗75・76・78・79と、トランジスタ77・D
フリップフロップ80によって構成している。Dフリッ
プフロップ80としては、リトリガブル(再トリガ可
能)のμPD4538Bを使用している。抵抗78・7
9は、トランジスタ77の駆動用に設けられたものであ
る。
【0040】以上の構成で、Dフリップフロップ80の
出力端子Qの出力信号がロウとなった場合には、トラン
ジスタ77がオンし、抵抗76が+15Vの電源に接続
される。この結果、抵抗75と抵抗76との並列抵抗値
とコンデンサ74の静電容量の積が単安定マルチバイブ
レータIC73の時定数となる。また逆に、Dフリップ
フロップ80の出力端子Qの出力信号がハイの場合に
は、トランジスタ77がオフとなり、抵抗76が切り離
された状態となる。このため、抵抗75とコンデンサ7
4との積が単安定マルチバイブレータIC73の時定数
となる。
【0041】従って単安定マルチバイブレータIC73
の出力端子Qの出力信号は、入力信号aの周波数が低い
場合には、一旦はハイとなるが、次の立ち上がりまでに
はロウとなっている。よって、Dフリップフロップ80
の入力端子Dには、常にロウが読み込まれることになっ
て、従って出力端子Qの信号はロウとなる。
【0042】また入力信号aの周波数が高い場合には、
単安定マルチバイブレータIC73の出力端子Qの出力
信号は入力信号aの立ち上がりによってハイとなり、こ
のハイの状態が次の立ち上がり時刻まで保たれ、再トリ
ガされることになる。このため、Dフリップフロップ8
0の入力端子Dには、常にハイが読み込まれることにな
る。従って出力端子Qの信号はハイとなる。
【0043】ここで、前述のトランジスタ77の作用に
よって、周波数が高い場合には単安定マルチバイブレー
タIC73の時定数は長くなり、周波数が低い場合には
単安定マルチバイブレータIC73の時定数は短くな
る。
【0044】図8は、前記周波数検知器72の動作特性
を示したグラフであり、横軸には入力信号aの周波数、
縦軸にはDフリップフロップ80の出力電圧をとってい
る。図に示しているように、入力信号aの周波数を上げ
ていくと、周波数f1において出力はロウからハイに切
り替わるが、ハイの状態から周波数を下げた場合には、
周波数f2において出力はロウに切り替わるものであ
る。つまり本実施例の周波数検知器72は、f1>f2
いうヒステリシスを有する特性となる。なお本実施例に
おいては、f1=210Hz、f2=200Hzとしてい
る。
【0045】以上の構成で本実施例の動力発生装置は、
以下のように動作する。図6は、本実施例の動力発生装
置が24000r/mで回転している時の、各部の動作
波形を示している。すなわち(ア)は移相回路の入力信
号aを、(イ)はエッジ検出回路60の出力信号gを、
(ウ)は遅延回路64の出力信号hを、(エ)はNOT
回路68の出力信号iを、(オ)はNOT回路69の出
力信号jを、(カ)はDフリップフロップ70の出力信
号kを示している。
【0046】エッジ検出回路60は、図6(イ)に示し
ているように、抵抗61とコンデンサ62の時定数によ
って、信号aの立ち上がりの瞬間と立ち下がりの瞬間に
おいて、いずれも1μ秒のパルスを発生する。
【0047】遅延回路64は、コンデンサ66と抵抗6
7との時定数によって、図6(ウ)に示しているよう
に、信号gの立ち上がりの瞬間からTw時間だけパルス
を出力している。さらにこの信号波形は、NOT回路6
8によって図6(エ)に示す波形となるものである。
【0048】ここで本実施例ではTwは予め進み時間T
βに対して、1.25ミリ秒−Tβの値に設定してい
る。このため、NOT回路68の出力信号iのパルス幅
はTβの時間幅を持ったものとなり、その立ち上がりの
タイミングは、入力信号aのエッジからTβだけ進んだ
時刻となる。
【0049】一方NOT回路69の出力信号jは、図6
(オ)に示しているように、入力信号aのハイとロウを
逆にインバートした波形となることから、Dフリップフ
ロップ70は、信号iの立ち上がりエッジにて信号jを
読み取ることができ、図6(カ)に示す信号kを出力し
ているものである。
【0050】このとき周波数検知器72は入力信号aの
周波数を検知しているもので、この周波数が200Hz
を越えていることを検知した場合には、選択器71の接
点を71a側とし、前記信号kを選択器71の出力とし
て移相回路51の出力端子dに出力する。また、動力発
生装置の速度が12000r/m以下で、信号aの周波
数が200Hz以下の場合には、周波数検知器72は選
択器71を71b側とし、信号aを出力端子dに出力す
る。
【0051】つまり回転数の低い起動時には信号aを用
いてスイッチング素子18〜23を制御でき、正常な起
動を行うことができるものである。また回転数が120
00r/mに達した時点では、進み時間をTβとした制
御が行えるものである。
【0052】以上のように本実施例では、遅延回路64
を有する移相回路を使用することによって、高速回転時
には位置検知手段33が出力する信号に対して進み時間
をTβとした制御を、起動時には位置検知手段33の信
号をそのまま使用した制御を行うようにして、速度制御
幅が広く、特に起動時の加速性能を良好にした動力発生
装置としている。
【0053】なお本実施例では、周波数検知器72に対
する入力信号は1つのホールICの出力信号をそのまま
使用しているが、3相のインバータとした場合には、3
個のホールICの出力信号を論理的に処理し、1回転当
たりのパルス数を増した信号を生成し、この信号を周波
数検知器に入力する構成とすれば、同様の効果が期待で
きるものである。
【0054】また本実施例の周波数検知器72を使用し
た場合には、徐々に速度が上昇する際にも、確実にハイ
とロウの切り替えを行うことができ、ノイズ等によるチ
ャタリング動作を防止することができる (実施例3)次に本発明の第3の実施例について説明す
る。本実施例では、図1に示した移相回路51として、
図9に示した構成のものを使用している。
【0055】すなわち本実施例の移相回路は、鋸波発生
回路111・振幅制御回路112・比較器104と、抵
抗103・105・106・107、トランジスタ10
8・Dフリップフロップ109・電圧源110・選択器
71・周波数検知器72を備えているものである。
【0056】鋸波発生回路111は、抵抗81・86・
87・89と、コンデンサ82・92、トランジスタ8
8、NOT回路83・85、EXOR回路84によって
構成している。振幅制御回路112は、抵抗90・96
・97・98・101・102、コンデンサ93・9
5、トランジスタ91・94、OPアンプ99、ツェナ
ダイオード100によって構成している。
【0057】以下本実施例の動作について説明する。図
10は、第2の物体2を24000r/mで運転してい
る状態での移相回路各部の動作波形を示している。すな
わち図10(ア)は入力端子Aの、(イ)は鋸波発生回
路を構成するEXOR回路84の出力信号mを、(ウ)
は鋸波発生回路の出力であるコンデンサ92の信号電圧
nを、(エ)は比較器104の+入力端子に入力される
信号xを、(オ)は比較器104の出力信号yを、
(カ)はDフリップフロップ109の入力端子Dへの入
力信号zを、(キ)はDフリップフロップ109の出力
端子Qからの出力信号kを示している。なお出力信号k
は、本実施例の移相回路の出力信号dと等しいものとな
る。
【0058】出力信号mは、入力端子Aに入力される位
置検知手段33を構成するホールICの検知信号aの立
ち上がり時と立ち下がり時に、抵抗81とコンデンサ8
2の時定数による50μ秒のロウ期間を有したものとな
っている。コンデンサ92の信号電圧nは、ピーク値V
peakが10Vの鋸歯状波となっている。
【0059】比較器104の+入力端子に入力される信
号電圧xは、前記出力信号mがロウである期間中にトラ
ンジスタ108がオンしていることから、この期間には
移相回路の電源電圧である+15Vまで引き上げられて
おり、その他の期間では、トランジスタ108がオフで
あることからとなることから抵抗103の電圧降下はゼ
ロとなり、前記信号電圧nと同じ電圧となっている。ま
た比較器104の−入力端子に加わる信号電圧zは、電
圧源110によって所定の電圧値Vcontとなってい
る。このため比較器104の出力信号yは、(オ)に示
しているように検知信号aの前に立ち上がりを有した波
形となる。
【0060】この出力信号yと前記信号電圧Zが、Dフ
リップフロップ109の入力端子CKと入力端子Dに入
力されると、Dフリップフロップは、出力信号yの立ち
上がりのタイミングで、信号電圧zを読み込むことにな
る。このため、Dフリップフロップの出力端子Qから
は、出力信号kが出力される。この出力信号kは、検知
信号aに対して、Tβだけの進み期間を有する信号とな
る。
【0061】選択器71は周波数検知器72の信号によ
って動作しており、この速度条件においては図9に示し
ているように、前記出力信号kを出力信号dとするよう
に接点が閉じているものである。このため、移相回路の
出力信号dも、出力信号kと同じ波形となるものであ
る。
【0062】次に振幅制御回路112の動作について説
明する。トランジスタ94・コンデンサ95・抵抗96
は、ピークホールド回路を構成している。従ってコンデ
ンサ95の両端からは、前記鋸波発生回路のコンデンサ
92の信号電圧nのピーク値に応じた直流電圧が出力さ
れる。なお、トランジスタ94のベース・エミッタ間電
圧は約0.7Vであり、これによってこのピーク電圧と
コンデンサ95の電圧の間には若干の差が生ずるもので
ある。このピーク電圧はOPアンプ99の+入力端子に
入力される。またOPアンプ99の−入力端子には、抵
抗97と抵抗98で+15V電源を分圧した出力(約
9.3V)が入力されている。従ってOPアンプ99
は、ピーク電圧の方が−入力端子に入力されている電圧
より低い場合には、出力電圧を低下させ、ツェナダイオ
ード100のアノード端子を引き下げるように作用す
る。つまり、抵抗102を通じてトランジスタ91のベ
ース電位を引き下げるように動作する。従って抵抗90
の両端の電圧は高くなり(抵抗90の両端子間電圧は、
コンデンサ93の両端電圧からトランジスタ91のベー
ス・エミッタ間電圧である0.7Vを差し引いた値とな
る)、コンデンサ92に供給される電流(充電電流)は
大きくなって、図10(ウ)・(エ)に示している信号
電圧n・信号電圧xの傾斜部分の傾きが大きくなるもの
である(すなわち電圧の上昇速度が速くなるものであ
る)。すなわち、信号電圧nのピーク電圧が上昇し、約
10Vとなった時点で安定するという負帰還動作を行う
ものとなっている。
【0063】また信号電圧nのピーク電圧値Vpeak
が10V以上になっている場合には、振幅制御回路11
2が、上記と逆の制御を行うことによって、結果的に信
号電圧nのピーク値Vpeakの値は、検知信号aの周
期が変化しても、常に10Vに保たれるものとなる。
【0064】このように信号電圧nの振幅であるVpe
akの値をほぼ一定に保つことから、本実施例の移相回
路においては、Vcontの値は、Tβそのものではな
く、Tβを検知信号aの周期で除した値、すなわち進み
位相角βを設定することが可能となるものである。この
ことは、巻線電流のベクトルを制御したりする場合に極
めて有効なものである。
【0065】図11は、図9に示した移相回路のVco
nt値と進み位相角βとの関係を示している。すなわち
本実施例の移送回路は、Vcont=10Vで、ちょう
どβ=0となり、Vcontが低下するに従って次第に
βが増加し、Vcont=5Vにおいて、ほぼβ=90
度となる特性を有しているものである。なお本実施例に
おいては、Vcontが10Vを越えた場合には、比較
器104の+入力端子に入力されている信号電圧xが図
10(エ)に示しているように10Vから15Vまで上
昇しているため、結果としてβ=0に固定される。つま
り本実施例によれば、Vcontを10V以上に設定し
た場合の誤動作は発生しないものである。
【0066】弱め磁束制御などを行う場合には、0<β
<90度の範囲で制御することが考えられるので、この
場合には、Vcontの下限を制限する回路を追加して
設け、βが過大となることによる電流ベクトルの進み過
ぎを防止し、速度の上がりすぎや、巻線電流値を制限し
ても良いものである。
【0067】また本実施例では、検知信号aの周波数が
200Hzよりも低い場合、すなわち動力発生装置の回
転速度が12000r/m未満となっている場合におい
ては、選択器71の接点は、入力端子Aに入力されてい
る検知信号aがそのまま出力信号dとなるように切り替
えているものである。このため、この場合には移送回路
の出力信号dは検知信号aとなって、位相差はなくなる
ものである。
【0068】本実施例では、このように所定の周波数よ
りも高い周波数域でのみ、進み位相βを設定した制御を
行うものである。またこのため、振幅制御回路112を
構成しているピークホールド回路・OPアンプ99・抵
抗102・コンデンサ93・抵抗90・トランジスタ9
1による補償動作の周波数特性が、周波数検知器72で
設定している所定周波数以上の領域に限定されるもので
あり、振幅制御回路112の構成および設計が簡素化で
きるものである。
【0069】(実施例4)次に図12に基づいて、本発
明の第4の実施例について説明する。第1の物体160
は、単相の巻線167を鉄心168に巻回した構成とし
ている。第2の物体161は、第1の物体160に対し
て相対的に可動に設けており永久磁石169・170と
出力軸159とを有している。前記巻線167には、4
個のスイッチング素子を有しているインバータ164か
ら電流を供給している。また165は、ホールICによ
って構成した位置検知手段166の信号を受けてインバ
ータ164を制御する制御回路である。位置検知手段1
66は、第2の物体161の永久磁石169・170の
磁極の位置を検知しており、N極を検知しているときは
ハイ信号を、S極を検知しているときはロウ信号を発生
する。
【0070】またインバータ164は、トランジスタに
よって構成したスイッチング素子171〜174と、各
スイッチング素子に逆並列に接続したシリコン形のダイ
オード175〜178と、直流電源163とを有してい
る。制御回路165は、位置検知手段166からの信号
pを受けて、スイッチング素子171〜174を駆動す
る駆動信号a・b・c・dを出力している。各スイッチ
ング素子は、駆動信号a・b・c・dがハイであるとき
にオン状態となり、ロウであるときはオフ状態となるも
のである。
【0071】制御回路165は、駆動回路190と移相
回路191によって構成され、移相回路191は、選択
器71・進相回路192・周波数検知回路72を有して
いる。この移相回路191は、実施例2や実施例3で使
用したものと同様の構成となっており、信号qを出力し
ている。
【0072】選択器71は周波数検知器72の信号を受
けて作動しており、速度が低い場合には周波数検知器7
2の出力がロウとなって、図12に示しているように信
号pを直接駆動回路190に出力するする側に接点が閉
じるものである。また速度が高い場合には、周波数検知
器72の出力がハイとなって、進相回路192の出力q
を駆動回路190に出力する側に接点を閉じるものであ
る。
【0073】こうして各スイッチング素子は、巻線16
7に電流を供給する。この結果、第2の物体161は第
1の物体160に対して時計方向に回転するものであ
る。つまり、時計方向のトルクが発生するものである。
【0074】以下本実施例の動作について説明する。図
13は、動力発生装置が回転速度24000r/mで回
転している状態における動作を示す波形図である。図1
3(ア)は位置検知手段166の出力信号電圧pを、
(イ)はスイッチング素子171に対する駆動信号aの
波形を、(ウ)はスイッチング素子172に対する駆動
信号bの波形を、(エ)はスイッチング素子173に対
する駆動信号cの波形を、(オ)はスイッチング素子1
74に対する駆動信号dの波形を、(カ)は巻線167
に流れる電流iMの波形を示している。
【0075】図13から分かるように本実施例の制御回
路165は、スイッチング素子への駆動信号a・b・c
・dのハイ・ロウのタイミングが、位置検知手段166
の出力信号pのハイ・ロウのタイミングに対して、時間
的にTβだけ進んだものとなるように制御しているもの
である。つまり、位置検知手段166の出力pが、ロウ
からハイに立ち上がる時刻t2のTβ前の時刻t1におい
て、信号aとbがロウからハイに立ち上がっており、同
時にbとcがハイからロウに立ち下がっている。また逆
に位置検知手段166の出力pがハイからロウに立ち下
がる時刻t4のTβ前の時刻t3において、aとbがハイ
からロウに立ち下がっており、同時にbとcがロウから
ハイに立ち上がっている。
【0076】このようにTβの時間を設定した結果巻線
167に流れる電流iMは、t2・t4・t6・t8の
各時刻に丁度電流が0となるものである。つまり信号a
・b・c・dによってスイッチング素子171・172
・173・174がオンオフされているが、巻線167
が有するインダクタンス分のために、電流波形が遅れて
前記電流0のタイミングとなるものである。従って結果
的には図13(ア)に示した位置検知手段166の信号
のハイ・ロウのタイミングと、巻線電流iMの零点とが
同一時刻となるものである。
【0077】これによって、位置検知手段166の出力
信号pがハイの期間には、常にiM>0となっているも
のである。このため、この期間の鉄心168内の磁束Φ
は正方向となっているものである。逆に、位置検知手段
166の出力信号pがロウの期間には常にiM<0とな
っており、この期間の鉄心168内の磁束Φは負方向と
なっている。すなわち、永久磁石169・170の位置
と鉄心168内の磁束Φの方向とは同期が取れた状態で
変化しているものである。この結果いずれの瞬間におい
ても発生するトルクの方向は正となるものであり、つま
り時計方向であり、逆方向のトルクが発生する瞬間は存
在しない。
【0078】発明者らによる実験によれば、制御回路1
65が、位置検知手段166の出力信号pに対して、2
π×Tβ/T0(rad)の進み位相でインバータ16
4を制御すると(T0は、位置検知手段166の出力信
号pの1周期であり、図13においては、2.5ミリ
秒)、前記の状態を実現できるものである。また、この
ように逆方向のトルクが発生することがなくなるように
Tβを設定した場合には、効率がほぼ最大となるもので
ある。
【0079】スイッチング素子の切り替えを行ってか
ら、モータ電流iMが0になるまでの時間は、巻線16
7のインダクタンスの大きさによって決まってくるもの
であり、特に高速運転時においては、T0に対するこの
時間の比率が大となる傾向がある。したがって、特に高
速回転時においては、図13に示しているように進み時
間をTβとする制御を実行することが、効率や出力を高
める上で重要である。
【0080】本実施例においては、周波数検知器72を
使用して200Hz以上の入力周波数で動作する場合
(回転速度にして12000r/m以上)について、前
記制御を実行しているものである。また、起動時から1
2000r/m未満の低速時においてはTβ=0とする
制御を実行しているが、この範囲においては、逆トルク
による影響は、それほど大きなものではない。
【0081】また本実施例においては、図12に示して
いるように、第1の物体160を構成する鉄心168
と、第2の物体161との間のギャップを、一定ではな
く、傾斜を有した形に設定している。このため、永久磁
石169・170による磁束が、なるべくギャップ17
9の小さい部分(磁気抵抗が小の部分)を通ろうとする
ことによって発生する「リラクタンス」によって、第2
の物体161の停止時には図12に示すような位置で停
止するものである。従って、巻線167に対する通電に
よって確実に起動するものである。
【0082】以上のように本実施例によれば、第1の物
体160と第2の物体161との間に発生する電磁力が
第2の物体161の移動方向に対して逆極性となる瞬間
が発生せず、出力のリプルが小さくまた出力パワーが大
きい動力発生装置を実現するものである。
【0083】なお本実施例の動力発生装置は、例えばフ
ァン負荷など、静止状態における必要トルクが非常に小
さいものとしているので、前記リラクタンストルクで、
起動可能な位置に引きつけるトルクが十分得られるもの
である。また、低周波領域においては進相回路192の
動作が不要であり、従って進相回路192の構成を簡単
なものとできる。
【0084】また本実施例の進相回路192は、Tβを
一定に設定しているものを示しているが、図9に示すよ
うに進み位相角βを設定するものとした上で、Vcon
tを可変とし、回転速度に応じた進み位相角βの設定を
行うようにしても良い。また、例えば0.1Ω等の抵抗器
を設けてモータ電流iMのゼロ点の検知を行い、このゼ
ロ点の時刻と位置検知手段166の出力信号との時間差
がゼロになるように、負帰還の制御を行うようにしても
良い。この場合は、例えば直流電源163の電圧の変
動、負荷のトルク−速度特性の変化、部品バラツキなど
が発生した場合でも、負帰還制御を実行しているため、
常に逆トルクとなる電流が発生しない状態を保つことが
できる。
【0085】(実施例5)続いて本発明の第5の実施例
について説明する。本実施例では、図14に示している
移相回路を使用している。すなわち本実施例の移相回路
は、遅相回路200・選択器71・周波数検知器72に
よって構成している。遅相回路200は、抵抗201〜
204・コンデンサ205・コンパレータ206を備え
ており、抵抗201とコンデンサ205の時定数によっ
てコンデンサ205を充放電している。このコンデンサ
205の電圧は、コンパレータ206の+入力端子に入
力されており、コンパレータ206の−入力端子に入力
されている抵抗202・抵抗203の分圧で設定された
電圧と比較されている。従ってコンパレータ206の出
力は、入力端子Aに入力されている検知信号aの波形を
一定期間だけ遅らせたものとなる。
【0086】なお周波数検知器72は、前記各実施例で
説明したものと同様、選択器71の出力を所定周波数以
上の場合には遅相回路200の出力を移相回路の出力d
とするように、また所定周波数より低い場合には検知信
号aを移相回路の出力dとするように切り換えているも
のである。
【0087】図15は、遅れ位相角をβとした場合の動
作ベクトル図である。遅れ位相角βは、遅れ時間をTβ
とすると、2π×Tβ/T0[rad]にて計算される
ものとなる。ただし、T0は一周期の時間であり、イン
バータの動作周波数fに対して、1/fに相当するもの
である。
【0088】本実施例では図15に示しているように3
相の巻線に供給される電流の位相が90度に対して位相
角βだけ遅れていることから、巻線電流にsinβを乗
じた電流による起磁力φIdが、永久磁石によって生ずる
磁束φ0に対して同相となる。つまりこのφIdは、もと
の磁束φ0を強めるように作用するものである。よって
巻線に発生する誘導起電力の値は、φ0がそのまま作用
する場合と比べて大きくなるものである。従ってこの場
合には、図1に示している平滑コンデンサ41から流入
する電流を抑制できると共に、発生するトルクが大きく
なるものである。つまり、永久磁石の磁束が等価的に強
められたのと同様の効果があることから、トルクも大き
くとることが可能となるものである 本実施例においては、遅相回路200は、抵抗201と
コンデンサ205の積によって定まった時間だけ、検知
信号aの波形を遅らせるようにしているが、時間を一定
とするのではなく、可変としたり、遅れの電気角(遅れ
位相角)βの値が速度の変化においても、常に一定に制
御されるような構成としても良く、また必要な加速トル
クを得るために必要な遅れ位相角βをその都度変えて制
御を行う構成としても良いものである。この場合は、さ
らに加速特性の優れた動力発生装置の実現が可能とな
り、効果を顕著に上げることができるものとなる。
【0089】なお静止状態からの起動する場合には、周
波数検知器72が動作することから、遅相回路は動作し
ないものである。つまり位置検知手段の信号aを使用し
た制御を実行するものであり、第2の物体がいかなる位
置で静止していたとしても、確実に正の起動トルクが確
保できるものとなる。
【0090】(実施例6)次に本発明の第6の実施例に
ついて説明する。図16は本実施例の動力発生装置に使
用している第2の物体2を示す断面図である。なお本実
施例の回路構成については、図1および図14と同一の
ものを使用している。
【0091】本実施例で使用している第2の物体2は、
円柱を直線で切り落とした形状の磁性体210の両側の
曲面部分に、永久磁石211と永久磁石212を張り合
わせた構成としている。永久磁石211と永久磁石21
2は、いずれも、C側がS極D側がN極となっている。
この構成によれば、C−D軸方向の磁束は、磁性体2
10の部分を長く通って流れることになることから、磁
気抵抗が小であり、よってこの方向のインダクタンスL
dは大きくなる。逆にA−B軸方向の磁束は、空隙部分
を長く通ることから、磁気抵抗が大であり、よってこの
方向のインダクタンスLqは小さくなる。このように、
Ld>Lqとなるような構成は、一般には突極構成と称
している。
【0092】このような突極構成を有する第2の物体2
としているために、リラクタンストルクを有効に利用で
きるものである。すなわち、Ld=Lqの非突極構造で
あれば斜め方向からの磁束に対しては反応しないもので
あるが、Ld>Lqの突極構造となっているために、斜
め方向からの磁束に対してもリラクタンストルクが発生
するものである。このリラクタンストルクの向きは、巻
線電流と永久磁石による磁束により、フレミングの左手
の法則によって発生しているトルク(BILトルクとも
呼ばれる)の方向と同一となる。
【0093】したがって、特に遅れ位相角βを正にとっ
ている状態においては、フレミングの左手の法則によっ
て発生しているトルクに、リラクタンストルクが手伝う
形となり、トータルとしてのトルクが大きくなるもので
ある。
【0094】なお前記各実施例では回転運動を行う動力
発生装置を示しているが、特に回転運動に限るものでは
なく、例えばリニアモータなどのように直線運動をさせ
るものであっても良く、要するに機械的なパワーを取り
だすもので有ればどのようなものにも適用できる。
【0095】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、巻線を有す
る第1の物体と、第1の物体に対して相対的に可動に設
けた永久磁石を有する第2の物体と、前記巻線に電流を
供給する少なくとも1個のスイッチング素子を有するイ
ンバータと、インバータを制御する制御回路と、永久磁
石の位置を検出する位置検知手段とを備え、前記制御回
路は位置検知手段の出力信号が所定の周波数以上の場合
には、位置検知手段が出力する信号に対して所定の進み
位相差を持った信号を出力し、位置検知手段が出力する
信号が所定の周波数未満の場合には、位置検知手段が出
力する信号をそのまま出力する移相回路を有する構成と
して、制御幅を広めた動力発生装置を実現するものであ
る。
【0096】請求項2に記載した発明は、移相回路は、
位置検知手段が出力する信号から所定の時間遅延した時
点で信号を出力する構成として、速度制御幅が広く、特
に起動時の加速性能を良好にした動力発生装置を実現す
るものである。
【0097】請求項3に記載した発明は、移相回路は、
位置検出手段が出力する信号に同期した鋸波を発生する
鋸波発生回路と、前記鋸波の振幅をほぼ一定に保つ振幅
制御回路と、前記鋸波と所定値とを比較する比較器とを
有する構成として、起動時の加速性能を良好にした動力
発生装置を実現するものである。
【0098】請求項4に記載した発明は、単相の巻線を
有する第1の物体と、第1の物体に対して相対的に可動
に設けた永久磁石を有する第2の物体と、前記巻線に電
流を供給する少なくとも1個のスイッチング素子を有す
るインバータと、インバータを制御する制御回路と、永
久磁石の位置を検出する位置検知手段とを備え、前記制
御回路は位置検知手段が出力する信号の周波数が所定値
以上の場合には、位置検知手段の信号に対して進み位相
差を有する信号を出力する移相回路を有する構成とし
て、第1の物体と第2の物体との間に発生する電磁力が
第2の物体の移動方向に対して逆極性となる瞬間が発生
せず、出力のリプルが小さくまた出力パワーが大きい動
力発生装置を実現するものである。
【0099】請求項5に記載した発明は、3相の巻線を
有する第1の物体と、第1の物体に対して相対的に可動
に設けた永久磁石を有する第2の物体と、前記巻線に電
流を供給する少なくとも1個のスイッチング素子を有す
るインバータと、インバータを制御する制御回路と、永
久磁石の位置を検出する位置検知手段とを備え、前記制
御回路は位置検知手段が出力する信号の周波数が所定値
以上の場合には、位置検知手段の信号に対して遅れ位相
差を有する信号を出力する移相回路を有する構成とし
て、加速性能の良好な動力発生装置を実現するものであ
る。
【0100】請求項6に記載した発明は、第2の物体
は、直軸インダクタンス値が横軸インダクタンス値より
も大である突極特性を有する構成として、特に遅れの位
相差を設定している状態において発生するリラクタンス
トルクを利用して高トルクを発生できる動力発生装置を
実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である動力発生装置の構
成を示す回路図
【図2】同、高速回転時の移相回路の動作を示す波形図
【図3】同、論理回路および駆動回路の動作を示す波形
【図4】同、低速回転時の移相回路の動作を示す波形図
【図5】本発明の第2の実施例である動力発生装置の移
相回路の構成を示す回路図
【図6】同、移相回路の動作を示す波形図
【図7】同、移相回路に使用している周波数検知器の構
成を示す回路図
【図8】同、周波数検知器の動作を示す特性図
【図9】本発明の第3の実施例である動力発生装置の移
相回路の構成を示す回路図
【図10】同、移相回路の動作を示す波形図
【図11】同、移相回路の動作を示す特性図
【図12】本発明の第4の実施例である動力発生装置の
構成を示す回路図
【図13】同、高速回転時の動力発生装置の各部の動作
を示す波形図
【図14】本発明の第5の実施例である動力発生装置に
使用している移相回路の構成を示す回路図
【図15】同、動力発生装置の動作を示すベクトル図
【図16】本発明の第6の実施例である動力発生装置に
使用している第2の物体の構成を示す断面図
【図17】従来の動力発生装置の構成を示す回路図
【図18】同、各部の動作を示す波形図
【符号の説明】
1 第1の物体 2 第2の物体 3 永久磁石 4 永久磁石 8a 巻線 8b 巻線 9a 巻線 9b 巻線 10a 巻線 10b 巻線 17 インバータ 18〜23 スイッチング素子 33 位置検知手段 34〜36 ホールIC 50 制御回路 51 移相回路 60 エッジ検出回路 64 遅延回路 68〜69 NOT回路 70 Dフリップフロップ 71 選択器 72 周波数検知器 104 比較器 111 鋸波発生回路 112 振幅制御回路 160 第1の物体 161 第2の物体 164 インバータ 165 制御回路 169〜170 永久磁石 167 単相の巻線 171〜174 スイッチング素子 191 移相回路 200 遅相回路 210 磁性体 211〜212 永久磁石

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線を有する第1の物体と、第1の物体
    に対して相対的に可動に設けた永久磁石を有する第2の
    物体と、前記巻線に電流を供給する少なくとも1個のス
    イッチング素子を有するインバータと、インバータを制
    御する制御回路と、永久磁石の位置を検出する位置検知
    手段とを備え、前記制御回路は位置検知手段の出力信号
    が所定の周波数以上の場合には、位置検知手段が出力す
    る信号に対して所定の進み位相差を持った信号を出力
    し、位置検知手段が出力する信号が所定の周波数未満の
    場合には、位置検知手段が出力する信号をそのまま出力
    する移相回路を有する動力発生装置。
  2. 【請求項2】 移相回路は、位置検知手段が出力する信
    号から所定の時間遅延した時点で信号を出力する請求項
    1記載の動力発生装置。
  3. 【請求項3】 移相回路は、位置検出手段が出力する信
    号に同期した鋸波を発生する鋸波発生回路と、前記鋸波
    の振幅をほぼ一定に保つ振幅制御回路と、前記鋸波と所
    定値とを比較する比較器とを有する請求項1記載の動力
    発生装置。
  4. 【請求項4】 単相の巻線を有する第1の物体と、第1
    の物体に対して相対的に可動に設けた永久磁石を有する
    第2の物体と、前記巻線に電流を供給する少なくとも1
    個のスイッチング素子を有するインバータと、インバー
    タを制御する制御回路と、永久磁石の位置を検出する位
    置検知手段とを備え、前記制御回路は位置検知手段が出
    力する信号の周波数が所定値以上の場合には、位置検知
    手段の信号に対して進み位相差を有する信号を出力する
    移相回路を有する動力発生装置。
  5. 【請求項5】 3相の巻線を有する第1の物体と、第1
    の物体に対して相対的に可動に設けた永久磁石を有する
    第2の物体と、前記巻線に電流を供給する少なくとも1
    個のスイッチング素子を有するインバータと、インバー
    タを制御する制御回路と、永久磁石の位置を検出する位
    置検知手段とを備え、前記制御回路は位置検知手段が出
    力する信号の周波数が所定値以上の場合には、位置検知
    手段の信号に対して遅れ位相差を有する信号を出力する
    移相回路を有する動力発生装置。
  6. 【請求項6】 第2の物体は、直軸インダクタンス値が
    横軸インダクタンス値よりも大である突極特性を有する
    請求項5記載の動力発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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